【実施例】
【0088】
[実施例1]
合成プロトコル
【0089】
【化9】
【0090】
(E)-1-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン-1-オン(2)の合成
500mLのTHF中の1(40.0g、200mmol)及びR-1(119.0g、1000mmol)の溶液を70℃で終夜撹拌した。TLCにより、反応が完了したことが明らかになった。混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧除去した。得られた固体をヘキサンで洗浄して、2(47.2g、93%)を黄色固体として得た。
【0091】
4-(5-ブロモピリジン-3-イル)-N-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(3)の合成
500mLのn-BuOH中の2(45g、176.5mmol)、7(40.6g、159.2mmol)、K
2CO
3(44.0g、318.8mmol)の混合物を120℃で16時間加熱した。反応混合物を濾過し、溶媒を減圧除去した。残留物をクロマトグラフィーカラム(シリカゲル、石油エーテル(PE)/酢酸エチル(EA)で溶離、PE/EA=2:1)により精製して、3(47.0g、70%)を淡黄色固体として得た。
【0092】
N
1-(4-(5-ブロモピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メチルベンゼン-1,3-ジアミン(4)の合成
300mLのEtOAc中の3(45.0g、116.9mmol)及びSnCl
2(132.0g、585mmol)の溶液を加熱して終夜還流し、次いで反応物を室温に冷却し、濾過し、溶液を減圧濃縮して、4(44.0g、100%)を得た。それを、さらに何ら精製することなく、次のステップに直接使用した。
【0093】
N-(3-(4-(5-ブロモピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド(5)の合成
上記の粗製4(30.0g、84.5mmol)及び8(40.0g、123.0mmol)を300mLのi-BuOHに溶解し、次いで、得られた溶液を80℃に約5時間温め、反応が完了した後、混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。得られた残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/EA=2:1)で精製して、5(45.0g、93%)を黄色固体として得た。
【0094】
5-(2-(2-メチル-5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)ピリジン-3-イルボロン酸(6)の合成
ジオキサン(150mL)中の5(10.0g、17.5mmol)、KOAc(2.8g、28.1mmol)、PCy
3(0.3g、1.1mmol)、Pd
2(dba)
3(0.4g、0.5mmol)及び4,4,4',4',5,5,5',5'-オクタメチル-2,2'-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(7.1g、28.0mmol)の混合物を80℃で終夜撹拌した。反応が完了した後、反応液を減圧除去して、粗製6(11.0g、収率100%)を黄色固体として得た。それを、さらに精製することなく、次のステップに直接使用した。
【0095】
【化10】
【0096】
N-(3-(4-(5-アセチルピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)-4-メチルフェニル)-4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド(7)の合成
脱気したジオキサン(50mL)中の5(1.1g、2.0mmol)、トリブチル(1-エトキシビニル)スタンナン(0.9g、2.6mmol)、Pd(PPh
3)
4(0.2g、0.1mmol)及びトリエチルアミン(0.3g、3.0mmol)の溶液を加熱して24時間還流した。次いで、溶媒を真空中で蒸発させ、残留物を厚いSiO
2パッドで濾過した。得られた固体を乾燥THF(60ml)に溶解し、0℃に冷却し、1N HClで処理した。溶液を室温で2時間撹拌し、次いで飽和NaHCO
3水溶液で中和した。混合物をEAで抽出し、有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、PE/EA=2:1で溶離)で精製して、7(1.0g、94%)を白色固体として得た。
【0097】
エチル4-(5-(2-(2-メチル-5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)ピリジン-3-イル)-2,4-ジオキソブタノアート(8)の合成
シュウ酸ジエチル(0.4g、2.3mmol)を、水素化ナトリウム(70%、0.2g)のテトラヒドロフラン(15mL)懸濁液に添加し、約15分間還流した。次いで、7(1.0g、1.9mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を30分かけて滴下し、90分間還流した。冷却した後、反応混合物を氷水に注ぎ込み、希塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出し、Na
2SO
4で脱水し、濃縮した。粗生成物8(0.8g、67%)を、さらに何ら精製することなく、次のステップに使用した。
【0098】
5-(5-(2-(2-メチル-5-(4-((4-メチルピペラジン-1-イル)メチル)ベンズアミド)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)ピリジン-3-イル)-4H-ピラゾール-3-カルボン酸(9)の合成
8(0.8g、1.26mmol)のEtOH(20mL)溶液に、ヒドラジン(0.1g、2.54mmol)を添加した。得られた混合物を加熱して60分間還流した。溶液を減圧下で除去し、残留物を分取HPLC(塩基性)で精製して、9(0.6g、78%)を白色固体として得た。
【0099】
ライブラリー化合物の合成
【0100】
【化11】
一般手順:2mLのDMF中の9(160mg、0.26mmol)、HATU(148mg、0.39mmol)、R
1R
2NH(1.2当量)及びDIPEA(70mg、0.54mmol)の溶液を室温で3時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で蒸発させ、残留物を分取HPLCで精製して、所望のライブラリー化合物を得た。
【0101】
【化12】
【0102】
この一般手順を用いて、化合物115、116及び117を調製した。
【0103】
一般手順:マイクロ波オーブン中で、ジオキサン(4mL)及び水(1mL)中の5(200mg、0.35mmol)、RB(OH)
2(2.0当量)、Pd(PPh
3)
4(40mg、0.03mmol)、Na
2CO
3(112mg、1.05mmol)の混合物に90分間照射した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物を分取HPLCで精製して、所望のライブラリー化合物を固体として得た。
【0104】
【化13】
【0105】
この一般手順を用いて、化合物101、102、103、118、201、202、309、401、402、403、404及び405を調製した。
【0106】
一般手順:マイクロ波オーブン中で、i-PrOH(4mL)及び水(1mL)中の6(150mg、0.34mmol)、RBr又はRI(2.0当量)、Pd(dppf)Cl
2(57mg、0.07mmol)、Cs
2CO
3(280mg、0.85mmol)の混合物に30分間照射した。次いで、反応液を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物を分取HPLCで精製して、所望のライブラリー化合物を固体として得た。
【0107】
【化14】
【0108】
この一般手順を用いて、化合物104、105、106、108、113、119、203を調製した。
【0109】
一般手順:マイクロ波オーブン中で、5mLのNMP中の5(200mg、0.35mmol)、R-305、R-306、又はR308(3.0当量)、Pd
2(dba)
3(25mg、0.03mmol)、t-BuOK(157mg、1.40mmol)、BINAP(22mg、0.03mmol)の溶液に150℃で90分間照射した。次いで、反応液を室温に冷却し、減圧濃縮した。残留物を分取HPLCで精製して、所望の化合物を固体として得た。
【0110】
【化15】
【0111】
この一般手順を用いて、化合物305、306、308を調製した。
【0112】
一般手順:2mLのDMF中の5(200mg、0.35mmol)、K
3PO
4(149mg、0.70mmol)、DMCDA(7mg、0.05mmol)及びCuI(10mg、0.05mmol)の溶液に、R-303又はR-304(2.0当量)を添加した。得られた混合物を120℃で終夜撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(0.5mL)を添加し、EA(3mL×3回)で抽出した。有機層を合わせて、Na
2SO
4で脱水し、真空中で濃縮した。残留物を分取HPLCで精製して、所望のライブラリー化合物を固体として得た。
【0113】
【化16】
【0114】
この一般手順を用いて、化合物303及び304を調製した。
【0115】
化合物107の合成
【0116】
【化17】
7(150mg、0.28mmol)のDMF-DMA(3mL)溶液を100℃で2時間撹拌した。次いで、溶液を室温に冷却し、溶媒を減圧除去した。粗残留物をEtOH(10mL)に溶解し、ヒドラジン(45mg、1.40mmol)を添加した。得られた混合物を加熱して終夜還流した。溶媒を室温に冷却し、真空中で濃縮した。残留物を分取HPLCで精製して、107(20mg、13%)を固体として得た。
【0117】
化合物207の合成
【0118】
【化18】
7(200mg、0.37mmol)のDMA-DMA(4mL)溶液を100℃に加熱し、2時間撹拌した。過剰のDMA-DMAを真空中で蒸発させ、残留物をエタノール(10mL)に溶解し、この溶液に、K
2CO
3(255mg、1.85mmol)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(77mg、1.11mmol)を添加した。得られた混合物を終夜還流した。冷却した後、混合物をセライトで濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物を分取HPLCで精製して、化合物207(18mg、8%)を固体として得た。
【0119】
化合物870、880、8300、831、832の合成
【0120】
【化19】
【0121】
方法
【0122】
【化20】
【0123】
1-(2-メチル-5-ニトロフェニル)グアニジン(1)
2-メチル-5-ニトロアニリン(152g、1.0mol)、シアナミド(247mL、6.0mol)及びイソプロピルアルコール(1000mL)の混合物を3Lのフラスコに入れた。混合物を80℃に加熱した。濃塩酸(57mL)を80分かけてゆっくり滴下した。反応混合物の温度を80℃に維持しながら、1時間撹拌した。濃塩酸をもう一部(144mL)、80℃で滴下した。次いで、反応混合物を100℃で12時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、NaOH水溶液(2.5N、1200mL)で処理した。得られた固体を濾過で回収し、イソプロピルアルコール(500mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物1(145g、収率76%)を得た。
【0124】
(E)-1-(5-ブロモピリジン-3-イル)-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン-1-オン(3)
3-アセチル-5-ブロモピリジン(126.7g、0.633mol)及びDMF-DMA(84g、70.6mmol)の混合物を1時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィーで直接精製した。濃縮後に得られた粗生成物をジエチルエーテル(200mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物3(122g、収率75.5%)を黄色結晶として得た。
【0125】
4-(5-ブロモピリジン-3-イル)-N-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(4)
2-プロパノール(150mL)中の化合物1(10.0g、51.5mmol)及び化合物3(12.9g、50.8mmol)の混合物を18時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、得られた沈澱物を濾過で回収し、ジエチルエーテル(100mL)で洗浄し、乾燥させて、化合物4(13.2g、収率67%)を淡黄色結晶として得た。
【0126】
N
1-(4-(5-ブロモピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)-6-メチルベンゼン-1,3-ジアミン(5)
エタノール/水(1:1、140mL)中の鉄(5.08g、907mmol)、NH
4Cl(970mg、18.1mmol)及びSiO
2(3g)の混合物を55℃で10分間加熱した。次いで、化合物4(7.0g、18.1mmol)のTHF(70mL)懸濁液を添加した。反応混合物を還流下で1時間撹拌し、室温に冷却した。混合物を水(100mL)に注ぎ込み、次いで酢酸エチル(100mL×2回)で抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物5(5.88g、収率91%)を黄色固体として得た。
【0127】
4-(4-(メトキシカルボニル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(6a)
アセトニトリル(400mL)中の4-ホルミル安息香酸メチル(20g、121mmol)及びピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(25g、134mmol)の混合物に、室温でTFA(10mL)を滴下した。混合物を1時間撹拌し、NaBH
3CN(8.32g、134mmol)を添加した。反応混合物を室温で終夜撹拌し、水を添加した。得られた混合物を酢酸エチル(100mL×2回)で抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物6a(14g、収率34.4%)を得た。それを、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
【0128】
4-(ピペラジン-1-イルメチル)安息香酸メチル(6b)
同じ6aの手順に従って、化合物6bを1-メチルピペラジンから調製した。
【0129】
4-((4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)メチル)安息香酸(7a)
メタノール/アセトニトリル/水(100mL、1:2:2)中の化合物6a(7.0g、粗製物、21mmol)及びLiOH-H
2O(1.4g、31mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。有機溶媒を除去し、残留する水溶液を酢酸エチル(100mL)で洗浄し、次いで2N HCl水溶液でpH=2〜3に調整した。得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2回)で抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物7a(3.0g、収率44.8%)を白色固体として得た。
【0130】
4-(ピペラジン-1-イルメチル)安息香酸(7b)
同じ7aの手順に従って、化合物7bを6bから調製した。
【0131】
4-(4-(3-(4-(5-ブロモピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)-4-メチルフェニルカルバモイル)ベンジル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチル(8a)
DMF(20mL)中の化合物5(1.0g、2.81mmol)、化合物7a(0.98g、4.19mmol)、HATU(1.28g、3.37mmol)の混合物を0℃に冷却し、DIPEA(1.95mL、11.24mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)を添加し、得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2回)で抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1→1:1)で精製して、化合物8a(1.29g、収率80%)を黄色固体として得た。
【0132】
N-(3-(4-(5-ブロモピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イルアミノ)-4-メチルフェニル)-4-(ピペラジン-1-イルメチル)ベンズアミド(8b)
同じ8aの手順に従って、化合物8bを7bから調製した。
【0133】
最終化合物への一般手順
8300、831、832:1,4-ジオキサン及び水(5:1)中の化合物8a/b(1.0当量)、対応するボロン酸(1.0当量)、Pd(dppf)Cl
2(触媒量)及びNa
2CO
3(2.5当量)の混合物を、N
2下で80℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチル及び水で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー又は分取HPLCで精製して、目的の化合物を黄色固体として得た。
【0134】
870:1,4-ジオキサン(2.5mL)及び水(0.5mL)中の化合物8a(100mg、0.152mmol)、ピリジン-4-イルボロン酸(21mg、0.167mmol)、Pd(dppf)Cl
2(15mg、触媒量)及びNa
2CO
3(40mg、0.608mmol)の混合物を、N
2下で80℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチル(10mL)及び水(10mL)で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相をEtOAc(20mL×2回)で抽出した。有機相を合わせて、塩水(20mL×2回)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=100:1→20:1)で精製して、化合物Boc-870(100mg)を褐色固体として得た。
【0135】
Boc-870(100mg、0.152mmol)のCH
2Cl
2(4mL)溶液に、撹拌しながら0℃でTFA(1mL)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、濃縮乾固した。残留物をNaHCO
3水溶液で処理して、pH=9に調整し、次いで酢酸エチル(5mL×3回)で抽出した。有機層を合わせて、水及び塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20:1→10:1)で精製して、化合物870(66mg、収率78.4%)を灰白色固体として得た。
【0136】
880:同じ870の手順に従って、化合物880をピリジン-2-イルボロン酸から調製した。
【0137】
810、820、830、840、8150、8170、8190、8200、8220、8250、8260、8270、8280、8290の合成
【0138】
【化21】
【0139】
方法
【0140】
【化22】
【0141】
化合物4から化合物9への一般手順
810、820、830、840
1,4-ジオキサン及び水(5:1)中の化合物4(1.0当量)、対応するボロン酸(1.0当量)、Pd(dppf)Cl
2(触媒量)及びNa
2CO
3(2.5当量)の混合物を、N
2下で80℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、次いで酢酸エチル及び水で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物9を得た。それを、さらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0142】
N-(2-メチル-5-ニトロフェニル)-4-(5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン-3-イル)ピリミジン-2-アミン(11)
トルエン(50mL)中の化合物4(5.0g、12.95mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.62g、14.25mmol)、Pd(dppf)Cl
2(0.3g、触媒量)及びKOAc(3.83g、38.87mmol)の混合物を、N
2下で12時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(100mL)及び水(100mL)で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチル(100mL×2回)で抽出した。有機相を合わせて、塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油/EtOAc=20:1)で精製して、化合物11(4.77g、収率84.3%)を褐色固体として得た。
【0143】
化合物11から化合物9への一般手順
8150、8170、8190、8200、8220、8250、8260、8270、8280、8290
1,4-ジオキサン及び水(5:1)中のAr-X(1.0当量)、化合物11(1.1当量)、Pd(dppf)Cl
2(触媒量)及びNa
2CO
3(3.0当量)の混合物を、N
2下で80℃にて1時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチルで抽出し、有機相を合わせて、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物9を得た。それを、さらに精製することなく、次のステップで使用した。
【0144】
化合物10への一般手順
エタノール/水(1:1)中の鉄(5.0当量)、NH
4Cl(1.0当量)及びSiO
2(2.0当量)の混合物を55℃で10分間加熱した。次いで、化合物9(1.0当量)のTHF懸濁液を添加した。反応混合物を還流下で1時間撹拌し、室温に冷却した。混合物を水に注ぎ込み、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物10を黄色固体として得た。
【0145】
最終化合物への一般手順
DMF(20mL)中の化合物10(1.0当量)、化合物7b(1.2当量)及びHATU(1.2当量)の混合物を0℃に冷却し、DIPEA(4.0当量)を添加した。反応混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、所望の化合物を固体として得た。
【0146】
806、809、8120、8130、8180、8230、8140の合成
【0147】
【化23】
【0148】
【化24】
【0149】
4-メトキシ-N-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(12)
1,4-ジオキサン/水(140mL/60mL)中の2-クロロ-4-メトキシピリミジン(9.54g、66mmol)、2-メチル-5-ニトロベンゼンアミン(10.0g、66mmol)、Pd
2(dba)
3(1.0g)、S-Phos(1.0g、24.4mmol)、及びCs
2CO
3(31.8g、99mmol)の混合物を110℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、次いでセライトパッドで濾過した。濾液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、化合物12(12g、収率70.6%)を淡黄色固体として得た。
【0150】
2-(2-メチル-5-ニトロフェニルアミノ)ピリミジン-4-オール(13)
アセトニトリル(400mL)中の化合物12(20g、77mol)、TMSCl(15g、136mmol)及びNaI(23.4g、156mmol)の混合物を120℃で終夜加熱した。混合物を室温に冷却し、2N Na
2CO
3水溶液(400mL)及びDCM(400mL)を添加した。分液し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1)で精製して、化合物13(12.1g、収率64%)を淡黄色固体として得た。
【0151】
4-クロロ-N-(2-メチル-5-ニトロフェニル)ピリミジン-2-アミン(14)
POCl
3(40mL)中の化合物13(2g、8.13mmol)及びDMF(5滴)の混合物を2時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、POCl
3の大部分を除去した。残留物をNaOH水溶液(100mL)に注意深く注ぎ込み、得られた混合物をDCM(100mL×2回)で抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物14(2.0g、収率93%)を黄色固体として得た。
【0152】
化合物15への一般手順
1,4-ジオキサン(20mL)及び水(20mL)中の化合物14(1.0当量)、PTC-1480-X-Int(1.0当量)、Pd(dppf)Cl
2(触媒量)及びK
2CO
3(3.0当量)の混合物を、N
2下で12時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチル及び水で希釈した。得られた混合物を濾過し、濾液を分液した。水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を合わせて、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=200:1)で精製して、化合物15を黄色固体として得た。
【0153】
化合物16への一般手順
エタノール/水(1:1)中の鉄(1.0当量)、NH
4Cl(2.0当量)及びSiO
2(触媒量)の混合物を55℃で10分間加熱した。次いで、化合物15(2.0当量)のTHF懸濁液を添加した。反応混合物を還流下で1時間撹拌し、室温に冷却した。混合物を水に注ぎ込み、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、塩水及び水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、化合物16を得た。
【0154】
806への手順
DMF(2mL)中の化合物16(Het=3-メチルイソオキサゾール-5-イル、150mg、0.42mmol)、化合物7a(134mg、0.42mmol)及びHATU(159mg、0.42mmol)の混合物を0℃に冷却し、DIPEA(217mg、1.68mmol)を添加した。反応混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1→酢酸エチル)で精製して、化合物Boc-806(180mg、収率65.2%)を固体として得た。
【0155】
Boc-806(97mg、0.147mmol)のEtOAc(1mL)溶液に、撹拌しながら0℃でHCl/EtOAc(2N、1mL)を添加した。反応混合物を1時間撹拌し、得られた沈澱物を濾過で回収し、DCMで洗浄し、乾燥させて、化合物806(HCl塩、80mg、収率100%)を黄色固体として得た。
【0156】
806、809、8120、8130、8180、8230及び8240への一般手順
DMF(2mL)中の化合物16(1.0当量)、化合物7b(1.0当量)及びHATU(1.0当量)の混合物を0℃に冷却し、DIPEA(4.0当量)を添加した。反応混合物を室温まで温め、15分間撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせて、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮した。残留物をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20:1)で精製して、最終化合物を黄色固体として得た。
【0157】
[実施例2]
アベルソンタンパク質キナーゼc-Abl1、c-Abl2、c-Kitの阻害、及びGleevec(登録商標)の活性成分であるイマチニブとの比較
【0158】
【表1】
【0159】
c-Abl1、c-Abl2、及びc-KitのIC50値の測定
キナーゼベースバッファー(50mM HEPES(pH 7.5)、0.0015% Brij-35、10mM MgCl
2、2mM DTT)及びストップバッファー(100mM HEPES(pH 7.5)、0.015% Brij-35、0.2% コーティング試薬(50mM EDTA))を調製する。試験化合物を100% DMSO中で所望の最終阻害薬濃度(原液)の50倍に希釈し、半対数増分で段階希釈し、DMSO中で最終濃度250μMから75μM、25μM、7.5μM、2.5μM、0.75μM、0.25μM、75nM、25nM、7.5nMまで得られる。各化合物10μlを96ウェルプレートに入れ、中間プレートとする。キナーゼバッファー90μlを各ウェルに加えて、中間プレートを調製する。中間プレート中の化合物を振盪器で10分間混合する。酵素阻害のアッセイでは、中間プレートの各ウェルの5μlを384ウェルプレートに移すことを2回繰り返す。次いで、2.5×酵素溶液10μlを、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに添加し、10分間インキュベートする。次いで、酵素基質を2.5×FAM標識ペプチド+ATP溶液10μlとして、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに添加する。反応を28℃で進ませ、ストップバッファーを25μl添加して、クエンチする。蛍光FAMの放出は、阻害率(%)=(最大-変換)/(最大-最小)×100として定量化される。「最大」はDMSO対照を表し、「最小」は低対照を表す。データをXLFitエクセルアドイン、バージョン4.3.1でフィッティングして、IC50値を得る。用いる式は、Y=ボトム+(トップ-ボトム)/(1+(IC50/X)^ヒルスロープ)。
【0160】
[実施例3]
14種のタンパク質キナーゼに対する500nM試験化合物溶液の阻害プロファイル
キナーゼベースバッファー(50mM HEPES(pH 7.5)、0.0015% Brij-35、10mM MgCl
2、2mM DTT)及びストップバッファー(100mM HEPES(pH 7.5)、0.015% Brij-35、0.2% コーティング試薬(50mM EDTA))を調製する。試験化合物を100% DMSO中で所望のDMSO中最終阻害薬濃度(原液)の50倍に希釈する。各化合物10μlを96ウェルプレートに入れ、中間プレートとする。キナーゼバッファー90μlを各ウェルに加えて、中間プレートを調製する。中間プレート中の化合物を振盪器で10分間混合する。酵素阻害のアッセイでは、中間プレートの各ウェルの5μlを384ウェルプレートに移すことを2回繰り返す。次いで、2.5×酵素溶液10μlを、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに添加し、10分間インキュベートする。次いで、酵素基質を2.5×FAM標識ペプチド+ATP溶液10μlとして、384ウェルアッセイプレートの各ウェルに添加する。反応を28℃で進ませ、ストップバッファーを25μl添加して、クエンチする。蛍光FAMの放出は、阻害率(%)=(最大-変換)/(最大-最小)×100として定量化される。「最大」はDMSO対照を表し、「最小」は低対照を表す。変換値を阻害値に変換する。阻害率(%)=(最大-変換)/(最大-最小)×100。「最大」はDMSO対照を表し、「最小」は低対照を表す。
【0161】
【表2】
【0162】
【表3】
【0163】
[実施例4]
選択化合物の抗JCVウイルス効力及び治療係数
【0164】
【表4】
【0165】
EC
50は、元々PML患者の脳に由来する実験室株MAD-1を用いて、Cos7細胞において7日にわたって感染多重度0.02で、3回繰り返して測定した。EC
50は、PRISMを使用し、各ケースについて回帰係数>0.85の適合性で算出した。相対的抗ウイルス効力は、イマチニブのEC
50と比べて計算した。相対的治療係数は、細胞傷害CC
50:EC
50比を測定して、2nMと20μMの間の薬物漸増で治療係数(TI)を算出することによって計算した。
【0166】
化合物118に関しては、EC
50の上限のみしか算出できなかった。というのは、118には抗ウイルス活性がほとんどなく、データ適合性が悪かったからである。化合物103、207、809、830、832、8190、8250、8270及び8280に関しては、相対的TIの下限しか算出できなかった。というのは、医薬品成分が20μMまで毒性を示さなかったからである。イマチニブのEC
50の絶対値を測定すると、4.91μMであった。
【0167】
[実施例5]
消化管間質腫瘍を伴う変異c-Kitタンパク質に対する選択化合物の抗がん効力
HP D300プログラム可能なデジタル分注ツール(Hewlett-Packard社)を使用して、96ウェルプレートを作成した。DMSO中の10mM薬物ストックを各ウェルに漸増し、概略的プレートマップをそれぞれ記録した。用量は、薬物及び実験に応じて3nM〜1000nMであった。イマチニブを対照薬として使用し、試験化合物の場合と同じ濃度でプレートに入れた。化合物の最大濃度でDMSOを含む培地を負の対照として使用した。次いで、分注した薬物及び培地を含むこれらのプリメイドプレートを、使用するまで-20℃で冷凍した。細胞を加える前に、プレートを温めた。異なる遺伝子型のGIST細胞株を、全容量100μlの1ウェル当たり2000細胞で播種した。播種した細胞を、5%CO
2、37℃で72時間インキュベートした。増殖/生存率は、細胞中に存在しているATPの定量化に基づくCellTiter-Glo(登録商標)発光性細胞生存判別試薬を使用して測定した。次いで、GloMax(登録商標)96マイクロプレート発光測定装置を使用して、プレートを読み取った。
図1A〜1Gに、結果を示す。
【0168】
[実施例6]
ウェスタンブロットが、選択化合物の抗がん応答はリン酸化c-Kit(p-Kit)の形成におけるブロックによることを明示。
T1細胞内で発現された557-558欠失を含むGIST関連c-Kitタンパク質のコンフルエントT-25フラスコを、5%CO
2、37℃で90分間、試験化合物で処置した。無処置細胞及びイマチニブ処置細胞を対照として用いた。溶解した後、175μgの全細胞溶解産物をタンパク質電気泳動にかけ、ニトロセルロースに移した。KITリン酸化は、P-KIT(Y719)抗体でブロットを探索することによって可視化した。AKTリン酸化は、P-AKTで探索することによって可視化した。MAPKリン酸化は、P-MAPKで探索することによって可視化した。ブロットをストリッピングした後、総タンパク質について、それぞれKIT CD117抗体、AKT抗体、及びMAPK抗体で再び探索した。ブロットを
図2に示す。
【0169】
[実施例7]
慢性骨髄性白血病を伴う変異BCR-Ablタンパク質に対する選択化合物の抗がん効力
【0170】
【表5】
【0171】
方法
「親」細胞株とは、IL-3の存在下で増殖させた非形質導入Ba/F3細胞を指す。これらの細胞に対する選択化合物のIC50を示す。IC50値を測定するために、MSCVピューロBCR-ABLコンストラクトを用いたレトロウイルス導入に続いて、BCR-ABLの指定されたアイソフォームを有するBa/F3細胞のプールを樹立し、ピューロマイシンの存在下で選択した。その後、IL-3をこれらの集団から取り除いた。
【0172】
実験では、対数増殖期細胞を、96ウェル不透明プレートの1ウェル当たり全容量100μLの0.5%DMSO含有10%RPMIにおいて50,000細胞/mLの最終濃度で播種した。各化合物の最終濃度は、10μM、1μM、100nM、10nM、1nM、0.1nM、0nM(さらにブランク培地のみ)であった。この単一実験では、各細胞株及び濃度を播種することを3回繰り返した。プレートを37℃で48時間インキュベートし、Cell Titer Gloを用いてプレートリーダーで読み取った。データは、Sensimaxソフトウェアで収集した。生の値は無処置群に対して正規化された。正規化された3個の複製ウェルから平均値を求め、IC50値をPrism 5により算出した。
【0173】
[実施例8]
慢性骨髄性白血病NSGマウスモデルにおけるK562細胞BCR-Abl異種移植片の腫瘍増殖抑制
方法:CML患者に由来し、BCR-Abl導入遺伝子産物を安定に発現する5×10
6個のK562細胞を、7〜9週齢のNSG雌性マウスの後肢に皮下移植した。腫瘍がおよそ100mm
3まで成長した後、化合物832を0(すなわち、ビヒクル)、15mg/kg、25mg/kg、又は40mg/kg、1日当たり1回(1日1回)、ビヒクルとしての50mMクエン酸ナトリウム(pH 3.5)に溶かして強制経口投与した。投与は、移植後およそ6日目に開始し、9日間継続した。1群当たりマウス5匹で、腫瘍体積の測定、獣医学的観察及び動物の体重の変化を利用して、薬物の有効性を決定した。結果を
図3に示す。
【0174】
本明細書に引用されるすべての刊行物及び特許は、参照により本明細書に全体として組み込まれる。
【0175】
当業者ならば、ルーチンにすぎない実験方法を用いて、本明細書に説明されている本発明の特定の実施形態に対する多数の均等形態を認識し又は確認することができる。そのような均等形態は、以下の特許請求の範囲により包含されるものとする。
本発明は、以下の態様及び実施形態を包含する。
(実施形態1)
式(I)
【化25】
[式中、出現ごとに独立して、
R1は、水素又は低級アルキルから選択され、
Cy1は、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、及び置換又は非置換ヘテロシクリルから選択され、
ただし、Cy1は非置換ピリド-4-イルでない]
の構造を有する化合物又は薬学的に許容されるその塩。
(実施形態2)
Cy1が、
【化26】
[式中、出現ごとに独立して、
R2及びR3は、水素、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ハロ、シアノ、アルコキシ、-C(O)OH、及び-C(O)N(R4)(R4)から選択され、
nは、1、2、3又は4であり、
Xは、C(R4)2、S、O、又はNR4であり、
R4は、水素及び置換又は非置換アルキル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルアルキルから選択される]
から選択される、前記実施形態1に記載の化合物。
(実施形態3)
Cy1が、
【化27】
[式中、出現ごとに独立して、
R1は、水素又は低級アルキルから選択され、
R2及びR3は、水素、アルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ハロ、シアノ、アルコキシ、-C(O)OH、及び-C(O)N(R4)(R4)から選択され、
R4は、水素及び置換又は非置換アルキル、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、シクロアルキルアルキル又はヘテロシクリルアルキルから選択される]
から選択される、前記実施形態1に記載の化合物。
(実施形態4)
Cy1が、置換ピリド-4-イルでも非置換ピリド-4-イルでもない、前記実施形態1に記載の化合物。
(実施形態5)
Cy1が、5員ヘテロアリール、アリール又はヘテロシクリルである、前記実施形態1に記載の化合物。
(実施形態6)
Cy1が、
【化28】
から選択される、前記実施形態5に記載の化合物。
(実施形態7)
Cy1が、
【化29】
から選択される、前記実施形態5に記載の化合物。
(実施形態8)
Cy1が、
【化30】
から選択される、前記実施形態5に記載の化合物。
(実施形態9)
Cy1が、
【化31】
から選択される、前記実施形態1に記載の化合物。
(実施形態10)
R1が、-CH3、-CDH2、-CD2H、又は-CD3である、前記実施形態1から9のいずれか一項に記載の化合物。
(実施形態11)
前記実施形態1から10のいずれか一項に記載の化合物を含む医薬組成物。
(実施形態12)
1種以上の薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、前記実施形態11に記載の医薬組成物。
(実施形態13)
アベルソンファミリーチロシンキナーゼ(ATK)を変化させるための、前記実施形態1から12のいずれか一項に記載の化合物又は組成物の使用。
(実施形態14)
c-Abl1若しくはc-Abl2又はc-Abl1若しくはc-Abl2のキナーゼドメインを含むいずれかのタンパク質の機能を変化させるための、前記実施形態1から12のいずれか一項に記載の化合物又は組成物の使用。
(実施形態15)
PGDFRa若しくはPDGFRb又はPDGFRa若しくはPDGFRbのキナーゼドメインを含むいずれかのタンパク質を阻害するための、前記実施形態1から12のいずれか一項に記載の化合物又は組成物の使用。
(実施形態16)
c-Kit又はc-Kitのキナーゼドメインを含むいずれかのタンパク質を阻害するための、前記実施形態1から12のいずれか一項に記載の化合物又は組成物の使用。
(実施形態17)
変化又は阻害が哺乳類において行われる、前記実施形態13から16のいずれか一項に記載の使用。
(実施形態18)
がん、細菌感染症、又はウイルス感染症を患っている哺乳類を処置する方法であって、前記実施形態1から12のいずれか一項に記載の化合物又は組成物の有効量を哺乳類に投与するステップを含む方法。
(実施形態19)
哺乳類が、緑膿菌、クラミジア・トラコマティス、大腸菌、ヘリコバクター・ピロリ、リステリア・モノサイトゲネス、ネズミチフス菌、シゲラ・フレックスネリ、又は結核菌に起因する細菌感染症を患っている、前記実施形態18に記載の方法。
(実施形態20)
哺乳類が、ワクシニアウイルス、痘瘡ウイルス、ポリオーマウイルス、ポックスウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、JCウイルス、JCポリオーマウイルス、BKポリオーマウイルス、シミアンウイルス40、サル痘ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、ブニヤウイルス、アレナウイルス、アルファウイルス、フラビウイルス、ウエストナイルウイルス又はコロナウイルスに起因するウイルス感染症を患っている、前記実施形態18に記載の方法。
(実施形態21)
哺乳類が、脳におけるJCウイルスの溶解感染を患っている、前記実施形態20に記載の方法。
(実施形態22)
化合物又は組成物が、CNS/呼吸興奮薬、鎮痛薬、麻薬作用薬、麻薬拮抗薬、非ステロイド系抗炎症剤/鎮痛剤、行動修正剤、精神安定薬/鎮静薬、麻酔剤、吸入薬、麻薬、拮抗薬、抗痙攣薬、骨格筋弛緩薬、平滑筋弛緩薬、心血管作動薬、強心剤、抗不整脈薬、抗コリン薬、血管拡張剤、ショックの処置において使用される作用剤、α-アドレナリン遮断剤、β-アドレナリン遮断剤、呼吸器官用薬、気管支拡張薬、交感神経興奮薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳剤、尿失禁/尿閉に対する作用物質、尿アルカリ性化薬、尿酸性化薬、コリン作動性刺激薬、尿路結石症に対する作用物質、胃腸剤、制吐剤、制酸薬、ヒスタミンH2拮抗薬、胃粘膜保護薬、プロトンポンプ阻害薬、食欲増進薬、GI鎮痙薬-抗コリン薬、GI刺激薬、緩下薬、生理食塩水、滑沢剤、界面活性剤、止痢薬、ホルモン/内分泌/生殖器官用作用剤、性ホルモン、アナボリックステロイド、下垂体後葉ホルモン、副腎皮質ステロイド、グルココルチコイド、抗糖尿病剤、甲状腺薬、甲状腺ホルモン、内分泌/生殖器官用薬、プロスタグランジン、抗感染薬、抗寄生虫薬、抗コクシジウム剤、抗生物質、抗結核薬、アミノシクリトール、セファロスポリン、マクロライド、ペニシリン、テトラサイクリン、リンコサミド、キノロン、スルホンアミド、抗細菌薬、抗真菌剤、抗ウイルス剤、血液改質剤、凝固剤、抗凝血薬、赤血球生成剤、抗悪性腫瘍薬/免疫抑制薬、アルキル化剤、解毒薬、骨/関節剤、外皮用剤(全身)、ビタミン及びミネラル/栄養素、全身性酸性化薬、全身性アルカリ性化薬、抗がん剤、又は抗ウイルス剤などの中枢神経系作用薬から独立して選択される1種以上の化合物と共同投与される、前記実施形態18から21のいずれか一項に記載の方法。