特許第6795526号(P6795526)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795526
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】ターボチャージャユニット
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20201119BHJP
   F02B 39/14 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   F02B39/00 T
   F02B39/00 C
   F02B39/00 B
   F02B39/14 F
【請求項の数】84
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2017-568327(P2017-568327)
(86)(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公表番号】特表2018-519472(P2018-519472A)
(43)【公表日】2018年7月19日
(86)【国際出願番号】EP2015081014
(87)【国際公開番号】WO2017001029
(87)【国際公開日】20170105
【審査請求日】2018年12月12日
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2015/065148
(32)【優先日】2015年7月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512272672
【氏名又は名称】ボルボトラックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン,ポントス
【審査官】 篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0320469(US,A1)
【文献】 特開2010−106699(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0000272(US,A1)
【文献】 実開平02−061134(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0302920(US,A1)
【文献】 特開平05−214950(JP,A)
【文献】 実開昭62−016716(JP,U)
【文献】 特開2010−127073(JP,A)
【文献】 特開平09−329266(JP,A)
【文献】 特開2008−274904(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/088397(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
F02B 39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボチャージャユニット(100)を内燃機関(10)のシリンダブロック(22)に接続するためのアダプタを形成するエンジン構造(200)であって、
前記エンジン構造(200)は、前記エンジン構造(200)が前記ターボチャージャユニット(100)と前記シリンダブロック(22)との間に位置するように、前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニット(100)を前記シリンダブロック(22)に締結する取付手段(220)のセットを備え、
前記エンジン構造(200)は、前記エンジン構造(200)の第1の面(202)から前記エンジン構造(200)の第2の面(204)に屈曲して延びる少なくとも1つの流体流路(240:1、246:1、250:1、256:1)を備え、
前記取付手段(220)のセットは、前記ターボチャージャユニット(100)の開口(122)を通じて挿入可能なスタッド又はねじを受容するための少なくとも1つの貫通孔を備え、前記ねじ又はスタッドが、さらに、前記シリンダブロック(22)の整列孔部に係合し、
前記エンジン構造(200)は、前記ターボチャージャユニット(100)及び前記シリンダブロック(22)に対して着脱可能に接続可能であることを特徴とするエンジン構造。
【請求項2】
前記第1の面(202)は、前記シリンダブロック(22)に取り付けられるように構成され、及び/又は、前記第2の面(204)は、前記ターボチャージャユニット(100)に取り付けられるように構成される、請求項1に記載のエンジン構造。
【請求項3】
前記第1の面(202)は、第1の平面内に配置され、前記第2の面は、第2の平面内に配置され、前記第1の平面は、前記第2の平面に平行である、請求項2に記載のエンジン構造。
【請求項4】
前記エンジン構造(200)の第1の面(202)から前記エンジン構造(200)の第2の面(204)に屈曲して延びる少なくとも1つの流体流路(240:1、246:1、250:1、256:1)を備え、
前記第2の面(202、204)は、前記ターボチャージャユニット(100)又は前記シリンダブロック(22)に取り付けられるように構成され、前記第1の面は、前記シリンダブロック(22)に取り付けられるように構成された面(202)及び前記ターボチャージャユニット(100)に取り付けられるように構成された面(204)とは異なる、請求項1又は2に記載のエンジン構造。
【請求項5】
ターボチャージャユニット(100)を内燃機関のシリンダブロック(22)に接続するためのアダプタを形成するエンジン構造(200)であって、
前記エンジン構造(200)は、前記エンジン構造(200)が前記ターボチャージャユニット(100)と前記シリンダブロック(22)との間に位置され、かつ、前記エンジン構造(200)の第1の面(202)から前記エンジン構造(200)の第2の面(204)に屈曲するように延びる流体流路(240:1、246:1、250:1、256:1)の一部を形成する、前記エンジン構造(200)の少なくとも1つの流体入口(244、254)及び/又は流体出口(242、252)が軸受ハウジング(110)又は前記シリンダブロック(22)の対応する流体入口(140、150)及び/又は流体出口(146、156)に揃えられるように、前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニット(100)の前記軸受ハウジング(110)を前記シリンダブロック(22)にしっかりと取り付ける取付手段(220)のセットを備え、
前記取付手段(220)のセットは、前記ターボチャージャユニット(100)の開口(122)を通じて挿入可能なスタッド又はねじを受容するための少なくとも1つの貫通孔を備え、前記ねじ又はスタッドが、さらに、前記シリンダブロック(22)の整列孔部に係合し、
前記エンジン構造(200)は、前記ターボチャージャユニット(100)及び前記シリンダブロック(22)に対して着脱可能に接続可能であることを特徴とするエンジン構造。
【請求項6】
前記第1の面(202)は、前記シリンダブロック(22)に取り付けられるように構成され、及び/又は、前記第2の面(204)は、前記ターボチャージャユニット(100)に取り付けられるように構成される、請求項5に記載のエンジン構造。
【請求項7】
前記第1の面(202)は、第1の平面内に配置され、前記第2の面は、第2の平面内に配置され、前記第1の平面は、前記第2の平面に平行である、請求項6に記載のエンジン構造。
【請求項8】
前記エンジン構造(200)の第1の面(202)から前記エンジン構造(200)の第2の面(204)に屈曲して延びる少なくとも1つの流体流路(240:1、246:1、250:1、256:1)を備え、
前記第2の面(204)は、前記ターボチャージャユニット(100)に取り付けられるように構成され、前記第1の面は、前記シリンダブロック(22)に取り付けられるように構成された表面(202)とは異なる、請求項6又は7に記載のエンジン構造。
【請求項9】
前記エンジン構造(200)は、前記ターボチャージャユニット(100)の軸受ハウジング(110)と一体形成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエンジン構造。
【請求項10】
前記エンジン構造(200)は、前記シリンダブロック(22)と一体形成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のエンジン構造。
【請求項11】
前記エンジン構造(200)を前記シリンダブロック(22)にしっかりと取り付ける取付手段(210)のセットをさらに備える、請求項1に記載のエンジン構造。
【請求項12】
前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニット(100)を前記シリンダブロック(22)に取り付ける前記取付手段(220)のセットは、締結具と係合して前記エンジン構造(200)の表面から延びる少なくとも1つの孔部(220)を備え、前記エンジン構造(200)を前記シリンダブロック(22)に締結するとき、前記孔部(220)がアクセス可能となる、請求項1又は11に記載のエンジン構造。
【請求項13】
前記少なくとも1つの流体流路(240:1、246:1、250:1、256:1)は、前記軸受ハウジング(110)の対応するクーラント入口及び潤滑剤入口に揃えるためのクーラント出口(242)及び/又は潤滑剤出口(252)、及び/又は、前記軸受ハウジング(110)の対応するクーラント出口及び潤滑剤出口に揃えるためのクーラント入口(244)及び/又は潤滑剤入口(254)を備える、請求項10〜12のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項14】
前記少なくとも1つの流体流路(240:1、246:1、250:1、256:1)は、前記シリンダブロック(22)の対応するクーラント入口及び潤滑剤入口に揃えるためのクーラント出口(246)及び/又は潤滑剤出口(256)、及び/又は、前記シリンダブロック(22)の対応するクーラント出口及び潤滑剤出口に揃えるためのクーラント入口(242)及び/又は潤滑剤入口(252)を備える、請求項9に記載のエンジン構造(200)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの流体出口(242、246、252、256)及び/又は流体入口(240、244、250、254)のうちの少なくとも1つは、前記エンジン構造(200)から延びるパイプ(260)を備える、請求項13又は14に記載のエンジン構造(200)。
【請求項16】
前記少なくとも1つの流体入口(250、254)又は流体出口(252、256)は、ダム(258)を備える、請求項13〜15のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項17】
前記ターボチャージャユニット(100)に取り付けられるように構成された前記第2の面(204)には、前記ターボチャージャユニット(100)を前記エンジン構造(200)から取り外す間に、クーラント流体が潤滑流体と混合するのを防ぐ分離手段が設けられる、請求項1又は10に記載のエンジン構造(200)。
【請求項18】
前記分離手段は、前記第2の面(204)の上部から前記第2の面(204)の下部に延びる突出リッジとして設けられ、これにより、潤滑剤ポート(252、254)は、前記分離手段の横方向の一方に配置され、クーラントポート(242、244)は、前記分離手段の横方向の他方に配置される、請求項17に記載のエンジン構造(200)。
【請求項19】
前記分離手段は、前記エンジン構造(200)の厚さが特定ラインで最大になるように、V字形の輪郭を有する前記第2の面(204)を設けることによって形成され、これにより、前記潤滑剤ポート(252、254)は、前記特定ラインの横方向の一方に配置され、前記クーラントポート(242、244)は、前記特定ラインの横方向の他方に配置される、請求項17に記載のエンジン構造(200)。
【請求項20】
前記シリンダブロック(22)に取り付けられるように構成された前記第1の面(202)には、前記ターボチャージャユニット(100)を前記シリンダブロック(22)から取り外す間に、クーラント流体が潤滑流体と混合するのを防ぐ分離手段が設けられる、請求項9に記載のエンジン構造(200)。
【請求項21】
前記分離手段は、前記第1の面(202)の上部から前記第1の面(202)の下部に延びる突出リッジとして設けられ、これにより、潤滑剤ポート(250、256)は、前記分離手段の横方向の一方に配置され、クーラントポート(240、246)は、前記分離手段の横方向の他方に配置される、請求項20に記載のエンジン構造(200)。
【請求項22】
前記分離手段は、前記エンジン構造(200)の厚さが特定ラインで最大となるように、V字形の輪郭を有する前記第1の面(202)を設けることによって形成され、これにより、前記潤滑剤ポート(250、256)は、前記特定ラインの横方向の一方に配置され、前記クーラントポート(240、246)は、前記特定ラインの横方向の他方に配置される、請求項20に記載のエンジン構造(200)。
【請求項23】
潤滑剤入口(250)及び/又はクーラント入口(240)を有する追加流体流路(240:1、246:1、250:1、256:1)をさらに備え、前記追加流体流路(240:1、246:1、250:1、256:1)がクーラント供給部から前記ターボチャージャユニット(100)までのクーラント流路、及び/又は、潤滑剤供給部から前記ターボチャージャユニット(100)までの潤滑剤流路を形成する、請求項13〜22のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項24】
前記クーラント入口(240)は、前記シリンダブロック(22)のクーラント出口と前記エンジン構造(200)との間の開放接続を形成する、請求項23に記載のエンジン構造(200)。
【請求項25】
前記クーラント入口(240)は、前記シリンダブロック(22)のクーラント出口と前記エンジン構造(200)との間に遮断接続を形成するように閉鎖される、請求項23に記載のエンジン構造(200)。
【請求項26】
前記潤滑剤入口(250)は、前記シリンダブロック(22)の潤滑剤出口と前記エンジン構造(200)との間に開放接続を形成する、請求項23〜25のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項27】
前記潤滑剤入口(250)は、前記シリンダブロック(22)の潤滑剤出口と前記エンジン構造(200)との間に遮断接続を形成するように閉鎖される、請求項23〜25のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項28】
前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニット(100)を前記シリンダブロック(22)に接続する前記取付手段(220)のセットは、前記軸受ハウジング(110)及び/又は前記シリンダブロック(22)の対応する案内凹部又はピンに嵌合するための少なくとも1つの案内ピン又は凹部(222)をさらに備える、請求項1〜27のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項29】
前記エンジン構造(200)を前記シリンダブロック(22)にしっかりと取り付ける前記取付手段(210)のセットは、前記シリンダブロック(22)の対応する案内凹部又はピンに嵌合するための少なくとも1つの案内ピン又は凹部(212)をさらに備える、請求項11に記載のエンジン構造(200)。
【請求項30】
前記軸受ハウジング(110)は、前記エンジン構造(200)に取り付けられるとき、前記エンジン構造(200)を前記シリンダブロック(22)にしっかりと取り付ける前記取付手段(210)のセットを覆う、請求項11に記載のエンジン構造(200)。
【請求項31】
前記軸受ハウジング(110)は、前記エンジン構造(200)に取り付けられるとき、前記エンジン構造(200)を前記シリンダブロック(22)にしっかりと取り付ける前記取付手段(210)のセットを覆わない、請求項11に記載のエンジン構造(200)。
【請求項32】
前記ターボチャージャユニット(100)が取り付け中に支えられるサポート(230)をさらに備える、請求項1〜31のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項33】
前記エンジン構造(200)に対して着脱可能に取り付けられるアクチュエータ(300)をさらに備える、請求項1〜32のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項34】
前記アクチュエータ(300)は、前記エンジン構造(200)又は関連した軸受ハウジング(110)から直接クーラントを受け、前記エンジン構造(200)又は前記関連した軸受ハウジング(110)に直接クーラントを戻すように構成される、請求項33に記載のエンジン構造(200)。
【請求項35】
前記アクチュエータ(300)には、前記アクチュエータ(300)から流体を排出するためのプラグ(310)が設けられる、請求項33又は34に記載のエンジン構造(200)。
【請求項36】
前記エンジン構造(200)は、前記シリンダブロック(22)と前記ターボチャージャユニット(100)との間に電気的接続を設けるように構成される、請求項1〜35のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項37】
前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニット(100)を前記シリンダブロック(22)に接続する前記取付手段(220)のセットは、前記シリンダブロック(22)に対向する前記エンジン構造(200)の後方に延びる少なくとも1つの貫通孔(220)を備え、前記エンジン構造(200)は、前記貫通孔(220)を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える、請求項1〜36のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項38】
前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニット(100)を前記シリンダブロック(22)に接続する前記取付手段(220)のセットは、前記ターボチャージャユニット(100)に対向する前記エンジン構造(200)の前方に延びる少なくとも1つの貫通孔(220)を備え、前記エンジン構造(200)は、前記貫通孔(220)を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える、請求項1〜37のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項39】
前記エンジン構造(200)を前記シリンダブロック(22)にしっかりと取り付ける前記取付手段(210)のセットは、前記シリンダブロック(22)に対向する前記エンジン構造(200)の後方に延びる少なくとも1つの貫通孔(210)を備え、前記エンジン構造(200)は、前記貫通孔(210)を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える、請求項11に記載のエンジン構造(200)。
【請求項40】
前記少なくとも1つの窪みは、サポート面が前記貫通孔(210、220)と前記窪みとの間に形成されるように、前記エンジン構造(200)の外部から前記貫通孔(210、220)に向かって延びる、請求項37〜39のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項41】
前記窪みは、前記貫通孔(210、220)を包囲する、請求項37〜40のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項42】
前記窪みは、前記貫通孔(210、220)を部分的に包囲し、前記窪みは、前記エンジン構造(200)の前記表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、前記エンジン構造(200)の前記窪み及び前記接触面の前記窪みが前記貫通孔(210、220)全体を包囲する継目落ちを形成する、請求項37〜40のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)。
【請求項43】
請求項1〜39のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)を介してターボチャージャユニットを内燃機関(10)のシリンダブロック(22)に締結する手段(120)を有する軸受ハウジング(110)を備えたターボチャージャユニット(100)であって、
前記軸受ハウジング(110)は、前記軸受ハウジング(110)及び前記エンジン構造(200)からクーラント流体を排出するための少なくとも1つのプラグ(170)を備え、
前記プラグ(170)は、前記軸受ハウジング(110)のクーラントジャケット(160)と流体連通していることを特徴とするターボチャージャユニット(100)。
【請求項44】
前記クーラントジャケット(160)は、クーラント流体を前記クーラントジャケット(160)に流入及び流出させる2つの流体ポート(140、146)を有し、前記流体ポート(140、146)のうちの少なくとも一方は、前記エンジン構造(200)に対向する前記軸受ハウジング(110)の端面に設けられる、請求項43に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項45】
前記クーラントジャケット(160)は、クーラント流体を前記クーラントジャケット(160)に流入及び流出させる2つの流体ポート(140、146)を有し、前記流体ポート(140、146)の各々は、前記エンジン構造(200)に対向する前記軸受ハウジング(110)の端面に設けられる、請求項43に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項46】
前記軸受ハウジング(110)には、クーラント流体ポート(140、146)の少なくとも一方の鉛直下方に配置された少なくとも1つの潤滑流体ポート(150、156)がさらに設けられる、請求項43〜45のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項47】
前記軸受ハウジング(110)は、前記エンジン構造(200)の対応する流体ポート(242、244)に揃えるための少なくとも1つの流体ポート(140、146)を備え、前記軸受ハウジング(110)の前記流体ポート(140、146)は、前記エンジン構造(200)の前記流体ポート(242、244)から外側に延びるパイプ(260)に対して封止するように構成される、請求項43〜45のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項48】
前記軸受ハウジング(110)は、前記エンジン構造(200)の対応する流体ポート(242、244)に揃えるための追加の流体ポート(140、146)を備え、前記軸受ハウジング(110)の前記流体ポート(140、146)は、前記エンジン構造(200)の前記流体ポート(242、244)から外側に延びるパイプ(260)に対して封止するように構成される、請求項47に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項49】
前記軸受ハウジング(110)の前記流体ポート(140、146)の少なくとも一方には、封止手段を形成するOリング(148)が設けられる、請求項47又は48に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項50】
前記軸受ハウジング(110)の前記流体ポート(140、146)の少なくとも一方には、封止手段を形成する締まりばめ構造(148)が設けられる、請求項47〜49のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項51】
前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニットを内燃機関(10)のシリンダブロック(22)に締結する前記手段(120)は、前記エンジン構造(200)又は前記シリンダブロック(22)に対向する前記軸受ハウジング(110)の後方に延びる少なくとも1つの貫通孔(122)を備え、前記軸受ハウジング(110)は、1つの貫通孔(122)を少なくとも部分的に包囲する窪み(180)を備える、請求項43〜50のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項52】
前記少なくとも1つの窪み(180)は、サポート面が前記貫通孔(122)と前記窪み(180)との間に形成されるように、前記軸受ハウジング(110)の外部から前記貫通孔(122)に向かって延びる、請求項51に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項53】
前記窪み(180)は、前記貫通孔(122)を包囲する、請求項51又は52に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項54】
前記窪み(180)は、前記貫通孔(122)を部分的に包囲し、前記窪み(180)は、前記ターボチャージャユニット(100)の前記表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、前記ターボチャージャユニット(100)の前記窪み(180)及び前記接触面の前記窪みが前記貫通孔(122)全体を包囲する継目落ちを形成する、請求項51又は52に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項55】
請求項1〜39のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)を介して、前記ターボチャージャユニットを内燃機関(10)のシリンダブロック(22)を締結する手段(120)を有する軸受ハウジング(110)を備えたターボチャージャユニット(100)であって、
前記軸受ハウジング(110)は、前記エンジン構造(200)の対応する流体ポート(242、244)に揃えるための少なくとも1つの流体ポート(140、146)を備え、前記軸受ハウジング(110)の前記流体ポート(140、146)は、前記エンジン構造(200)の前記流体ポート(242、244)から外側に延びるパイプ(260)に対して封止するように構成されることを特徴とするターボチャージャユニット(100)。
【請求項56】
前記軸受ハウジング(110)は、前記エンジン構造(200)の対応する流体ポート(242、244)に揃えるための追加の流体ポート(140、146)を備え、
前記軸受ハウジング(110)の前記流体ポート(140、146)は、前記エンジン構造(200)の前記流体ポート(242、244)から外側に延びるパイプ(260)に対して封止するように構成される、請求項55に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項57】
前記軸受ハウジング(110)の前記流体ポート(140、146)のうちの少なくとも一方には、封止手段を形成するOリング(148)が設けられる、請求項55又は56に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項58】
前記軸受ハウジング(110)の前記流体ポート(140、146)のうちの少なくとも一方には、封止手段を形成する締まりばめ構造(148)が設けられる、請求項55〜57のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項59】
前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニットを内燃機関(10)のシリンダブロック(22)に締結する前記手段(120)は、前記エンジン構造(200)に対向する前記軸受ハウジング(110)の後方に延びる少なくとも1つの貫通孔(122)を備え、前記軸受ハウジング(110)は、1つの貫通孔(122)を少なくとも部分的に包囲する窪み(180)を備える、請求項55〜58のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項60】
前記少なくとも1つの窪み(180)は、サポート面が前記貫通孔(122)と前記窪み(180)との間に形成されるように、前記軸受ハウジング(110)の外部から前記貫通孔(122)に向かって延びる、請求項59に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項61】
前記窪み(180)は、前記貫通孔(122)を包囲する、請求項59又は60に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項62】
前記窪み(180)は、前記貫通孔(122)を部分的に包囲し、前記窪み(180)は、前記ターボチャージャユニット(100)の前記表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、前記ターボチャージャユニット(100)の前記窪み(180)及び前記接触面の前記窪みが前記貫通孔(122)全体を包囲する継目落ちを形成する、請求項59又は60に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項63】
請求項1〜39のいずれか一項に記載のエンジン構造を介して、ターボチャージャユニットを内燃機関(10)のシリンダブロック(22)に締結する手段(120)を有する軸受ハウジング(110)を備えたターボチャージャユニット(100)であって、
前記エンジン構造(200)を介して前記ターボチャージャユニットを内燃機関(10)のシリンダブロック(22)に締結する前記手段(120)は、前記エンジン構造(200)又は前記シリンダブロック(22)に対向する前記軸受ハウジング(110)の後方に延びる少なくとも1つの貫通孔(122)を備え、
前記軸受ハウジング(110)は、1つの貫通孔(122)を少なくとも部分的に包囲する窪み(180)を備えることを特徴とするターボチャージャユニット(100)。
【請求項64】
前記少なくとも1つの窪み(180)は、サポート面が前記貫通孔(122)と前記窪み(180)との間に形成されるように、前記軸受ハウジング(110)の外部から前記貫通孔(122)に向かって延びる、請求項63に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項65】
前記窪み(180)は、前記貫通孔(122)を包囲する、請求項63又は64に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項66】
前記窪み(180)は、前記貫通孔(122)を部分的に包囲し、前記窪み(180)は、前記ターボチャージャユニット(100)の前記表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、前記ターボチャージャユニット(100)の前記窪み(180)及び前記接触面の前記窪みは、前記貫通孔(122)全体を包囲する継目落ちを形成する、請求項63又は64に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項67】
前記軸受ハウジング(110)には、前記ターボチャージャユニット(100)を前記シリンダブロック(22)から取り外す間に、クーラント流体が潤滑流体と混合するのを防ぐ分離手段が設けられる、請求項43〜66のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項68】
前記分離手段は、前記軸受ハウジング(110)の上部から前記軸受ハウジング(110)の下部に延びる陥没溝部として設けられ、これにより、潤滑剤ポート(150、156)は、前記分離手段の横方向の一方に配置され、クーラントポート(140、146)は、前記分離手段の横方向の他方に配置される、請求項67に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項69】
前記分離手段は、前記軸受ハウジング(110)の厚さが特定ラインで最大となるように、V字形の輪郭を有する前記軸受ハウジング(110)を設けることによって形成され、これにより、潤滑剤ポート(150、156)は、前記特定ラインの横方向の一方に配置され、クーラントポート(150、156)は、前記特定ラインの横方向の他方に配置される、請求項67に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項70】
前記軸受ハウジング(110)に対して着脱可能に取り付けられるアクチュエータ(300)をさらに備える、請求項43〜69のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項71】
前記アクチュエータ(300)は、前記軸受ハウジング(110)又は関連したエンジン構造(200)から直接クーラントを受け、前記軸受ハウジング(110)又は前記関連したエンジン構造(200)に直接クーラントを戻すように構成される、請求項70に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項72】
前記アクチュエータ(300)には、排出プラグ(310)が設けられる、請求項70又は71に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項73】
前記軸受ハウジング(110)は、前記ターボチャージャユニット(100)の中央に配置されたリフティングアイ(112)をさらに備える、請求項43〜72のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)。
【請求項74】
請求項43〜73のいずれか一項に記載のターボチャージャユニット(100)と、
前記ターボチャージャユニット(100)を内燃機関(10)のシリンダブロック(22)に取り付けるための請求項1〜42のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)と、
を備える内燃機関用の排気システム(40)。
【請求項75】
シリンダブロック(22)と、
請求項1〜42のいずれか一項に記載のエンジン構造(200)と、
を備える内燃機関(10)。
【請求項76】
前記シリンダブロック(22)は、請求項1〜42のいずれか一項に記載のエンジン構造を介して、前記ターボチャージャユニットを前記シリンダブロック(22)に締結する手段(22:13、22:23)を有し、前記手段(22:13、22:23)は、前記エンジン構造(200)に対向する前記シリンダブロック(22)の前方から延びる少なくとも1つの貫通孔(22:13、22:23)を備え、前記シリンダブロック(22)は、1つの貫通孔(22:13、22:23)を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える、請求項75に記載の内燃機関(10)。
【請求項77】
前記少なくとも1つの窪みは、サポート面が前記貫通孔(22:13、22:23)と前記窪みとの間に形成されるように、前記シリンダブロック(22)の外部から前記貫通孔(22:13、22:23)に向かって延びる、請求項76に記載の内燃機関(10)。
【請求項78】
前記窪みは、前記貫通孔(22:13、22:23)を包囲する、請求項76又は77に記載の内燃機関(10)。
【請求項79】
前記窪みは、前記貫通孔(22:13、22:23)を部分的に包囲し、前記窪みは、前記シリンダブロック(22)の前記表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、前記シリンダブロック(22)の前記窪み及び前記接触面の前記窪みが前記貫通孔(22:13、22:23)全体を包囲する継目落ちを形成する、請求項76又は77に記載の内燃機関(10)。
【請求項80】
前記エンジン構造(200)は、前記シリンダブロック(22)と一体形成される、請求項75に記載の内燃機関(10)。
【請求項81】
請求項75〜79のいずれか一項に記載の内燃機関(10)を備える車両(1)。
【請求項82】
ターボチャージャユニットをシリンダブロックに取り付ける方法であって、
請求項1〜42のいずれか一項に記載のエンジン構造を前記シリンダブロックに取り付けるステップと、
少なくとも1つのガスケット又はOリングを、前記エンジン構造と軸受ハウジングとの間、及び/又は、前記エンジン構造と前記シリンダブロックとの間に設けるステップと、
前記ターボチャージャユニットの軸受ハウジングを前記エンジン構造にしっかりと取り付けることにより、前記軸受ハウジングの少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口が前記エンジン構造の対応する流体出口及び/又は流体入口に揃えられるように、前記軸受ハウジングが前記ターボチャージャユニットを前記エンジン構造にしっかりと取り付ける手段の一部を形成するステップとを備え、
前記少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口は、前記エンジン構造内で屈曲して延びる流体流路の一部を形成する方法。
【請求項83】
ターボチャージャユニットをシリンダブロックから取り外す方法であって、
前記ターボチャージャユニットは、請求項1〜42のいずれか一項に記載のエンジン構造に取り付けられ、かつ、少なくとも1つのガスケット又はOリングにより、前記エンジン構造と軸受ハウジングとの間、及び/又は、前記エンジン構造と前記シリンダブロックとの間に封止された前記軸受ハウジングを備え、前記エンジン構造の少なくとも1つの流体出口及び/又は流体入口が前記軸受ハウジングの対応する流体入口及び/又は流体出口に揃えられ、前記少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口は、前記エンジン構造内で屈曲して延びる流体流路の一部を形成し、
前記方法は、
前記エンジン構造を前記シリンダブロックから取り外すことなく、前記ターボチャージャユニットを前記エンジン構造から取り外すステップを備える方法。
【請求項84】
請求項83に記載のターボチャージャユニットを取り外すステップと、
前記ターボチャージャユニットの軸受ハウジングを前記エンジン構造にしっかりと取り付けることにより、前記軸受ハウジングの少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口が前記エンジン構造の対応する流体出口及び/又は流体入口に揃えられるように、前記軸受ハウジングが前記ターボチャージャユニットを前記エンジン構造にしっかりと取り付ける手段の一部を形成するステップとを備える、ターボチャージャユニットの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用ターボチャージャユニットに関連する。特に、本発明は、エンジン構造を介して内燃機関に取り付けられるように構成されたターボチャージャユニットと、そのようなエンジン構造とに関連する。
【0002】
本発明は、トラック、バス、及び建設機器等の大型車両に適用可能である。本発明をトラックについて説明するが、本発明は、この特定の車両に制限されるものでなく、航空機システム又は船舶システム等、ターボチャージャユニットを利用した他の用途に使用されてもよい。
【背景技術】
【0003】
ターボチャージャユニットは、通常、ディーゼルエンジン又はガソリンエンジンである、関連の内燃機関とともに使用される車両部品である。ターボチャージャユニットは、排気のエネルギーの一部を回収して、内燃機関の燃焼室に流入する吸気を圧縮するのにそのエネルギーを使用するように構成される。ターボチャージャユニットは、一般的に、内燃機関の効率及び出力を向上するために設けられる。
【0004】
ターボチャージャユニットは、3つの主要部品、すなわち、排気流のエネルギーをタービンの回転運動に変えるためのタービンと、吸気を圧縮するためにタービンに回転接続されるコンプレッサと、タービン及びコンプレッサを回転軸及び軸受等とともに収容するハウジングとを有する。
【0005】
作業中、ターボチャージャユニットは、タービン側の排気入口を内燃機関のマニホルドに接続することにより、シリンダヘッドに搭載される。このような一例が米国特許出願公開第2003/005694号明細書に示されており、マニホルドは、ターボチャージャユニットの対応フランジ面との連携のためのフランジを有する。スリーブは、マニホルドの一方側に配置されたマニホルドフランジからマニホルドの反対側に延びており、ここでは、ねじを固定するスリーブは、ターボチャージャユニットを固定するように案内される。米国特許出願公開第2003/005694号明細書に提案されている解決策は、ターボチャージャユニットの着脱を簡易及び簡単にアクセスできるようにするために教示されている。米国特許出願公開第2009/0184229号明細書は、軸受ハウジングを介したターボチャージャを搭載するときに使用される分離式の搭載装置について述べている。
【0006】
しかしながら、ターボチャージャユニットは、動作させるために、内燃機関から排気流を受けるだけでなく、ターボチャージャユニット内の回転部品の潤滑と、場合によっては冷却のために、流体接続も必要となる。このため、ターボチャージャユニットのハウジングは、内燃機関の対応ポートに接続されなければならない1つ以上の流体ポートを有する。米国特許出願公開第2003/005694号明細書及び米国特許出願公開第2009/0184229号明細書は、この解決策については全く言及しておらず、ターボチャージャユニットの着脱について、ターボチャージャユニットの改良、及びエンジン構造の改良の必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述した従来技術のユニットの欠点を克服するターボチャージャユニットを提供することである。本発明のさらなる目的は、ターボチャージャユニットと協働するためのエンジン構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によると、この目的は請求項1に記載のエンジン構造によって達成される。第2の態様によると、この目的は請求項6に記載のエンジン構造によって達成される。第3の態様によると、この目的は請求項44に記載のターボチャージャユニットによって達成される。第4の態様によると、この目的は請求項46に記載のターボチャージャユニットによって達成される。第5の態様によると、この目的は請求項58に記載のターボチャージャユニットによって達成される。第6の態様によると、この目的は請求項66に記載のターボチャージャユニットによって達成される。第7の態様によると、この目的は請求項77に記載の排気システムによって達成される。第8の態様によると、この目的は請求項78に記載の内燃機関によって達成される。第9の態様によると、この目的は請求項84に記載の車両によって達成される。第10の態様によると、この目的は請求項85に記載の方法によって達成される。第11の態様によると、この目的は請求項86に記載の方法によって達成される。第12の態様によると、この目的は請求項87に記載の方法によって達成される。
【0009】
ターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに接続するためのアダプタを形成するエンジン構造を提供する。エンジン構造は、エンジン構造がターボチャージャユニットとシリンダブロックとの間に位置されるように、エンジン構造を介してターボチャージャユニットをシリンダブロックに締結する取付手段のセットを備える。エンジン構造は、エンジン構造の第1の面からエンジン構造の第2の面に屈曲して、又は曲線状に延びる少なくとも1つの流体流路を備える。
【0010】
一実施形態によると、第1の面は、シリンダブロックに取り付けられる(bear)ように構成され、及び/又は、第2の面は、ターボチャージャユニットに取り付けられるように構成される。
【0011】
一実施形態によると、第1の面は、第1の平面内に配置され、第2の面は、第2の平面内に配置され、第1の平面は、第2の平面に平行である。
【0012】
一実施形態によると、エンジン構造は、エンジン構造の第1の面からエンジン構造の第2の面に屈曲して延びる少なくとも1つの流体流路を備え、第2の面は、ターボチャージャユニット又はシリンダブロックに取り付けられるように構成され、第1の面は、シリンダブロックに取り付けられるように構成された面及びターボチャージャユニットに取り付けられるように構成された面とは異なる。
【0013】
一実施形態によると、取付手段のセットは、締結具と係合してエンジン構造の表面から延びる少なくとも1つの孔部を備え、孔部は、締結具がシリンダブロック又はターボチャージャユニットの対応する孔部と係合可能にする貫通孔と、締結具がターボチャージャユニットをエンジン構造に固定可能にするか、エンジン構造をシリンダブロックに固定可能にするねじ孔とのいずれかである。
【0014】
ターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに接続するためのアダプタを形成するエンジン構造も提供する。エンジン構造は、エンジン構造がターボチャージャユニットとシリンダブロックとの間に位置され、かつ、エンジン構造の第1の面からエンジン構造の第2の面に屈曲するように延びる流体流路の一部を形成する、エンジン構造の少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口が軸受ハウジング又はシリンダブロックの対応する流体入口及び/又は流体出口に揃えられるように、エンジン構造を介してターボチャージャユニットの軸受ハウジングをシリンダブロックにしっかりと取り付ける取付手段のセットを備える。
【0015】
一実施形態によると、第1の面は、シリンダブロックに取り付けられるように構成され、及び/又は、第2の面は、ターボチャージャユニットに取り付けられるように構成される。
【0016】
一実施形態によると、第1の面は、第1の平面内に配置され、第2の面は、第2の平面内に配置され、第1の平面は、第2の平面に平行である。
【0017】
一実施形態によると、エンジン構造は、エンジン構造の第1の面からエンジン構造の第2の面に屈曲して、又は曲線状に延びる少なくとも1つの流体流路を備え、第2の面は、ターボチャージャユニットに取り付けられるように構成され、第1の面は、シリンダブロックに取り付けられるように構成された面とは異なる。
【0018】
一実施形態によると、エンジン構造は、ターボチャージャユニットの軸受ハウジングと一体形成される。他の実施形態によると、エンジン構造(200)は、シリンダブロックと一体形成される。
【0019】
一実施形態によると、エンジン構造は、ターボチャージャユニット及びシリンダブロックに対して着脱可能(releasably)に接続可能である。
【0020】
一実施形態によると、エンジン構造は、エンジン構造をシリンダブロックにしっかりと取り付ける取付手段のセットをさらに備える。
【0021】
一実施形態によると、エンジン構造を介してターボチャージャユニットをシリンダブロックに取り付ける取付手段のセットは、締結具と係合してエンジン構造の表面から延びる少なくとも1つの孔部を備え、エンジン構造をシリンダブロックに締結するとき、孔部がアクセス可能となる。
【0022】
一実施形態によると、少なくとも1つの流体流路は、軸受ハウジングの対応するクーラント入口及び潤滑剤入口に揃えるためのクーラント出口及び/又は潤滑剤出口、及び/又は、軸受ハウジングの対応するクーラント出口及び潤滑剤出口に揃えるためのクーラント入口及び/又は潤滑剤入口を備える。
【0023】
一実施形態によると、少なくとも1つの流体流路は、シリンダブロックの対応するクーラント入口及び潤滑剤入口に揃えるためのクーラント出口及び/又は潤滑剤出口、及び/又は、シリンダブロックの対応するクーラント出口及び潤滑剤出口に揃えるためのクーラント入口及び/又は潤滑剤入口を備える。
【0024】
一実施形態によると、少なくとも1つの流体出口及び/又は流体入口は、エンジン構造から延びるパイプを備える。
【0025】
一実施形態によると、少なくとも1つの流体入口又は流体出口は、ダム(dam)を備える。
【0026】
一実施形態によると、ターボチャージャユニットに取り付けられるように構成された第2の面には、ターボチャージャユニットをエンジン構造から取り外す間に、クーラント流体が潤滑流体と混合するのを防ぐ分離手段が設けられる。
【0027】
一実施形態によると、分離手段は、第2の面の上部から第2の面の下部に延びる突出リッジ(ridge)として設けられ、これにより、潤滑剤ポートは、分離手段の横方向の一方に配置され、クーラントポートは、分離手段の横方向の他方に配置される。
【0028】
一実施形態によると、分離手段は、エンジン構造の厚さが特定ラインで最大になるように、V字形の輪郭を有する第2の面を設けることによって形成され、これにより、潤滑剤ポートは、特定ラインの横方向の一方に配置され、クーラントポートは、特定ラインの横方向の他方に配置される。
【0029】
一実施形態によると、シリンダブロックに取り付けられるように構成された第1の面には、ターボチャージャユニットをシリンダブロックから取り外す間に、クーラント流体が潤滑流体と混合するのを防ぐ分離手段が設けられる。
【0030】
一実施形態によると、分離手段は、第1の面の上部から第1の面の下部に延びる突出リッジとして設けられ、これにより、潤滑剤ポートは、分離手段の横方向の一方に配置され、クーラントポートは、分離手段の横方向の他方に配置される。
【0031】
一実施形態によると、分離手段は、エンジン構造の厚さが特定ラインで最大となるように、V字形の輪郭を有する第1の面を設けることによって形成され、これにより、潤滑剤ポートは、特定ラインの横方向の一方に配置され、クーラントポートは、特定ラインの横方向の他方に配置される。
【0032】
一実施形態によると、エンジン構造は、潤滑剤入口及び/又はクーラント入口を有する追加流体流路をさらに備え、追加流体流路がクーラント供給部からターボチャージャユニットまでのクーラント流路、及び/又は、潤滑剤供給部からターボチャージャユニットまでの潤滑剤流路を形成する。
【0033】
一実施形態によると、クーラント入口は、シリンダブロックのクーラント出口とエンジン構造との間の開放接続(open connection)を形成する。
【0034】
一実施形態によると、クーラント入口は、シリンダブロックのクーラント出口とエンジン構造との間に遮断接続(shut off connection)を形成するように閉鎖される。
【0035】
一実施形態によると、潤滑剤入口は、シリンダブロックの潤滑剤出口とエンジン構造との間に開放接続を形成する。
【0036】
一実施形態によると、潤滑剤入口は、シリンダブロックの潤滑剤出口とエンジン構造との間に遮断接続を形成するように閉鎖される。
【0037】
一実施形態によると、エンジン構造を介してターボチャージャユニットをシリンダブロックに接続する取付手段のセットは、軸受ハウジング及び/又はシリンダブロックの対応する案内凹部又はピンに嵌合するための少なくとも1つの案内ピン又は凹部をさらに備える。
【0038】
一実施形態によると、エンジン構造をシリンダブロックにしっかりと取り付ける取付手段のセットは、シリンダブロックの対応する案内凹部又はピンに嵌合するための少なくとも1つの案内ピン又は凹部をさらに備える。
【0039】
一実施形態によると、軸受ハウジングは、エンジン構造に取り付けられるとき、エンジン構造をシリンダブロックにしっかりと取り付ける取付手段のセットを覆う。
【0040】
一実施形態によると、軸受ハウジングは、エンジン構造に取り付けられるとき、エンジン構造をシリンダブロックにしっかりと取り付ける取付手段のセットを覆わない。
【0041】
一実施形態によると、エンジン構造は、ターボチャージャユニットが取り付け中に支えられるサポートをさらに備える。
【0042】
一実施形態によると、エンジン構造は、エンジン構造に対して着脱可能に取り付けられるアクチュエータをさらに備える。
【0043】
一実施形態によると、アクチュエータは、エンジン構造又は関連した軸受ハウジングから直接クーラントを受け、エンジン構造又は関連した軸受ハウジングに直接クーラントを戻すように構成される。
【0044】
一実施形態によると、アクチュエータには、アクチュエータから流体を排出するためのプラグが設けられる。
【0045】
一実施形態によると、エンジン構造は、シリンダブロックとターボチャージャユニットとの間に電気的接続を設けるように構成される。
【0046】
一実施形態によると、エンジン構造を介してターボチャージャユニットをシリンダブロックに接続する取付手段のセットは、シリンダブロックに対向するエンジン構造の後方に延びる少なくとも1つの貫通孔を備え、エンジン構造は、貫通孔を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える。
【0047】
一実施形態によると、エンジン構造を介してターボチャージャユニットをシリンダブロックに接続する取付手段のセットは、ターボチャージャユニットに対向するエンジン構造の前方に延びる少なくとも1つの貫通孔を備え、エンジン構造は、貫通孔を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える。
【0048】
一実施形態によると、エンジン構造をシリンダブロックにしっかりと固定する取付手段のセットは、シリンダブロックに対向するエンジン構造の後方に延びる少なくとも1つの貫通孔を備え、エンジン構造は、貫通孔を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える。
【0049】
一実施形態によると、少なくとも1つの窪みは、サポート面が貫通孔と窪みとの間に形成されるように、エンジン構造の外部から貫通孔に向かって延びる。
【0050】
一実施形態によると、窪みは、貫通孔を包囲する。
【0051】
一実施形態によると、窪みは、貫通孔を部分的に包囲し、窪みは、エンジン構造の表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、エンジン構造の窪み及び接触面の窪みが貫通孔全体を包囲する継目落ち(joint depression)を形成する。
【0052】
上述のエンジン構造を介して、内燃機関のシリンダブロックに取り付けられたエンジン構造にターボチャージャユニットを締結する手段を有する軸受ハウジングを備えるターボチャージャユニットも提供する。
【0053】
一実施形態によると、エンジン構造は、軸受ハウジングと一体形成される。
【0054】
上述のエンジン構造を介して、ターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに締結する手段を有する軸受ハウジングを備えるターボチャージャユニットも提供する。軸受ハウジングは、軸受ハウジング及びエンジン構造からクーラント流体を排出するための少なくとも1つの排出プラグを備える。
【0055】
一実施形態によると、排出プラグは、軸受ハウジングのクーラントジャケットと流体連通している。
【0056】
一実施形態によると、クーラントジャケットは、クーラント流体をクーラントジャケットに流入及び流出させる2つの流体ポートを有し、流体ポートのうちの少なくとも一方は、エンジン構造に対向する軸受ハウジングの端面に設けられる。
【0057】
一実施形態によると、クーラントジャケットは、クーラント流体をクーラントジャケットに流入及び流出させる2つの流体ポートを有し、流体ポートの各々は、エンジン構造に対向する軸受ハウジングの端面に設けられる。
【0058】
一実施形態によると、軸受ハウジングには、クーラント流体ポートの少なくとも一方の鉛直下方に配置された少なくとも1つの潤滑流体ポートがさらに設けられる。
【0059】
一実施形態によると、軸受ハウジングは、エンジン構造の対応する流体ポートに揃えるための少なくとも1つの流体ポートを備え、軸受ハウジングの流体ポートは、エンジン構造の流体ポートから外側に延びるパイプに対して封止するように構成される。
【0060】
一実施形態によると、軸受ハウジングは、エンジン構造の対応する流体ポートに揃えるための追加の流体ポートを備え、軸受ハウジングの流体ポートは、エンジン構造の流体ポートから外側に延びるパイプに対して封止するように構成される。
【0061】
一実施形態によると、軸受ハウジングの流体ポートの少なくとも一方には、封止手段を形成するOリングが設けられる。
【0062】
一実施形態によると、軸受ハウジングの流体ポートの少なくとも一方には、封止手段を形成する締まりばめ構造(tight fit configuration)が設けられる。
【0063】
一実施形態によると、エンジン構造を介してターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに締結する手段は、エンジン構造に対向する軸受ハウジングの後方に延びる少なくとも1つの貫通孔を備え、軸受ハウジングは、1つの貫通孔を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える。
【0064】
一実施形態において、少なくとも1つの窪みは、サポート面が貫通孔と窪みとの間に形成されるように、軸受ハウジングの外側部分から貫通孔に向かって延びる。
【0065】
一実施形態において、窪みは、貫通孔を包囲する。
【0066】
一実施形態において、窪みは、貫通孔を部分的に包囲し、窪みは、ターボチャージャユニットの表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、ターボチャージャユニットの窪み及び接触面の窪みが貫通孔全体を包囲する継目落ちを形成する。
【0067】
上述のエンジン構造を介して、ターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに締結する手段を有する軸受ハウジングを備えたターボチャージャユニットも提供する。軸受ハウジングは、エンジン構造の対応する流体ポートに揃えるための少なくとも1つの流体ポートを備え、軸受ハウジングの流体ポートは、エンジン構造の流体ポートから外側に延びるパイプに対して封止するように構成される。
【0068】
一実施形態によると、軸受ハウジングは、エンジン構造の対応する流体ポートに揃えるための追加の流体ポートを備え、軸受ハウジングの流体ポートは、エンジン構造の流体ポートから外側に延びるパイプに対して封止するように構成される。
【0069】
一実施形態によると、軸受ハウジングの流体ポートの少なくとも一方には、封止手段を形成するOリングが設けられる。
【0070】
一実施形態によると、軸受ハウジングの流体ポートの少なくとも一方には、封止手段を形成する締まりばめ構造が設けられる。
【0071】
一実施形態によると、エンジン構造を介してターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに締結する手段は、エンジン構造に対向する軸受ハウジングの後方に延びる少なくとも1つの貫通孔を備え、軸受ハウジングは、1つの貫通孔を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える。
【0072】
一実施形態によると、少なくとも1つの窪みは、サポート面が貫通孔と窪みとの間に形成されるように、軸受ハウジングの外部から貫通孔に向かって延びる。
【0073】
一実施形態によると、窪みは、貫通孔を包囲する。
【0074】
一実施形態によると、窪みは、貫通孔を部分的に包囲し、窪みは、ターボチャージャユニットの表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、ターボチャージャユニットの窪み及び接触面の前記窪みが貫通孔全体を包囲する継目落ちを形成する。
【0075】
上述のエンジン構造を介して、ターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに締結する手段を有する軸受ハウジングを備えたターボチャージャユニットも提供する。エンジン構造を介してターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに締結する手段は、エンジン構造又はシリンダブロックに対向する軸受ハウジングの後方に延びる少なくとも1つの貫通孔を備え、軸受ハウジングは、1つの貫通孔を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える。
【0076】
一実施形態によると、少なくとも1つの窪みは、サポート面が貫通孔と窪みとの間に形成されるように、軸受ハウジングの外側部分から貫通孔に向かって延びる。
【0077】
一実施形態によると、窪みは、貫通孔を包囲する。
【0078】
一実施形態によると、窪みは、貫通孔を部分的に包囲し、窪みは、ターボチャージャユニットの表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、ターボチャージャユニットの窪み及び接触面の窪みが貫通孔全体を包囲する継目落ちを形成する。
【0079】
一実施形態によると、軸受ハウジングには、ターボチャージャユニットをシリンダブロックから取り外す間に、クーラント流体が潤滑流体と混合するのを防ぐ分離手段が設けられる。
【0080】
一実施形態によると、分離手段は、軸受ハウジングの上部から軸受ハウジングの下部に延びる陥没溝部(recessive groove)として設けられ、これにより、潤滑剤ポートは、分離手段の横方向の一方に配置され、クーラントポートは、分離手段の横方向の他方に配置される。
【0081】
一実施形態によると、分離手段は、軸受ハウジングの厚さが特定ラインで最大となるように、V字形の輪郭を有する軸受ハウジングを設けることによって形成され、これにより、潤滑剤ポートは、特定ラインの横方向の一方に配置され、クーラントポートは、特定ラインの横方向の他方に配置される。
【0082】
一実施形態によると、ターボチャージャユニットは、軸受ハウジングに対して着脱可能に取り付けられるアクチュエータをさらに備える。
【0083】
一実施形態によると、アクチュエータは、軸受ハウジング又は関連したエンジン構造から直接クーラントを受け、軸受ハウジング又は関連したエンジン構造に直接クーラントを戻すように構成される。
【0084】
一実施形態によると、アクチュエータには、排出プラグが設けられる。
【0085】
一実施形態によると、軸受ハウジングは、ターボチャージャユニットの中央に配置されたリフティングアイをさらに備える。
【0086】
内燃機関用の排気システムも提供する。排気システムは、上述の態様のいずれか1つに記載のターボチャージャユニットと、ターボチャージャユニットを内燃機関のシリンダブロックに取り付けるための上述の態様のいずれか1つに記載のエンジン構造とを備える。
【0087】
シリンダブロックと、上述の態様のいずれか1つに記載のエンジン構造とを備える内燃機関も提供する。
【0088】
一実施形態によると、上述の態様のいずれか1つに記載のエンジン構造を介して、ターボチャージャユニットをシリンダブロックに締結する手段を有するシリンダブロックであって、手段は、エンジン構造に対向するシリンダブロックの前方から延びる少なくとも1つの貫通孔を備え、シリンダブロックは、1つの貫通孔を少なくとも部分的に包囲する窪みを備える。
【0089】
一実施形態によると、少なくとも1つの窪みは、サポート面が貫通孔と窪みとの間に形成されるように、シリンダブロックの外部から貫通孔に向かって延びる。
【0090】
一実施形態によると、窪みは、貫通孔を包囲する。
【0091】
一実施形態によると、窪みは、貫通孔を部分的に包囲し、窪みは、シリンダブロックの表面に接触する面の対応する窪みに揃えられるような寸法を有し、シリンダブロックの窪み及び接触面の窪みが貫通孔全体を包囲する継目落ちを形成する。
【0092】
一実施形態によると、エンジン構造は、シリンダブロックと一体形成される。
【0093】
上述の態様のいずれか1つに記載の内燃機関を備える車両も提供する。
【0094】
ターボチャージャユニットをシリンダブロックに取り付ける方法であって、エンジン構造をシリンダブロックに取り付けるステップと、少なくとも1つのガスケット又はOリングを、エンジン構造と軸受ハウジングとの間、及び/又は、エンジン構造とシリンダブロックとの間に設けるステップと、ターボチャージャユニットの軸受ハウジングをエンジン構造にしっかりと取り付けることにより、軸受ハウジングの少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口がエンジン構造の対応する流体出口及び/又は流体入口に揃えられるように、軸受ハウジングがターボチャージャユニットをエンジン構造にしっかりと取り付ける手段の一部を形成するステップとを備え、少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口は、エンジン構造内で屈曲して延びる流体流路の一部を形成する方法も提供する。
【0095】
ターボチャージャユニットをシリンダブロックから取り外す方法も提供する。ターボチャージャユニットは、エンジン構造に取り付けられ、かつ、少なくとも1つのガスケット又はOリングにより、エンジン構造と軸受ハウジングとの間、及び/又は、エンジン構造とシリンダブロックとの間に封止された軸受ハウジングを備え、エンジン構造の少なくとも1つの流体出口及び/又は流体入口が軸受ハウジングの対応する流体入口及び/又は流体出口に揃えられ、少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口は、エンジン構造内で屈曲して延びる流体流路の一部を形成する。方法は、エンジン構造をシリンダブロックから取り外すことなく、ターボチャージャユニットをエンジン構造から取り外すステップを備える。
【0096】
ターボチャージャユニットの交換方法も提供する。方法は、上述の態様に記載のターボチャージャユニットを取り外すステップと、ターボチャージャユニットの軸受ハウジングをエンジン構造にしっかりと取り付けることにより、軸受ハウジングの少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口がエンジン構造の対応する流体出口及び/又は流体入口に揃えられるように、軸受ハウジングがターボチャージャユニットをエンジン構造にしっかりと取り付ける手段の一部を形成するステップとを備える。
【0097】
エンジン構造、ターボチャージャユニット、排気システム、内燃機関、及びターボチャージャユニットの取付方法、取り外し方法、及び交換方法の追加態様について、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0098】
添付の図面を参照して、例としての本発明の実施形態のより詳細な説明を以下に述べる。
【0099】
図1】一実施形態に係る車両の側面図である。
図2】一実施形態に係る内燃機関の概略図である。
図3】一実施形態に係るエンジン構造を介してシリンダブロックに取り付けられているターボチャージャユニットの斜視図である。
図4a】異なる実施形態に係るターボチャージャユニットの正面図である。
図4b】異なる実施形態に係るターボチャージャユニットの正面図である。
図5】一実施形態に係るシリンダブロック及びターボチャージャユニットの断面図である。
図6】一実施形態に係るエンジン構造の正面図である。
図7a】異なる実施形態に係るエンジン構造の側方断面図である。
図7b】異なる実施形態に係るエンジン構造の側方断面図である。
図8】一実施形態に係るアクチュエータを有し、エンジン構造に取り付けられているターボチャージャユニットの側方断面図である。
図9】他の実施形態に係るリフティングアイを有し、エンジン構造に取り付けられているターボチャージャユニットの側方断面図である。
図10a】一実施形態に係るターボチャージャユニット、エンジン構造、及びシリンダブロックの一部の分解図である。
図10b】一実施形態に係るターボチャージャユニット、エンジン構造、及びシリンダブロックの一部の分解図である。
図10c】一実施形態に係るターボチャージャユニット、エンジン構造、及びシリンダブロックの一部の分解図である。
図11図10aに示される構成の断面図である。
図12図10aに示される構成の異なる断面図である。
図13】一実施形態に係るターボチャージャユニット及びエンジン構造の分解図である。
図14a】一実施形態に係るエンジン構造をエンジン側から見た図を示している。
図14b】他の実施形態に係るエンジン構造の斜視図である。
図15図14aに示される一実施形態に係るエンジン構造の分解断面図である。
図16a】実施形態に係る方法の概略図である。
図16b】実施形態に係る方法の概略図である。
図16c】実施形態に係る方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0100】
図1から始めると、車両1が示されている。車両1はトラックとして示されており、車両1を駆動するための内燃機関10を有する。以下にさらに説明する通り、車両1の内燃機関10には、種々の実施形態に係るターボチャージャユニット100が設けられる。車両1は、ターボチャージャユニット100と相互作用する排気の流れを提供する少なくとも1つのエンジンを有する限り、電気駆動等、追加の推進ユニットを有してもよい。したがって、車両1は、トラックに限定される物でなく、バス、建設機器等、種々の車両であってもよい。
【0101】
図2には、内燃機関10の一例が示されている。内燃機関10は、ディーゼル又はガソリン等、燃料を燃焼するように作動される複数のシリンダ20を含み、これにより、シリンダ20内で往復運動するピストンの動きがクランクシャフト30の回転運動に伝達される。クランクシャフト30は、さらに、駆動要素(図示せず)にトルクを提供するための変速装置(図示せず)に連結される。トラック等、大型車両の場合、駆動要素はホイールである。しかしながら、内燃機関10は、建設機器、船舶用等、その他の機器にも使用されてよい。
【0102】
内燃機関10は、排気システム40をさらに備え、このシステム40は、内燃機関10の性能を向上するために、排気流内のエネルギーの少なくとも一部を回収する目的を果たす。図示の例において、排気は、シリンダ20から出て、ターボチャージャユニット100の排気入口102にさらに接続された排気マニホルド42に入る。排気流は、タービンハウジング104b内に配置されたタービン104aを回転させ、この回転は、シャフト105を介して、コンプレッサハウジング106b内に配置されて、シリンダ20内に導入される前に到来する空気を圧縮するために使用されているコンプレッサ106aの対応する回転に変換される。ターボチャージャユニット100の基本構造及び機能的仕様が、当分野において周知であり、詳細の完全な説明は行わない。
【0103】
以下、図3を参照すると、ターボチャージャユニット100の一実施形態が示されている。ターボチャージャユニット100は、エンジン構造200を介して内燃機関10のシリンダブロック22に取り付けられる。ターボチャージャユニット100は、タービンハウジング104b内に配置されるタービンと、コンプレッサハウジング106b内に配置されるコンプレッサ106aと、タービンの回転がコンプレッサの対応する回転を生じさせるように、コンプレッサをタービンに接続するシャフト(図示せず)とを備える。軸受ハウジング110は、一体形成されることが好ましく、タービンハウジング104bとコンプレッサハウジング106bとの間に設けられる。軸受ハウジング110、タービン、シャフト、及びコンプレッサは、軸方向反対側端部でタービンハウジング104b及びコンプレッサハウジング106bに接続される中央ハウジング回転アセンブリを形成する。ターボチャージャユニット100は、さらに、タービンハウジング104bに排気入口と、コンプレッサハウジング106bに空気入口とを備える。軸受ハウジング110は、さらに、シャフトを最小限の摩擦及び振動で回転させるために、軸受のサポートを形成する。
【0104】
図3に見て取れるように、ターボチャージャユニット100は、エンジン構造200によって内燃機関10に接続される。エンジン構造200は、アダプタ、すなわち、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110と内燃機関10のシリンダブロック22との間のインタフェースを形成する。これに加え、ターボチャージャユニット100の排気入口は、例えば、ベローズ、リップシール等の可撓性接合部により、マニホルドの排気出口(図示せず)に接続される。
【0105】
以下、図4a及び図4bを参照すると、タービンシャフト105を収容する軸受ハウジング110と、タービン104aを収容するタービンハウジング104bと、コンプレッサ106aを収容するコンプレッサハウジング106bとを備えるターボチャージャユニット100の概略図が示されている。ターボチャージャユニット100は、さらに、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200(図3を参照)及びシリンダブロック22に締結するために設けられる締結手段120を備える。図4aに見て取れるように、締結手段120は、ねじ、ボルト、又はスタッド等、締結具を受容するために軸受ハウジング110に複数の開口122を備える。開口122は、シャフト105の軸方向に対して横方向、かつ、エンジン構造200に向かって延びることが好ましい。4つの開口122を示す図4aの実施形態を参照すると、すべての開口122は、タービンハウジング104bとコンプレッサハウジング106bの間であって、シャフト105の反対側の軸方向に位置され、図4aに示される上方開口と下方開口との距離に等しく接近して配置されるのが好ましい。開口122は、平行に延び、軸受ハウジング110に貫通孔を形成する。したがって、開口122は、軸受ハウジング110の第1の側に第1の端部を有し、この第1の側は、エンジン構造200に対向するように構成され、軸受ハウジング110の第2の側の第2の端部を有し、この第2の側は、第1の側に対して軸受ハウジング110の反対側である。そこで、ターボチャージャユニット100は、ねじ、スタッド、ボルト等、開口122に受容された締結具を使用して、予め取り付けられたエンジン構造200を介して、シリンダブロック22に取り付けられてもよい。
【0106】
図4bは、ターボチャージャユニット100のさらなる実施形態を示しており、ここでは、締結手段120は、軸受ハウジング110内で軸方向に延びたシャフト105の反対側に配置されている2つの開口122を備える。2つの開口122は、軸受ハウジング110をエンジン構造200に取り付けるために設けられる。開口210は、エンジン構造200をシリンダブロック22に取り付けるために設けられる。
【0107】
図5は、エンジン構造200を介して内燃機関のシリンダブロック22に取り付けられているターボチャージャユニット100の断面図を示している。開口122は、ボルト124が開口122に挿入され、さらに、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200に向けて押すために、エンジン構造200に挿入されるように、貫通孔として形成される。
【0108】
以下、図6及び図7aを参照すると、エンジン構造200の一実施形態が示されている。エンジン構造200は、内燃機関10のシリンダブロック22に取り付けられる第1の側202と、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110に取り付けられる、第1の側202の反対の第2の側204とを有する。エンジン構造200は、エンジン構造200をシリンダブロック22に締結するための取付手段210の第1のセットと、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200に締結するための装着手段220の第2のセットとを備える。第1の取付手段210は、少なくとも1つのねじ又はボルト211を備え、シリンダブロック22の嵌合凹部内にねじ込まれてもよい。これに加え、第1の取付手段210は、さらに、シリンダブロック22の対応する凹部又はピンに係合するための1つ以上のピン又は凹部212を備えてもよい。
【0109】
第2の取付手段220は、ターボチャージャユニット100の開口122を通じて挿入可能であるスタッド又はねじを受容するための少なくとも1つの孔部を備え、スタッドナット又はねじを締めたとき、ターボチャージャユニット100がエンジン構造200に向かって押されるようにする。第2の取付手段220、すなわち、スタッド又はねじを受容するための1つ以上の孔部は、ねじ又はスタッドがさらにシリンダブロック22(図5参照)の揃えられた孔部に係合されるように、図7aに示される通り、貫通孔であってもよい。他の実施形態において、第2の取付手段220の孔部は、エンジン構造200内で終結する。雌ねじで1つ以上の孔部を提供することにより、締付を行わせてもよい。
【0110】
これについてさらに述べると、第2の取付手段220は、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110の対応する凹部又はピンに係合するための1つ以上のピン又は凹部222を備えてもよい。任意又は追加として、第1の取付手段210は、シリンダブロック22の対応する凹部又はピンと係合するための1つ以上のピン又は凹部を備えてもよい。
【0111】
エンジン構造200は、第2の側204の下部からエンジン構造200より離間して延びるサポート230を備えてもよい。サポート230は、取り付け中、ターボチャージャユニット100をサポート230上で支えるために設けられる。
【0112】
図6は、多数の流体ポートを示している。クーラント入口240は、エンジン構造200の下端に設けられ、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110の対応するクーラント入口に揃えるためにクーラント出口242に延びる。2次クーラント入口244は、軸受ハウジング110の対応するクーラント出口から流出する水等のクーラントを受けるためのものであり、エンジン構造200の上方のクーラント出口246に設けられて、終結する。したがって、ターボチャージャユニット100の回転部品を冷却するための流体が下方から上方に流れることができる。
【0113】
潤滑剤入口250は、エンジン構造200の横方向の上端に設けられ、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110の対応する潤滑剤入口に揃えるための潤滑剤出口252に延びる。2次潤滑剤入口254は、軸受ハウジング110の対応する潤滑剤出口から流出するオイル等の潤滑剤を受容するために設けられ、エンジン構造200の下方の潤滑剤排出流路256に設けられて、終結する。
【0114】
したがって、エンジン構造200は、ホース又はその他の接続により、例えば、クーラント及び/又は潤滑剤を供給する流体供給部に接続されてもよい。流体入口240、250は、エンジン構造200の上側、エンジン構造200の下側、及び/又はエンジン構造200の横方向に配置されてもよい。
【0115】
さらなる実施形態において、図7bに示されるが、エンジン構造200のクーラント入口(図示せず)及びクーラント出口246は、シリンダブロック22に対向する。このような実施形態は、液体(例えば、図3参照)を冷却するための蓋24を有するシリンダブロック22に特に好都合であってもよく、これにより、孔部は、クーラント入口240及びクーラント出口246に揃えられた位置において蓋24に穿設されてもよい。蓋24が設けられない場合、流体流路もシリンダブロック22に穿設されてもよい。エンジン構造200は、1つ以上のガスケット、Oリング等(図示せず)によってシリンダブロック22に対して封止されてもよい。
【0116】
また、さらなる実施形態において、後述の図10に示されるが、エンジン構造200は、潤滑剤入口250及び潤滑剤排出流路256がシリンダブロック22に対向するように、シリンダブロック22に取り付けられる。冷却及び図7bについて上述したのと同様に、孔部は、オイル導管又はオイルリザーバの一部を規定するシリンダブロック22の一部に穿設されてもよい。孔部は、エンジン構造200の潤滑剤入口250及び潤滑剤排出流路256に揃えられなければならない。エンジン構造200は、1つ以上のガスケット、Oリング等(図示せず)により、シリンダブロック22に対して封止されてもよい。
【0117】
図7aは、図6に示される実施形態の破線に沿った断面図である。パイプ260は、取り外しを行う間、クーラントが潤滑剤戻し流路内へと逃げるのを防ぐために設けられる。同様の目的のため、すなわち、流体の汚染及び望ましくない混合を防ぐべく、取り外しを行う間、クーラントが潤滑剤と混合するのを防ぐために、潤滑剤戻し流路、すなわち、潤滑剤入口254にダム258が設けられる。ダム機能を形成するために、種々の実施形態が実現されてもよい。クーラントポート242、244に対する潤滑剤ポート252、254の位置に応じて、異なる設計も可能である。例えば、分離手段は、面204の上部から面204の下部に延びる突出リッジとして形成されてもよく、これにより、潤滑剤ポート252、254は、分離手段の横方向の一方に配置され、クーラントポート242、244は、分離手段の横方向の他方に配置される。他の実施形態において、分離機能は、エンジン構造200の厚さが中央線で最大となるように、エンジン構造200の非平面204を有することによって設けられてもよい。分離手段は、結果として、突出リッジによって形成されず、V字形の輪郭として形成され、これにより、面204全体がその中央に向かって突出する。分離手段の機能について上述した実施形態では、軸受ハウジング110の対応する形状は、エンジン構造200と軸受ハウジング110との間に密接なインタフェースを提供するのに好適である。
【0118】
パイプ260は、第2の取付手段220の一部としても使用されてよく、これにより、ターボチャージャユニット100に揃えることを容易にする。パイプ260は、ターボチャージャユニット100を取り外す間にも封止することができる。これにより、流体混合のリスクを低減することができる。任意又は追加で、シリンダブロック22及び/又は軸受ハウジング110の対応する構造と嵌合するために、ショルダ部がエンジン構造に設けられてもよい。
【0119】
ダム機能は、エンジン構造200をシリンダブロック22から取り外すとき、潤滑剤及びクーラントがエンジン内で混合するのを防ぐために、エンジン構造200とシリンダブロック22との間に形成されるインタフェースのためにも設けられてもよく、特に図7bを参照して説明した実施形態のために設けられてもよい。上述したものと同様に、分離手段は、面202の上部から面202の下部に延びる突出リッジとして形成されてもよい。他の実施形態において、分離機能は、エンジン構造200の厚さが中央線で最小となるように、エンジン構造200の非平面202を有することによって設けられてもよい。分離手段は、結果として、突出リッジによって形成されず、V字形の輪郭として形成され、これにより、シリンダブロック22の面202までの嵌合面全体がその中央に向かって突出する。分離機能について上述した実施形態では、シリンダブロック22及びエンジン構造200には、好ましくは、エンジン構造200とシリンダブロック22との間に密接なインタフェースを提供するための嵌合構造が備えられなければならない。
【0120】
図8を参照すると、エンジン構造200に取り付けるときのターボチャージャユニット100のさらなる実施形態が示されている。図4図7を参照して上述したものと同様に、エンジン構造200は、内燃機関10のシリンダブロック22に取り付けられ、次いで、ターボチャージャユニット100は、エンジン構造200に取り付けられる。図8及び図9に示される実施形態では、ターボチャージャユニット100は、ジオメトリを変更するために、タービンハウジングのベーンの動作を必要とする可変ジオメトリターボチャージャユニットである。したがって、アクチュエータ300が設けられる。図8において、アクチュエータ300は、軸受ハウジング110の下方に配置され、タービンハウジング104bとコンプレッサハウジング106bとの間で軸方向においてターボチャージャユニット100にねじで取り付けられる。アクチュエータ300は、クーラントをアクチュエータ300内に案内するための軸受ハウジング110内の関連した流路により、エンジン構造200のクーラント入口及び出口に接続される。また、エンジンクーラントを空にするために排出プラグ310が設けられてもよい。軸受ハウジング110には、ターボチャージャユニット100の取扱いを容易にするためのリフティングアイ112が設けられる。これは、従来システムでは流体接続によって占有されていた軸受ハウジング110の上方の空間が利用できるようになる。リフティングアイ112は、永久的構造であってもよく、又は、軸受ハウジング110のねじ穴に一時的に挿入されたアイにねじ込まれるものとして設けられていてもよい。リフティングアイ112はまた、軸受ハウジング110、タービンハウジング104b、及び/又はコンプレッサハウジング106bに配置された1つ以上の構造として設けられてもよい。
【0121】
アクチュエータ300のさらなる実施形態が図9に示されており、図中、アクチュエータ300は、エンジン構造200よりも軸受ハウジング110の反対側に配置される。したがって、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110は、エンジン構造200とアクチュエータ300との間に配置される。
【0122】
さらなる実施形態において、アクチュエータ300は、軸受ハウジング110でなく、エンジン構造200に取り付けられてもよい。アクチュエータ300は、エンジン構造200から直接、クーラントを受容するように構成されてもよい。
【0123】
図8に見て取れるように、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200に取り付ける第2の取付手段220は、貫通孔(破線で示される)であってもよく、これにより、軸受ハウジング110の開口122を通じて挿入されたねじ又はスタッドを受容するために、ねじ孔がシリンダブロック22に設けられてもよい。
【0124】
これまで述べたすべての実施形態に関して、第1の取付手段210、すなわち、エンジン構造200をシリンダブロック22にしっかりと取り付けるために使用される手段を、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110がエンジン構造200に一旦取り付けられると見えなくなる所定の位置に配置することが望ましい。結果として、エンジン構造200からターボチャージャユニット100を取り外すことなく、第1の取付手段210へアクセスすることは不可能となる。
【0125】
以上の説明において、エンジン構造200を介したターボチャージャユニット100への流体接続を提供するための流体ポートの異なる構造について説明した。これに加えて、エンジン構造200は、シリンダブロック22又は車両のその他の部品とターボチャージャユニット100との間に電気的接続も提供してよい。このような電気的接続は、例えば、タービン速度センサ信号、アクチュエータ信号、及び/又は、関連した電気ウェイストゲートの動作に関連する信号等の信号を送信するためのケーブルを含んでもよい。電気的接続はまた、例えば、電力を速度センサ、アクチュエータ、及び/又はウェイストゲートに伝達するための電源ケーブルも含んでよい。電気的接続は、シリンダブロック22と直接接続されてもよく、又はエンジン構造200側に配置された接点を介して接続されてもよい。
【0126】
エンジン構造200を介してターボチャージャユニット100をシリンダブロック22に取り付けるための構成の一実施形態が図10図15に示されている。図10aから始めると、シリンダブロック22は、2つのサポートプラト22:1、22:2を有し、各サポートプラト22:1、22:2は、エンジン構造200のための平らなサポート面を形成している。上方のサポートプラト22:1は、各々、クーラント入口ポート22;11及びクーラント出口ポート22:12を形成する2つの開口22:11、22:12を有する。したがって、2つの開口22:11、22:12により、水等のクーラント流体をシリンダブロック22からエンジン構造200へと流動させ、エンジン構造200からシリンダブロック22へと戻す。
【0127】
さらに、上方のサポートプラト22:1は、ねじ124を受容するためのねじ孔22:13を有し、ねじ124は、エンジン構造200を介してターボチャージャユニット100をシリンダブロック22にしっかりと取り付けるために使用されている。上方のサポートプラト22:1は、エンジン構造200の案内ピン212を受容するための少なくとも1つの凹部22:14も有する。したがって、案内ピン212が凹部22:14に受容されると、上方のサポートプラト22:1に対するエンジン構造200の正確な位置決めが行われる。
【0128】
下方のサポートプラト22:2は、各々、潤滑剤入口ポート22;21及び潤滑剤出口ポート22:22を形成する2つの開口22:21、22:22を有する。したがって、2つの開口22:21、22:22により、オイル等の潤滑流体をシリンダブロック22からエンジン構造200に流動させ、エンジン構造200からシリンダブロック22へと戻す。
【0129】
さらに、下方のサポートプラト22:2は、ねじ124を受容するためのねじ孔22:23を有し、ねじ124は、エンジン構造200を介してターボチャージャユニット100をシリンダブロック22にしっかりと締結するために使用されている。下方のサポートプラト22:2は、エンジン構造200の案内ピン212を受容するための少なくとも1つの凹部22:24も有する。したがって、案内ピン212が凹部22:24、22:14に受容されると、シリンダブロック22に対するエンジン構造200の正確な位置決めが行われる。下方のサポートプラト22:2は、エンジン構造200をシリンダブロック22に取り付けるために使用されるねじ211を受容するための追加ねじ孔22:25も有する。
【0130】
いくつかの実施形態において、案内ピン212は、ねじを受容するための孔部の周囲に配置されたスリーブとして設けられてもよい。
【0131】
ターボチャージャユニット100をシリンダブロック22に取り付けるとき、エンジン構造200は、まず、エンジン構造200のピン212がシリンダブロック22の凹部22:14、22:24に受容されるように、エンジン構造200を位置決めすることにより、シリンダブロック22に揃えられる。その後、ねじ211が締め付けられ、エンジン構造200がシリンダブロック22に少なくともある程度、固定される。この段階で、シリンダブロック22の流体ポート22:11、22:12、22:21、22:22は、エンジン構造200の対応する流体ポートに揃えられる。本明細書の記載に応じた接続ブロック200を使用することにより、シリンダブロック22の非平面を、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110の好ましくは平らな面に架け渡すことができる。
【0132】
図13によりよく示されるように、エンジン構造200の後方、すなわち、シリンダブロック22に対向する側は、シリンダブロック22のクーラントポート22:11に揃えられるためのクーラント入口240を有する。クーラントポート22:12を介してシリンダブロック22にクーラントを戻すためのクーラント出口246も設けられる。
【0133】
エンジン構造200の後方は、さらに、シリンダブロック22の潤滑剤ポート22:21に揃えるための潤滑剤入口250と、シリンダブロック22の潤滑剤ポート22:22に揃えるための潤滑剤出口256とを備える。
【0134】
エンジン構造200はまた、ねじ124をシリンダブロック22のねじ孔22:13、22:23内に案内するための2つの貫通孔220と、上述のピン212とを有する。
【0135】
以下、図10aに戻ると、クーラント入口240は、エンジン構造200内で屈曲して、又は曲線状に延び、ターボチャージャユニット100に対向するエンジン構造200側のクーラント出口242にて終結するクーラント流体供給流路240:1の一部を形成する。同様に、クーラント出口246は、エンジン構造200内で屈曲して、又は曲線状に延び、ターボチャージャユニット100に対向するエンジン構造200側のクーラント入口244にて開始するクーラント流体戻し流路246:1の一部を形成する。そして、クーラント流体供給流路240:1は、シリンダブロック22からターボチャージャユニット100へのクーラントの流れを提供し、クーラント流体戻し流路246:1は、ターボチャージャユニット100からシリンダブロック22に戻るクーラントの流れを提供する。
【0136】
潤滑剤入口250は、エンジン構造200内で屈曲して、又は曲線状に延び、ターボチャージャユニット100に対向するエンジン構造200側の潤滑剤出口252にて終結する潤滑流体供給流路250:1の一部を形成する。同様に、潤滑剤出口256は、エンジン構造200内で屈曲して、又は曲線状に延び、ターボチャージャユニット100に対向するエンジン構造200側の潤滑剤入口254にて開始する潤滑流体戻し流路256:1の一部を形成する。そして、潤滑流体供給流路250:1は、シリンダブロック22からターボチャージャユニット100への潤滑剤の流れを提供し、潤滑流体戻し流路256:1は、ターボチャージャユニット100からシリンダブロック22に戻る潤滑剤の流れを提供する。
【0137】
曲線状に、又は屈曲して延びる流体流路240:1、246:1、250:1、256:1を有するエンジン構造200を使用することにより、外部の流体ホースを使用することなく、種々のターボチャージャユニット100をシリンダブロック22に取り付けるための非常に有効なアダプタを提供する。特に、シリンダブロック22は、流体ポートが特定位置にあることを許容し、ターボチャージャユニットは、普通、流体ポートも所定位置であることを要求する。ターボチャージャユニット100の流体ポートは、普通、シリンダブロック22の流体ポートに嵌合しないため、ターボチャージャユニット100とシリンダブロック22との間のホースを配置することが必要とされてきた。しかしながら、曲線状の流体流路240:1、246:1、250:1、256:1を設けることにより、エンジン構造200は、実際に、ターボチャージャユニット100の流体ポートをシリンダブロック22の流体ポートに完全に揃えることができる。
【0138】
図10bは、エンジン構造200が軸受ハウジング110と一体形成された一実施形態を示している。図10cは、エンジン構造200がシリンダブロック22と一体形成された一実施形態を示している。
【0139】
一例が、図11及び図12に示されており、図11は、エンジン構造200の潤滑流路250:1、256:1を示している。図11に見て取れる通り、ターボチャージャユニット100は、ターボチャージャユニット100の中央に延びる潤滑供給流路150:1を有する。潤滑供給流路150:1の入口150は、シリンダブロック22の潤滑油出口ポート22:21に対してずれているが、潤滑流体は、エンジン構造200を介してターボチャージャユニット100の潤滑供給流路150:1内に完全に流入する。これに加え、ターボチャージャユニット100の潤滑油出口156は、シリンダブロック22の潤滑油入口ポート22:22に対してずれているが、潤滑流体は、エンジン構造200を介してシリンダブロック22の潤滑油入口ポート22:22内に完全に流入する。
【0140】
同様のことがクーラントの流れにも適用される。特に図12に示される通り、ターボチャージャユニット100は、ターボチャージャユニット100の下部に延びるクーラント供給流路140:1を有する。クーラント供給流路140:1の入口140は、シリンダブロック22のクーラント出口ポート22:11に対してずれているが、クーラント流体は、エンジン構造200を介してターボチャージャユニット100のクーラント供給流路140:1内に完全に流入する。これに加え、ターボチャージャユニット100のクーラント出口146は、シリンダブロック22のクーラント入口ポート22:12に対してずれているが、クーラント流体は、エンジン構造200を介してシリンダブロック22のクーラント入口ポート22:12内に完全に流入する。
【0141】
シリンダブロック22の流体ポート22:11、22:12、22:21、22:22の位置に対するターボチャージャユニット100の流体ポート140、146、150、156の各位置が図13に示されているが、シリンダブロック22の流体ポートは、エンジン構造200の対応する流体ポート240、246、250、256によって表される。
【0142】
図14aにおいて、エンジン構造200がさらに示されている。見て取れる通り、すべての流体流路、すなわち、ポート240、242の間を延びるクーラント流体供給流路、ポート244、246の間を延びるクーラント流体戻し流路、ポート250、252の間を延びる潤滑流体供給流路、ポート254、256の間を延びる潤滑流体戻し流路は、屈曲している。これは、流体流路が単なる貫通孔でなく、実際には、エンジン構造200の高さ方向及び/又は幅方向に延びることを意味している。
【0143】
エンジン構造200の他の実施形態が図14bに示されている。ここでは、すべての流体流路、すなわち、ポート240、242の間を延びるクーラント流体供給流路、ポート244、246の間を延びるクーラント流体戻し流路、ポート250、252の間を延びる潤滑流体供給流路、ポート254、256の間を延びる潤滑流体戻し流路は、屈曲しているか、又は曲線状である。これは、流体流路が単なる貫通孔でなく、実際には、エンジン構造200の高さ方向及び/又は幅方向に延びることを意味している。しかしながら、流体ポート246は、シリンダブロック22に対向する面上に設けられず、代わりに、シリンダブロック22と接触する面とは異なる面から延びるパイプとして配置される。バンジョ型管継手の使用は、クーラントを戻すことを可能にするばかりでなく、エンジン構造200とシリンダブロック22との間の任意の流体接続のためにも使用可能であることが認識されなければならない。
【0144】
図15を参照すると、流体流路240:1、246:1、250:1、256:1の屈曲した様子がさらに示されている。したがって、屈曲して延びる流体流路は、間に流体流路が延びている2つのポートの断面位置が異なる流体流路として解釈されなければならない。換言すると、これらのポートのうちの一方の中心軸からの法線は、他方のポートの中心軸からの法線と同一でない。
【0145】
ターボチャージャユニット100を交換する場合、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200から取り外す必要がある。この手順を容易にするために、ターボチャージャユニット100にはいくつかの特定の利点がある。まず、図10に戻ると、ターボチャージャユニット100は、軸受ハウジング110内に配置されたクーラントジャケット160を有する。クーラントジャケット160は、クーラント流体の流れる閉鎖空間を形成する。クーラント流体は、クーラント流体入口ポート140からクーラントジャケット160に入り、クーラント流体出口ポート146にてクーラントジャケット160を出る。車両がそのエンジンを停止して静止しているとき、クーラントジャケット160内及びエンジン構造200内にクーラント流体が存在する。したがって、排出プラグ170が、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110に設けられる。排出プラグ170は、排出プラグ170が取り外される(又は部分的に開放される)ときに、クーラントジャケット160内及びエンジン構造200内に存在するクーラント流体が排出されるように、クーラントジャケット160の下部に配置される。排出プラグ170の開放は、エンジン構造200からターボチャージャユニット100を取り外すのに先立って実施されることが好ましい。
【0146】
図10において、エンジン構造200のクーラント流体ポート242、244には、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200から取り外す間に、クーラント流体が潤滑流体流路250:1、256:1内に逃げるのを防ぐためのパイプ260が設けられる。ターボチャージャユニット100がエンジン構造200から完全に取り外されるまで、ターボチャージャユニット100からクーラント流体が流出しないことを確実にするために、軸受ハウジング110のクーラント流体ポート140、146には、パイプ260に対して封止するための手段148が設けられる。各封止手段148は、関連したパイプ260を包囲するOリングとして設けられるか、クーラント流体の漏れを防ぐためにポート140、146の寸法を有した締まりばめ構造として設けられてもよい。
【0147】
再び図13に戻ると、軸受ハウジング110の後方、すなわち、エンジン構造200に対向するターボチャージャユニット100側は、ねじ124を受容するために使用される貫通孔122を包囲する沈没領域(sunkenarea)、又は窪み180を有する。窪み180は、軸受ハウジング110の重量を低減させるために、より重要なこととして、ねじ124を軸受ハウジング110の外周に締結するときに加えられる力を分散させるために、設けられる。したがって、窪み180は、軸受ハウジング110の外部から貫通孔122に延びるが、サポート面が貫通孔122の周囲に形成されるように、貫通孔122に達する直前に終結する。この特定の実施形態において、サポート面は円形であるが、矩形等、他の形状も利用されてよい。ねじ124を締結する間に特定量の力が貫通孔122を包囲するサポート面に加えられ、残った力が軸受ハウジング110の外部に加えられる。各窪み180は、貫通孔122全体を包囲することが好ましい。しかしながら、代替実施形態において、窪み180は、貫通孔122の一部のみを包囲し、対応する窪みは、軸受ハウジング100に接触するようにエンジン構造200の表面に配置されるが、2つの窪みが貫通孔122全体を包囲する継目落ちを形成するように設計される。窪み180は、貫通孔122において応力を低減し、同時に、ターボチャージャユニット100がしっかりと取り付けられるように、外側に負荷を分散させるために、軸受ハウジング110のフレーム又は外部に対する寸法を有することが好ましい。
【0148】
貫通孔122の周囲に窪み180を設けることは、さらなる利点、すなわち、2つのねじ/ボルトのみを使用して、十分にしっかりとした取り付けを達成するという利点をもたらす。この事実は、追加の利点、すなわち、エンジン構造200が比較的狭くてもよく、軸受ハウジング110内のタービンシャフトに要求される長さを低減するという利点をもたらす。ターボチャージャユニット100の回転部品の軸支が簡易化されてもよく、重量が低減される。これに加えて、パッケージ化が簡易になる。
【0149】
そして、本開示は、ターボチャージャユニット100をシリンダブロック22に取り付けるために使用されるエンジン構造200の使用を提示している。上述した通り、エンジン構造200は、ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110から分離した部分であるか、又はこれに一体形成されてもよく、又はシリンダブロック22に一体形成されてもよい。第1の場合では、エンジン構造200が分離した部品であるが、窪み180は、エンジン構造200の1つ又は2つの端面上、すなわち、軸受ハウジング110に対向するエンジン構造200側、及び/又は、シリンダブロック22に対向するエンジン構造200側に設けられてもよい。他の場合では、エンジン構造200が軸受ハウジング110又はシリンダブロック22のいずれかに一体形成されるが、窪み180は、接続されるエンジン構造200側に設けられる。
【0150】
上述の代替のうちのいずれか1つにおいて、窪みは、ターボチャージャユニット100/シリンダブロック22のインタフェースの2つの接触面上に形成されてもよい。したがって、窪みは、シリンダブロック22に対向するエンジン構造22側の部分的窪みと、シリンダブロック22上の関連した部分的窪みとによって共同して形成されてもよい。同様のことが、軸受ハウジング110に対向するエンジン構造200側と軸受ハウジング110自体側にも適用される。これらの共同して形成された窪みは、シリンダブロック22、エンジン構造200、及び/又は軸受ハウジングの窪みを完全に包囲することによっても設けることができる。
【0151】
以下、図16a〜cを参照すると、種々の実施形態に係る方法が説明されている。図16aから開始すると、ターボチャージャユニット100をシリンダブロック22に取り付ける方法400は、エンジン構造200をシリンダブロック22に接続する第1のステップ402を備える。これは、例えば、ピン/凹部によって任意でエンジン構造200をシリンダブロック22に揃え、エンジン構造200をシリンダブロック22に向かって押圧するための1つ又は複数のねじを締め付けることにより、実施されることが好ましい。これに加え、エンジン構造200のクーラント入口、クーラント出口、潤滑剤入口、潤滑剤出口等の関連する流体ポートを流体供給部に接続することを含む、追加ステップ404が設けられてもよい。流体ポートの封止には、1つ又は複数のガスケット、Oリング等が使用されてもよい。ターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110がエンジン構造200にしっかりと取り付けられる、次のステップ406が実施される。ステップ406は、軸受ハウジング110とエンジン構造200との間にガスケット又はOリングを設けることにより、改善されてもよい。上述の通り、軸受ハウジング110は、軸受ハウジング110の少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口がエンジン構造200の対応する流体出口及び/又は流体入口に揃えられるように、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200にしっかりと取り付ける手段の一部を形成する。方法400は、さらに、シリンダブロック22とエンジン構造200との間、及び/又は、エンジン構造200と軸受ハウジング110との間に電気的接続を設けるステップを含んでもよい。電気的接続は、ステップ402及び/又はステップ406の間に自動的に成立(establish)させられてもよい。
【0152】
図16bにおいて、方法400’が概略的に示されている。方法400’は、ターボチャージャユニット100をシリンダブロック22から取り外すために実施され、このターボチャージャユニット100は、エンジン構造200の少なくとも1つの流体出口及び/又は流体入口が軸受ハウジング110の対応する流体入口及び/又は流体出口に揃えられるように、エンジン構造200に取り付けられている軸受ハウジング110を備える。この方法は、エンジン構造200をシリンダブロック22から取り外すことなく、エンジン構造200からターボチャージャユニット100を取り外す単一のステップ402’を備える。エンジン構造200は、ターボチャージャユニット100の排気入口102から離間して配置される。
【0153】
図16cにおいて、さらなる方法400”が概略的に示されている。方法400”は、ターボチャージャユニット100を交換するために実施され、シリンダブロック22からエンジン構造200を取り外すことなく、すなわち、方法400’のステップ402’を行うことなく、エンジン構造200からターボチャージャユニット100を取り外す第1のステップ402”を備える。その後、新たなターボチャージャユニット100の軸受ハウジング110がエンジン構造200にしっかりと取り付けられる次のステップ404”が実施される。上述の通り、軸受ハウジング110は、軸受ハウジング110の少なくとも1つの流体入口及び/又は流体出口がエンジン構造200の対応する流体出口及び/又は流体入口に揃えられるように、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200にしっかりととりつける手段の一部を形成する。
【0154】
エンジン構造200を介してターボチャージャユニット100をシリンダブロック22に取り付ける一般的な概念は、ターボチャージャユニット100の排気入口102から離間して配置するというものであるが、多数の利点をもたらす。例えば、このような組立は、振動に対してより堅牢となり、可変ジオメトリタービンの場合、ベーンが固着するリスクが低減される。このような組立ではまた、ターボチャージャユニット100の重量がタービンハウジング104bによって支持されないものの、ターボチャージャユニット100をエンジン構造200に取り付けるために使用される軸受ハウジング110によって支持されるとき、先端すきまの制御がより良好となる。これに加え、このような組立ではまた、関連した排気マニホルド42が薄型且つ軽量の材料で作成され、より高温にも耐え得るため、その新たな設計が可能となる。
【0155】
1つの特定の利点は、パイプのルーティングに関連する。パイプは、ターボチャージャユニット100、例えば、クーラント及び潤滑剤供給部に接続するために要求される。これらのパイプは、軸受ハウジング110に直接接続されなければならない代わりに、エンジン構造200に接続される。したがって、ターボチャージャユニット100を交換するとき、パイプは取り外しの対象とならない。この特定の利点は、上述の図14a及び図14bに最も良く示されている。エンジン構造200は多数の様々な方法で構築可能であるため、パイプルーティングのフレキシビリティが大きくなる。パイプルーティングは、図7bを参照して説明した実施形態について、さらに簡易となり、ここでは、エンジン構造200の流体ポートのうちの少なくともいくつかがシリンダブロック22の対応するポートに直接接続されている。同一の利点が、以上の説明に係る電気的接続器にも適用可能である。
【0156】
さらなる実施形態において、エンジン構造200の使用は、異なるターボチャージャユニットに共通のインタフェースを提供するのに有益であってもよい。例えば、シリンダブロックは、わずかな数の構成で製造されてもよく、異なるターボチャージャユニットの数の方が非常に多くなる。シリンダブロックがターボチャージャユニットへの潤滑剤供給及びクーラント供給を許容する場合、シリンダブロックとターボチャージャユニットとの間に流体流路を設ける特定のエンジン構造が選択されてもよい。しかしながら、選択されたターボチャージャユニットが冷却することができるように構成されていない場合、異なる種別のエンジン構造が選択されてもよく、このために水ポートが見えなく又は遮断される。したがって、エンジン構造は、潤滑剤流路を提供し、同時に、シリンダブロックのクーラントポートに対する蓋を提供してもよい。この理由に従うと、少ない数の異なるエンジン構造により、非常に多数の異なるターボチャージャユニットをより少ない数のシリンダブロックに接続するため、必要数のインタフェースを提供してもよい。
【0157】
以上の説明には、異なる実施形態が含まれており、すべて、エンジン構造を介してターボチャージャユニットの軸受ハウジングをシリンダブロックに取り付けることに関連するものである。エンジン構造は、軸受ハウジング/シリンダブロックのインタフェースのアダプタを形成するものであるが、分離した部品であってもよく、軸受ハウジング又はシリンダブロックに一体化されてもよい。エンジン構造が分離した部品である実施形態では、エンジン構造がシリンダブロックに取り付けられた後、ターボチャージャユニットをエンジン構造に搭載すると説明した。しかしながら、エンジン構造が軸受ハウジングに最初に搭載され、エンジン構造/軸受ハウジングアセンブリが次いでシリンダブロックに搭載されるように、取付手段を設けることも可能である。
【0158】
本発明は、上述及び図示の実施形態に限定されるものでなく、むしろ、当業者であれば、添付の特許請求の範囲内で多数の変更及び修正がなされてもよいことを理解されたい。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11
図12
図13
図14a
図14b
図15
図16a
図16b
図16c