特許第6795598号(P6795598)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795598
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】照合方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20201119BHJP
【FI】
   G06F21/31
【請求項の数】13
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2018-532099(P2018-532099)
(86)(22)【出願日】2016年12月6日
(65)【公表番号】特表2019-507408(P2019-507408A)
(43)【公表日】2019年3月14日
(86)【国際出願番号】CN2016108633
(87)【国際公開番号】WO2017101704
(87)【国際公開日】20170622
【審査請求日】2019年1月28日
(31)【優先権主張番号】201510946529.7
(32)【優先日】2015年12月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100097320
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 貞二
(74)【代理人】
【識別番号】100215049
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100131820
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 俊幸
(74)【代理人】
【識別番号】100155192
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 美代子
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】ジェン,ジァン
(72)【発明者】
【氏名】レイ,シン
(72)【発明者】
【氏名】スン,ホンファ
【審査官】 岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−164578(JP,A)
【文献】 特開2014−215853(JP,A)
【文献】 特開2012−212368(JP,A)
【文献】 特開2007−272600(JP,A)
【文献】 再公表特許第09/075180(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置る、ユーザの身元照合方法であって
前記装置によって、前記ユーザに対して身元照合を必要とするユーザの財産に関わるセキュリティに関連する操作のユーザ要求を受信するステップであって、前記操作が、アカウントパスワードの変更、オンラインショッピング、又はオンライン送金を含む、ステップと
前記装置によって、前記ユーザ要求が受信された時の、前記装置のローカルの現在時刻を取得するステップと、
前記装置によって、前記ローカルの現在時刻より前の所定期間において前記ユーザが身元照合を得なかったかどうかを特定するステップと
前記装置によって、前記ローカルの現在時刻より前の所定期間において前記ユーザが身元照合を得なかった照合方法を取得するステップと、
前記装置によって、前記ユーザが照合を得なかった前記照合方法を用いて前記ユーザに対して身元照合を実行するステップとを備える、
方法。
【請求項2】
前記装置によって、前記ローカルの現在時刻より前の所定期間において前記ユーザが身元照合を得なかった前記照合方法を取得するステップは
前記装置によって、照合方法リストを取得するステップであって、前記照合方法リストの各行が少なくとも1つの照合方法を含む、ステップと、
前記装置によって、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た前記照合方法を前記照合方法リストから削除するステップと、
前記装置によって、削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップとを備える、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記装置によって、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た前記照合方法を前記照合方法リストから削除するステップは
前記装置によって、ローカルに格納された、前記照合方法とパス時刻との対応関係を取得するステップと
前記装置によって、前記パス時刻と前記現在時刻との差が前記所定期間よりも短いパス時刻に対応する前記照合方法を前記対応関係から検索するステップと
前記装置によって、前記検索により識別された照合方法を前記照合方法リストから消去するステップとを備える、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザが以前に照合を得なかった照合方法で前記ユーザが照合を得た場合、前記装置によって、ローカルの現在時刻を取得し、前記ローカルの現在時刻を、前記ユーザが以前に照合を得なかった照合方法で前記ユーザが照合を得たパス時刻として決定するステップと
前記対応関係において、前記決定したパス時刻で前記ユーザが以前に照合を得ていない前記照合方法に対応するパス時刻を、前記装置によって置き換えるステップとをさらに備える、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記装置によって、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た前記照合方法を前記照合方法リストから削除するステップの後に
前記装置によって、前記削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か特定するステップと、
前記装置によって、前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合、前記ユーザは現在照合を得た状態にある、と特定するステップ、又は
前記装置によって、前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、前記削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップをさらに備える、
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記装置によって、前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得するステップと、
前記装置によって、前記用いられていない照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するステップとをさらに備える、
請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記装置によって、前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられていない前記照合方法を取得するステップは
前記装置によって、照合方法リストを取得するステップであって、前記照合方法リストの各行が少なくとも1つの身元照合方法を含む、ステップと
前記装置によって、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザに対して身元照合を実行するために用いられた前記照合方法を前記照合方法リストから削除するステップと
前記装置によって、削除後照合方法リストの1つの行にある前記照合方法を取得するステップとを備える、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記装置によって、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザに対して身元照合を実行するために用いられた前記照合方法を前記照合方法リストから削除するステップは
前記装置によって、ローカルに格納された、前記照合方法と照合時刻との対応関係を取得するステップと
前記装置によって、前記照合時刻と前記現在時刻との差が前記所定期間よりも短い照合時刻に対応する前記照合方法を前記対応関係から検索するステップと
前記装置によって、前記検索により識別された照合方法を前記照合方法リストから消去するステップとを備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記用いられていない照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行する場合、前記装置によって、前記ローカルの現在時刻を取得し、前記ローカルの現在時刻を前記用いられていない照合方法を用いてユーザに対して照合を実行した照合時刻として決定するステップと
前記装置によって、前記対応関係において、前記決定した照合時刻で前記用いられていない照合方法に対応する照合時刻を置き換えるステップとをさらに備える、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記装置によって、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザに対して身元照合を実行するために用いられた前記照合方法を前記照合方法リストから削除するステップの後に
前記装置によって、前記削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か特定するステップと
前記装置によって、前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合に、前記ユーザは現在照合を得た状態にある、と特定するステップ又は
前記装置によって、前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数と等しい場合に、前記削除後照合方法リストの1つの行にある前記照合方法を取得するステップをさらに備える、
請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ユーザの前記財産に関わるセキュリティは、アカウントパスワード、オンラインショッピング操作、あるいはオンライン送金操作を含む、
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記照合方法は、ショートメッセージサービスのメッセージを送信するステップ、顔照合を実行するステップ、あるいは電子メールを送信するステップを含む、
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された複数のモジュールを備える、
身元照合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2015年12月16日に提出され「照合方法及びデバイス」と題された中国特許出願第201510946529.7号の優先権を主張し、上記中国特許出願は参照によってその全体が本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、インターネット技術の分野に関し、特に、照合方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、ユーザが、ユーザの財産セキュリティに関連する機密の(繊細な)操作、例えばアカウントパスワードの変更、オンラインショッピング、又はオンライン送金を実行する際に、ユーザの財産を損害から護るために、サーバは、ユーザの身元の照合(認証)を得てユーザによる操作が確実に実行されるようにする。こうして、ユーザは、アカウントパスワード変更、オンラインショッピング、オンライン送金等の目的を無事に達成することができる。中でも、一般的に用いられる照合方法は、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合である。
【0004】
時にユーザは、ユーザの財産セキュリティに関連する複数の機密の操作を短時間で行う場合がある。サーバは、ユーザが機密の操作を実行する度にユーザの身元をショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合により照合を得るので、サーバは、工程全体で、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりユーザの身元を複数回照合することになる。例えば、ユーザはまずアカウントパスワードを変更し、変更の完了後直ちにネットワークでの支払いを実行する。この場合、ユーザがアカウントパスワードを変更する際、サーバは、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合により、ユーザの身元の照合を得る。そして、ユーザがネットワークでの支払いを実行する際、サーバは、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合により、再度ユーザの身元の照合を得る。
【発明の概要】
【0005】
この既存技術の問題を解決するため、本願は照合方法及びデバイスを提供する。
【0006】
本願の実施の形態に係る第1の態様は、ユーザに対して照合を実行する必要がある場合に、ローカル(現地)の現在時刻を取得するステップと;
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザが照合を得なかった照合方法を取得するステップと;
前記ユーザが照合を得なかった前記照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するステップと;を含む、照合方法を提供するものである。
【0007】
また、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得なかった照合方法を取得する前記ステップは:
照合方法リストを取得するステップであって、前記照合方法リストの各行が少なくとも1つの照合方法を含む、照合方法リストを取得するステップと;
前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た照合方法を前記照合方法リストから削除するステップと;
削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップと;を含むものである。
【0008】
また、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た照合方法を前記照合方法リストから削除する前記ステップは:
ローカルに格納された、照合方法とパス時刻との対応関係を取得するステップと;
前記パス時刻と前記現在時刻との差が前記所定期間よりも短いパス時刻に対応する照合方法を前記対応関係から検索するステップと;
前記識別された照合方法を前記照合方法リストから消去するステップと;を含むものである。
【0009】
また、前記方法は、前記ユーザが以前に照合を得なかった照合方法で前記ユーザが照合を得た場合、ローカルの現在時刻を取得し、前記ローカルの現在時刻を、前記ユーザが以前に照合を得なかった照合方法で前記ユーザが照合を得たパス時刻として決定するステップと;
前記対応関係において、前記決定したパス時刻で前記ユーザが以前に照合を得ていない前記照合方法に対応するパス時刻を置き換えるステップと;をさらに含むものである。
【0010】
また、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た照合方法を前記照合方法リストから削除する前記ステップの後に:
前記削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か特定するステップと;
前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合、前記ユーザは現在照合を得た状態にある、と特定するステップ;又は
前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、前記削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップ;をさらに含むものである。
【0011】
本願の実施の形態に係る第2の態様は、ユーザに対して照合を実行する必要がある場合に、ローカルの現在時刻を取得するステップと;
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得するステップと;
前記用いられていない照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するステップと;を含む、照合方法を提供するものである。
【0012】
また、前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得する前記ステップは:
照合方法リストを取得するステップであって、前記照合方法リストの各行が少なくとも1つの照合方法を含む、照合方法リストを取得するステップと;
前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法を前記照合方法リストから削除するステップと;
削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップと;を含むものである。
【0013】
また、前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法を前記照合方法リストから削除する前記ステップは:
ローカルに格納された、照合方法と照合時刻との対応関係を取得するステップと;
前記照合時刻と前記現在時刻との差が前記所定期間よりも短い照合時刻に対応する照合方法を前記対応関係から検索するステップと;
前記識別された照合方法を前記照合方法リストから消去するステップと;を含むものである。
【0014】
また、前記用いられていない照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行する場合、ローカルの現在時刻を取得し、前記ローカルの現在時刻を前記用いられていない照合方法を用いてユーザに対して照合を実行した照合時刻として決定するステップと;
前記対応関係において、前記決定した照合時刻で前記用いられていない照合方法に対応する照合時刻を置き換えるステップと;をさらに含むものである。
【0015】
また、前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法を、前記照合方法リストから削除する前記ステップの後に:
前記削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か特定するステップと;
前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合に、前記ユーザは現在照合を得た状態にある、と特定するステップ;又は
前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数と等しい場合に、前記削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップ;をさらに含むものである。
【0016】
本願の実施の形態に係る第3の態様は、ユーザに対して照合を実行する必要がある場合に、ローカルの現在時刻を取得するように構成された第1の現在時刻取得モジュールと;
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザが照合を得なかった照合方法を取得するように構成された第1の照合方法取得モジュールと;
前記ユーザが照合を得なかった前記照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するように構成された第1の照合モジュールと;を含む、照合デバイスを提供するものである。
【0017】
本願の実施の形態に係る第4の態様は、ユーザに対して照合を実行する必要がある場合に、ローカルの現在時刻を取得するように構成された第2の現在時刻取得モジュールと;
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得するように構成された第2の照合方法取得モジュールと;
前記用いられていない照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するように構成された第2の照合モジュールと;を含む、照合デバイスを提供するものである。
【0018】
本開示の実施の形態において提供される技術的解決策は、以下の有益な効果を奏することができる。既存技術では、ユーザが機密の操作をする度に、サーバは、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりユーザの身元の照合を得る。ユーザが短時間のうちに複数の機密の操作を実行する場合、サーバは、ユーザの身元を同じ照合方法によって短時間のうちに複数回の照合を得ることになり、ユーザエクスペリエンスの質は相対的に低下する。
【0019】
本開示の実施の形態において、ユーザに対して照合する必要がある場合、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった照合方法を取得する、又は、現在時刻より前の所定期間においてユーザに対する照合に用いられていない照合方法を取得する。次いで、取得した照合方法によりユーザの照合を得ることにより、同じ照合方法を用いて短時間のうちにユーザに対する複数回の照合を得ることを回避し、ユーザエクスペリエンスの質を向上させる。
【0020】
当然ながら、上記の全体的な説明と以下の詳細な説明はいずれも、例示及び説明のために過ぎず、本願を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここに添付の図面は本明細書に組み込まれて本明細書の一部をなし、本願に従う実施の形態を示し、本明細書と共に用いられて本開示の原理を説明する。
【0022】
図1図1は、典型的な実施の形態による照合方法を示すフローチャートである;
【0023】
図2図2は、典型的な実施の形態による照合方法を示すフローチャートである;
【0024】
図3図3は、典型的な実施の形態による照合方法を示すフローチャートである;
【0025】
図4図4は、典型的な実施の形態による照合方法を示すフローチャートである;
【0026】
図5図5は、典型的な実施の形態による照合方法を示すフローチャートである;
【0027】
図6図6は、典型的な実施の形態による照合方法を示すフローチャートである;
【0028】
図7図7は、典型的な実施の形態による照合デバイスを示すブロック図である;
【0029】
図8図8は、典型的な実施の形態による照合デバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
典型的な実施の形態をここで詳細に述べ、典型的な実施の形態の例を添付図面に提示する。以下の記載が添付図面に言及する場合、異なる添付図面における同一の符号は、別段の指示がない限り同一又は類似の要素を表す。以下の典型的な実施の形態において記載される実施態様は、本開示に整合する全ての実施態様を表すわけではない。それどころか、それらは、付帯する特許請求の範囲に詳細に記載される本開示の一部の態様に整合する装置及び方法の一例に過ぎない。
【0031】
図1は、典型的な実施の形態による照合方法を示すフローチャートである。図1に示すように、この方法は以下のステップを含む。
【0032】
ステップS101において、ユーザに対して照合を実行する必要がある場合、ローカル(現地)の現在時刻を取得する。
【0033】
端末を使用する過程で、ユーザは、ユーザの財産セキュリティに関連する機密の操作、例えば、アカウントパスワードの変更、オンラインショッピング、又はオンライン送金を端末上で実行する必要が生じることがある。ユーザの財産セキュリティに密接に関連する機密の操作であるユーザの入力を受信すると、端末は機密の要求を生成し、その機密の要求をサーバへ送信する。端末により送信された機密の要求を受信すると、ユーザの財産セキュリティを確保するため、サーバは、機密の操作がユーザによって確実に実行されるように、機密の要求に応じる前にユーザの身元に対して照合を実行する必要がある。ユーザが照合を得ると、サーバは機密の要求に応じる。
【0034】
サーバに関しては、端末により送信された機密の要求を受信すると、ユーザに対する照合の実行を決定し、ローカルの現在時刻を取得する。
【0035】
ステップS102において、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった(照合をパスしなかった、照合を得ることに失敗した)照合方法を取得する。
【0036】
所定期間は、技術者が前もってサーバに対して設定する期間とすることができ、30秒、1分、又は2分などとすることができる。これは、本開示において限定されない。
【0037】
中でも、サーバがユーザを照合するための数多くの照合方法が存在する。例えば、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合、電子メールに基づく照合、顔照合、セキュリティ質問照合、指紋照合などである。
【0038】
例えば、所定期間が10分であるとする。現在時刻より前の10分以内にショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりサーバがユーザの身元に対して照合し、ユーザが照合を得た場合、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合が、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得た照合方法である。現在時刻より前の10分以内に電子メールに基づく照合によりサーバがユーザの身元に対して照合したものの、ユーザが照合を得なかった場合、電子メールに基づく照合が、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった照合方法である。
【0039】
ステップS103において、ユーザが照合を得なかった照合方法を用いてユーザに対して照合を行う。
【0040】
既存技術では、ユーザが機密の操作を実行する度に、サーバは、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりユーザの身元に対して照合を行う。ユーザが短時間のうちに複数の機密の操作を実行する場合、サーバは、ユーザに対して同じ照合方法を用いて短時間のうちに複数回照合を行うことになり、ユーザエクスペリエンスの質は相対的に低下する。
【0041】
本開示の本実施の形態において、ユーザに対して照合を行う必要がある場合、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった照合方法を取得し、次いで、その取得した照合方法を用いてユーザに対して照合を行う。したがって、同じ照合方法を用いて短時間のうちにユーザに対して複数回照合を行うことが回避され、ユーザエクスペリエンスの質は向上する。
【0042】
本開示の別の実施の形態において、図2に示すように、ステップS102は、以下のステップを含む。
【0043】
ステップS201において、照合方法リストを取得する。
【0044】
照合方法リストには複数の行がある。各行には、少なくとも1つの照合方法が含まれ、いずれの2つの行に含まれる照合方法も、完全に同じであることはない。1つの行が複数の照合方法を含む場合、その行のいずれの2つの照合方法も異なる。
【0045】
例えば、照合方法リストを表1に示すことができる。表1にあるのは3行である。第1の行は、2つの照合方法、すなわち、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び電子メールに基づく照合を含んでいる。第2の行は、1つの照合方法、すなわち顔照合を含む。第3の行は、2つの照合方法、すなわち、電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合を含んでいる。
【表1】
【0046】
ステップS202において、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得ている照合方法を照合方法リストから削除する。
【0047】
このステップは、具体的には、以下の工程で実施する。すなわち、
【0048】
(11)ローカルに格納された、照合方法とパス時刻との対応関係を取得する。
【0049】
本願のこの実施の形態において、サーバは、毎回、特定の照合方法を用いてユーザに対して照合を行う。ユーザがその照合方法にパスすると、サーバは、ユーザがその照合方法によって照合を得た時刻を示すパス時刻を取得し、次に、ローカルに格納された、照合方法とパス時刻との対応関係を検索してその照合方法が存在するか否か判定する。
【0050】
上記対応関係が上記照合を行った照合方法を含まない場合、それは、ユーザが以前にその照合方法によって照合を得ていないことを意味する。この場合、その照合方法とパス時刻とを1つの記録として格納される。
【0051】
上記対応関係が上記照合を行った照合方法を含む場合、それは、ユーザが以前にその照合方法によって照合を得たことを意味する。この場合、上記対応関係からその照合方法に対応するパス時刻を検索する必要があり、次に、ユーザがその照合方法により照合を得た時刻を示すパス時刻を更新するために、取得したパス時刻で、対応付けされていたパス時刻を置き換える。
【0052】
こうして、ユーザが以前に特定の照合方法により照合を得た直近のパス時刻を検索する必要がある場合、サーバは、ローカルに格納された、照合方法とパス時刻との対応関係を取得し、次いで、ユーザがその照合方法により以前に照合を得た最近のパス時刻を取得するために、対応関係からその照合方法に対応するパス時刻を検索できる。
【0053】
例えば、照合方法とパス時刻との対応関係を表2に示すことができる。
【表2】
【0054】
表2に示すように、以前にユーザが照合を得た照合方法には、電子メールに基づく照合、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合、顔照合、セキュリティ質問照合、及び指紋照合が含まれている。ユーザが電子メールに基づく照合により照合を得た最近のパス時刻は09:09:22であり、ユーザがショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合により照合を得た最近のパス時刻は13:05:27であり、ユーザが顔照合により照合を得た最近のパス時刻は12:08:12であり、ユーザがセキュリティ質問照合により照合を得た最近のパス時刻は11:32:45であり、ユーザが指紋照合により照合を得た最近のパス時刻は13:01:21である。
【0055】
(12)パス時刻と現在時刻との差が所定期間よりも短いパス時刻に対応する照合方法を対応関係から検索する。
【0056】
対応関係における任意の記録に含まれるパス時刻を取得する。パス時刻を現在時刻から差し引いて期間を取得する。その期間を所定期間と比較する。その期間が所定期間よりも短い場合、その記録に含まれる照合方法を取得し、パス時刻と現在時刻との差が所定期間よりも短いパス時刻に対応する照合方法として用いる。
【0057】
上記操作を対応関係における他の記録全てに対して実行する。こうして、パス時刻と現在時刻との差が所定期間よりも短いパス時刻に対応する全ての照合方法が対応関係から特定される。
【0058】
例えば、現在時刻が13:10:04であり、所定期間が10分であるとする。パス時刻と現在時刻13:10:04との差が10分より短いパス時刻13:05:27と13:01:21を表2に示す対応関係から特定でき、この2つのパス時刻に対応する照合方法は、それぞれショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び指紋照合であると特定できる。
【0059】
(13)特定された照合方法を照合方法リストから消去する。
【0060】
具体的には、ステップ(12)で特定された、いくつかの照合方法を照合方法リストから検索する。照合方法リストがその照合方法を含む場合、その照合方法は照合方法リストから消去される。上記操作を、ステップ(12)で特定された他の照合方法全てに対して実行する。こうして、ステップ(12)で特定された全ての照合方法が照合方法リストから消去される。
【0061】
例えば、ステップ(12)の例において、特定された照合方法はショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び指紋照合である。表1に示す照合方法リストからショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合を検索し、表1に示す照合方法リストがショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合を含むと判定される。この場合、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合が表1に示す照合方法リストから消去され、表3に示す照合方法リストが取得される。
【表3】
【0062】
次いで、表3に示す照合方法リストから指紋照合を検索し、表3に示す照合方法リストは指紋照合を含まないと判定される。この場合、表3に示す照合方法リストが削除後照合方法リストであると判定される。
【0063】
S203において、削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得する。
【0064】
本願の目的は、照合方法リストから1つの行を特定し、特定した行にある全ての照合方法を用いてユーザに対して照合を実行することである。決定した行にある全ての照合方法でユーザが照合を得た後、サーバは、ユーザが現在照合を得た状態にあると特定できる。
【0065】
したがって、本開示のこの実施の形態において、サーバは、削除後照合方法リストから1つの行を能動的に選択できる。例えば、サーバは、削除後照合方法リストから1つの行をランダムに選択し、次いで、選択した行にある全ての照合方法を取得できる。
【0066】
本開示の別の実施の形態において、サーバは、削除後に端末が照合方法リストをユーザに表示するように、削除後照合方法リストを端末へ送信できる。ユーザは、端末によって表示された削除後照合方法リストから1つの行を選択できる。端末は、ユーザが選択した行をサーバへ送信する。サーバは、ユーザが選択した行にある照合方法を取得する。
【0067】
サーバは、照合方法リストの1つの行にある全ての照合方法でユーザが照合を得た後に限って、ユーザは、現在照合を得た状態にあると特定できる。したがって、ユーザが1つの照合方法のみを含む行を選択した場合、ユーザがその照合方法で照合を得れば、ユーザは、現在、照合を得た状態にあるとすることができる。ユーザが複数の照合方法を含む行を選択した場合、ユーザがその複数の照合方法で別々に照合を得れば、ユーザは、現在、照合を得た状態にあるとすることができる。したがって、ユーザは通常、できるだけ早く、照合を現在得ている状態になれるよう、含まれる照合方法が少ない行を、削除後照合方法リストから選択する。
【0068】
例えば、表3に示す削除後照合方法リストでは、第1の行と第2の行に含まれる照合方法は少なく、第3の行に含まれる照合方法は多い。したがって、ユーザは、通常、第1の行又は第2の行を選択することで、現在照合を得た状態になることができる。
【0069】
したがって、本ステップにおいて、サーバが削除後照合方法リストから1つの行を能動的に選択する場合、ユーザができるだけ早く現在照合を得た状態になることができるように、サーバは、含まれる照合方法が少ない方の行を選択できる。
【0070】
上記の実施の形態において述べたように、照合方法リストのいずれかの行にある全ての照合方法で照合を得ると、ユーザは、照合を現在得ている状態となることができる。したがって、ユーザができるだけ早く現在照合済みとなることができるよう、本開示の別の実施の形態において、図3に示すように、方法は、ステップS202の後に以下のステップを含む。
【0071】
ステップS301において、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否かを特定する。
【0072】
状況によって、照合方法リストの特定の行にある全ての照合方法が現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得た照合方法である場合、その行にある全ての照合方法がステップS202において削除される、すなわち、照合方法リストにその行は含まれなくなる。そのため、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少なくなる。
【0073】
例えば、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得る照合方法がショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び顔照合である場合、ステップS202においてショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び顔照合が表1に示す照合方法リストから削除され、表4に示す照合方法リストが取得される。
【表4】
【0074】
表4に示す照合方法リストには2つの行があるが、表1に示す削除前照合方法リストには3つの行がある。そのため、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないと判定できる。次いで、ステップS302を行う。
【0075】
ステップS302において、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合、ユーザは照合を現在得ている状態にあると特定される。
【0076】
本開示のこの実施の形態において、照合方法リストのいずれかの行にある全ての照合方法で照合を得ると、ユーザは照合を現在得ている状態にある、とすることができる。したがって、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないと判定されると、それは、現在時刻より前の所定期間において、削除された行のいずれか1つにある全ての照合方法でユーザが照合を得ていることを意味する。したがって、ユーザに対して照合を実行する必要はなく、ユーザは照合を現在得ている状態にある、と特定され、工程は終了する。
【0077】
削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、ステップ203を行う。すなわち、削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得する。
【0078】
本開示のこの実施の形態において、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、1つの行にある照合方法は、削除後照合方法リストの別の行にある照合方法を含む、すなわち、その行が別の行にある照合方法を含む場合があるが、その行にある照合方法の数は、別の行にある照合方法の数よりも多い。
【0079】
例えば、表3に示す照合方法リストにおいて、第3の行にある照合方法は電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合であり、第1の行にある照合方法は電子メールに基づく照合である。第3の行は、第1の行にある電子メールに基づく照合を含み、第3の行にある照合方法の数は、第1の行にある照合方法の数よりも多い。したがって、第3の行にある照合方法は、第1の行にある照合方法を含む。
【0080】
ユーザが第1の行を選択した場合、電子メールに基づく照合によって照合を得ると、ユーザは照合を現在得ている状態にある、とすることができるが、ユーザが第3の行を選択した場合、電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合の両方によって照合を得ないと、照合を現在得ている状態にある、とすることはできない。したがって、ユーザは通常、できるだけ早く、照合を現在得ている状態となることができるように、第3の行よりも第1の行を優先して選ぶ。
【0081】
ただし、サーバが削除後照合方法リストから1つの行を能動的に選択する場合もある。サーバが第1の行ではなく第3の行を選択した場合、ユーザは、電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合の両方によって照合を得る必要がある。この場合、ユーザは、早急に照合を現在得ている状態となることができない。
【0082】
したがって、本開示のこの実施の形態において、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、サーバは、削除後照合方法リストの任意の行にある照合方法が別の行にある照合方法を含むか否か判定する。その行にある照合方法が別の行にある照合方法を含む場合、サーバは、削除後照合方法リストからその行を消去する。サーバは、上述の操作を他の全ての行に対して行う。
【0083】
例えば、表3に示す照合方法リストから第3の行が消去され、表5に示す照合方法リストが取得される。表5に示す照合方法リストから1つの行を選択する場合、サーバは、顔照合を含む第2の行を選択せずに、電子メールに基づく照合を含む第1の行を選択でき、電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合を含む表3の元の第3の行を選択することはできない。こうして、サーバは、電子メールに基づく照合のみによりユーザに対して照合を実行し、ユーザは、電子メールに基づく照合により照合を現在得ている状態にある、とすることができる。したがって、ユーザはできるだけ早く照合を現在得ている状態となることができ、照合効率が高まる。
【表5】
【0084】
さらに、本開示に記載の実施の形態において、ユーザが照合を得なかった照合方法を用いてサーバがユーザに対して照合を行った後に、ユーザがその照合方法で照合を得た場合、サーバは、ローカルの現在時刻を取得し、ローカルの現在時刻をユーザがその照合方法で照合を得たパス時刻として用い、次いで、ユーザがその照合方法により照合を得た時刻を示すパス時刻を更新するために、ローカルに格納された、照合方法とパス時刻との対応関係において、そのパス時刻でその照合方法に対応するパス時刻を置き換える。
【0085】
図4は、典型的な実施の形態による照合方法を示すフローチャートである。図4に示すように、この方法は以下の各ステップを含む。
【0086】
ステップS401において、ユーザに対して照合を実行する必要がある場合、ローカルの現在時刻を取得する。
【0087】
端末を用いる工程において、ユーザは時に、ユーザの財産セキュリティに関連する機密の操作、例えば、アカウントパスワードの変更、オンラインショッピング、又はオンライン送金を端末上で行う必要がある。ユーザが入力するユーザの財産セキュリティに密接に関連する機密の操作であるユーザの入力を受信すると、端末は、機密の要求を生成し、その機密の要求をサーバへ送信する。端末が送信した機密の要求を受信すると、ユーザの財産セキュリティを確保するため、サーバは、機密の操作が特定のユーザによって確実に実行されるように、機密の要求に応じる前にユーザの身元に対して照合を実行する必要がある。ユーザが照合を得ると、サーバは機密の要求に応じる。
【0088】
サーバに関しては、端末が送信した機密の要求を受信すると、ユーザに対して照合を実行することを決定し、ローカルの現在時刻を取得する。
【0089】
ステップS402において、現在時刻より前の所定期間においてユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得する。
【0090】
所定期間は、技術者が前もってサーバに対して設定する期間とすることができ、30秒、1分、又は2分などとすることができる。これは、本願において限定されない。
【0091】
中でも、サーバがユーザを照合するための数多くの照合方法が存在する。例えば、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合、電子メールに基づく照合、顔照合、セキュリティ質問照合、指紋照合などである。
【0092】
本開示のこの実施の形態において、サーバは、現在時刻より前の所定期間における複数の照合方法のうちの幾つかを専ら用いて、ユーザに対して照合を実行してもよい。
【0093】
例えば、所定期間が10分であるとする。現在時刻より前の10分以内にショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりサーバがユーザの身元に対して照合し、ユーザが照合を得た場合、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合が、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得た照合方法である。現在時刻より前の10分以内に電子メールに基づく照合によりサーバがユーザの身元に対して照合したものの、ユーザが照合を得なかった場合、電子メールに基づく照合が、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった照合方法である。
【0094】
ステップS403において、その用いられなかった照合方法を用いてユーザに対して照合を実行する。
【0095】
既存技術では、ユーザが機密の操作を実行する度にサーバは、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりユーザの身元に対して照合を行う。ユーザが短時間のうちに複数回機密の操作を実行する場合、サーバは、ユーザに対して同じ照合方法を用いて短時間のうちに複数回照合を行うことになり、ユーザエクスペリエンスの質は相対的に低下する。
【0096】
本開示のこの実施の形態において、ユーザに対して照合を行う必要がある場合、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった照合方法を取得し、次いで、その取得した照合方法を用いてユーザに対して照合を行う。したがって、同じ照合方法を用いて短時間のうちにユーザに対して複数回照合を行うことが回避され、ユーザエクスペリエンスの質は向上する。
【0097】
本開示の別の実施の形態において、図5に示すように、ステップS402は以下のステップを含む。
【0098】
ステップS501において、照合方法リストを取得する。
【0099】
照合方法リストには複数の行がある。各行には、少なくとも1つの照合方法が含まれ、いずれの2つの行に含まれる照合方法も、完全に同じであることはない。1つの行が複数の照合方法を含む場合、その行のいずれの2つの照合方法も異なる。
【0100】
例えば、照合方法リストを表6に示すことができる。表6にあるのは3行である。第1の行は、2つの照合方法、すなわち、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び電子メールに基づく照合を含んでいる。第2の行は、1つの照合方法、すなわち顔照合を含む。第3の行は、2つの照合方法、すなわち、電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合を含んでいる。
【表6】
【0101】
ステップS502において、現在時刻より前の所定期間においてユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法を、照合方法リストから削除する。
【0102】
本ステップは、具体的には、以下を含む以下の工程において実施できる。
【0103】
(21)照合方法と照合時刻との対応関係を取得する。
【0104】
本開示のこの実施の形態において、サーバが特定の照合方法を用いることによりユーザに対して照合を実行する度に、サーバは、ローカルの現在時刻を取得し、ローカルの現在時刻をユーザに対して照合を実行した照合時刻として用い、次いで、ローカルに格納された、照合方法と照合時刻との対応関係を検索してその実行された照合方法が存在するか否か判定する。
【0105】
上記対応関係がその実行された照合方法を含まない場合、それは、その照合方法が以前にユーザに対して照合を実行するために用いられていないことを意味する。この場合、その実行された照合方法と照合時刻とを1つの記録として格納される。
【0106】
対応関係がその照合方法を含む場合、それは、ユーザは以前にその照合方法によって照合を得たことを意味する。この場合、対応関係からその照合方法に対応する照合時刻を検索する必要があり、次いで、その照合方法を用いることによりユーザに対して照合を実行した照合時刻を更新するために、取得した照合時刻で特定された照合時刻を置き換える。
【0107】
こうして、以前に特定の照合方法でユーザに対して照合を実行した最近の照合時刻を検索する必要がある場合、サーバは、ローカルに格納された、照合方法と照合時刻との対応関係を取得し、次いで、以前にその照合方法でユーザに対して照合を実行した最近の照合時刻を取得するために、対応関係からその照合方法に対応する照合時刻を検索できる。
【0108】
例えば、照合方法と照合時刻との対応関係を、表7に示すことができる。
【表7】
【0109】
表7に示すように、以前にユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法には、電子メールに基づく照合、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合、顔照合、セキュリティ質問照合、及び指紋照合が含まれる。電子メールに基づく照合によりユーザに対して照合を実行した最近の照合時刻は09:09:22であり、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりユーザに対して照合を実行した最近の照合時刻は13:05:27であり、顔照合によりユーザに対して照合を実行した最近の照合時刻は12:08:12であり、セキュリティ質問照合によりユーザに対して照合を実行した最近の照合時刻は11:32:45であり、指紋照合によりユーザに対して照合を実行した最近の照合時刻は13:01:21である。
【0110】
(22)照合時刻と現在時刻との差が所定期間よりも短い照合時刻に対応する照合方法を対応関係から検索する。
【0111】
対応関係における任意の記録に含まれる照合時刻を取得する。照合時刻を現在時刻から差し引いて期間を取得する。その期間を所定期間と比較する。その期間が所定期間よりも短い場合、その記録に含まれる照合方法を取得し、照合時刻と現在時刻との差が所定期間よりも短い照合時刻に対応する照合方法として用いる。
【0112】
上記操作を、対応関係における他の記録全てに対して実行する。こうして、照合時刻と現在時刻との差が所定期間よりも短い照合時刻に対応する全ての照合方法が対応関係から特定される。
【0113】
例えば、現在時刻が13:10:04であり、所定期間が10分であるとする。照合時刻と現在時刻13:10:04との差が10分より短い照合時刻13:05:27と13:01:21を表7に示す対応関係から特定でき、この2つの照合時刻に対応する照合方法は、それぞれショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び指紋照合であると判定できる。
【0114】
(23)特定された照合方法を照合方法リストから消去する。
【0115】
具体的には、照合方法リストからステップ(22)で特定されたいずれかの照合方法を検索する。照合方法リストがその照合方法を含む場合、その照合方法は照合方法リストから消去される。上記操作をステップ(22)で特定された他の照合方法全てに対して実行する。こうして、ステップ(22)で特定された全ての照合方法が照合方法リストから消去される。
【0116】
例えば、ステップ(22)の例において、特定された照合方法はショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び指紋照合である。表6に示す照合方法リストからショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合を検索し、表6に示す照合方法リストがショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合を含むと特定される。この場合、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合が表6に示す照合方法リストから消去され、表8に示す照合方法リストが取得される。
【表8】
【0117】
次いで、表8に示す照合方法リストから指紋照合を検索し、表8に示す照合方法リストは指紋照合を含まないと判定される。この場合、表8に示す照合方法リストが削除後照合方法リストであると判定される。
【0118】
S503において、削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得する。
【0119】
本開示の目的は、照合方法リストから1つの行を決定し、決定した行にある全ての照合方法を用いることによりユーザに対して照合を実行することである。決定した行にある全ての照合方法でユーザが照合を得た後、サーバは、ユーザが現在照合を得た状態にある、と判定できる。
【0120】
したがって、本開示のこの実施の形態において、サーバは、削除後照合方法リストから1つの行を能動的に選択できる。例えば、サーバは、削除後照合方法リストから1つの行をランダムに選択し、次いで、選択した行にある全ての照合方法を取得できる。
【0121】
本開示の別の実施の形態において、サーバは、端末が削除後照合方法リストをユーザに表示するように、削除後照合方法リストを端末へ送信できる。ユーザは、端末によって表示された削除後照合方法リストから1つの行を選択できる。端末は、ユーザが選択した行をサーバへ送信する。サーバは、ユーザが選択した行にある照合方法を取得する。
【0122】
サーバは、照合方法リストの1つの行にある全ての照合方法でユーザが照合されて初めて、ユーザが現在照合を得た状態にある、と特定できる。したがって、ユーザが1つの照合方法のみを含む行を選択した場合、ユーザがその照合方法で照合を得れば、ユーザは、現在照合を得た状態にある、とすることができる。ユーザが複数の照合方法を含む行を選択した場合、ユーザがその複数の照合方法で別々に照合を得れば、ユーザは、現在照合を得た状態にある、とすることができる。したがって、ユーザは通常、できるだけ早く現在照合を得た状態になれるように、含まれる照合方法が少ない行を削除後照合方法リストから選択する。
【0123】
例えば、表8に示す削除後照合方法リストでは、第1の行と第2の行の方が含まれる照合方法が少なく、第3の行の方が含まれる照合方法が多い。したがって、ユーザは通常、現在照合を得た状態になるために第1の行又は第2の行を選択する。
【0124】
したがって、本ステップにおいて、サーバが削除後照合方法リストから1つの行を能動的に選択する場合、ユーザができるだけ早く現在照合を得た状態になるために、サーバは、含まれる照合方法が少ない方の行を選択できる。
【0125】
上記の実施の形態において述べたように、照合方法リストのいずれかの行にある全ての照合方法で照合を得ると、ユーザは現在照合を得た状態となることができる。したがって、ユーザができるだけ早く現在照合を得た状態になれるように、本開示の別の実施の形態において、図6に示すように、本方法は、ステップS502の後に以下のステップを含む。
【0126】
ステップS601において、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か判定する。
【0127】
状況によって、照合方法リストの特定の行にある全ての照合方法が現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合されている照合方法である場合、その行にある全ての照合方法がステップS502において削除される、すなわち、照合方法リストにその行は含まれなくなる。そのため、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少なくなる。
【0128】
例えば、現在時刻より前の所定期間においてユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法がショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び顔照合である場合、ステップS502の後に、すなわち、表6に示す照合方法リストからショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合及び顔照合を削除した後に、表9に示す照合方法リストを取得することができる。
【表9】
【0129】
表9に示す照合方法リストには2つの行があるが、表6の削除前照合方法リストには3つの行がある。そのため、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないと特定できる。次いで、ステップS602を実行する。
【0130】
ステップS602において、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合、ユーザは現在照合を得た状態にあると特定する。
【0131】
本開示のこの実施の形態において、照合方法リストのいずれかの行にある全ての照合方法で照合を得ると、ユーザは現在照合を得た状態にある、とすることができる。したがって、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないと特定されれば、それは、現在時刻より前の所定期間において、削除された行のいずれか1つにある全ての照合方法でユーザが照合されていることを意味する。したがって、ユーザに対して照合を実行する必要はなく、ユーザは現在照合を得た状態にある、と特定でき、工程は終了する。
【0132】
削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、ステップS503を実行する。すなわち、削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得する。
【0133】
本開示のこの実施の形態において、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数と等しい場合において、1つの行にある照合方法は、削除後照合方法リストの別の行にある照合方法を含む、すなわち、その行が別の行にある照合方法を含む場合があるが、その行にある照合方法の数は、別の行にある照合方法の数よりも多い。
【0134】
例えば、表8に示す照合方法リストにおいて、第3の行にある照合方法は電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合であり、第1の行にある照合方法は電子メールに基づく照合である。第3の行は、第1の行にある電子メールに基づく照合を含み、第3の行にある照合方法の数は、第1の行にある照合方法の数よりも多い。したがって、第3の行にある照合方法は、第1の行にある照合方法を含む。
【0135】
ユーザが第1の行を選択した場合、電子メールに基づく照合により照合が得られると、ユーザは、現在照合を得た状態にある、とすることができるが、ユーザが第3の行を選択した場合、電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合の両方によって照合を得られないと、現在照合が得られた状態とすることができない。したがって、ユーザは通常、できるだけ早く現在照合が得られた状態となることができるように、第3の行よりも第1の行を選ぶ。
【0136】
ただし、サーバが削除後照合方法リストから1つの行を能動的に選択する場合もある。サーバが第1の行ではなく第3の行を選択した場合、ユーザは、電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合の両方によって照合を得る必要がある。この場合、ユーザは、早急に現在照合を得た状態にはなれない。
【0137】
したがって、本開示のこの実施の形態において、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、サーバは、削除後照合方法リストの任意の行にある照合方法が別の行にある照合方法を含むか否か特定する。その行にある照合方法が別の行にある照合方法を含む場合、サーバは、削除後照合方法リストからその行を消去する。サーバは、上記操作を他の全ての行に対して実行する。
【0138】
例えば、表8に示す照合方法リストから第3の行が消去され、表10に示す照合方法リストが取得される。表10に示す照合方法リストから1つの行を選択する場合、サーバは、顔照合を含む第2の行を選択せずに電子メールに基づく照合を含む第1の行を選択することができ、電子メールに基づく照合及びセキュリティ質問照合を含む表8の元の第3の行を選択できない。こうして、サーバは、電子メールに基づく照合のみによりユーザに対して照合を実行し、ユーザは、電子メールに基づく照合により照合を得ると、現在照合を得た状態になることができる。したがって、ユーザは早急に照合を得た状態になることができ、照合効率が高まる。
【表10】
【0139】
さらに、本開示で述べる実施の形態において、用いられていない照合方法を用いることによりサーバがユーザに対して照合を実行した後に、サーバはローカルの現在時刻を取得し、ローカルの現在時刻を、その使用されていない照合方法を用いてユーザに対して照合を実行した照合時刻として用い、次いで、その照合方法を用いることによりユーザに対して照合を実行した照合時刻を更新するために、ローカルに格納された、照合方法と照合時刻との対応関係において、その照合時刻でその照合方法に対応する照合時刻を置き換える。
【0140】
図7は、典型的な実施の形態による照合デバイスを示すブロック図である。図7を参照すると、デバイスは、ユーザに対して照合を実行する必要がある場合、ローカルの現在時刻を取得するように構成された第1の現在時刻取得モジュール11と;現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった照合方法を取得するように構成された第1の照合方法取得モジュール12と;ユーザが照合を得なかった照合方法を用いることによりユーザに対して照合を実行するように構成された第1の照合モジュール13と;を含む。
【0141】
既存技術では、ユーザが機密の操作を実行する度にサーバは、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりユーザの身元に対して照合を行う。ユーザが短時間のうちに複数の機密の操作を実行する場合、サーバは、ユーザに対して同じ照合方法を用いて短時間のうちに複数回照合を行うことになり、ユーザエクスペリエンスの質は相対的に低下する。
【0142】
本開示のこの実施の形態において、ユーザに対して照合を行う必要がある場合、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった照合方法を取得し、次いで、その取得した照合方法を用いてユーザに対して照合を行う。したがって、同じ照合方法を用いて短時間のうちにユーザに対して複数回照合を行うことが回避され、ユーザエクスペリエンスの質は向上する。
【0143】
第1の照合方法取得モジュール12は:照合方法リストを取得するように構成された第1の照合方法リスト取得ユニットであって、照合方法リストの各行が少なくとも1つの照合方法を含む、第1の照合方法リスト取得ユニットと;現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得た照合方法を照合方法リストから削除するように構成された第1の削除ユニットと;削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するように構成された第1の照合方法取得ユニットと;を含む。
【0144】
第1の削除ユニットは、ローカルに格納された照合方法とパス時刻との対応関係を取得するように構成された第1の取得サブユニットと;パス時刻と現在時刻との差が所定期間よりも短いパス時刻に対応する照合方法を求めて対応関係を検索するように構成された第1の検索サブユニットと;特定された照合方法を照合方法リストから消去するように構成された第1の削除サブユニットと;を含む。
【0145】
デバイスは、ユーザが以前に照合されていない照合方法でユーザに対して照合が実行される場合、ローカルの現在時刻を取得し、ローカルの現在時刻をユーザが以前に照合を得ていない照合方法でユーザが照合を得たパス時刻として決定するように構成されたパス時刻取得モジュールと;対応関係において、決定したパス時刻でユーザが以前に照合を得ていない照合方法に対応するパス時刻を置き換えるように構成された第1の置換モジュールと;をさらに含む。
【0146】
第1の照合方法取得モジュール12は、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か判断するように構成された第1の判断ユニットと;削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合、ユーザは現在照合を得た状態にある、と特定するように構成された第1の特定ユニットと;をさらに含む。
【0147】
第1の照合方法取得ユニットは、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップを実行するようにさらに構成されている。
【0148】
図8は、典型的な実施の形態による照合デバイスを示すブロック図である。図8を参照すると、デバイスは、ユーザに対して照合を実行する必要がある場合、ローカルの現在時刻を取得するように構成された第2の現在時刻取得モジュール21と;現在時刻より前の所定期間においてユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得するように構成された第2の照合方法取得モジュール22と;その用いられていない照合方法を用いることによりユーザに対して照合を実行するように構成された第2の照合モジュール23と;を含む。
【0149】
既存技術では、ユーザが機密の操作を実行する度にサーバは、ショートメッセージサービスのメッセージに基づく照合によりユーザの身元に対して照合を行う。ユーザが短時間のうちに複数の機密の操作を実行する場合、サーバは、ユーザに対して同じ照合方法を用いて短時間のうちに複数回照合を行うことになり、ユーザエクスペリエンスの質は相対的に低下する。
【0150】
本開示のこの実施の形態において、ユーザに対して照合を行う必要がある場合、現在時刻より前の所定期間においてユーザが照合を得なかった照合方法を取得し、次いで、その取得した照合方法を用いてユーザに対して照合を行う。したがって、同じ照合方法を用いて短時間のうちにユーザに対して複数回照合を行うことが回避され、ユーザエクスペリエンスの質は向上する。
【0151】
第2の照合方法取得モジュール22は:照合方法リストを取得するように構成された第2の照合方法リスト取得ユニットであって、照合方法リストの各行が少なくとも1つの照合方法を含む、第2の照合方法リスト取得ユニットと;現在時刻より前の所定期間においてユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法を照合方法リストから削除するように構成された第2の削除ユニットと;削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するように構成された第2の照合方法取得ユニットと;を含む。
【0152】
第2の削除ユニットは:ローカルに格納された照合方法と照合時刻との対応関係を取得するように構成された第2の取得サブユニットと;照合時刻と現在時刻との差が所定期間よりも短い照合時刻に対応する照合方法を求めて対応関係を検索するように構成された第2の検索サブユニットと;特定された照合方法を照合方法リストから消去するように構成された第2の削除サブユニットと;を含む。
【0153】
デバイスは、その用いられていない照合方法を用いることによりユーザに対して照合を実行する場合、ローカルの現在時刻を取得し、このローカルの現在時刻をその用いられていない照合方法を用いることによりユーザに対して照合を実行した照合時刻として特定するように構成された照合時刻取得モジュールと;対応関係において、決定した照合時刻でその使用されていない照合方法に対応する照合時刻を置き換えるように構成された第2の置換モジュールと;をさらに含む。
【0154】
第2の照合方法取得モジュール22は、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か判断するように構成された第2の判断ユニットと;削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合、ユーザは現在照合を得た状態にあると特定するように構成された第2の特定ユニットと;をさらに含む。
【0155】
第2の照合方法取得ユニットは、削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップを実行するようにさらに構成されている。
【0156】
この実施の形態におけるデバイスについては、各モジュールが操作を実行する特定の方法を、関連する方法の実施の形態において既に詳細に説明しており、ここでは詳細を述べない。
【0157】
当業者は、本明細書を検討し本開示を実施した後で本開示の別の実施上の解決策へ容易に想到できる。本願は、本開示の変形、機能、又は適応変化を包含することを意図している。これらの変形、機能、又は適応変化は、本開示の一般原理に従うものであり、本開示において開示されていない本技術分野における共通の知識又は一般に用いられる技術的手段を含む。本明細書及び実施の形態は単なる例であり、本開示の実際の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0158】
当然ながら、本開示は、上に記載され、添付図面に示される厳密な構造に限定されない。本開示の範囲内で修正及び変更を行うことができる。本開示の範囲は、添付の特許請求項によってのみ限定される。
以下、本発明の実施の態様の例を列挙する。
[第1の局面]
照合方法であって:
ユーザに対して照合を実行する必要がある場合に、ローカルの現在時刻を取得するステップと;
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザが照合を得なかった照合方法を取得するステップと;
前記ユーザが照合を得なかった前記照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するステップと;を備える、
照合方法。
[第2の局面]
前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得なかった照合方法を取得する前記ステップは:
照合方法リストを取得するステップであって、前記照合方法リストの各行が少なくとも1つの照合方法を含む、照合方法リストを取得するステップと;
前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た照合方法を前記照合方法リストから削除するステップと;
削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップと;を備える、
第1の局面に記載の照合方法。
[第3の局面]
前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た照合方法を前記照合方法リストから削除する前記ステップは:
ローカルに格納された、照合方法とパス時刻との対応関係を取得するステップと;
前記パス時刻と前記現在時刻との差が前記所定期間よりも短いパス時刻に対応する照合方法を前記対応関係から検索するステップと;
前記識別された照合方法を前記照合方法リストから消去するステップと;を備える、
第2の局面に記載の照合方法。
[第4の局面]
前記ユーザが以前に照合を得なかった照合方法で前記ユーザが照合を得た場合、ローカルの現在時刻を取得し、前記ローカルの現在時刻を、前記ユーザが以前に照合を得なかった照合方法で前記ユーザが照合を得たパス時刻として決定するステップと;
前記対応関係において、前記決定したパス時刻で前記ユーザが以前に照合を得ていない前記照合方法に対応するパス時刻を置き換えるステップと;をさらに備える、
第3の局面に記載の照合方法。
[第5の局面]
前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザが照合を得た照合方法を前記照合方法リストから削除する前記ステップの後に:
前記削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か特定するステップと;
前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合、前記ユーザは現在照合を得た状態にある、と特定するステップ;又は
前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数と等しい場合、前記削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップ;をさらに備える、
第2乃至第4の局面のいずれかに記載の照合方法。
[第6の局面]
照合方法であって:
ユーザに対して照合を実行する必要がある場合に、ローカルの現在時刻を取得するステップと;
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得するステップと;
前記用いられていない照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するステップと;を備える、
照合方法。
[第7の局面]
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得する前記ステップは:
照合方法リストを取得するステップであって、前記照合方法リストの各行が少なくとも1つの照合方法を含む、照合方法リストを取得するステップと;
前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法を前記照合方法リストから削除するステップと;
削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップと;を備える、
第6の局面に記載の照合方法。
[第8の局面]
前記現在時刻より前の前記所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法を前記照合方法リストから削除する前記ステップは:
ローカルに格納された、照合方法と照合時刻との対応関係を取得するステップと;
前記照合時刻と前記現在時刻との差が前記所定期間よりも短い照合時刻に対応する照合方法を前記対応関係から検索するステップと;
前記識別された照合方法を前記照合方法リストから消去するステップと;を備える、
第7の局面に記載の照合方法。
[第9の局面]
前記用いられていない照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行する場合、ローカルの現在時刻を取得し、前記ローカルの現在時刻を前記用いられていない照合方法を用いてユーザに対して照合を実行した照合時刻として決定するステップと;
前記対応関係において、前記決定した照合時刻で前記用いられていない照合方法に対応する照合時刻を置き換えるステップと;をさらに備える、
第8の局面に記載の照合方法。
[第10の局面]
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられた照合方法を、前記照合方法リストから削除する前記ステップの後に:
前記削除後照合方法リストの行の数が削除前照合方法リストの行の数よりも少ないか否か特定するステップと;
前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数よりも少ない場合に、前記ユーザは現在照合を得た状態にある、と特定するステップ;又は
前記削除後照合方法リストの行の数が前記削除前照合方法リストの行の数と等しい場合に、前記削除後照合方法リストの1つの行にある照合方法を取得するステップ;をさらに含む、
第7乃至第9の局面のいずれかに記載の照合方法。
[第11の局面]
照合デバイスであって:
ユーザに対して照合を実行する必要がある場合に、ローカルの現在時刻を取得するように構成された第1の現在時刻取得モジュールと;
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザが照合を得なかった照合方法を取得するように構成された第1の照合方法取得モジュールと;
前記ユーザが照合を得なかった前記照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するように構成された第1の照合モジュールと;を備える
照合デバイス。
[第12の局面]
照合デバイスであって:
ユーザに対して照合を実行する必要がある場合に、ローカルの現在時刻を取得するように構成された第2の現在時刻取得モジュールと;
前記現在時刻より前の所定期間において前記ユーザに対して照合を実行するために用いられていない照合方法を取得するように構成された第2の照合方法取得モジュールと;
前記用いられていない照合方法を用いて前記ユーザに対して照合を実行するように構成された第2の照合モジュールと;を備える、
照合デバイス。
【符号の説明】
【0159】
11 第1の現在時刻取得モジュール
12 第1の照合方法取得モジュール
13 第1の照合モジュール
21 第2の現在時刻取得モジュール
22 第2の照合方法取得モジュール
23 第2の照合モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8