特許第6795601号(P6795601)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グリーンマントラ リサイクリング テクノロジーズ リミテッドの特許一覧

特許6795601ポリマー材料を連続的に処理するための反応器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795601
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】ポリマー材料を連続的に処理するための反応器
(51)【国際特許分類】
   C08F 8/50 20060101AFI20201119BHJP
   C08F 2/01 20060101ALI20201119BHJP
   C08J 11/10 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   C08F8/50
   C08F2/01
   C08J11/10
【請求項の数】12
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-534826(P2018-534826)
(86)(22)【出願日】2016年12月30日
(65)【公表番号】特表2019-508524(P2019-508524A)
(43)【公表日】2019年3月28日
(86)【国際出願番号】CA2016051555
(87)【国際公開番号】WO2017113020
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2019年12月12日
(31)【優先権主張番号】62/273,411
(32)【優先日】2015年12月30日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513011063
【氏名又は名称】グリーンマントラ リサイクリング テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(72)【発明者】
【氏名】アマリア ジル
(72)【発明者】
【氏名】ドメニック ディモンド
(72)【発明者】
【氏名】ラデク リビッキ
【審査官】 佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/161767(WO,A1)
【文献】 特表2016−523986(JP,A)
【文献】 特表2013−539476(JP,A)
【文献】 特開平03−292305(JP,A)
【文献】 米国特許第05292862(US,A)
【文献】 特開平04−100807(JP,A)
【文献】 特表2017−513964(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02161299(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 6/00−246/00
C08F 2/01
C08J11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生ポリマー材料を連続的に処理するためのシステムであって、
(a) 前記再生ポリマー材料を前記システム内に連続的に供給するように構成されたホッパーと;
(b) 前記再生ポリマー材料を溶融材料に連続的に変換するように構成された押出機システムと;
(c) 前記溶融材料を連続的に濾過するように構成された濾過システムと;
(d) 前記溶融材料を連続的に解重合して、解重合された溶融材料とするように構成された第1の反応器であって、前記第1の反応器は、取外し可能な静的ミキサーと、その中に形成された複数の切り欠きを有する取り外し可能なアダプタとを備え、前記複数の切り欠きは前記取り外し可能な静的ミキサーのための支持体を収容するためのものである、第1の反応器と;
(e) 前記解重合された溶融材料を連続的に冷却するように構成された熱交換器と;
(f) 前記溶融材料を連続的に精製するように構成された精製システムと;
を含むシステム。
【請求項2】
前記濾過システムが濾床を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記再生ポリマー材料が再生プラスチックである、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
(g)前記溶融材料を連続的に解重合して、解重合された溶融材料にするように構成された第2の反応器;
をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の反応器及び前記第2の反応器が直列に連結されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の反応器及び前記第2の反応器が垂直方向に積層されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の反応器及び前記第2の反応器が水平方向に積層されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記精製システムが、フラッシュ分離、吸収剤床、粘土研磨または膜蒸発器の1つを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
(h)前記押出機システムを補助するように構成された別個の加熱器;
をさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記押出機システムが熱流体を用いるものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記押出機システムが電気加熱器を用いるものである、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の反応器が触媒を使用し、前記触媒がゼオライト、メソ多孔質シリカ、H−モルデナイトおよびアルミナからなる群からの材料で構成されるものである、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「ポリマー材料を連続的に処理するための反応器」という名称の、2015年12月30日出願の米国仮特許出願第62/273,411号に関連し、該出願からの優先権の利益を主張するものである。’411仮特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組込まれている。
【0002】
本発明は、ポリマー材料を処理するための反応器を組立て、ポリマー材料を処理するために反応器を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
機械設備メーカー、食品包装業者および潤滑、封止のためのワックスおよびグリースの他のユーザーは、絶えずワックスおよびグリース組成物を必要としている。これらのワックスおよびグリースの製造は、製造プロセスにおける高額な石油の供給が必要となることに起因して、コストがかかるものである。
【0004】
容易に入手可能なポリエチレン廃棄物を利用し、それらを再利用して、より低コストのワックスおよびグリースを生産することが有利であると思われる。
【0005】
ワックスおよびグリースのベースストックを生産するための比較的廉価なプロセスがあれば、有利であると思われる。このようなプロセスは、理想的には、容易に入手可能な廉価な原材料を利用し、廉価なプロセスを使用するものと考えられる。このような製品の製造のための公知のプロセスにおいては、廃プラスチック/ポリマーが使用されてきた。プラスチック廃棄物は、最も急速に増大している固形廃棄物であり、有用なワックスおよびグリースを生産するためにこの固形廃棄物を利用することは、増大するプラスチック処分問題に対する取組みである。
【0006】
さらに、ポリマー/プラスチック廃棄物の大部分はポリエチレンであると考えられ、ポリエチレンは非生分解性であるため自然界に蓄積し続けている。ポリエチレン廃棄物は概して埋め立てられるかまたは焼却される。前者は、材料の損失および土地の浪費を導き、一方後者は温室ガスの排出を結果としてもたらす。二次ポリマーの品質が悪く財務リターンが低いことから、現在再利用されているプラスチック廃棄物の割合は全体のうちわずかなものにすぎない。
【0007】
近年、これらのポリマー固形廃棄物を、燃料、潤滑油、ワックスおよびグリースのベースストックなどの有用な製品に転換するために、多大な努力が払われてきた。既存の転換プロセスは、充分に効率が高いものではない場合があり、温室ガスを環境に放出する可能性がある。さらに、現行の技術は、廃プラスチック供給物の品質および数量に敏感であり得、最終製品の品質に対し影響を及ぼし得る。変動するプラスチック品質等級に起因してプラスチック廃棄物の一貫性は変動し得ることから、このことは特に重要である。
【0008】
運転条件または処理量に対する変更を必要とせずに異なる品質等級の製品を生成することができるように充分に汎用性のある反応器システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
特定の一態様において、ポリマー材料から反応生成物を生成するプロセスは、以下を含む:
(a) 第1の反応ゾーンを有し、「N」基の反応器モジュールからの合計「P」基の反応器モジュールを含む第1の反応器を組立てることであって、ここで「N」は1以上の整数であり;「N」基の反応器モジュールのうちの各々の反応器モジュールは、内部に配置された触媒材料を含むそれぞれのモジュール反応ゾーンを画定し、それぞれのモジュール反応ゾーンを通って反応器配置(reactor-disposed)溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されており、こうして反応器配置溶融ポリマー材料がそれぞれのモジュール反応ゾーンを流れることで、流動する反応器配置溶融ポリマー材料は触媒材料と接触することになり、これにより流動する反応器配置溶融ポリマー材料の解重合がもたらされるようになっており;さらにここで、「N」が2以上の整数である場合には、「N」基の反応器モジュールの各々は、複数の反応器モジュールが互いに直列に連結されるような形で「N」基の反応器モジュールの他の反応器モジュールの1つ以上に対して直列に連結されるように構成され、かつ、モジュール反応ゾーンの総数が連結された反応器モジュールの総数に対応するように直列に互いの内部に流体連通状態で配置された複数のモジュール反応ゾーンを含み;ここで複数の連結された反応器モジュールは、複数のモジュール反応ゾーンを通って反応器配置溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されており、こうして反応器配置溶融ポリマー材料が複数のモジュール反応ゾーンを通って流れることで、流動する反応器配置溶融ポリマー材料が触媒材料と接触することになり、これにより流動する反応器配置溶融ポリマー材料の解重合がもたらされるようになっており、このため第1の反応ゾーンは「P」基のモジュール反応ゾーンを含んでおり;ここで「P」が2以上の整数である場合、第1の反応器の組立てには、「P」基の反応ゾーンが互いに直列に流体連通状態で配置されるような形で「P」基の反応器モジュールを互いに直列に連結することが含まれる;
(b) ポリマー材料を加熱して、溶融ポリマー材料を生成すること;
(c) 第1の反応ゾーンを通して溶融ポリマー材料を流して、第1の解重合生成物材料の生成をもたらすこと;
(d) 第1の解重合生成物材料を収集すること;
(e) 第1の反応ゾーンを通して溶融ポリマー材料を流すことを、中断すること;および
(f) 第1の反応器を修正することであって、
「P」が1に等しい場合、修正には、「N−1」基の反応器モジュールのうちの第1の反応器の組立てに使用されなかった合計「R」基の反応器モジュールを第1の反応器に連結することが含まれており;ここで「R」は、1から「N−1」までの整数であり、こうして、別の反応器が創出され合計「R+1」の互いに直列に連結された反応器モジュールを含むようになっており、かつ別の反応器が「R+1」基のモジュール反応ゾーンを含む第2の反応ゾーンを含むようになっており;ここで別の反応器は、第2の反応ゾーンを通した反応器配置溶融ポリマー材料の流れが別の解重合生成物材料の生成および別の反応器からのその排出をもたらすような形で、溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されており:
「P」が2以上で「N−1」以下である場合、修正には、(a)第1の反応器から「P」基の反応器モジュールのうちの合計「Q」基を除去することであって、ここで「Q」は1から「P−1」までの整数であり、こうして別の反応器が創出され、互いに直列に連結された合計「P−Q」基の反応器モジュールを含むようになっており、かつ別の反応器は「P−Q」基のモジュール反応ゾーンを含む第2の反応ゾーンを含むようになっており;ここで、別の反応器は、第2の反応ゾーンを通した反応器配置溶融ポリマー材料の流れが別の解重合生成物材料の生成および別の反応器からのその排出をもたらすような形で、溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されているか;または(b)「N−P」基の反応器モジュールのうちの第1の反応器の組立てで使用されなかった合計「R」基を第1の反応器に連結するステップであって、ここで「R」は、1から「N−P」までの整数であり、こうして別の反応器が創出され、合計「P+R」基の互いに直列に連結された反応器モジュールを含み、かつ同様に「P+R」基のモジュール反応ゾーンを含む第2の反応ゾーンも含むようになっており;ここで、別の反応器は、第2の反応ゾーンを通した反応器配置溶融ポリマー材料の流れが別の解重合生成物材料の生成および別の反応器からのその排出をもたらすような形で、溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されていること、のいずれか一方が含まれており;
「P」が「N」に等しい場合、修正には、第1の反応器から「P」基の反応器モジュールのうちの合計「Q」基を除去することが含まれており;ここで「Q」は1から「P−1」までの整数であり、こうして別の反応器が創出され合計「R−Q」基の互いに直列に連結された反応器モジュールを含むようになっており、かつ別の反応器が「R−Q」基のモジュール反応ゾーンを含む第2の反応ゾーンを含むようになっており;ここで別の反応器は、第2の反応ゾーンを通した反応器配置溶融ポリマー材料の流れが別の解重合生成物材料の生成および別の反応器からのその排出をもたらすような形で、溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されている。
【0010】
ポリマー材料を連続的に処理するための方法は、固体ポリマー材料を選択することと;押出機内で前記固体ポリマー材料を加熱して溶融ポリマー材料を創出することと;溶融ポリマー材料を濾過することと;反応器内で化学的解重合プロセスに溶融ポリマー材料を通して、解重合されたポリマー材料を創出することと;解重合されたポリマー材料を冷却することと;解重合されたポリマー材料を精製することと;を含むことができる。いくつかの実施形態において、該方法は、同様に、方法の一部を実行するために解重合されたポリマー材料の精製中に創出された気体および油を使用することも含むことができる。
【0011】
いくつかの実施形態において、濾過にはスクリーン交換機または濾床が関与する。一部の実施形態において固定ポリマー材料は再生プラスチックである。
【0012】
いくつかの実施形態において、解重合プロセスは、触媒、例えば[Fe−Cu−Mo−P]/Al23を使用する。他のまたは同じ実施形態において、解重合プロセスは第2の反応器を使用する。一部の実施形態において、反応器は直列に連結され、垂直方向に積重ねられ、かつ/または水平方向に積層されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、反応器は静的ミキサーを含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、精製は、フラッシュ分離、吸収剤床、粘土研磨または膜蒸発器(film evaporator)の1つを使用する。
【0015】
再生ポリマー材料を連続的に処理するためのシステムは、再生ポリマー材料を前記システム内に供給するように構成されたホッパー;再生ポリマー材料を溶融材料に変換するように構成された押出機;溶融材料を解重合するように構成された第1の反応器;解重合された溶融材料を冷却するように構成された熱交換器;第2の反応器;および/または押出機を補助するように構成された別個の加熱器を含むことができる。
【0016】
一部の実施形態において、押出機は、熱流体および/または電気加熱器を使用する。いくつかの実施形態において、反応器は直列に連結されており、かつ/または、触媒材料、例えば[Fe−Cu−Mo−P]/Al23を使用する。いくつかの実施形態において、触媒は透過性コンテナ内に格納され得る。
【0017】
一部の実施形態において、反応器は、スペーサ管、静的ミキサー、および/または環状インサート(annular insert)を含む。一部の実施形態において、静的ミキサーおよび/または環状インサートは取外し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ポリマー材料を処理するためのプロセスを例示する流れ図である。
図2】合計5基の反応器モジュールを有する反応器を含むシステムの概略図である。
図3】合計4基の反応器モジュールを有するように1基の反応器モジュールを除去することによって反応器が修正されている、図2に例示された反応器の概略図である。
図4】合計6基の反応器モジュールを有するように1基の反応器モジュールを追加することによって反応器が修正されている、図2に例示された反応器の概略図である。
図5】2基の反応器モジュール、すなわち入口反応器モジュールと出口反応器モジュールを伴う反応器を含むシステムの概略図である。
図6】明確さのために触媒材料の一部が除去された、反応器モジュールの断面側面図である。
図7】明確さのためにバッフルおよび触媒材料の一部が除去された、図6の反応器モジュールの一端部から見た横断立面図である。
図8】明確さのためにバッフルおよび触媒材料の一部が除去された、連結された反応器モジュールの横断側面図である。
図9】反応器モジュールのエンドキャップアセンブリの一端部の正面図である。
図10図9中に例示されたエンドキャップアセンブリの横断側面図である。
図11】反応器モジュールのパイプスプール内部に設置された、図9のエンドキャップアセンブリの端部の横断正面図である。
図12図9に例示された端部とは反対側にある反応器モジュールのエンドキャップアセンブリの端部の正面図である。
図13】反応器モジュールのパイプスプール内部に設置された、図12で設置されたエンドキャップアセンブリの端部の横断正面図である。
図14】反応器モジュールのパイプスプール、バッフル、ワイヤスクリーンおよびスペーサ管の部分横断斜視図である。
図15】システムの加熱器に連結された状態で入口反応器モジュールが示されている、入口反応器モジュールの上流側部分の略図である。
図16】反応器の出口反応器モジュールの上流側部分に連結された、図15に例示されている入口反応器モジュールの下流側部分の略図である。
図17】(溶融生成物材料の冷却のための)システムの熱交換器に連結された、図16に例示されている出口反応器モジュールの下流側部分の略図である。
図18図16に例示されたシステムの反応器内部に一体化可能である中間反応モジュールの略図である。
図19】熱流体/溶融塩を介して加熱されるように構成された取外し可能な静的ミキサーを伴う触媒反応器の横断側面図である。
図20】電気加熱を使用するように構成された取外し可能な静的ミキサーを伴う触媒反応器の横断側面図である。
図21】熱流体−溶融塩を介して加熱するように構成された取外し可能な環状インサートを伴う触媒反応器の横断側面図である。
図22】電気加熱を使用するように構成された取外し可能な環状インサートを伴う触媒反応器の横断側面図である。
図23】熱流体−溶融塩を介して加熱するように構成された空の内部構造物を伴う触媒反応器の横断側面図である。
図24】電気加熱を使用するように構成された空の内部構造物を伴う触媒反応器の横断側面図である。
図25】並列に配設された図19〜24に示されたもののような触媒反応器群の横断正面図である。
図26】水平構成で示された図25の並列触媒反応器配設の横断側面図である。
図27】垂直構成で示された図25の並列触媒反応器配設の横断側面図である。
図28】直列に連結された2つの反応器を伴う垂直螺旋形内部触媒反応器配設の横断側面図である。
図29】直列に連結された2つの反応器を伴う垂直環状触媒反応器配設の横断側面図である。
図30】直列に連結された2つの空の反応器を伴う垂直触媒反応器配設の横断側面図である。
図31】内部の取外し可能な螺旋形ミキサーを伴う水平反応器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
システムの反応器内部で、廃ポリマー材料などのポリマー材料を処理するプロセスが、以下で説明される。好適な廃ポリマー材料には廃プラスチック材料が含まれる。未使用プラスチックも同様に使用可能である。
【0020】
図1は、ポリマー材料を処理するためのプロセス10を例示する。プロセス10は、バッチ式に行なうことができるものの、より好ましくは、連続プロセスである。非限定的に温度、プラスチックの流量、および予熱、反応または冷却セグメントの総数を含めたプロセス10のパラメータは、さまざまな分子量の最終生成物を創出するように修正可能である。例えば、反応区分を通した温度の上昇および/または流量の減少または反応区分数の変更は、より低い分子量の生成物をもたらす結果となる。
【0021】
材料選択ステージ1において、ポリマー供給物が選択され、かつ/または処理のために前処理される。いくつかの実施形態において、ポリマー供給物はポリエチレン材料を含むように選別/選択される。他の実施形態においては、ポリマー供給物は、ポリエチレンおよびポリプロピレン材料を両方共含むように選別/選択される。いくつかの実施形態においてにおいて、供給物は、最高5%のポリプロピレン、少量のポリスチレン、および微量の望ましくない添加物、例えばPVC、灰分、砂粒または他の未知の粒子を含有し得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、材料選択ステージ1で選択される材料は、再生プラスチックを含む。他のまたは同じ実施形態において、材料選択ステージ1において選択される材料は、再生プラスチックおよび/または未使用プラスチックを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、材料選択ステージ1において選択される材料は、押出機内で加熱され、予備濾過(Pre-Filtration)プロセス3を受ける。いくつかの実施形態において、押出機は、流入プラスチックの温度および/または圧力を上昇させるために使用され、プラスチックの流量を制御するために使用される。いくつかの実施形態において、押出機は、ポンプ/熱交換器の組合せにより補完されるかまたはこれにより完全に置換される。
【0024】
予備濾過プロセス3は、加熱された材料から汚染物質を除去しこの材料を精製するために他の濾過技術/装置と共に、スクリーン交換機および濾床の両方を利用することができる。次に、結果として得た濾過済み材料は、この材料を反応ステージ5に入る前により高い温度にする任意の予熱ステージ4内へと移動させられる。予熱ステージ4は、数ある装置および技術の中でも、静的および/または動的ミキサーおよび内部ファンおよびヒートパイプなどの熱交換器を利用することができる。
【0025】
反応ステージ5内の材料は、解重合を受ける。この解重合は、純粋な熱反応であり得、かつ/または触媒を利用することができる。出発材料および所望される最終生成物に応じて、出発材料の分子量をわずかにまたは極端に削減するために解重合が使用される場合がある。いくつかの実施形態において、使用される触媒は、ゼオライトまたはアルミナ担持系またはこの2つの組合せである。いくつかの実施形態において、触媒は、アルミナまたはゼオライト担体に対して鉄−銅錯体を結合させ、金属および非金属を含む酸とこの錯体を反応させることによって調製される[Fe−Cu−Mo−P]/Al23である。
【0026】
反応ステージ5は、数ある中でも固定床、水平および/または垂直反応器、および/または静的ミキサーを含むさまざまな技術/装置を利用することができる。いくつかの実施形態において、反応ステージ5は多数の反応器および/または、多数の区分に分割された反応器を利用する。
【0027】
反応ステージ5の後、解重合された材料は、任意の冷却ステージ6に入る。冷却ステージ6は、解重合された材料を精製ステージ7に入る前に加工可能な温度まで下降させるために他の技術/装置と共に、熱交換器を利用することができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、窒素ストリッピングなどの方法を介した材料の清浄/精製は、冷却ステージ6の前に行なわれる。
【0029】
精製ステージ7には、解重合された材料の純化および/または除染が関与する。精製ステージ7で使用可能な技術/装置には、溶剤、油、着色体、灰分、無機物およびコークスを除去するためのフラッシュ分離、吸収剤床、クレイ研磨、蒸留、真空蒸留および濾過が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、気体、油および/またはグリースを解重合された材料から除去するために、薄膜または拭い取り膜式蒸発器(thin or wiped film evaporator)が使用される。いくつかの実施形態において、油、気体、およびグリースはそれ自体、プロセス10のさまざまなステージの実施を助けるために燃焼させることができる。
【0030】
プロセス10は、材料選択ステージ1で選択された初期出発材料がワックスに変換され完成品ワックスステージ8で終了する。少なくともいくつかの実施形態において、完成品ワックスステージ8におけるワックスは、商業的に実用可能なものであり、追加の処理および/または純化を必要としない。
【0031】
図2を参照すると、システム1000は、反応器モジュール102(a)〜102(e)を伴う反応器100を含む。反応器モジュール102は、寸法が変動しかつ/または並列および/または直列に連結される可能性がある。他の実施形態においては、さまざまな数の反応器モジュール102を使用することができる。例えば、図3は、4基の反応器モジュール102(a)〜102(d)を伴うシステム1000を示す。同様にして、図4は、6基の反応器モジュール102(a)〜102(f)を伴うシステム1000を示す。反応器モジュール102の数をカスタマイズできることから、解重合の量をより良く制御することができる。
【0032】
システム1000は、ポリマー材料を収容しかつ/またはポリマー材料の供給を任意の押出機106に導くためのホッパー111を含むことができる。いくつかの実施形態において、押出機106は、ホッパー111から収容したポリマー材料を、溶融ポリマー材料を生成することによって処理する。押出機106によって処理されるポリマー材料の温度は、押出機加熱器105によりポリマー材料に対して適用されている熱および/またはせん断力のレベルを変調させることによって制御される。押出機加熱器105は、電気熱源、熱流体および/または燃焼ガスを非限定的に含めたさまざまな熱源を使用することができる。熱は、温度センサ107によって検知される温度に応答して、コントローラによって変調させられる。
【0033】
いくつかの実施形態において、圧力センサ109は、押出機106から放出されつつある溶融ポリマー材料の圧力を測定して、圧力スパイクのリスクを防ぐかまたは少なくとも軽減する。放出された溶融ポリマー材料は、ポンプ110により加圧されて、加熱ゾーン108および反応器100を通るその流れをもたらす。反応器100を通って流れている間、反応器配置溶融ポリマー材料は触媒材料と接触し、これにより解重合がひき起こされる。
【0034】
反応器100を通って流れるにつれての反応器配置溶融ポリマー材料の温度および/または圧力をそれぞれ測定するために、圧力センサ109および/または温度センサ107を使用することもできる。圧力センサ109は、各反応ゾーンの前および/または後のプラグを監視することができる。圧力センサ109は同様に、システムの圧力を、反応器100の設計最大圧力などの最大圧力より低く維持することもできる。圧力伝送器109からコントローラへのフィードバックにより過剰圧力を制御することができ、このコントローラは、押出機106およびポンプ110を運転停止させ、これにより圧力がさらに上昇するのを防ぐための指令信号を伝送する。
【0035】
押出機106の運転停止により過剰圧力が軽減されない場合、ダンプバルブ117をコンテナへと開放して、システム1000から材料を除去し、過剰圧力状況を回避することができる。運転停止中、ダンプバルブ117を開放して、システムを窒素でパージして、残留材料を除去し、次の起動中の目詰まりおよび劣化した材料を回避することができる。
【0036】
システム1000は同様に過剰圧力の場合にシステム1000から圧力を除去するため、押出機106の出口に配置されたリリーフバルブまたはラプチャディスク(rapture disk)などの圧力除去装置を含むこともできる。
【0037】
温度センサ107は、反応器100を通って流れる反応器配置溶融ポリマー材料の温度の制御を容易にすることができる。こうして、化学反応および結果としてもたらされる重合のより精確な制御が可能となる。温度センサ107は同様に、温度を既定の最高温度、例えば反応器100の最大設計温度より低く維持する一助ともなる。
【0038】
温度は、温度センサ119によって検知される温度に応答して、反応器100の反応ゾーン102(a)〜102(e)と熱伝達連通状態で配置された加熱器118により適用されている熱を変調させるコントローラ(図示せず)によって制御される。
【0039】
システム1000内部では、流れ制御も同様に提供することができる。いくつかの実施形態において、システム1000は、システム1000内部の他のユニットの作動へ向かう押出機106からの流れを制御するために、押出機106の放出側に配置されたバルブ115を含む。バルブ116が再循環を促す。バルブ117が生成物の収集を可能にする。
【0040】
作動中、溶融ポリマー材料を再循環させ溶融ポリマー材料の温度を所望の温度まで上昇させるために、バルブ115を閉鎖することができる。この場合、バルブ116は開放され、バルブ117は閉鎖され、押出機106は「OFF」となり、ポンプ110は再循環中になると考えられる。
【0041】
生成された溶融生成物材料112は、熱交換器114内で冷却され、この熱交換器は、数ある方法の中でも、ウォータジャケット式、空冷式および/または冷媒冷却式であり得る。生成され冷却された溶融生成物材料の一画分を、再処理および/またはエネルギ保存のため再循環させることができる(その場合、バルブ116は開放していると考えられる)。
【0042】
いくつかの実施形態において、システム1000は、溶融生成物材料の酸化および爆発条件の創出を軽減するために、窒素によるパージングを行うように構成されている。
【0043】
図5に例示された別の実施形態において、システム2000は、反応器600を含む。反応器600は、2つの反応器モジュール、すなわち入口反応器モジュール300と出口反応器モジュール400を有する。システム2000は同様に、ポリマー材料を収容するための押出機606も含む。押出機606は、溶融ポリマー材料を生成することによってポリマー材料を処理する。反応器600を通って処理されているポリマー材料の温度は、プロセス加熱器HE01、HE02、HE04、HE06、HE08によりポリマー材料に適用されている熱を変調させることによって制御される。反応器600内部の溶融材料の温度を測定するために、温度センサTC01、TC04、TC06、TC07、TC09、TC10、TC12が具備される。プロセス加熱器HE01、HE02、HE04、HE06およびHE08の温度を監視し制御するために、温度コントローラTC03、TC05、TC08、TC11が具備される。フランジ連結を通した熱損失を軽減するために、フランジ加熱器HE03、HE05、HE07およびHE09も同様に具備される。
【0044】
放出された溶融ポリマー供給材料は、直列で加熱器608および反応器600を通って導かれる。反応器600内を流れる間、反応器配置溶融ポリマー材料は触媒材料と接触させられて解重合をもたらす。生成された溶融生成物材料は、熱交換器614の内部で冷却され、この熱交換器は、数ある中でも、ウォータジャケット式、空冷式または冷媒冷却式であり得る。いくつかの実施形態において、他のプロセスを行なうために、冷えつつある溶融生成物からの廃熱を使用することができる。冷却区分内で凝固するワックスを溶融させるために、冷却区分加熱器HE10が具備される。
【0045】
システム1000およびシステム2000の両方において、反応器100および600は、1基以上の反応器モジュールを含む。各反応器モジュールは、それぞれのモジュール反応ゾーンを含み、このゾーン内で、反応器配置溶融ポリマー材料は、モジュールが定義した滞留時間にわたり触媒材料と接触させられ、これにより、流動する反応器配置溶融ポリマー材料の解重合がひき起こされる。これらの実施形態のいくつかにおいて、少なくとも2つの反応器モジュールのモジュールが定義した滞留時間は、同じであるか、実質的に同じである。これらの実施形態のいくつかにおいて、複数のモジュールが定義した滞留時間のうちの少なくともいくつかは互いに異なるものである。これらの実施形態のいくつかにおいて、少なくとも2つの反応器モジュールの触媒材料は異なるものである。
【0046】
いくつかの実施形態において、反応器モジュールの各々は、触媒材料を格納する反応器配置溶融ポリマー材料の透過性コンテナを含む。このコンテナは、収容した溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合が触媒材料によりもたらさせるように溶融ポリマー材料を収容するように、かつ解重合反応生成物を含む(そして未反応の溶融ポリマー材料および中間反応生成物またはその両方をも含み得る)溶融生成物材料を放出するように、構成されている。反応器配置溶融ポリマー材料透過性コンテナを通して、反応器配置溶融ポリマー材料を流すことで、触媒材料と反応器配置溶融ポリマー材料との間の接触がもたらされ、反応器配置溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がもたらされる。この点において、流動する反応器配置溶融ポリマー材料は、コンテナ内部の触媒材料内に浸透し、触媒材料内を浸透しながらコンテナ内に格納された触媒材料と接触し、反応器配置溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がもたらされる。
【0047】
システム1000およびシステム2000の両方において、第1の反応器は反応器モジュールから組立てられる。第1の反応器は第1の反応ゾーンを有し、「N」基の反応器モジュールからの合計「P」基の反応器モジュールを含み、ここで「N」は1以上の整数である。
【0048】
「N」基の反応器モジュールの各々は、内部に配置された触媒材料を含むそれぞれのモジュール反応ゾーンを画定し、それぞれのモジュール反応ゾーンを通って反応器配置溶融ポリマー材料が流動することで、この反応器配置溶融ポリマー材料は触媒材料と接触し、それにより流動する反応器配置溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がひき起こされるような形で、それぞれのモジュール反応ゾーンを通って、反応器配置溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されている。この点において、第1の反応ゾーンは「P」基の反応ゾーンを含む。
【0049】
「N」が2以上の整数である場合には、「N」基の反応器モジュールの各々は、複数の反応器モジュールが互いに直列に連結されるような形で「N」基の反応器モジュールの他の反応器モジュールの1基以上に対して直列に連結されるように構成され、かつ、モジュール反応ゾーンの総数が連結された反応器モジュールの総数に対応するように直列に互いの内部で流体連通状態に配置された複数のモジュール反応ゾーンを含む。複数の連結された反応器モジュールは、複数のモジュール反応ゾーンを通って反応器配置溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されており、こうして反応器配置溶融ポリマー材料が触媒材料と接触することになり、これにより流動する反応器配置溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がもたらされるようになっている。
【0050】
「P」が2以上の整数である場合、第1の反応器の組立てステップには、「P」基の反応ゾーンが互いに直列に流体連通状態で配置されるような形で「P」基の反応器モジュールを互いに直列に連結するステップが含まれる。
【0051】
図2に例示されている実施形態において、「P」は5に等しく、したがって、反応器100は、5基の反応器モジュール102(a)〜102(e)を含み、反応ゾーンは各々5基の反応器モジュールのうちの1つに対応する5基のモジュール反応ゾーン104(a)〜104(e)で構成される。「P」は5より多いかまたは少ないものであり得るということが理解される。
【0052】
図5に例示されている別の実施形態において、「P」は2に等しく、したがって、反応器600は2基の反応器モジュール、すなわち入口反応器モジュール300および出口反応器モジュール400を含む。
【0053】
構築された反応器に供給するための溶融ポリマー材料は、ポリマー材料を加熱することによって生成される。いくつかの実施形態において、加熱は加熱器によってひき起こされる。図2では、加熱は、押出機106と別個の加熱器108の組合せによってひき起こされる。図5において、加熱は押出機606と別個の加熱器608の組合せによってひき起こされる。このような実施形態においては、生成された溶融ポリマー材料は、押出機から強制され、別個の加熱器を通って流され、次にモジュール反応ゾーンに供給される。いくつかの実施形態において、押出機は生成された溶融ポリマー材料が反応器への供給のために充分な高い温度となるようにポリマー材料に対し充分な熱を供給するように構成されており、別個の加熱器は必要とされない。
【0054】
図2において、ポンプ110は、押出機106から溶融ポリマー材料を収容し、まずは加熱器108を通り次に第1の反応ゾーンを通る溶融ポリマー材料の輸送(または「流動」)をもたらす。いくつかの実施形態において、押出機106は、生成された溶融ポリマー材料の所望の流れをもたらすために充分な力を付与するように構成されており、こうしてポンプ110は任意である。図5は、ポンプ無しの一例を示す。
【0055】
いくつかの実施形態において、溶融ポリマー材料は、ポリマー材料供給物から誘導され、この供給物は溶融ポリマー材料の生成をもたらすように加熱される。いくつかの実施形態において、ポリマー材料供給物は、ポリエチレンの一次未使用顆粒を含む。未使用顆粒は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、または、LDPE、LLDPE、HDPEおよびPPを含む混合物を含むことができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、ポリマー材料供給物は、廃ポリマー材料供給物を含む。好適な廃ポリマー材料供給物には、混合ポリエチレン廃棄物、混合ポリプロピレン廃棄物、および混合ポリエチレン廃棄物と混合ポリプロピレン廃棄物とを含む混合物が含まれる。混合ポリエチレン廃棄物は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)または、LDPE、LLDPE、HDPEおよびPPの組合せを含む混合物を含むことができる。いくつかの実施形態において、混合ポリエチレン廃棄物には、買い物袋、牛乳用パウチ、事務用ファイルが含まれる。いくつかの実施形態において、廃ポリマー材料供給物は、廃ポリマー材料供給物の総重量に基づいて最高10重量%のポリマー材料以外の材料を含む。
【0057】
溶融ポリマー材料は、反応器に供給され、溶融ポリマー材料は、反応器配置溶融ポリマー材料として第1の反応ゾーン(すなわち「P」基の反応ゾーンを含む)を通って流される。第1の反応ゾーンを通って反応器配置溶融ポリマー材料が流れることで、反応器配置溶融ポリマー材料は触媒材料と接触し、解重合生成物材料を含む(そしていくつかの実施形態においては未反応の溶融ポリマー材料および/または中間反応生成物をも含む)溶融生成物材料を生成する。溶融生成物材料は収集される。
【0058】
いくつかの実施形態において、触媒材料は、[Fe−Cu−Mo−P]/Al23を含む。触媒は、アルミナ担体に鉄−銅錯体を結合させ、それを金属および非金属を含む酸と反応させて触媒材料を得ることによって、調製される。他の好適な触媒材料には、ゼオライト、メソ多孔質シリカ、H−モルデナイトおよびアルミナが含まれる。システムは同様に、触媒の不在下でも運転され得、熱分解を通してワックスを生産することができる。
【0059】
生成された溶融生成物材料は、反応器から放出され、反応器から収集/回収される。いくつかの実施形態において、溶融生成物材料の収集は、反応器から溶融生成物材料の流れを放出することでもたらされる。複数の反応器モジュールを伴う実施形態において、溶融生成物材料は、第1の反応器モジュールから放出され、直列内の次の反応器モジュールの内部でさらなる解重合をもたらすため直列内の次の反応器モジュールに供給され、これは直列内の各々の隣接する反応器モジュール対の間で続行する。
【0060】
いくつかの実施形態において、生成される解重合生成物材料には、ワックス、グリースおよびグリースベースストックが含まれる。市販のグリースは、概して、グリースベースストックと少量の特定の添加剤を混合してこれらに所望の物理的特性を付与することによって作られている。概して、グリースには次の4つのタイプがある:(a)鉱油と固体潤滑剤の混和材;(b)残滓(石油炭化水素の蒸留後に残る残留物)、未結合脂質、ロジン油、およびピッチのブレンド材;(c)石けん濃縮鉱油;および(d)ポリアルファオレフィンおよびシリコーンなどの合成グリース。
【0061】
いくつかの実施形態において、ポリマー供給材料は、未使用ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPEおよびMDPEのいずれか1つまたはそれらの組合せ)、未使用ポリプロピレン、または使用済み製品由来または製造過程由来ポリエチレンまたはポリプロピレン(袋、ポット、ボトル、ペールなどを含む例示的供給源)のうちの1つまたはそれらの組合せであり、本明細書中で開示されているシステムの一実施形態を使用して、このようなポリマー供給材料を高融点ワックス(摂氏106度〜摂氏135度の融点を有するもの)、中融点ワックス(摂氏86度〜摂氏105度の融点を有するもの)、低融点ワックス(摂氏65度〜摂氏85度の融点を有するもの)、さらに低融点のワックス(摂氏40度〜摂氏65度の融点を有するもの)に転換することが望ましい。各々のケースにおいて、この転換は、ポリマー供給材料を加熱して溶融ポリマー材料を生成し、次に摂氏325度〜摂氏450度の温度で配置された反応ゾーン内で溶融ポリマー材料と触媒材料を接触させることによりもたらされる。生成されるワックスの品質(高、中または低融点ワックス)は、反応ゾーン内の溶融ポリマー材料の滞留時間により左右される。連続システムでの運転の場合、押出機またはギアポンプの流量に応じて、滞留時間は、1〜12基の反応器モジュールが直列に取付けられている状態で、1〜120分、好ましくは5〜60分の間で変動する。これらの実施形態のいくつかにおいて、ポリマー供給材料の供給および加熱は、押出機およびポンプの組合せによってもたらされ、ここで押出機から放出された材料は、ポンプに供給される。これらの実施形態のいくつかにおいて、押出機106は10HPで、1.5インチ(3.81cm)のCincinnati Milacron Pedestal Extruder,Apex 1.5型であり、ポンプ110は、1.5インチ(3.81cm)のラインに対し1.5HPでサイズ決定されている。
【0062】
圧力トランスジューサPT01は、システム圧力を最大圧力(例えば反応器100の最大設計圧力)より低く維持するため、押出機内(ならびにPT02の前、以下参照)のプラグを監視する。同様にして、圧力トランスジューサPT02は、システム内の他の場所でプラグを監視する。過剰圧力は、押出機106およびポンプ110を運転停止しそれにより圧力がさらに増大するのを防ぐための指令信号を伝送するコントローラに対してPT01およびPT02により伝送される圧力からのフィードバックによって制御される。
【0063】
いくつかの実施形態において、反応器100は第1の反応器100であり、第1の反応器の反応ゾーンは第1の反応ゾーンであり、第1の反応ゾーンを通る溶融ポリマー材料の流れは一時中断される(例えば中止される)。一時中断の後、第1の反応器は修正される。
【0064】
「P」が1に等しい場合、修正ステップには、「N−1」基の反応器モジュールのうちの第1の反応器の組立てに使用されなかった合計「R」基の反応器モジュールを第1の反応器に連結するステップが含まれており;ここで「R」は、1から「N−1」までの整数であり、こうして、別の反応器が創出され合計「R+1」の互いに直列に連結された反応器モジュールを含むようになっており、かつ別の反応器が「R+1」基のモジュール反応ゾーンを含む第2の反応ゾーンを含むようになっている。別の反応器は、第2の反応ゾーンを通した反応器配置溶融ポリマー材料の流れが別の解重合生成物材料の生成および別の反応器からのその排出をもたらすような形で、溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されている。
【0065】
「P」が2以上で「N−1」以下である場合、修正ステップには、
(a)第1の反応器から「P」基の反応器モジュールのうちの合計「Q」基を除去するステップであって、ここで「Q」は1から「P−1」までの整数であり、こうして別の反応器が創出され、互いに直列に連結された合計「P−Q」基の反応器モジュールを含むようになっており、かつ別の反応器は「P−Q」基のモジュール反応ゾーンを含む第2の反応ゾーンを含むようになっており;ここで、別の反応器は、第2の反応ゾーンを通した反応器配置溶融ポリマー材料の流れが別の解重合生成物材料の生成および別の反応器からのその排出をもたらすような形で、溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されている、ステップ;または
(b)「N−P」基の反応器モジュールのうちの第1の反応器の組立てで使用されなかった合計「R」基を第1の反応器に連結するステップであって;ここで「R」は、1から「N−P」までの整数であり、こうして別の反応器が創出され、合計「P+R」基の互いに直列に連結された反応器モジュールを含み、かつ同様に「P+R」基のモジュール反応ゾーンを含む第2の反応ゾーンも含むようになっており;ここで、別の反応器は、第2の反応ゾーンを通した反応器配置溶融ポリマー材料の流れが別の解重合生成物材料の生成および別の反応器からのその排出をもたらすような形で、溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されているステップ、
のいずれか一方が含まれている。
【0066】
「P」が「N」に等しい場合、修正ステップには、第1の反応器から「P」基の反応器モジュールのうちの合計「Q」基を除去するステップが含まれており;ここで「Q」は1から「P−1」までの整数であり、こうして別の反応器が創出され合計「R−Q」基の互いに直列に連結された反応器モジュールを含むようになっており、かつ別の反応器が「R−Q」基のモジュール反応ゾーンを含む第2の反応ゾーンを含むようになっている。別の反応器は、第2の反応ゾーンを通した反応器配置溶融ポリマー材料の流れが別の解重合生成物材料の生成および別の反応器からのその排出をもたらすような形で、溶融ポリマー材料の流れを導くように構成されている。
【0067】
いくつかの実施形態において、(反応器モジュールの連結/付加または除去のいずれか1つにより)別の反応器を創出するために第1の反応器を修正した後、第2の解重合生成物材料を生成するために、別の反応器が使用される。この点において、ポリマー材料は溶融ポリマー材料を生成するために加熱され、溶融ポリマー材料は、第2の反応ゾーンを通って流されて、第2の解重合生成物材料の生成をもたらす。第2の解重合生成物材料は次に反応器から収集される。
【0068】
いくつかの実施形態においては、「N」基の反応器モジュールの各々1つの内部に、同じ触媒材料が配置される。
【0069】
いくつかの実施形態において、「N」基の反応器モジュールの各々1つの反応ゾーンは同じであるかまたは実質的に同じである。
【0070】
図6〜14を参照すると、少なくともいくつかの実施形態において、各々の反応器モジュール200はパイプスプール201を含む。いくつかの実施形態において、反応器モジュール200は、相対する第1および第2の端部(例示された実施形態中には1つの端部のみが示されている)を有するパイプスプール201を含み、各端部には、他の反応器モジュール200との連結を容易にするためのフランジ230が備わっている。
【0071】
反応器モジュール200は、スプールの第1の端部に入口202Aを、スプールの反対側の第2の端部に出口202Bを、そして入口202Aと出口202Bの間に延在する流体通路206を含む。流体通路206は、反応器配置溶融ポリマー材料透過性のコンテナ内に配置された触媒材料格納空間を含み、触媒材料格納空間216内には触媒材料204が配置される。触媒材料格納空間216が反応器モジュール200のモジュール反応ゾーン205を画定する。
【0072】
反応器モジュール200は、入口202Aから反応器配置溶融ポリマー材料を収容し、収容した溶融ポリマー材料を流体通路206を通して導きこの溶融ポリマー材料を触媒材料204と接触させるように構成されている。これにより、溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がひき起こされ、解重合反応生成物(そしていくつかの実施形態においては未反応の溶融ポリマー材料および/または中間反応生成物(例えば部分的に解重合した材料))を含む溶融生成物材料が生産される。その後、反応器モジュール200は出口202Bから溶融生成物材料を放出する。
【0073】
流体通路206の比較的閉塞されていない流体通路部分218が入口202Aと出口202Bの間に延在し、ワイヤスクリーンを介して、触媒材料格納空間216と流体連通状態で配置されている。ワイヤスクリーン208は、パイプスプール201の内部に配置され、流体通路206を、比較的閉塞されていない流体通路部分218と触媒材料含有空間204とに分割する。ワイヤスクリーン208は、触媒材料格納空間216内部に触媒材料204を格納し、こうして溶融ポリマー材料透過性コンテナを画定する。
【0074】
ワイヤスクリーン208は、パイプスプール201の流体通路を画定する内部壁210に対して離隔した関係で配置され、パイプスプール201の長さを通して長手方向に延在する。ワイヤスクリーン208と内部壁210の間の空間は、流体通路206の比較的閉塞されていない流体通路部分218を画定する。流体通路部分218と触媒材料格納空間216の間の流体連通は、ワイヤスクリーン内部の空間を介して可能にされている。こうして、ワイヤスクリーン208は、比較的閉塞されていない流体通路部分218から触媒材料格納空間216まで(これにより反応ゾーン内部の触媒材料204と溶融ポリマー材料の接触が容易になる)、と同様触媒材料格納空間216から比較的閉塞されていない流体通路部分218まで(解重合反応生成物および未反応溶融ポリマー材料および/または中間反応生成物を含む溶融生成物材料を放出するため)の溶融ポリマー材料の浸透を可能にする一方で、触媒材料格納空間216から比較的閉塞されていない流体通路部分218への触媒材料204の脱出を防止または実質的に防止する。
【0075】
いくつかの実施形態において、パイプスプール201は円筒形であり、ワイヤスクリーン208も同様に円筒形で、パイプスプール201の内部に入れ子になっており、こうしてパイプスプール201の内部壁210とワイヤスクリーン208の間の環状空間内部に比較的閉塞されていない流体通路部分218が画定され、ワイヤスクリーン208の内部に触媒材料格納空間216が配置されるようになっている。これらの実施形態において、触媒材料を格納する流体通路部分216は、パイプスプール201の軸から、比較的閉塞されていない流体通路部分216との関係において半径方向外向きに離隔されている。
【0076】
いくつかの実施形態において、ワイヤスクリーン208により画定される空間を通ってスペーサ管214が延在し、熱伝達要素の近くに配置されているパイプスプール201の部分に対する反応器配置溶融ポリマー材料の流れを促進する(以下参照)。この実施形態は、反応器配置溶融ポリマー材料を所望の温度に維持するのを助ける。同様に、空間を占有することにより、スペーサ管214は、モジュール反応ゾーン205の体積を効果的に削減し、こうして、流動する反応器配置溶融ポリマー材料の速度を増大させる。
【0077】
いくつかの実施形態において、スペーサ管214は、パイプスプール201の長さを通って長手方向に延在する。いくつかの実施形態において、触媒材料格納空間216がスペーサ管214とワイヤスクリーン208の間の環状空間内に画定される。
【0078】
反応器配置溶融ポリマー材料は、パイプスプール201の第1の端部において入口202Aにより収容され、流体通路206を介して反対側の端部までパイプスプール201を横断する間に、比較的閉塞されていない流体通路部分218と触媒材料格納空間216との間でワイヤスクリーンを横切って導くことができる。こうして、解重合反応生成物(そしていくつかの実施形態においては、未反応溶融ポリマー材料および/または中間反応生成物)を含む溶融生成物材料が生産され、これは、パイプスプール201の反対側の第2の端部において出口202Bを介して放出される。触媒材料格納空間216を通って導かれている間に、反応器配置溶融ポリマー材料は触媒材料204と接触させられ、反応器配置溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がひき起こされる。
【0079】
図6および14を参照すると、いくつかの実施形態において、比較的閉塞されていない流体通路部分218の内部に、バッフル222、223が配置されている。いくつかの実施形態において、バッフル222はエンドキャップ212(a)に溶接され、ワイヤスクリーン208の周りに巻き付けられた弾性ワイヤの形をしている。いくつかの実施形態において、バッフル223は、パイプスプール201とワイヤスクリーン208の間の空間を通って押圧され、エンドキャップ212(a)に溶接され、スプール201の内部壁210に対し付勢される弾性ワイヤの形をしている。
【0080】
バッフル222、223は、流動する反応器配置溶融ポリマー材料の混合を促進し、熱の均等な分布を促し、流体通路206を画定する構造上の固形有機材料の被着を結果としてもたらし汚染に寄与する可能性のある反応器配置溶融ポリマー材料の炭化を軽減する。バッフル222、223は同様に、比較的閉塞されていない流体通路部分216から触媒材料格納空間216に向かう反応器配置溶融ポリマー材料の流れを促進し、反応器配置溶融ポリマー材料と触媒材料204の間の接触を増大させる。
【0081】
図9〜13を参照すると、エンドキャップアセンブリ211が提供され、パイプスプール201の内部空間内に組付けられている。エンドキャップアセンブリ211は、剛性エンドキャップ212(a)および212(b)、ワイヤスクリーン208、およびスペーサ管214を含む。エンドキャップ212(a)はパイプスプール201の一方の端部に近接して配置され、エンドキャップ212(b)は、パイプスプール201の反対側の端部に近接して配置されている。いくつかの実施形態において、エンドキャップ212(a)および212(b)は同様に、反応器配置溶融ポリマー材料の流れに対する透過性を有する。
【0082】
ワイヤスクリーン208は、エンドキャップ212(a)と212(b)の間に配置され、パイプスプール201との関係におけるパイプスプール201内部のワイヤスクリーンの軸方向位置付けは、エンドキャップ212(a)および212(b)によって決定される。ワイヤスクリーン208の一方の端部は、エンドキャップ212(a)に溶接され、他方ワイヤスクリーン208の反対側の端部は、エンドキャップ212(b)内に形成された陥凹内に配置され、こうして触媒材料204を内部に格納する触媒材料格納空間216が、ワイヤスクリーン208とエンドキャップ212(a)および212(b)によって境界される空間の内部に画定されるようになっている。
【0083】
エンドキャップ212(a)および212(b)の間にスペーサ管214が配置される。スペーサ管214の一端部はエンドキャップ212(a)に溶接され、一方スペーサ管214の反対側の端部はエンドキャップ212(b)内に形成された陥凹の内部に配置される。
【0084】
図11および12を参照すると、エンドキャップ212(a)は、パイプスプール201に対するエンドキャップアセンブリ211の連結をもたらすため、パイプスプール201に溶接される。この点に関して、エンドキャップ212(a)は、エンドキャップ一体化装置2122(これにワイヤスクリーン208およびスペーサ管214が溶接される)から半径方向外向きに突出する複数の剛性エンドキャップスペーサ2120(a)〜(c)を含む。エンドキャップスペーサ2120(a)〜(c)は、エンドキャップ一体化装置2122内部に設けられた対応する陥凹の中に収容される。エンドキャップスペーサ2120(a)〜(c)は、互いに連結された反応器モジュール200間、具体的には連結された反応器モジュール200の反応ゾーンの間で流体連通が可能となるような形で、互いに離隔されている。エンドキャップスペーサ2120(a)〜(c)は、パイプスプール201の内部に溶接されて、これによりパイプスプール201との関係におけるエンドキャップ212(a)の位置を決定すると同時に、パイプスプール201(エンドキャップ212(a)に溶接されている)との関係におけるスペーサ管214の軸方向位置を決定することができる。
【0085】
図9〜11を参照すると、パイプスプール201との関係におけるエンドキャップ212(b)の位置付けは、パイプスプール201と接触係合状態でのエンドキャップ212(b)の配置、スペーサ管214、および隣接する配管構造、例えば別の反応器モジュール200の溶接されたエンドキャップ212(a)または導管によって決定される。各スペーサ管214および隣接する配管構造は、比較的剛性の構造であり、そのため各スペーサ管214および隣接する配管構造のパイプスプール201との関係における実質的に固定された軸方向の位置付けが、パイプスプール201との関係におけるエンドキャップ212(b)の軸方向位置付けを決定するようになっている。反応器モジュール200が組立てられた時点で、エンドキャップ212(b)はスペーサ管214と隣接する配管構造(図8に提示された実施形態において、隣接する配管構造は別の反応器モジュール200のエンドキャップ212(b)である)との間で押圧され、こうして、パイプスプール201(ひいてはエンドキャップ212(a))との関係におけるエンドキャップ212(b)の軸方向位置付けは、スペーサ管214および隣接する配管構造によって決定されるようになっている。
【0086】
エンドキャップ212(b)は同様に、エンドキャップ一体化装置2126の内部の対応する陥凹内に配置された剛性エンドキャップスペーサ2124(a)〜(c)をも含んでいる。エンドキャップ一体化装置は、スペーサ管214およびワイヤスクリーン208を収容する陥凹を含む。エンドキャップスペーサ2124(a)〜(c)は、パイプスプール201の内部壁と接触係合状態で配置されている。エンドキャップスペーサ2124(a)〜(c)は、エンドキャップ一体化装置2126から半径方向外向きに突出する。エンドキャップスペーサ2124(a)〜(c)は、互いに連結されている反応器モジュール200の間、具体的には連結された反応器モジュール200の反応ゾーンの間を流体が流動できるように、互いから離隔されている。パイプスプール201の内部壁と接触係合状態、そしてスペーサ管214および隣接する配管構造と協働状態に配置された場合、エンドキャップスペーサ管2124(a)〜(c)は、パイプスプール201との関係においてエンドキャップ212(b)の垂直方向位置付けを実質的に固定するように機能する。
【0087】
エンドキャップ212(b)がエンドキャップアセンブリ211から取外し可能となるようにエンドキャップ212(b)を構成することにより、触媒材料204の交換を含む反応ゾーン内の修復およびメンテナンスがより容易になる。
【0088】
加熱器220は、流体通路206内を流れている反応器配置溶融ポリマー材料の加熱をもたらす目的で、流体通路206と熱伝達連通状態で配置されている。流動する反応器配置溶融ポリマー材料を充分な温度で維持することにより少なくとも部分的な解重合が導かれる。いくつかの実施形態において、加熱器220は、パイプスプール201の外部壁に組付けられパイプスプール201を通した熱伝達により流体通路206に対して熱を供給するように構成されている電気加熱帯を含む。
【0089】
図16〜18を参照すると、いくつかの実施形態において、反応器は、入口反応器モジュール300、出口反応器モジュール400および任意には1つ以上の中間反応器モジュール500を含む。
【0090】
いくつかの実施形態において、入口反応器モジュール300は、相対する端部を有するパイプスプール301を含み、出口反応器モジュール400そしていくつかの実施形態においては中間反応器モジュール500との連結を容易にするため、相対する端部の各々にそれぞれのフランジ330A、330Bが具備されている。
【0091】
入口反応器モジュール300は、パイプスプール301の第1の端部に入口302Aを、スプールの反対側の第2の端部に出口302Bを、そして入口302Aと出口302Bの間に延在する流体通路306を含む。流体通路306は、反応器配置溶融ポリマー材料透過性コンテナ303の内部に配置された触媒材料格納空間316を含み、触媒材料格納空間316内には触媒材料304が配置されている。触媒材料格納空間316は、反応器モジュール300のモジュール反応ゾーン305を画定する。
【0092】
入口反応器モジュール300は、入口302Aにより反応器配置溶融ポリマー材料を収容し、収容した溶融ポリマー材料を流体通路306を通って導き、このように導きながら、導かれている溶融ポリマー材料を触媒材料304と接触させて、溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がもたらされるようにしかつ解重合反応生成物を含む(そしていくつかの実施形態においては未反応の溶融ポリマー材料および中間反応生成物またはその両方を含む)溶融生成物材料が生産されるようにし、出口302Bから溶融生成物材料を放出するように構成されている。
【0093】
流体通路306は、比較的閉塞されていない流体通路部分318と、触媒材料格納空間316を含む触媒材料格納流体通路部分315とを含む。比較的閉塞されていない流体通路部分318は、入口302Aから延在し、ワイヤスクリーン308を介して触媒材料格納流体通路部分315と流体連通状態で配置されている。触媒材料格納流体通路部分315は出口302B内へと延在する。
【0094】
ワイヤスクリーン308は、パイプスプール301内部に配置され、流体通路306を比較的閉塞されていない流体通路部分318と触媒材料格納流体通路部分316とに分割する。ワイヤスクリーン308は、一方の端部でパイプスプール301の第1の端部に組付けられ、この第1の端部から延在し、いくつかの実施形態において、反対側の端部でスペーサ管314に組付けられている(以下参照)。ワイヤスクリーン308は、触媒材料格納空間315の内部に触媒材料304を格納する。ワイヤスクリーン308は、パイプスプール301の流体通路画定内部壁310に対して離隔した関係で配置され、パイプスプール301の一部分を通って長手方向に延在する。ワイヤスクリーン308と内部壁310との間の空間は、触媒材料格納流体通路部分315の一部分を画定し、パイプスプール301の一部分を横断して長手方向に延在して、触媒材料格納空間316の一部分を画定する。この点において、比較的閉塞されていない流体通路部分318は、パイプスプール301の軸に沿って、またはこの軸に近接して長手方向に延在する。
【0095】
いくつかの実施形態において、ワイヤスクリーン308は、形状が円筒形であり、パイプスプール301内部で入れ子になっている。この点において、いくつかの実施形態において、触媒材料格納流体通路部分315は、パイプスプール301の軸から、比較的閉塞されていない流体通路部分318との関係において半径方向外向きに間隔取りされている。
【0096】
比較的閉塞されていない流体通路部分318と触媒材料格納流体通路部分315との間の流体連通は、ワイヤスクリーン内部の空間を介してもたらされる。この点において、ワイヤスクリーン308は、比較的閉塞されていない流体通路部分318から触媒材料格納流体通路部分315までの溶融ポリマー材料の透過を可能にし(これにより反応ゾーン内部での溶融ポリマー材料と触媒材料304の接触を容易にし)、その一方で、触媒材料格納空間316から比較的閉塞されていない流体通路部分318への触媒材料304の脱出を防止または実質的に防止するように構成されている。
【0097】
いくつかの実施形態において、比較的閉塞されていない流体通路部分318の下流側端部において、端壁にはテーパーがかかっていてワイヤスクリーン308を介した触媒材料格納空間に向かう溶融ポリマー材料の流れを促進し、こうして溶融ポリマー材料の停留を軽減している。
【0098】
触媒材料格納流体通路部分315は、パイプスプール301内部に組付けられたスペーサ管314とパイプスプール301の内部壁310との間に画定された環状空間内に延在する。この空間を占有することにより、スペーサ管314は、触媒材料格納流体通路部分315内部の反応器配置溶融ポリマー材料の、熱伝達要素の近くに配置されているパイプスプール301の部分までの流れを促進し、これにより反応器配置溶融ポリマー材料を所望の温度に維持する。同様に、空間を占有することにより、スペーサ管314は、モジュール反応ゾーン305の体積を効果的に削減し、これにより、流動する反応器配置溶融ポリマー材料の速度を増大させる。
【0099】
反応器配置溶融ポリマー材料は、パイプスプール301の第1の端部で入口302Aを介して比較的閉塞されていない流体通路部分318の内部に収容され、ワイヤスクリーン308を横断して触媒材料格納流体通路部分315の触媒材料格納空間316まで導かれる(矢印340を参照のこと)。触媒材料格納流体通路部分315を通して導かれている間(矢印342を参照のこと)、溶融ポリマー材料は触媒材料304と接触状態になり、こうして解重合反応生成物が生産され、触媒材料格納流体通路部分315内部で生産される解重合反応生成物を含む(そしていくつかの実施形態においては、未反応の溶融ポリマー材料および中間反応生成物またはその両方をも含む)溶融生成物材料がその後、パイプスプール301の第2の反対側の端部において出口302Bを介して放出される。
【0100】
いくつかの実施形態において、出口反応器モジュール400は、相対する端部を有するパイプスプール401を含み、これらの相対する端部の各々には、入口反応器モジュール300そしていくつかの実施形態においては入口および出口反応器モジュール300、400の間に配置された中間反応器モジュールとの連結を容易にするためのフランジが具備されている。
【0101】
出口反応器モジュール400は、パイプスプール401の第1の端部に入口402Aを、スプールの反対側の第2の端部に出口402Bを、そして入口402Aと出口402Bの間に延在する流体通路406を含む。流体通路406は、反応器配置溶融ポリマー材料透過性コンテナ403の内部に配置された触媒材料格納空間416を含み、触媒材料格納空間416内には触媒材料404が配置されている。触媒材料格納空間416は、反応器モジュール400のモジュール反応ゾーン405を画定する。
【0102】
出口反応器モジュール400は、入口402Aにより反応器配置溶融ポリマー材料を収容し、収容した溶融ポリマー材料を流体通路406を通って導き、このように導きながら、導かれている溶融ポリマー材料を触媒材料404と接触させて、溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がもたらされるようにしかつ解重合反応生成物を含む(そしていくつかの実施形態においては未反応の溶融ポリマー材料および中間反応生成物またはその両方をも含む)溶融生成物材料が生産されるようにし、出口402Bから溶融生成物材料を放出するように構成されている。
【0103】
流体通路406は、触媒材料格納空間416を含む触媒材料格納流体通路部分415と比較的閉塞されていない流体通路部分418とを含む。触媒材料格納流体通路部分415は、入口402Aから延在し、ワイヤスクリーン408を介して比較的閉塞されていない流体通路部分418と流体連通状態で配置されている。比較的閉塞されていない流体通路部分418は出口402B内へと延在する。
【0104】
いくつかの実施形態において、スペーサ管414はパイプスプール401の第1の端部でパイプスプール401内部に組付けられ、こうしてパイプスプール401とスペーサ管414の間の(例えば輪環といった)空間が、入口402Aから延在している触媒材料格納流体通路部分415の一部を画定するようになっている。この空間を占有することにより、スペーサ管414は、触媒材料格納流体通路部分415内部の反応器配置溶融ポリマー材料の、熱伝達要素の近くに配置されているパイプスプール401の部分までの流れを促進し(下記参照)、これにより反応器配置溶融ポリマー材料を所望の温度に維持する。同様に、空間を占有することにより、スペーサ管414は、モジュール反応ゾーン405の体積を効果的に削減し、これにより、流動する反応器配置溶融ポリマー材料の速度を増大させる。
【0105】
触媒材料格納流体通路部分415は、パイプスプール401の内部壁とワイヤスクリーン408の間に画定された環状空間内へと延在する。ワイヤスクリーン408は、パイプスプール401内部に配置され、流体通路406を触媒材料格納流体通路部分415と比較的閉塞されていない流体通路部分418とに分割する。ワイヤスクリーン408は、一方の端部でパイプスプール401の第2の端部に組付けられ、この第2の端部から延在し、反対側の端部でスペーサ管414に組付けられている。ワイヤスクリーン408は、触媒材料格納空間416の内部に触媒材料404を格納する。ワイヤスクリーン408は、パイプスプール401の流体通路画定内部壁410に対して離隔した関係で配置され、パイプスプール401の一部分を通って長手方向に延在する。ワイヤスクリーン408と内部壁410との間の空間は、触媒材料格納流体通路部分415の一部分を画定し、パイプスプール401の一部分を横断して長手方向に延在する。この点において、比較的閉塞されていない流体通路部分418は、パイプスプール401の軸に沿って、またはこの軸に近接して、出口402B内へと長手方向に延在する。
【0106】
いくつかの実施形態において、ワイヤスクリーン408は、形状が円筒形であり、パイプスプール401内部で入れ子になっている。この点において、いくつかの実施形態において、触媒材料格納流体通路部分415は、パイプスプール401の軸から、比較的閉塞されていない流体通路部分418との関係において半径方向外向きに間隔取りされている。
【0107】
触媒材料格納流体通路部分415と比較的閉塞されていない流体通路部分418との間の流体連通は、ワイヤスクリーン内部の空間を介してもたらされる。この点において、ワイヤスクリーン408は、比較的閉塞されていない流体通路部分418から触媒材料格納流体通路部分415までの溶融ポリマー材料の浸透を可能にし(これにより反応ゾーン内部での溶融ポリマー材料と触媒材料404の接触を容易にし)、その一方で、触媒材料格納空間416から比較的閉塞されていない流体通路部分418への触媒材料404の脱出を防止または実質的に防止するように構成されている。
【0108】
反応器配置溶融ポリマー材料は、パイプスプール401の第1の端部で入口402Aを介して(例えば反応器モジュール300の出口302Bから、または例えば中間反応器モジュール500の出口から、以下参照)触媒材料格納流体通路部分415の内部に収容され、触媒材料格納流体通路部分415を通って導かれる(矢印440を参照のこと)。触媒材料格納流体通路部分415を通して導かれている間、溶融ポリマー材料は触媒材料404と接触状態になり、こうして解重合反応生成物を含む(そしていくつかの実施形態においては、未反応の溶融ポリマー材料および中間反応生成物またはその両方をも含む)溶融生成物材料が生産されることになる。触媒材料格納流体通路部分415の内部で生産される解重合生成物を含む溶融生成物材料は、ワイヤスクリーン408を横断して比較的閉塞されていない流体通路部分418まで導かれ(矢印442を参照のこと)、その後、パイプスプール401の第2の反対側の端部で出口402Bを介して放出される。
【0109】
いくつかの実施形態において、反応器は、入口および出口反応器モジュール300、400の間に配置された1つ以上の中間反応器モジュール500を含む。
【0110】
いくつかの実施形態において、中間反応器モジュール500は、相対する端部を有するパイプスプール501を含み、これらの相対する端部の各々には、反応器モジュールとの連結を容易にするためのフランジ530A、530Bが具備されている。第1の端部にあるフランジは、入口反応器モジュール300または別の中間反応器モジュール500のいずれか1つとの連結を容易にするために具備されている。第2の端部にあるフランジは、出口反応器モジュール400または別の中間反応器モジュール500のいずれか1つとの連結を容易にするために具備されている。
【0111】
パイプスプール501は、パイプスプール501の第1の端部に入口502Aを、パイプスプール501の反対側の第2の端部に出口502Bを、そして入口502Aと出口502Bの間に延在する流体通路506を含む。流体通路506は、触媒材料格納空間516を含む。触媒材料格納空間516は、反応器配置溶融ポリマー材料透過性コンテナ503の内部に配置されており、触媒材料格納空間516内には触媒材料504が配置されている。触媒材料格納空間516は、反応器モジュール500のモジュール反応ゾーン505を画定する。
【0112】
中間反応器モジュール500は、入口502Aにより反応器配置溶融ポリマー材料を収容し、収容した溶融ポリマー材料を流体通路506を通って導き、このように導きながら、導かれている溶融ポリマー材料を触媒材料504と接触させて、溶融ポリマー材料の少なくとも一画分の少なくとも部分的な解重合がもたらされるようにしかつ解重合反応生成物を含む(そしていくつかの実施形態においては未反応の溶融ポリマー材料および中間反応生成物またはその両方をも含む)溶融生成物材料が生産されるようにし、出口502Bから溶融生成物材料を放出するように構成されている。
【0113】
流体通路506は、触媒材料格納空間516を含む触媒材料格納流体通路部分515を含む。
【0114】
いくつかの実施形態においては、スペーサ管514が、パイプスプール501の第1の端部でパイプスプール501内に組付けられ、こうしてパイプスプール501とスペーサ管514の間の空間が触媒材料格納空間516を構成するようになっている。この空間を占有することにより、スペーサ管は、触媒材料格納流体通路部分515内部の反応器配置溶融ポリマー材料の、熱伝達要素の近くに配置されているパイプスプール501の部分までの流れを促進し(下記参照)、これにより反応器配置溶融ポリマー材料を所望の温度に維持する。同様に、空間を占有することにより、スペーサ管514は、モジュール反応ゾーン505の体積を効果的に削減し、これにより、流動する反応器配置溶融ポリマー材料の速度を増大させる。
【0115】
図19は、熱流体および/または溶融塩を介して加熱されるように構成された、取外し可能な静的ミキサー710を伴う触媒反応器700aの横断側面図を示す。静的ミキサー710は、触媒反応器700a内でより大規模な混合を提供し、結果としてより低い作動温度しか必要でなくなる。いくつかの実施形態において、静的ミキサー710は、取外し可能であり、このため反応器700aのより容易な清掃およびメンテナンスが可能になる。取外し可能な静的ミキサー710は同様に、反応器セグメントを別の目的に再利用することも可能になる。例えば、ジャケット付き反応器を、予熱または冷却セグメントに転換することが可能である。
【0116】
熱流体および/または溶融塩は、数ある方法の中でも、天然ガス、電気、廃棄物プロセス熱および石炭により加熱することができる。いくつかの実施形態において、熱流体および/または溶融塩は、電気を使用しなければならない場合のコストを削減する。
【0117】
触媒反応器700aの管状構成は、すでに上述したものに加えていくつかの利点を提供する。特に、直列に連結された管状反応器の使用は、一貫性ある生成物を可能にする、高い信頼性の一貫性あるパラメータを可能にする。具体的には、管状区分を通る一貫した流れにより、触媒の表面積および熱注入が最大限になることから、連続撹拌式反応器を用いた場合に比べてはるかに予測可能な狭い範囲の最終生成物が創出される。連続撹拌式反応器に比べた1つの利点は、プラグとして移動すると仮定される流れである管状区分内のショートカットを無くするまたは少なくとも削減するという点にある。各々の仮想プラグ(hypothetical plug)は、反応器内で、同じ量の時間を費す。管状触媒反応器は、垂直、水平またはその間の任意の角度で作動させることができる。管状触媒反応器(反応器区分)および対応する予熱区分および冷却区分(図28〜30参照)は、汎用サイズ(またはいくつかの標準サイズの1つ)であり得る。これにより、材料の一貫した流れが可能になるだけでなく、管状要素をさまざまな区分の間で互換性のあるかつ容易に追加、取外し、清掃および修復できるものとして設計することが可能になる。少なくともいくつかの実施形態において、管状区分の内部面は、304または316鋼で作られる。
【0118】
熱流体および/または溶融塩は、入口/出口730を介してジャケット720に入ることができる。いくつかの実施形態において、触媒反応器700aは、熱電対/圧力トランスジューサ(図示せず)と共に組付けられるように構成され、関連するノッチ()735を含む。ノッチ735は、熱電対/圧力トランスジューサと流体とを物理的に接触させるために使用される。いくつかの実施形態において、熱電対/圧力トランスジューサは、ウェル内に組付けられ、こうして流体とセンサの間の材料が削減される。
【0119】
いくつかの実施形態において、触媒反応器700aは、触媒を保持することのできる取外し可能なスクリーン760を含む。取外し可能なスクリーン760は容易に交換でき、メンテナンス要件および結果としての休止時間を求める充填床反応器に付随する欠点を克服する。いくつかの実施形態において、取外し可能なスクリーンの標準化は、結果として各区分を離れる生成物を一貫性のあるものにしかつ/または、多数の反応器を横断した標準化を可能にする。
【0120】
他のまたは同じ実施形態において、触媒反応器700aは静的ミキサー支持体のための切り欠きを伴う取外し可能なアダプタ740を含むことができる。静的ミキサー支持体は、静的ミキサー710上の力を削減し、より強力/迅速な取外しを可能にする。アダプタ740の切り欠きは、アダプタとスクリーンの間の封止を改善する。触媒反応器700aは、この触媒反応器700aを他の反応器、押出機などに連結するためのフランジ750を一方の端部または両方の端部に含むことができる。
【0121】
図20は、電気加熱を使用するように構成された取外し可能な静的ミキサー710を伴う触媒反応器700bの横断側面図である。いくつかの実施形態においては、電気加熱がより便利で、ボイラ、加熱容器、高温ポンプ、バルブおよび取付け具などの必要な付属機器が比較的少なく操作がより容易であることから、熱媒油/溶融塩の使用よりも好ましい。さらに、いくつかの実施形態において、電気加熱の使用は、システムの全体的設置面積を削減する。いくつかの実施形態において、触媒反応器700bは、熱電対/圧力トランスジューサ(図示せず)と共に組付けられるように構成され、関連するノッチ735を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、触媒反応器700bは、触媒を保持できる取外し可能なスクリーン760を含む。他のまたは同じ実施形態において、触媒反応器700bは、静的ミキサー支持体のための切り欠きを伴う取外し可能なアダプタ740を含むことができる。触媒反応器700bは、この触媒反応器700bを他の反応器、押出機などに連結するためのフランジ750を一方の端部または両方の端部に含むことができる。
【0123】
図21は、熱流体および/または溶融塩を介して加熱されるように構成された取外し可能な環状インサート712を伴う触媒反応器700cの横断側面図である。環状インサート712は、熱伝達の改善を導き、表面速度を増大させる環状流を創出することができ、空の反応器に比べてメンテナンスが容易であり得る。
【0124】
熱流体および/または溶融塩は、入口/出口730を介してジャケット720に入ることができる。いくつかの実施形態において、触媒反応器700cは、熱電対/圧力トランスジューサ(図示せず)と共に組付けられるように構成され、関連するノッチ735を含む。
【0125】
いくつかの実施形態において、触媒反応器700cは、触媒を保持できる取外し可能なスクリーン760を含む。他のまたは同じ実施形態において、触媒反応器700cは、取外し可能な環状およびスクリーン支持体のための切り欠きを伴う取外し可能なアダプタ740を含むことができる。触媒反応器700cは、この触媒反応器700cを他の反応器、押出機などに連結するためのフランジ750を一方の端部または両方の端部に含むことができる。
【0126】
図22は、電気加熱を使用するように構成された取外し可能な環状インサート712を伴う触媒反応器700dの横断側面図である。いくつかの実施形態において、触媒反応器700dは、熱電対/圧力トランスジューサ(図示せず)と共に組付けられるように構成され、適切なノッチ735を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、触媒反応器700dは、触媒を保持できる取外し可能なスクリーン760を含む。他のまたは同じ実施形態において、触媒反応器700dは、取外し可能な環状およびスクリーン支持体のための切り欠きを伴う取外し可能なアダプタ740を含むことができる。触媒反応器700dは、この触媒反応器700dを他の反応器、押出機などに連結するためのフランジ750を一方の端部または両方の端部に含むことができる。
【0128】
図23は、熱流体および/または溶融塩を介して加熱されるように構成された空の内部構造を伴う触媒反応器700eの横断側面図である。空の内部構造を伴う反応器を有することで、所与の材料が反応器700e内で過ごす滞留時間を増大させることができ、こうして、使用可能な触媒の体積と共に特定の生成物を作るのに必要とされる反応器の数は削減される。空の内部構造を伴う反応器は同様に、静的ミキサーを伴う反応器に比較した場合、より経済的に製造することもできる。熱流体および/または溶融塩は入口/出口730を介してジャケット720に入ることができる。いくつかの実施形態において、触媒反応器700eは、熱電対/圧力トランスジューサ(図示せず)と共に組付けられるように構成され、関連するノッチ735を含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、触媒反応器700eは、触媒を保持できる取外し可能なスクリーン760を含む。他のまたは同じ実施形態において、触媒反応器700eは、取外し可能なスクリーン支持体のための切り欠きを伴う取外し可能なアダプタ740を含むことができる。触媒反応器700eは、この触媒反応器700eを他の反応器、押出機などに連結するためのフランジ750を一方の端部または両方の端部に含むことができる。
【0130】
図24は、電気加熱を使用するように構成された空の内部を伴う触媒反応器700fの横断側面図である。いくつかの実施形態において、触媒反応器700fは、熱電対/圧力トランスジューサ(図示せず)と共に組付けられるように構成され、関連するノッチ735を含む。
【0131】
いくつかの実施形態において、触媒反応器700fは、触媒を保持できる取外し可能なスクリーン760を含む。他のまたは同じ実施形態において、触媒反応器700fは、スクリーン支持体のための切り欠きを伴う取外し可能なアダプタ740を含むことができる。触媒反応器700fは、この触媒反応器700fを他の反応器、押出機などに連結するためのフランジ750を一方の端部または両方の端部に含むことができる。
【0132】
図25は、並列に配設された図19に示されたもののような触媒反応器群700の横断正面図である。図25に示されているものなどの並列配設は、全体的配設に対する最小限の変更で所望されるように合計生産速度をより容易に増大/減少させることができ、一度に多くの異なる解重合レベルが発生できるようにする。
【0133】
ハウジング800により、触媒反応器700を、多くの場合電気よりも効果的である熱媒油/溶融塩の中に浸すことができる。熱媒油/溶融塩はチャンバ780内に保持されている。いくつかの実施形態において、フランジ770により、多数のハウジングを接合させることが可能となる。
【0134】
図26は、水平構成で示された図25の並列触媒反応器配設の横断側面図である。並列配設は、問題をひき起こす可能性のある圧力降下が単一管配設に比べて小さい状態で、より高い流量のユニットを構築できるようにする。水平構成は、多くの場合、作動/メンテナンスを行なうのより便利である。
【0135】
図27は、垂直構成で示された図25の並列触媒反応器配設の横断側面図である。垂直構成は、液体/気体生成物の層化を削減することができ、静的ミキサーに対する必要性を無くするかまたは少なくとも削減することができる。
【0136】
図28は、直列に連結された図19に示されたもののような2つの反応器700aを伴う垂直螺旋形内部触媒反応器配設900Aの横断側面図である。水平螺旋形ミキサー予熱区分820は、1つの反応器700aに連結されている。螺旋形ミキサーは、停滞およびホットスポットを回避することによってより優れた混合を導くことができる。
【0137】
螺旋形ミキサー冷却セグメント830は、45度の下り勾配で他の反応器700aに連結された状態で示されている。下り勾配により、生成物は重力によって流れることができ、一方45度という角度は、冷却媒体と生成物の間の充分な接触を可能にする。
【0138】
図示された実施形態において、垂直螺旋形内部触媒反応器配設900Aは、熱流体/溶融塩混合物の使用を可能にするためにいくつかの入口/出口を有するが、他の加温技術(例えば非限定的に電気加熱)も同様に使用可能である。
【0139】
図29は、直列に連結された図21に示されたもののような2つの反応器700cを伴う垂直環状触媒反応器配設900Bの横断側面図である。
【0140】
図30は、直列に連結された図23に示されたもののような2つの空の反応器700fを伴う垂直触媒反応器配設900Cの横断側面図である。
【0141】
図31は、図20に示されたもののような電気加熱器870を使用するように構成された内部螺旋形反応器700bを伴う水平反応器構成910の斜視図である。図31において、反応器シェルは、内部螺旋反応器700bの場所を可視化する上で一助となるように、水平反応器構成910の一部から除去されている。
【0142】
本発明の特定の要素、実施形態および利用分野が図示され説明されてきたが、本発明がそれらに限定されることはなく、特に以上の教示に照らして本開示の範囲から逸脱することなく修正を加えることが可能であるということが理解される。例えば多くの実施形態が、請求対象の発明の範囲内で構成要素の異なる組合せが考えられ、これらの説明された実施形態は例証的なものであり、同じまたは類似の構成要素の他の組合せを利用して実質的に同じ方法で同じ結果を達成することができる。さらに、全てのクレームは、参照により、本明細書の好ましい実施形態の説明の中に組込まれている。
本開示には、以下に例示する実施形態も開示される。
[実施形態1]
ポリマー材料を連続的に処理するための方法であって、
(a) 固体ポリマー材料を選択することと;
(b) 押出機内で前記固体ポリマー材料を加熱して、溶融ポリマー材料を創出することと;
(c) 前記溶融ポリマー材料を濾過することと;
(d) 反応器内で前記溶融ポリマー材料を化学的解重合プロセスに通して、解重合されたポリマー材料を創出することと;
(e) 前記解重合されたポリマー材料を冷却することと;
(f) 前記解重合されたポリマー材料を精製することと;
を含む方法。
[実施形態2]
(g) 前記解重合されたポリマー材料の精製中に創出された気体および油を、前記方法の少なくとも1つのステップのための燃料として利用すること;
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態3]
前記濾過にはスクリーン交換機が関与する、実施形態1に記載の方法。
[実施形態4]
前記濾過には濾床が関与する、実施形態1に記載の方法。
[実施形態5]
前記固定ポリマー材料が再生プラスチックである、実施形態1に記載の方法。
[実施形態6]
前記解重合プロセスが触媒を用いるものである、実施形態1に記載の方法。
[実施形態7]
前記触媒が[Fe−Cu−Mo−P]/Al23である、実施形態6に記載の方法。
[実施形態8]
前記解重合プロセスが第2の反応器を用いるものである、実施形態1に記載の方法。
[実施形態9]
前記反応器が直列に連結されている、実施形態8に記載の方法。
[実施形態10]
前記反応器が垂直方向に積層されている、実施形態9に記載の方法。
[実施形態11]
前記反応器が水平方向に積層されている、実施形態9に記載の方法。
[実施形態12]
前記反応器が静的ミキサーを含む、実施形態1に記載の方法。
[実施形態13]
前記精製が、フラッシュ分離、吸収剤床、粘土研磨または膜蒸発器の1つを用いるものである、実施形態1に記載の方法。
[実施形態14]
再生ポリマー材料を連続的に処理するためのシステムであって、
(a) 前記再生ポリマー材料を前記システム内に供給するように構成されたホッパーと;
(b) 前記再生ポリマー材料を溶融材料に変換するように構成された押出機と;
(c) 前記溶融材料を解重合するように構成された第1の反応器と;
(d) 前記解重合された溶融材料を冷却するように構成された熱交換器と;
を含むシステム。
[実施形態15]
前記押出機が熱流体を用いるものである、実施形態14に記載のシステム。
[実施形態16]
前記押出機が電気加熱器を用いるものである、実施形態14に記載のシステム。
[実施形態17]
(e)前記押出機を補助するように構成された別個の加熱器;
をさらに含む、実施形態14に記載のシステム。
[実施形態18]
(e)第2の反応器;
をさらに含む、実施形態14に記載のシステム。
[実施形態19]
前記第1の反応器および前記第2の反応器が直列に連結されている、実施形態18に記載のシステム。
[実施形態20]
前記反応器が触媒材料を用いるものである、実施形態14に記載のシステム。
[実施形態21]
前記触媒が[Fe−Cu−Mo−P]/Al23である、実施形態20に記載のシステム。
[実施形態22]
前記触媒が透過性コンテナ内に格納されている、実施形態21に記載のシステム。
[実施形態23]
前記反応器がスペーサ管を含む、実施形態14に記載のシステム。
[実施形態24]
前記反応器が静的ミキサーを含む、実施形態14に記載のシステム。
[実施形態25]
前記反応器が環状インサートを含む、実施形態14に記載のシステム。
[実施形態26]
前記静的ミキサーが取外し可能である、実施形態24に記載のシステム。
[実施形態27]
前記環状インサートが取外し可能である、実施形態25に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31