(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、前記操作部材が前記所定の位置から移動した場合に前記操作部材に対し前記所定の位置に向かう弾性力を付与するように構成された弾性部材をさらに有し、
前記弾性部材は、前記延在方向において弾性変形するように構成された第1の弾性構造と、前記周方向において弾性変形するように構成された第2の弾性構造とを含む、請求項2又は3に記載のコントローラ。
前記コントローラは、前記延在方向に沿った前記操作部材の摺動量、および、前記周方向における前記操作部材の回転量をセンシングする第2のセンサ部をさらに有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコントローラ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、必要に応じてコントローラ10aおよびコントローラ10bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、コントローラ10aおよびコントローラ10bを特に区別する必要が無い場合には、単にコントローラ10と称する。
【0012】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.情報処理システムの基本構成
2.実施形態の詳細な説明
3.変形例
【0013】
<<1.情報処理システムの基本構成>>
<1−1.基本構成>
まず、本開示の実施形態による情報処理システムの基本構成について、
図1を参照して説明する。
図1に示すように、同実施形態による情報処理システムは、コントローラ10、制御装置20、および、対象物30を含む。
【0014】
{1−1−1.制御装置20}
制御装置20は、制御装置20に接続されている機器(対象物30など)の動作を制御するための装置である。例えば、制御装置20は、コントローラ10および対象物30と無線通信または有線通信により通信可能に構成され得る。この場合、制御装置20は、コントローラ10から操作信号を受信し、そして、受信した信号に基づいて対象物30の動作を制御する。
【0015】
なお、
図1では、制御装置20とコントローラ10とがケーブル22を介して接続される例を示しているが、かかる例に限定されない。制御装置20とコントローラ10との間にはケーブル22は設けられず、かつ、制御装置20とコントローラ10とは無線通信により通信可能であってもよい。
【0016】
また、制御装置20は、例えばユーザの指示に基づいて所定のアプリケーション(ゲームアプリケーションなど)を実行することが可能である。ここで、所定のアプリケーションは、制御装置20が記憶していてもよいし、制御装置20が通信可能な外部の装置(図示省略)に記憶されていてもよいし、または、制御装置20が読出し可能な所定の記録媒体に記録されていてもよい。
【0017】
{1−1−2.対象物30}
対象物30は、制御装置20から受信される制御信号に応じた処理を実行する機器である。例えば、対象物30は駆動部を有し、当該制御信号に従って移動する。または、対象物30は表示部または音声出力部などを有し、当該制御信号に従って画像を表示したり、音声を出力することも可能である。
【0018】
{1−1−3.コントローラ10}
コントローラ10は、例えば対象物30に対する操作をユーザが行うための装置である。例えば、コントローラ10と対象物30とはペアリングされ得る。この場合、ユーザは、コントローラ10にペアリングされた対象物30に対する操作をコントローラ10を用いて行うことができる。なお、当該ペアリングの具体的な方法については後述する。
【0019】
<1−2.課題の整理>
以上、本実施形態による情報処理システムの構成について説明した。ところで、従来、例えば家庭用ゲーム機などの電子機器のためのコントローラが各種開発されている。このようなコントローラでは、例えば操作性が高かったり、ユーザが直感的に操作可能であることが望まれる。より具体的には、以下の4種類の操作方法が実現可能であることが望ましい。第1に、ユーザが片手のみでコントローラを操作可能であることが望ましい(“1 hand play”)。第2に、例えばコントローラが床の上に載置される場合など、ユーザがコントローラを把持せずに当該コントローラを操作可能であることが望ましい(“free hand play”)。第3に、例えば子どもでもコントローラを容易に掴んだり、離したりすることが可能であることが望ましい(“easy to grasp / release”)。第4に、ユーザが右利きであるか左利きであるかによらずに操作性が変化しないことが望ましい(“both‐handed”)。
【0020】
しかしながら、公知のコントローラでは、この4種類の操作方法全てを実現することは不可能、あるいは困難である。
図2は、公知の代表的な2種類のコントローラ90に関する当該4種類の操作方法の実現可否を示した図である。
図2に示したように、“Classic type”のコントローラ90aでは、当該4種類の操作方法のうち“free hand play”だけしか実現することができない。
【0021】
また、“Stick type”のコントローラ90bでは、当該4種類の操作方法のうち“1 hand play”および“easy to grasp / release”は実現可能である。しかしながら、コントローラ90bが例えば床や机の上に置かれた状態ではコントローラ90bが安定せず、ユーザはコントローラ90bを操作し難い。つまり、“free hand play”が困難である。また、“both‐handed”に関してはユーザがコントローラ90bを垂直(または縦)に持つ場合だけしか実現できない。例えば、ユーザがコントローラ90bを水平(または横)に持つ場合には、左手で操作する場合と右手で操作する場合とで操作性が大きく異なってしまう。
【0022】
そこで、上記事情を一着眼点にして、本実施形態によるコントローラ10を創作するに至った。コントローラ10は、リング型の筐体40を有し得る。これにより、上述した4種類の操作方法を全て実現可能である。
【0023】
<<2.実施形態の詳細な説明>>
<2−1.構成>
{2−1−1.外観構成}
(2−1−1−1.筐体40)
次に、本実施形態によるコントローラ10の構成について詳細に説明する。
図3A〜
図3Cは、コントローラ10の外観構成を示した図である。
図3Aに示したように、コントローラ10は、リング型の筐体40を有し得る。ここで、リング型は、
図3Aに示したように完全に閉じた形状(換言すれば、筐体40の外周が全て連続になるような形状)であってもよいし、筐体40のうちの一部が開いている形状(換言すれば、例えばアルファベットの「C」の字のように、筐体40の外周のうちの少なくとも一部が不連続になるような形状)であってもよい。また、リング型は、筐体40の外周および/または内周が円、楕円、または、多角形(四角形や三角形など)になる形状であってもよい。例えば、
図3Aに示したように、リング型は、ドーナツ型(トーラス型)であり得る。なお、以下では、筐体40がドーナツ型である例を中心として説明を行う。
【0024】
なお、筐体40の周方向(筐体40がドーナツ型である場合、筐体40の小円の周に沿った方向)の周の半分の長さは、ユーザの手の長さ以下(つまり、ユーザが片手で把持可能な長さ以下)であり得る。これにより、
図5に示したように、ユーザは片手のみでコントローラ10を把持し、操作可能である。つまり、“1 hand play”を実現可能である。なお、
図5は、コントローラ10を用いて対象物30に対する操作を行う場面の例を示した図である。また、ユーザは、コントローラ10を一方の手で操作している間に、もう一方の手で例えば別の物体(他の玩具など)を触ったり、動かすことができる。
【0025】
また、
図3Bおよび
図3Cに示したように、筐体40の外面は、筐体40の外周側に配置された樹脂面42と、筐体40の内周側に配置されたラバー面44とを含み得る。ここで、樹脂面42は、本開示における第1の面の一例である。また、ラバー面44は、本開示における第2の面の一例である。樹脂面42は、ラバーよりも硬い物質(例えばABS樹脂など)によって構成され得る。また、ラバー面44は、例えばシリコンラバーなどのラバーによって構成され得る。なお、
図12を参照して後述するように、ラバー面44に含まれる固定スナップ444が樹脂面42に固定されることにより、ラバー面44は樹脂面42に固定され得る。
【0026】
また、コントローラ10が他の物体の面に載置された場合にはラバー面44が当該他の物体の面に接するような関係で、樹脂面42とラバー面44とは筐体40に配置され得る。これにより、コントローラ10が他の物体上に載置された場合には、摩擦係数の大きいラバー面44が当該他の物体に接触するので、ユーザがコントローラ10を操作する間にコントローラ10が滑動し難く、コントローラ10が安定する。従って、例えば、
図6Aに示したように、床などの上にコントローラ10が載置された状態で、ユーザは、コントローラ10を容易に操作することができる。つまり、“free hand play”を実現可能である。なお、
図6Aは、コントローラ10が机の上に載置された状態で、ユーザがラバー面44を押下することにより、筐体40の内部に位置する2個の、後述する内側操作ボタン104‐1を押下する場面の例を示している。
【0027】
また、コントローラ10はリング型であるので、例えば、
図6Bに示したように、コントローラ10の中央の開口部にユーザは腕を通すことも可能であり得る。この場合、例えばゲームアプリケーションのプレイ中に、ユーザはコントローラ10を床の上に置くことなく、他の物体(他の玩具など)に触れたり、動かすこともできる。
【0028】
なお、
図3Aに示したように、樹脂面42の所定の位置には、ケーブル22を接続可能なケーブル接続部106が設置され得る。前述したように、ケーブル接続部106にケーブル22が接続されることにより、コントローラ10は制御装置20と通信することが可能である。また、制御装置20とコントローラ10とがケーブル22で接続されることなく、コントローラ10は制御装置20と無線通信することも可能である。
【0029】
(2−1−1−2.ジョグダイヤル102)
また、
図3Aに示したように、筐体40の外面にはジョグダイヤル102が設置され得る。例えば、
図3Aに示したように、樹脂面42の所定の位置に設けられた凹部422にジョグダイヤル102の少なくとも一部が嵌合するように、ジョグダイヤル102は設置され得る。ここで、ジョグダイヤル102は、本開示における操作部材の一例である。
【0030】
また、
図3Aにおいて直交する2本の矢印で示したように、ジョグダイヤル102は、凹部422における所定の位置を基準として筐体40の延在方向に沿って摺動可能であり、かつ、当該所定の位置を基準として筐体40の周方向において回転可能である。ここで、筐体40がドーナツ型である場合には、当該延在方向は筐体40の大円の周に沿った方向であり、また、当該周方向は筐体40の小円の周に沿った方向である。
【0031】
また、詳細については後述するが、コントローラ10は、ジョグダイヤル102が当該所定の位置から移動した場合に、ジョグダイヤル102に対し当該所定の位置に向かう弾性力を付与するように構成された弾性部材600をさらに有し得る。これにより、ユーザがジョグダイヤル102を筐体40の延在方向のいずれの方向に摺動させた場合であっても、例えばユーザがジョグダイヤル102から手を離すと、ジョグダイヤル102は、当該所定の位置に自動的に戻り得る。また、ユーザがジョグダイヤル102を筐体40の周方向のいずれの方向に回転させた場合であっても、例えばユーザがジョグダイヤル102から手を離すと、ジョグダイヤル102は、当該所定の位置に自動的に戻り得る。
【0032】
また、
図3Bは、
図3Aに示した矢印「R」の方向から見たコントローラ10の外観を示した図である。また、
図3Cは、
図3Aに示した矢印「L」の方向(つまり矢印「R」の方向の反対方向)から見たコントローラ10の外観を示した図である。
図3Bおよび
図3Cに示したように、樹脂面42およびラバー面44はそれぞれ、筐体40内の所定の面を基準として略対称な形状であり得る。ここで、当該所定の面は、筐体40の延在方向と平行であり、かつ、筐体40の周方向に沿った筐体40の断面の中心を通る面であり得る。また、ジョグダイヤル102の外面も、当該所定の面を基準として略対称な形状であり得る。これにより、例えば、コントローラ10をユーザが水平に持つ場合(つまり、コントローラ10の中心の開口部をユーザに正対させてコントローラ10をユーザが持つ場合)では、(
図7Aに示したように)ジョグダイヤル102がユーザの左側に位置する場合と、(
図7Bに示したように)ジョグダイヤル102がユーザの右側に位置する場合とでは、ジョグダイヤル102のうちユーザ側に向いている部分の形状や面積がそれぞれ略同一である。従って、ジョグダイヤル102を右手で操作する場合と左手で操作する場合とで操作性が変化しないことが期待できる。つまり、“both‐handed”を実現可能である。
【0033】
また、
図4は、
図3Bに示した、ジョグダイヤル102の周辺部分70の拡大図である。
図4に示したように、凹部422からのジョグダイヤル102の突出量(例えば
図4に示した距離d1)は、樹脂面42からの凹部422の深さ(例えば
図4に示した距離d2)と略同一であり得る。これにより、筐体40の表面とジョグダイヤル102の外面とはあたかも連続であるかのような外観となり、コントローラ10は全体として円形(ドーナツ型)をなす意匠が構成され得る。従って、コントローラ10全体の外観が良好になる。なお、ジョグダイヤル102の詳細な構成については後述する。
【0034】
(2−1−1−3.外側操作ボタン104‐3)
また、
図3Bおよび
図3Cに示したように、筐体40の外面には、外側操作ボタン104‐3が設置され得る。例えば、
図3Bおよび
図3Cに示したように、筐体40の外周側(つまり樹脂面42側)に外側操作ボタン104‐3aが設置されるとともに、筐体40の内周側(つまりラバー面44側)に外側操作ボタン104‐3bが設置され得る。
【0035】
ここで、外側操作ボタン104‐3aは、樹脂面42に設けられた開口部(図示省略)に嵌合されることにより、筐体40に設置され得る。例えば、外側操作ボタン104‐3aの外面の高さが樹脂面42の高さと略同一になるように、外側操作ボタン104‐3aは当該開口部に嵌合される。
【0036】
なお、外側操作ボタン104‐3aおよび外側操作ボタン104‐3bの数は特に限定されない。例えば、外側操作ボタン104‐3aまたは外側操作ボタン104‐3bは複数設置されてもよいし、一つも設置されなくてもよい。また、外側操作ボタン104‐3aおよび外側操作ボタン104‐3bの設置位置も特に限定されない。例えば、外側操作ボタン104‐3bは、ジョグダイヤル102の位置に対応する筐体40の周上のラバー面44側の位置に設置されてもよい。
【0037】
(2−1−1−4.内側操作ボタン104‐1、内側操作ボタン104‐2)
また、
図3A〜
図3Cにおいて一点鎖線で示したように、筐体40の内部には、内側操作ボタン104‐1および内側操作ボタン104‐2が設置され得る。例えば、内側操作ボタン104‐1および内側操作ボタン104‐2はそれぞれ、2以上の同じ数ずつ設置され得る。この場合、当該複数の内側操作ボタン104‐1の各々は、当該複数の内側操作ボタン104‐2のうちのいずれかと一対一に関連付けて設置され得る。また、内側操作ボタン104‐1ごとに、当該内側操作ボタン104‐1に対応する内側操作ボタン104‐2と当該内側操作ボタン104‐1とには、同一の機能がそれぞれ関連付けられ得る。ここで、内側操作ボタン104‐1は、本開示における第1の操作ボタンの一例であり、また、内側操作ボタン104‐2は、本開示における第2の操作ボタンの一例である。
【0038】
また、個々の内側操作ボタン104‐1および個々の内側操作ボタン104‐2は、ラバー面44が押下されることに基づいて操作を受け付ける。また、
図3Bおよび
図3Cに示したように、個々の内側操作ボタン104‐1および個々の内側操作ボタン104‐2は、基本的に、ラバー面44に対応する筐体40の内部の領域に設置され得る。前述したように、ラバー面44はラバーにより構成されているので、ユーザはラバー面44を押下することにより、個々の内側操作ボタン104‐1および個々の内側操作ボタン104‐2を容易に押下することができる。
【0039】
また、当該複数の内側操作ボタン104‐1の各々は、当該内側操作ボタン104‐1に対応する内側操作ボタン104‐2と、前述した所定の面(つまり、筐体40の延在方向と平行であり、かつ、筐体40の周方向に沿った筐体40の断面の中心を通る面)を基準として略対称な位置にそれぞれ設置され得る。これにより、例えば、コントローラ10をユーザが水平に持つ場合では、(
図7Aに示したように)ジョグダイヤル102がユーザの左側に位置する場合における個々の内側操作ボタン104‐1の位置と、(
図7Bに示したように)ジョグダイヤル102がユーザの右側に位置する場合における個々の内側操作ボタン104‐2の位置とはそれぞれ略同一である。従って、個々の内側操作ボタン104‐1を一方の手(例えば右手)で操作する場合と、個々の内側操作ボタン104‐2をもう一方の手(例えば左手)で操作する場合とで操作性が変化しないことが期待できる(つまり、“both‐handed”を実現可能である)。
【0040】
なお、内側操作ボタン104‐1および内側操作ボタン104‐2は、原則としてそれぞれ同じ数ずつ設置されるが、具体的な数に関しては特に限定されない。また、内側操作ボタン104‐1および内側操作ボタン104‐2の、筐体10の延在方向に沿った設置位置に関しても特に限定されない。例えば、
図3Bおよび
図3Cに示したように、内側操作ボタン104‐1および内側操作ボタン104‐2が2個ずつ設置される場合には、内側操作ボタン104‐1bは、ジョグダイヤル102の外面の中央の位置における、筐体40の周に沿った断面(例えば
図3Bに示したB−B線による筐体40の断面)を基準として内側操作ボタン104‐1aと略対称な位置に設置され得る。なお、内側操作ボタン104‐2に関しても同様である。
【0041】
なお、内側操作ボタン104‐1および内側操作ボタン104‐2の詳細な構成については後述する。
【0042】
(2−1−1−5.発光部126)
また、筐体40の外面には発光部126がさらに設置され得る。発光部126は、例えばフルカラーのLED(Light Emitting Diode)を含んでもよいし、または、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)やOLED(Organic Light Emitting Diode)などを含んでもよい。
【0043】
例えば、
図8Aに示したように、筐体40の外面の所定の位置に少なくとも一つの発光部126が設置されてもよい。または、
図8Bに示したように、例えばラバー面44の略全体で発光可能になるように、ラバー面44の略全体に発光部126が設置されてもよい。
【0044】
かかる構成により、例えば起動中のゲームアプリケーションにおいて様々なイベントが発生した際などに、発光部126に所定の発光パターンで発光させることが可能となる。従って、イベントが発生したことをコントローラ10上で表現することができる。
【0045】
{2−1−2.筐体40の内部の構成}
以上、本実施形態によるコントローラ10の外観構成について説明した。次に、筐体40の内部の構成について詳細に説明する。ここでは、ジョグダイヤル102、内側操作ボタン104‐1、および、内側操作ボタン104‐2の構成を中心として説明する。
【0046】
(2−1−2−1.ジョグダイヤル102)
まず、
図9および
図10を参照して、ジョグダイヤル102の構成について詳細に説明する。
図9は、
図3Bに示したA−A線による筐体40の断面を概略的に示した図である。また、
図10は、
図3Bに示したB−B線による筐体40の断面を概略的に示した図である。
【0047】
図9に示したように、例えば、筐体40の内部には、筐体40の延在方向に沿って基板500が配置され得る。そして、基板500の、当該延在方向に直交する一方向(例えば
図9に示した上方向)側に軸固定部502が固定され得る。また、軸固定部502の当該一方向側には、支持軸504、(ジョグダイヤル102に含まれる)ダイヤルリング1022、2個のスライドストッパー506、および、2個の弾性部材600が固定され得る。
【0048】
‐弾性部材600
ここで、弾性部材600は、前述したように、ジョグダイヤル102が上記所定の位置から移動した場合にジョグダイヤル102に対し当該所定の位置に向かう弾性力を付与するように構成され得る。より詳細には、弾性部材600は、筐体40の延在方向において弾性変形するように構成された圧縮ばね6000と、筐体40の周方向において弾性変形するように構成された弾性構造6002とを含み得る。例えば、弾性部材600は、圧縮ばね6000と弾性構造6002とを備える一体成型されたばねである。但し、かかる例に限定されず、圧縮ばね6000と弾性構造6002とは別体であってもよい。ここで、圧縮ばね6000は、本開示における第1の弾性構造の一例であり、また、弾性構造6002は、本開示における第2の弾性構造の一例である。
【0049】
‐‐圧縮ばね6000
例えば、
図9に示したように、個々の弾性部材600に含まれる圧縮ばね6000は、2個のスライドストッパー506のうちのいずれかと筐体40の延在方向に沿って隣接して配置されるとともに、当該スライドストッパー506に固定され得る。また、圧縮ばね6000は、軸固定部502の当該一方向側に固定され得る。
【0050】
また、
図9および
図10に示したように、ジョグダイヤル102は、ダイヤルリング1022、2個のスライド部1026、および、2個の連結部1028を含み得る。また、ダイヤルリング1022および2個のスライド部1026の各々は嵌合穴1024を含み、そして、これらの嵌合穴1024には支持軸504が挿通され得る。また、2個のスライド部1026の各々の端部は、当該端部に隣接するスライドストッパー506とそれぞれ固定され得る。
【0051】
かかる構成により、筐体40の延在方向における第3方向(例えば
図9に示した左方向)にユーザがジョグダイヤル102を摺動させると、当該第3方向に位置するスライドストッパー506aに当該摺動の力が伝達されることにより、スライドストッパー506aが当該第3方向に摺動するとともに、当該第3方向に位置する圧縮ばね6000aが圧縮される。その後、例えば、ユーザがジョグダイヤル102から手を離すと、当該第3方向とは反対の第4方向(例えば
図9に示した右方向)に向かう弾性力を圧縮ばね6000aがスライドストッパー506aに付与することにより、スライドストッパー506aはストッパーリブ420aに接触するまで移動する。また、スライドストッパー506aに固定されている(ジョグダイヤル102の)スライド部1026aが、スライドストッパー506aの移動に応じて当該第4方向に移動することにより、ジョグダイヤル102は、初期位置まで戻り得る。
【0052】
‐‐弾性構造6002
また、弾性構造6002は、筐体40の周方向において第1方向(例えば
図10に示した下方向)に向かう弾性力をジョグダイヤル102に付与する第1ねじりばね6002aと、当該周方向において当該第1方向とは反対の第2方向(例えば
図10に示した上方向)に向かう弾性力をジョグダイヤル102に付与する第2ねじりばね6002bとによって構成され得る。あるいは、弾性構造6002は、第1ねじりばね6002aまたは第2ねじりばね6002bのいずれか一つのみを含んでもよい。この場合、例えば、弾性部材600aは圧縮ばね6000aおよび第1ねじりばね6002aを備え、かつ、弾性部材600bは圧縮ばね6000bおよび第2ねじりばね6002bを備えてもよい。ここで、第1ねじりばね6002aは、本開示における第1弾性部材の一例であり、また、第2ねじりばね6002bは、本開示における第2弾性部材の一例である。
【0053】
また、
図10に示したように、第1ねじりばね6002aは、ジョグダイヤル102に含まれる連結部1028bと接触するように設置され得る。また、第2ねじりばね6002bは、ジョグダイヤル102に含まれる連結部1028aと接触するように設置され得る。
【0054】
かかる構成により、筐体40の周方向における第2方向(例えば
図10に示した上方向)にユーザがジョグダイヤル102を回転させると、連結部1028bを介して第1ねじりばね6002aに当該回転の力が伝達されることにより、第1ねじりばね6002aは、当該回転量に応じて変形する。その後、例えば、ユーザがジョグダイヤル102から手を離すと、第1ねじりばね6002aは、弾性変形するとともに、手を離した際のジョグダイヤル102の回転量に応じた弾性力をジョグダイヤル102(より正確には連結部1028b)に付与する。これにより、ジョグダイヤル102は、例えば連結部1028aが第2ねじりばね6002bに接触するまで回転することにより、初期位置まで戻り得る。
【0055】
なお、ジョグダイヤル102の回転可能な範囲は制約され得る。例えば、ジョグダイヤル102に含まれる連結部1028aが凹部422の端部4220と接触するまで、または、ジョグダイヤル102に含まれる第1の端部1032aが筐体40の切欠き部424aと接触するまで、ジョグダイヤル102は当該第2方向に回転可能であり得る。換言すれば、端部4220または切欠き部424aは、ジョグダイヤル102の当該第2方向の回転に関するストッパーの役割を果たし得る。なお、(
図10に示した)ジョグダイヤル102に含まれる第2の端部1034aの回転軌道上には物体が配置されない。このため、ジョグダイヤル102が回転しても第2の端部1034aは他の物体と接触しない。
【0056】
同様に、ジョグダイヤル102に含まれる連結部1028bが、後述する素子支持部508の端部5080と接触するまで、または、ジョグダイヤル102に含まれる第1の端部1032bが筐体40の切欠き部424b(図示省略)と接触するまで、ジョグダイヤル102は当該第1方向に回転可能であり得る。換言すれば、端部5080または切欠き部424bは、ジョグダイヤル102の当該第1方向の回転に関するストッパーの役割を果たし得る。
【0057】
‐ホール素子520
また、
図9に示したように、基板500の、当該延在方向に直交する当該一方向の反対方向(例えば
図9に示した下方向)側に素子支持部508が固定され得る。そして、基板500と素子支持部508とに挟まれて少なくとも一つのホール素子520が固定され得る。ここで、ホール素子520は、本開示における第2のセンサ部の一例である。ホール素子520は、磁気センサとして機能する。
【0058】
当該少なくとも一つのホール素子520の各々は、筐体40の延在方向に沿ったジョグダイヤル102の摺動量、および、筐体40の周方向におけるジョグダイヤル102の回転量をセンシングすることが可能である。例えば、
図9に示したように、ジョグダイヤル102は、当該一方向の反対方向(例えば
図9に示した下方向)側に磁石1040を有し得る。この場合、ホール素子520は、磁石1040の位置の変化に伴う周囲の磁束密度の変化をセンシングすることにより、ジョグダイヤル102の摺動量およびジョグダイヤル102の回転量をセンシングし得る。
【0059】
(2−1−2−2.内側操作ボタン104‐1、内側操作ボタン104‐2)
‐構成
次に、
図11および
図12を参照して、内側操作ボタン104‐1および内側操作ボタン104‐2の構成について詳細に説明する。
図11は、
図3Bに示したC−C線による筐体40の断面を概略的に示した図である。また、
図12は、
図3Bに示したD−D線による筐体40の断面を概略的に示した図である。
【0060】
図11および
図12に示したように、例えば、基板500の、筐体40の延在方向に直交する2方向の各々の側にラバーキー450aまたはラバーキー450bが互いに逆向きに設置され得る。例えば、
図12に示したように、ラバーキー450は少なくとも一つのボス4500を含み、かつ、当該少なくとも一つのボス4500の各々は、基板500に設けられた穴に軽圧入され得る。これにより、ラバーキー450は、基板500に確実に固定され得る。
【0061】
また、個々のラバーキー450には内側操作ボタン104‐1または内側操作ボタン104‐2のいずれかが設置され得る。また、内側操作ボタン104‐2は、基板500に対して(より正確には、筐体40の延在方向と平行であり、かつ、筐体40の周方向に沿った筐体40の断面の中心を通る面に対して)内側操作ボタン104‐1と略対称な位置に設置され得る。
【0062】
また、
図11に示したように、筐体40の延在方向に直交する一方向に関してのみ変形可能(動作可能)な樹脂キー430が筐体40の内部に設置され得る。この“樹脂キー430”は、射出成型用金型のキャビティに樹脂を射出することで成形される、キー構造を有する部位であり、筐体40と一体成型されるものと見做されてよい。なお、初期状態(つまり外部から力が加わらない状態)では樹脂キー430はラバーキー450と接触しないように、樹脂キー430は設置され得る。また、
図11に示したように、樹脂キー430のうち、ラバー面44に最も近い面であるキートップ442はドーム型の形状に構成され得る。なお、キートップ442は、ラバー面44に固定されていてもよいし、離れていてもよい。
【0063】
また、
図12に示したように、(筐体40の延在方向に沿った)樹脂キー430の両隣において、ラバーキー固定部432およびラバーキー固定部434がラバー面44に固定され得る。初期状態(つまり外部から力が加わらない状態)において、ラバーキー固定部432の下端部4320および下端部4322とラバーキー450aとの距離は所定の距離未満になるようにラバーキー固定部432は配置される。なお、ラバーキー固定部434に関しても同様である。これにより、ラバーキー450aが所定の距離以上浮くこと、つまり、ラバーキー450aがラバー面44aの方へ所定の距離以上移動することを防止することができる。
【0064】
‐作用
前述した構成によれば、例えば
図11に示したように、内側操作ボタン104‐1の設置位置に対応するラバー面44上の位置の周辺がユーザにより押下されると、当該押下の力が樹脂キー430aに伝達されることにより、樹脂キー430aがラバーキー450aの方へ移動する。これにより、樹脂キー430aの下端部4300aまたは下端部4300bが内側操作ボタン104‐1まで移動し、内側操作ボタン104‐1が押下され得る。その後、例えば、ユーザがラバー面44から手を離すと、樹脂キー430aは、当該押下の方向とは反対の方向へ移動し、初期位置まで戻り得る。
【0065】
また、前述したように、キートップ442aはドーム型の形状に構成され得る。これにより、例えば
図11に示したように、ユーザが内側操作ボタン104‐1の真上からラバー面44aを押下する場合だけでなく、内側操作ボタン104‐1の斜めの方向からラバー面44aを押下する場合であっても、当該押下の力が樹脂キー430aへ確実に伝達され得る。つまり、ラバー面44において内側操作ボタン104‐1を押下可能な範囲が一定の広がりを有するので、ユーザは、内側操作ボタン104‐1をより容易に押下することができる。
【0066】
{2−1−3.機能構成}
以上、筐体40の内部の構成について説明した。次に、コントローラ10の機能構成について詳細に説明する。
図13は、コントローラ10の機能構成の例を示したブロック図である。
図13に示したように、コントローラ10は、制御部100、通信部120、受電部122、ホール素子520、操作ボタン104、センサ部124、発光部126、および、バッテリー128を有する。ここで、操作ボタン104は、内側操作ボタン104‐1、内側操作ボタン104‐2、および、外側操作ボタン104‐3の総称である。なお、以下では、前述した説明と重複する内容については説明を省略する。
【0067】
(2−1−3−1.制御部100)
制御部100は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの処理回路を含んで構成され得る。制御部100は、コントローラ10の動作を統括的に制御する。
【0068】
例えば、制御部100は、制御装置20に対する信号の送信を制御する。一例として、制御部100は、ホール素子520により検出されたジョグダイヤル102の操作量を示す信号や、操作ボタン104に対する操作の検出結果を示す信号を制御装置20へ通信部120に送信させる。
【0069】
また、制御部100は、外部の装置(例えば制御装置20など)から受信される信号に基づいて、発光部126に対する発光を制御する。また、後述する受電部122により外部の装置から電力が受信される場合には、制御部100は、受信された電力をバッテリー128に供給する。
【0070】
(2−1−3−2.通信部120)
通信部120は、本開示における受信部の一例である。通信部120は、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)などの規格に沿った無線通信または有線通信により、他の装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部120は、制御部100の制御に従って、ジョグダイヤル102や操作ボタン104に対する操作の検出結果を示す信号を制御装置20へ送信する。また、通信部120は、ジョグダイヤル102や操作ボタン104に対する操作内容に応じた制御信号(例えば発光部126に発光させるための制御信号など)を制御装置20から受信する。
【0071】
(2−1−3−3.受電部122)
受電部122は、外部の装置(例えばクレードルなど)から非接触で供給される電力を受信する。例えば、受電部122はコイルであり、かつ、受電部122は筐体40の延在方向に沿って筐体40内で巻回され得る。なお、前述したように筐体40はリング型であるので、巻回されたコイルを容易に筐体40内に配置することができる。従って、受電部122の設置スペースをできるだけ抑制することができる。
【0072】
(2−1−3−4.センサ部124)
センサ部124は、本開示における第1のセンサ部の一例である。センサ部124は、例えば、三軸加速度センサやジャイロセンサなどを含み得る。センサ部124は、コントローラ10の動きや姿勢などをセンシングし得る。
【0073】
なお、個々の内側操作ボタン104‐1、および/または、個々の外側操作ボタン104‐3に関連付けられる機能は、センサ部124によるセンシング結果(例えばコントローラ10の動きのセンシング結果など)に応じて、例えば制御装置20により変更され得る。
【0074】
(2−1−3−5.バッテリー128)
バッテリー128は、例えばリチウムイオン二次電池などの二次電池であり得る。バッテリー128は、制御部100の制御に従って、例えば受電部122により受信された電力を蓄電する(ワイヤレス充電)。なお、変形例として、バッテリー128は、乾電池などの一次電池であってもよい。
【0075】
なお、その他の構成要素の機能については、上記の説明と概略同様である。
【0076】
(2−1−3−6.ペアリング)
なお、前述したように、コントローラ10の操作対象の対象物30とコントローラ10とはペアリングされ得る。ここで、コントローラ10と対象物30とのペアリングの具体的な方法について説明する。例えば、個々のコントローラ10と個々の対象物30とのペアリングは予め設定されていてもよいし、または、例えば任意のタイミングでユーザが指定可能であってもよい。後者の場合、例えば
図14に示したように、該当のコントローラ10とペアリングさせることを希望する対象物30が、当該コントローラ10の中心(つまり、筐体40の内周よりも内側の開口部)に配置されることにより、例えば以下の2種類の方法を用いてペアリングが成立され得る。
【0077】
ここで、第1の方法は、対象物30からコントローラ10が受信する信号のRSSI(Received Signal Strength Indication)の値に基づいてペアリングを成立させる方法である。具体的には、まず、コントローラ10のセンサ部124は、コントローラ10の中心に配置された対象物30から受信される信号のRSSIの値を測定する。そして、制御部100は、測定されたRSSIの値を制御装置20へ通信部120に送信させる。その後、制御装置20は、受信したRSSIの値と所定の閾値とを比較し、そして、当該RSSIの値が当該所定の閾値以上である場合にのみ、当該コントローラ10と当該対象物30とをペアリングさせる。
【0078】
また、第2の方法は、コントローラ10と対象物30との間でNFC(Near Field Radio Communication)によりペアリングを成立させる方法である。具体的には、対象物30にはNFCのタグが設置され得る。そして、コントローラ10(の通信部120)と対象物30との間でNFCにより通信が成功した場合にのみ、当該コントローラ10と当該対象物30とがペアリングされ得る。
【0079】
<2−2.効果>
{2−2−1.効果1}
以上説明したように、本実施形態によるコントローラ10は、リング型の筐体40を有し得る。このため、例えば
図2に示した4種類の操作方法を全て実現可能である。例えば、ユーザがコントローラ10を水平に持つ場面において、コントローラ10を右手で操作する場合と左手で操作する場合とで操作性がほぼ同じである。
【0080】
{2−2−2.効果2}
また、コントローラ10が有するジョグダイヤル102は、所定の位置を基準として筐体40の延在方向に沿って摺動可能であり、かつ、当該所定の位置を基準として筐体40の周方向において回転可能である。このため、例えば片手持ちや両手持ちなど、任意の持ち方でコントローラ10を持つ場合であっても、ユーザはジョグダイヤル102を容易に操作することができる。
【0081】
また、ジョグダイヤル102は、筐体40の周方向に設置され得る。このため、例えばコントローラ10の持ち方をユーザが変えた場合であっても、ジョグダイヤル102を右手で操作する場合と左手で操作する場合とで操作性がほぼ同じである。
【0082】
<<3.変形例>>
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、上記実施形態が解決する課題の少なくとも一部が解決可能な構成に関しても、(本開示の変形例として)本開示の技術的範囲に属するものと理解されてよい。
【0083】
<3−1.変形例1>
例えば、前述した実施形態では、ラバー面44が筐体40に固定される例を中心として説明したが、かかる例に限定されず、ラバー面44は取り外し可能であってもよい。また、この場合、(標準の)ラバー面44の代わりに、別の種類のラバー面46が筐体40に取り付け可能であってもよい。
【0084】
例えば、
図15Aに示したように、内周側に2つのグリップ領域480を有するラバー面46aが(標準のラバー面44の代わりに)筐体40に取り付けられてもよい。これにより、コントローラ10の持ちやすさが向上し得る。
【0085】
または、
図15Bに示したように、例えば筒型の把持部482を中央に有するラバー面46bが(標準のラバー面44の代わりに)筐体40に取り付けられてもよい。これにより、ユーザは、筐体40の周方向だけでなく、把持部482を把持することも可能となる。例えば、ユーザは把持部482を持つことにより、ボクシングのように、ユーザの前方にコントローラ10を突き出したり、引込めることがより容易になる。
【0086】
または、
図15Cに示したように、内周側にトリガー484を有するラバー面46cが(標準のラバー面44の代わりに)筐体40に取り付けられてもよい。例えば、ユーザがトリガー484を操作することにより外側操作ボタン104‐3bを押下可能なように、ラバー面46cは筐体40に取り付けられてもよい。これにより、ユーザはトリガー484を引くことにより、外側操作ボタン104‐3bを操作することができる。
【0087】
<3−2.変形例2>
また、別の変形例として、コントローラ10には、可視光または赤外光を発する発光部126が複数設置されてもよい。そして、例えば制御装置20は、環境内に設置されるカメラ(図示省略)によるコントローラ10の撮影画像に基づいて、撮影時における発光部126の位置を認識することにより、コントローラ10の位置や姿勢を認識することも可能である。これにより、例えば任意の種類のゲーム機やVR(Virtual Reality)アプリケーションあるいはAR(Augmented Reality)アプリケーションなどにおいても、本実施形態によるコントローラ10を用いた操作が実現可能になる。なお、環境内に設置されるカメラとして、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)に設けられたカメラが利用されてもよい。この場合、制御装置20は当該HMDと一体的に構成されてもよく、また、コントローラ10は当該HMDに対して無線接続されるのが好ましい。
【0088】
<3−3.変形例3>
また、別の変形例として、コントローラ10を握る際のユーザの各指の位置に対応する筐体40の外面上の位置に、各指に対応するボタン(または圧力センサ)が複数設置されてもよい。この場合、例えば、制御装置20と通信可能な外部のディスプレイに仮想の手が表示される場面において、制御装置20は、当該複数のボタン(または圧力センサ)の各々に対するユーザのタッチ操作の検出結果に基づいて、当該仮想の手のジェスチャを変更可能としてもよい。
【0089】
<3−4.変形例4>
なお、制御装置20とコントローラ10とがケーブル22で接続されている場合にはコントローラ10の姿勢が制約されるので、ユーザは、コントローラ10の上下の方向性(つまり「上」がどちらであるか)を認識可能である。一方、制御装置20とコントローラ10とがケーブル22で接続されていない場合には、コントローラ10の上下の方向性をユーザが分からなくなる恐れがある。そこで、別の変形例として、筐体40の外面の所定の位置(例えば外側操作ボタン104‐3aなど)にはロゴマークが印刷されてもよい。これにより、仮に制御装置20とコントローラ10とがケーブル22で接続されていない場合であっても、コントローラ10の上下の方向性をユーザに認識させることができる。そして、コントローラ10を上下逆さまに持たないようにユーザに誘導することができる。
【0090】
また、コントローラ10の上下方向に関して対称に位置する2個の内側操作ボタン104‐1(および2個の内側操作ボタン104‐2)には、全て同じ機能が関連付けられてもよい。これにより、仮にコントローラ10を上下逆さまに持った場合でも、コントローラ10を上下方向に関して正しく持った場合と同じように操作することができる。
【0091】
<3−5.変形例5>
また、別の変形例として、コントローラ10は、例えば指輪型デバイス、腕輪型デバイス、または、腕時計型デバイスなどのウェアラブルデバイスであってもよい。ここで、指輪型デバイス、腕輪型デバイスは、完全な円形である必要は無く、ユーザの指または腕が挿通可能な形状を有していればよい。なお、前述したように、ジョグダイヤル102のうちの少なくとも一部は筐体40の凹部422に嵌合するとともに、ジョグダイヤル102の凹部422からの突出量は、筐体40の外面からの凹部422の深さと略同一であり得る。従って、筐体40の表面全体が略連続となり、突起が生じ得ない。このため、コントローラ10がウェアラブルデバイスとして利用される場合、装着感が良好であり、かつ、ユーザは例えばジョグダイヤル102などを容易に操作することができる。また、ウェアラブルデバイスとしてのコントローラ10は誤って落としてしまうという蓋然性が本質的に小さいので、ジェスチャ入力用のコントローラあるいはVR用コントローラとしても好適に用いられ得る。
【0092】
<3−6.変形例2、3、5の組み合わせ>
また、上記の通り、変形例5のウェアラブルデバイスとしてのコントローラ10は、上記の変形例2で述べたVRアプリケーションに対して好適に適用され得る。VRアプリケーション利用時においてユーザは実環境を直接視認できないため、コントローラ10を実空間で落としてしまうとそれを拾うことが難しくなる。このような課題に対し、ウェアラブルデバイスとしてのコントローラ10においては、コントローラ10の落下の蓋然性が本質的に小さいため、落下防止用ストラップ等の取り付けを省略することができる。なお、VR用コントローラとしての操作性の観点から、ウェアラブルデバイスとしてのコントローラ10は指輪型デバイスとして構成されることが好ましい。VRアプリケーションにおいてこのような構成が採用されることで、自然なジェスチャ入力(変形例3)およびコントローラ10の落下防止(変形例5)を両立させつつ、ユーザはジョグダイヤル102によるより詳細な入力操作も行うことができる。また、指輪型デバイスとしてのコントローラ10は、右利きであるか左利きであるかによらずその操作性が変化しない。従って、右手用コントローラ10と左手用コントローラ10とを制御装置20に認識させることにより、ユーザは右手のジョグダイヤル102と左手のジョグダイヤル102とで独立した操作入力を行うことが可能である。
【0093】
また、指輪型デバイスとしてのコントローラ10に変形例3の圧力センサを適用すれば、装着するコントローラ10が1つであっても複数種類のハンドジェスチャ(サイン)を入力することが可能である。例えば、ユーザが人差し指にコントローラ10を装着している場合、コントローラ10の上部の圧力センサと親指の接触に対してピンチジェスチャがディスプレイに表示されても良い。また、コントローラ10の下部の圧力センサと中指の接触に対してサムズアップジェスチャがディスプレイに表示されても良い。また、コントローラ10の上部の圧力センサと下部の圧力センサに対する親指と中指の同時接触に対してグラッブジェスチャをディスプレイに表示させても良い。このように、コントローラ10の上下に圧力センサを設けることで、少なくとも三種類のハンドジェスチャ入力を実空間のハンドジェスチャ動作に即して表示することが可能となる。もちろん、上記のハンドジェスチャはその他の操作入力に置き換えられてよい。また、圧力センサはその他の指の接触を検出可能なセンサに置き換えられてよく、前述の通りボタンによって置き換えられてもよい。また、圧力センサは上部または下部の少なくとも一方に設けられれば良い。
【0094】
指輪型デバイスにおいて、ジョグダイヤル102の反対側はユーザの指が実質的に触れない位置となる。このため、ジョグダイヤル102の反対側のコントローラ10の外周面にコントローラ10の電源スイッチが設けられることが好ましい。また、上記のようにコントローラ10の上下に圧力センサを設けてハンドジェスチャを行う場合、必然的にジョグダイヤル102は圧力センサの間に配置されることとなる。この構成においては、まず親指と中指が触れる位置に圧力センサの配置が規定され、次いで圧力センサ間のスペースの大きさによってジョグダイヤル102の大きさが規定される。
【0095】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0096】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
筐体と、
所定の位置を基準として前記筐体の延在方向に沿って摺動可能であり、前記所定の位置を基準として前記筐体の周方向において回転可能であり、かつ、前記筐体の外面に設けられた凹部に少なくとも一部が嵌合する操作部材と、
を有する、コントローラ。
(2)
前記コントローラは、前記操作部材が前記所定の位置から移動した場合に前記操作部材に対し前記所定の位置に向かう弾性力を付与するように構成された弾性部材をさらに有する、前記(1)に記載のコントローラ。
(3)
前記弾性部材は、前記延在方向において弾性変形するように構成された第1の弾性構造と、前記周方向において弾性変形するように構成された第2の弾性構造とを含む、前記(2)に記載のコントローラ。
(4)
前記弾性部材は、前記第1の弾性構造と前記第2の弾性構造とを備える一体成型された圧縮ばねである、前記(3)に記載のコントローラ。
(5)
前記第2の弾性構造は、前記周方向において第1方向に向かう弾性力を前記操作部材に付与する第1弾性部材と、前記周方向において前記第1方向とは反対の第2方向に向かう弾性力を前記操作部材に付与する第2弾性部材とによって構成される、前記(3)または(4)に記載のコントローラ。
(6)
前記筐体は、リング型である、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載のコントローラ。
(7)
前記コントローラは、
前記筐体内に設置され、かつ、前記筐体の外面が押下されることに基づいて操作を受け付ける第1の操作ボタンと、
前記筐体内の所定の面を基準として前記第1の操作ボタンと略対称な位置に設置され、かつ、前記筐体の外面が押下されることに基づいて操作を受け付ける第2の操作ボタンと、をさらに有し、
前記所定の面は、前記延在方向と平行であり、かつ、前記周方向に沿った前記筐体の断面の略中心を通る面である、前記(6)に記載のコントローラ。
(8)
前記コントローラは、複数の前記第1の操作ボタンと複数の前記第2の操作ボタンとを有し、
前記複数の前記第1の操作ボタンの各々は、前記複数の前記第2の操作ボタンのうちのいずれかと一対一に対応し、
前記複数の前記第2の操作ボタンの各々は、前記複数の前記第1の操作ボタンのうちの当該第2の操作ボタンに対応する第1の操作ボタンと、前記所定の面を基準として略対称な位置に設置される、前記(7)に記載のコントローラ。
(9)
前記コントローラは、前記コントローラの動きをセンシングする第1のセンサ部をさらに有し、
前記第1の操作ボタンおよび/または前記第2の操作ボタンに関連付けられる機能は、前記第1のセンサ部によるセンシング結果に応じて変更される、前記(7)または(8)に記載のコントローラ。
(10)
前記筐体の外面は、
前記筐体の外周側に配置され、かつ、ラバーよりも硬い物質によって構成された第1の面と、
前記筐体の内周側に配置され、かつ、前記ラバーによって構成された第2の面と、を含む、前記(7)〜(9)のいずれか一項に記載のコントローラ。
(11)
前記コントローラが他の物体の面に載置された場合には前記第2の面が前記他の物体の面に接する、前記(10)に記載のコントローラ。
(12)
前記第1の操作ボタンおよび前記第2の操作ボタンはそれぞれ、前記第2の面に対応する、前記筐体内の領域に設置され、
前記第1の操作ボタンおよび前記第2の操作ボタンはそれぞれ、前記第2の面が押下されることに基づいて操作を受け付ける、前記(10)または(11)に記載のコントローラ。
(13)
前記第1の面および前記第2の面はそれぞれ、前記所定の面を基準として略対称な形状である、前記(10)〜(12)のいずれか一項に記載のコントローラ。
(14)
前記操作部材の前記凹部からの突出量は、前記筐体の外面からの前記凹部の深さと略同一である、前記(6)〜(13)のいずれか一項に記載のコントローラ。
(15)
前記操作部材の外面は、前記筐体内の所定の面を基準として略対称の形状であり、
前記所定の面は、前記延在方向と平行であり、かつ、前記周方向に沿った前記筐体の断面の略中心を通る面である、前記(6)〜(14)のいずれか一項に記載のコントローラ。
(16)
前記コントローラは、前記延在方向に沿った前記操作部材の摺動量、および、前記周方向における前記操作部材の回転量をセンシングする第2のセンサ部をさらに有する、前記(1)〜(15)のいずれか一項に記載のコントローラ。
(17)
前記操作部材は磁石をさらに有し、
前記第2のセンサ部は、周囲の磁束密度をセンシングすることにより、前記操作部材の前記摺動量および前記操作部材の前記回転量をセンシングする、前記(16)に記載のコントローラ。
(18)
前記コントローラは、前記筐体内に設けられた支持軸をさらに有し、
前記操作部材は嵌合穴を有し、
前記支持軸は前記嵌合穴に挿通されている、前記(1)〜(17)のいずれか一項に記載のコントローラ。
(19)
前記コントローラは、
前記操作部材に対する操作に応じた信号を外部の装置から受信する受信部と、
発光部と、
受信された信号に基づいて前記発光部に発光させる制御部と、をさらに有する、前記(1)〜(18)のいずれか一項に記載のコントローラ。
(20)
前記コントローラは、
前記延在方向に沿って前記筐体の内部で巻回され、かつ、外部の装置から非接触で供給される電力を受信する受電部と、
前記受電部により受信された電力を蓄電するバッテリーと、をさらに有する、前記(1)〜(19)のいずれか一項に記載のコントローラ。