特許第6795695号(P6795695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795695
(24)【登録日】2020年11月16日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】内視鏡およびキャップ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20201119BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20201119BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20201119BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A61B1/00 715
   A61B1/018 514
   A61B1/00 652
   G02B23/24 A
   G02B23/26 C
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-519303(P2019-519303)
(86)(22)【出願日】2018年1月17日
(65)【公表番号】特表2019-531145(P2019-531145A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(86)【国際出願番号】IB2018000015
(87)【国際公開番号】WO2018134667
(87)【国際公開日】20180726
【審査請求日】2019年4月9日
(31)【優先権主張番号】102017100864.0
(32)【優先日】2017年1月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーバッハ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】コルベルグ,ステファン
【審査官】 北島 拓馬
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−136298(JP,A)
【文献】 特開2007−135881(JP,A)
【文献】 特開2002−017655(JP,A)
【文献】 特開平10−146314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
A61B 8/00 − 8/15
G02B 23/24 −23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ器具を挿通するための作業通路(11)を備える内視鏡ヘッド(1)と、
前記内視鏡ヘッド(1)の遠位の側に装着可能なキャップ(4)と、
前記作業通路(11)を通して挿通可能な器具が前記内視鏡ヘッド(1)の横方向へ偏向するために接触することができる器具案内面(20)を備える、前記キャップ(4)に回転可能に支承されたアルバランレバー(2)と、
前記アルバランレバー(2)の回転軸から離れた場所に配置された磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体と、
前記アルバランレバー(2)に向かい合うように設けられる、前記内視鏡ヘッド(1)の遠位の端部区域に回転可能に支承されて近位の側から操作可能な旋回レバー(3)と
前記旋回レバー(3)に配置された磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体とを有し、
前記アルバランレバー(2)は前記旋回レバー(3)から間隔をおいており、前記旋回レバー(3)の旋回は、前記アルバランレバー(2)が前記旋回レバー(3)と接触せずに一緒に旋回することを惹起する内視鏡。
【請求項2】
前記旋回レバー(3)は前記内視鏡ヘッド(1)のハウジング(16)の内部に配置され、
前記アルバランレバー(2)は前記内視鏡ヘッド(1)の前記ハウジング(16)の外部に配置される、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記アルバランレバー(2)の回転軸と前記旋回レバー(3)の回転軸は仮想的な1つの線の上に配置される、請求項1または2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記旋回レバー(3)は牽引ワイヤによって操作可能である、請求項1からのいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記アルバランレバー(2)はプラスチックから製作され、
前記アルバランレバー(2)に磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が挿入される、請求項1からのいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記アルバランレバー(2)は、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が分散されたプラスチックから製作される、請求項1からのいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項7】
マイクロ器具を挿通するための作業通路(11)を備える内視鏡ヘッド(1)と、前記内視鏡ヘッド(1)の遠位の端部区域に回転可能に支承されて近位の側から操作可能であり、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が配置された旋回レバー(3)とを備える内視鏡の、前記内視鏡ヘッド(1)の遠位の側に装着可能であるキャップ(4)において、
前記キャップ(4)は
前記作業通路(11)を通して挿通可能な器具が前記内視鏡ヘッド(1)の横方向へ偏向するために接触することができる器具案内面(20)を備え、前記旋回レバー(3)と向かい合うように設けられて、前記キャップ(4)に回転可能に支承されたアルバランレバー(2)と、
前記アルバランレバー(2)の回転軸から離れた場所に配置された磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体とを有し、
前記アルバランレバー(2)は前記旋回レバー(3)から間隔をおいており、前記旋回レバー(3)の旋回により、前記アルバランレバー(2)が前記旋回レバー(3)と接触せずに一緒に旋回するキャップ(4)
【請求項8】
前記キャップ(4)はプラスチックから製作される、請求項に記載のキャップ(4)。
【請求項9】
前記アルバランレバー(2)はプラスチックから製作され、
前記アルバランレバー(2)に磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が挿入される、請求項またはに記載のキャップ(4)。
【請求項10】
前記アルバランレバー(2)は、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が分散されたプラスチックから製作される、請求項からのいずれか1項に記載のキャップ(4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡およびキャップに関する。より厳密に言うと本発明は、マイクロ器具を挿通するための作業通路と、内視鏡ヘッドに回転可能に配置されるアルバランレバーとを備えた内視鏡ヘッドを有する内視鏡および、内視鏡ヘッドに装着可能なキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなアルバランレバーは、内視鏡において、たとえば食道あるいは十二指腸、胆管、胆のう、膵管、膵臓などを検査するために利用することができる。
このような内視鏡は光学系(照明装置とカメラ)を有する。さらに内視鏡は作業通路の出口のところに、作業通路に差し込まれる器具の的確な方向転換を旋回によって可能にするアルバランレバーを有する。
【0003】
内視鏡の使用後、内視鏡は前処理が施される。このような前処理はバクテリア、ウイルス、真菌類、虫、あるいはカビなどのあらゆる細菌や微生物の伝播を確実に排除しなければならない。前処理の際には、有機物質や化学品の残滓を残留物なしに取り除くために、まず内視鏡が手作業で洗浄される。洗浄後、機械式の殺菌または滅菌が行われる。このようにして、内視鏡の使用時に内視鏡が接触した細菌や微生物などが、次回の使用時に患者へ伝播するのを回避することが意図される。
【0004】
たとえば特許文献1は、アルバランレバーを有する内視鏡を開示している。より厳密に言うとこの内視鏡は、内視鏡から取外し可能な支持体を有していて、これにアルバランレバーが、支持体で支持される軸に旋回可能に配置されている。アルバランレバーの旋回は、アルバランレバーに定着されて内視鏡に挿通される牽引ワイヤを介して惹起される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許第19627016C1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、内視鏡が接触した細菌が次回の使用時に患者へ伝播することがいっそう良好に回避される内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の構成要件を有する内視鏡によって解決される。好ましい発展例は従属請求項の対象である。
【0008】
本発明による内視鏡は、マイクロ器具を挿通するための作業通路を備える内視鏡ヘッドと、作業通路を通して挿通可能な器具が内視鏡ヘッドの横方向へ偏向するために接触することができる器具案内面を備える、内視鏡ヘッドに回転可能に配置されたアルバランレバーと、アルバランレバーに向かい合うように設けられる、内視鏡ヘッドの遠位の端部区域に配置されて近位の側から操作可能な旋回レバーとを有する。アルバランレバーは旋回レバーから間隔をおいている。旋回レバーの旋回は、アルバランレバーが旋回レバーと接触せずに一緒に旋回することを惹起する。
【0009】
この内視鏡では、アルバランレバーは旋回レバーと接触せずに一緒に旋回する。さらに、アルバランレバーの旋回を惹起する旋回レバーと、アルバランレバー自体とが互いに分離されて配置される。
旋回レバーは内視鏡ヘッドのハウジングの内部に配置されていてよく、アルバランレバーは内視鏡ヘッドのハウジングの外部に配置されていてよい。アルバランレバーが使用時に細菌などとの接触に暴露されるとき、アルバランレバーの旋回を惹起する旋回レバーは内視鏡ヘッドのハウジングの中に隠れたままに保たれ、細菌などとの接触に暴露されることがない。アルバランレバーから旋回レバーへ、さらに旋回レバー操作手段への細菌の伝播が行われることがない。
【0010】
アルバランレバーは、内視鏡ヘッドの遠位の端部区域に回転可能に支承されていてよい。このようなアルバランレバーは、内視鏡ヘッドから取外し可能に設けられていてよい。
さらに、別案として内視鏡は、内視鏡ヘッドの遠位の側に装着可能なキャップを有することができ、アルバランレバーはこのキャップに回転可能に支承されていてよい。
【0011】
アルバランレバーは、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体を有することができ、旋回レバーは、磁場によって影響を与えることが可能な物体、または磁性体を有することができる。それにより、アルバランレバーが旋回レバーと接触せずに一緒に旋回することが可能となる。アルバランレバーが旋回レバーと接触せずに一緒に旋回する、これ以外の技術的な解決法も適用可能である。
【0012】
アルバランレバーの回転軸と旋回レバーの回転軸は、仮想的な1つの線の上に配置されていてよい。旋回レバーは牽引ワイヤによって操作可能であってよい。
アルバランレバーはプラスチックから製作されていてよく、アルバランレバーには、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が挿入されていてよい。
アルバランレバーは、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が中に分散されたプラスチックから製作されていてよい。
【0013】
内視鏡ヘッドの遠位の側に装着可能である本発明によるキャップは、これに回転可能に支承されるアルバランレバーを有しており、アルバランレバーは磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体を有している。このようなキャップは、使用後にキャップをアルバランレバーとともに処分できることを可能にし、それに対して、アルバランレバーの運動を引き起こす部材はアルバランレバーとは別個に設計可能であり、アルバランレバーとは別に取り扱うことができる。
【0014】
キャップはプラスチックから製作されていてよい。このようにしてキャップが低コストになり、このことはキャップの一回だけの使用を可能にする。
アルバランレバーはプラスチックから製作されていてよく、アルバランレバーには、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が挿入されていてよい。
アルバランレバーは、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が中に分散されたプラスチックから製作されていてよい。
【0015】
上に説明した本発明の各態様を適切に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例のキャップを示す模式的な斜視図である。
図2図1のキャップを示す模式的な縦割りの図である。
図3図1のキャップを有する内視鏡ヘッドを示す模式的な斜視図であり、ここではキャップが縦割りで示されており、アルバランレバーは第1の遠位の位置にある。
図4】本実施例のキャップを有する内視鏡ヘッドであり、アルバランレバーは第2の位置で遠位の位置から持ち上げられている。
図5図4のキャップを有する内視鏡ヘッドであり、キャップが縦割りで示されている。
図6】本実施例の内視鏡ヘッドを示す模式的な斜視図であり、内視鏡ヘッドが縦割りで示されており、アルバランレバーは第1の遠位の位置にあり、アルバランレバーはキャップなしで示されている。
図7図6に類似する模式的な斜視図であり、アルバランレバーは第2の位置で持ち上げられている。
図8図6に類似する模式的な斜視図であり、アルバランレバーは第3の位置でさらに大きく持ち上げられている。
図9図6のような内視鏡ヘッドをアルバランレバーの側から示す図である。
図10図7のような内視鏡ヘッドをアルバランレバーの側から示す図である。
図11図8のような内視鏡ヘッドをアルバランレバーの側から示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下において、図面を参照しながら実施例を用いて本発明を詳しく説明する。
【0018】
実施例
以下において、図1図11を参照しながら本発明の一実施例について説明する。
本発明による内視鏡は内視鏡ヘッド1を有している。
まず、各図面を参照しながら内視鏡ヘッド1について説明する。
【0019】
本発明による内視鏡ヘッド1は円筒状のハウジング16を有しており、特に、内視鏡ヘッド1の長手方向に沿って互いに平行にそれぞれ延びる、作業通路11と図示しないワイヤ牽引通路とを有している。ワイヤ牽引通路は牽引ワイヤ5を挿通する。牽引ワイヤ5は、あとで説明するアルバランレバー2を操作するための役目を果たす。作業通路11は、たとえば食道あるいは十二指腸、胆管、胆のう、膵管、膵臓などを検査するためのマイクロ器具を挿通する。
【0020】
内視鏡ヘッド1はその外側円周に円周溝13を有しており、キャップ4が内視鏡ヘッド1に配置されるときに、あとで説明するキャップ4の環状の突起がこの円周溝の中に入る。
内視鏡ヘッド1は遠位の側に(円周溝13の遠位に)光学系延伸部12を有していて、これにカメラ17と照明装置18が周知の仕方で設けられており、この光学系延伸部12は図1では平面図の左側に示されている。光学系延伸部12は、カメラと照明を備えた側面区域を形成する。牽引ワイヤ5は光学系延伸部12の中まで延びている。換言すると光学系延伸部12は、カメラと照明を備えたハウジング突出部である。このハウジング突出部は、マイクロ器具の位置と操作運動をカメラ17の視界に良好に収めるために、アルバランレバー2の横に並んで配置されている。
【0021】
作業通路11は遠位端から間隔をおく内視鏡ヘッド1の区域で終わっており、そこで作業通路の遠位の出口開口部111を形成する。
作業通路11の遠位の出口111の遠位側に、内視鏡ヘッド1に対して相対的に旋回することができるアルバランレバー2が配置される。このように作業通路11は、遠位の方向でアルバランレバー2に向かって延びている。
【0022】
内視鏡ヘッド1は、内視鏡ヘッド1の遠位の領域に回転可能に支承された旋回レバー3を有している。本実施例では、旋回レバー3は光学系延伸部12に回転可能に支承されている。
【0023】
以下において、旋回レバー3について詳しく説明する。旋回レバー3は光学系延伸部12に格納されている。厳密に言うと光学系延伸部12はその内部に、すべての側で閉じられた旋回レバー・中空スペース120を構成する。この旋回レバー・中空スペース120の近位の側だけが、上に述べたワイヤ牽引通路とつながっている。換言すると、ワイヤ牽引通路は旋回レバー・中空スペース120に連通する。旋回レバー・中空スペース120は、向かい合う2つの側壁(そのうち一方は図6に示す壁部122である)、両方の側壁をつなぐ2つの被覆壁(上側の壁と下側の壁)、遠位の端部壁、および近位の壁で取り囲まれる。近位の壁に、ワイヤ牽引通路の連通部が設けられる。
【0024】
この旋回レバー・中空スペース120に、旋回レバー3が回転可能に支承されている。旋回レバー・中空スペース120の上方に、カメラ17と照明装置18が配置されている。図3を参照。
【0025】
図6は、旋回レバー・中空スペース120の中で支承された旋回レバー3を示す。図面のより良い見やすさのために、図6では旋回レバー・中空スペース120の壁122だけが示されている。壁122は内視鏡の長手方向に延びて、旋回レバー・中空スペース120の側壁を形成する。壁122は、旋回レバー・中空スペース120をアルバランレバー構造領域から分離する。
【0026】
旋回レバー3は、貫通孔としての穴31と、貫通孔としての穴32とを有する。穴31は磁性部材6を配置するための役目を果たす。穴32は、壁120から延びる回転軸130を収容するための役目を果たす。
さらに旋回レバー3は、ワイヤ牽引ニップル51のための配置空間を構成する爪33を有している。爪33によって構成される配置空間の中に、ワイヤ牽引ニップル51が挿入される。ワイヤ牽引ニップル51は牽引ワイヤ5と結合されていて、牽引ワイヤ5の遠位端を形成する。このようにして旋回レバー3は、牽引ワイヤ5が引っ張られたときに回転軸130を中心として回転可能である。
【0027】
内視鏡ヘッド1の遠位の区域で、内視鏡ヘッド1の外側円周に本発明による保護キャップ4が装着される。
以下において、保護キャップ4について説明する。
【0028】
保護キャップ4は底面を備える円筒として構成される。換言すると、保護キャップ4はカップ形である。このカップ形は、保護キャップ4の遠位の側に設けられる底面と、周回する側壁とを有する。カップ形の大きさは、作業通路11の遠位の出口111とアルバランレバー構造領域とが覆われるように、保護キャップ4を内視鏡ヘッド1の外側円周にセットできるように選択される。このようにして、キャップ4によって光学系延伸部12も覆われる。
【0029】
保護キャップ4は、カメラ17や照明装置18への光学的なアクセスを保証する窓41を有する。図1および図3を参照。
保護キャップ4はプラスチックから、たとえば射出成型法や3Dプリンタを用いて製作される。
【0030】
窓41は、保護キャップ4の側壁の平坦に構成された区域に設けられる。保護キャップ4が内視鏡ヘッド1に配置されたとき、保護キャップ4の側壁の平坦に構成された区域はアルバランレバー2の上方にある。窓41を通してマイクロ器具を押し込むことができる。さらにキャップ4は、照明装置18が窓41を通して光を照射し、カメラ17が窓41を通して画像を記録するように内視鏡ヘッド1に配置される。
【0031】
保護キャップ4は遠位の開口部42を有する。キャップ4の遠位の開口部42に、(図示しない)リング状の突起が内側円周面に構成される。リング状の突起は、内視鏡ヘッド1にある円周溝13との係合のための係合装置を形成する。
保護キャップ4の中でアルバランレバーが回転可能に配置される。そのために保護キャップ4の側壁に、保護キャップ4の内部へと延びるアルバランレバー回転軸44が設けられている。アルバランレバー回転軸44にアルバランレバー2が配置される。
以下において、アルバランレバー2について説明する。
【0032】
図2には、アルバランレバーが横から見た斜視図で示されている。
アルバランレバー2は器具案内面20を有していて、内視鏡ヘッド1の作業通路11を通して挿通可能な器具が内視鏡ヘッド1の横方向へ(図3では上方に向かって)偏向するためにこれに接触することができ、それによりマイクロ器具をたとえば胆管へ挿入することができる。アルバランレバー2が内視鏡ヘッド1に組み付けられているとき、器具案内面20は作業通路11の遠位の端部開口部111に向かい合う。図3を参照。
【0033】
アルバランレバー2は近位の側にベース区域22を有している。ベース区域22は、アルバランレバー2が組付位置にあるときに近位の方向へ延びる。
ベース区域22の近位の領域に、回転軸収容穴23が設けられている。回転軸収容穴23にアルバランレバー回転軸44が挿入される。このように、アルバランレバー2はアルバランレバー回転軸44を中心として回転可能である。
【0034】
アルバランレバー2の遠位の領域では、アルバランレバー2に穴24が構成されている。穴24の中に、磁場によって影響を与えることが可能な物体としての鉄部材7が配置されている。鉄部材7は、ここでは磁場によって影響を与えることが可能な物体の一例として理解されるべきものである。
【0035】
キャップ4が内視鏡ヘッド1に組み付けられているとき、旋回レバー3とアルバランレバー2は、アルバランレバー回転軸44と回転軸130とがほぼ等しい中心軸上に位置するような相対位置にある。さらに、旋回レバー3の磁性部材6とアルバランレバー2の鉄部材7は互いに隣接しながら、壁122によって分離されるように配置される。
【0036】
特にこの構造は、旋回レバー3の磁性部材6がアルバランレバー2の鉄部材7に対して磁気的な吸引力を及ぼすように設計される。
アルバランレバー2は同じくプラスチックから、たとえば射出成型法や3Dプリンタを用いて製作されていてよい。
【0037】
発明の機能
本発明による内視鏡は次のように適用される。
新しい内視鏡または洗浄されて滅菌された内視鏡が準備される。新しい本発明によるキャップ4が、挿入されたアルバランレバー2とともに、内視鏡ヘッド1の遠位の端部区域にセットされる。このとき、キャップ4の遠位の開口部42のリング状の突起が内視鏡ヘッド1にある円周溝13に係合し、そこで係止される。
【0038】
内視鏡ヘッド1に装着された状態のとき、カメラ17と照明装置18は窓41を通して露出する。キャップの近位の開口部32は、係止装置を介して、内視鏡ヘッド1の外側円周に密閉式に当接する。アルバランレバー2と旋回レバー3は操作されていない位置にあり、すなわち、遠位の位置である第1の位置にある。図3図6および図9をそれぞれ参照。
【0039】
内視鏡を検査または処置の目的のために患者へ挿入することができる。
たとえば胆管の開口部に向き合う十二指腸などの所望の場所まで内視鏡が挿入されると、胆管の開口部の領域を照明装置18とカメラ17によって照明して撮影することができる。
【0040】
そして、マイクロ器具を作業通路11に押し込むことができる。マイクロ器具は、たとえばガイドワイヤ、生検ピンセット、ステントシステム、カテーテルシステム、パピロトームなどであり得る。
マイクロ器具は作業通路11の遠位の出口開口部111を通して押し込まれ、アルバランレバー2の器具案内面20に達する。
【0041】
そして、マイクロ器具のそれ以上の前進運動をサポートするためにアルバランレバー2が旋回する。
この目的のために、牽引ワイヤ5を引っ張ることで、旋回レバー3が第1の遠位の位置から、旋回レバー3が若干持ち上げられた第2の位置へと移る。旋回レバー3の磁性部材6がアルバランレバー2の鉄部材7に対して磁気的な吸引力を及ぼすので、アルバランレバー2は旋回レバー3の回転運動に追従する。このようにアルバランレバー2も、アルバランレバー2が若干持ち上げられた第2の位置へと動く。図4図5図7および図10をそれぞれ参照。
【0042】
牽引ワイヤ5をさらに引っ張ることで、旋回レバー3を第2の位置から、旋回レバー3がさらに強く持ち上げられる第3の位置へと移すことができる。旋回レバー3の磁性部材6がアルバランレバー2の鉄部材7に対して磁気的な吸引力を及ぼすので、アルバランレバー2はふたたび旋回レバー3の回転運動に追従する。このようにアルバランレバー2も、アルバランレバー2がさらに強く持ち上げられる第3の位置へと動く。図8および図11をそれぞれ参照。
【0043】
このように牽引ワイヤ5の交互の引張運動と弛緩運動により、近位の側に近づくように、および遠位の側に近づくように行われるアルバランレバー2の交互の旋回を惹起することができる。
【0044】
発明の効果と利点
本発明は、牽引ワイヤ5から空間的に分離された簡素で低コストな保護キャップ4を提供する。アルバランレバーはその幾何学的構造に基づいて数多くのアンダーカットを提供し、使用時にこれらに細菌などが付着する可能性があり、集中的な洗浄と滅菌をしてもこれがアルバランレバーに残るかもしれない。しかし、アルバランレバー2そのものが、本発明では保護キャップ4の中に配置される。保護キャップ4をアルバランレバー2とともに、使用後に処分することができる。
【0045】
光学系延伸部12の表面は平坦であり、容易に洗浄することができる。
このように本発明による保護キャップ4は、次回の使用時における次回の患者への、内視鏡の使用時に内視鏡が接触した細菌などの伝播が回避される手段を形成する。
アルバランレバー2は使い捨て部品として構成して処分することができる。別案として、アルバランレバー2を保護キャップ4から引き出して、洗浄と滅菌に回すことができる。
【0046】
内視鏡ヘッド中でワイヤ牽引通路が封止されており、牽引ワイヤ5は周囲に対して完全に封止される。ワイヤ牽引通路と牽引ワイヤの封止は水密である。したがって、細菌がワイヤ牽引通路に侵入し得ることや、牽引ワイヤ5と接触し得ることが回避される。
【0047】
代替案
本実施例では、旋回レバー3は光学系延伸部12で回転可能に支承される。別案では、内視鏡ヘッドはその遠位の端部領域に、旋回レバー3が回転可能に支承される、光学系延伸部12と平行に延びる旋回レバー延伸部を有することができる。そして光学系延伸部12と旋回レバー延伸部との間の空間に、アルバランレバー配置空間が構成される。
【0048】
そして付属のキャップは、キャップが内視鏡ヘッドに装着されたとき、アルバランレバーがアルバランレバー配置空間で回転可能に保持されるように適合化される。たとえば、窓41と向かい合うキャップ4の内面から延びる軸受支柱が、アルバランレバーを回転可能に支持することができる。この代替案では、旋回レバー3のための設計スペースが旋回レバー延伸部のほうを向くことができる。
【0049】
穴31と穴32は貫通孔である必要はない。穴31と穴32は、それぞれ止まり穴として構成されていてよい。それぞれの止まり穴は、図6で観察者と反対を向くほうの側で旋回レバー3に構成されるのが好ましい。
【0050】
本実施例ではアルバランレバー2に、磁場によって影響を与えることが可能な物体として鉄部材7が配置される。さらに旋回レバー3に磁性部材6が配置される。本発明はこれだけに限定されるものではない。磁性部材6がアルバランレバー2に配置されていてよく、鉄部材7が旋回レバー3に配置されていてよい。設計スペースが存在する場合には、アルバランレバー2および/または旋回レバー3に、内視鏡の近位の側から励起可能である電磁石が配置されていてもよい。旋回レバー3の旋回運動がアルバランレバー2の相応の追従運動を引き起こす程度に強い磁場が生成され、または存在しているだけで足りる。
【0051】
本実施例では、アルバランレバー2はキャップ4の中に配置される。別の代替案では、アルバランレバー2はキャップ4から分離されて、内視鏡ヘッド1の遠位の領域で壁122に配置されていてよい。厳密に言うと、回転軸130が壁122を貫いており、旋回レバー3が据え付けられる回転軸130の軸端区域に対して反対を向いている回転軸130の軸端区域に、アルバランレバー2を取外し可能に装着することができる。
【0052】
本実施例ではアルバランレバー2はプラスチックから製作されて、鉄部材7のための穴24が付与される。別案ではアルバランレバーは、磁性体、または磁場によって影響を与えることが可能な物体が分散されたプラスチックから製作されていてよい。
【符号の説明】
【0053】
1 内視鏡ヘッド
2 アルバランレバー
3 旋回レバー
4 キャップ
5 牽引ワイヤ
6 磁性部材
7 鉄部材
11 作業通路
12 光学系延伸部
13 円周溝
16 内視鏡ヘッドのハウジング
17 カメラ
18 照明装置
20 器具案内面
22 ベース区域
23 回転軸収容穴
24 鉄部材のための穴
31 磁性部材のための穴
32 回転軸のための穴
33 ワイヤ牽引ニップルのための爪
41 窓
42 遠位の開口部
44 アルバランレバー回転軸
51 ワイヤ牽引ニップル
111 作業通路の遠位の出口
120 旋回レバー・中空スペース
122 壁
130 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11