【発明が解決しようとする課題】
【0006】
食品等の加工は、除菌、柔らかさなど物性の変化、糖化など化学変化を起こさせ、食べ易さと消化を促すために加熱加工を行う。大量の食品を加工し生産する場合は、加熱蒸気により加熱加工を行うのが通例である。
通常使用する蒸気は、水源又は水道の水をボイラーで沸かし加熱蒸気として、そのまま使用するのが一般的である。
しかし、その場合の加熱では酸化による変性で、抗酸化機能成分の破壊など大きく品質低下を起こしているのが現状である。
これを回避するには、高温加熱する熱源である加熱蒸気に還元力を付与することが必要であり、還元蒸気による加熱方法はまだ開発されていない。
本件出願の課題は、加熱蒸気に水素ガスを混合させて還元力を有する蒸気であり、その蒸気の生成方法と製造装置、その蒸気を用いた還元蒸煮加熱方法及び、蒸し方法とそれらの装置、更にその蒸気を用いてうどん、パン、歯磨きその他の練り込みを必要とする工程の還元練り込み方法とその装置である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ボイラーで蒸気を発生させ、その蒸気を断熱性通導パイプで、断熱エジェクターへ送り、水素供給装置から断熱エジェクターへ水素ガスを送り、蒸気と水素ガスを混合し、蒸気ガス均質化装置で、均質な水素ガスを含む蒸気を生成して得られる還元蒸気を用いる。
この還元蒸気は、100℃〜120℃の温度で強力な還元力を有し、断熱性の通導パイプで蒸気の水滴化を防止して送気し、食品、飲料、医薬品、化粧品、その他の産業上還元作用を必要とする加熱処理に供給することを可能とする。
【0008】
還元蒸気は
図1に示す通り、ボイラー1で蒸気を発生させ、その蒸気を断熱通導パイプ2で、断熱エジェクター3へ送り、水素供給装置8から、断熱エジェクター3へ水素ガスを送り、断熱エジェクター3で蒸気と水素ガスを混合し、
蒸気ガス均質化装置4で均質な水素ガスを含む蒸気を生成する方法と、還元蒸気を必要とする各種加工装置へ、断熱通導パイプ5で送気し、還元蒸気7を還元蒸気噴射ノズル6で噴射する工程を有する還元蒸気製造方法を提供する。
【0009】
還元水蒸気は
図1に示す通り、ボイラー1で蒸気を発生させ、その蒸気の熱を防散する機能(以後断熱と称する)通導パイプ2で、断熱エジェクター3へ送り、
水素供給装置8から、断熱エジェクター3へ水素ガスを送り、断熱エジェクター3で蒸気と水素ガスを混合し、蒸気ガス均質化装置4で均質な水素ガスを含む蒸気を生成する装置と、還元蒸気を必要とする各種加工装置へ、断熱性通導パイプ5で送気する工程を有する還元蒸気製造装置を提供する。
【0010】
還元蒸気は、食品加工、医薬品製造、化粧品製造の加熱段階で、その強い還元作用で素材に含まれる抗酸化機能性化合物を安定的に保存させ、機能性の高い食品、医薬品、化粧品を生産することを可能としている。
製造過程は、ボイラー1で蒸気を発生させ、その蒸気を断熱通導パイプ2で、断熱エジェクター3へ送り、水素供給装置8から、断熱エジェクター3へ水素ガスを送り、断熱エジェクター3で蒸気と水素ガスを混合し、蒸気ガス均質化装置4で均質な水素ガスを含む還元蒸気を生成する。
次に、断熱性通導パイプ5で還元蒸気を蒸煮釜17に導き、釜内で液状又は固形状材料18へ向けて還元蒸気噴射口6から蒸気を噴射して加熱蒸煮する。これらの技術を組み合わせて、素材の酸化を防止する抗酸化還元加熱方法と還元加熱装置を提供する。
【0011】
抗酸化還元蒸煮方法に使用する装置としては
図2に示す通り、ボイラー1で蒸気を発生させ、その蒸気を断熱通導パイプ2で、断熱エジェクター3へ送り、水素供給装置8から、断熱エジェクター3へ水素ガスを送り、断熱エジェクター3で蒸気と水素ガスを混合し、蒸気ガス均質化装置4で均質な水素ガスを含む蒸気を生成する装置で還元蒸気を生成する。
次に、これに断熱通導パイプ5で接続し、還元蒸煮釜Aの還元蒸気噴射口6又は、還元蒸し器Bの還元蒸気噴射口6を組み合わせ、抗酸化還元蒸煮し法と、還元蒸し装置を提供する。
【0012】
食品加工、医薬品製造、化粧品製造の練り製品は、固形材料の加熱練り込みに際し、抗酸化加熱練り込み加工で機能性成分の酸化分解を防ぐ。
抗酸化加熱練り込み加工は、練り釜底22又は練機のヘラ27に還元蒸気の噴射口28を設け、加工素材へ還元水蒸気を吹き付けながら、練り込み作業を行う方法である。
詳しくは、ボイラー1で蒸気を発生させ、その蒸気を断熱通導パイプ2で送り、断熱エジェクター3でと水素ガスを混合し、混合した還元蒸気を蒸気ガス均質化装置4で均質な水素ガスを含む蒸気を生成する装置で還元蒸気を生成する。
これと接続する還元蒸気を練り込み装置Cの還元水蒸気噴射口22、又は、練り込み装置Dの還元水蒸気噴射口28へ断熱通導パイプ26で送り、練り釜底の還元蒸気噴射口22又は、練り込み装置のヘラ27の還元蒸気噴射口28から、還元蒸気を噴射して可塑性材料30を練り込む。
以上還元蒸気の生成方法と、練り釜底の還元蒸気噴射口22又は、練り込み装置のヘラ27の還元蒸気噴射口28から、還元蒸気を噴射する方法を組み合わせ、抗酸化還元煮練り方法を提供する。
【0013】
抗酸化還元煮練り方法に使用する装置としては、
図3に示す通り、ボイラー1で蒸気を発生させ、その蒸気を断熱通導パイプ2で、断熱エジェクター3へ送り、
水素供給装置8から、断熱エジェクター3へ水素ガスを送り、断熱エジェクター3で蒸気と水素ガスを混合し、蒸気ガス均質化装置4で均質な水素ガスを含む蒸気を生成する装置で還元蒸気を生成する。
次に、これに断熱通導パイプ5で還元煮練り装置C及びDに接続し、還元煮練り装置Cでは、釜底から還元水蒸気の噴射口22又は、練り込み装置Dのヘラ27に噴射口28を設け、練り込み材料(可塑性材料)30への酸化を防止しながら練り込む。
還元煮練り装置Dではヘラ28の噴射口27からの還元蒸気の噴出は、ヘラ27が釜内の中間の位置になった時、すなわち練り込み初めから練り込みが終わる位置の間で、還元蒸気が吹き出す構造を採用している。
このように、還元煮練り装置Dではヘラ27の噴射口28から、還元蒸気が練り込み材料(可塑性材料)30へ向けて噴き出す抗酸化還元練り込み装置を提供する。
実施例1
【0014】
還元蒸気の性質の検討
1)試験の方法
小型蒸気発生装置を用い、蒸気をパイプに導き、パイプの途中にエジェクターを設置して、エジェクターの吸気部と水素供給装置を連結した。
蒸気を発生させて、この蒸気にエジェクターで水素ガスを混入させ、噴射口から還元蒸気を噴射した。
蒸気の性質を調べる方法は、酸化条件下では赤褐色を示し、還元条件下では灰色〜暗青色を示す、酸化鉄(鉄錆)を用い、還元蒸気を吹き付ける。
2)試験の結果
赤褐色の酸化鉄(鉄錆)へ還元蒸気を吹き付けると、瞬間的に酸化鉄は黒灰色〜青灰色に変化し、還元鉄を生成することが確認された。
すなわち、還元蒸気は強い還元力で蒸煮する物質の成分を瞬間的に還元条件へ変化させる機能を有することが判明した。
実施例2
【0015】
還元蒸煮による蒸米の性質の変化
1)試験の方法
最初、原料米を水で洗浄後3時間浸漬し、水を切って蒸し器に載せ、還元蒸気で蒸煮する。
蒸煮装置は、小型蒸気発生装置を用い、蒸気をパイプに導き、パイプの途中にエジェクターを設置して、エジェクターの吸気部と水素供給装置を連結する。
蒸煮は、ボイラーで蒸気を発生させて、この蒸気にエジェクターで水素ガスを混入させ、蒸気ガス均質化装置で蒸気ガスを馴染ませ、蒸し器の下から、噴射口で還元蒸気を原料米へ向け噴射する。対照区は通常蒸気を使用する。
調査は、蒸米の色調で判別し、加熱による褐変の程度で酸化が起こっているか、還元が起こっているかを判別する。
2)試験の結果
蒸米の色調は、対照の通常の蒸気加熱と、還元蒸気加熱を比較した結果、還元蒸気加熱を行った蒸し米の白度が白く、明らかに抗酸化成分の酸化防止が起こっていることが判明した。