(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以
下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理
解されるべきである。
【0026】
[1]第1のシート形状付与具:
本発明のシート形状付与具の一の実施形態は、
図1に示すシート形状付与具100である。このシート形状付与具100は、シート収納箱1に収納されたシート40の少なくとも一方の面に溝状の形状を付与する形状付与部10と、この形状付与部10を支持する支持部20と、この支持部20をシート収納箱1に固定する固定部30と、を備えている。そして、形状付与部10は、シート40を挟持すると共に圧力を付与して、シート40が引き出される際にシート40に溝状の形状を付与する。
【0027】
このように構成されるシート形状付与具100は、形状付与部10を備えるものであるため、理容店・サロン等で使用されるフェイス用シートに、顔面上に載置した際に留まり易い形状を与えることができる。
【0028】
「シート」は、理容店・サロン等で使用されるフェイス用シートのことであり、例えば、不織布、紙などを挙げることができる。なお、通常は、不織布が使用されている。不織布を用いると、外力が加えられたときに変形して溝状の凹部が形成され易い。
【0029】
また、シートは、複数枚が積層された状態(シート束の状態)でシート収納箱内に収納されている。なお、このシート収納箱は、複数枚のフェイス用シートが収納されている市販品を用いることができる。
【0030】
[1−1]形状付与部:
形状付与部10は、シート収納箱1に収納されたシート40の少なくとも一方の面に溝状の形状を付与する部材である。即ち、形状付与部10は、シート40を挟持すると共に圧力を付与して、シート40が引き出される際にシート40に溝状の形状(凹状)を付与するものである。なお、形状付与部10は、支持部20に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。形状付与部10を支持部20に固定する方法としては、接着剤を用いる方法や、形状付与部を支持部に埋め込む方法などを挙げることができる。なお、
図2中、シート40は、説明の都合上、透明のものとして描いている。
【0031】
形状付与部10は、シートの引き出し方向に沿ってシートの中央に溝状の形状を付与するようにすることができる。このようにシートの中央に溝状の形状を付与すると、上を向いた状態の被施術者の顔面上にフェイス用シートを載置したとき、このシートが落ち難く、また、被施術者の顔面を良好に覆うことができる。つまり、形状付与部10は、被施術者の鼻に宛がうことができる溝状の形状(凹部)を形成する。
【0032】
形状付与部10は、支持部20上を移動可能とすることができる。このようにすると、形状付与部10の位置を調整することができる。そのため、例えば、シート形状付与具100をシート収納箱に固定した後(シート形状付与具100の位置を決めた後)であっても、シート収納箱のシート取出口の位置に合わせて形状付与部10を移動させて、その位置を調整することができる。
図2に示すシート形状付与具101は、支持部20上に、形状付与部10の移動を可能にする溝21(移動可能機構)が形成されている。このように、本発明においては、形状付与部が支持部上を移動可能にするための移動可能機構を備えることができる。この移動可能機構は、形状付与部が支持部上で位置を決められた後に、形状付与部がずれてしまうことを防止する位置ずれ防止手段を有することができる。
図2において、溝21のうち、シート40の引き出し方向に延びる分岐溝21aは、形状付与部10を同程度の大きさに形成されており、この分岐溝21a(位置ずれ防止手段)に形状付与部10を配置することにより、形状付与部10の位置がずれてしまうことを防止できる。
【0033】
なお、「支持部上を移動可能」とは、支持部上を、上下左右斜めに自在に移動可能という意味である。
【0034】
形状付与部10は、一の磁石11aを備える一の挟持部11と、当該一の磁石11aと互いに引き寄せ合う強磁性体を備える他の挟持部11と、を備えるものとすることができる。このようにすると、溝状の形状を付与するために適度な圧力をシートに加えることができる。また、仮に、1枚のシートを引き出した後、次のシートがシート収納箱から引き出されずに箱の中に落ち込んでしまった際にも簡単に箱の中から取出すことができ、次のシートを形状付与部10に挟持させることができる。
図1に示すシート形状付与具100は、形状付与部10として一対の磁石11aを備える一対の挟持部11を備えるものである。なお、一の挟持部11は、支持部20上に固定された板状の強磁性体(例えば鉄などの金属)と、この強磁性体上に配置される一の磁石11aとを備えるものであってもよい。また、他の挟持部11は、支持部20上に固定された板状の強磁性体(例えば鉄などの金属)と、この強磁性体上に配置される磁石と、を備えるものでもよい。磁石は、シートに、被施術者の鼻に宛がうことができる溝状の形状(凹部)を形成できる限りその形状や大きさについては特に制限はなく適宜設定することができる。磁石の形状としては、例えば、球体状、円柱状、角柱状などとすることができる。
【0035】
「強磁性体」とは、磁石と互いに引き寄せ合う性質を有するものを意味し、例えば、鉄などの金属、磁石などを挙げることができる。即ち、一方の挟持部には、磁石を備え、他方の挟持部には、磁石を備えても良いし、鉄などの金属を備えてもよい。
【0036】
形状付与部は、付勢手段を有する挟持部11を備えるものとすることができる。
図4に示すシート形状付与具102は、形状付与部10として、コイルバネ11bからなる付勢手段を有する挟持部11を備えるものである。
【0037】
「付勢手段」とは、シートを挟持すると共に圧力を付与することができる構造を有するものを意味する。例えば、板バネ、コイルバネなどのバネからなる付勢部材は、付勢手段の一例である。また、例えば、クリップなどにおいてバネ性を発揮している部分も、付勢手段に該当する。即ち、例えばクリップなどは、付勢手段を有しつつ、物を挟持することができるため、「付勢手段を有する挟持部」に該当する。
【0038】
付勢手段としては、バネとすることができる。付勢手段としてバネを採用すると、必要に応じて簡単にシートを挟持する圧力を調整することができる。
【0039】
[1−2]支持部:
支持部20は、形状付与部10を支持する部材である。この支持部20で形状付与部10を支持することにより、形状付与部からシートに圧力を加えて、このシートに溝状の形状を付与することができる。
【0040】
本発明の第1のシート形状付与具において「形状付与部を支持する」とは、シート収納箱の上方の所望の位置に配置されるように形状付与部を維持することを意味する。支持部によって形状付与部を支持することで、特にシート収納箱から、その高さ方向に所定の距離だけ離れた位置に形状付与部を配置することができる。
【0041】
支持部20は、
図1、
図2に示すように、一対の柱状(棒状)の部材からなるものとすることができる。
図1に示すシート形状付与具100は、形状付与部10と支持部20とがいわゆるボールジョイント構造により連結されており、形状付与部10の角度を所望の角度に適宜調節することができる。このような構成とすることで、形状付与部からシートに加わる圧力が適切となるように調節することができる。
【0042】
なお、支持部は、
図1に示すものに限らず、形状付与部10を支持することができる部材であればよい。
図3に示すシート形状付与具100は、一対の板状の部材からなる支持部20を備えるものを示している。
【0043】
支持部20は、
図3に示すように、シートを起立させるガイド部20aとして形成されてなり、形状付与部10をこのガイド部20aに配設されて支持されるように配置することができる。ガイド部20aの長さ、高さ、厚さなどは特に制限はなく適宜調節することができるが、例えば、ガイド部20aの長さは、
図3に示すように、シート収納箱1の長手方向の長さより短くする(シートの取出口の長手方向の長さと同じとする)ことでもよいし、
図5に示すように、シート収納箱の長手方向の長さと同じとすることができる。なお、「長手方向の長さと同じ」とは、厳密な意味での「同じ」ではなく、多少長くても短くてもよい。
【0044】
なお、支持部20であるガイド部20aは、その長手方向の中央部における高さが他の部分の高さよりも高くなるように形成することができる。このように形成することにより、形状付与部10を配置可能な領域が広くなり、シートに対して溝状の形状をより良好に付与できる位置に、形状付与部10を配置できるようになる。
【0045】
支持部は、形状付与部を支持できるものである限り形状や材質などに特に制限はない。支持部の材質としては、ゴム、合成樹脂、金属、紙、木材などを挙げることができる。
【0046】
[1−3]固定部:
固定部30は、支持部20をシート収納箱に固定する部材であり、支持部20をシート収納箱に着脱自在に固定する部材であることがよい。この固定部30によって支持部20がシート収納箱に固定されると、形状付与部10もシート収納箱から脱落しないように維持されることになる。そして、フェイス用シートをシート収納箱から取り出す際に、シートを引っ張る力によってシート形状付与具自体がシート収納箱から離れてしまう(シート形状付与具が浮いてしまう)ことを防止でき、シートに溝状の形状を付与することができる。
【0047】
固定部は、支持部をシート収納箱に固定できるものである限り形状や材質などに特に制限はない。固定部の材質としては、ゴム、合成樹脂、金属、紙、木材、布などを挙げることができる。
【0048】
固定部は、シート収納箱の外周を1周りする環状のもの(
図1〜
図3参照)であってもよいし、シート収納箱の底面を掴むことができる鉤状のものであってもよい。更に、固定部は、シート収納箱の上面に吸い付くような吸盤であってもよし、剥離可能な粘着面を有する粘着材であってもよい。また、シート収納箱の、少なくとも上面(シートの取出口が形成されている面)を覆う形状であってもよく、上面、側面、及び底面を覆う形状であってもよい。
図5に示すシート形状付与具103は、固定部30が、シート収納箱の、上面、側面(全ての側面)、及び底面(即ち、シート収納箱の全ての面)を覆う形状である例を示している。なお、
図5に示すシート形状付与具103において固定部30は、長方形状の底面とこの底面から起立する4つの側面とからなる有底状の四角筒状体を有し、この四角筒状体の長手方向の一対の側面から延びる一対の平板(上面となるもの)を有している。そして、シート形状付与具103内には、シート収納箱が収納されている。シート形状付与具103は、上記一対の平板(上面)を開くことにより、シート収納箱を出し入れすることができる。シート形状付与具103には、固定部30の一対の平板(上面)に連なるようにガイド部20a(支持部20)が形成されている。
【0049】
また、固定部が硬質の材料からなる場合、固定部を構成する各構成部材は、互いにヒンジ構造により連結し、自在に可動できるものとすることができる。
図1に示すシート形状付与具100は、5本の棒状部材からなり、各棒状部材は、互いにヒンジ構造により連結して自在に可動である例を示している。なお、固定部を構成する構成部材は、棒状部材に限られず、
図2に示すような帯状であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0050】
本発明のシート形状付与具は、上記構造を有する限り形状及び寸法は特に限定されるものではないが、手等で抑えたときなどに扱い易い形状、寸法であることが好ましい。
【0051】
[2]シート収納箱:
本発明のシート収納箱の一実施形態は、
図6に示すシート収納箱200である。シート収納箱200は、収納されたシート40の少なくとも一方の面に溝状の形状を付与する形状付与部10と、形状付与部10を支持する支持部20と、を備えている。そして、形状付与部10は、引き出されたシート40を挟持すると共に圧力を付与して、シート40が引き出される際にシート40に溝状の形状を付与する。
【0052】
このように構成されることにより、シート収納箱200は、シートに対して、顔面上に載置した際に留まり易い凹部状の形状を与えることができる。
【0053】
本発明のシート収納箱は、
図6に示すシート収納箱200のように、4つの側面と、シート取出口が形成されている上面と、この上面に対向する底面と、を有している。
【0054】
なお、本発明のシート収納箱は、4つの側面と、シート取出口が形成されている上面とを有するもの(
図6に示すシート収納箱200において底面がないもの)であってもよい。即ち、本発明のシート収納箱は、複数枚のフェイス用シートが積層された状態で収納された収納箱を更に収納する、いわゆる化粧箱のようなものであってもよい。
【0055】
本発明のシート収納箱は、その形状は特に制限はなく、
図6に示すシート収納箱200のように四角柱状であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0056】
本発明のシート収納箱は、複数枚のフェイス用シートが積層されたシート束を内部に収納した「フェイス用シート入り収納箱」であってもよい。
【0057】
なお、本発明のシート収納箱は、これまで説明した、シート形状付与具と同様の特徴を有するものである。即ち、本発明のシート収納箱は、シート形状付与具の固定部に代えて、シートを収納するための箱状の本体を備えている。
【0058】
シート形状付与具、及び、支持部は、上述した本発明の第1のシート形状付与具と同様のものを採用することができる。
【0059】
[3]第2のシート形状付与具:
本発明のシート形状付与具(第2のシート形状付与具)の一の実施形態は、
図7に示すシート形状付与具300である。このシート形状付与具300は、シート収納箱1に収納されたシート40の少なくとも一方の面に溝状の形状を付与する形状付与部10と、この形状付与部10を支持する支持部20と、この支持部20をシート収納箱1に固定する固定部30と、を備えている。そして、形状付与部10は、凸部状に形成された部材である。このようなシート形状付与具300は、シートを引き出す際にシートを形状付与部10に接触させて、シート40が引き出された際にシート40に溝状の形状を付与する。
【0060】
このように構成されるシート形状付与具300は、シート40に対して、顔面上に載置した際に留まり易い凹部状の形状を与えることができる。また、シート形状付与具300は、シートに所望の長さの凹部が形成された段階で、使用者の意図により、フェイス用シート40と形状付与部10とが接触しないようにすることができる。そのため、フェイス用シート40に付与する凹部の長さを調整することができる。
【0061】
[3−1]形状付与部:
形状付与部は、凸部状に形成された部材である。「凸部状に形成された」とは、先端及び基端を有するものとして構成されることを意味する。この凸部状の先端の形状は、特に制限されることはなく、フェイス用シートの表面を引っ掻き、適度な凹部(溝状の形状)を形成することができればよい。
【0062】
凸部状に形成された形状付与部が、フェイス用シートに溝状の形状(凹部)を付与するメカニズムは以下の通りである。先ず、フェイス用シートがシート収納箱の取出口から引き出される際に(取り出される際に)、凸部がフェイス用シートの表面に当たりながら引き出されることになる。すなわち、凸部がフェイス用シートの当該表面に当たりながら(接触しながら)引き出されることで、フェイス用シートの当該表面を形状付与部が引っ掻きながら、シートの表面を適度に引き延ばしていく。そのため、取出口からフェイス用シートが完全に引き出された際には、フェイス用シートの表面に適度な凹部(溝状の形状)が形成されることになる。そして、使用時に当該凹部を顔面の鼻筋方向に合うように乗せることで、フェイス用シートが安定載置されることになる。
【0063】
[3−2]支持部:
支持部20は、形状付与部10を支持する部材である。本発明のシート形状付与具(第2のシート形状付与具)において支持部20は、形状付与部10と固定部30とを繋ぐ部材である。この支持部20の高さは、特に制限はないが、低い方がよい。支持部20の高さを低くすることで、より確実にシートに溝状の形状を付与することができる。本発明のシート形状付与具(第2のシート形状付与具)においては、シートを挟んで形状付与部に対向する位置に、形状付与部の機能(フェイス用シートの表面を引っ掻きながら、シートの表面を適度に引き延ばしていくことで、フェイス用シートの表面に適度な凹部を形成する機能)を補助するための補助部材を配置してもよい。
【0064】
[3−3]固定部:
固定部30は、支持部20をシート収納箱1に固定する部材であり、支持部20をシート収納箱に着脱自在に固定する部材であることがよい。この固定部30によって支持部20がシート収納箱に固定され、形状付与部10もシート収納箱から脱落しないように維持される。そして、フェイス用シートをシート収納箱から取り出す際に、シートを引っ張る力によってシート形状付与具自体がシート収納箱から離れてしまうことを防止できる。
【0065】
固定部は、シート収納箱の外周を1周りする環状のものであってもよいし、シート収納箱の底面を掴むことができる鉤状のものであってもよい。更に、固定部は、シート収納箱の上面に吸い付くような吸盤であってもよし、剥離可能な粘着面を有する粘着材であってもよい。
【0066】
[4]第3のシート形状付与具:
本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)の一の実施形態は、
図8に示すシート形状付与具301である。このシート形状付与具301は、シート収納箱1に収納されたシート40の少なくとも一方の面に溝状の形状を付与する形状付与部10と、この形状付与部10を支持する支持部20と、を備えている。そして、シート形状付与具100は、形状付与部10と支持部20とから、シート収納箱1に固定する固定部30が構成されてなる。形状付与部10は、凸部状に形成された部材であり、シートを引き出す際にシートを形状付与部10に接触させて、シートが引き出された際にシートに前記溝状の形状を付与する。
【0067】
このように構成されるシート形状付与具301は、形状付与部10を備えるものであるため、理容店・サロン等で使用されるフェイス用シートに、顔面上に載置した際に留まり易い形状を与えることができる。また、シート形状付与具301は、シートに所望の長さの凹部が形成された段階で、使用者の意図により、フェイス用シート40と形状付与部10とが接触しないようにすることができる。そのため、フェイス用シート40に付与する凹部の長さを調整することができる。
【0068】
本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)において、フェイス用シートに凹部状の形状を付与するメカニズムは、第2のシート形状付与具と同様である。また、本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)において、各構成要素(形状付与部、支持部)の材質は、特に制限はなく、例えば、合成樹脂、金属、紙、木材などを採用することができる。
【0069】
なお、本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)は、
図8に示すシート形状付与具301のように、形状付与部10及び支持部20が一体に成形されたものであり、固定部30は、形状付与部10及び支持部20から構成される。このシート形状付与具301は、例えば、1つの金型から一体として成形することができる。
【0070】
シート形状付与具301は、
図8に示すように、側面から見た形状が全体としてコの字状をなし、このような形状であることでシート収納箱1に嵌って固定部として機能する。なお、「コの字状」とは、厳密な意味ではない。
【0071】
シート形状付与具301は、
図8に示すように、その底板50(支持部20の一部)と上板51(形状付与部10)との間の距離がシート収納箱1の厚さと同程度となるようにすることができる。このようにすることで、シート形状付与具301がシート収納箱1と良好に嵌り合うことができる。更に、シート40をシート収納箱1から引き出した際に、形状付与部10とシート40とが良好に接触して、シート40に凹部を適切に付与することができる。なお、第3のシート形状付与具は、その底板(支持部の一部)と上板(形状付与部)との間の距離がシート収納箱の厚さよりも大きくてもよい。
【0072】
本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)における形状付与部の先端部は、特に制限はなく適宜設定することができる。例えば、本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)をシート収納箱に固定した場合に(
図8参照)、本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)は、その形状付与部10の先端部が、シート収納箱1におけるシート40の取出口2の一部を覆うものとすることができる。特に、形状付与部10の先端部が、シート40の取出口2に配置されたフィルム3のスリット3aを跨ぐように構成することができる。このように構成することにより、シート40をシート収納箱1から引き出した際に、形状付与部10とシート40とが更に良好に接触して、形状付与部10がシート40の表面を引っ掻きながら、シート40に良好に凹部を付与することができる。
【0073】
なお、本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)は、
図8に示すように、シート収納箱の長手方向の側面側から、当該シート収納箱に固定する。本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)は、通常、シート収納箱に着脱可能に固定する。
【0074】
本発明のシート形状付与具(第3のシート形状付与具)は、幅(シート収納箱に固定した場合における、シート収納箱の長手方向と同じ方向の長さ)や厚みについて特に制限はなく適宜設定することができる。
【0075】
[5]第1のシート形状付与具の使用方法:
シート形状付与具を用意し、このシート形状付与具を、フェイス用シートが積層された状態で収納された「フェイス用シート入り収納箱」に装着する。なお、シート形状付与具を装着する際には、フェイス用シート入り収納箱のシート取出口を開口させておくことがよい。次に、フェイス用シート入り収納箱のシート取出口から1枚のフェイス用シートを引き出す。このとき、フェイス用シートを少し引き出した後、引き出された部分を形状付与部によって挟持させる。その後、1枚のフェイス用シートの全部を引き出すと、このシートの少なくとも一方の面には、溝状の形状(凹部)が付与される。そして、顔面の鼻筋方向に凹部が相当するようにして、フェイス用シートを顔面に載置することができる。このような手順により顔面に載置されたフェイス用シートは、洗髪時などにおいて、ずれたり、落ちたりするおそれが少ない。
【0076】
そして、フェイス用シート入り収納箱内のフェイス用シートが無くなった際には、シート形状付与具をフェイス用シート入り収納箱から取り外し、新たなフェイス用シート入り収納箱に装着して使用することができる。
【0077】
[6]第2、3のシート形状付与具の使用方法:
シート形状付与具を用意し、このシート形状付与具を、フェイス用シートが積層された状態で収納された「フェイス用シート入り収納箱」に装着する。なお、シート形状付与具を装着する際には、フェイス用シート入り収納箱のシート取出口を開口させておくことがよい。次に、フェイス用シート入り収納箱のシート取出口から1枚のフェイス用シートを引き出す。このとき、凸部状に形成された形状付与部の凸部状の部分に押し当てながらフェイス用シートを引き出す。このように形状付与部の凸部状の部分に押し当てながら1枚のフェイス用シートの全部を引き出すと、このシートの少なくとも一方の面には、溝状の形状(凹部)が付与される。そして、顔面の鼻筋方向に凹部が相当するようにして、フェイス用シートを顔面に載置することができる。
【0078】
[7]シート収納箱の使用方法:
シート収納箱の上面に形成されたシート取出口用の環状のミシン目を破って、シート取出口を形成する。次に、フェイス用シート入り収納箱のシート取出口から1枚のフェイス用シートを引き出す。このとき、フェイス用シートを少し引き出した後、引き出された部分を形状付与部によって挟持させる。その後、1枚のフェイス用シートの全部を引き出すと、このシートの少なくとも一方の面には、溝状の形状(凹部)が付与される。そして、顔面の鼻筋方向に凹部が相当するようにして、フェイス用シートを顔面に載置することができる。