(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記受電ユニットは、前記座部よりも下方位置に配置されており、かつ、前記座部の前後方向における中央部分に対応する位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の椅子。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、椅子に関するものであり、特に、覚醒機器(居眠り防止機器)を備える椅子に関するものである。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
以下、本発明の一実施形態に係る脚付き椅子S、並びに脚付き椅子Sに設けられたECU7、バッテリ8及びこれらを保持する保持カバー71について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下において、前後方向は、椅子の前後方向を示すものとし、左右方向は椅子の左右方向を示すものとして椅子の幅方向ともいう。
【0033】
まず、
図1〜
図3を主に参照して、脚付き椅子Sの主な構成について説明する。ここで、
図1は、本発明の実施形態に係る脚付き椅子Sの外観図、
図2は、保持カバー71が取り付けられるクッションパンF21の下面を示す下側斜視図、
図3は、
図1のIII-III断面を示す模式的な断面図である。
脚付き椅子Sは、主に、脚部材F3と、脚部材F3に取り付けられて着座者の臀部を支持するクッションパンF21と、クッションパンF21に連結された背もたれ部であるバックパンF22と、覚醒機器Uとから構成されている。
【0034】
脚部材F3は、4本に分岐する足部F31と、足部F31に連続的に形成された支柱筒F30とから構成されて、主に樹脂材料から形成されている。
足部F31における4本に分岐したそれぞれの先端には、キャスターF31aが取り付けられている。
また、足部F31は、本実施形態においては4本に分岐する構成となっているが、3本以上に分岐する構成であってもよく、さらに、キャスターF31aを備えなくてもよい。
【0035】
支柱筒F30は、足部F31の中央に固定されて上方に延在している。支柱筒F30の中に、後述する支柱F21aが通されて固定される。
そして、
図2に示すように、支柱筒F30における椅子の幅方向の一側には、上下方向に可動域を有する操作レバー10が配設されている。
本実施形態に係る操作レバー10は、本発明に係る操作部に相当するものであり、クッションパンF21の高さを調整する機能を有するものである。
なお、操作レバー10は、高さ調整機能を備えるものに限定されず、例えば、クッションパンF21に対するバックパンF22の角度を変更可能とするものや、バックパンF22にもたれ掛かる着座者に対する反発強度を調整する機能を有するものであってもよい。
【0036】
クッションパンF21は、本発明に係る座部に相当するものであり、
図2に示すように、金属製の座部フレーム74と、座部フレーム74の上部に取り付けられた樹脂プレートF21dと、樹脂プレートF21dの上部に取り付けられた表皮付きパッド部F21eと、から構成されている。
座部フレーム74は、椅子の幅方向に延在する下側フレーム部F21bと、下側フレーム部F21bよりも上側にあり、下側フレーム部F21bと十字に成すように交差して延在する上側フレーム部F21cと、から構成されている。
【0037】
下側フレーム部F21bは、クッションパンF21の後ろ側において椅子の幅方向に延在しており、支柱F21aが通る下側フレーム部F21bの中央には、貫通孔F21fが形成されている。
【0038】
上側フレーム部F21cは、椅子の幅方向中央において椅子の前後方向に延在して、下側フレーム部F21bと溶接によって接合されている。上側フレーム部F21cの中央には、周囲に対して垂直に延在するパイプ状の支柱F21aが溶接等によって接合されている。
また、上側フレーム部F21cにおける下側フレーム部F21bよりも椅子の前後方向前側には、前後に延在する2個の凹部F21gが形成されている。上側フレーム部F21cは、凹部F21gが椅子の幅方向に波打つように湾曲して形成されていることで、剛性が高められている。
【0039】
上側フレーム部F21cにおける下側フレーム部F21bに重ならない部位であり、凹部F21gよりも椅子の幅方向両外側の部位には、本発明に係る留め具に相当するタッピングネジN1(
図4参照)を通す通し孔F21hが、前後に2つずつ形成されている。
具体的には、この通し孔F21hは、上側フレーム部F21c及び一体的に接合された下側フレーム部F21b、及び後述する保持カバー71を樹脂プレートF21dへ取り付けるタッピングネジN1を通すためのものである。
【0040】
樹脂プレートF21dは、
図3に示すように、着座者の臀部から伝わる熱を放熱するための上下方向に形成された複数の抜き孔F21jを有する。この抜き孔F21jは、放熱機能を有するとともに、後述するハーネス11を樹脂プレートF21dの上下に挿通させる機能を有する。
【0041】
表皮付きパッド部F21eは、ウレタン等のクッション材から成るパッド部F21oと、パッド部F21oを覆う表皮とから構成されており、表皮とパッド部F21oの間に後述する呼吸センサ9が配設されている。なお、
図3、後述する
図9においては、表皮を省略して表皮付きパッド部F21eを示している。
パッド部F21oには、
図3に示すように、ハーネス11を後述するECU7にガイドするガイド孔F21kが形成されている。
ガイド孔F21kは、パッド部F21oの上面に設けられた呼吸センサ9の前方から、ECU7の近傍へと、前方、且つ、下方に斜め延びるように形成されている。
【0042】
バックパンF22は、クッションパンF21の後部と連結されており、クッションパンF21から略鉛直上方に延在して形成されている。
バックパンF22の内部の中央には、
図1に示すように振動装置35が取り付けられている。この振動装置35は、詳細については後述するが、覚醒機器Uを構成部品であり、ECU7の制御信号に応じて着座者に振動刺激を付加するものである。
【0043】
<覚醒機器について>
次いで、覚醒機器Uについて説明する。
本実施形態に係る覚醒機器Uは、ECU7、バッテリ8、呼吸センサ9及び振動装置35から主に構成されている。
【0044】
振動装置35は、本発明に係る刺激装置に相当するものであり、公知のアンバランスマスモータから成る所謂「振動モータ」を備える装置である。
【0045】
ECU7は、電気制御を総合的に実行する中枢機能であり、本例においては、呼吸の間隔を示すデジタル信号に変換された電位差信号を基に、振動装置35を駆動制御する機能を有する。
本実施形態に係るECU7は、演算制御用のCPU、ROM、RAM等を備えて構成された、ハード的には汎用のECUである。
ECU7に設けられたコネクタ70の接続口70aに、
図3に示す呼吸センサ9に接続されたハーネス11、振動装置35に接続された図示せぬハーネス、及びバッテリ8に接続された図示せぬケーブルが接続されている。
【0046】
なお、呼吸センサ9からコネクタ70を介してECU7に入力される信号は、信号処理回路によってデジタル信号に変換された電位差信号であり、出力されるものは、振動装置35を駆動するための電力である。
RAMは、演算制御中の信号及び入出力される信号を含むパラメータを一時記憶するもので、デジタル信号に変換された電位差信号その他の信号を格納する格納部として機能する。
【0047】
ROMは、CPUが実行するプログラム及び所定値のパラメータを記憶するものであり、例えば、所定の基準値を設定する基準値設定部や、基準値に基づき覚醒状態を判定する判定部、振動装置35を駆動する駆動部等がプログラムとして記録されている。
この駆動部は、CPUの指示に応じて電力を供給することにより振動装置35を駆動する機能を有する。
このCPUの指示信号は、呼吸センサ9からの信号を演算することにより形成される。
つまり、呼吸センサ9から送信される信号により、着座者の覚醒状態を判断し、覚醒状態ではないと判断した場合に、振動装置35を駆動するための信号がCPUから発信されるよう構成されている。なお、当該構成は公知の構成が使用されていればよく、呼吸センサ9の代わりに心拍センサを用いるようにしてもよい。
【0048】
覚醒機器Uを構成するECU7は、
図3に示すように、保持カバー71によってクッションパンF21の下面側に取り付けられており、振動装置35は、
図1に示すように、バックパンF22の着座者側を向く面の中央部付近に取り付けられている。
【0049】
バッテリ8は、ECU7及び振動装置35に電力を供給する機能を有し、本実施形態においては板状に形成されている。バッテリ8は、後述する制御装置U1の下方に重ねて取り付けられており、前面に給電端子80aが形成されている。バッテリ8は、給電端子80aから図示せぬ充電コードが接続されることによって家庭用電源から充電されるものである。そして、バッテリ8は、スマートフォン等の充電用に使用されるバッテリを転用することが可能である。
なお、バッテリ8は、給電式のものに限定されず、着脱式のものであってもよい。
【0050】
<ECU及びバッテリの取り付けについて>
次いで、
図1〜
図3に加え、
図4〜
図6を参照して、ECU7及びバッテリ8の取り付けについて説明する。
ここで、
図4は、脚付き椅子Sに取り付けられる制御装置U1、バッテリ8及び保持カバー71等の分解斜視図、
図5は、制御装置U1及びバッテリ8を保持した状態の保持カバー71を示す斜視図、
図6は、制御装置U1及びバッテリ8を保持する保持カバー71がクッションパンF21の下面に取り付けられた状態を示す模式的な正面図である。
【0051】
本実施形態においては、ECU7は、ベース部材72及びカバー部材73によって覆われて支持され、さらにバッテリ8とともに、保持カバー71によって保持されて上側フレーム部F21cに取り付けられる。なお、ECU7とベース部材72とカバー部材73とを組み合わせたユニットを制御装置U1ともいう。
【0052】
保持カバー71は、本発明に係るケースに相当するものであり、
図4に示すように、上方が開放されており鉛直断面が略コ字形状である収容凹溝71aと、その上部の両端から外側上方へとフランジ状に延出するパン取付部71bとを備え、樹脂材料で形成されている。
【0053】
パン取付部71bは、本発明に係る被締結部に相当するものであり、パン取付部71bには、タッピングネジN1が通されるパン取付孔71cが形成されている。
パン取付部71bの前端は、保持カバー71の前端に至るまでは形成されておらず、換言すると、保持カバー71の前端よりも後方にある。
このように形成されていることで、パン取付部71bとともにタッピングネジN1によって締結される上側フレーム部F21cを、保持カバー71の前端よりも後方に配置することができる。
このため、パン取付部71bの取り付けのための上側フレーム部F21cの前方への延在量を抑えることができ、着座者の手が上側フレーム部F21cに触れて違和感を感じることを抑制することができる。
【0054】
また、保持カバー71における椅子の幅方向両側の内壁には、下部が椅子の幅方向に長く形成されたL字状のリブ71dが椅子の前後方向に複数並んで形成されている。このリブ71d上に、後述するベース部材72が載置される。椅子の幅方向に向かい合う一対のリブ71dの下部は、椅子の幅方向において、バッテリ8が間に収まるようにバッテリ8の長さよりも長い間隔で形成されており、バッテリ8の上下方向の厚さよりも高い高さで形成されている。
さらに、保持カバー71の椅子の前後方向における最前にあるリブ71eは、他のリブ71dよりも上部が椅子の幅方向に張り出して形成されている。より具体的には、椅子の幅方向両側にある一対のリブ71e間の長さは、後述するカバー部材73における椅子の幅方向の長さよりも短く設定されている。
このため、ECU7を覆って保持カバー71に保持されたカバー部材73は、リブ71eによって前方への移動を制限されることとなる。
【0055】
前後方向に隣接するリブ71dの間には、上下に延在する方形状のスリット71hが形成されている。
このように、スリット71hが形成されていることで、保持カバー71の内部と外部との空気の流通を可能とし、保持カバー71に保持されるECU7及びバッテリ8の放熱性を高めることができる。
【0056】
保持カバー71の底壁の前側には、椅子の幅方向両側を前端から後方に切り欠かれて形成された片持ち切片71fが形成されている。
片持ち切片71fの前端には、上方に突出して椅子の幅方向に連続する山状の係止突起71gが形成されている。
この片持ち切片71fは、後述するバッテリ8を保持カバー71から着脱可能に支持するためのものである。
詳細には、片持ち切片71fは、外力の加わらない通常状態においては、係止突起71gがバッテリ8に係止することによって保持する。
一方で、保持カバー71内に取り付けられたバッテリ8を前方に引っ張ると、係止突起71gに当接して撓むことでバッテリ8を取り外すことができる。
【0057】
ベース部材72及びカバー部材73は、鉛直断面が略コ字形状の枠体である。
詳細には、ベース部材72は、略コ字形状の断面を有して、幅方向長さよりも長く前後方向に延在している。ベース部材72の側面には、複数のパンチ孔72aが形成されており、空気を流通可能とすることで、内部に支持するECU7の放熱性が高められている。
一方、カバー部材73は、略コ字形状の断面を有して、前後方向長さよりも長く幅方向に延在している。
特に、カバー部材73の前面には、ECU7のコネクタ70を露出させて、コネクタ70によってECU7と呼吸センサ9又は振動装置35とを接続するため、方形状の切り欠きが形成されている。
これらは、上下に重ね合わせられることで、内部にECU7の格納空間を形成する。
そして、ベース部材72とカバー部材73とは、ECU7を格納した状態で固定ネジN2によって締結され、バッテリ8の上に積層されて、収容凹溝71a内に保持される。
【0058】
なお、ベース部材72が前後に間隔を空けて配置されたリブ71d上に載置されることで、ECU7から生じる熱を帯びた空気は、ベース部材72のパンチ孔72aを介してリブ71dの間を通ることとなる。このため、ECU7の放熱性を良好にすることができる。
さらに、リブ71dの下部がバッテリ8の上下方向の厚さよりも高い高さで形成されていることで、リブ71d上に配置される保持カバー71とバッテリ8とを離間させることができる。
このように、保持カバー71とバッテリ8とが離間して配置されることで、両者の間の熱が直接的に伝わることを防止し、両者相互の温度上昇を抑制することができる。
【0059】
バッテリ8は、制御装置U1よりもクッションパンF21から離れた下方に設けられている。このようにバッテリ8が配置されていることで、着座者は、クッションパンF21に座った状態のままでバッテリ8まで手を伸ばすことが容易となる。つまり、着座者は、クッションパンF21に座った状態のままでバッテリ8を着脱、あるいは充電することが容易となり、作業性が良好となる。
【0060】
そして、バッテリ8の上方に、メンテナンス以外では頻繁に触れることのない制御装置U1を配置することで、脚付き椅子Sのデッドスペースを有効に利用することができる。
さらに、本実施形態においては、制御装置U1の方がバッテリ8より椅子の幅方向及び奥行き方向に大きく形成されている。このため、制御装置U1をバッテリ8の上方に重ねて設けられていると好ましい。
このように、椅子の幅方向又は奥行き方向に大きく形成されている方を上方に配設するようにし、例えば、保持カバー71を相対的に小さいバッテリ8の大きさにフィットするようにすることで、保持カバー71の下方のスペースを広くすることができる。
【0061】
また、バッテリ8は、制御装置U1の下方に重ねられていると好ましいが、このような構成に限定されず、例えば、制御装置U1の上方に重ねられて設けられていてもよい。
このように、制御装置U1とバッテリ8とが上下に重なるように配設されていることで、脚付き椅子Sの椅子の幅方向への制御装置U1又はバッテリ8の張り出しを抑制して、着座者の脚等に干渉することを抑制することができる。
【0062】
また、ECU7とバッテリ8のうち、発熱量の大きい方を上下方向上側に配設すると、上側フレーム部F21cとの下方のものとの間で熱が篭ってしまう。
このため、ECU7とバッテリ8のうち、発熱量の大きい方を上下方向下側に配設すると放熱性が良好であるため好ましい。
【0063】
制御装置U1は、バッテリ8とともに保持カバー71の溝内部に格納されている。この状態で、保持カバー71は、パン取付部71b(本例では2個存在する)に形成されたパン取付孔71c(本例では4個存在する)からタッピングネジN1により、クッションパンF21に留め付けられる。
詳細には、タッピングネジN1は、パン取付孔71c、及び上側フレーム部F21cの通し孔F21hを通って、樹脂プレートF21dにタッピング留めされる。
【0064】
さらに、タッピングネジN1は、樹脂製のパン取付部71bにネジ頭の下面が当接した状態でタッピング留めされる。このため、タッピングネジN1による締結強度は金属面に当接する場合よりも高まることとなる。
【0065】
図6に示すように、保持カバー71が上側フレーム部F21cに取り付けられた状態においては、上側フレーム部F21cに当接するパン取付部71bがカバー部材73よりも上方に突出している。このため、カバー部材73と上側フレーム部F21cとの間に、本発明に係る隙間に相当する空間SPが形成される。
このように形成された空間SPによって、ECU7及びバッテリ8からの発熱を放熱することができる。
さらに、
図3に示すように、空間SPの一部を利用して、例えば呼吸センサ9とECU7とに繋がるハーネス11を配設することも可能である。
その他、振動装置35又はバッテリ8とECU7とを繋ぐ図示せぬハーネス又はケーブルを空間SPの一部に通すようにしてもよい。
【0066】
また、制御装置U1及びバッテリ8を格納する保持カバー71は、操作レバー10の可動範囲を避けた位置に設けられている。このため、操作レバー10の操作の邪魔になることを回避することができる。
【0067】
同様に、コネクタ70は、操作レバー10の可動範囲を避けた位置に設けられており、より具体的には、
図6に示すように、椅子の幅方向一方側に設けられた操作レバー10に対して逆側である他方側に設けられている。
このようにコネクタ70が配設されていることで、着座者が操作レバー10を操作するために、脚付き椅子Sの幅方向の一方側から手が伸ばしたときに、コネクタ70及びコネクタ70に接続されるハーネス11が邪魔になることを回避することができる。
【0068】
また、保持カバー71は、コネクタ70の接続口70aが前方に向くように、クッションパンF21に取り付けられている。
このため、着座者は、ハーネス11の抜き差しを、保持カバー71の後方にある支柱筒F30が邪魔になることなく、脚付き椅子Sに座った状態で行うことができる。
【0069】
なお、保持カバー71に保持されたバッテリ8の充電端子に、例えばオス−メス端子を備える図示せぬ延長ケーブルを接続して、キャスターF31aの上方にある足部F31の先端に充電口を配設するようにしてもよい。
このようにすれば、着座者は、クッションパンF21の下面近傍よりも足部F31の先端の方が容易に目視できるため、バッテリ8の充電コードの接続をより容易に行うことができる。
この場合には、特に、支柱筒F30及び足部F31の内部に、不図示の延長ケーブルを配設するようにすると好ましい。
なお、図示は省略するが、通電表示用のLED等が搭載されていてもよい。
【0070】
<保持カバーのサイズ及び取り付け位置について>
次いで、
図7及び
図8を参照して、保持カバー71のサイズ及び取り付け位置について説明する。
ここで、
図7は、
図1のVII-VII断面を示す模式的な断面図、
図8は、脚付き椅子Sを横に倒した状態を示す模式的な側面図である。
【0071】
保持カバー71は、
図7に示すように、水平面において、隣接する足部F31の間の収まる大きさで形成されている。
保持カバー71がこのように形成されていることで、着座者が、隣接する2つの足部F31を前側に配置して、その2つの足部F31に脚をかけた状態において、着座者の脚が保持カバー71に当接することを回避しやすくできる。
このために、着座者の脚が保持カバー71に当接することによって、着座者が不快感を覚えることを回避することができる。
【0072】
さらに、
図8に示すように、脚付き椅子Sを床FLにいずれの向きで倒した状態においても、保持カバー71が、クッションパンF21の床FLとの当接部と、足部F31の床FLとの当接部とを結んだ直線よりも少なくとも上方に配置されていると好ましい。
このような配置で保持カバー71がクッションパンF21に取り付けられていることで、不意に脚付き椅子Sが倒れた場合においても、保持カバー71が床FLに当接して、保持カバー71や、保持カバー71内のECU7やバッテリ8が損傷することを防止することができる。
【0073】
(第1変形例)
次に、本実施形態の第1変形例に係る制御装置U1を保持する保持カバー75について、
図9を参照して説明する。ここで、
図9は、
図1のIX-IX断面を示し、制御装置U1の後方にハーネス11を接続する例を示す模式的な断面図である。
なお、以下の例においては、上記実施形態と同じ構成のものについては同一符号を付して説明を省略し、相違点を明確にする。
【0074】
本変形例は、短いハーネス11で呼吸センサ9とコネクタ70とを接続可能な構成であることを特徴とする。
詳細には、本変形例に係る保持カバー75は、本発明に係るケースに相当するものであり、制御装置U1を構成するECU7のコネクタ70が支柱F21a側に配置されるように、制御装置U1を保持していることを特徴とする。
保持カバー75の後ろ側面には、保持カバー71と異なり、コネクタ70を後方に露出させる開孔75aが形成されている。
【0075】
また、下側フレーム部F21bと上側フレーム部F21cの間から露出する支柱F21aの部位であって、保持カバー75に対向する前側の部位には、外部から中空部に連通する貫通孔F21nが形成されている。
また、樹脂プレートF21dに形成された複数の抜き孔F21jの一部は、支柱F21aの中空部の上方に有り、この中空部に連通している。
そして、パッド部F21oには、ガイド孔F21mが抜き孔F21jに連なるように形成されている。
コネクタ70に接続されたハーネス11は、保持カバー75の開孔75a、支柱F21aの貫通孔F21n、樹脂プレートF21dの抜き孔F21j、及びパッド部F21oのガイド孔F21mを通って呼吸センサ9に接続されている。
【0076】
このように、コネクタ70が、保持カバー75の後ろ側、換言すると、支柱F21a及び支柱筒F30に対向する側に配置されていることで、コネクタ70の接続口70aが、支柱F21a及び支柱筒F30によって保護されることとなり、異物の侵入を防ぐことができる。
また、このような構成によれば、コネクタ70が保持カバー75の前側に配置されている場合よりも、保持カバー75よりも後方にある呼吸センサ9とコネクタ70との距離が短くなる。
このため、ハーネス11を短くすることができ、ハーネス11の取り付けが容易となるとともに、材料コストを削減できる。
さらに、着座者が触れる必要の少ない呼吸センサ9のハーネス11に接続されるコネクタ70を、支柱F21a(支柱筒F30)側に向けることで、着座者が誤ってコネクタ70からハーネス11を外してしまう等のヒューマンエラーを回避することができる。
【0077】
なお、ECU7と呼吸センサ9とを接続するハーネス11について説明したが、ECU7と振動装置35を接続する図示せぬハーネス、ECU7とバッテリ8とを接続する図示せぬケーブルについても、それぞれの位置関係に応じてコネクタ70を配置することで短くできることは言うまでもない。
【0078】
(第2変形例)
最後に、本実施形態の第2変形例に係る無線給電装置16を備える脚付き椅子Sについて、
図10を参照して説明する。
ここで、
図10は、無線給電装置16を備える脚付き椅子Sを示す模式図である。
【0079】
本例に係る無線給電装置16は、床FLに埋設された送電ユニット12と、送電ユニット12から送電される受電ユニット13と、受電ユニット13とバッテリ8に接続されたケーブル15とから構成されている。
送電ユニット12及び受電ユニット13は、内部にコイルを備え、送電ユニット12に図示せぬ家庭用電源から電流を流すことによって生じる磁束を媒介して、受電ユニット13に起電力を生じさせるものである。
受電ユニット13は、送電ユニット12からの受電効率を高めるため、送電ユニット12と近接するように、足部F31の下側に取り付けられている。
そして、受電ユニット13から延びるケーブル15は、支柱F21aの中空内部を通って、クッションパンF21に取り付けられたバッテリ8に接続されている。
【0080】
本例においては、バッテリ8の電力がなくなったときには、新たなバッテリ8に差し替える必要がなく、また、充電ケーブルをバッテリ8に差し込む必要もない。
このため、覚醒機器Uの給電に手間がかからず、また、脚付き椅子Sを動かしたときに充電ケーブルが脚部材F3に絡まることもないため、快適に脚付き椅子Sを使用することが可能となる。
なお、無線給電装置16については、電磁誘導方式の他に、電界結合方式や共振結合方式を採用してもよい。
【0081】
上記実施形態において、覚醒機器を構成する刺激装置に相当するものとして振動装置を例に説明したが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、車内に設けられたディスプレイ、ライト又はブザー等を用いて、映像、光、音によって着座者や同乗者に報知するようにし、直接的又は間接的に着座者の覚醒を維持するようにしてもよい。