(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
トッププレートの形状及びトッププレートを構成する材質は様々である。例えば、トッププレートの一部に開口部が設けられることがある。また、例えば、トッププレートが、ガラス部材と金属部材等、複数の構成部材を備えることがある。コンロ本体とトッププレートとが同梱された外箱が輸送時等に落下すると、落下時の衝撃の影響が、外箱内に及ぶ。トッププレートが複数の構成部材を備える場合、特に、形状の変わり目や、構成部材同士の境目に衝撃の影響が大きく及ぶことがあり、衝撃の大きさによっては、構成部材同士の境目が破損しやすくなる可能性があるといった問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、天板の構成に応じた耐衝撃性を有するコンロの梱包部材、及びコンロを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るコンロの梱包部材は、筐体と、矩形状の本体板部と、前記本体板部の後方に配置され、前記筐体に設置されるグリル庫に連通する開口を有する後板部とを備えた天板とを有するコンロを梱包するコンロの梱包部材であって、前記筐体の上側に載置され、前記コンロの付属品を収容する収容部が設けられた第一緩衝体と、前記第一緩衝体に載置され、前記天板を下側から支持する第二緩衝体とを少なくとも備え、前記第二緩衝体は、前記天板に対応する大きさを有する底板部と、前記底板部の上面に配置され、前記天板に下側から当接する当接面を有するパッド部とを備え、前記パッド部の前記当接面は、前記底板部の前記上面に対して上方に所定の高さを有して設けられ、前記当接面の大きさは、前記底板部の前記上面の大きさよりも小さく、前記第二緩衝体に前記天板が支持された状態で、前記底板部の前記上面と前記天板の前記後板部を含む部分の下側面との間に、空隙部を形成
し、前記パッド部の一端部であるパッド第一端部は、前記底板部の一端部である底板第一端部に対応する位置に配置され、前記パッド部における前記パッド第一端部に対向する側の他端部であるパッド第二端部は、前記底板部において、前記底板第一端部と、前記底板第一端部に対向する側の他端部である底板第二端部との間の位置に配置され、前記第一緩衝体の前記収容部は、前記第一緩衝体の端部に設けられた箱状であり、前記収容部は、前記第一緩衝体に前記第二緩衝体が載置された状態において、前記底板第二端部と同じ側の前記第一緩衝体の前記端部に設けられる第一側板と、前記第一側板に対向配置される第二側板とを備え、前記第一緩衝体に前記第二緩衝体が載置された状態で、前記収容部の前記第二側板が、前記天板の前記本体板部と前記後板部との境界部分の下側を延びることを特徴とする。
【0007】
【0008】
請求項
2に係るコンロの梱包部材は、請求項
1に記載の構成に加えて、前記第一緩衝体は、前記第二側板の延びる方向に交わる方向に延びる一対の壁部を備え、前記一対の壁部の上端部は、前記第二側板の上端部と同じ高さで延びることを特徴とする。
【0009】
請求項
3に係るコンロの梱包部材は、請求項
2に記載の構成に加えて、前記パッド部は、前記パッド第一端部において上方に突出する第一突出部と、前記底板第一端部において上方に突出する第二突出部とを備え、前記第二緩衝体に前記天板が支持された状態で、前記第一突出部は、前記天板の一方の端部に当接し、前記第二突出部は、前記天板の前記後板部における前記開口の内縁に当接するように設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項
4に係るコンロの梱包部材は、請求項1から
3のいずれかに記載の構成に加えて、前記天板の前記本体板部は、ガラス製であり、前記天板の前記後板部は、金属製であり、前記天板は、前記本体板部と前記後板部とが互いに固定されることで構成され、前記第二緩衝体の前記パッド部における前記当接面は、前記本体板部の略全域に当接することを特徴とする。
【0011】
請求項
5に係るコンロは、請求項1から
4のいずれかに記載のコンロの梱包部材によって梱包されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係るコンロの梱包部材は、第一緩衝体と第二緩衝体とを少なくとも備えるので、コンロの筐体及び天板が、第一緩衝体と第二緩衝体とによって保護される。コンロの梱包部材がコンロを梱包した状態で外部から衝撃を受けると、衝撃が、第一緩衝体を介して第二緩衝体に伝わることがある。第二緩衝体に伝わった衝撃は、第二緩衝体によって緩和されるが、天板の形状及び天板を構成する材質は様々である。天板が、本体板部と後板部とからなる場合には、後板部及び本体板部と後板部との境界部の強度と、本体板部との強度とが、均一でないことがある。特に、天板の後板部と本体板部とが異なる材料で構成されるような場合には、搬送時に受ける衝撃によって、後板部と本体板部との境界部分において折れ曲がる等の破損が、天板に生ずる可能性がある。第二緩衝体は、天板に対応する大きさを有する底板部を備えたトレー部と、底板部の上面に配置されたパッド部とを備えている。第二緩衝体に載置される天板に下側から当接するパッド部の当接面は、底板部の上面に対して上方に所定の高さを有している。また、当接面の大きさは、底板部の大きさよりも小さいので、コンロの梱包部材は、第二緩衝体に天板が支持された状態で、底板部の上面と天板の後板部を含む部分の下側面との間に、空隙部を形成できる。したがって、空隙部に対応する天板の後板部を含む部分の下側面には、パッド部の当接面が触れていないので、第二緩衝体に伝わった衝撃が、天板の後板部を含む部分の下側面に直接伝わることがない。このように、請求項1に係るコンロの梱包部材は、天板の構成に応じた耐衝撃性を有する。
加えて、請求項1に係るコンロの梱包部材のパッド第一端部は、底板第一端部に対応する位置に配置され、パッド第二端部は、底板第一端部と底板第二端部との間の位置に配置される。すなわち、底板部よりも小さなパッド部が、底板部において底板第一端部側に詰めて配置される。第一緩衝体の備える収容部は、箱状であり、第一緩衝体に第二緩衝体が載置された状態において、第二緩衝体の底板部の第四端部と同じ側の端部に第一側板を、また、第一側板に対向配置される第二側板とを備える。そして、第一緩衝体に第二緩衝体が載置された状態において、第二側板が、天板の本体板部と後板部との境界部分の下側を延びるように構成されている。このようにして、天板の本体板部と後板部との境界部分が、第二側板によって下側から支えられるので、コンロの梱包部材の落下時等に、天板の重みが本体板部と後板部との境界部分に集中しても、底板部が下方に沈み込みにくくなる。したがって、請求項1に係るコンロの梱包部材は、天板及びコンロの破損を低減できる。
【0013】
【0014】
請求項
2に係るコンロの梱包部材は、請求項
1に記載の発明の効果に加えて、第一緩衝体が第二側板の延びる方向に交わる方向に延びる一対の壁部を備えるので、第二側板の延びる方向に交わる方向における第一緩衝体の強度が向上する。また、一対の壁部の上端部が、第二側板の上端部と同じ高さで延びるため、第一緩衝体に第二緩衝体が載置された状態において、第二緩衝体の底板部が、第二側板の上端部に加え、一対の壁部の上端部によっても支持される。したがって、天板の重みによって第二緩衝体が下方に沈み込むことが低減されるので、天板に対する耐衝撃性が向上される。
【0015】
請求項
3に係るコンロの梱包部材は、請求項
2に記載の発明の効果に加えて、パッド部が第一突出部と第二突出部とを備えている。第二緩衝体に天板が支持された状態で、第一突出部は、天板の一方の端部に当接し、第二突出部は、天板に設けられている後板部の内縁に当接するように設けられている。よって、第二緩衝体に天板が支持された状態において、天板がパッド部の上側において移動することが、第一突出部及び第二突出部によって規制されるので、天板が第二緩衝体によって安定して支持される。また、第二緩衝体に天板を支持させる際の位置決めが容易となる。
【0016】
請求項
4に係るコンロの梱包部材は、請求項1から
3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、パッド部の当接面が、ガラス製の本体板部と金属製の後板部とが互いに固定されることで構成されている天板の本体板部の略全域に当接するので、本体板部の破損が防止される。また、外部から衝撃が加えられても、後板部を含む部分の下側面には、空隙部が設けられるので、後板部及び本体板部と後板部とが互いに固定される部分に、衝撃が及びにくい。
【0017】
請求項
5に係るコンロは、請求項1から
4のいずれかに記載のコンロの梱包部材によって梱包されることで、天板の構成に応じた耐衝撃性を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態である梱包部材1について、図面を参照して説明する。以下に記載されている装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す上下、左右、前後を使用する。
【0020】
図1を参照して、コンロ100の梱包部材1の概略構成を説明する。梱包部材1は、コンロ100を梱包し、コンロ100に対する外部からの衝撃を吸収する。梱包部材1によって梱包されたコンロ100は、外箱2の内部に収容された状態で、搬送及び保管される。外箱2は、コンロ100よりもひとまわり大きな、段ボール紙製の箱である。なお、コンロ100は、ビルトインタイプのグリル付きガスコンロであるが、テーブルコンロ等であってもよい。
【0021】
コンロ100は、筐体110と天板150とを備える。筐体110は、コンロ100の本体部を構成し、上面に開口部111を備えた略直方体状に形成された金属製である。筐体110の正面中央には、グリル扉112が設けられている。筐体110の内部には、グリル庫113を左右方向に挟む前部の位置に2つ、後部の略中央に1つの、合計3つのガスバーナ115が配置されている。後部側のガスバーナ115は、前部側のガスバーナ115,115よりも、ひとまわり小さく形成されている。
【0022】
天板150は、平面視略矩形状に形成された板状であり、筐体110の開口部111の上部を覆うように設置されて用いられる。
図1に示すように、コンロ100は、筐体110と天板150とが分離された状態で、梱包部材1によって梱包される。天板150は、筐体110の開口部111の上部を覆うようにして設置されるときに開口部111と対向する側の面である裏面151Bを上側に向けた状態で梱包される。筐体110は、グリル扉112を前側に向けた状態で、外箱2の最下部に収容される。図示しないが、筐体110の周囲と外箱2内側との隙間には、発泡スチロール製等の緩衝材が、適宜挿入される。
【0023】
梱包部材1は、付属品パッド3と、トップパッド4とを備える。付属品パッド3は、平面視略直方体状であり、段ボール紙を折り畳んで組み立てられた箱状パッドである。付属品パッド3は、外箱2に収容された筐体110の上側に載置され、筐体110の上部を保護する。付属品パッド3は、底板部33、側壁部331,332、第一収容部31、第二収容部32を備える。底板部33は、付属品パッド3の底面を構成する平面視略矩形状の板状部である。側壁部331,332は、底板部33の左端部及び右端部が、底板部33から上方に折り返されることで形成されている。第一収容部31は、付属品パッド3の前端部に設けられ、左右方向に長手方向を有する箱状である。第二収容部32は、付属品パッド3の後端部に設けられ、左右方向に長手方向を有する箱状である。
【0024】
付属品パッド3は、コンロ100の付属品を収容する。第一収容部31には、第一収容部31を左右に区分する仕切り311が設けられている。仕切り311の左側の空間部である第一スペース312には、天板150の後述する排気口156を覆う排気口カバーF1が収容される。仕切り311の右側の空間部である第二スペース313には、筐体110の正面の左右の端部に取り付けられるサイドモールF2が収容される。
【0025】
第二収容部32には、第二収容部32を左右に区分する3つの仕切り321が設けられている。仕切り321によって第二収容部32に設けられた複数の空間部のうち、最も左側の第三スペース322、第三スペース322の右側の第四スペース323、及び最も右側の第六スペース325に、ガスバーナ115の上部に載置されるバーナヘッドF3が収容される。第六スペース325の左側の第五スペース324には、コンロ100の電源として用いられる乾電池F4が収容される。
【0026】
また、底板部33には、底板部33の一部が切り抜かれるとともに底板部33から上方に折り返されて形成された複数の折返し部334(
図3参照)が設けられている。複数の折返し部334のそれぞれには、ガスバーナ115の上方に鍋等の被加熱物を載置するための五徳F5が嵌めこまれる。
【0027】
付属品パッド3が筐体110の上側に載置された後に、トップパッド4が、付属品パッド3の上側に載置される。トップパッド4は、付属品パッド3と略同じ大きさの平面視略直方体状であり、段ボール紙を折り畳んで組み立てられたパッドである。トップパッド4の上側に、天板150が載置される。トップパッド4は、天板150に対する外部からの衝撃を緩衝する。
【0028】
図2及び
図6を参照して、天板150の構造について説明する。
図2に示すように、天板150は、本体板部151、及び、排気枠部155を備える。本体板部151は、左右方向に長手方向を有する平面視略長方形状のガラス製の平板であり、天板150の本体部を構成する。本体板部151には、3つのバーナ開口152が設けられている。天板150が筐体110の開口部111の上部を覆うと、3つのガスバーナ115のそれぞれが筐体110側から上方に突出して、各バーナ開口152の中央に臨む。バーナ開口152の周縁部には、五徳F5(
図1参照)を装着するための五徳装着部153が設けられている。五徳装着部153は、天板150の本体板部151に五徳F5を配置するために設けられている。五徳装着部153は、本体板部151の上面である表面151Aから上方にやや厚みを有する平面視略円環状であり、ダイカストで形成されている。
【0029】
排気枠部155は、筐体110の開口部111の上部に設置された天板150において、本体板部151の後方に配設される、左右方向に長手方向を有した金属製の板状の枠部材である。排気枠部155の上面155Aの略中央には、上面155Aを上下方向に貫通し、左右方向に長手方向を有する略長方形状の開口部である排気口156が設けられている。排気口156は、筐体110の開口部111の上部に天板150が設置されたときに、グリル庫113の内部と連通して、グリル庫113の内部の排気を行う。このような本体板部151の後端部と、排気枠部155の前端部とが接合されて、天板150が構成される。本体板部151の本体板端部150Aとは反対側の端部は、排気枠部155における排気口156の本体板部151側の外縁部まで延びており(
図6参照)、接合部150Cにおいて、本体板部151の表面151Aと、排気枠部155の下面とが接合されている。なお、
図6に示すように、天板150の裏面151Bには、本体板部151と、排気口156を除く排気枠部155とを一体に覆う板金159が設けられており、天板150の全体の強度が保たれている。排気枠部155の上面155Aと、本体板部151の表面151Aとは、略同じ高さで延設されている。
【0030】
天板150の前後方向及び左右方向の各長さは、筐体110の開口部111の前後方向御呼び左右方向の各長さと略同一である。天板150は、本体板端部150Aを筐体110の開口部111の前側の端部に、排気枠端部150Bを筐体110の開口部111の後側の端部に、それぞれ合わせた状態で、開口部111の上部に設置される。
【0031】
このような天板150を補強するため、天板150の外周を取り囲むように金属枠が設けられることがあるが、本実施形態では、天板150の美観を向上するため、このような金属枠を設けていない。なお、天板150は、例えばホーロー加工された1枚の板金をプレス加工することで形成されてもよい。
【0032】
図3を参照して、付属品パッド3の詳細構造について説明する。第一収容部31は、第一側板316、第二側板317を備える。第一側板316は、第一収容部31の前端側の側面を構成する板状部であり、底板部33と同じ位置から上方に、底板部33に対して略垂直に延びる。第二側板317は、第一収容部31の後端側の側面を構成する板状部であり、第一側板316から長さL1だけ後方の位置において、第一側板316に対向して、底板部33と同じ位置から底板部33に対して略垂直に上方に延びる。第一側板316の上端部316Aと、第二側板317の上端部317Aとは、底板部33に対して同じ高さである。
【0033】
第二収容部32は、第三側板326、第四側板327を備える。第三側板326は、第二収容部32の後端側の側面を構成する板状部であり、底板部33と同じ位置から上方に、底板部33に対して略垂直に延びる。第四側板327は、第三側板326から長さL2だけ前方の位置において、第三側板326に対向して、第二収容部32の前端側の側面を構成する板状部であり、底板部33と同じ位置から底板部33に対して略垂直に上方に延びる。長さL2は、長さL1よりも短い。すなわち、第二収容部32は、第一収容部31に比べて前後方向の長さが短い。第三側板326の上端部326Aと、第四側板327の上端部327Aとは、底板部33に対して同じ高さである。
【0034】
第三側板326の上端部326A及び第四側板327の上端部327Aは、第一側板316の上端部316A及び第二側板317の上端部317Aと、底板部33の位置に対して同じ高さを有する。第一側板316、第二側板317、第三側板326、及び第四側板327は、付属品パッド3において、互いに平行に配置されて左右方向に延びる。これにより、付属品パッド3が前後方向に沿って折れ曲がるような変形が、付属品パッド3に生じにくくなる。なお、第一側板316、第二側板317、第三側板326、及び第四側板327は、左右方向において長さKを有する。長さKは、外箱2の左右の壁同士の間の長さに対応する。
【0035】
側壁部331は、底板部33の左端部において、第二側板317と第三側板326との間を、第二側板317と第三側板326に対して略直交するように、前後方向に延びる。側壁部332は、底板部33の右端部において、第二側板317と第四側板327との間を、第二側板317と第三側板326に対して略直交するように、前後方向に延びる。側壁部331,332の前後方向の長さは、第二側板317と第四側板327との間の前後方向の長さL3と略同じである。側壁部331の上端部331A、及び側壁部332の上端部332Aは、第一側板316の上端部316A及び第二側板317の上端部317Aと同じ高さで前後方向に延びている。なお、長さL1,L2,L3を合計した長さは、外箱2の前後の壁同士の間の長さに対応する。よって、付属品パッド3が外箱2の内部において筐体110の上側に載置されたとき、付属品パッド3の周縁部が外箱2の周壁に内側から当接して位置決めされるので、輸送時等に、外箱2の内部における付属品パッド3の移動が防止される。
【0036】
側壁部331は、第二側板317及び第四側板327の各左端部よりも底板部33の中央部に寄った位置において前後方向に延びている。また、側壁部332は、第二側板317及び第四側板327の各右端部よりも底板部33の中央部に寄った位置において前後方向に延びている。これにより、付属品パッド3が左右方向に沿って折れ曲がるような変形が、付属品パッド3に生じにくくなる。第二側板317の後面側、側壁部331の左面側、第四側板327の前面側のそれぞれによってコの字型に囲まれた間隙である凹部33Pが形成されている。第二側板317の後面側、側壁部332の右面側、第四側板327の前面側のそれぞれによってコの字型に囲まれた間隙である凹部33Qが形成されている。
【0037】
底板部33には、前述の複数の折返し部334の他、底板部33を上下方向に貫通する3つの円孔335が設けられている。3つの円孔335は、コンロ100の筐体110の上側に載置された付属品パッド3において、筐体110に設けられている3つのガスバーナ115と上下方向において同じ位置に設けられている。3つのガスバーナ115の上部は、筐体110の開口部111よりも上方まで延びているので、付属品パッド3が筐体110の上側に載置された状態で、3つのガスバーナ115の上部が3つの円孔335の内側に臨む。
【0038】
図4から
図7を参照して、トップパッド4の詳細構造について説明する。
図4に示すように、トップパッド4は、トップトレー40と、トップクッション50とを備える。トップトレー40及びトップクッション50は、それぞれ、段ボール紙を折り曲げ、又は、折り畳んで組み立てられている。トップトレー40は、トップパッド4の底部を構成する。トップトレー40は、底板部41、前縁部42、後縁部43を備える。
【0039】
底板部41は、天板150の大きさに対応した大きさで略水平に延びる、段ボール紙製の平面視略矩形状の板状部である。本実施形態では、底板部41は天板150よりもひとまわり大きく、その上部に天板150の全体をちょうど収容可能である(
図6参照)。底板部41の左右方向の長さは、付属品パッド3の左右方向の長さと同じく、長さKである。底板部41の前後方向の長さは、長さM1である。長さM1は、前述の付属品パッド3の前後方向の長さである、長さL1,L2,L3を合計した長さと略同一である。前縁部42及び後縁部43は、底板部41の前後の周縁を底板部41から略垂直上方に折り返した部分である。前縁部42及び後縁部43は、トップパッド4が外箱2の内部において付属品パッド3の上側に載置されたときに、外箱2の前後の壁に内側から当接する。このとき、底板部41の左右の端部が、外箱2の左右の壁に内側から当接する。このようにして、外箱2の内部においてトップトレー40が位置決めされるので、輸送時等に、外箱2の内部におけるトップパッド4の移動が防止される。
【0040】
底板部41には、前固定部44、後固定部45、左固定部46、右固定部47、及び3つの円孔48が設けられている。前固定部44は、底板部41の上面41Aのうち、前後左右方向における中央よりも前縁部42寄りの位置の一部が左右方向に長さを有して切り抜かれるとともに、上面41Aから上方に折り返されて形成されている。後固定部45は、上面41Aのうち、後縁部43寄りの左右方向の略中央の一部が左右方向に長さを有して切り抜かれるとともに、上面41Aから上方に折り返されて形成されている。左固定部46は、上面41Aの左端部の前後方向における略中央の一部が前後方向に長さを有して切り抜かれるとともに、上面41Aから上方に折り返されて形成されている。右固定部47は、上面41Aの右端部の前後方向における略中央の一部が前後方向に長さを有して切り抜かれるとともに、上面41Aから上方に折り返されて形成されている。前固定部44、後固定部45、左固定部46、右固定部47のそれぞれは、トップクッション50を底板部41の上面41Aに対して固定するために設けられている。
【0041】
3つの円孔48は、底板部41を上下方向に貫通し、付属品パッド3を介して筐体110の上側に載置されたトップパッド4において、筐体110に設けられている3つのガスバーナ115と上下方向において同じ位置に設けられている。3つの円孔48は、付属品パッド3及びトップパッド4が筐体110の上側に載置された状態で、3つのガスバーナ115の上部をその内側に臨ませる。
【0042】
トップクッション50は、矩形の段ボール紙の前端部及び後端部が所定の厚みを有するように折り曲げられて形成された、平面視略矩形状の緩衝用の部材である。トップクッション50は、トップトレー40の底板部41の上面41Aに対して固定される。トップクッション50は、上板51、第一筒状部52、第二筒状部53、前当接部541、後当接部551、左当接部561、右当接部571を備える。
【0043】
上板51は、トップクッション50の上面を構成する平面視略矩形状の板状部である。上板51は、裏面151Bを上側に向けた状態でトップパッド4に載置される天板150の本体板部151を、下側から支持する。上板51には、前部略中央に1つ、後部の左右に2つ配置され、上板51を上下方向に貫通する合計3つの円孔58を備える。3つの円孔58は、表面151Aを下側にした天板150の本体板部151が、上板51の上面51Aに載置された状態で、本体板部151に設けられている五徳装着部153を下方に突出させる。これにより、本体板部151の表面151Aの全体が、上板51の上面51Aにぴったりと当接し、外箱2の内部において、天板150が略水平に保たれる。また、梱包部材1に対して外部から与えられた衝撃は、トップクッション50によって緩衝されるので、本体板部151の破損が防止される。なお、上面51Aの平面視での大きさは、天板150の本体板部151の平面視での大きさに対応している。
【0044】
第一筒状部52は、上板51の前端部の下面において左右方向に延びる、側面視略矩形の中空の筒状である。第二筒状部53は、上板51の後端部の下面において左右方向に延びる、側面視略矩形の中空の筒状である。第一筒状部52及び第二筒状部53は、上下方向に厚さDを有する。第一筒状部52及び第二筒状部53は、トップクッション50に対して上下方向に加わる衝撃を緩衝する。
【0045】
前当接部541は、トップクッション50の前端部54の略中央において前端部54からやや前方に突出する一対の爪部542に挟まれた部分である。後当接部551は、トップクッション50の後端部55の略中央において後端部55からやや後方に突出する一対の爪部552に挟まれた部分である。後当接部551は、トップクッション50の左端部略中央において左端部からやや左方に突出する一対の爪部562に挟まれた部分である。右当接部571は、トップクッション50の右端部略中央において右端部からやや右方に突出する一対の爪部572に挟まれた部分である。トップクッション50の前端部54から後端部55までの前後方向の長さは、長さM2である。この長さM2は、底板部41の前後方向の長さM1よりも短い。トップクッション50の左端部から右端部までの左右方向の長さは、長さM3である。この長さM3は、底板部41の左右方向の長さKよりも僅かに短い。したがって、トップクッション50の上板51が形成する矩形の面積は、底板部41の上面が形成する矩形の面積よりも小さい。
【0046】
図5に示すように、トップクッション50は、一対の爪部552の後端がトップトレー40の後縁部43に当接する位置まで後端部55を後縁部43に寄せた状態で(
図8参照)、底板部41の上側に配置される。このとき、第一筒状部52及び第二筒状部53の下面が、トップトレー40の底板部41の上面41Aの上側に当接された状態で、トップクッション50が底板部41に載置される。トップクッション50の前端部54は、トップトレー40の前縁部42と後端部55との間の位置に配置される。このようにトップクッション50がトップトレー40の底板部41に載置されたとき、前固定部44、後固定部45、左固定部46、右固定部47が、前当接部541、後当接部551、左当接部561、右当接部571にそれぞれ当接する。前当接部541、後当接部551、左当接部561、右当接部571にそれぞれ当接した前固定部44、後固定部45、左固定部46、右固定部47は、一対の爪部542,552,562,572のそれぞれに挟持される。
【0047】
このようにトップトレー40とトップクッション50とが組み合わされたトップパッド4の上側に天板150が載置されるとき、
図6に示すように、天板150の本体板部151の全体と、排気枠部155の一部とが、トップクッション50の上側に載置される。前固定部44、後固定部45、左固定部46、右固定部47の各上端部は、天板150の裏面151Bよりも上方に位置する。後固定部45の上端部は、後方から天板150の本体板端部150Aに当接する。左固定部46、右固定部47の各上端部は、左方及び右方から本体板部151の左右の端部に当接する。前固定部44の上端部は、排気枠部155における排気口156の本体板部151側の内縁部に、前方から当接する。このため、輸送時等に、トップパッド4に載置された天板150の前後方向及び左右方向の移動が防止される。また、コンロ100の梱包作業を行う作業者は、天板150の本体板端部150Aが後固定部45に、天板150の左右の端部が左固定部46及び右固定部47に、排気口156の本体板部151側の内縁部が前固定部44にそれぞれ当接するように、トップパッド4の上側に天板150を載置すればよい。したがって、トップパッド4に対する天板150の位置決めが容易になる。
【0048】
このように位置決めされた天板150は、底板部41の上面41Aに対して、表面151Aを下側に向けた状態で、トップクッション50によって下側から支持される。このとき、排気枠端部150Bがトップトレー40の前縁部42に向けて延びた状態で、天板150の排気枠部155の略全体が底板部41の上方に配置される。このため、排気枠部155の上面155Aと、底板部41の上面41Aとの間に、第一筒状部52及び第二筒状部53の厚さDに相当する上下方向の高さを有する空隙部450が設けられる。
【0049】
図7に示すように、底板部41の下面41B側には、前縁部42及び後縁部43に隣接する辺である底板部41の左右の端部に沿って、第一突出部410及び第二突出部420が設けられている。第一突出部410は、底板部41の左端部の下面41B側において、前後方向に所定の長さを有して延び、且つ、下面41Bから下方に突出する三角柱状である。第一突出部410は、底板部41の左端部の一部が、底板部41の下面41Bに向けて山状に折り曲げられて形成されている。第二突出部420は、底板部41の右端部の下面41B側において、前後方向に所定の長さを有して延び、且つ、下面41Bから下方に突出する三角柱状である。第二突出部420は、底板部41の右端部の一部が、底板部41の下面41Bに向けて山状に折り曲げられて形成されている。
【0050】
第一突出部410及び第二突出部420の前後方向の長さは、付属品パッド3の凹部33P,33Qの前後方向の長さと同じく、長さL3である。第一突出部410及び第二突出部420の後端は、底板部41の後端である後縁部43から前方に、前述の付属品パッド3の第二収容部32の第三側板326と第四側板327との間と同じ長さL2だけ離隔した位置に配置されている。第一突出部410及び第二突出部420の前端は、底板部41の前端である前縁部42から後方に、前述の付属品パッド3の第一収容部31の第一側板316と第二側板317との間と同じ長さL1だけ離隔した位置に配置されている。すなわち、第一突出部410及び第二突出部420は、前縁部42よりも後縁部43に寄せて配置されており、前縁部42と後縁部43との前後方向における中間の位置において延びる仮想直線Gに対して非対称に形成されている。
【0051】
図8を参照して、付属品パッド3の第一側板316と、トップパッド4の前縁部42とが、上下方向において同じ位置に配置された状態の梱包部材1及び天板150の詳細構成について説明する。付属品パッド3の上側にトップパッド4が載置されると、第二側板317の凹部33Pと第一突出部410とが、付属品パッド3にトップパッド4が載置された状態で上下方向において同じ位置に配置される。図示しないが、このとき、凹部33Qと第二突出部420とも、上下方向において同じ位置に配置される。したがって、第一突出部410が、凹部33Pに対して上側から嵌合する。図示しないが、このとき、第二突出部420も、凹部33Qに対して上側から嵌合する。このように、付属品パッド3にトップパッド4が載置されると、凹部33P,33Qに対して第一突出部410及び第二突出部420がちょうど収まる。これにより、付属品パッド3にトップパッド4が載置された状態が安定する。
【0052】
付属品パッド3の第一側板316の上端部316A、第二側板317の上端部317A、第三側板326の上端部326A、第四側板327の上端部327A、側壁部331の上端部331A(
図3参照)、及び側壁部332の上端部332A(
図3参照)は、底板部33に対して同じ高さに並ぶ。この上側にトップパッド4の底板部41が載置されるので、底板部41の上面41Aが略水平に保たれる。よって、トップクッション50の上板51の上面51Aも、底板部41の上面41Aから上方に厚さD(
図4、
図5、
図6参照)に相当する上下方向の高さを有して略水平に延びる。第一側板316、第二側板317、第三側板326及び第四側板327は左右方向に延び、側壁部331,332は前後方向に延びているので、トップパッド4の底板部41が前後左右方向に亘って同じ高さで支持される。このため、トップパッド4の上側に天板150が載置され、また、梱包部材1に対して衝撃が加わることで、トップパッド4に天板150の重みが加えられても、トップパッド4の底板部41が撓みにくい。
【0053】
このように組み合わされた梱包部材1の上側に、天板150が載置される。天板150は、トップパッド4におけるトップクッション50の上板51の上面51Aに、本体板部151の表面151Aが当接するように載置され、排気枠部155の上面155Aと、底板部41の上面41Aとの間には、空隙部450が設けられる。本実施形態における天板150は、ガラス製の本体板部151と、金属製の排気枠部155とが接合された構成である。例えば、天板150全体に対して衝撃等が加えられた場合、異なる素材同士の接合部150Cに、衝撃による影響が特に集中することがある。天板150の接合部150Cにおける強度が、天板150の他の部分における強度よりも低いことがある。本実施形態では、排気枠部155の上面155Aの略全体が、トップクッション50の上板51の上面51Aに当接していない。よって、梱包部材1によって梱包されたコンロ100が、外箱2ごと落下するような衝撃が与えられても、衝撃の影響がトップクッション50を介して排気枠部155に直接に伝達し難い。このため、本体板部151と排気枠部155との接合部150Cに加わる衝撃による影響が低減され、接合部150Cにおける変形等の不具合が低減される。
【0054】
また、接合部150Cに加わる衝撃による影響をさらに低減するため、第一収容部31の第二側板317が、トップパッド4に載置された天板150における接合部150Cの下側を延びるように配置されている。これにより、天板150の接合部150C及びその近傍に対応する部分のトップトレー40の底板部41が、第一収容部31の第二側板317によって下側から支持される。よって、梱包部材1に落下による衝撃等が加えられても、トップトレー40の底板部41の天板150の接合部150C及びその近傍に対応する部分が、付属品パッド3の側に向けて沈み込みにくくなり、接合部150Cが変形するような不具合が防止される。
【0055】
図9を参照して、付属品パッド3とトップパッド4とが、正しい配置で組み合わされない場合について説明する。前述したように、付属品パッド3の第一側板316とトップパッド4の前縁部42とを上下方向において同じ位置に配置するのが、付属品パッド3とトップパッド4との正しい配置である。付属品パッド3とトップパッド4との平面視における前後左右方向の大きさは、互いに同じである。よって、付属品パッド3とトップパッド4との正しい配置に反して、付属品パッド3とトップパッド4とのいずれかの前後方向が入れ替えられた誤った配置がされる可能性がある。付属品パッド3とトップパッド4とが誤って配置されると、第一収容部31の第二側板317が、トップトレー40に載置された天板150の接合部150C及びその近傍に対応する部分の下側とは異なる位置において延びるようになる等により、梱包部材1の本来の耐衝撃性に影響が生ずることがある。
【0056】
図9に示すように、付属品パッド3の第一側板316とトップパッド4の後縁部43とを、上下方向において同じ位置に配置したとする。この状態で付属品パッド3の上側にトップパッド4を載置しようとすると、第二突出部420の下端のうち後縁部43寄りの部分が、第二側板317の上端部317Aの上側に乗り上げる。付属品パッド3の前端部とトップパッド4の後端部とを上下方向において同じ位置に配置した場合には、凹部33Pと第二突出部420とが上下方向において同じ位置に配置されず、凹部33Pに第二突出部420が嵌合できないためである。図示しないが、この場合、第一突出部410の下端のうち後縁部43寄りの部分も、第二側板317の上端部317Aの上側に乗り上げ、凹部33Qに第一突出部410が嵌合できない。梱包部材1では、第一突出部410及び第二突出部420が、
図7に示す仮想直線G(
図7参照)に対して非対称に配置されている。また、付属品パッド3とトップパッド4とが正しい配置で組み合わされた場合における第一突出部410及び第二突出部420と上下方向において同じ位置に、凹部33P,33Qが設けられている。よって、付属品パッド3とトップパッド4との前後方向の関係が反対になる場合には、第一突出部410と第二突出部420とが、凹部33P,33Qに嵌合しない。
【0057】
第一突出部410と第二突出部420とが、凹部33P,33Qに嵌合しない場合には、トップパッド4の底板部41が、付属品パッド3の上端部316A,317A,326A,327A,331A,332Aに対して傾斜して配置される。一方、付属品パッド3とトップパッド4とが正しく配置される場合には、第一突出部410と第二突出部420とが、凹部33P,33Qに嵌合する。よって、トップパッド4の底板部41が、付属品パッド3の上端部316A,317A,326A,327A,331A,332Aに沿って略水平に配置される(
図8参照)。したがって、コンロ100の梱包作業を行う作業者は、付属品パッド3にトップパッド4が正しい配置で載置されているか否かを、トップパッド4の底板部41が略水平に配置されているか傾斜しているかに応じて、目視により判別できる。このようにして付属品パッド3とトップパッド4とが正しく配置されるように促されるので、梱包部材1の耐衝撃性が担保される。
【0058】
以上説明したように、梱包部材1において、付属品パッド3は、外箱2に収容されたコンロ100の筐体110の上側に載置される。トップパッド4は、付属品パッド3の上側に載置され、付属品パッド3の上側には、コンロ100の天板150が載置される。梱包部材1によって梱包されたコンロ100が外部から衝撃を受けると、梱包部材1に伝達した衝撃の一部が、トップパッド4に伝わる。トップパッド4は、伝わった衝撃を吸収して緩和するが、天板150の形状及び天板150を構成する素材は様々である。本実施形態では、ガラス製の本体板部151と、金属製の排気枠部155とが接合部150Cにおいて接合された構成となっている。このため、搬送時に天板150に伝わる衝撃によっては、接合部150C及びその近傍において天板150が折れ曲がる等の破損が、天板150に生ずる可能性がある。また、天板150がホーロー加工された1枚の板金をプレス加工することで形成されている場合には、排気口156近傍の板金が細くなる。このため、搬送時に天板150に伝わる衝撃によっては、排気口156の近傍において天板150が折れ曲がる等の破損が、天板150に生ずる可能性がある。トップパッド4は、天板150の大きさに対応した大きさで略水平に延びる底板部41を備えるトップトレー40と、厚さDを有する平面視略矩形状の緩衝用の部材であるトップクッション50とを備える。トップクッション50の上板51が形成する矩形の面積は、底板部41の上面41Aが形成する矩形の面積よりも小さい。トップクッション50の上板51が形成する矩形の面積は、天板150の本体板部151の全体の大きさに対応している。上板51の上面51Aは、天板150の本体板部151の表面151Aに当接し、天板150を下側から支持する。このとき、天板150の排気枠端部150Bは、トップトレー40の前縁部42に向けて延びた状態で、天板150の排気枠部155の略全体が底板部41の上方に配置される。このため、排気枠部155の上面155Aと、底板部41の上面41Aとの間に、厚さDに相当する上下方向の高さを有する空隙部450が設けられる。空隙部450の上側に配置される排気枠部155の上面155Aには、トップクッション50の上板51が触れていないので、トップトレー40に伝達された衝撃は、トップクッション50を介して排気枠部155の上面155Aに直接伝達しない。このようにして、梱包部材1は、天板150の構成に応じた耐衝撃性を提供できる。また、梱包部材1によって梱包されたコンロ100の耐衝撃性が向上される。
【0059】
トップクッション50の後端部55は、一対の爪部552の後端がトップトレー40の後縁部43に当接する位置まで後端部55を後縁部43に寄せた状態で、底板部41の上側に配置される。トップクッション50の前端部54は、トップトレー40の前縁部42と後端部55との間の位置に配置される。すなわち、平面視で底板部41よりも小さなトップクッション50が、底板部41において後縁部43側に詰めて配置される。第一収容部31は、付属品パッド3の前端部を左右方向に延びる箱状である。第一側板316は、第一収容部31の前端側の側面を構成する板状部であり、底板部33と同じ位置から上方に、底板部33に対して略垂直に延びる。第二側板317は、第一収容部31の後端側の側面を構成する板状部であり、第一側板316から長さL1だけ後方の位置において、底板部33と同じ位置から上方に、底板部33に対して略垂直に延びる。付属品パッド3にトップパッド4が正しい配置で載置される場合、第二側板317は、トップパッド4に載置された天板150における接合部150Cの下側を延びるように配置される。この場合、天板150の接合部150C及びその近傍に対応する部分のトップトレー40の底板部41が、第一収容部の第二側板317によって下側から支持される。よって、梱包部材1に落下による衝撃等が加えられても、トップトレー40の底板部41の天板150の接合部150C及びその近傍に対応する部分が、付属品パッド3の側に向けて沈み込みにくくなり、接合部150Cにおいて天板150が変形するような不具合が防止される。
【0060】
付属品パッド3において、側壁部331,332は、底板部33の左右の端部において、第二側板317と第三側板326との間を、第二側板317と第三側板326に対して略直交するように、前後方向に延びる。底板部33において左右方向に延びる第一側板316、第二側板317、第三側板326及び第四側板327に加えて、前後方向に延びる側壁部331,332が設けられることによって、トップパッド4の底板部41が撓みにくくなる。また、側壁部331の上端部331A、及び側壁部332の上端部332Aは、第一側板316の上端部316A及び第二側板317の上端部317Aと同じ高さで前後方向に延びている。この上側にトップパッド4の底板部41が載置されるので、トップパッド4の底板部41が前後左右方向に亘って同じ高さで支持される。したがって、トップパッド4に天板150の重みが加えられても、トップパッド4の底板部41が沈み込みにくくなる。
【0061】
トップパッド4の底板部41には、前固定部44及び後固定部45が設けられている。前固定部44は、底板部41の上面41Aのうち、前後左右方向における中央よりも前縁部42寄りの位置の一部が左右方向に長さを有して切り抜かれるとともに、上面41Aから上方に折り返されて形成されている。後固定部45は、上面41Aのうち、後縁部43寄りの左右方向の略中央の一部が左右方向に長さを有して切り抜かれるとともに、上面41Aから上方に折り返されて形成されている。前固定部44及び後固定部45は、トップクッション50を底板部41の上面41Aに対して固定する。トップパッド4の上側に天板150が表面151Aを下側に向けて載置されるとき、天板150の本体板部151の全体と、排気枠部155の一部とが、トップクッション50の上側に載置される。このとき、前固定部44及び後固定部45各上端部は、天板150の裏面151Bよりも上方に位置する。後固定部45の上端部は、後方から天板150の本体板端部150Aに当接する。前固定部44の上端部は、排気枠部155における排気口156の本体板部151側の内縁部に、前方から当接する。このため、輸送時等に、外箱2の内部におけるトップパッド4に天板150の前後方向の移動が防止される。また、作業者は、天板150の本体板端部150Aが後固定部45に、排気口156の本体板部151側の内縁部が前固定部44にそれぞれ当接するように、トップパッド4の上側に天板150を載置すればよい。したがって、トップパッド4に対する天板150の位置決めが容易になる。
【0062】
トップクッション50の上板51の上面51Aは、底板部41の上面41Aから上方に、第一筒状部52及び第二筒状部53の上下方向の厚さDに相当する上下方向の高さを有して略水平に延びる。上面51Aは、トップパッド4に載置される天板150の本体板部151の表面151Aに当接し、天板150を下側から支持する。上面51Aの平面視での大きさは、天板150の本体板部151の平面視での大きさに対応している。梱包部材1に対して外部から与えられた衝撃は、トップクッション50によって緩衝されるので、本体板部151の破損が防止される。また、排気枠部155の上面155Aの略全体は、トップクッション50の上板51の上面51Aに当接していない。よって、例えば、梱包部材1に衝撃が与えられても、衝撃の影響がトップクッション50を介して排気枠部155に伝達し難い。このため、本体板部151と排気枠部155との接合部150Cに加わる衝撃による影響が低減され、接合部150Cにおける変形等の不具合が低減される。
【0063】
本実施形態において、コンロ100が、本発明の「コンロ」に相当する。筐体110が、本発明の「筐体」に相当する。天板150が、本発明の「天板」に相当する。本体板部151が、本発明の「本体板部」に相当する。排気枠部155が、本発明の「後板部」に相当する。排気口156が、本発明の「開口」に相当する。接合部150Cが、本発明の「境界部分」に相当する。梱包部材1が、本発明の「梱包部材」に相当する。
【0064】
付属品パッド3が、本発明の「第一緩衝体」に相当する。第一収容部31が、本発明の「収容部」に相当する。第一側板316が、本発明の「第一側板」に相当する。第二側板317が、本発明の「第二側板」に相当する。後縁部43が、本発明の「底板第一端部」に相当する。前縁部42が、本発明の「底板第二端部」に相当する。側壁部331,332が、本発明の「壁部」に相当する。トップパッド4が、本発明の「第二緩衝体」に相当する。底板部41が、本発明の「底板部」に相当する。トップクッション50が、本発明の「パッド部」に相当する。本発明の「当接面」に相当する。本発明の「空隙部」に相当する。後端部55が、本発明の「パッド第一端部」に相当する。前端部54が、本発明の「パッド第二端部」に相当する。後固定部45が、本発明の「第一突出部」に相当する。前固定部44が、本発明の「第二突出部」に相当する。
【0065】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、天板150において、本体板部151と排気枠部155との接合には、接着、圧着、溶着等の公知の手法を採用してよい。また、接着、圧着、溶着等によらず、本体板部151に排気枠部155を締め付けること等によって、本体板部151と排気枠部155とが固定されていてもよい。すなわち、接合部150Cは、本体板部151に排気枠部155との境界部分である。境界部分には、本体板部151と排気枠部155とが重なり合うなど、本体板部151と排気枠部155との双方が存在する部分が含まれる。梱包部材1の耐衝撃性を向上するためには、このような境界部分の下側に、第一収容部31の第二側板317が配置されることが好ましい。
【0066】
上記実施形態では、天板150は、表面151Aを下側に、裏面151Bを上側にした状態で、トップパッド4の上側に載置されるが、天板150が表面151Aを上側に、裏面151Bを下側にした状態で載置されるように梱包部材1が構成されていてもよい。
【0067】
トップクッション50の後端部55に一対の爪部552が設けられず、後端部55がトップトレー40の後縁部43に当接するように配置されていてもよい。また、トップクッション50の後端部55に一対の爪部542が設けられていなくてもよい。
【0068】
前固定部44、後固定部45、左固定部46及び右固定部47が、トップクッション50の上板51の上面51Aの前後左右の端部が所定の形状で切り抜かれ、切り抜かれた部分が上面51A上方に折り返されて形成されてもよい。
【0069】
梱包部材1は、段ボール紙を折り畳んで形成されるので、上記実施形態における長さK,L1,L2,L3,M1,M2,M3は、いずれも紙厚等による誤差を含んだ長さである。また、凹部33P,33Qに対して第一突出部410及び第二突出部420が嵌合しやすくなるように、第一突出部410及び第二突出部420の前後方向の長さが、凹部33P,33Qの前後方向の長さに対して若干短くされてもよい。よって、長さK,L1,L2,L3,M1,M2,M3は、数ミリメートル〜1センチメートル程度の幅を有する値であってもよい。なお、梱包部材1の一部又は全部が、段ボール紙以外の紙系材料で構成されていてもよい。