特許第6795836号(P6795836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795836
(24)【登録日】2020年11月17日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】組み合せ時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/12 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   G04B37/12 Z
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-212680(P2016-212680)
(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公開番号】特開2018-72190(P2018-72190A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】516219406
【氏名又は名称】土本 一世
(74)【代理人】
【識別番号】100087169
【弁理士】
【氏名又は名称】平崎 彦治
(72)【発明者】
【氏名】土本 一世
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−170871(JP,A)
【文献】 特開2011−252900(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0050616(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/12
G04B 19/06
A44C 25/00
G04B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3個一組として構成される時計1a,1b,1cにおいて、時計1aの本体2aと時計1cの本体2cの材質は互いに異なり、一方の時計1bの本体2bは上記本体2aと同じ材質から成る本体部と本体2cと同じ材質から成る本体部を互いに接合して構成したことを特徴とする組み合わせ時計。
【請求項2】
上記時計1bの本体を構成する両本体部は、時計1aの本体となる同じ材料の一部を切断したものと、時計1cの本体となる同じ材料の一部を切断したものを互いに接合して構成した請求項1記載の組み合わせ時計。
【請求項3】
上記両本体部の接合面には凹凸部を形成して接着剤を介して接合した請求項1、又は請求項2記載の組み合わせ時計。










【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数個の時計を一組とし、これら時計本体の材質に関連性を持たせて構成される組み合せ時計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、時計をお祝いの品や引き出物として使用する場合は多い。これには色々な理由があるであろうが、見栄えが良い割りに比較的手頃な値段であること、また、時計は毎日使うものであることが主な理由であろう。したがって、結婚式のお祝いの品、新築祝いの品など、又結婚式の引き出物の品、法事の引き出物として時計が使われるケースが多い。
【0003】
本発明が対象とする時計は不特定多数の人に贈る引き出物ではなく、3個の時計を一組として記念の品として贈るものである。従来の時計は工場で大量生産したものであり、その為に個々の時計に個性はない。すなわち、同じタイプの時計は数多く存在する為に、時計としての機能は十分に発揮できるが、心に残る印象は少ない。まして、時計が結婚した2人の絆を助長するといった働きは存在しない。
【0004】
従来、結婚式のお祝いの品としてペアの腕時計を贈る場合は多い。すなわち、男性用の腕時計と女性用の腕時計を対にして贈ることが出来、何時までも心に残る腕時計となる。このように、腕時計に関しては男性用と女性用がペアとして売り出しているケースは多く、多数人が着用している。
しかし、ペアの腕時計といっても、世の中には同じものが数多く販売され、2個のみのペア時計と言えるものではない。そして、置き時計や掛け時計に関してはペアとして製作されるものは存在しない。
【0005】
実用新案登録第3104610号に係る「コンパクトディスクを文字盤にした時計及び記念品」は、文字盤として音楽用などの12cmコンパクトディスクを用い、文字盤にサンドブラスト技法により購入者の希望する写真画像・文字・図柄を食刻した時計である。
すなわち、コンパクトディスクはCDケース本体に収納され、時分秒の各時計針は時計針回転軸により回転駆動され、時計針回転軸はコンパクトディスクの穴が嵌った凸部の中心からCDケース本体の背面部へ貫通して、CDケース本体の背面部に固着されたクオーツ機構部に接続されている。そして、クオーツ機構部は時計針の回転が水晶発振器により制御されるアナログ時計ムーブメントである。文字盤は、コンパクトディスクにサンドブラスト技法により購入者の希望する写真画像・文字・図柄を食刻して作製している。
【0006】
実開平5−70319号に係る「ペンダント」は、結婚或いは誕生した年月日を始めとしてペンダント所有者自身にとって全く特別な意味で記念的なものとして愛顧できるペンダントである。
ペンダントの表裏いずれかの一面に、結婚或いは誕生した年月日を始めとしてこのペンダント所有者にとって記念すべき特別の日の時刻(時分)を時計の文字盤形態部と時計の時分針形態部とをもって刻印等の手段にて表示できるようにした表示欄を配して成るものである。
この構成により、表示欄をもって、ペンダント所有者にとって記念すべき特別の日の時刻(時分)を、従来全く存在しない斬新な種態でもって表示でき、このペンダントの所有者自身にとって全く特別な意味で記念的なものとしてこのペンダントを愛顧できる。
【0007】
特開2011−252900号に係る「木目を形成した木製時計」は本体を木質とした置き時計又は掛け時計であり、複数個が一組として構成されている。すなわち、木製の本体はその表面に木目を有し、そして一組と成る時計本体表面に形成される木目は互いに連続し、表面には時を刻む針を設け、裏面に形成した凹部には該針を駆動する機器を取付けている。
【特許文献1】実用新案登録第3104610号に係る「コンパクトディスクを文字盤にした時計及び記念品」
【特許文献2】実開平5−70319号に係る「ペンダント」
【特許文献3】特開2011−252900号に係る「木目を形成した木製時計」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、今日多種多様な時計が存在していて、結婚祝いなどの贈り物として複数個が一組として構成した置き時計や掛け時計も知られている。本発明は結婚祝いの贈り物として使用する時計を対象とし、3個が互いに関連した外観を呈して絆を助長することが出来る組み合わせ時計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る組み合わせ時計は3個が互いに関連した構造とし、その本体に形成される木目ではなく、本体の材質にて関連するように構成している。すなわち、3個の時計を配列するならば、本体を構成する材質を介して繋がりを有している。
本体表面に設けた文字盤に針(短針、長針)を取付け、本体の背面側に機器を設けて該針を駆動するように構成している。また、振り子を備えた時計の場合には、振り子が見えるように本体表面に穴を形成している。針は短針と長針の他に秒針を備える場合もある。
【0010】
ここで、本体を構成する材質の種類は限定せず、木製、金属製、樹脂製などが用いられ、該本体の形状に関しても特に限定はしない。
ところで、互いに繋がりを持つ組み合わせ時計は、新郎の両親、新婦の両親、及び結婚した夫婦がそれぞれ所持し、上記新郎の両親と新婦の両親が所持する時計本体の材質は互いに異なっている。そして、結婚した夫婦が持つ時計の本体は、左側本体部と右側本体部とが結合した構造とし、これら左右本体部は上記両方の親が所持する時計本体と同じ材質が用いられる。結合方法は自由であるが一般的には接着剤にて固着される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る時計は、結婚した夫婦と、新郎の両親、及び新婦の両親が所持する3個1組で構成されている。そして、結婚した夫婦の時計は両者の両親が所持する時計本体と同じ材質を持って組み合わせた構造とすることで、該時計を介して結婚した夫婦と、新郎の両親、及び新婦の両親の絆としての効果をもたらすことが出来る。従って、結婚祝いとして3個1組の時計を贈ることが出来る。
また、結婚した夫婦は両者の親への感謝の気持ちとしてそれぞれの材質で構成した時計を贈ることが出来、互いの結び付きを時計で表現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】3個が一組と成って構成した本発明を示す実施例。
図2】時計本体を製作する工程を示す具体例。
図3】左側本体部と右側本体部の接合面を示す具体例。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明に係る時計を表している具体例であり、3つの時計1a,1b,1cが一組として構成されている。同図は3つの時計1a,1b,1cが互いに配列している状態であるが、それぞれの時計1a,1b,1cは独立して使用され、これら各時計1a,1b,1cを所持する者はそれぞれ違っている。
すなわち、時計1aは新郎の両親が所持し、時計1bは結婚した夫婦が所持し、時計1cは新婦の両親が所持することが出来る。
【0014】
本発明の3個一組で構成している組み合わせ時計は、それぞれの時計を上記3者が所持することで新郎の両親、新婦の両親、及び結婚した夫婦の絆を深めることが出来る。特に、結婚した夫婦間の絆を深める上で大きな効果を発揮することが可能となる。
すなわち、結婚した夫婦が所持する時計1bは、新郎の両親が所持する時計1aと新婦の両親が所持する時計1cの材質をそれぞれ組み合わせて構成している。
【0015】
これら時計1a,1b,1cは本体2a,2b,2cの表面中央部に文字盤3a,3b,3cを設けている。そして、文字盤3a,3b,3cには短針4a,4b,4cと長針5a,5b,5cを有し、これら各針は軸6a,6b,6cを中心として一定速度で回転することで時間を刻むことが出来る。その為に、本体2a,2b,2cの背面側には針を回転する駆動装置を備えている。時計としての基本的な構造は従来と共通している。
【0016】
このように、本発明の組み合わせ時計は、3個一組として構成していて、時計としての構造は同じである。しかし、時計1a,1b,1cを構成している本体2a,2b,2cの材質はそれぞれ違っている。
時計1aの本体2aの材質はAであり、時計1cの本体2cの材質はCから成っている。
【0017】
そして、時計1bの本体2bは左側本体部7aと右側本体部7bで構成し、左側本体部7aは材質Aとし、右側本体部7bは材質Cから成っている。すなわち、左側本体部7aは時計1aの本体2aと同じ材質Aであり、右側本体部7bは時計1cの本体2cと同じ材質Cと成っている。時計1bの本体2bは左側本体部7aと右側本体部7bとが接着剤を介して固着して構成している。
【0018】
例えば、上記材質A、材質Cとは具体的に木質であったり、金属質であったり、又は樹脂質であったりし、特に限定するものではない。そして、同じ木質であっても、材質Aとしてヒノキを使用し、材質Cとしてケヤキを用いる場合もあり、同じ金属質であっても材質Aとしてアルミを、材質Cとしてステンレスを用いることが可能である。
【0019】
図2は本発明の時計本体2を製作する工程を示す具体例である。(a)はA材質材料8とC材質材料9を示し、これらA材質材料8及びC材質材料9は一定厚さを有すブロック体としている。そこで、A材質材料8は時計1aの本体2aと時計1bの左側本体部7aと成り、C材質材料9は時計1cの本体2cと時計1bの右側本体部7bと成る。
【0020】
図2(b)はA材質材料8のC材質材料9の一部切断した場合を示し、A材質材料8は時計1aの本体2aと時計1bの左側本体部7aとなり、C材質材料9は時計1cの本体2cと時計1bの右側本体部7bとなる。
ここで、左側本体部7aは上記A材質材料8を切断することなく同じ材質から成る他の材料を用いて加工することは可能であり、同じく右側本体部7bも上記C材質材料9を切断することなく、同じ材質から成る他の材料を用いて加工することは出来る。
しかし、同図に示すように同じA材質材料8から一部を切り取って左側本体部7aとし、C材質材料9から一部を切り取って右側本体部7bを製作する方が絆を高める効果は大きくなる。
【0021】
ところで、時計1bの本体2bは左側本体部7aと右側本体部7bとが互いに接合して構成される。接合手段としては一般的に接着剤を使用するが、該接着剤に限定はしない。
図3は左側本体部7aの接合面10aに凹部11a,11a・・・と凸部12a,12a・・・を形成し、同じく右側本体部7bの接合面10bには凹部11b,11b・・・と凸部12b,12b・・・を形成している。
そこで、左側本体部7aと右側本体部7bとが接合する際には凹部11a,11a・・・には凸部12b,12b・・・が嵌合し、凹部11b,11b・・・には凸部12a,12a・・・が嵌合する。このように、接合面10a,10bに凹凸部を設けることで接合面積が拡大する為に、接合強度は高くなる。
【符号の説明】
【0022】
1 時計
2 本体
3 文字盤
4 短針
5 長針
6 軸
7a 左側本体部
7b 右側本体部
8 A材質材料
9 B材質材料
10 接合面
11 凹部
12 凸部














図1
図2
図3