(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
(第1の実施の形態)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している(当該遊技機10の前に設置してある椅子に座っている)遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技機10の前に座っている遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0033】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図3を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0034】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0035】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータとしてのステッピングモータ65と、この各ステッピングモータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記リール62と、前記ステッピングモータ65及び前記リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このステッピングモータ65は、後述する主制御手段200から出力されるステッピングモータ65を駆動するための励磁制御信号に基づき駆動する。
【0036】
本実施の形態に係るステッピングモータ65は、総ステップ数として252ステップのものが用いられている。もちろん、総ステップ数は、この252ステップに限定されるものではなく、本実施の形態のように、特定図柄の配置と、各図柄のステップ数との関係が所定の対応関係になるようなものであれば、他の総ステップ数のものでもよいものである。
【0037】
また、本実施の形態では、1個のリール62の周囲に付された図柄61の数は20個(
図2参照)であるため、総ステップ数の252ステップは、リール62の周囲に付された図柄数20個で割り切れない。このため、20個の図柄61は、13ステップを割り当てた12個の第1図柄と、12ステップを割り当てた8個の第2図柄とに分類される。
なお、リール62の周囲には、表面に図柄を印刷した樹脂性のリールテープが貼付されているものである。このリールテープをリール62の周囲に貼付する際、リールテープ上の図柄61の位置と、ステッピングモータ65のステップとが所定の対応関係となるように設定されている。
本実施の形態では、図柄ステップ数として13ステップと12ステップとの図柄が混合しているが、20個の図柄61の回転方向の長さは、略同一に設定されている。もちろん、各図柄61の図柄ステップ数に対応して、図柄61の回転方向の長さを設定してもよいものである。
【0038】
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、2個の7セグメントLED表示器で構成されている。7セグメントLED表示器は、10進法のアラビア数字等の1文字を表現するために、それぞれ個別に点灯・消灯が可能な7つのセグメント(LED)から構成されているものである。2個の7セグメントLED表示器を有することにより、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0039】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0040】
前扉14の裏側であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみを後述するホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。なお、この投入センサ92は、3つのセレクターセンサ(図示せず)が通路に設けられている。投入されたメダルは、3つのセレクターセンサの順序及び所定の範囲の時間の間隔(タイミング)で検知するように配置されている。
【0041】
なお、前扉14の裏側には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、後述するホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過して後述するメダル払出口28から払い出される。
具体的には、メダルセレクタ17には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの作動により、メダル投入口38から投入されたメダルをホッパーユニット24内に貯留させる通路と、メダル払出口28から後述するメダル受け皿26へ進ませる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口38から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け皿26へ払い出すかの切り換えをすることができる。
【0042】
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0043】
前記操作部30の中央には、停止操作により対応するリール62の回転を停止させるため(変動表示を操作により停止させるため)、3個のリール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数のリール62それぞれに対応して設けられ、複数のリール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0044】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件にリール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0045】
このスタートスイッチ40の上方には、ベットスイッチ32として、投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0046】
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89等が配置されている(
図3参照)。
【0047】
扉開閉用スイッチ19は、筐体12側に設置されているものであって、前扉14が閉じているか否かを検知するための扉センサである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが近接することで接触センサによりオン状態(ON状態)となり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して接触センサによりオフ状態(OFF状態)となる。もちろん、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサ等により前扉14の開閉を検知するようにしてもよい。
【0048】
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。なお、この設定変更スイッチ46は、前扉14の背面に設けられているが(特に図示せず)、リセットスイッチとしても兼用される。
【0049】
設定表示器89は、7セグメントの小型のLEDにより、当選確率の後述する設定値(具体的には、1〜6の6段階)を設定する際に、当該設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、筐体12の内部、詳しくは、前扉14の背面に設けられており、設定値の設定後、その表示は解除される。
【0050】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図3参照)。
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0051】
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出して後述する主制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0052】
なお、特に図示していないが、払出センサ94は、払出センサAと、払出センサBとの2つが所定距離を開けて配置されてある。正常な状態でのメダル通過時のタイミングチャートでは、ホッパーモータ95が駆動中(オン状態)のときに、両センサがオン状態に移行可能になっている。
【0053】
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0054】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35の操作又はメダル投入により所定枚数(具体的には、3枚)のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。
【0055】
当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0056】
この有効ライン86は、具体的には3個のリール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数のリール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。本実施の形態の有効ライン86は、左リール64と中リール66と右リール68との中段を結んだ1本のみからなるものである。
【0057】
前扉14のうち、クレジット表示器87と払出枚数表示器88との間には、現在の演出状態が後述する「許容演出区間」であることを報知する区間報知ランプ79が設けられている。
【0058】
この区間報知ランプ79は、演出状態が後述する「非許容演出区間」から「許容演出区間」に移行したことを契機に主制御手段200により点灯され、演出状態が「許容演出区間」である間は常時点灯されている。そして、区間報知ランプ79は、演出状態が「許容演出区間」から「非許容演出区間」に移行したことを契機に主制御手段200により消灯される。
【0059】
図2に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「赤7、青7、黒7、ブランク、スイカ1、スイカ2、ベル1、ベル2、リプレイ、チェリー」の複数の種々の図柄61が形成されている。
そして、特に図示していないが、これらの図柄の所定の組み合わせが複数種類の役に対応して設けられている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたリールテープをリール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の図柄番号(コマ番号)の1〜20は、リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0060】
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、後述する演出制御手段400に基づいて演出を行う演出実行手段であって、スピーカー72と、演出用ランプ78と、表示装置84とを備えている。
【0061】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0062】
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0063】
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0064】
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態(遊技の進行)を制御する主制御手段200(メイン制御装置ともいう)と、この主制御手段200から送信される情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行う演出制御手段400(サブ制御装置ともいう)とを備えている。
【0065】
主制御手段200は、特定信号としての励磁制御信号を、作動制御手段としての駆動手段69へ出力する。この駆動手段69は、ステッピングモータ65で構成されるが、ステッピングモータ65を駆動するモータードライバICを含んでもよいし、モータードラインバICでもよい。例えば、励磁制御信号は、モータードライバICに出力され、このモータードライバICからの出力信号でステッピングモータ65が制御されるようにしてもよい。
作動制御手段としての駆動手段69は、主制御手段200からの特定信号としての励磁制御信号に基づいて制御される。この駆動手段は、負荷手段としてのリール62を駆動するためのステッピングモータ65である。
【0066】
なお、主制御手段200と演出制御手段400との間は、主制御手段200への不正操作を防止するために、主制御手段200から演出制御手段400への一方向の通信により行われ、演出制御手段400から主制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。主制御手段200は、投入センサ92、ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源スイッチ44、設定キースイッチ45、リール位置センサ63、払出センサ94、オーバーフローセンサ96の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60、ホッパーユニット24、外部集中端子板18、設定表示器89、クレジット表示器87、払出枚数表示器88及び区間報知ランプ79の作動を制御する。
【0067】
演出制御手段400は、演出用ボタンスイッチ42、主制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。演出制御手段400の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0068】
なお、特に図示していないが、主制御手段200を有するメイン制御基板と、演出制御手段400を有するサブ制御基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、主制御手段200のメイン制御基板は、メイン基板ケースの内部に収納され、演出制御手段400のサブ制御基板は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0069】
主制御手段200及び演出制御手段400は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマー割込等の割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0070】
本実施の形態に係る遊技機10では、主制御手段200で遊技状態の一区分として管理される遊技であって、通常に行われるノーマル遊技が設けられている(
図6参照)。このノーマル遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)遊技が設けられている。さらに、主制御手段200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技が設けられている(
図6参照)。これらの遊技は、主制御手段200により制御される。
【0071】
また、本実施の形態に係る遊技機10では、演出状態として、操作手順により付与される有利度が異なる所定役において、有利となる操作手順を示唆可能な演出を許容する許容演出区間(CZ状態、ART準備中状態、ART状態)と、有利となる操作手順を示唆する演出を許容しない非許容演出区間(通常演出状態、ボーナス状態)とが設けられている(
図7参照)。
【0072】
なお、ここで、本実施の形態では、許容演出区間から非許容演出区間に移行する場合、操作手順等の報知に関係する機能に係る全てのデータは、初期化されるように設定されている。
【0073】
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、主制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ機器)や遊技ホールのホール管理者が管理するホールコンピュータに接続されている。
【0074】
なお、外部集中端子板18は、次の情報に関する信号を出力しているものである。
(1)再遊技役(リプレイ役)の当選に関する情報
(2)メダル投入に関する情報
(3)メダル払出に関する情報
(4)ボーナス遊技に関する情報
(5)AT状態に関する情報
(6)エラーに関する情報
(7)設定値の変更の有無に関する情報
(8)前扉14の開閉状態に関する情報
【0075】
図4に示すように、主制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、遊技媒体払出制御手段240、遊技制御手段250、移行抽選手段255、演出状態制御手段260、設定値選択手段265、第1タイマー手段280、送信手段380の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、上述した手段(例えば、演出状態制御手段260等)は、主制御手段200ではなく、演出制御手段400が有しても良いし、又、主制御手段200と演出制御手段400との両方に分けて有するようにしても良い。
【0076】
以上の構成をもって、主制御手段200は、役の抽選を行い、リール62の回転及び停止を制御し、リール62が全て停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
【0077】
この主制御手段200の処理には、予め定められたプログラムに従う複数の処理からなるメイン処理(主制御手段メイン処理に相当)と、後述する第1タイマー手段280による計時結果に基づいて、原則として、予め定められた時間間隔でメイン処理に割り込んで実行される複数の処理からなる割込処理(主制御手段割込処理に相当)とが設けられている(
図8参照)。
ここで、割込処理は、後述する第1タイマー手段により、原則として、1.49ms毎に繰り返し、メイン処理に割り込んで実行されるものである。
【0078】
このメイン処理の複数の処理には、割込処理の実行が制限される(行えない)特定処理(主制御手段特定処理に相当)がある。この割込処理は、特定信号としての励磁制御信号を出力する処理を含んでいる。
割込処理の実行開始タイミングが特定処理の実行中である場合は、当該特定処理終了後に割込処理が実行されるように構成されている(
図8参照)。
主制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0079】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34又はシングルベットスイッチ35を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技でのリール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個全てのリール62の回転が開始する。
【0080】
リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサによりリール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応したリール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべてのリール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組み合わせが揃うと、当該図柄61の組み合わせに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組み合わせが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。
【0081】
役抽選手段210は、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。
この役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、設定値(1〜6)及び遊技状態(ノーマル遊技、RT遊技、ボーナス遊技、ボーナス内部中遊技等)にそれぞれに対応して複数備えており、主制御手段200のROM上に記憶している。
役抽選手段210は、抽選テーブルに予め記憶した抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による役抽選処理は、後述するステップ132(
図10参照)において行われる。
【0082】
役抽選手段210の役抽選に用いる当選確率は、上述した設定値に基づいて予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定キースイッチ45を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つの特定の設定値を選択することで前記当選確率の変更が可能となる。
【0083】
本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、原則として設定値の数値が高くなるほど、当選確率が高くなって遊技者に対して有利になり得るように規定されている。
【0084】
なお、設定値の数値が高くなるほど、全ての役の当選確率が必ずしも高くなることに限定されるものではなく、設定値の数値が高くなるほど、一部の役の当選確率は高くなるが、他の一部の役の当選確率は同一であってもよい。さらに、設定値の数値が高くなるほど、他の一部の役の当選確率は、低くなるが、全ての役全体として遊技者の利益を考慮すると遊技者に対して有利となるように設定されているようなものでもよい。
【0085】
また、設定値は、上述したような6段階以外にも、例えば「1・3・6」「2・4・6」「1・6」の様に、2段階や3段階等複数の段階であれば良いものである。
また、設定値は、例えば、設定値1、設定値2、・・・、設定値6のように数値が高い設定値になるほど、所定の役(例えばボーナス移行役)の当選確率は高くなるが、AT状態への移行抽選の当選確率が低くなる(共通になる)ようにしても良いものである。
【0086】
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、大別すると、小役(メダルの払出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
本実施の形態では、図柄の組み合わせを図示していないが、小役として複数種類の小役A、B、C・・・が含まれている。ノーマル遊技における設定値1〜6の各設定値での小役A、B、C・・・の役抽選における当選確率が予め定められている。
【0087】
具体的には、小役には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となるAT役が含まれ、当該予め定められた順番で操作されない場合はAT役こぼし図柄が停止表示される。
また、再遊技役(リプレイ役)には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となる押し順リプレイ役(図示せず)が含まれ、所定の遊技状態において当該押し順リプレイ役(図示せず)が当選し当該予め定められた順番で操作された場合に、RT2移行図柄(先の昇格リプレイ役に係る図柄)が停止表示され、当該予め定められた順番で操作されない場合は転落リプレイ図柄(図示せず)が停止表示される。
【0088】
さらに、具体的に説明すると、特に図示していないが、AT状態への移行に係るAT抽選役として、チェリー役が設けられている。もちろん、AT抽選は、チェリー役に限定されるものではなく、他の役でもよい。また、通常リプレイ役と、昇格リプレイ役と、転落リプレイ役とが設けられている。
昇格リプレイ役は、昇格リプレイ図柄(又は、RT2移行図柄)が停止表示されることで成立する。転落リプレイ役は、転落リプレイ図柄(又は、RT1移行図柄)が停止表示されることで成立する。
【0089】
また、本実施の形態では、役抽選の結果として、通常リプレイ役と昇格リプレイ役とが同時に当選している「昇格リプレイ」が得られるように形成されている。また、役抽選の結果として、通常リプレイ役と転落リプレイ役とが同時に当選している「転落リプレイ」が得られるように形成されている。「昇格リプレイ」は、RT1のときに抽選結果として得られ、RT0・RT2のときには抽選結果として得られないように形成されている。
「転落リプレイ」は、RT2のときに抽選結果として得られ、RT0・RT1のときには抽選結果として得られないように形成されている。
【0090】
抽選結果が「昇格リプレイ」である場合、押し順によって、通常リプレイ役と、昇格リプレイ役とのいずれかが成立するように形成され、昇格リプレイ役が成立した場合には、RT2へ移行するように形成されている。
また、抽選結果が「転落リプレイ」である場合、押し順によって、通常リプレイ役と、転落リプレイ役とのいずれかが成立するように形成され、転落リプレイ役が成立した場合には、RT1へ移行するように形成されている。
【0091】
本実施の形態では、上述した役抽選手段210は、設定値に対応する抽選テーブルで役抽選を行うものであるが、これに限定されるものではない。例えば、AT状態への移行抽選は移行抽選手段255で実施しているが、役抽選手段210において、通常遊技からAT状態へ移行するための移行抽選を行うようにしてもよい。また、この役抽選手段210は、通常遊技等から所定の演出が行われる前兆演出状態や、遊技者に対して何らかの利益が付与されているようなチャンスゾーン(CZ)状態へ移行するか否かを抽選で決定してもよい。また、この役抽選手段210は、通常の状態とは異なる特殊な事象の発生に当選するか否かの特定抽選を行うようにしてもよい。
【0092】
リール制御手段220は、スタートスイッチ40の操作に基づいて各リール62の回転を開始させる。
【0093】
また、リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応するリール62の回転位置とに基づいて、各リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段220による処理は、後述するステップ135(
図10参照)において行われる。
【0094】
停止図柄判定手段230は、全てのリール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップ137(
図10参照)において行われる。
【0095】
遊技媒体払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払出等の所定の処理を行うためのものであって、リール制御手段220によって停止されたリール62の停止態様が、所定の停止態様であった場合に遊技媒体の払い出しを行うものである。
遊技媒体払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払出しを行う。なお、遊技媒体払出制御手段240による処理は、後述するステップ137(
図10参照)において行われる。
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図4に示すように、大別すると、ノーマル遊技制御手段251、RT制御手段252、ボーナス遊技制御手段253及びボーナス内部中制御手段254の各手段を有する。
【0096】
ノーマル遊技制御手段251は、主制御手段200で管理される遊技状態の一区分としてのノーマル遊技の進行を制御するものである。ここで、ノーマル遊技は、後述するRT制御手段252によるRT遊技(リプレイタイム遊技)や、ボーナス遊技制御手段253によるボーナス遊技や、ボーナス内部中制御手段254によるボーナス内部中遊技以外の遊技状態をいい、RT0及びRT1を含む(
図6参照)。
【0097】
RT制御手段252は、RT遊技の進行を制御するものである。ここで、RT遊技は、RT2を含む(
図6参照)。
【0098】
ボーナス遊技制御手段253は、ボーナス遊技を制御するものである(
図6参照)。
ボーナス遊技は、ボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86上に揃えることで移行し、いわゆるCBが連続作動し、所定の枚数、本実施の形態では、200枚を超えるメダルの払出しで終了し、RT0に移行する。
【0099】
なお、このCBでは、抽選とは無関係に小役が成立(当選)している状態となる。また、当該CB中以外の他の遊技、例えば通常遊技中等では、全てのリール62は、ストップスイッチ50の停止操作タイミングから190ms以内に停止させなければならないのに対して、当該CB中では、右リール68のみ、ストップスイッチ50の停止操作タイミングから75ms以内に停止させるように設定されている。なお、左リール64、中リール66は、他の遊技と同様に停止操作タイミングから190ms以内の制限時間が設定されている。
【0100】
ボーナス内部中制御手段254は、ボーナス内部中遊技を制御するものである。このボーナス内部中遊技は、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。そして、このボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86に揃えることで終了する(ボーナス遊技へ移行する)ものである。
【0101】
移行抽選手段255は、「AT状態」へ移行可能な「CZ状態」へ移行するか否かのAT移行抽選を行うものである。このAT移行抽選は、上述した役抽選手段210の役抽選と同様の手順により行われるものである。なお、この移行抽選手段255は、AT移行抽選以外にも他の移行抽選も実行可能である。
【0102】
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。演出状態には、大別して、通常演出状態と、CZ状態と、ART準備中状態と、ART状態と、ボーナス状態(ボーナス中遊技及びボーナス内部中遊技)とがある(
図7参照)。
【0103】
通常演出状態は、停止操作順番の報知を許容しない状態(非許容演出区間)であり、ボーナス状態以外の通常の演出状態(いわゆる通常演出状態)である。
【0104】
非許容演出区間のボーナス状態(ボーナス遊技及びボーナス内部中遊技)を除いた通常演出状態の遊技では、役抽選において、予め定めた所定役に当選した場合は、移行抽選手段255により許容演出区間(CZ状態)への移行抽選が行われる。この移行抽選の当選確率は、当該所定役毎に定められており、設定値の相違や、遊技状態の相違によって変動しないように形成されている。また、この移行抽選に関しては、規定数や設定値によって種々の処理が異なることがないように形成されている。具体的には、役抽選の結果、所定のレア役に当選したときに予め定めた所定の当選確率により移行抽選が行われるものである。もちろん、当該移行抽選は、レア役に限定されることなく、例えば全ての役の役抽選において、所定の当選確率で移行抽選を行うようにしてもよい。
【0105】
なお、本実施の形態では、移行抽選手段255により、通常演出状態からCZ状態への移行抽選が行われて、このCZ状態からART準備中状態を経由してART状態へ移行するように形成されているが、通常演出状態において、本実施の形態で記載したCZ状態経由のルートとは別にART状態へ進む別ルートを経由するための移行抽選を行うようにしてもよい。
CZ状態では、所定の条件を達成することにより、ART状態への移行が可能となるものである。
【0106】
この演出状態制御手段260は、CZ状態において、チェリー等のAT抽選役に当選し、更に、AT状態へ移行するか否かの抽選を行って、当該抽選に当選することでAT状態へ移行可能となるようにしているが、AT移行の条件は、もちろん当該内容に限定されるものではない。例えば、AT抽選役に当選すれば、AT移行に係る抽選の結果にかかわらず(AT移行に係る抽選を経なくても)AT状態へ移行することが確定するようにしてもよい。また、所定のAT抽選役に複数回当選することや、所定のポイント抽選を行い、ポイント数の合計が所定の閾値に到達することにより、AT状態へ移行できるようにしてもよい。
【0107】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常演出状態よりも多くの特典(利益)を付与可能なアシストタイム(AT)状態を備えている。AT状態とは、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストが可能な状態である。
【0108】
AT状態は、演出状態が当該AT状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、AT状態は、本実施の形態では、主制御手段200側で制御され、このとき、主制御手段200側のRT制御手段252で制御される「RT遊技」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT遊技」で、且つ「AT遊技」の遊技状態をいう。
【0109】
設定値選択手段265は、予め設定された複数種類の設定値(具体的には、設定値1から設定値6までの6段階)から外部操作(具体的には、設定キースイッチ45や、設定変更スイッチ46の所定の手順による操作)により特定の設定値を選択可能なものである。
具体的には、設定値選択手段265は、扉センサ(扉開閉用スイッチ19)がON状態(前扉14が閉状態)でない、すなわち前扉14が開放状態であると判定され、さらに、設定変更処理用の開始スイッチ(具体的には、設定キースイッチ45)が操作されてON状態であると判定された場合、設定変更処理が可能な状態へ移行する。設定値選択手段265は、不正対策として安全性を高めるために、前扉14が開放状態であって、且つ、設定キースイッチ45がON状態でないと、設定変更処理に移行しないようになっている。
【0110】
さらに、設定値選択手段265は、この設定変更処理が可能な状態において、設定変更スイッチ46がオン状態に操作されると、設定値を更新する。設定値の更新は、具体的には、設定値1〜5では、1が加算され、設定値6では、設定値1へ移行する。この設定値の更新は繰り返し操作することにより、さらに次の数値の設定値への移行が繰り返される。
この設定変更処理が可能な状態において、設定値選択手段265は、スタートスイッチ40のオン状態が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定された場合に、さらに、設定キースイッチ45がオフ状態になることで、設定値を確定する。
【0111】
また、設定値選択手段265は、特定の当選確率を規定する抽選値情報(役抽選の当選確率)を複数種類の設定値(具体的には、1〜6)毎に記憶している。さらに、設定値選択手段265は、設定値(具体的には、1〜6)毎に、異なる遊技状態毎の抽選値情報(役抽選の当選確率)を記憶している。この異なる遊技状態とは、ノーマル遊技や、RT遊技や、ボーナス遊技や、ボーナス内部中遊技等の各遊技状態を意味する。
【0112】
第1タイマー手段280は、一定間隔で入力されるパルス信号をカウントすることで時間の経過を計時することが可能なものである。
この第1タイマー手段280は、パルス信号をカウントすることで、基準時間としての1.49msを繰り返し、カウントダウンしているものである。この基準時間としての1.49msの時間は、第1タイマー手段280により、遅れることなく、確実に一定間隔で繰り返される。
なお、基準時間の1.49msは、これに限定されるものではなく、1.49ms以外の時間を設定してもよいものであり、カウントダウンではなく、カウントアップによりタイマー機能を奏するようにしてもよいものである。
【0113】
第1タイマー手段280は、1.49msからのカウントダウンにより、1.35msを計時(カウントダウン)した際に、リール制御手段220を介して励磁制御信号を駆動手段としてのステッピングモータ65へ出力するものである。1.49msからのカウントダウンにおける1.35msの際に励磁制御信号をステッピングモータ65へ出力することで、励磁制御信号の出力の開始タイミングを、1.49ms間隔に維持することができるものである(
図8参照)。
なお、この1.35msも、当該数値に限定されるものではなく、他の数値に設定してもよい。
本実施の形態に係る主制御手段200の特定信号としての励磁制御信号を駆動手段69としてのステッピングモータ65へ出力する処理は、この第1タイマー手段280による計時結果に基づいて実行される。
【0114】
送信手段380は、演出制御手段400へ信号(コマンド)を送信するためのものである。
送信手段380は、複数種類の設定値の中から選択された特定の設定値に対応する当選確率を用いて実行された役抽選の抽選結果を演出制御手段400の受信手段410へ送信する。
また、AT状態のときに役抽選手段210によりAT役に当選したときに、送信手段380は、AT役に対応する有利な操作手順を特定可能な操作手順特定コマンド(AT役の停止操作順番に関するコマンド)を受信手段410へ送信する。
【0115】
なお、本実施の形態では、主制御手段200にて設定されている具体的な設定値を特定するための情報は、例えば送信経路(ハーネス等の伝送路)の途中で設定値の情報を抜き取るような不正行為(いわゆるゴト行為)を防止するため、演出制御手段400へ送信していない。
【0116】
演出制御手段400は、
図5に示すように、受信手段410、演出実行制御手段420の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0117】
以上の構成をもって、演出制御手段400は、主制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0118】
具体的には、演出制御手段400は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0119】
受信手段410は、送信手段380から送信された信号(コマンド)を受信するものである。
【0120】
演出実行制御手段420は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段420は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、ノーマル遊技状態、RT遊技状態、ボーナス遊技状態等の各遊技状態に応じた演出や、停止操作順番を報知するための演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段420は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。
【0121】
AT状態のときに役抽選手段210により特定役(AT役)に当選したときに、演出実行制御手段420は、受信手段410により受信した操作手順特定コマンド(AT役の停止操作順番に関するコマンド)から当該有利な操作手順を特定するとともに、表示装置84により当該有利な操作手順が特定可能となる演出を行う操作手順演出実行状態とする。
【0122】
つぎに、
図6を用いて遊技の状態について説明する。
遊技の状態は、主制御手段200により管理され、
図6に示すように、大別すると、ノーマル遊技、RT遊技、ボーナス内部中遊技及びボーナス遊技がある。RTは、いわゆるリプレイタイムの略語であり、RT遊技に移行すると、再遊技役(リプレイ役)に当選する当選確率、すなわち再遊技確率が原則として高くなる。
【0123】
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、ノーマル遊技のRT0(初期状態)においては1/7.3に設定されており、ノーマル遊技のRT1では、RT0と同じ約1/7.3に設定されている。また、RT2やRT3での再遊技役への当選確率はノーマル遊技のRT0やRT1よりも高く設定されている。
【0124】
ノーマル遊技は、ノーマル遊技制御手段251により制御され、RT0と、RT1とがある。
RT0からRT1には、特に図示していないが、予め定めた所定図柄(例えば、押し順ベル取りこぼし図柄、いわゆる、AT役取りこぼし図柄)を停止表示させた時に移行する。
【0125】
RT遊技は、RT制御手段252により制御され、ノーマル遊技より再遊技役への当選確率の高いRT2が設けられている。
なお、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行するボーナス内部中(RT3)では、RT2より低いがノーマル遊技より再遊技役への当選確率は高くなるように設定されている。もちろん、このRT3の再遊技役の当選確率は、ノーマル遊技と同等に設定してもよいし、RT2と同等又はRT2より高くなるように設定してもよい。
【0126】
ここで、ノーマル遊技からRT遊技、具体的には、RT1からRT2には、特に図示していないが、RT2移行図柄としての図柄(例えば、昇格リプレイ図柄、いわゆる昇格図柄)を停止表示させた時に移行する。例えば、所定の押し順「正解」時に、当該昇格図柄を停止表示させた時に移行する。
【0127】
また、RT2において、例えば、押し順ベル取りこぼし図柄(AT役取りこぼし図柄)や、転落リプレイ図柄等のいわゆる転落図柄を停止表示させるとRT1に移行する。
【0128】
ボーナス内部中は、ボーナス内部中制御手段254により制御され、ボーナス移行役に当選すると、移行する。
【0129】
ボーナス遊技は、ボーナス遊技制御手段253により制御され、「ボーナス内部中」に「ボーナス図柄(ボーナス移行図柄)」を揃えることで移行する。
ボーナス遊技は、CBB(第2種特別役物に係る役物連続作動装置)であって、いわゆるCB(第2種特別役物)が連続作動し、所定の枚数、例えば200枚を超えるメダルの払出しで終了する。なお、CB(第2種特別役物)は、役抽選に関係無く、全ての小役が当選状態となるものである。また、CB中は、右リール68のみ停止操作タイミングから75ms以内に停止表示され、その他のリール62は、他の遊技と同様に停止操作タイミングから190ms以内で停止表示されるように設定されている。なお、75ms以内の制限時間は、本実施の形態では右リール68のみに設定してあるが、もちろん、他のリール62に設定してもよく、さらに、複数のリール62に設定してもよい。
そして、ボーナス遊技終了後、RT0に移行する。
なお、ボーナス遊技は、メダルの払出枚数を終了条件とするのではなく、所定のゲーム数で終了するものであってもよい。
【0130】
次に
図7を用いて、演出状態について説明する。
図7に示すように、通常の演出状態である通常演出状態から、CZ状態へ移行可能である。このCZ状態では、ART状態へ移行するか、移行しないかが決定される。このCZ状態からART準備中状態へ移行可能であり、このART準備中状態からART状態へ移行可能である。このART状態が終了すると、通常演出状態へ戻る。なお、これらの状態からボーナス状態への移行が可能である。
【0131】
特別状態としてのART状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、通常演出状態中に許容演出区間(CZ状態)への移行抽選に当選すると、CZ状態へ移行する。そして、所定条件を満足すると、ART準備中状態へ移行し、その後、ART状態へ移行する。
【0132】
また、ART状態は、本実施の形態では、初期ゲーム数として50ゲームの遊技が可能に設定されており、実施したゲーム数が当該50ゲームに到達した場合に、「ART状態」を終了するように設定されている。なお、ART状態は、50ゲームまで実行可能であるが、この遊技回数に所定の抽選等により上乗せ可能となるようにしてもよい。
また、ART状態の終了条件は、上述したものに限定されるものではなく、遊技回数が所定の遊技回数に到達すること等にしてもよい。また、遊技進行に伴ってポイントを獲得可能であって、そのポイントの合計が所定ポイントに到達すること等の他の条件に設定してもよい。
【0133】
次に
図8のタイミングチャートを用いて、メイン処理と割込処理とにおける励磁制御信号等の信号出力の関係を説明する。
【0134】
図8(A)は割込処理の実行が制限される(実行することができない)特定処理が割込処理の実行開始タイミングに実行されていない場合のデータ送信タイミングの説明図であり、
図8(B)は特定処理が割込処理の実行開始タイミングに実行されている場合のデータ送信タイミングの説明図である。
【0135】
図8(A)(B)に示すように、主制御手段200の処理には、予め定められたプログラムに従う複数の処理からなるメイン処理と、第1タイマー手段280による計時結果に基づいて、予め定められた時間間隔(具体的には、1.49ms間隔)でメイン処理に割り込んで実行される複数の処理からなる割込処理とが設けられている。
【0136】
メイン処理の複数の処理には、割込処理の実行開始タイミングでも割込処理の実行を制限(実行することができない)する特定処理がある。
割込処理の実行開始タイミングが特定処理の実行中である場合は、当該特定処理終了後に割込処理が実行されるように構成されている。
【0137】
割込処理の複数の処理には、今回の割込処理で出力する特定信号としての励磁制御信号を取得(決定)するための演算処理である励磁制御信号取得処理が、当該割込処理の最初の方に設けてある。この励磁制御信号取得処理は、ステッピングモータ65の1−2相励磁等の種類等や、その内容を演算処理等により取得して決定するものである。なお、この励磁制御信号取得処理は、処理時間が一定でない不定の処理となる。
【0138】
特定信号としての励磁制御信号を出力する励磁制御信号出力処理は、第1タイマー手段280による計時結果に基づいて実行される。具体的には、励磁制御信号取得処理の後、第1タイマー手段280により、所定の基準時間である1.49msからカウントダウンされた1.35msを計時(カウントダウン)した際に、励磁制御信号出力処理を開始するように設定されている。すなわち、励磁制御信号取得処理の後、第1タイマー手段280のカウントダウンによる1.35msまでは、励磁制御信号の出力を待機する待機区間としての待機処理が行われ、第1タイマー手段280のカウントダウンにより1.35msに到達したときに、励磁制御信号の出力となる励磁制御信号出力処理が開始される。
【0139】
図8(A)では、メイン処理では、割込処理の実行開始タイミングにおいて、割込処理を実行することができない割込禁止区間となる特定処理が行われていない。このため、割込処理の実行開始タイミングは、t1、t2、t3となり、1.49ms間隔で正確に繰り返し開始されている。
【0140】
ここで、励磁制御信号取得処理は、処理時間が常に一定ではなく、不定の処理である。しかし、励磁制御信号取得処理の終了後、直ぐに励磁制御信号出力処理へ移行せずに、第1タイマー手段280による基準時間のカウントダウンが1.49msから1.35msへ到達するまで待機する待機処理を有していることで、常に、前回の割込処理から1.49ms間隔で励磁制御信号出力処理を開始することができる。
【0141】
また、
図8(B)では、楕円点線部に示すように、基準時間t2(割込処理の実行開始タイミング)において、割込処理を実行することができない特定処理が実行されている。割込処理の実行開始タイミングに割込処理を制限する特定処理が実行されていると、当該特定処理中に割込処理を開始することができず、特定処理終了後に割込処理b2が開始されることになる。
【0142】
したがって、割込処理b1の開始タイミングと、割込処理b2の開始タイミングとの間隔は、1.49msより長時間となる。また、割込処理b1の励磁制御信号取得処理の処理時間と、割込処理b2の励磁制御信号取得処理の処理時間とは、一定ではない。
【0143】
しかし、励磁制御信号出力処理の開始タイミングは、第1タイマー手段280により、基準時間のカウントダウンにより1.49msから1.35msに到達したときに設定されているため、割込処理b1の励磁制御信号出力処理の開始タイミングと、割込処理b2の励磁制御信号出力処理の開始タイミングとの間隔は、1.49msに維持される。これは、基準時間t1と基準時間t2との割込処理におけるものであるが、同様に基準時間t2と、基準時間t3との割込処理においても同様であり、その他の基準時間tnと、基準時間t(n+1)との割込処理においても同様のことが成立するものである。
【0144】
図9に、本実施の形態における割込処理のフローチャートを示す。
割込処理においては、ステップ110において、前回出力した励磁制御信号等に基づいて今回出力する励磁制御信号の励磁制御信号取得処理が行われる。そして、次のステップ111に進む。
ステップ111において、第1タイマー手段280により、基準時間としての1.49msからのカウントダウンで所定の数値、具体的には、1.35msに到達したか否かが判定される。1.35msにカウントダウンしたと判定された場合、次のステップ112に進み、1.35にカウントダウンしていないと判定された場合は、ステップ111に戻る。
なお、このステップ111の区間が上述した待機処理となるものである。
ステップ112において、励磁制御信号出力処理が行われる。そして、当該処理が終了する。
図10に示すフローチャートに基づいて、主制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な制御処理について説明する。
【0145】
ステップ131において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、主制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ132に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ131に戻る。
【0146】
なお、このステップ131の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、主制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数3に達しているか否かの判定が行われる。
【0147】
ステップ132において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。この役抽選処理により、当選した役等を特定するための当選番号が決定される。それに伴って、リール62の停止処理に用いる停止テーブルが選択される。また、このとき、役抽選の結果が主制御手段200から演出制御手段400へ送信される。これらの処理が終了すると、次のステップ133に進む。
【0148】
ステップ133において、リール制御手段220により、リールユニット60におけるリール62の回転起動処理(回転開始処理)が行われる。リール62が所定の回転速度に達した後、いわゆる定常回転になった後、ストップスイッチ50の停止操作が可能な状態となる。そして、次のステップ134に進む。
【0149】
ステップ134において、遊技者によりストップスイッチ50の停止操作が行われる。そして、次のステップ135に進む。
ステップ135において、リール制御手段220により、リール62の回転停止処理が行われる。具体的には、役抽選の結果と、ストップスイッチ50の操作タイミングとによって、停止位置が決定され、決定した停止位置で当該リール62の回転停止が行われるものである。そして、次のステップ136に進む。
【0150】
ステップ136において、全てのリール62が回転を停止したか否かが判定される。そして、全てのリール62が回転を停止したと判定された場合、次のステップ137に進み、全てのリール62が回転を停止していない、すなわち回転中のリール62が残っていると判定された場合、ステップ134に戻る。
【0151】
ステップ137において、メダルの払出処理が行われる。具体的には、停止図柄判定手段230及び遊技媒体払出制御手段240により、当選役に係る図柄が有効ライン86上に停止している場合には、その当選役に対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、メダルの払い出しが不要な場合には、メダルの払い出しは行われない。そして、当該処理が終了する。
【0152】
本実施の形態によれば、上述したような構成を有することにより、以下に示すような作用及び効果を奏する。
【0153】
本実施の形態によれば、割込処理の実行開始タイミングが特定処理の実行中であり、当該特定処理後に割込処理が実行され、割込処理の実行開始タイミングは、その分遅れて、前回の割込処理の実行開始タイミングからの間隔は、基準時間の間隔である1.49msより長くなるような場合であっても、割込処理の実行開始タイミングのずれとは別に、第1タイマー手段280による計時結果に基づいて、一定の時間で特定信号としての励磁制御信号を出力することができる。
【0154】
これにより、特定信号の出力タイミングを一定の時間にすることができ、作動制御手段としての駆動手段69における安定したスムーズな処理の実行を確保することができ、遊技機10における安定したスムーズな演出の実行が可能となる。結果として、不具合の発生を抑え、遊技者の興趣を削ぐようなことを抑えることができる。
【0155】
第1タイマー手段280による計時結果に基づいて、特定信号としての励磁制御信号の出力の開始を設定することで、特定信号の出力タイミングを一定の時間にすることができ、作動制御手段としての駆動手段69における負荷手段(リール62)の駆動を安定したスムーズなものにすることができる。結果として、この駆動手段69により、リール62の回転挙動を安定したものにすることができ、遊技機10における安定したスムーズな演出の実行が可能となり、不具合の発生を抑え、遊技者の興趣を削ぐようなことを抑えることができる。
【0156】
本実施の形態では、駆動手段69としてのステッピングモータ65が駆動する負荷手段には、リール62が用いられているが、特にこれに限定されるものではなく、周期的に繰り返し運動をするようなものであれば、人型の役物や、回転や繰り返し移動するような他の役物であってもよい。
【0157】
また、本実施の形態では、1つの割込処理の中に、励磁制御信号取得処理と、この直後に待機処理を経た後に、当該励磁制御信号取得処理で取得した励磁制御信号出力処理とを有している。このように、励磁制御信号取得処理と、励磁制御信号出力処理との間の時間的な間隔が従来よりも短縮されている。
【0158】
従来のように、1つ前の割込処理で行われた励磁制御信号取得処理で獲得した内容のものを、次の割込処理で用いるようにすると、その間に遊技者がスイッチ操作等をしたりすることで状況が変化しても、そのような状況の変化に直ぐに対応することができないことで不具合や違和感が発生する恐れがある。
本実施の形態では、励磁制御信号取得処理と、励磁制御信号出力処理との間の時間が1つの割込処理内で直ぐに実施されることで、遊技者のスイッチ操作等の状況の変化にも対応することができ、不具合や違和感の発生を抑えることができる。
【0159】
なお、第1の実施の形態では、特定信号を励磁制御信号、駆動手段(作動制御手段)をステップモータ65として説明したが、これに限定されるものではなく、特定信号は、作動制御手段が一定間隔で受信する必要がある信号であれば何でもよく、また作動制御手段は、当該特定信号で制御されるものであれば何でもよい。
【0160】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、第1の実施の形態に加えて、下記の構成を有しているものである。
本実施の形態は、主制御手段200からの特定信号に基づいて制御される作動制御手段として、演出を制御する演出制御手段400をさらに有している。
【0161】
第1の実施の形態では、「特定信号」は、駆動手段69としてのステッピングモータ65へ出力する励磁制御信号であったが、それに加えて、本実施の形態に係る「特定信号」は、主制御手段200から送信されるコマンドを演出制御手段400がラッチ(保持)するためのサブストローブ信号を含んでいる。
本実施の形態は、第1の実施の形態に加えて構成されているものであるが、もちろん、これに限定されることなく、第1の実施の形態で説明した特定信号としての励磁制御信号を有さないものでもよく、特定信号としては、サブストローブ信号だけ有するようなものでもよい。
【0162】
演出制御手段400は、主制御手段200からのサブストローブ信号を受信すると、主制御手段200から送信されているコマンドをラッチ(保持)して処理をするように設定されている。
【0163】
主制御手段200から演出制御手段400へコマンドを送信する際、先ず、主制御手段200がコマンドを演出制御手段400へ送信しながら、サブストローブ信号を立ち上げ、その後、サブストローブ信号を立ち下げる。このサブストローブ信号の立ち上がりから立ち下がりまでを検出した演出制御手段400が主制御手段200から送信されるコマンドをラッチ(保持)し、主制御手段200と演出制御手段400との間の通信が行われている。
【0164】
演出制御手段400は、主制御手段200からの送信されるサブストローブ信号を判定するために、サブストローブ信号を受信している状態が60μs以上の時間を必要とする。当該時間(60μs)を割り込むような場合、主制御手段200から送信されるコマンドを受信することができないことが発生し、受信エラーが発生する原因となる。
【0165】
図11は、本実施の形態に係る演出制御手段を示すブロック図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態と比較して、演出制御手段400は、受信手段410及び演出実行制御手段420に加えて、一定間隔で入力される信号をカウントすることで時間の経過を計時することが可能な第2タイマー手段430を有している。
【0166】
この第2タイマー手段が所定時間(具体的には、1ms)を繰り返し計時することで、演出制御手段400のメイン処理(演出制御手段メイン処理に相当)中に、演出制御手段400における割込処理(演出制御手段割込処理に相当)を1msの時間間隔で実行(挿入)することができる。もちろん、この所定時間の1msの時間は、当該数値に限定されるものではなく、1ms未満、又は、1msを超えるような数値に設定してもよいものである。
【0167】
本実施の形態に係る演出制御手段400の処理には、予め定められたプログラムに従う複数の処理からなるメイン処理と、第2タイマー手段による計時結果に基づいて、予め定められた時間間隔でメイン処理に割り込んで実行される複数の処理からなる割込処理とが設けられている。
【0168】
本実施の形態では、演出制御手段400のメイン処理には、割込処理の実行を制限する(実行することができない)特定処理がある。なお、演出制御手段400の割込処理の実行開始タイミングが演出制御手段400の特定処理の実行中である場合は、当該特定処理終了後に演出制御手段400の割込処理が実行されるように構成されている。
演出制御手段400の割込処理は、主制御手段200から出力された特定信号としてのサブストローブ信号の処理を含んでいる。
【0169】
特定信号としてのサブストローブ信号を出力する処理は、演出制御手段400の割込処理内の複数の処理の処理順に基づいて、特定信号としてのサブストローブ信号の出力を開始する処理と、第1タイマー手段280による計時結果に基づいて、特定信号としてのサブストローブ信号の出力の終了を設定する処理とを有している。
【0170】
図12(A)及び
図12(B)は、従来例の説明図である。
図12(A)及び図(B)に示すように、主制御手段200の割込処理において、特定信号としてのサブストローブ信号の出力を開始する出力開始処理と、特定信号としてのサブストローブ信号の出力の終了を設定する出力停止処理との間に複数の処理を有している。
【0171】
図12(A)は割込処理の圧縮が行われていない場合の割込処理のデータ送信タイミングの説明図である。
図12(A)に示すように、従来は、サブストローブ信号の出力開始処理と、サブストローブ信号の出力停止処理との間に複数の処理が行われ、当該複数の処理の数やそれぞれの処理時間も長く、当該複数の処理に必要な時間の合計が60μs以上になっていた。このため、サブストローブ信号の出力開始処理と出力停止処理との間を特に時間管理等することなく、当該複数の処理の後にサブストローブ信号の出力停止処理を行うことで、サブストローブ信号の出力時間が60μs以上のサブストローブ信号の送信時間を容易に確保することができた。
【0172】
それに対して、
図12(B)に示すように、プログラムの見直し等により割込処理の圧縮が行われると、当該複数の処理の数が減少し、各処理時間も短縮化されることで、当該複数の処理に必要な時間が圧縮(短縮)され、当該複数の処理の後にサブストローブ信号の出力停止処理を行うとサブストローブ信号の出力時間が60μs未満の送信時間となり、サブストローブ信号の機能を果たすことができない場合が発生する。
【0173】
そこで、本実施の形態では、
図12(C)に示すように、割込処理の圧縮が行われて、当該複数の処理の時間が短縮化されても、サブストローブ信号の出力停止処理を、第1タイマー手段280による計時結果が特定時間Tまで行わないようにしているものである。
【0174】
すなわち、特定信号としてのサブストローブ信号の出力の終了を設定する出力停止処理は、第1タイマー手段280による計時結果が特定時間Tに達した後に実行する処理である。具体的には、下記(1)及び(2)のような処理となる。
【0175】
(1)前記複数の処理の終了の時間が、予め定めた特定時間Tに達していない場合は、当該特定時間経過後に特定信号の出力を終了する。
具体的には、サブストローブ信号の出力開始処理と、出力停止処理との間に予定されていた複数の処理の終了の時間が、予め定めた特定時間T(60μs)に達していない場合は、当該複数の処理が終了してもサブストローブ信号の出力停止処理を行わず、当該特定時間T経過後にサブストローブ信号の出力を終了する、すなわち、サブストローブ信号の出力停止処理を行う。
【0176】
(2)前記複数の処理の終了の時間が、特定時間Tに達している場合は、複数の処理の終了後に特定信号の出力を終了する。
具体的には、サブストローブ信号の出力開始処理と、出力停止処理との間に予定されていた複数の処理の終了の時間が、予め定めた特定時間T(60μs)に達している場合は、当該複数の処理の終了後にサブストローブ信号の出力を終了する、すなわち、サブストローブ信号の出力停止処理を行う。
【0177】
ここで、本実施の形態では、上述した特定時間Tを60μs(マイクロ秒)に設定してある。実際には、特定時間Tは、60μs以上にならなければ、主制御手段200からコマンドを演出制御手段400が安定した受信をすることができないものである。
なお、特定時間Tは、上述した60μsに限定されるものではなく、200μs以上等の数値に設定してもよい。
【0178】
図13(A)は、従来例であって、上述した「複数の処理」が、処理A、B、C、Dに相当するものであって、この複数の処理を有する割込処理の圧縮が行われていない場合の割込処理のフローチャートであり、
図12(A)に対応するものである。
【0179】
ステップ310において、サブストローブ信号の出力開始処理が行われる。そして、次のステップ311に進む。
ステップ311において、前記「複数の処理」としての処理Aが行われる。そして、次のステップ312に進む。
【0180】
ステップ312において、前記「複数の処理」としての処理Bが行われる。そして、次のステップ313に進む。
ステップ313において、前記「複数の処理」としての処理Cが行われる。そして、次のステップ314に進む。
ステップ314において、前記「複数の処理」としての処理Dが行われる。そして、次のステップ315に進む。
【0181】
ステップ315において、サブストローブ信号の出力停止処理が行われる。なお、このとき、ステップ310における出力開始処理からの時間は、特定時間Tに達している(T以上)ものである。そして、当該処理が終了する。
【0182】
図13(B)は、従来例であって、割込処理の圧縮が行われ、上述した「複数の処理(処理A、B、C、D)」が圧縮により処理A’、処理B’になっている場合の割込処理のフローチャートであり、
図12(B)に対応するものである。
ステップ350において、サブストローブ信号の出力開始処理が行われる。そして、次のステップ351に進む。
【0183】
ステップ351において、前記「複数の処理」としての処理A’が行われる。そして、次のステップ352に進む。
ステップ352において、前記「複数の処理」としての処理B’が行われる。そして、次のステップ353に進む。
【0184】
ステップ353において、サブストローブ信号の出力停止処理が行われる。なお、このとき、ステップ350における出力開始処理からの時間は、特定時間Tに達していない(T未満)ものである。そして、当該処理が終了する。
【0185】
図14は、本実施の形態であって、割込処理の圧縮が行われ、上述した「複数の処理(処理A、B、C、D)」が圧縮により処理A’、処理B’になっている場合であり、さらに、第1タイマー手段280により、待機時間までの待機処理が行われ、その後に、サブストローブ信号の出力停止処理が行われるものである。
【0186】
ステップ410において、サブストローブ信号の出力開始処理が行われる。そして、次のステップ411に進む。
ステップ411において、前記「複数の処理」としての処理A’が行われる。そして、次のステップ412に進む。
ステップ412において、前記「複数の処理」としての処理B’が行われる。そして、次のステップ413に進む。
【0187】
ステップ413において、第1タイマー手段280の計時により、出力開始処理からの時間が予め定めた特定時間Tに到達したか否かが判定される。第1タイマー手段280の計時した時間が、特定時間Tに到達していると判定された場合、次のステップ414に進み、特定時間Tに到達していないと判定された場合、ステップ413に戻る。
【0188】
ステップ414において、サブストローブ信号の出力停止処理が行われる。なお、このとき、ステップ410における出力開始処理からの時間は、特定時間Tに達している(T到達)していることになる。そして、当該処理が終了する。
【0189】
本実施の形態によれば、特定信号としてのサブストローブ信号を出力する処理は、サブストローブ信号の出力開始処理と、第1タイマー手段280による計時結果に基づいて、特定信号の出力停止処理とを設定している。これにより、第1タイマー手段280により、特定信号の出力の開始と、特定信号の出力の終了との間の時間を管理することができる。
主制御手段200から演出制御手段400へサブストローブ信号を出力する際、演出制御手段400は、サブストローブ信号を予め定めた特定時間T(具体的には、60μs)以上、入力しないと当該特定信号を正しく受信することができないような場合、第1タイマー手段280により、サブストローブ信号の出力の開始と終了との間の時間を特定時間以上に管理することが可能となる。
【0190】
サブストローブ信号の出力開始処理と出力停止処理との間に予定されている前記「複数の処理」の終了の時間が、予め定めた特定時間Tに達していない場合は、当該特定時間T経過後にサブストローブ信号の出力を終了し、前記「複数の処理」の終了の時間が、特定時間Tに達している場合は、前記「複数の処理」の終了後に特定信号の出力を終了する。
これにより、前記「複数の処理」の終了の時間に関係なく、特定時間T経過後にサブストローブ信号の出力を確実に終了させることができる。
【0191】
サブストローブ信号の機能を有効とするためには、サブストローブ信号の出力開始から出力停止までに特定時間T以上必要とするような場合であっても、確実にサブストローブ信号の機能を有効にすることができ,主制御手段200から演出制御手段400へのコマンドの送信エラーを抑えることが可能となる。
【0192】
これにより、主制御手段200から送信されるコマンドに基づいて、演出制御手段400における安定したスムーズな演出処理の実行を確保することができ、遊技機10における安定したスムーズな演出の実行が可能となる。結果として、不具合の発生を抑え、遊技者の興趣を削ぐようなことを抑えることができる。
なお、本実施の形態では、その他の構成や、作用及び効果は第1の実施の形態と同様であって、それらの説明を省略する。
【0193】
(第3の実施の形態)
第2の実施の形態は、上述したようなサブストローブ信号の出力開始処理と、出力停止処理との間に予定されていた「複数の処理」が、プログラムの改良等により、圧縮されても、サブストローブ信号を演出制御手段400が受信する時間として必要な特定時間Tの60μsを確保することができるようなものであった。
【0194】
本実施の形態は、さらに、この第2の実施の形態の構成に加えて、演出制御手段400のメイン処理中の割込処理の実行が制限される(実行することができない)特定処理により、サブストローブ信号の受信時間が短縮されてしまい、良好な受信を確保できずにコマンドの受信エラーとなるようなことを抑えることができるものである。
【0195】
本実施の形態でも、第2の実施の形態と同様に、主制御手段200からの特定信号に基づいて制御される作動制御手段として、演出制御手段400が設定されている。ここでの特定信号は、第2の実施の形態と同様にサブストローブ信号を含んでいる。
演出制御手段400は、一定間隔で入力される信号をカウントすることで時間の経過を計時することが可能な第2タイマー手段430を有している。
【0196】
演出制御手段400の処理には、予め定められたプログラムに従う複数の処理からなるメイン処理と、第2タイマー手段による計時結果に基づいて、予め定められた時間間隔でメイン処理に割り込んで実行される複数の処理からなる割込処理とが設けられている。
演出制御手段400のメイン処理には、割込処理の実行を制限(実行することができない)する特定処理がある。
演出制御手段400の割込処理は、主制御手段200から出力された特定信号としてのサブストローブ信号の処理を含んでいる。
【0197】
演出制御手段400の割込処理の実行開始タイミングが演出制御手段400の特定処理の実行中である場合は、当該特定処理終了後に演出制御手段400の割込処理が実行されるように構成されている。
【0198】
特定信号としてのサブストローブ信号を出力する処理は、主制御手段200の割込処理内の前記「複数の処理」の処理順に基づいて、特定信号としてのサブストローブ信号の出力を開始する処理と、第1の実施の形態で説明したものと同様の第1タイマー手段280による計時結果に基づいて、特定信号としてのサブストローブ信号の出力の終了を設定する処理とを有する。
【0199】
本実施の形態に係る第1タイマー手段280は、第1の実施の形態と同様に一定間隔で入力されるパルス信号をカウントすることで時間の経過を計時することが可能なものである。
この第1タイマー手段280は、パルス信号をカウントすることで、基準時間としての1.49msを繰り返し、カウントダウンしているものである。この基準時間の1.49msの時間は、第1タイマー手段280により、遅れることなく、確実に一定間隔で繰り返される。
【0200】
なお、基準時間の1.49msは、これに限定されるものではなく、1.49ms以外の時間を設定してもよいものであり、カウントダウンではなく、カウントアップによりタイマー機能を奏するようにしてもよいものである。
【0201】
本実施の形態では、第1タイマー手段280が、サブストローブ信号の出力開始処理から計時を開始し、この第1タイマー手段280の計時が所定時間Vに到達するタイミングで、サブストローブ信号の出力停止処理をするように設定されている。
【0202】
ここで、演出制御手段400のメイン処理における割込処理の実行が制限されている(実行することができない)特定処理の最大時間Mが過去の経験則により判明している。この特定処理の最大時間Mに第2の実施の形態で説明したサブストローブ信号が有効に機能する時間である特定時間T、具体的には、60μsを加算した時間が、上述した所定時間Vに設定されている。
すなわち、サブストローブ信号の出力開始処理から出力停止処理までの所定時間Vは、下記の式により算出される。
所定時間V=特定処理の最大時間(M)+特定時間(T:60μs)
【0203】
このように、所定時間Vを設定していることで、演出制御手段400は、特定処理が割込処理の実行開始タイミングに実行されていたような場合であっても、常に、サブストローブ信号を少なくとも特定時間T以上の時間、受信することができ、主制御手段200からのコマンドを受信エラー等の不具合を発生させることなく、安定して受信することができる。
【0204】
本実施の形態について、
図15及び
図16のタイミングチャートを用いて説明する。
図15は、従来例であって、(A)はサブCPUの割込処理の実行開始タイミングに特定処理が実行されていない場合の割込処理のタイミングチャートである。
図15(A)(B)では、主制御手段200の割込処理において、第1タイマー手段280により、サブストローブ信号の出力開始処理から出力停止処理までの時間が特定時間Tに到達するように管理されている。
【0205】
図15(A)では、演出制御手段400の割込処理の実行開始タイミングに割込処理の実行が制限されている区間である特定処理が実行されていない。このため、演出制御手段400の割込処理において、いずれもサブストローブ信号の受信時間として特定時間Tに到達しており、サブストローブ信号は有効に受信されている。
【0206】
図15(B)において、
図15(A)と同様に、主制御手段200の割込処理において、サブストローブ信号の出力開始処理から出力停止処理までの時間が、第1タイマー手段280により特定時間Tに到達している。
【0207】
しかし、演出制御手段400の割込処理の実行開始タイミングに割込処理の実行を制限する(実行することができない)特定処理が実行されている。特に、
図15(B)の楕円点線部では、演出制御手段400の終了間際に特定処理が発生している。演出制御手段400では、第2タイマー手段430により予め定めた1msの時間間隔で割込処理を発生させていたが、上記楕円点線部では、特定処理が発生していることで、割込処理の実行を開始することができず、特定処理が終了した後に、割込処理が実行されている。
【0208】
かかる場合、サブストローブ信号は、出力開始処理から出力停止処理まで特定時間Tに到達するまで発生させているにもかかわらず、割込処理の開始タイミングが特定処理により遅れたことで、サブストローブ信号を処理する割込処理における受信時間は、特定時間Tに未到達になる。これにより、サブストローブ信号を有効に受信したことにならず、サブストローブ信号が受信されないことに伴い主制御手段200から送信されるコマンドを有効に受信することができず、受信エラーを発生させることになる。
【0209】
図16は、本発明の実施の形態であって、(A)はサブCPUの割込処理の実行開始タイミングに特定処理が実行されていない場合の割込処理のデータ送信タイミングの説明図(タイミングチャート)、(B)はサブCPUの割込処理の実行開始タイミングに特定処理が実行されている場合の割込処理のデータ送信タイミングの説明図(タイミングチャート)である。
図15(A)(B)では、主制御手段200の割込処理において、第1タイマー手段280により、サブストローブ信号の出力開始処理から出力停止処理までの時間が、所定時間Vに設定されている。この所定時間Vは、上述したように、過去の経験則から算出された特定処理の最大時間(M)と、サブストローブ信号が有効に作用する特定時間T(具体的には、60μs)との合計からなるものである。
【0210】
図16(A)では、演出制御手段400の割込処理の実行開始タイミングに、割込処理の実行を禁止する特定処理が発生していない。この場合は、サブストローブ信号は特定時間T(60μs)を超える所定時間V送信されており、演出制御手段400でも、特定時間T以上受信していることになり、何ら問題が無い。
【0211】
一方、
図16(B)では、
図15(B)と同様に、演出制御手段400の割込処理の実行開始タイミングに、割込処理の実行を制限する(実行することができない)特定処理が実行されている。特に、
図16(B)の楕円点線部内では、演出制御手段400の割込処理の実行開始タイミングで特定処理が発生しているが、サブストローブ信号が送信される所定時間Vは、特定処理の最大時間Mと、特定時間T(60μs)との合計からなることで、当該特定処理の終了後に割込処理が開始されても、特定処理の終了タイミングから少なくとも特定時間T以上の時間は、サブストローブ信号が送信されることになり、演出制御手段400は、特定処理終了後、特定時間Tに到達するまで、確実にサブストローブ信号を受信することが可能となる。これにより、演出制御手段400は、サブストローブ信号を有効に受信することができ、主制御手段200から演出制御手段400へ送信されるコマンドを受信エラー等の不具合を発生させることなく、確実に受信することが可能となる。
【0212】
したがって、主制御手段200から送信されるコマンドに基づいて、演出制御手段400における安定したスムーズな演出処理の実行を確保することができ、遊技機10における安定したスムーズな演出の実行が可能となる。結果として、不具合の発生を抑え、遊技者の興趣を削ぐようなことを抑えることができる。
なお、本実施の形態では、その他の構成や、作用及び効果は第2の実施の形態と同様であって、それらの説明を省略する。
【0213】
なお、第2の実施の形態、及び第3の実施の形態では、特定信号をサブストローブ信号、作動制御手段を演出制御手段400(所謂、サブ制御手段)として説明したが、これに限定されるものではなく、特定信号は、作動制御手段が一定時間受信する必要がある信号であれば何でもよく、また作動制御手段は、当該特定信号で制御されるものであれば何でもよい。
【0214】
上述した第1、第2、第3の実施の形態や、明細書中のなお書き等の構成は、任意の組み合わせで組み合わせてもよいものである。また、他の実施の形態の主要な構成を有さずに、各実施の形態だけで独立した構成からなるようにすることもできる。