特許第6795862号(P6795862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6795862低消費電力広域ネットワークを用いて各種サービスを提供し、車両に既設のブラックボックスに接続することができるサービス端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795862
(24)【登録日】2020年11月17日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】低消費電力広域ネットワークを用いて各種サービスを提供し、車両に既設のブラックボックスに接続することができるサービス端末
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   G06F13/00 354A
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-537257(P2019-537257)
(86)(22)【出願日】2017年12月14日
(65)【公表番号】特表2020-506463(P2020-506463A)
(43)【公表日】2020年2月27日
(86)【国際出願番号】KR2017014706
(87)【国際公開番号】WO2018131801
(87)【国際公開日】20180719
【審査請求日】2019年7月5日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0003546
(32)【優先日】2017年1月10日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0143380
(32)【優先日】2017年10月31日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519244153
【氏名又は名称】シンクアイ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソングク
(72)【発明者】
【氏名】パク、ビョンウク
【審査官】 木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−169869(JP,A)
【文献】 特開2011−254206(JP,A)
【文献】 特開2013−182421(JP,A)
【文献】 特開2012−113342(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101809630(CN,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1473866(KR,B1)
【文献】 韓国登録特許第10−1428011(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に既設のブラックボックスであってGPS受信機を接続するための第1ポートを備えるブラックボックスに接続することができるサービス端末であって、
低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)に接続してLPWANサービスのためのLPWANサービスデータを送受信することが可能なLPWANインターフェース、
前記GPS受信機を接続することが可能な第2−1ポートと、前記LPWANインターフェースを接続することが可能な第2−2ポートと、前記ブラックボックスの第1ポートに接続される第2−3ポートとを備え、前記第2−1ポートを介して受信したGPSデータ及び前記第2−2ポートを介して受信したLPWANサービスデータのうちのいずれかを前記ブラックボックスへ提供するMCU、及び、
直流動作電源を供給する電源部、を備えて前記車両に設置されることを特徴とする、
サービス端末。
【請求項2】
前記MCUは、前記第2−1ポートを介して受信したGPSデータを前記第2−3ポートへ仲介する中で、前記第2−2ポートを介して前記LPWANサービスデータを受信した場合、前記受信したLPWANサービスデータに対応してユーザーに表示しなければならない表示データがあれば、前記GPSデータの仲介を中断し、前記表示データを前記第2−3ポートを介して前記ブラックボックスへ提供することにより、前記表示データが前記ブラックボックスの表示部に表示されるようにすることを特徴とする請求項1に記載のサービス端末。
【請求項3】
前記表示データは、前記LPWANサービスデータから抽出したものであるか、或いは前記LPWANサービスデータに対応して前記MCUが既に保存しておいたものであることを特徴とする請求項2に記載のサービス端末。
【請求項4】
前記MCUは、前記第2−1ポートを介して受信したGPSデータを前記第2−3ポートへ仲介する中で、前記第2−3ポートを介して前記ブラックボックスが提供するデータを受信すると、前記データが前記GPS受信機へ伝達するものであるか、前記LPWANサービスのためのものであるかを判断し、前記LPWANサービスのためのデータである場合には、前記GPSデータの伝達を中断し、前記ブラックボックスが提供したデータに対応するLPWANサービスデータを前記第2−2ポートを介して前記LPWANインターフェースへ伝達して前記低消費電力広域ネットワークを介して外部管理サーバーに提供することを特徴とする請求項1または2に記載のサービス端末。
【請求項5】
前記表示データは、前記LPWANサービスデータから抽出したものであるか、或いは前記LPWANサービスデータに対応して前記MCUが既に保存しておいたものであることを特徴とする請求項4に記載のサービス端末。
【請求項6】
前記GPS受信機を内蔵することを特徴とする請求項1に記載のサービス端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低消費電力広域ネットワークを用いて低消費電力で車両の運転者に各種サービスを提供する端末であって、車両に既設のブラックボックスに接続することができるサービス端末、及びそのブラックボックス接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LPWAN(Low Power Wide Area Network)は、低消費電力広域ネットワークであって、最近、モノのインターネット(IoT:Internet of Things)用無線ネットワークとして採用されている。モノのインターネットのためのネットワークソリューションは、(1)まず、データを常時使用するがバッテリーなどで動作しなければならないので、低消費電力で伝送することができなければならず、(2)常時使用するがデータの量が少量であるので、超高速である必要はなく、(3)高コストのネットワークは経済性が低くて使用し難いという特徴がある。LPWANは、このような要求に対するソリューショであって、モノのインターネットのための無線ネットワークとして最近注目を浴びている。LPWANは、モノのインターネットの中でもカバレッジが相当大きいネットワークであって、LoRa(登録商標)、Sigfox(登録商標)、Ingenu(登録商標)、LTE−M、NB−IOTなどの商用化された技術を含む。
例えば、LoRaは、低消費電力の通信が可能であるうえ、最大20Kmほど相当広いカバレッジを有するという利点がある。Sigfoxは、都市の場合には10Km、都心を離れた場合には最大30Kmのカバレッジを有する。LTE−MTC(Machine−type Communications)(または、LTE−M)、NB(Narrowband)LTE−M、NB IoTは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)リリース12、13ベースのLTE技術として最近発表された標準であり、省電力モード(PSM:Power Saving Mode)などが適用される。
一方、車両に設置されるブラックボックスは、カメラを用いて車両の前方状態を動画像として録画するだけでなく、車両に設置された各種センサーを用いて、イベントが発生する場合に静止画などとして保存する。一方、ブラックボックスは、ディスプレイや入力部などのユーザーインターフェースを備えて、ユーザーから各種制御命令の入力を受けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、低消費電力広域ネットワークを用いて低消費電力で車両の運転者に各種サービスを提供する端末であって、車両に既設のブラックボックスに接続することができるサービス端末を提供することにある。
本発明の他の目的は、GPS受信機を接続するためのポートのみを備えたブラックボックスにサービス端末を接続するためのサービス端末のブラックボックス接続方法を提供することにある。従来のブラックボックスは、外部端末接続用端子として、GPS受信機を接続するためのポートのみを備えたので、サービス端末がブラックボックスとGPS受信機との間を仲介しながらLPWANデータがブラックボックスを介して表示されるようにする方法を提示する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明に係るサービス端末は、ブラックボックスに接続できる。この場合、ブラックボックスは、GPS受信機を接続するための第1ポートを備えて車両に既設されたものである。サービス端末は、ブラックボックスに接続され、各種の低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)サービスを提供することができる。LPWANサービスは、LPWANを介して車両の運転者に提供できるサービスであればいずれのものでもよい。このとき、サービス端末は、自体のユーザーインターフェースを備えず、車両に既設のブラックボックスのユーザーインターフェース(ディスプレイやタッチパッドなど)を用いるものである。
本発明のサービス端末は、LPWANインターフェース、MCU及び電源部を含む。LPWANインターフェースは、低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)に接続してLPWANサービスのためのLPWANサービスデータを送受信することができる。MCUは、前記内蔵GPS受信機を接続することができる第2−1ポートと、前記LPWANインターフェースを接続することができる第2−2ポートと、前記ブラックボックスの第1ポートにケーブル接続される第2−3ポートとを備え、前記第2−1ポートを介して受信したGPSデータ及び前記第2−2ポートを介して受信したLPWANサービスデータのうちのいずれかを前記ブラックボックスへ提供することができる。電源部はサービス端末の直流動作電源を供給する。
実施形態によって、前記MCUは、(a)前記第2−1ポートを介して前記内蔵GPS受信機から受信したGPSデータを前記第2−3ポートへ仲介する中で、前記第2−2ポートを介して前記LPWANサービスデータを受信した場合、前記受信したLPWANサービスデータに対応してユーザーに表示しなければならない表示データがあれば、前記GPSデータの仲介を中断し、前記表示データを前記第2−3ポートを介して前記ブラックボックスへ提供することにより、前記表示データが前記ブラックボックスの表示部に表示されるようにすることができる。
他の実施形態によって、前記MCUは、(b)前記第2−1ポートを介して受信したGPSデータを前記第2−3ポートへ仲介する中で、前記第2−3ポートを介して前記ブラックボックスが提供するデータを受信すると、前記データが前記内蔵GPS受信機へ伝達するものであるか、前記LPWANサービスのためのものであるかを判断し、前記LPWANサービスのためのデータである場合には、前記GPSデータの伝達を中断し、前記ブラックボックスが提供したデータに対応するLPWANサービスデータを前記第2−2ポートを介して前記LPWANインターフェースへ伝達して前記低消費電力広域ネットワークを介して外部管理サーバーに提供することができる。
ここで、前記表示データは、前記LPWANサービスデータから抽出したものであるか、或いは前記LPWANサービスデータに対応して前記MCUが既に保存しておいたものであってもよい。
GPS受信機はGPSデータを生成する。本発明のサービス端末は、GPS受信機とケーブルを介して互いに接続されてもよく、内蔵GPS受信機を備えてもよい。
本発明は、前記サービス端末のブラックボックス接続方法にも及ぶ。本発明の方法は、第2−1ポート、第2−2ポート及び第2−3ポートを備えた前記サービス端末のMCUが前記第2−1ポートを介してGPS受信機に接続され、前記第2−2ポートを介して前記LPWANインターフェースに接続され、前記第2−3ポートを介して前記ブラックボックスの第1ポートに接続されるステップと、前記MCUが前記第2−1ポートを介して受信したGPSデータを前記第2−3ポートを介して前記ブラックボックスへ周期的に仲介するステップと、前記仲介するステップを行う中で前記第2−2ポートを介して受信したLPWANサービスデータがある場合に、前記MCUが前記第2−3ポートを介して前記ブラックボックスへ前記LPWANサービスデータを伝達するステップとを含む。
【発明の効果】
【0005】
本発明のサービス端末を用いると、GPS受信機を接続するための一つのポートのみを提供する従来のブラックボックスにGPS受信機だけでなく、低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)を介したサービスを処理するための構成を同時に接続することができる。
これにより、サービス端末は、(1)内蔵されたGPS受信機を用いて受信したGPSデータをブラックボックスへ伝達するだけでなく、(2)低消費電力動作などの理由で表示部及び入力部などのユーザーインターフェースが備えられなくても、LPWANサービスに必要なデータをブラックボックスの表示部に表示し、ブラックボックスの入力部を介してユーザー制御命令の入力を受けることができる。
本発明の端末は、LPWANを活用するため、低消費電力で駆動され、よって、バッテリーなどの小規模な電力でも長時間端末を動作させることができる。LPWAN自体の通信コストも非常に低いため、端末運用コストも非常に低く維持することができる。
何よりも、本発明のサービス端末自体を簡略に作るために車両に既設のブラックボックスとGPS受信機を用いることに特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の端末の接続関係図である。
図2】本発明の一実施形態に係る端末のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る端末の動作説明に提供されるフローチャートである。
図4】本発明の他の実施形態に係る端末のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
図1及び図2を参照する。本発明のシステム100は、車両10に設置されるブラックボックス(Black−Box)110、GPS受信機20及びサービス端末130と、低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)150を介してサービス端末130に接続される管理サーバー170とを含む。以下では、LPWAN150としてLoRaネットワークを例示して説明するが、これに限定されず、Sigfox、Ingenu、LTE−M、NB−IOTなどのネットワークにも適用することができる。
車両10に設置されるブラックボックス110は、カメラ(図示せず)を内蔵して車両の前方の状況を撮影し、動画像や静止画像(Still Image)として保存することができ、GPS受信機20を接続することができる万能非同期送受信機(UART:Universal asynchronous receiver/transmitter)プロトコルに基づく第1ポート110aを備えた従来のブラックボックスである。ブラックボックス110は、運転者に各種情報を表示し、動画像を再生して表示することができる表示部111と、運転者の制御命令の入力を受けるための入力部113とを備えることができる。表示部111と入力部113は、タッチスクリーンのように一体に実現することが好ましいが、これに限定されない。
ブラックボックス110は、UARTプロトコルに基づいてサービス端末130に接続される。ブラックボックス110は、本発明の動作のために、ブラックボックス制御部115とLPWANデータ処理部117とを含む。ブラックボックス制御部115は、従来のブラックボックスの動作を制御するもので、本発明の特徴的構成ではない。
LPWANデータ処理部117は、下記で説明するLPWANサービスデータを処理する過程でサービス端末130から伝達された表示データを表示部111に表示し、入力部113を介してユーザーから入力されたデータをサービス端末130へ伝達する。
LPWAN150には、複数のLPWANゲートウェイ(151を含む)とLPWANサーバー153を含み、サービス端末130と管理サーバー170との間を接続する。LPWANサーバー153には、複数のLPWANゲートウェイ(151を含む)が接続される。以下では、サービス端末130とLPWANゲートウェイ151との間で送受信されるLPWANデータパケット(Packet)に含まれているデータを「LPWANサービスデータ」という。例えば、LPWAN150がLoRaネットワークである場合、LPWAN150は、LoRaゲートウェイ151とLoRaサーバー153を含み、LPWANサービスのためにLoRaデータパケットを伝送する。
管理サーバー170は、本発明のサービス端末130による各種LPWANサービスを全体的に運用し、その動作のために運転者の登録を受けて管理することができる。運転者の登録を介して、管理サーバー170は、端末識別番号と運転者情報を互いにマッチングして保存し、管理する。ここで、運転者情報には、ログインIDとパスワードなどが含まれ、後述されるようにサービス端末130のLPWANサービスを運転者個人の他の携帯機器(携帯電話など、図示せず)に提供する場合であれば、当該携帯機器の情報(電話番号、MACアドレスなど)も含まれ得る。
ここで、LPWANサービスは、サービス端末130と管理サーバー170間のLPWANサービスデータの交換による相互作用によって実行できる、いずれの種類と形態のサービスでもよい。例えば、サービス端末130が取得する各種情報を用いて、例えば車両盗難防止に関するサービスを提供することもでき、車両運転者の居眠り運転防止のためのサービスを提供することもでき、車両が駐車/停車中の場合に車両の運転者を呼び出す運転者呼び出しサービスなどを提供することもできる。例えば、運転者呼び出しサービスは、サービス端末130が車両の運転者を呼び出すための呼び出し者から所定形態の運転者呼び出し命令の入力を受けることができ、その運転者呼び出し命令を管理サーバー170へ提供し、運転者を呼び出した結果の提供を管理サーバー170から受けて呼び出し者に表示する形態になる。ただし、LPWANサービスそのものは、本発明の核心的な事項ではないので、ここで詳しく説明しない。
サービス端末130は、車両10の内部に設置され、電源部201、LPWANインターフェース203及びMCU(Main Controller Unit)210を含み、電源部201、LPWANインターフェース203及びMCU210を収容するためのケース230を備える。一方、サービス端末130は、LPWANサービスのための必要な構成(例えば、センサーなど)を含んでもよく、他の外部機器に接続されてもよい。
本発明において、サービス端末130は、GPS受信機20及びブラックボックス110に接続される。ただし、実施形態によって、図4に示すように、サービス端末400は、内蔵型GPS受信機20を備えてもよい。本発明は、GPS受信機を接続するための一つのポートのみを提供する従来のブラックボックス110にGPS受信機だけでなく、低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)を介したサービスを処理するための構成を同時に接続することにその特徴があるためである。
電源部201は、サービス端末130の動作のための直流動作電源を提供する。電源部201は、内蔵バッテリーを使用してもよい。本発明のサービス端末130は、LPWANを使用することにより、低消費電力で動作することに特徴があるので、内蔵バッテリーを使用してもかなり長い期間電源を供給することができる。他の方法として、電源部201は、車両10のヒューズボックス(図示せず)を介して車両バッテリー(図示せず)から直流電源の供給を受けて動作電源として直流を供給することもできる。
サービス端末130は、常時動作するように構成されてもよいが、運転者が特別に操作した場合にのみ動作するようにすることもできる。この場合、電源部201は、運転者から動作の開始及び終了に関する制御命令の入力を受けてMCU210に提供するための別途の手段(スイッチ、ボタンなど)をさらに備えてもよい。
LPWANインターフェース203は、アンテナ(図示せず)を備え、LPWANサービスプロトコルに基づく無線チャネルでLPWANゲートウェイ151と通信することができる。サービス端末130は、LPWANゲートウェイ151を介して管理サーバー170に接続される。したがって、LPWANインターフェース203は、MCU210が提供する情報を管理サーバー170に提供し、管理サーバー170が提供する情報を受信してMCU210に提供する。
MCU210は、本発明のサービス端末130の全般的な動作を制御し、管理サーバー170と一緒にLPWANサービスを提供するための各種情報を収集することもでき、管理サーバー170が提供するLPWANサービスデータを処理することができる。しかし、先立って説明したように、LPWANサービスそのものは、本発明の核心的な内容ではないので詳細に説明しない。
本発明で提示するMCU210の核心的な動作は、GPS受信機20とLPWANインターフェース203とブラックボックス110との間を相互接続することである。MCU210は、ハードウェア的に通常一つのチップで実現され、GPS受信機20、LPWANインターフェース203及びブラックボックス110を相互接続するために複数のポートを含む。そのポートには、GPS受信機20との接続に割り当てられた第2−1ポート210aと、LPWANインターフェース203とI2C(Inter−Integrated Circuit)またはSPI(Serial Peripheral Interface)プロトコルで接続される第2−2ポート210bと、ブラックボックス110の第1ポート110aとUARTプロトコルで接続される第2−3ポート210cとが含まれる。UARTプロトコルに従う第2−1ポート210a、第2−3ポート210c及び第1ポート110aは、それぞれTx、Rx、VCC及びGND端子を一つのセットとして含む。この中でも、第2−3ポート210cと第1ポート110aは、4つのケーブルを用いてTx、Rx、VCC及びGND端子を相互接続する。
また、MCU210は、その制御動作のためのソフトウェアがインストールされた状態で動作するので、図2では、そのソフトウェアを代表してLPWANクライアント部211と接続制御部213を示した。
【0008】
図2に示されているように、ブラックボックス110は、UARTによる第1ポート110aのみを備え、GPS受信機20からGPSデータを受信しなければならない。よって、サービス端末130は、基本的にGPS受信機20から受信されるデータをそのままブラックボックス110にバイパス(Bypass)しなければならない。GPSデータを仲介する中でLPWAN150からLPWANサービスデータを受信すると、MCU210は、既に設定されたプロトコルとアルゴリズムに基づいてLPWANサービスデータを処理する。ブラックボックス110の立場では、一つのUARTポートを介して2つの装置に接続されるのである。
LPWANサービスデータの中には、(1)MCU210自体で処理することができる場合があり、(2)ユーザーの確認や制御などが必要な場合もある。MCU210自体で処理することができる(1)のLPWANサービスデータは、LPWANクライアント部211が自体的に既に設定されたアルゴリズムに基づいて対応する。問題は、ユーザーの確認や制御命令の入力を受けなければならない(2)の場合である。この時は、ユーザーに必要な情報を知らせ、ユーザーから必要な制御命令の入力を受けなければならないが、本発明では、ブラックボックス110が保有した表示部111と入力部113を用いる。
LPWANクライアント部211は、LPWANインターフェース203から提供されるLPWANサービスデータを分析し、既に設定されたアルゴリズムに基づいてLPWANサービスデータを処理する。もし、(2)の場合のように、LPWANサービスデータに対応してユーザーに表示する「表示データ」があれば、LPWANクライアント部211は、その「表示データ」を接続制御部213に伝達する。表示データは、LPWANサービスデータから抽出または分離したデータであることもあり、必要に応じては、特定のLPWANサービスデータの受信に対応してMCU210が既に保存しておいたデータであることもある。
接続制御部213は、第2−3ポート210cを介したUARTプロトコルに基づく処理を行う。まず、接続制御部213は、基本的に、第2−1ポート210aを介して受信されるGPSデータを第2−3ポート210cへ仲介する。GPSデータの仲介中にLPWANクライアント部211から表示データを受信すると、接続制御部213は、当該表示データをUARTプロトコルに基づくデータパケットに変換して第2−3ポート210cを介してブラックボックス110に提供する。
一方、接続制御部213は、第2−3ポート210cを介してブラックボックス110からUARTデータパケットを受信すると、UARTデータパケットをパーシングして第2−1ポート210aを介してGPS受信機20へ仲介するか、LPWANクライアント部211へ伝達するかを判断する。LPWANクライアント部211へ伝達すると判断された場合には、接続制御部213は、UARTデータパケットをパーシングしてデータを抽出した後、LPWANクライアント部211へ伝達する。
【0009】
以下、MCU210の動作を図3を参照してより詳細に説明する。
<GPSデータの仲介:S301>
サービス端末130が動作を開始すると、接続制御部213は、第2−1ポート210aに入力されるGPSデータを第2−3ポート210cに周期的に仲介する。言い換えれば、接続制御部213は、GPS受信機20とブラックボックス110とを接続する。第2−1ポート210aと第2−3ポート210cは、同じプロトコルに従うポートなので、単純仲介でも接続可能である。ブラックボックス110のブラックボックス制御部115は、第2−3ポート210cに接続された第1ポート110aを介して周期的に受信されるGPSデータを自体のサービスに利用する。
ブラックボックス110がGPS受信機20へ提供するデータがあっても、接続制御部213は、第2−1ポート210aと第2−3ポート210cとの間を接続するものなので、そのままGPS受信機20に仲介される。
<LPWANサービスデータの受信確認:S303>
S301ステップを繰り返し行う中で、LPWANインターフェース203は、LPWAN150を介してLPWANデータパケットを周期的または非周期的に受信し、LPWANサービスデータを抽出してLPWANクライアント部211へ提供する。
<LPWANサービスデータに対するユーザーの対応が必要であるか否かを判断:S305>
S301ステップを繰り返し行う中で、S303ステップを介してLPWANインターフェース203からLPWANサービスデータを受信すると、LPWANクライアント部211は、LPWANサービスデータを分析し、当該LPWANサービスデータに対応してユーザーに表示する内容があるか、或いはユーザーの制御命令を受信する必要があるかを判断する。
<LPWANサービスプロトコルに基づく自体処理:S307>
S305ステップの判断で、LPWANクライアント部211は、当該LPWANサービスデータが自体処理することができると判断されると、既に設定されたアルゴリズムに基づいて受信処理をするか、或いは異なる応答をLPWANインターフェース203を介してLPWAN150へ提供する。LPWAN150へ伝送されたデータは、必要に応じて管理サーバー170へ伝達されてLPWANサービスのために使用される。
<LPWANサービスデータにユーザーの処理が必要な場合:S309乃至S313>
<表示データの抽出:S309>
S305ステップで、LPWANクライアント部211は、当該LPWANサービスデータに対応してユーザーに表示する事項があるか、或いはユーザーの制御命令を受信する必要があると判断されると、当該LPWANサービスデータから表示データを抽出するか、或いは当該LPWANサービスデータに対応して既に保存しておいた表示データを内蔵メモリから抽出して接続制御部213に提供する。
<表示データの伝達:S311>
接続制御部213は、表示データをUARTプロトコルに基づくデータパケットに作って第2−3ポート210cとブラックボックス110の第1ポート110aを介してブラックボックス110のLPWANデータ処理部117に提供する。表示データの伝達中には、第2−1ポート210aを介して入力されるGPSデータの仲介は中断される。接続制御部213は、表示データの伝達を完了すると、GPSデータの仲介を再開する。
<表示部によるデータの表示:S313>
LPWANデータ処理部117は、表示データを表示部111を介してユーザーに表示する。
以上の方法で、本発明のサービス端末130のブラックボックス110接続方法が行われる。
【0010】
<実施形態1>
表示部111に表示されたデータを確認した後、または他の必要に応じて、ユーザーが入力部113を介してLPWANサービスに必要な制御命令を入力する場合に、LPWANデータ処理部117は、当該制御命令をUARTプロトコルに基づくデータパケットに変換して第1ポート110aと第2−3ポート210cを介してMCU210へ提供する。
MCU210の接続制御部213は、第2−3ポート210cを介してブラックボックス110からUARTデータパケットを受信すると、UARTデータパケットのヘッドをパーシングして、当該UARTデータパケットがLPWANクライアント部211へ伝達するか、GPS受信機20へ伝達するかを判断する。パーシングしたデータがLPWANクライアント部211へ伝達するので、接続制御部213は、UARTデータパケットをパーシングしてユーザー制御命令を抽出した後、LPWANクライアント部211へ伝達する。LPWANクライアント部211は、ユーザー制御命令に既に設定されたアルゴリズムに基づいてユーザー制御命令を自体処理するか、或いはLPWAN150を介してユーザー制御命令またはユーザー制御命令に対して既に設定されたデータを管理サーバー170へ提供する。
【0011】
<実施形態2>
図1及び図2の例において、GPS受信機20は、サービス端末130に接続するために車両10に設置された別途の装置として説明した。言い換えれば、端末130は、車両10に既設のGPS受信機20とブラックボックス110とを相互接続するものと説明した。
しかし、本発明はこれに限定されない。本発明は、GPS受信機を接続するための一つのポートのみを提供する従来のブラックボックス110にGPS受信機だけでなく、低消費電力広域ネットワーク(LPWAN)を介したサービスを処理するための構成を同時に接続することにその特徴があるので、本発明のサービス端末がGPS受信機を内蔵することもでき、図4はその例を示している。
図4のサービス端末400は電源部201、LPWANインターフェース203、MCU210及び内蔵GPS受信機20を含み、これらは一つのケース401内に含まれる。図4のサービス端末400は、1つの図2のサービス端末130とGPS受信機20を一つの装置に包装したものである。
【0012】
以上では、本発明の好適な実施形態について図示及び説明したが、本発明は、上述した特定の実施形態に限定されず、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能なのはもとより、それらの変形実施は本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならないだろう。
図1
図2
図3
図4