(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フレームと、その一主面が前記フレーム上にフリップチップ実装される半導体チップと、前記半導体チップの前記一主面と対向する他の主面上に積層して固着されるICチップと、前記半導体チップと前記ICチップとを電気的に接続する金属ワイヤと、前記フレーム、前記半導体チップ、前記ICチップ及び前記金属ワイヤを封止するパッケージとを備え、
前記パッケージはその長手方向にて対向する2つの側面を有し、
前記半導体チップには第1のトランジスタと第2のトランジスタとが形成され、前記半導体チップは、前記一主面側に形成された前記第1のトランジスタのソース電極及びゲート電極と、前記一主面側に形成された前記第2のトランジスタのソース電極及びゲート電極と、前記他の主面側に形成された前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの共通のドレイン電極と、を有し、
前記第1のトランジスタの前記ゲート電極は前記パッケージの一方の前記側面側に配置され、前記第2のトランジスタの前記ゲート電極は前記パッケージの他方の前記側面側に配置され、
前記第1のトランジスタの前記ソース電極がフリップチップ実装された前記フレームは前記パッケージの前記他方の側面から露出し、前記第2のトランジスタの前記ソース電極がフリップチップ実装された前記フレームは前記パッケージの前記一方の側面から露出し、
前記第1のトランジスタの前記ソース電極及び前記第2のトランジスタの前記ソース電極は、それぞれ前記半導体チップの長手方向に沿って長辺を有するように形成されていることを特徴とする半導体装置。
【背景技術】
【0002】
従来の充電保護装置に用いられる半導体装置として、
図6に示す構造が知られている。図示の如く、樹脂パッケージ101には、充電制御用スイッチとしてのFET102(以下、「充電用FET102」と呼ぶ。)と、放電制御用スイッチとしてのFET103(以下、「放電用FET103」と呼ぶ。)と、保護IC104とが内蔵されている。点線105にて示すラインが樹脂パッケージ101の外周ラインであり、1パッケージ構造が実現されている。
【0003】
充電用FET102のドレイン電極がリードフレーム106のダイパッド107上に銀ペーストを介して固着されている。そして、充電用FET102のソース電極108とゲート電極109がワイヤ110を介してリードフレーム106のインナーリード107と電気的に接続している。
【0004】
放電用FET103及び保護IC104も充電用FET102と同様に、リードフレーム106上に固着され、ワイヤ110を介してインナーリード107と電気的に接続している(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、従来の複数のパワーMOSFETが内蔵された半導体装置として、
図7に示す構造が知られている。図示の如く、2つのMOSFET121、122が、リードフレームの搭載部123上面に固着され、搭載部123はパッケージ124の一側面側から4つのドレイン端子125として外部へ導出している。また、リードフレームには搭載部123と離間したゲート端子126、127及びソース端子128、129が形成され、ドレイン端子125が導出するパッケージ124側面と反対側の側面からそれぞれ外部へ導出している。
【0006】
MOSFET121のソース電極130とソース端子128とは3本のボンディングワイヤ131にて電気的に接続し、MOSFET122のソース電極132とソース端子129とは3本のボンディングワイヤ133にて電気的に接続している。図示したように、ソース電極130、132に対し、それぞれ複数本のボンディングワイヤ131、133を用いることで大電流化を実現している(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
また、従来のMOSFETが内蔵された半導体装置として、
図8に示す構造が知られている。図示の如く、パワーMOSFETが形成されたシリコンチップ141の主面には、ソースパッド(ソース電極)142とゲートパッド(ゲート電極)143が形成され、その裏面には、ドレインパッド(図示せず)が形成されている。そして、シリコンチップ141は、Agペーストを介してダイパッド部144の上面に接合され、ダイパッド部144と連続するドレイン用の4本のリード145が樹脂パッケージ146の1側面側から外部へ導出している。
【0008】
シリコンチップ141のソースパッド142とソース用のリード148とはAlリボン147によって電気的に接続し、オン抵抗値の低減を実現している。そして、ソース用の3本のリード148が、リード145が導出する側面と反対側の樹脂パッケージ146の側面側から外部へ導出している。シリコンチップ141のゲートパッド143とリードフレームとはAlワイヤ149にて電気的に接続し、ゲート用のリード150が樹脂パッケージ146の1側面側から外部へ導出している(例えば、特許文献3参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、携帯電話機やスマートフォン等の携帯機器の小型化や薄型化に伴い、その内部に使用される電子部品の小型化や薄型化も要求されている。その為、電子部品の大電流化に対応しつつ、オン抵抗値の低減やパッケージサイズの小型化や薄型化を実現する必要性がある。
【0011】
図6に示す半導体装置はリチウムイオン電池等の二次電池の保護装置に用いられる。そして、充電用FET102、放電用FET103及び保護IC104がリードフレーム106上面に並べて配列され、1パッケージ化が成されているが、チップ同士の積層構造を用いておらず、これ以上の樹脂パッケージの小型化を図ることが難しいという問題がある。
【0012】
また、
図6に示す半導体装置では、大電流が流れる充電用FET102のソース電極108や放電用FET103のソース電極111に対してワイヤ110が接続される構造のため、オン抵抗値の低減が図り難いという問題がある。
【0013】
ここで、
図7及び
図8に示す半導体装置では、ICチップは内蔵されていないが、
図7に示すように、大電流化に対応するため太線ワイヤ131、133を複数本用いる構造が知られている。一方、太線ワイヤ131、133を複数本用いる構造ではオン抵抗値の低減が図り難く、
図8に示すように、Alリボン147を用いることで、大電流化に対応しつつ、オン抵抗値や接続抵抗値の低減を図る構造も知られている。
【0014】
以上より、
図6に示す半導体装置において、Alリボンを用いることで、大電流化に対応し、オン抵抗値を下げることも考えられるが、Alリボンは大電流化等に対応するため、通常、ソース電極108、111のほぼ全面に渡り固着される構造となる。この構造により、充電用FET102及び放電用FET103上面に保護IC104を積層させることはスペースの観点から難しく、Alリボンを用いる構造では樹脂パッケージの小型化を図ることが難しいという問題がある。
【0015】
また、上記携帯機器の薄型化に伴い、その携帯機器のパッケージ内に収納される回路基板、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池の充放電のバッテリーマネージメントを行う保護回路基板のサイズは、その携帯機器の厚さにより制限を受けている。そのため、その保護回路基板上に実装される電子部品のサイズも制限を受け、そのサイズの制限内にて素子特性を最大にし、上記オン抵抗値の低減を実現するため、半導体チップの電極のレイアウトやフレームのレイアウトによる工夫も求められている。
【0016】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、1パッケージ内に複数のチップを内蔵する構造において、フリップチップ実装を用い、オン抵抗値を低減しつつ、パッケージサイズの小型化や薄型化を実現する半導体装置及びそれを用いた携帯機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の半導体装置は、フレームと、その一主面が前記フレーム上にフリップチップ実装される半導体チップと、前記半導体チップの前記一主面と対向する他の主面上に積層して固着されるICチップと、前記半導体チップと前記ICチップとを電気的に接続する金属ワイヤと、前記フレーム、前記半導体チップ、前記ICチップ及び前記金属ワイヤを封止するパッケージとを備え、前記パッケージはその長手方向にて対向する2つの側面を有し、前記半導体チップには第1のトランジスタと第2のトランジスタとが形成され、前記一主面側に形成された前記第1のトランジスタのゲート電極は前記パッケージの一方の前記側面側に配置されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の半導体装置は、前記第1のトランジスタのゲート電極がフリップチップ実装された前記フレームは前記長手方向に延在し前記パッケージの一方の側面から露出し、前記第2のトランジスタのゲート電極がフリップチップ実装された前記フレームは前記長手方向に延在し前記パッケージの他方の側面から露出していることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の半導体装置は、前記第1のトランジスタのゲート電極と電気的に接続する前記金属ワイヤは、前記第1のトランジスタのゲート電極と前記パッケージの一方の側面との間の前記フレームと接続し、前記第2のトランジスタのゲート電極と電気的に接続する前記金属ワイヤは、前記第2のトランジスタのゲート電極と前記パッケージの他方の側面との間の前記フレームと接続していることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の半導体装置は、前記半導体チップは前記一主面側に形成された前記第1のトランジスタのソース電極と、前記一主面側に形成された前記第2のトランジスタのソース電極と、前記他の主面側に形成された前記第1及び前記第2のトランジスタの共通のドレイン電極とを有し、前記第1のトランジスタのソース電極がフリップチップ実装された前記フレームは前記パッケージの一方の側面から露出し、前記第2のトランジスタのソース電極がフリップチップ実装された前記フレームは前記パッケージの他方の側面から露出していることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の半導体装置は、前記第1のトランジスタの前記ゲート電極と前記半導体チップの長手方向に並んで配列される前記第1のトランジスタのソース電極と、前記第2のトランジスタの前記ゲート電極と前記半導体チップの長手方向に並んで配列される前記第2のトランジスタのソース電極とを有し、前記第1のトランジスタの前記ゲート電極及び前記ソース電極と前記第2のトランジスタの前記ゲート電極及び前記ソース電極とは、前記半導体チップの中心点に対して回転対称に配置されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の携帯機器は、前記半導体装置のパッケージが、携帯機器の二次電池の保護回路基板上に実装され、前記パッケージの長手方向は前記保護回路基板の長手方向に沿って配設され、前記保護回路基板の短手方向は前記携帯機器の筐体の厚み方向に沿って配設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明の半導体装置では、フレーム上に半導体チップがフリップチップ実装され、半導体チップ上面に半導体チップを制御するICチップが積層されている。半導体チップとICチップとは金属ワイヤにより電気的に接続している。そして、半導体チップの2つのゲート電極が、パッケージの長手方向にて対向する側面近傍に配設され、上記ゲート電極とフリップチップ実装されたフレームがパッケージの上記2側面から露出している。この構造により、半導体チップサイズは、パッケージサイズに対して最大化することができ、モジュールとしての素子特性を高性能化することができる。
【0024】
また、本発明の半導体装置では、半導体チップの2つのゲート電極が、パッケージの上記2側面側に配置され、上記ゲート電極とフリップチップ実装されたフレームがパッケージの長手方向へと延在している。そして、上記金属ワイヤが長手方向に延在するフレーム上に接続することで、半導体チップサイズは、パッケージの短手方向に対して最大化することができる。
【0025】
また、本発明の半導体装置では、半導体チップサイズは、パッケージサイズに対して最大化することができる。
【0026】
また、本発明の半導体装置では、半導体チップに2つのMOSFETが形成され、それぞれのソース電極とゲート電極とが半導体チップの中心点に対して回転対称に配置されている。この構造により、半導体チップが、フレームに対して正しい位置から180°回転した状態にて実装された場合でも動作し、実装ミスによる歩留りが改善される。
【0027】
また、本発明の携帯機器では、小型化された上記パッケージが、薄型化された筐体内に収納される二次電池の保護回路基板に対して実装されている。この構造により、消費電力を抑え、長時間の使用が可能となる携帯機器を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一実施形態に係る半導体装置を図面に基づき詳細に説明する。尚、一実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0030】
図1は、半導体装置のパッケージの内部構造を説明する平面図である。
図2(A)は、半導体装置に内蔵される半導体チップを説明する平面図であり、
図2(B)は、
図2(A)に示す半導体チップのB−B線方向の部分断面図である。
図3(A)は、
図1に示す半導体装置のA−A線方向の断面を説明する断面図であり、
図3(B)は、
図1に示す半導体装置のA−A線方向の断面であり、変形例を説明する断面図である。
【0031】
図1に示す如く、本実施の形態の半導体装置1は、一点鎖線にて示すパッケージ2の2つの側面2A、2Bから外部へ6ピンのリード3、4、5、6、7、8が導出する構造となっている。そして、パッケージ2のサイズは、例えば、紙面X軸方向(パッケージの長手方向)の幅が5mmであり、紙面Y軸方向(パッケージの短手方向)の幅が2mmである。尚、本実施の形態では、半導体装置1は6ピン構造にて説明するが、この構造に限定するものではなく、8ピン構造等、適宜、設計変更が可能である。また、パッケージサイズも、適宜、設計変更が可能である。
【0032】
フレーム9は、CuまたはFe−Ni合金等の金属から成り、その表面にはNi−Pd−Au等のめっきが施されている。フレーム9は、半導体チップ10のソース電極25、27(
図2(A)参照)とフリップチップ実装されるソース端子11、12と、半導体チップ10のゲート電極26、28(
図2(A)参照)とフリップチップ実装されるゲート端子13、14と、ICチップ15の電極パッド(図示せず)と金属ワイヤ21、22を介して接続される電源端子としてのVDD端子16及びVM端子17とを有している。
【0033】
ソース端子11、12は、パッケージ2の中央領域にて紙面Y軸方向に沿って分割され、それぞれ紙面X軸方向へと延在している。ソース端子11、12は、半導体チップ10のソース電極25、27(
図2(A)参照)とフリップチップ実装され、半導体チップ10の大部分が固着され、ダイパッドとしての役割も果たしている。
【0034】
そして、ソース端子11、12のパッケージ2の2つの側面2A、2Bから外部へ導出する部分が、ソース電極用のリード4、7として用いられている。図示したように、リード4、7の幅が広く形成されることで、配線部分でのオン抵抗値が低減され、大電流にも対応することが可能となる。
【0035】
ゲート端子13、14は、パッケージ2の紙面左上または紙面右上からそれぞれ紙面X軸方向へと延在している。ゲート端子13、14は、半導体チップ10のゲート電極26、28(
図2(A)参照)とフリップチップ実装される。そして、ゲート端子13、14のパッケージ2の2つの側面2A、2Bから外部へ導出する部分が、ゲート電極用のリード3、6として用いられている。
【0036】
図示したように、ゲート端子13、14は、紙面X軸方向へと直線状に延在し、パッケージ2の2つの側面2A、2Bから導出している。そして、金属ワイヤ18、19はICチップ15の電極パッドから略紙面X軸方向へと延在し、半導体チップ10の端部と側面2A、2Bとの間のゲート端子13、14と電気的に接続している。
【0037】
この構造により、ゲート端子13、14及びゲート電極用のリード3、6が、半導体チップ10の端部よりも紙面Y軸方向の外側に延在するスペースを考慮する必要がない。そして、紙面Y軸方向において、半導体チップ10の幅がパッケージ2の幅に対して最大限広げることが可能となり、チップサイズの縮小化に起因する半導体チップ10の素子特性の悪化が防止される。言い換えると、半導体チップ10の素子特性は、パッケージ2のサイズに対して最大限に高性能化されることが可能となる。
【0038】
また、リード3〜8がパッケージ2の2つの側面2A、2Bから導出する構造となることで、金属ワイヤ20、21、22もICチップ15の電極パッドから略紙面X軸方向へと延在している。図示したように、ICチップ15と半導体チップ10とを電気的に接続する金属ワイヤ18〜22が、欧文字の略X字形状に配設されている。そして、金属ワイヤ18〜22同士が交差することなく、パッケージ2の薄型化が実現されている。
【0039】
図2(A)に示す如く、半導体チップ10には2つの、例えば、Nチャネル型MOSFET23、24が形成され、その主面にはそれぞれソース電極25、27と、ゲート電極26、28とが形成されている。例えば、MOSFET23、24は、紙面左右方向に区分して配置され、MOSFET23のゲート電極26は半導体チップ10の紙面右側上端部近傍に配置され、MOSFET24のゲート電極28は半導体チップ10の紙面左側上端部近傍に配置されている。
【0040】
図1を用いて上述したように、半導体チップ10はフレーム9(
図1参照)に対してフリップチップ実装されるが、ゲート電極26、28が半導体チップ10の紙面X軸方向の両端部近傍に配置されることで、ゲート電極用のリード3、6(
図1参照)がパッケージ2(
図1参照)の2つの側面2A、2B(
図1参照)から外部へ導出する構造が実現される。
【0041】
上記リード配置により、紙面Y軸方向において、半導体チップ10は幅広く形成されることで、ソース電極25、27も幅広く形成され、半導体チップ10に形成されるセル数も多く形成されている。そして、二次電池用の保護回路基板は、スマートフォン等の携帯機器内の狭いスペースに配置されるためそのサイズに制限があるが、その保護回路基板に対してMOSFET23、24のサイズを出来る限り大きくすることで、モジュールとしての特性を高性能化することが可能となる。
【0042】
また、それぞれのMOSFET23、24において、ゲート電極26、28と半導体チップ10の側面10A、10Bまでの離間距離aが、ゲート電極26、28とソース電極25、27までの離間距離bよりも短くなる。
【0043】
この構造により、半導体チップ10がフレーム9にフリップチップ実装された際に、ゲート電極26、28とソース電極25、27とが半田によりショートし難い構造となる。更には、ゲート電極26、28が、出来る限り半導体チップ10の側面10A、10B近傍に配置されることで、ソース電極25、27が大きく配置され、配線でのオン抵抗値が低減され、大電流に対応することが可能となる。
【0044】
同様に、ゲート電極26、28と半導体チップ10の側面10Cまでの離間距離cが、ソース電極25、27間の離間距離dよりも短くなる。この構造により、紙面X軸方向では、ソース電極25、27間が半田によりショートし難い構造となる。その一方、紙面Y軸方向では、ソース電極25、27が大きく配置され、配線でのオン抵抗値が低減され、大電流に対応することが可能となる。
【0045】
尚、図示したように、ソース電極25、27及びゲート電極26、28は、そのコーナー部が曲面形状として形成されている。上述したように、半導体チップ10はフレーム9にフリップチップ実装されるが、半田が上記電極25〜28のコーナー部にて応力集中し難い構造となり、半田にクラックが入る等、実装不良を招き難い構造が実現されている。
【0046】
図2(B)に示す如く、半導体チップ10は、例えば、N型の半導体基板29上にN型のエピタキシャル層30が積層され、半導体基板29及びエピタキシャル層30には2つのMOSFET23、24が形成されている。MOSFET23、24は、半導体チップ10の中央領域にて一定距離離間して形成されることで電気的に分離し、半導体基板29の裏面側に共通のドレイン電極31が形成されている。
【0047】
ドレイン電極31は、AlやAl合金を主体とした金属層が積層構造として形成され、例えば、10〜20μm程度の厚みを有し、その膜厚を厚くすることで、配線でのオン抵抗値が低減され、大電流に対応することが可能となる。そして、ドレイン電極31を共通化することで、電流経路を短くでき、高集積化により動作領域も増大させることができる。
【0048】
エピタキシャル層30には、複数のP型のバックゲート領域32が形成され、バックゲート領域32に対してN型のソース領域33、トレンチを介したゲート電極34、ゲート酸化膜35が形成されている。エピタキシャル層30には、上記構成の複数のセル領域が形成されている。そして、エピタキシャル層30上面には、絶縁層として、例えば、TEOS膜36、SiN膜37、PI膜38が形成されている。
【0049】
また、エピタキシャル層30上面には、AlやAl合金等の金属層から形成されるソース電極25、27及びゲート電極26、28(図示せず)が形成されている。
図2(A)に示すように、上記絶縁層が部分的に開口され、ソース電極25、27及びゲート電極26、28(図示せず)が半導体チップ10の主面側へ露出している。そして、露出したソース電極25、27及びゲート電極26、28(図示せず)を被服するようにUBM層39が形成されている。UBM層39としては、例えば、Ni−Pd−Au層である。
【0050】
図3(A)に示す如く、絶縁層40がフレーム9を被覆するように塗布され、開口部41、42がエッチングにより絶縁層40に形成されている。開口部41、42は、半導体チップ10のソース電極25、27に対応して配置され、開口部41、42の形状はソース電極25、27の形状と相似形となっている。具体的には、
図2(A)に示すように、ソース電極25、27の形状が略欧文字のL字形状であり、開口部41、42の形状も略欧文字のL字形状となっている。
【0051】
図示したように、開口部41、42の開口幅eは、ソース電極25、27の幅fよりも、若干、広い形状となっている。そして、開口部41、42のソース端子11、12上面に半田ペーストがスクリーン印刷され、半導体チップ10がフリップチップ実装され、リフロー工程が施される。尚、半田ペーストに替えて銀ペーストを用いる場合でも良い。
【0052】
上記開口幅eが電極幅fより広くなることで、半田43、44の硬化形状が、フレーム9側が幅広になり、半導体チップ10がフレーム9上に安定した状態にて固着されている。そして、半田43、44が安定した形状に硬化することで、応力集中によるクラックが半田43、44に発生することが抑止され、接続不良の発生が防止される。
【0053】
尚、図示していないが、絶縁層40にはゲート電極26、28に対応した開口部も形成され、その開口形状もゲート電極26、28の形状と相似形であり、若干、ゲート電極26、28よりも大きい形状となる。
【0054】
ICチップ15は、半導体チップ10のドレイン電極31上面に絶縁性接着フィルム45を介して固着されている。ICチップ15と半導体チップ10とは、絶縁性接着フィルム45により電気的に絶縁されている。そして、ICチップ15の電極パッド(図示せず)とソース端子11とは金属ワイヤ20を介して電気的に接続している。尚、半導体チップ10のドレイン電極31は露出した状態であるが、金属ワイヤ20はドレイン電極31と接触しないように形成されている。
【0055】
パッケージ2は、例えば、エポキシ系の封止樹脂等により、フレーム9、半導体チップ10、ICチップ15、金属ワイヤ20等を封止している。図示したように、ソース端子11、12はパッケージ2の裏面側から露出し、ソース電極用のリード4、7はパッケージ2の側面2A、2Bから外部へと導出している。
【0056】
上述したように、半導体チップ10では、主電流が流れるソース電極25、27はフレーム9に対してフリップチップ実装され、同様に、主電流が流れるドレイン電極31は金属層の膜厚を厚くすることで、それぞれオン抵抗値の低減が実現されている。また、ICチップ15は半導体チップ10のコントロールICであり、半導体チップ10とICチップ15間は小電流が流れる。そのため、特に、オン抵抗値を考慮する必要性が少なく金属ワイヤ18〜22が用いられている。
【0057】
この構造により、半導体装置1では、金属リボンを用いることなくオン抵抗値の低減が図れ、発熱量の低減による大電流化や消費電力の低減も実現されている。また、金属リボンを用いない構造とすることで、パッケージサイズの小型化も実現されている。
【0058】
図3(B)では、
図3(A)に示した構造の変形例を示している。図示したように、絶縁性接着フィルム45が、半導体チップ10のドレイン電極31の全面を被覆し、絶縁性接着フィルム45上面にICチップ15が固着されている。そして、ICチップ15の電極パッド(図示せず)とソース端子11とは金属ワイヤ20を介して電気的に接続している。
【0059】
このとき、金属ワイヤ20は、ICチップ15の電極パッド上にボールボンディングされた後、一度、絶縁性接着フィルム45上面にて屈曲し、ソース端子11上面にステッチボンディングされている。この構造により、金属ワイヤ20のワイヤーループ高さを低くすることができ、パッケージ2の薄膜化が実現される。そして、金属ワイヤ20は、絶縁性接着フィルム45と接触しているか、絶縁性フィルム45近傍に位置しており、ソース電極25とドレイン電極31とがショートすることはない。
【0060】
特に、二次電池の保護回路基板上に実装されるパッケージ2のように、紙面X軸方向に幅広に形成されるパッケージ2では、金属ワイヤ20がドレイン電極31の端部との接触を避けるために、
図3(A)に示すように金属ワイヤ20のループ頂が高くなる傾向にある。そこで、金属ワイヤ20の形状を
図3(B)に示す形状とすることで、金属ワイヤ20のループ頂を低くすることができ、パッケージ2の薄型化が実現され易くなる。また、パッケージ2の長さに応じて、金属ワイヤ20は絶縁性フィルム45上面にて複数回接触してループする形状でも良い。
【0061】
尚、
図3(B)に示すその他の構成要素の構造は、
図3(A)にて説明した構造と同様であり、ここではその説明を省略する。
【0062】
また、
図3(A)及び(B)の説明では、絶縁層40に開口部41、42を設ける場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、絶縁層40を用いることなく、開口部41、42の形状と同形状の溝をフレーム9に形成し、半田の流れを防止出来る構造であれば良い。
【0063】
また、開口部41、42の開口幅eがソース電極25、27の幅fより広い場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、開口幅eと幅fとが同じ広さの場合には半田43、44の硬化形状が樽形状となり、この場合にも半田に応力が集中し難い構造を実現できる。
【0064】
次に、上述した半導体装置の変形例として、リードフレーム形状及び半導体チップの別の実施形態を
図4(A)〜
図4(C)に基づき詳細に説明する。
【0065】
図4(A)は、半導体装置の内部構造を説明する平面図であり、
図4(B)は、
図4(A)に示す半導体装置に内蔵される半導体チップを説明する平面図である。
【0066】
図4(A)に示す如く、半導体装置51は、一点鎖線にて示すパッケージ52の2つの側面52A、52Bから露出するソース端子53、55及び電源端子としてのVM端子54、VDD端子56が露出する構造となっている。そして、ゲート端子57、58は、パッケージ52の2つの側面52A、52Bから露出しないが、パッケージ52の裏面(図示せず)から露出する構造となっている。
【0067】
尚、各端子53〜56の一部がパッケージ52から露出した露出面は、実質、側面52A、52Bと同一面を形成し、外部パターンと接続するアウターリードとして機能している。同様に、ゲート端子57、58の一部がパッケージ52から露出した露出面は、実質、パッケージ52の裏面と同一面を形成し、外部パターンと接続するアウターリードとして機能している。
【0068】
パッケージ52のサイズは、例えば、紙面X軸方向(パッケージの長手方向)の幅が5mmであり、紙面Y軸方向(パッケージの短手方向)の幅が2mmである。尚、本実施の形態では、6ピン構造にて説明するが、この構造に限定するものではなく、8ピン構造等、適宜、設計変更が可能である。
【0069】
フレーム59は、CuまたはFe−Ni合金等の金属から成り、その表面にはNi−Pd−Au等のめっきが施されている。フレーム59は、半導体チップ60のソース電極69、71(
図4(B)参照)とフリップチップ実装されるソース端子53、55と、半導体チップ60のゲート電極70、72(
図4(B)参照)とフリップチップ実装されるゲート端子57、58と、ICチップ61の電極パッド(図示せず)と金属ワイヤ62、63を介して接続されるVM端子54及びVDD端子56とを有している。
【0070】
ソース端子53、55は、パッケージ52の中央領域にて紙面X軸方向に沿って分割され、それぞれ紙面X軸方向へと延在している。ソース端子53、55は、半導体チップ60のソース電極69、71とフリップチップ実装され、半導体チップ60の大部分が固着され、ダイパッドとしての役割も果たしている。
【0071】
ゲート端子57、58は、パッケージ52の紙面左上コーナー部近傍または紙面右下のコーナー部近傍に配置されている。ゲート端子57、58は、半導体チップ60のゲート電極70、72とフリップチップ実装されている。
【0072】
ゲート端子57、58は、例えば、略欧文字の略L字形状であり、その一端が2つの側面52A、52B近傍に配置され、その一部が紙面X軸方向に延在している。ゲート端子57、58は、半導体チップ60よりも2つの側面52A、52B側へ配置される領域を有し、その領域に対し金属ワイヤ64、65が電気的に接続している。
【0073】
この構造により、紙面Y軸方向において、半導体チップ60の幅がパッケージ52の幅に対して最大限広げることが可能となり、チップサイズの縮小化に起因する半導体チップ60の素子特性の悪化が防止される。言い換えると、半導体チップ60の素子特性は、パッケージ52のサイズに対して最大限に高性能化されることが可能となる。
【0074】
また、図示したように、ICチップ61と半導体チップ60とを電気的に接続する金属ワイヤ62〜66が、略欧文字のX字形状に配設されている。そして、金属ワイヤ62〜66同士が交差することなく、パッケージ62の薄型化が実現されている。
【0075】
図4(B)に示す如く、半導体チップ60には2つの、例えば、Nチャネル型MOSFET67、68が形成され、その主面にはそれぞれソース電極69、71と、ゲート電極70、72とが形成されている。例えば、MOSFET67、68は紙面上下方向に区分して配置され、MOSFET67のゲート電極70は半導体チップ60の紙面右側上端部近傍に配置され、MOSFET68のゲート電極72は半導体チップ60の紙面左側下端部近傍に配置されている。
【0076】
図示したように、半導体チップ60の一主面では、ソース電極69、71及びゲート電極70、72が、半導体チップ60の中心点60Aに対して回転対称に配置されている。この構造により、半導体チップ60がフレーム59に実装される際、正しい位置から180°回転した状態にて実装された場合でも、半導体チップ60内には2つのNチャネル型のMOSFET67、68であり、動作不良を起こすこともなく、実装ミスによる歩留りが改善される。
【0077】
また、ソース電極69、71が紙面X軸方向に幅広く形成され、MOSFET67、68同士の対向領域も幅広く形成されている。この構造により、半導体チップ60内の電流経路が短くなり、電流が流れる接合面積も増加し、半導体チップ60のオン抵抗特性が向上される。
【0078】
また、二次電池用の保護回路基板は、スマートフォン等の携帯機器内の狭いスペースに配置されるためそのサイズに制限があるが、その保護回路基板に対してMOSFET67、68のサイズを出来る限り大きくすることで、モジュールとしての特性を高性能化することが可能となる。
【0079】
その他、各電極69〜72のコーナー部が曲面形状になる構造や各電極69〜72間の離間距離による効果は、
図1及び
図2を用いて上述した半導体チップ10と同様であり、その説明を参照し、ここではその説明を省略する。
【0080】
尚、フレーム形状としては
図4(C)に示すように、ゲート端子73、74及びソース端子75、76が吊りピン形状となっている場合でも良い。
【0081】
次に、
図5(A)は、携帯機器の筐体に収納される二次電池及び二次電池の保護回路基板を説明する斜視図であり、
図5(B)は、保護回路基板に形成される保護回路図であり、
図5(C)及び
図5(D)は、
図5(A)に示す保護回路基板の概略を説明するための平面図である。尚、
図5(C)及び
図5(D)では、保護回路パターンは簡略化して図示している。
【0082】
図5(A)に示す如く、携帯電話機やスマートフォン等の携帯機器81は、リチウム電池等の二次電池82により電源供給され、二次電池82は保護回路基板83を介して外部電源から充電される。保護回路基板83は、二次電池82の充放電のバッテリーマネージメントを行う基板である。
【0083】
近年、携帯機器81の小型化や薄型化に伴い、二次電池82や保護回路基板83も小型化や薄型化されている。図示したように、携帯機器81の筐体84は、例えば、紙面Z軸方向(筐体の長手方向)の長さが150mm程度、紙面X軸方向(筐体の短手方向)の長さが80mm程度、紙面Y軸方向(筐体の厚み方向)の厚みが7mm程度と薄い直方体形状である。そして、筐体84の厚みが7mm程度の場合、その内部に収納される電子部品では、紙面Y軸方向の幅は4mm程度の幅にて形成されなければならない。
【0084】
図5(B)に示す保護回路は、
図5(C)及び
図5(D)に示すように、保護回路基板83の表裏面を用いて形成されている。そして、P+及びP−は携帯機器81の筐体84に設けられる+電極及び−電極と接続する電極であり、B+及びB−は二次電池82の+電極及び−電極と接続する電極を示している。二点鎖線85にて示す回路が、
図1〜
図4を用いて説明したパッケージ2、52内に形成されている回路である。
【0085】
図5(C)及び
図5(D)に示す如く、保護回路基板83は、紙面XY平面に並列となるように筐体84内に配設されるため、紙面Y軸方向の幅は3mm程度であり、紙面X軸方向に幅広の基板として形成されている。そして、
図5(C)では、二次電池82側から見た平面を示しているが、その保護回路の配線上に
図1〜
図4を用いて説明したパッケージ2、52が実装されている。尚、
図5(D)では、
図5(C)に示す保護回路基板83の裏面側の平面を図示している。
【0086】
図1及び
図4を用いて上述したように、パッケージ2、52は、紙面Y軸方向に短く、紙面X軸方向に長い形状として形成されている。
図5(C)に示すように、パッケージ2、52は、筐体84の厚み方向(紙面Y軸方向)の幅が制約された保護回路基板83に対して実装されている。そして、
図2(A)及び
図4(B)を用いて上述したように、半導体チップ10、60の紙面Y軸方向の幅は、パッケージ2、52の紙面Y軸方向の幅に対して出来る限り広く配置されている。
【0087】
つまり、パッケージ2、52は、特に、紙面Y軸方向の幅が制約されるが、リード9、59のレイアウトやMOSFET23、24、67、68の電極のレイアウト等を工夫することで、半導体チップ10、60のサイズを最大化し、モジュールとしての高性能化を実現している。
【0088】
更には、
図1を用いて上述したように、MOSFET23のリード3、4及びVDD端子16のリード5はパッケージ2の側面2A側から導出し、MOSFET24のリード6、7及びVM端子17のリード8はパッケージ2の側面2B側から導出している。このパッケージ構造により、保護回路基板83では、全ての配線を図示していないが、リード3〜8と接続する配線は紙面X軸方向に配置され、紙面Y軸方向のパッケージ2の上下側に、リード3〜8と接続する配線を設ける必要はない。そして、パッケージ2は、紙面Y軸方向に短く、紙面X軸方向に長い保護回路基板83に対して効率良く実装されている。尚、
図4(A)を用いて説明したパッケージ52についても同様である。
【0089】
尚、本実施の形態では、パッケージ2の側面2A、2Bからリード3〜8が外部へ導出する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、リード3〜8が、パッケージ2の側面と同一面を形成し、外部へと導出しないノンリード型のパッケージの場合でも良い。
【0090】
また、フレーム9のソース端子11、12、ゲート端子13、14、VDD端子16及びVM端子17が、パッケージ2の裏面側から露出する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、上記端子の裏面側まで封止樹脂により被覆され、パッケージ2の側面2A、2Bから導出したリード3〜8が、例えば、ガルウイング形状に加工され、保護回路基板の配線に実装される場合でも良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。