(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
<植林計画>
図1は、実施形態に植林システムが適用される植林エリアPAにおける植林計画を示す図である。
図1に示されるように、植林計画の段階では、植林エリアPAには、互いに並行して延びる複数の植林目標ラインTLが設定される。隣り合う植林目標ラインTLの間隔は、例えば、3mから5m程度であるが、これに限定されるものではない。植林目標ラインTLの長さは、数百mから数kmに達することもあるが、もちろんこれに限定されるものではない。計画された植林目標ラインTLは、予め、管理装置3の記憶部3M及び耕作機械10の記憶部20Mに記憶されたり、植林機械30の記憶部40Mに記憶されたりする。
【0025】
<植林システム1の概要>
図2は、実施形態に係る植林システム1を示す図である。
図3及び
図4は、耕作機械10が形成した耕作済土壌RPの一例を示す図である。
図5は、実施形態に係る植林システム1の制御系を示す図である。
図6は、実施形態に係る耕作機械10の斜視図である。
図7は、実施形態に係る植林機械30の斜視図である。植林システム1は、第1の機械である耕作機械10と、記憶部3Mを有する管理装置3と、第2の機械である植林機械30とを含む。植林システム1は、植物体PTを植えるために耕作機械10によって耕された土壌である耕作済土壌RPの位置を示す実耕作位置Pdaを、植林機械30が植林用の植物体PTを耕作済土壌RPに植え付けるときの目標として使用する。植林用の植物体PTは、植林に用いられる木の苗種子及び木の種子を含む。
【0026】
<耕作機械10>
耕作機械10は、
図1に示される植林目標ラインTLに沿うように、植林用に耕作されていない未耕作土壌SRを耕作する機械である。耕作機械10は、第1の走行装置11と、耕作装置12と、植林対象箇所位置検出装置である
図5に示される位置検出装置21とを有する。第1の走行装置11は、耕作機械10を走行させる。実施形態において、第1の走行装置11は、動力源である内燃機関又は電動機等の動力を履帯に伝えて走行する装置であるが、このような装置には限定されない。第1の走行装置11は、動力源の動力を車輪に伝えて走行する装置であってもよい。
【0027】
耕作機械10は、運転室16内の運転席16Sから操作装置16Lに向かう方向が前又は前方であり、操作装置16Lから運転席16Sに向かう方向が後又は後方である。耕作機械10の左右は、前方を基準とする。耕作機械10の幅方向とは、運転席16Sから操作装置16Lに向かう方向と直交する方向である。
【0028】
耕作機械10は、進行方向Fの前方側にブレード14を有する。耕作機械10は、進行方向Fの後方側に耕作装置12を有する。ブレード14は、植林用に耕作されていない未耕作土壌SRに残存する伐採後の切り株、木の残骸及び岩石等を排除する装置である。耕作装置12は、未耕作土壌SRを耕作して、植物体PTを植え付けるための耕作された土壌である耕作済土壌RPを形成する装置である。耕作機械10は、
図1に示される植林目標ラインTLに沿うように進行方向Fに向かって走行しながら、ブレード14によって未耕作土壌SRに残存する伐採後の切り株等を排除するとともに、耕作装置12によって耕作済土壌RPを形成する。
【0029】
耕作装置12は、
図2及び
図6に示されるように、本体12Bと、破砕ディスク12Dと、耕作ディスク12Gl,12Grと、油圧シリンダ12Cとを有する。破砕ディスク12Dと、耕作ディスク12Gl,12Grと、油圧シリンダ12Cとは、本体12Bに取り付けられる。破砕ディスク12Dは耕作機械10の前方に配置され、耕作ディスク12Gl,12Grは耕作機械10の後方に配置される。破砕ディスク12Dは、耕作装置12の移動とともに回転しながら、未耕作土壌SRに残存する伐採後の切り株等を破砕する。
【0030】
耕作ディスク12Gl,12Grは、耕作装置12の移動とともに回転しながら、破砕ディスク12Dが通過した未耕作土壌SRを耕作して、耕作済土壌RPを形成する。実施形態において、耕作装置12は2個の耕作ディスク12Gl,12Grを有するが、耕作ディスク12Gl,12Grの数は2個に限定されない。油圧シリンダ12Cは、本体12Bを未耕作土壌SRに押し付ける。実施形態においては、
図6に示されるように、耕作装置12は一対の油圧シリンダ12C,12Cを有するが、油圧シリンダ12Cの数は限定されない。
【0031】
図3に示されるように、耕作装置12は、耕作済土壌RPとして、例えば、植林目標ラインTLに沿ってライン状に延びる畝Hを形成する。また、
図4に示されるように、耕作装置12は、耕作済土壌RPとして、例えば、植林目標ラインTLに沿ってライン状に延びる溝Sを形成する。耕作済土壌RPは、畝H又は溝Sに限定されるものではない。
【0032】
耕作装置12、より詳細には耕作装置12の本体12Bは、連結機構12Hを介して車体10Bに取り付けられる。連結機構12Hは、軸線Zpに沿って延びるピン12P(
図2及び
図6参照)により、耕作装置12と車体10Bとをピン結合する。このような構造により、耕作装置12は、軸線Zpを中心として回動するので、耕作装置12は、車体10B対して、左右に回動できる。また、耕作装置12による高さ方向Uの位置は、油圧シリンダ12Cによって調節される。
【0033】
実施形態において、耕作装置12は、耕作機械10の車体10Bに対して左右に回動できるので、耕作装置12は、これから耕作済土壌RPを形成する未耕作土壌SRの形状に追従できる。植林の対象となる場所は、伐採後の木の切り株及び岩石等が存在する荒れ地であることが多い。このため、耕作装置12が車体10Bに対して左右方向に回動できる構造とすることにより、残存する切り株及び岩石等によって耕作装置12に不具合が発生することを抑制する。
【0034】
図5に示されるように、耕作機械10は、さらに、制御装置20と、耕作位置検出用アンテナ13と、耕作位置検出装置21と、車体位置検出用アンテナ13aと、車体位置検出装置21aとを有する。耕作位置検出装置21は、耕作位置検出用アンテナ13を用いて、耕作装置12の位置に対応する位置である実耕作位置Pdaを求めて出力する装置である。第1の走行装置11とともに耕作装置12が走行して土壌、すなわち未耕作土壌SRを耕作している間に、耕作位置検出装置21は、複数の実耕作位置Pdaを求めて出力する。実耕作位置Pdaは、耕作装置12によって耕作された未耕作土壌SRの位置であり、植物体PTを植え付ける基準となる位置である。植林対象箇所位置検出装置が出力した実耕作位置Pdaは、管理装置3に送信されて、管理装置3が有する記憶部3Mに記憶される。
【0035】
耕作機械10の移動にともなう実耕作位置Pdaの軌跡はライン状となる。植林目標ラインTLに沿うように耕作機械10が移動する場合、実耕作位置Pdaの軌跡も植林目標ラインTLに沿うように形成される。以下、ライン状に形成される実耕作位置Pdaの軌跡を、実耕作ラインTLaと称する。管理装置3の記憶部3Mには、実耕作位置Pda又は実耕作位置Pdaの軌跡である実耕作ラインTLaが記憶される。
【0036】
実施形態において、耕作機械10は、さらに、ブレード14を昇降させるための油圧シリンダ15と、運転室16と、通信用アンテナ17とを有する。ブレード14は、耕作機械10の進行方向Fの前方側に配置される。ブレード14は、
図6に示されるように、耕作機械10の進行方向F側に向かって幅方向の中央部が尖った形状であるが、ブレード14はこのようなものに限定されない。また、耕作機械10は、少なくとも耕作装置12を有していればよく、実施形態のように、必ずしもブレード14を有していなくてもよい。
【0037】
油圧シリンダ15は、ブレード14を昇降させるためのアクチュエータである。運転室16は、走行装置11の上方側、すなわち走行装置11の接地面から離れる方向側に配置される。運転室16は、耕作機械10のオペレータが搭乗して、耕作機械10を操作するための部屋である。すなわち、実施形態において、耕作機械10は有人の車両である。通信用アンテナ17は、耕作機械10が管理施設2内に設置された管理装置3と通信する際に用いられる。実施形態において、通信用アンテナ17は、運転室16の屋根16Rに取り付けられるが、通信用アンテナ17が取り付けられる箇所は屋根16Rに限定されない。
【0038】
耕作位置検出用アンテナ13は、耕作位置検出装置21が耕作装置12によって耕作された土壌の実耕作位置Pdaを求めるために用いられる検出器である。実施形態において、耕作位置検出装置21は、例えばRTK−GNSS(Real Time Kinematic - Global Navigation Satellite Systems、GNSSは全地球航法衛星システムを言う)を利用して、耕作装置12によって耕作された土壌の実耕作位置Pdaを求める。耕作位置検出用アンテナ13が測位衛星6から受信したGNSS電波に応じた信号は、耕作位置検出装置21が取得する。そして、耕作位置検出装置21は、受信したGNSS電波に応じた信号に基づき実耕作位置Pdaを求める。
【0039】
実施形態において、耕作位置検出用アンテナ13は、耕作装置12に取り付けられる。このようにすると、耕作機械10の車体10Bに対して耕作装置12の姿勢が変化した場合でも、耕作位置検出用アンテナ13は耕作装置12とともに動くため、耕作位置検出装置21は実耕作位置Pdaを正確に求めることができる。実施形態では、耕作位置検出用アンテナ13は、耕作装置12の幅方向及び前後方向において、一対の耕作用ディスク12Gl,12Grの中央に配置される。このような配置とすることにより、耕作位置検出装置21によって求められた実耕作位置Pdaを、一対の耕作用ディスク12Gl,12Grが耕作した位置に対応させることができる。
【0040】
実施形態において、耕作装置12の幅方向は、破砕ディスク12Dの回転中心となる軸線と平行な方向であり、耕作装置12の前後方向は、耕作装置12の幅方向と直交する方向である。耕作位置検出用アンテナ13は、前述したものに限定されない。例えば、耕作位置検出用アンテナ13を耕作ディスク12Gl,12Grから離れた位置に配置してもよい。そして、耕作位置検出装置21は、耕作位置検出用アンテナ13と耕作ディスク12Gl,12Grとの相対的な位置関係に基づき、耕作位置検出用アンテナ13の位置から耕作ディスク12Gl,12Grの位置を求め、これを実耕作位置Pdaとしてもよい。
【0041】
車体位置検出用アンテナ13aは、車体位置検出装置21aが耕作機械10の車体10Bの位置を求めるために用いられる検出器である。車体位置検出用アンテナ13aは車体10Bに設けられる。車体位置検出用アンテナ13aによる車体10Bの位置の求め方は、耕作位置検出用アンテナ13による実耕作位置Pdaの求め方と同様であるため、詳細な説明を省略する。実施形態において、耕作位置検出用アンテナ13及び車体位置検出用アンテナ13aの数は1個に限定されず、2個以上であってもよい。
【0042】
耕作位置検出用アンテナ13及び車体位置検出用アンテナ13aの両方が必ずしも必要な訳ではない。耕作装置12による耕作位置と車体10Bとの相対的な位置関係が検出できれば、耕作位置検出用アンテナ13及び車体位置検出用アンテナ13aのいずれか一方を省略してもよい。そして、制御装置20は、他方によって得られる位置情報から実耕作位置Pda又は車体10Bの位置を演算して求めてもよい。この場合、省略した位置検出用アンテナに対応する位置検出装置も省略することができる。実施形態において、実耕作位置Pda及び車体10Bの位置は、例えば、グローバル座標系で表される2次元の座標で表されるが、これらは3次元の座標で表されてもよい。
【0043】
<管理装置3>
管理装置3は、管理施設2内に設置される。管理装置3は、通信装置4と接続されている。管理装置3は、通信装置4のアンテナ5を介して、耕作機械10及び植林機械30と通信する。管理装置3は、通信装置4を介して耕作機械10から取得した実耕作位置Pda及び実耕作ラインTLaの少なくとも一方を記憶装置に記憶するとともに、植林機械30からの要求に応じて記憶装置に記憶した実耕作位置Pda及び実耕作ラインTLaの少なくとも一方を植林機械30に送信する。実施形態において、管理装置3と耕作機械10及び植林機械30との通信は無線通信である。植林システム1での情報のやり取りは、必ずしも無線通信である必要はない。植林システム1での情報のやり取りは、有線での通信によるもの、又はUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体を用いるものであってもよい。実施形態における通信装置4及びアンテナ5、又は記憶媒体のドライバ等が、実施形態における取得部及び送出部に相当する。
【0044】
<植林機械30>
植林機械30は、複数の実耕作位置Pda又は実耕作ラインTLaに沿うように運転されて、複数の実耕作位置Pda又は実耕作ラインTLaに沿うように植付作業を実行する機械である。植林機械30は、植付装置32と、第2の走行装置31と、植付装置位置検出装置である位置検出装置41と、制御装置40とを有する。第2の走行装置31は、植林機械30を走行させる。実施形態において、第2の走行装置31は、動力源である内燃機関又は電動機等の動力を履帯に伝えて走行する装置であるが、このような装置には限定されない。第2の走行装置31は、動力源の動力を車輪に伝えて走行する装置であってもよい。
【0045】
植林機械30は、運転室35内の運転席35Sから操作装置35Lに向かう方向が前又は前方であり、操作装置35Lから運転席35Sに向かう方向が後又は後方である。耕作機械10の左右は、前方を基準とする。植林機械30の幅方向とは、運転席35Sから操作装置35Lに向かう方向と直交する方向である。
【0046】
植付装置32は、耕作済土壌RPに植物体PTを植え付ける。より詳細には、植林機械30は実耕作ラインTLaに沿うように運転されて、植付装置32が実耕作ラインTLaに沿うように所定の間隔で植物体PTを植える。実耕作ラインTLaは、耕作機械10の耕作装置12が実際に耕作した部分なので、植林機械30が実耕作ラインTLaに沿うように運転されることで、植付装置32と実耕作ラインTLaとのずれを小さくすることができる。なお、植林機械30は植林目標ラインTLに沿うように運転されてもよい。
【0047】
植付装置32は、アーム60を介して植林機械30の第2の走行装置31に取り付けられる。植付装置32は、植林機械30の進行方向Fの前方側に配置される。植付装置32は、植林機械30の進行方向Fの後方側に配置されてもよい。
図2、
図5及び
図6に示されるように、植林機械30は、さらに、植付装置位置検出用アンテナ33と、車体位置検出用アンテナ33aと、車体位置検出装置41aとを有する。
【0048】
植付装置位置検出装置41は、植付装置位置検出用アンテナ33を用いて植付装置32の位置を求めて出力する装置である。制御装置40は、管理装置3から通信装置4及び植林機械30の通信装置42を経由して実耕作ラインTLaを取得する。制御装置40は、取得した実耕作ラインTLaと植付装置位置検出装置41によって求められた植付装置32の現在位置とに基づいて、植付装置32の位置又は姿勢を制御する。植付装置32の現在位置は、植物体PTが植え付けられるタイミングで植付装置位置検出装置41によって求められた植付装置32の位置である。植物体PTが植え付けられるタイミングは、耕作済土壌RPに植物体PTを植え付けるために植林機械30が停止してから植付装置32が耕作済土壌RPに植物体PTを植え付ける前の間のタイミングである。
【0049】
実施形態において、植林機械30はまた、油圧シリンダ34と、運転室35と、通信用アンテナ36とを有する。油圧シリンダ34は、植付装置32を昇降させるためのアクチュエータである。運転室35は、第2の走行装置31の上方側、すなわち第2の走行装置31の接地面から離れる方向側に配置される。運転室35は、植林機械30のオペレータが搭乗して、植林機械30を操作するための部屋である。すなわち、実施形態において、植林機械30は有人の車両である。通信用アンテナ36は、植林機械30の制御装置40が管理施設2内に設置された管理装置3と通信する際に用いられる。実施形態において、通信用アンテナ36は、運転室35の屋根35Rに取り付けられるが、通信用アンテナ36が取り付けられる箇所は屋根35Rに限定されない。
【0050】
植付装置位置検出用アンテナ33は、植付装置位置検出装置41が植付装置32の位置を求めるために用いられる検出器である。実施形態において、植付装置位置検出装置41は、植付装置32に取り付けられる。植付装置位置検出装置41は、例えばRTK−GNSSを利用して、植付装置32の位置を求める。植付装置位置検出用アンテナ33による植付装置32の位置の求め方は、前述した、耕作機械10における耕作位置検出用アンテナ13による実耕作位置Pdaの求め方と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0051】
実施形態において、植付装置位置検出用アンテナ33は、植付装置32に取り付けられる。このようにすると、植林機械30の車体30Bに対して植付装置32の姿勢が変化した場合でも、植付装置位置検出用アンテナ33は植付装置32とともに動くため、植付装置位置検出装置41は植付装置32の位置を正確に求めることができる。
図7に示されるように、植付装置位置検出用アンテナ33は、植林機械30の幅方向Wに並んで配列された3個の植付装置32のうち、幅方向Wの中央に配置された植付装置32Cに取り付けられる。
【0052】
車体位置検出用アンテナ33aは、車体位置検出装置41aが植林機械30の車体30Bの位置を求めるために用いられる検出器である。車体位置検出用アンテナ33aは、車体30Bに設けられる。車体位置検出用アンテナ13aによる車体10Bの位置は、耕作位置検出用アンテナ13による実耕作位置Pdaの求め方と同様であるため、詳細な説明を省略する。植付装置位置検出用アンテナ33及び車体位置検出用アンテナ33aの数は1個に限定されず、2個以上であってもよい。
【0053】
植付装置位置検出用アンテナ33及び車体位置検出用アンテナ33aの両方が必ずしも必要な訳ではない。植付装置32の位置と車体30Bとの相対的な位置関係が検出できれば、植付装置位置検出用アンテナ33及び車体位置検出用アンテナ33aのいずれか一方を省略してもよい。そして、制御装置40は、他方によって得られる位置情報から植付装置32の位置又は車体30Bの位置を演算して求めてもよい。この場合、省略した側の位置検出用アンテナに対応する位置検出装置も省略することができる。実施形態において、植付装置位置検出装置41によって求められる植付装置32の位置、及び車体位置検出装置41aによって求められる車体30Bの位置は、例えば、グローバル座標系で表される2次元の情報で表されるが、3次元の情報で表されてもよい。
【0054】
図8−1は、植付装置32の正面図である。
図9は、植付装置32の平面図である。実施形態において、植林機械30は、3個の植付装置32を有する。3個の植付装置32は、植付装置32の幅方向Wに並んで配置される。植林機械30の幅方向Wは、植林機械30の運転室35から植付装置32に向かう方向と直交する方向である。3個の植付装置32は、植林機械30の前進方向、すなわち運転席35Sから操作装置35Lに向かう方向に対して左を植付装置32L、右を植付装置32R、植付装置32Lと植付装置32Rとの間を植付装置32Cと称する。これらを区別する必要がない場合、植付装置32と称する。植付装置32は3個でなくてもよく、1個、2個又は4個以上であってもよい。
【0055】
図8−2から
図8−6は、実施形態の変形例に係る植林機械30a,30b,30c,30d,30eを示す平面図である。
図8−2に示される植林機械30aは、進行方向Fの前方側に複数の植付装置32を有している点では植林機械30と同様であるが、1台の植付装置32は進行方向Fの前方を向いており、残りの植付装置32は進行方向Fの後方を向いている点が異なる。
図8−3に示される植林機械30bは、進行方向Fの後方側に複数の植付装置32を有している。
【0056】
図8−4、
図8−5及び
図8−6に示される植林機械30c,30d,30eは、進行方向Fの前方側と後方側との両方に植付装置32を有している。植林機械30cは、進行方向Fの前方側に1台の植付装置32を有し、進行方向Fの後方側に2台の植付装置32を有する。植林機械30cが有する進行方向Fの前方側の植付装置32は進行方向Fの前方を向いており、進行方向Fの後方側の植付装置32は進行方向Fの後方を向いている。
【0057】
植林機械30cは、車体30Bの前後に植付装置32が配置されるので、前後のバランスが良好になる。進行方向Fの後方側に配置された2台の植付装置32は、植林機械30cのバックミラーによって状態が視認される。植林機械30cは、進行方向Fの前方に配置された1台の植付装置32により、一列のみに植物体PTを植え付けることができる。植林機械30cは、進行方向Fの前方に配置された1台の植付装置32にチルト機構は不要なので、軽量化できる。
【0058】
植林機械30d,30eは、進行方向Fの前方側に2台の植付装置32を有し、進行方向Fの後方側に1台の植付装置32を有する。植林機械30dが有する進行方向Fの前方側の植付装置32は進行方向Fの前方を向いており、進行方向Fの後方側の植付装置32は進行方向Fの後方を向いている。植林機械30eが有する進行方向Fの前方側の植付装置32は進行方向Fの後方を向いており、進行方向Fの後方側の植付装置32は進行方向Fの後方を向いている。
【0059】
植林機械30d,30eは、車体30Bの前後に植付装置32が配置されるので、前後のバランスが良好になる。植林機械30d,30eにブルドーザを利用する場合、進行方向Fの前方側に配置された2台の植付装置32は、ブレードのリンケージを利用して幅方向Wに広い位置で支持されるので安定性が向上する。進行方向Fの後方側に配置された1台の植付装置32は、ブルドーザのリッパーのリンクを利用して車体30Bに取り付けられる。
【0060】
植林機械30d,30eは、進行方向Fの後方に配置された1台の植付装置32により、一列のみに植物体PTを植え付けることができる。進行方向Fの後方に配置された1台の植付装置32は、植林機械30d,30eの幅方向Wの中央に配置されるが、後述するガイダンス画面により比較的精度よく植物体PTを植付けることができるので、植林機械30d,30eの後方に配置される。植付け精度が相対的に問題となる可能性がある、植林機械30d,30eの幅方向Wの中央に配置される植付装置32は、植林機械30d,30eのオペレータが直接視認できる前方に配置されるので、好ましい。
【0061】
植付装置32は、植物体保持部32Sと、本体部32Bと、伸縮部32CPとを有する。本体部32Bは、フレーム30FLに取り付けられる。フレーム30FLは、
図2に示されるアーム60に取り付けられて、アーム60に支持される。本体部32Bの第1端部には植物体保持部32Sが取り付けられる。本体部32Bの第2端部からは、伸縮部32CPが突出する。
【0062】
植物体保持部32Sは、耕作済土壌RPに植えられる植物体PTを保持する。本体部32Bは、植物体保持部32Sから植物体PTを取り出し、伸縮部32CPの先端、すなわち本体部32Bから突出する伸縮部32CPの端部から耕作済土壌RPに植える。伸縮部32CPは、例えば油圧シリンダ等によって、本体部32Bから突出する長さが変更される。このような構造により、植付装置32は、本体部32Bから耕作済土壌RPまでの距離が変化した場合でも、伸縮部32CPが伸縮することで、植物体PTを耕作済土壌RPに植えることができる。
【0063】
実施形態において、3個の植付装置32L,32C,32Rのうち、植付装置32Cに植付装置位置検出用アンテナ33が取り付けられる。植付装置位置検出用アンテナ33が取り付けられない植付装置32L,32Rの位置は、植付装置位置検出用アンテナ33と植付装置32L,32Rとの相対的な位置関係から求められる。実施形態において、3個の植付装置32L,32C,32Rのそれぞれに植付装置位置検出用アンテナ33が取り付けられてもよい。このようにすれば、3個の植付装置32L,32C,32Rの位置の精度が向上する。植林機械30が複数の植付装置位置検出用アンテナ33を有する場合、植付装置位置検出装置41も植付装置位置検出用アンテナ33の数だけ必要になる。
【0064】
図9に示されるように、植付装置32は、フレーム30FLと、連結部材32A及びピン37とを介して連結される。ピン37が延びる方向は、植付装置32の伸縮部32CPが伸縮する方向と平行な方向である。このような構造により、植付装置32は、ピン37を中心として
図9の矢印RDで示される方向に回動する。この動作により、植付装置32は、植林機械30の幅方向Wの位置が変更される。
【0065】
連結部材32Aとフレーム30FLとの間には、植付装置駆動装置である油圧シリンダ38が配置される。油圧シリンダ38は、ピン37を中心として植付装置32を回動させて、植付装置32の植林機械30の幅方向Wにおける位置を変更するアクチュエータである。油圧シリンダ38は、植林機械30の制御装置40によって動作が制御される。
【0066】
植付装置32が、植林機械30の幅方向Wに移動する構造は、ピン37による結合に限定されない。例えば、植付装置32は、植林機械30の幅方向Wにスライドするスライダ機構を介してフレーム30FLに取り付けられてもよい。このような構造により、植付装置32は、植林機械30の幅方向Wにおける位置が変更される。
【0067】
<変形例に係る植付装置32a>
図10は、実施形態の変形例に係る植付装置32aの昇降機構50を説明するための図である。植付装置32aは、昇降機構50を介してフレーム30FLに取り付けられる。昇降機構50は、植付装置32aの本体部32Baに設けられたブラケット51u,51d,51mに取り付けられる。昇降機構50は、第1アーム52と、第2アーム53と、支持体54と、アクチュエータである油圧シリンダ55とを有する。
【0068】
第1アーム52は支持体54とブラケット51uとを連結し、第2アーム53は支持体54とブラケット51dとを連結する。第1アーム52と支持体54及びブラケット51uとはピン結合されている。また、第2アーム53と支持体54及びブラケット51dとはピン結合されている。このような構造により、植付装置32aは、支持体54に対して回動する。油圧シリンダ55は、支持体54とブラケット51mとの間に取り付けられる。油圧シリンダ55が伸縮することにより、植付装置32aは昇降する(
図10の矢印UDで示される方向への移動)。
【0069】
支持体54は、連結機構37Jのピン37を介して、フレーム30FLとピン結合される。支持体54とフレーム30FLとの間には、油圧シリンダ38が配置される。油圧シリンダ38が伸縮することにより、植付装置32aはピン37を中心として回動するので、植林機械30の幅方向Wにおける植付装置32aの位置が変更される。
【0070】
<植林システム1の制御系>
次に、
図5を参照して実施形態に係る植林システム1の制御系を説明する。耕作機械10は、制御装置20と、耕作位置検出装置21(以下、適宜位置検出装置21と称する)と、車体位置検出装置21a(以下、適宜位置検出装置21aと称する)と、通信装置22と、表示装置23とを有する。制御装置20と、位置検出装置21,21aと、通信装置22と、表示装置23とは、信号線24によって接続される。制御装置20と、位置検出装置21,21aと、通信装置22と、表示装置23とは、信号線24を介して互いに情報をやり取りすることができる。信号線24は、例えば、CAN(C0ntroller Area Network)等の規格による車内LAN(Local Network System)の信号線である。
【0071】
制御装置20は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである処理部20Pと、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びこれらの組合せ等の記憶部20Mと、入出力部20Iとを有する。処理部20Pは、耕作機械10の動作を制御したり、実施形態に係る植林方法の少なくとも一部を実行したりする。記憶部20Mは、処理部20Pの機能を実現するためのコンピュータプログラム及び処理部20Pの処理に必要な情報等を記憶している。入出力部20Iは、制御装置20と他の装置とのインターフェース回路である。
【0072】
位置検出装置21は、耕作位置検出用アンテナ13が受信したGNSS電波に応じた信号を取得して、耕作位置検出用アンテナ13の位置、すなわち実耕作位置Pdaを求める。位置検出装置21は、求めた実耕作位置Pdaを、通信装置22及び通信用アンテナ17を介して管理装置3に送信する。管理装置3は、記憶部3Mに実耕作位置Pdaを記憶する。
【0073】
図11は、植林目標ラインTL、実耕作位置Pda及び実耕作ラインTLaを示す概念図である。
図12は、植林時における植林機械30の動作を示す図である。前述したように、耕作機械10の移動にともなう複数の実耕作位置Pdaの軌跡はライン状となる。植林目標ラインTLに沿って耕作機械10が移動する場合、複数の実耕作位置Pdaの軌跡も植林目標ラインTLに沿うように形成される。前述したように、管理装置3の記憶部3Mには、複数の実耕作位置Pda及び複数の実耕作位置Pdaの軌跡である実耕作ラインTLaの少なくとも一方が記憶される。植林目標ラインTL及び実耕作ラインTLaは、例えば、グローバル座標系における2次元又は3次元の座標である。実耕作ラインTLaは、グローバル座標系における2次元又は3次元の座標である実耕作位置Pdaの集合である。
図11は概念図であり、実耕作位置Pdaの間隔は限定されるものではなく、
図11に示されるよりも細かくてもよい。
【0074】
耕作機械10の位置検出装置21は、所定の周期で耕作位置検出用アンテナ13が測位衛星6から受信したGNSS電波に応じた信号を取得し、取得した信号に基づき実耕作位置Pdaを求める。この場合、実耕作位置Pdaは所定の周期毎に得られる。所定の周期が100msである場合、1秒間に10個の実耕作位置Pdaが得られる。実耕作位置Pdaは、耕作機械10の走行中に複数得られる。実耕作ラインTLaは、複数の実耕作位置Pdaの集合であるため、実耕作位置Pdaが存在しない部分がある。実耕作位置Pdaが存在しない部分の値は、例えば、隣接する2個の実耕作位置Pda,Pdaの値を用いて補間することにより求められる。このように、実耕作ラインTLaは、複数の実耕作位置Pdaから得られる。
【0075】
耕作機械10の制御装置20は、所定期間内における実耕作位置Pdaを記憶部20Mに保存しておき、所定期間経過後に、記憶部20Mに保存された実耕作位置Pdaを読み出して通信装置22及び通信用アンテナ17を介して管理装置3に送信してもよい。所定期間としては、例えば、耕作機械10が1本の植林目標ラインTLに沿って植林エリアPAの端から端までの耕作作業を完了するまでの期間とすることが考えられるが、これに限定するものではない。
【0076】
実施形態において、制御装置20は、位置検出装置21によって求められた耕作位置検出用アンテナ13の位置、すなわち耕作済土壌RPの位置を、記憶部20Mに記憶させる。そして、制御装置20は、耕作機械10による耕作済土壌RPの形成作業が終了したら、形成作業の開始から終了までに取得した耕作済土壌RPの位置を記憶部20Mから読み出し、通信装置22及び通信用アンテナ17を介して管理装置3に送信してもよい。
【0077】
表示装置23は、運転室16内に備えられており、ガイダンス画面IMG1を表示する。ガイダンス画面IMG1は、耕作機械10の進行方向IG1と、植林目標ラインTLとのずれαを表示する。植林目標ラインTLは、植林計画の際に予め設定されるものであり、耕作機械10の記憶部20Mに記憶されるか、管理装置3の記憶部3Mに記憶させて通信装置4,22を介して管理装置3から取得される。耕作機械10のオペレータは、ガイダンス画面IMG1を見て、ずれαが0になるように、
図2に示される耕作機械10の操作装置16Lを操作して耕作機械10の進行方向を変更すればよい。ガイダンス画面IMGにより、オペレータは、耕作機械10を植林目標ラインTLに沿うように容易に走行させることができる。
【0078】
制御装置20は、位置検出装置21aによって得られる車体10Bの位置から、耕作機械10の進行方向IG1を求めることができる。制御装置20は、耕作機械10の進行方向IG1を求めるとともに、記憶部20Mから読み出した植林目標ラインTLと進行方向IG1とのずれαを求める。そして、制御装置20は、植林目標ラインTLと、求めたずれα及び進行方向IG1とをガイダンス画面IMG1として、表示装置23に表示させる。
【0079】
植林機械30は、制御装置40と、植付装置位置検出装置41(以下、適宜位置検出装置41と称する)と、車体位置検出装置41a(以下、適宜位置検出装置41aと称する)と、通信装置42と、表示装置43とを有する。制御装置40と、位置検出装置41,41aと、通信装置42と、表示装置43とは、信号線44によって接続される。制御装置40と、位置検出装置41,41aと、通信装置42と、表示装置43とは、信号線44を介して互いに情報をやり取りすることができる。信号線24は、例えば、CAN等の規格による車内LANの信号線である。
【0080】
制御装置40は、CPU等のプロセッサである処理部40Pと、RAM、ROM及びこれらの組合せ等の記憶部40Mと、入出力部40Iとを有する。処理部40Pは、植林機械30の動作を制御したり、実施形態に係る植林方法の少なくとも一部を実行したりする。記憶部40Mは、処理部40Pの機能を実現するためのコンピュータプログラム及び処理部40Pの処理に必要な情報等を記憶している。入出力部40Iは、制御装置40と他の装置とのインターフェース回路である。
【0081】
植付装置32による植林作業の前に、制御装置40は、通信装置42及び通信用アンテナ36を介して、耕作機械10の位置検出装置21によって求められた実耕作ラインTLaを管理装置3から取得する。植付装置32が植物体PTを耕作済土壌RPへ植える場合、制御装置40は、植付装置位置検出装置41に、植付装置位置検出用アンテナ33が受信したGNSS電波に応じた信号を取得させて、植付装置位置検出用アンテナ33の位置を求めさせる。植付装置位置検出用アンテナ33の位置は、植付装置32の位置に対応する。制御装置40は、位置検出装置41によって求められ、出力された植付装置位置検出用アンテナ33の位置、すなわち植付装置32の現在位置を取得する。
【0082】
制御装置40は、管理装置3から取得した実耕作ラインTLaと、植付装置位置検出装置41によって求められた植付装置32の位置とを比較する。そして、制御装置40は、植付装置32の現在位置と実耕作ラインTLaとの距離(以下、適宜位置差分と称する)が許容値以下になるまで、油圧シリンダ38を動作させて植付装置32を動かす。許容値は、植物体PTを植える場合の精度に基づいて定められるが、理想は0である。制御装置40は、油圧シリンダ38を動作させる場合、方向制御弁39を制御することによって油圧シリンダ38に供給される作動油の方向及び量を変更して、油圧シリンダ38の伸縮量を調整する。
【0083】
位置差分が許容値以下になったら、制御装置40は、植付装置32の伸縮部32CPを下降させる。制御装置40は、
図5に示される圧力センサ32scから取得した、伸縮部32CPを伸縮させる油圧シリンダの油圧が閾値以上になった場合、伸縮部32CPが耕作済土壌RPに接触したと判定する。この場合、制御装置40は、植付装置32を制御して、植物体PTを耕作済土壌RPに植える。
【0084】
植付装置位置検出装置41は、植物体PTが耕作済土壌RPに植えられた後に植付装置位置検出用アンテナ33の位置、すなわち植付装置32によって植えられた植物体PTの位置を求め、通信装置42及び通信用アンテナ36を介して管理装置3に送信してもよい。植付装置32によって植物体PTが植え付けられた位置を、適宜、実植付位置と称する。制御装置40は、所定期間内における複数の実植付位置を記憶部40Mに記憶させておき、所定期間経過後に、複数の実植付位置を記憶部40Mからまとめて読み出し、通信装置42及び通信用アンテナ36を介して管理装置3に送信してもよい。
【0085】
表示装置43は、運転室35内に設けられており、ガイダンス画面IMG2を表示する。ガイダンス画面IMG2は、植林機械30の進行方向IG2と、実耕作ラインTLaとのずれβを表示する。実耕作ラインTLaは、管理装置3の記憶部3Mに記憶されている。制御装置40は、通信装置4、42を介して管理装置3から実耕作ラインTLaを取得する。植林機械30のオペレータは、ガイダンス画面IMG2を見て、ずれβが0になるように、
図2に示される植林機械30の操作装置35Lを操作して植林機械30の進行方向を変更すればよい。ガイダンス画面IMG2により、オペレータは、植林機械30を実耕作ラインTLaに沿うように容易に走行させることができる。表示装置43は、実耕作ラインTLaの代わりに植林目標ラインTLを表示してもよい。この場合、オペレータは、植林機械30の進行方向が植林目標ラインTLに沿うように、植林機械30の操作装置35Lを操作すればよい。
【0086】
制御装置40は、位置検出装置41又は位置検出装置41aから取得した植付装置位置検出用アンテナ33又は車体位置検出用アンテナ33aの位置から、植林機械30の進行方向IG2を求めることができる。制御装置40は、植林機械30の進行方向IG2を求めるとともに、記憶部40Mから読み出した植林目標ラインTLと進行方向IG2とのずれβを求める。そして、制御装置40は、植林目標ラインTLと、求めたずれβ及び進行方向IG2とをガイダンス画面IMG2として、表示装置43に表示させる。
【0087】
実施形態において、植林機械30は、3個の植付装置32を有する。植林機械30は、複数の畝H又は溝Sのうちの3本に対して、同時に植物体PTを植える。
図12に示される例では、植林機械30は、列L、列C及び列Lに対応する畝H又は溝Sの実耕作ラインTLa上に植物体PTを植える。
【0088】
植林機械30は、列L、列C及び列Lのうち、中央の列Cの実耕作ラインTLaに沿うように走行する。このため、
図5に示される表示装置43は、植物体PTを植える対象の列L、列C及び列Lのうち、中央の列Cの実耕作ラインTLaをガイダンス画面IMG2の実耕作ラインTLaとして表示する。オペレータは、ガイダンス画面IMG2に表示された実耕作ラインTLaと、進行方向IG2と、ずれβとを視認しながら、ずれβが0になるように植林機械30を操作する。
【0089】
管理装置3は、管理施設2内に設置される。管理装置3は、CPU等のプロセッサである処理部3Pと、RAM、ROM及びこれらの組合せ等の記憶部3Mと、入出力部3Iとを有する。処理部3Pは、耕作機械10及び植林機械30から送られてくる情報を管理したり、耕作機械10及び植林機械30に送信する情報を管理したりする。
【0090】
例えば、管理装置3は、耕作機械10から送信された実耕作位置Pda及び実耕作ラインTLaの少なくとも一方を記憶装置である記憶部3Mに記憶したり、植林機械30からの要求に応じて記憶部3Mに記憶した実耕作位置Pda及び実耕作ラインTLaの少なくとも一方を植林機械30に送信したりする。また、管理装置3は、記憶部3Mに記憶した植林目標ラインTLを耕作機械10及び植林機械30に送信する。
【0091】
管理装置3の入出力部3Iには、通信装置4が接続されている。管理装置3は、通信装置4及びアンテナ5を介して、耕作機械10及び植林機械30と情報をやり取りする。
【0092】
耕作機械10から送信された実耕作位置Pda及び実耕作ラインTLaの少なくとも一方は、例えば、第1データベースDBAとして記憶部3Mに記憶される。植林機械30が実植付位置を管理装置3に送信した場合、実植付位置は、例えば、第2データベースDBBとして記憶部3Mに記憶される。
【0093】
<植林時の処理例>
図13は、植林時における実施形態に係る植林システム1の処理例を示すフローチャートである。
図13のフローチャートで示される処理は、実施形態に係る植林方法の手順でもある。以下においては、植林機械30の制御装置40は、実耕作ラインTLaを用いて植付機械32の位置を制御する例を説明するが、制御装置40は実耕作ラインTLaの代わりに実耕作位置Pdaを用いてもよい。
【0094】
ステップS11において、
図1に示される耕作機械10は、耕作済土壌RPを形成し、耕作機械10の位置検出装置21は、耕作装置12による実耕作位置Pdaを求め、出力する。通信装置22は、位置検出装置21から出力された実耕作位置Pdaを管理装置3に出力、すなわち送信する。前述したように、制御装置20は、所定期間内における複数の実耕作位置Pdaを制御装置20の記憶部20Mに記憶させておき、所定期間経過後に、通信装置22を介して管理装置3に出力、すなわち送信してもよい。耕作機械10の移動にともなう実耕作位置Pdaの軌跡はライン状であるため、管理装置3の記憶部3Mは、実耕作位置Pdaの軌跡である実耕作ラインTLaを記憶する。
【0095】
耕作機械10による耕作作業によって、
図3及び
図4に示されるように、実耕作ラインTLaを中心線する複数の畝H又は複数の溝Sが形成される。
図3及び
図4に示されるように、形成された畝H又は溝Sの中心線である実耕作ラインTLaは、残存する切り株及び岩石等の影響により、植林目標ラインTLに対してずれる部分がある。
【0096】
ステップS12において、管理装置3は、耕作機械10から送信された実耕作ラインTLaを、通信装置4を介して取得し、記憶装置である記憶部3Mに記憶させる。ステップS13において、植林機械30の制御装置40は、管理装置3に記憶された実耕作ラインTLaを、通信装置42を介して取得する。
【0097】
ステップS14において、制御装置40は、ステップS13で取得した実耕作ラインTLaと、位置検出装置41によって求められた植付装置32の現在位置とに基づき、植付装置32の位置を制御する。この制御により、植付装置32は、
図9に示される矢印RDの方向に回動して、植林機械30の幅方向における位置が変更される。
【0098】
耕作済土壌RPの位置と、位置検出装置41によって求められた植付装置32の位置との差分である位置差分が許容値以下になったら、ステップS15において、植付装置32は植物体PTを耕作済土壌RPに植えて、一連の耕作作業及び植林作業が終了する。実施形態においては、位置差分は0とする。
【0099】
植林作業が終了したら、植林機械30の制御装置40は、位置差分が0になったときにおける、位置検出装置41によって求められた植付装置32の位置を、植物体PTが植えられたときの位置である実植付位置として、管理装置3に出力、すなわち送信してもよい。また、植林機械30に施肥装置及び散水装置を備えておき、植林機械30は、植付作業の終了時に、実植付位置に施肥及び水やりを同時に行ってもよい。
【0100】
図14は、植林機械30が植物体PTを植えるときの処理例を示すフローチャートである。ステップS21において、制御装置40は、植物体PTを植える位置であるか否かを判定する。実施形態において、植物体PTは、
図12に示されるように距離ΔLの間隔で植えられる。距離ΔLは、例えば1mから3mの範囲であるが、これに限定されない。
【0101】
制御装置40は、最初に植物体PTを植える場合には、植林機械30のオペレータから植林開始の入力を受け付けたときに、植物体PTを植える位置であると判定する。2回目以降に植物体PTを植える場合、制御装置40は、植付装置32が前回植物体PTを植えた位置から植林機械30が距離ΔLだけ進んだら、植物体PTを植える位置であると判定する。制御装置40は、例えば、第2の走行装置31が有するスプロケット又は車輪が回転した回数から植林機械30が進んだ距離を求めたり、位置検出装置41aによって検出された位置から植林機械30が進んだ距離を求めたりすることができる。
【0102】
植物体PTを植える位置でない場合(ステップS21,No)、ステップS22において、制御装置40は、植物体PTを植える位置になるまで第2の走行装置31を制御して植林機械30を移動、具体的には前進させる。植物体PTを植える位置である場合(ステップS21,Yes)、ステップS23において、制御装置40は、第2の走行装置31を停止させるとともに、位置差分が許容値以下になるまで位置検出装置41によって求められた植付装置32の位置を取得しながら、植付装置32の位置を制御する。
【0103】
位置差分が許容値以下になったら、ステップS24において制御装置40は、植付装置32の伸縮部32CPを下降させる。制御装置40は、
図5に示される圧力センサ32scから取得した油圧が閾値以上になった場合、伸縮部32CPが耕作済土壌RPに接触したと判定する。圧力センサ32scは、伸縮部32CPを伸縮させる油圧シリンダの作動油の圧力を検出する。すなわち、圧力センサ32scが検出する油圧は、伸縮部32CPを伸縮させる油圧シリンダの油圧である。圧力センサ32scから取得した油圧が閾値以上になった場合、制御装置40は、ステップS25において、植物体PTを植える指令を植付装置32に送信する。この指令を受けると、ステップS25において植付装置32は植物体PTを植える。
【0104】
植物体PTが植えられたら、ステップS26において、制御装置40は、植付装置32に伸縮部32CPを上昇させる指令を送信する。この指令を受けると、植付装置32は伸縮部32CPを上昇させる。伸縮部32CPの上昇が終了したら、ステップS27において、制御装置40は、植林が終了、すなわち同一の実耕作ラインTLa上でのすべての植付作業が完了したか否かを判定する。植林が終了した場合(ステップS27,Yes)、制御装置40は植林の処理を終了する。植林が終了していない場合(ステップS27,No)、ステップS28において制御装置40は第2の走行装置31を制御して、現在の位置から再び距離ΔLだけ植林機械30を移動、具体的には前進させ、ステップS21の判定に戻る。
【0105】
ステップS24において、制御装置40は、圧力センサ32scの検出値を用いて伸縮部32CPが耕作済土壌RPに接触したか否かを判定したが、これに限定されない。ステップS24の後に、制御装置40は、例えば、伸縮部32CPに取り付けられた距離センサが取得した、伸縮部32CPの先端から耕作済土壌RPまでの距離を用いて、伸縮部32CPが耕作済土壌RPに接触したか否かを判定してもよい。ステップS22からステップS28の間に、
図13のステップS14の処理である植付装置32の位置の制御が実行される。
【0106】
未耕作土壌SRは木の切り株及び岩石等が存在する荒れ地であり、地形は平坦でないことが多いため、
図3、
図4及び
図12に示されるように、植林目標ラインTLと実耕作ラインTLaとの間にはずれが生じる。植物体PTは、適切に耕作された場所に植えられないと、十分な生育が望めない可能性がある。
図12に示される幅Wepは、植物体PTの生育の関係から植物体PTが植えられることが必要な範囲を規定したものである。一例として、実耕作ラインTLaを中心とした場合の幅Wepは最大±25cm程度であり、植林機械30にはこの範囲に植物体PTを植えるだけの精度が要求される。
【0107】
実施形態では、制御装置40によって、植付装置32の位置がほぼ実耕作ラインTLa上となるよう自動的に制御されるため、植物体PTを効率よく植えることができるとともに、植付けの精度も確保できる。
【0108】
植林作業の終了後に、実植付位置を管理装置3に送信することは必須ではない。しかし、実植付位置が管理装置3に送信されることにより、実植付位置を、植付けされた後の植施肥及び水やりの自動化のための位置情報として利用したり、植林後の生育状態を管理する際の情報として利用したりする等、幅広い活用が可能となる。
【0109】
実植付位置を管理装置3に送信する場合、制御装置40は、例えば、植物体PTの植付けの状態を撮像装置によって撮像し、実植付位置と対応付けて管理装置3に送信してもよい。また、植物体PTの植付け時に肥料及び水等を植物体PTに与える場合、制御装置40は、肥料の種類、肥料の量及び水の量といった植物体PTの生育に関係する情報を実植付位置と対応付けて管理装置3に送信してもよい。このようにすることで、実植付位置で植物体PTを特定できるとともに、植物体PTの生育に関する情報を管理できる。
【0110】
<傾斜地における植林>
図15は、植付装置32が傾斜地で植物体PTを植える状態を示す図である。水平面HPに対して植林エリアPA内に傾斜がある場合(
図15に示される例では角度θだけ傾斜している)、フレーム30FLに取り付けられた植付装置32も水平面HPに対して傾斜する。このため、植物体PTが傾斜した耕作済土壌RPに植えられると、植物体PTの成長方向GDは、水平面HPに対して傾斜する可能性がある。水平面HPは、重力の作用する方向、すなわち鉛直方向と直交する平面である。
【0111】
図16は、植付装置32を傾斜させる傾斜機構の一例を示す図である。傾斜機構63は、
図2に示される植林機械30に取り付けられるアーム60と、植付装置32を支持するフレーム30FLとの間に、油圧シリンダ64及び支持体65を設ける。詳細には、2本のアーム60のうち一方とフレーム30FLの一端との間に油圧シリンダ64を設け、2本のアーム60のうち他方とフレーム30FLの他端との間に支持体65を設ける。支持体65とフレーム30FLとはピン66により結合する。傾斜機構63は、油圧シリンダ64が伸縮すると、ピン66を中心としてフレーム30FLが回動するので、植付装置32を水平面HPに対して傾斜させることができる。
【0112】
図17は、植付装置32が傾斜地で植物体PTを植える状態を示す図である。傾斜機構63は、水平面HPと耕作済土壌RPとのなす角度θに応じて油圧シリンダ64の長さを調整することで、植付装置32の本体部32Bが延びる方向を鉛直方向と平行にして、植物体PTの成長方向GDを鉛直方向と平行にすることができる。このため、植物体PTの成長について、より適切な環境を与えることができる。
【0113】
傾斜機構63は、前述した構造に限定されない。例えば、植付装置32が、伸縮部32CPが伸縮する方向と直交し、かつフレーム30FLと直交する軸線周りに回動する構造であってもよい。また、ブルドーザが備えるチルト機構を利用して植付装置32を傾斜させてもよい。
【0114】
植物体PTの植付け前に、オペレータが傾斜機構63の姿勢を制御して、植付装置32の本体部32Bが延びる方向を鉛直方向と平行にすることで、植物体PTの成長方向GDを鉛直方向と平行にしてもよい。また、IMU(Inertial Measurement Unit:慣性計測装置)を植付装置32に取り付けて植付装置32の姿勢を検出し、制御装置40は、検出された植付装置32に姿勢が水平面HPと平行になるように傾斜機構63の姿勢を制御してから植物体PTを植え付けてもよい。このようにすれば、オペレータが傾斜機構63の姿勢を制御する必要がなくなるので、植物体PTの植付け作業が容易になる。
【0115】
<切り株等の位置を検知する機能>
図18は、未耕作土壌SRの切り株等を検知する耕作装置12aを示す図である。
図19は、耕作装置12aが未耕作土壌SRの切り株等を検知する機能を説明するための図である。耕作装置12aは、アーム12AMl,12AMrによって耕作ディスク12Gl,12Grを支持する。アーム12AMl,12AMrは、軸線Yl,Yrの周りに回動するので、耕作ディスク12Gl,12Grも軸線Yl,Yrの周りに回動する。アーム12AMl,12AMrの付け根、すなわち軸線Yl,Yrの近傍には、アーム12AMl,12AMrが回動した角度を検出する角度センサ12scl、12scrが取り付けられている。
【0116】
角度センサ12scl、12scrによって検出された、アーム12AMl,12AMrが回動した角度及びアーム12AMl,12AMrの寸法から、耕作ディスク12Gl,12Grが上下方向(
図18中、矢印UDで示される方向)へ移動した量が求められる。耕作機械10の制御装置20は、角度センサ12scl、12scrの検出値を取得し、耕作ディスク12Gl,12Grの上下方向へ移動した量を求める。
【0117】
破砕ディスク12Dで取り除き切れなかった切り株等が存在すると、耕作ディスク12Gl,12Grが切り株等に乗り上げる結果、耕作ディスク12Gl,12Grの上下方向への移動量が大きくなる。制御装置20、より詳細には処理部20Pは、耕作ディスク12Gl,12Grの上下方向への移動量が閾値を超えた場合に耕作ディスク12Gl,12Grが切り株等に乗り上げたと判定し、判定フラグFgをONにする。制御装置20は、耕作ディスク12Gl,12Grの上下方向への移動量が閾値以上になったタイミングにおいて位置検出装置21によって検出された実耕作位置Pdaと判定フラグFgとを対応付けて、通信装置22を介して
図2に示される管理装置3に出力、すなわち送信する。
【0118】
耕作ディスク12Gl,12Grが切り株等に乗り上げた場合、破砕ディスク12Dで取り除き切れなかった切り株等が耕作済土壌RPに残っていると考えられる。切り株等が残っている場所に植物体PTを植え付けても植物体PTは土壌に根付かない可能性がある。そこで、植林機械30は、判定フラグFgに対応する実耕作位置Pdaは切り株等が残っていると判定し、切り株等が残っていると判定した場所を避けて植物体PTを植え付ける。
【0119】
図19は、耕作ディスク12Gl,12Grの上下方向への移動量Ht(以下、適宜上下移動量Htと称する)と、実耕作位置Pdaとの関係を示している。この例では、実耕作位置Pda1,Pda2で上下移動量Htが閾値Htc以上になっている。制御装置20は、上下移動量Htが閾値Htc以上になると判定フラグFg1,Fg2をONにするとともに、実耕作位置Pda1,Pda2と対応付けて記憶部20Mに記憶させる。制御装置20は、実耕作位置Pda1,Pda2に判定フラグFg1,Fg2を対応付けて、複数の実耕作位置Pdaを
図2に示される管理装置3へ送信する。管理装置3は、複数の実耕作位置Pdaを実耕作ラインTLaとして記憶部3Mに記憶させる際に、上下移動量Htが閾値Htc以上になった実耕作位置Pda1,Pda2に判定フラグFg1,Fg2を対応付けて記憶させる。
【0120】
植林機械30は、植林作業の前に、管理装置3から実耕作ラインTLaを取得するが、このときに、上下移動量Htが閾値Htc以上になった実耕作位置Pda1,Pda2に対応付けられた判定フラグFg1,Fg2も取得する。植林機械30は、判定フラグFg1,Fg2に対応する実耕作位置Pda1,Pda2に植物体PTを植え付ける場合は、実耕作位置Pda1,Pda2を避けて植え付ける。詳細には、制御装置40は、植付装置32の位置を変更して実耕作位置Pda1,Pda2を避けるか、又は第2の走行装置31を前進又は後進させて実耕作位置Pda1,Pda2を避けるか、いずれかを実行する。このような処理により、植林機械30は、切り株等が残っている場所を避けて植物体PTを植え付けることができる。
【0121】
切り株等が残っている場所であるか否かの判定は、上下移動量Htを用いる方法に限定されない。例えば、制御装置40は、植林機械30が有する第2の走行装置31の牽引力を用いて、切り株等が残っている場所であるか否かを判定してもよい。この場合、制御装置40は、第2の走行装置31の牽引力が閾値以上になったタイミングで判定フラグFgを生成する。そして、制御装置40は、判定フラグFgと、第2の走行装置31の牽引力が閾値以上になったタイミングで位置検出装置21によって検出された実耕作位置Pdaとを対応付けて、通信装置22を介して
図2に示される管理装置3に出力、すなわち送信する。
【0122】
以上、耕作作業を行う耕作機械10と、植付作業を行うための、耕作機械10とは別の植林機械30とを用いる。そして、実施形態は、耕作機械10の耕作位置検出装置21によって求められた実耕作位置Pda及び実耕作ラインTLaの少なくとも一方と、植林機械30の植付装置位置検出装置41によって求められた植付装置32の現在位置、すなわち植物体PTが植え付けられるタイミングでの植付装置32の位置とに基づき、植林機械30が有する植付装置32の位置を自動的に制御する。また、実施形態は、植林計画の際に設定された植林目標ラインTLと、耕作機械10及び植林機械30の進行方向とのずれを、運転室16,35内の表示装置23,43に表示させる。さらに、実施形態は、植付作業における植林機械30の前進及び停止を自動的に制御する。このような処理により、実施形態は、植物体PTを効率よく、かつ容易に植林目標ラインTLに沿うように植えることができ、広大な土地で植林作業を機械化するにあたり、植林作業の効率を向上させることができる。
【0123】
実施形態において、耕作機械10及び植林機械30はオペレータの操作により走行する有人の車両であるが、GPS(Global Positioning System)及び慣性航法等を用いた自動運転により走行する無人の車両であってもよい。この場合、耕作機械10の制御装置20及び植林機械30の制御装置40は、GPSによって得られた自車両の位置又は慣性航法によって得られた自車両の位置を用いて、実耕作ラインTLaに沿って耕作機械10及び植林機械30を走行させる。
【0124】
以上、本実施形態を説明したが、上述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0125】
例えば、実施形態において、実耕作位置Pda、実耕作ラインTLa及び植林目標ラインTLの座標系をグローバル座標系としたが、これに限定されない。例えば、実耕作位置Pda、実耕作ラインTLa及び植林目標ラインTLの座標系は、植林エリアPAに独自に設定された座標系であってもよい。
【0126】
実施形態において、耕作機械10の制御装置20は、複数の実耕作位置Pdaから実耕作ラインTLaを生成して管理装置3に送信してもよい。また、管理装置3は、耕作機械10から取得した複数の実耕作位置Pdaから実耕作ラインTLaを生成してもよい。さらに、植林機械30の制御装置40は、管理装置3から取得した複数の実耕作位置Pdaから実耕作ラインTLaを生成してもよい。実施形態において、実耕作位置Pda及び実耕作ラインTLaの少なくとも一方は、管理装置3の記憶部3Mに記憶されてから植林機械30に送信されるが、直接植林機械30に送信されてもよい。