特許第6795893号(P6795893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 現代自動車株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6795893-スワッシュプレート及びその製造方法 図000005
  • 特許6795893-スワッシュプレート及びその製造方法 図000006
  • 特許6795893-スワッシュプレート及びその製造方法 図000007
  • 特許6795893-スワッシュプレート及びその製造方法 図000008
  • 特許6795893-スワッシュプレート及びその製造方法 図000009
  • 特許6795893-スワッシュプレート及びその製造方法 図000010
  • 特許6795893-スワッシュプレート及びその製造方法 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795893
(24)【登録日】2020年11月17日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】スワッシュプレート及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C22C 21/12 20060101AFI20201119BHJP
   B22D 13/02 20060101ALI20201119BHJP
   B22D 13/06 20060101ALI20201119BHJP
   B22D 21/00 20060101ALI20201119BHJP
   B22D 25/06 20060101ALI20201119BHJP
   C22C 1/02 20060101ALI20201119BHJP
   F04B 27/12 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   C22C21/12
   B22D13/02 503E
   B22D13/06 R
   B22D21/00 A
   B22D25/06
   C22C1/02 503J
   F04B27/12 E
   F04B27/12 L
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-23253(P2016-23253)
(22)【出願日】2016年2月10日
(65)【公開番号】特開2017-88996(P2017-88996A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年12月28日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0155223
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】姜 熙 三
【審査官】 鈴木 毅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−029847(JP,A)
【文献】 特開2008−056965(JP,A)
【文献】 特開平10−096087(JP,A)
【文献】 特開平04−105788(JP,A)
【文献】 特開昭59−221479(JP,A)
【文献】 特開2001−020856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 21/00 − 21/18
B22D 13/00 − 13/06
B22D 21/00 − 21/04
B22D 25/06
C22C 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量%で、銅(Cu)34.5〜43.0%及びシリコン(Si)0.5〜2.8%を含有し、残部がアルミニウム(Al)及びその他の不可避不純物からなることを特徴とするスワッシュプレート。
【請求項2】
前記スワッシュプレートは、側面の外周面に沿って中心方向に複数のコアピンホールが設けられることを特徴とする請求項1に記載のスワッシュプレート。
【請求項3】
前記コアピンホールは、その直径が前記スワッシュプレートの厚さの1/2以下であることを特徴とする請求項2に記載のスワッシュプレート。
【請求項4】
前記スワッシュプレートは、AlCu初晶相及びAl−AlCuラメラ(lamella)組織が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のスワッシュプレート。
【請求項5】
前記スワッシュプレートは、前記Al2Cu初晶相の相分率が10〜50vol%であり、弾性係数が120GPa以上であることを特徴とする請求項4に記載のスワッシュプレート。
【請求項6】
重量%で、銅(Cu)34.5〜43.0%及びシリコン(Si)0.5〜2.8%を含有し、残部がアルミニウム(Al)及びその他の不可避不純物からなるアルミニウム合金溶鋼を設ける準備過程と、
複数のコアピンが締結された金型を用いて前記アルミニウム合金溶鋼を鋳造してスワッシュプレートを形成させる鋳造過程と、
前記金型から前記コアピンを除去し、前記金型から前記スワッシュプレートを分離させる仕上げ過程とを含むことを特徴とするスワッシュプレートの製造方法。
【請求項7】
前記鋳造過程は重力鋳造または遠心鋳造方式で前記スワッシュプレートを形成することを特徴とする請求項に記載のスワッシュプレートの製造方法。
【請求項8】
前記鋳造過程は595〜625℃の温度で鋳造することを特徴とする請求項に記載のスワッシュプレートの製造方法。
【請求項9】
前記コアピンの厚さは前記スワッシュプレートの厚さの1/2以下であることを特徴とする請求項に記載のスワッシュプレートの製造方法。
【請求項10】
前記スワッシュプレートは、AlCu初晶相の相分率が10〜50vol%であり、弾
性係数が120GPa以上であることを特徴とする請求項に記載のスワッシュプレート
の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スワッシュプレート及びその製造方法に係り、より詳しくは、強度や耐摩耗特性などの物理的特性とともに、価格競争力及び重量節減効果に優れる固定型または可変型エアコンコンプレッサーなどに適用可能なスワッシュプレート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車空調装置に用いられているスワッシュプレート式圧縮機は、蒸発器から低圧の状態で排出される気体状態の冷媒を液化しやすい高圧の状態に圧縮して凝縮器へ吐出するために使用される装置である。
このようなスワッシュプレート式圧縮機の内部には、スワッシュプレート(Swash Plate)の回転によって往復運動しながら圧縮機の圧縮室内の冷媒を圧縮するピストンが備えられている。
このとき、スワッシュプレートは、駆動軸によって傾いた状態で回転し、摺動面がピストンのシューに接しており、スワッシュプレートの回転時にピストンがシリンダーのボア内で往復運動を行うように構成される。
したがって、スワッシュプレートは、耐摩耗性などの機械的性質の他にも、シューと摩擦する摺動面の潤滑性も重要な設計要素である。
このようなスワッシュプレートに適用される材質としては、大きく過共晶アルミニウム合金、銅合金、鋳鉄材などの3つの種類がある。
【0003】
まず、固定型エアコンコンプレッサーに適用される過共晶アルミニウム−シリコン合金の場合には、連続鋳造工程の速い冷却速度を用いてシリコン粒子を微細化した後、鍛造によって製造される。この際、表面の潤滑性を高めるために、自己潤滑性錫(Sn)コーティングが適用される。
参考までに、自己潤滑性コーティングとは、摩擦材を適用しなくても、摩擦抵抗が低減する材料を用いてコートする技術をいう。
しかし、前記過共晶アルミニウム−シリコン合金の場合、シリコン粒子のサイズ調節が困難で、一般的な重力鋳造や砂型鋳造の代わりに連続鋳造及び鍛造工程を経るため、一般なアルミニウム製品に比べて価格が高い方である。また、銅合金や鋳鉄材に比べて耐焼付き性(Seizure stress)が半分のレベルに及ばないため、面圧が高く駆動環境が過酷な可変型エアコンコンプレッサーには適用し難い状況である。
【0004】
次に、可変型エアコンコンプレッサーに適用されるスワッシュプレートの材料としては、銅合金と鋳鉄材がある。
この両方の材質はいずれも、優れた機械的性質、耐摩耗性及び耐焼付き性を持っており、現在、ほぼ全ての可変型エアコンコンプレッサーに適用されている状況である。
しかし、銅合金の場合、既存の鋳鉄材やアルミニウム鍛造材に比べて価格が高い欠点を持っており、鋳鉄材の場合には、駆動環境上の摺動面に相手材たるシューと同種の材質で構成され、同種焼付きの問題を抱えており、境界面を構成する特殊樹脂コーティングが必ず必要な状況である。前述したような状況を考慮するとき、既存の過共晶アルミニウム−シリコン合金よりも工程の自由度が高く、価格は安いが、銅合金や鋳鉄材に比べて同等レベル以上の耐摩耗性及び耐焼付き性を有する新しいアルミニウム合金が適用されたスワッシュプレートの開発が至急求められる状況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2005−0076251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、軽量でありながらも、既存の銅合金に比べて同等レベル以上の高強度及び耐摩耗性を有するアルミニウム合金で製造されたスワッシュプレート及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスワッシュプレートは、重量%で、銅(Cu)34.5〜43.0%及びシリコン(Si)0.5〜2.8%を含有し、残部がアルミニウム(Al)及びその他の不可避不純物からなることを特徴とする。
【0008】
前記スワッシュプレートは、側面の外周面に沿って中心方向に複数のコアピンホールが設けられることを特徴とする。
【0009】
前記コアピンホールは、その直径が前記スワッシュプレートの厚さの1/2以下であることを特徴とする。
【0010】
前記スワッシュプレートは、AlCu初晶相及びAl−AlCuラメラ(lamella)組織が形成されたことを特徴とする。
【0011】
前記スワッシュプレートは、前記AlCu初晶相の相分率が10〜50vol%であり、弾性係数が120GPa以上であることを特徴とする。
【0012】
前記スワッシュプレートは、引張強度が400MPa以上でありながら、(数1)で定義される鋳造性評価因子(C)が2.0以上であることを特徴とする。
(数1)
鋳造性評価因子(C)=液相線温度(K)/{液相線温度(K)−(熱量(Q)×組成(F))} −−−−−−−−−−−−−−− (1)
【0013】
また、本発明に係るスワッシュプレートの製造方法は、重量%で、銅(Cu)34.5〜43.0%及びシリコン(Si)0.5〜2.8%を含有し、残部がアルミニウム(Al)及びその他の不可避不純物からなるアルミニウム合金溶鋼を設ける準備過程と、複数のコアピンが締結された金型を用いて前記アルミニウム合金溶鋼を鋳造してスワッシュプレートを形成させる鋳造過程と、前記金型から前記コアピンを除去し、前記金型から前記スワッシュプレートを分離させる仕上げ過程とを含むことを特徴とする。
【0014】
前記鋳造過程は、重力鋳造または遠心鋳造方式で前記スワッシュプレートを鋳造することを特徴とする。
【0015】
前記鋳造過程は595〜625℃の温度で鋳造することが好ましく、前記コアピンの厚さは前記スワッシュプレートの厚さの1/2以下であることを特徴とする。
【0016】
前記スワッシュプレートは、前記AlCu初晶相の相分率が10〜50vol%であり、弾性係数が120GPa以上であることを特徴とする。
【0017】
前記スワッシュプレートは、引張強度が400MPa以上でありながら、(数1)で定義される鋳造性評価因子(C)が2.0以上であることを特徴とする。
(数1)
鋳造性評価因子(C)=液相線温度(K)/{液相線温度(K)−(熱量(Q)×組成(F))} −−−−−−−−−−−−−−− (1)
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、アルミニウムに過量の銅(Cu)及びシリコン(Si)などを添加して初晶相(AlCu)とラメラ(lamella)組織を形成することにより、従来の銅合金に比べて同等以上の優れた引張強度及び弾性を確保することができる効果がある。
また、本発明によれば、鋳造の際にコアピンを用いて肉盛りを除去することにより軽量化を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例に係るスワッシュプレートを示す図である。
図2】本発明の一実施例に係るスワッシュプレートの微細組織を示す図である。
図3】銅(Cu)の含量が43.0重量%を超えるアルミニウム合金の微細組織中のAlCu初晶相の群集及び粗大化を示す図である。
図4】銅(Cu)の含量に応じた弾性係数の変化を示すグラフである。
図5】銅(Cu)の含量に応じたAlCu初晶相の分率を示すグラフである。
図6】シリコン(Si)の含量に応じた引張強度の変化を示すグラフである。
図7】銅(Cu)の含量に応じた鋳造性評価因子(C)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施例を詳細に説明する。本発明の一実施例に係るスワッシュプレートは、アルミニウム(Al)を主成分とし、ここに銅(Cu)34.5〜43.0重量%、シリコン(Si)0.5〜2.8重量%、及びその他の不可避不純物を含んで構成される。
本発明のアルミニウム合金と従来のスワッシュプレートとして使用された過共晶アルミニウム合金との差異点は、銅が34.5重量%以上含有されるのに対し、シリコンの含有量は0.5〜2.8重量%であって、シリコン含有量が12.6重量%以上の従来の過共晶アルミニウム合金に比べて著しく減少したことである。
このため、スワッシュプレートに要求される耐摩耗性及び高強度性能を同時に満足することができる。
より詳細には、本発明のスワッシュプレートに含まれる銅の含量は34.5〜43.0重量%に限定することが好ましい。
その理由は、銅が34.5重量%以下で含有される場合には、120GPa以上の弾性係数を確保できず、銅が43.0重量%超過で含有される場合には、金属間化合物たるAlCu初晶相が微細組織上に50%以上形成されて金属間化合物特性の素材となり、脆性及び加工性の問題を誘発してスワッシュプレートに使用することができないからである。
【0021】
一方、シリコンは、過量の銅を含有するアルミニウム合金で強度補強の目的から添加されるものである。シリコンの含量が0.5〜2.8重量%を満足する場合には、400〜550MPaの引張強度を確保することができ、シリコンが0.5重量%未満で添加されるか或いは2.8重量%超過で添加される場合には、引張強度が400MPa以下であって高強度を確保することができない。
したがって、シリコンは0.5〜2.8重量%で添加されることが好ましい。
図1は本発明の一実施例に係るスワッシュプレートを示す図である。
図1に示すように、本発明の一実施例に係るスワッシュプレートは、その側面に外周面に沿って中心方向に複数のコアピンホールが設けられる。
このとき、コアピンホールの直径はスワッシュプレートの厚さの1/2以下にすることが好ましいが、その理由は、軽量化のために設けられるコアピンホールの直径がスワッシュプレートの厚さの1/2を超える場合、構造的安定性を確保することができないからである。複数のコアピンホールは、スワッシュプレートの側面に中心方向に放射状に配置されるが、その個数は最大36個(隣接するコアピンホール同士が形成する角度は10°)である。
すなわち、コアピンホールは、その個数が2〜36個であるが、その直径はスワッシュプレートの厚さの1/2以下であり、隣接するコアピンホール同士が形成する角度は10〜180°を満足するように設けられる。
【0022】
図2は本発明の一実施例に係るスワッシュプレートの微細組織を示す図、図3は銅(Cu)の含量が43.0重量%を超えるアルミニウム合金の微細組織中のAlCu初晶相の群集及び粗大化を示す図である。
図2及び図3に示すように、本発明の一実施例に係るスワッシュプレートは、重量%で、銅34.5〜43.0%、シリコン0.5〜2.8%を満足する場合、AlCu初晶相が10〜50vol%の相分率を持つように均一に形成されるため、優れた弾性係数及び引張強度が確保できる一方、銅が43.0重量%を超過して過剰に添加された場合、群集及び粗大化現象が生じて材料の脆性が発生し、加工性(ツール損傷)が低下する。
一方、本発明の一実施例に係るスワッシュプレートの製造方法は、アルミニウム合金溶鋼を設ける準備過程、スワッシュプレートを形成させる鋳造過程、及び金型からスワッシュプレートを分離させる仕上げ過程を含む。
準備過程で使用されるアルミニウム合金溶鋼は、重量%で、銅(Cu)34.5〜43.0%及びシリコン(Si)0.5〜2.8%を含有し、残部がアルミニウム(Al)及びその他の不可避不純物からなることが好ましい。
【0023】
【表1】
表1は様々な実施例と比較例について、銅の含量に応じたAlCu初晶相の相分率及び弾性係数を示す表であり、図4は銅(Cu)の含量に応じた弾性係数の変化を示すグラフ、図5は銅(Cu)の含量に応じたAlCu初晶相の相分率を示すグラフである。
表1、図4及び図5に示すように、銅の含量が34.5重量%未満である場合、AlCu初晶相の相分率が減少することにより、弾性係数が要求される120GPa未満の弾性係数値を満足せず、銅の含量が43重量%を超える場合、AlCu初晶相の相分率が50%を超えることにより、群集及び粗大化現象を誘発して脆性が生じ、加工性が低下するため、銅の含量は34.5〜43重量%に制限する。
【0024】
【表2】
表2は様々な実施例と比較例について、シリコン含量に応じた引張強度の変化を示す表であり、図6はシリコン(Si)の含量に応じた引張強度の変化を示すグラフである。
表2及び図6に示すように、シリコンの含量が0.5〜2.8重量%を満足する場合、引張強度が400MPa以上であって優れた強度を確保することができる一方、シリコンの含量が0.5重量%未満または2.8重量%超過である場合、引張強度が急激に低下して400MPa未満に減少するため、シリコンの含量は0.5〜2.8重量%に制限することが好ましい。
【0025】
前述のように、準備過程でアルミニウム合金溶鋼が設けられると、鋳造過程でスワッシュプレートを鋳造して形成させるが、本発明の一実施例に係る鋳造過程は、重力鋳造または遠心鋳造方式で行うことが好ましく、この他にも砂型鋳造方式で行うことができる。
すなわち、本発明のスワッシュプレートの製造方法に使用されるアルミニウム合金溶鋼は、既存の過共晶アルミニウム合金などに比べて550〜575℃の低い液相線温度を持つため、冷却速度の低下による微細組織の粗大化現象が殆ど発生しないので、重力鋳造または高圧鋳造方式の両方が使用可能である。
一方、本発明において、鋳造過程は595〜625℃の温度で行うことが好ましい。
その理由は、前述したように、本発明に使用されるアルミニウム合金溶鋼の液相線温度は最大575℃であって、溶鋼の流動性を確保するためには液相線の温度に比べて少なくとも20℃以上高い、すなわち最小595℃の温度で鋳造することが好ましいからである。
また、鋳造温度が液相線の温度に比べて50℃を超える場合、生成されるAlCu初晶相の大きさが粗大になり、水素ガスによる気孔発生により製品の高強度及び耐磨耗特性が低下するため、鋳造温度を595〜625℃に限定することが好ましい。
【0026】
【表3】
表3は様々な実施例と比較例について鋳造性評価因子を計算して示す表であり、図7は銅(Cu)の含量に応じた鋳造性評価因子(C)を示すグラフである。
鋳造性評価因子(C)は次の(数1)に基づいて計算した。
(数1)
鋳造性評価因子(C)=液相線温度(K)/{液相線温度(K)−(熱量(Q)×組成(F))} −−−−−−−−−−−−−−− (1)
表3及び図7に示すように、本発明の実施例によれば、鋳造性評価因子が2.0以上と優れた値でありながら、生成されるAlCu初晶相の群集及び粗大化現象の発生を防止することにより、優れた高強度及び耐摩耗特性を確保するとともに優れた加工性を持つようにすることができる効果がある。
【0027】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7