【実施例】
【0056】
実施例1
Ni触媒IVの合成は文献に記載されている(O’Connorら,
Organometallics 2009,28 2372−2384)。あるいは、この錯体のMg塩と過剰のNaBAr
F4の混合物を実施例2で概要を示した手順に従って製造することもできる。
【0057】
実施例2
本実施例では、Ni(II)配位触媒の合成について説明する。式IIIの化合物は以下のようにして式IIの化合物に変換された。化合物III(8mmol)をNaBAr
F4(8mmol)及びメシチレン(20mmol)と、100mlシュレンクチューブ内の40mlジエチルエーテル中で混合し、−78℃に冷却した。5分後、ジエチルエーテル中1Mのアリルマグネシウムブロミド8mlを撹拌下で滴加し、アリルマグネシウムブロミドの添加完了後、冷却浴の交換により、温度を−20℃に上げた。−20℃で60分後、冷却浴を取り除き、混合物を25℃に温めた。この温度でエーテルは蒸留除去され、粗固体が残った。次に、塩化メチレン(30ml)を加え、混合物を撹拌した後、固体をろ過した。ヘプタン(10mL)を塩化メチレン溶液に加え、得られた混合物を高真空下で濃縮乾固し、約50%の収率のNiベースの触媒IVを含有する6.85gの固体を得た。
【0058】
【化8】
【0059】
実施例3
以下の実施例において、1,3-ブタジエンと(3−メチルブタ−1,3−ジエン−2−イル)(フェニル)スルファン(式VI)との共重合を示す。
【0060】
【化9】
【0061】
官能性モノマーの(3−メチルブタ−1,3−ジエン−2−イル)(フェニル)スルファンは、Baeckvall,J.−E.;Ericsson,A.J.Org.Chem.1994,59,5850−5851に記載の方法に従って合成した。
【0062】
実施例4
本実施例では、1,3-ブタジエンと式VIのモノマーとの共重合を示す。重合を実施して表1に示されているような3個のコポリマーサンプルを製造した。
【0063】
式VIの官能性モノマーは実施例3に記載のようにして合成した。
サンプル1及び2は次のように合成した。
式VIのモノマーを、火炎乾燥シュレンクフラスコにトルエン溶液として加え(トルエンの全体積は15mL)、次いでフラスコをゴムセプタムで密封した。ブタジエンを、反応温度及び1.05barのBD圧でのトルエンの飽和により添加した。トルエン(5mL)中触媒を示された反応温度で添加することにより重合を開始した。重合は、示された時間、その温度で行わせた。0.5mLのNEt
3を加えて重合を終了させた。残留ブタジエンを減圧下で注意深く除去し、ポリマーを、BHTの存在下(約100mg/100mL)、MeOH中に沈殿させた。形成されたポリマーを減圧下50℃で一晩乾燥させ、示された収量gのポリ(ブタジエン−コ−(3−メチルブタ−1,3−ジエン−2−イル)(フェニル)スルファン)を得た。サンプルを分析し、結果を表1に示した。分子量Mn及び多分散性(PDI)は、THF中でのGPCを用い、ポリスチレン標準に対して測定した。ガラス転移温度TgはDSCを用いて測定した。ポリマーのミクロ構造は、NMR分析(
1H及び
13C)により決定した。
【0064】
サンプル3は次のように合成した。
式VIのモノマーの30mLトルエン中溶液を、機械的撹拌器、圧力ビュレット(pressure burette)及びサーモスタットを備えた200mL入りBuchiエコクレーブ圧力反応容器(ガラス器具、6barまで)に加えた。撹拌下、反応容器をトルエンが沸騰し始めるまで排気した後、ブタジエン(約50mL)を1.2barの定圧に達するまで反応容器内に凝縮させた。反応容器を、内容物を750rpmで撹拌しながら38℃(すなわち、所望の反応温度より2℃下)に加熱した。次に、10μmolの触媒IIの5mLトルエン中溶液を反応容器に圧力ビュレットを通して注入した。重合の開始は、2回目の分量の触媒(5mLトルエン中10μmol)の注入後、2〜5℃の発熱から明白であった。4時間の重合時間後、0.5mLのトリエチルアミンの5mLトルエン中溶液を反応容器に圧力ビュレットを通して注入し、反応容器を25℃に冷却し、過剰のブタジエンを真空下で注意深く除去した。BHT(約100mg/100mL)の存在下でポリマーをMeOH中に沈殿させた。形成されたポリマーを減圧下50℃で一晩乾燥させ、示された収量gのポリ(ブタジエン−コ−(3−メチルブタ−1,3−ジエン−2−イル)(フェニル)スルファン)を得た。サンプルを分析し、結果を表1に示した。分子量Mn及び多分散性(PDI)は、THF中でのGPCを用い、ポリスチレン標準に対して測定した。ガラス転移温度TgはDSCを用いて測定した。ポリマーのミクロ構造は、NMR分析(
1H及び
13C)により決定した。
【0065】
【表1】
【0066】
1触媒は、サンプル3では、示されているように2回に分けて加えた。
実施例5
以下の実施例において、1,3-ブタジエンと(5−メチル−4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)(フェニル)スルファン(式VII)との共重合を示す。
【0067】
【化10】
【0068】
官能性モノマーの(5−メチル−4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)(フェニル)スルファンは以下のようにして合成した。
(4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)(フェニル)スルファンの合成
【0069】
【化11】
【0070】
((3−ヨードプロピル)チオ)−ベンゼン(0.7g、2.5mmol、Tetrahedron(1998),54,(40),12361−12378に従って合成できる)を−20℃に冷却し、5mLのTHF中Li
2CuCl
4(0.01当量、21.2mg LiCl + 33.6mg CuCl
2)を加えた。クロロプレン−グリニャール溶液(2.75mmol、1.1当量、2mLのTHF中、Journal of Applied Polymer Science(2005),Vol.97,1545-1552に従って合成)を滴加した。30分間撹拌し、室温に温めた後、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 20:1)により、所望化合物を帯黄色油として得た。
【0071】
収量:342.2mg(1.68mmol、67%)
1H-NMR (400 MHz, C
6D
6): δ= 7.28 - 7.25 (m, 2H, H9 及び 13), 7.02 - 6.99 (m, 2H, H10 及び 12), 6.93 - 6.90 (m, 1H, H11), 6.25 (dd,
3J = 10.8, 17.6 Hz, 1H, H3), 5.08 (d, J = 17.6 Hz, 1H, H4), 4.91 (d,
3J = 10.8 Hz, 1H, H4), 4.89 (s, 1H, H1), 4.83 (s, 1H, H1), 2.67 (t,
3J = 7.2 Hz, 2H, H7), 2.27 (t,
3J = 7.2, 2H, H5), 1.80 (vquint, J = 7.2 Hz, 2H, H6)。
【0072】
13C-NMR (101 MHz, C
6D
6): δ= 145.6 (C2), 138.9 (C3), 137.5 (C8), 129.3 (C9 及び C13), 129.1 (C10 及びC12), 125.8 (C11), 116.4 (C1), 113.5 (C4), 33.3 (C7), 30.5 (C5), 27.8 (C6)。
【0073】
実施例6
本実施例では、1,3-ブタジエンと式VIIのモノマーとの共重合を示す。重合を実施して表2に示されているようなコポリマーサンプルを製造した。
【0074】
式VIIの官能性モノマーは実施例5に記載のようにして合成した。
式VIIのモノマーの30mLトルエン中溶液を、機械的撹拌器、圧力ビュレット及びサーモスタットを備えた200mL入りBuchiエコクレーブ圧力反応容器(ガラス器具、6barまで)に加えた。撹拌下、反応容器をトルエンが沸騰し始めるまで排気した後、ブタジエン(約50mL)を1.2barの定圧に達するまで反応容器内に凝縮させた。反応容器を、内容物を750rpmで撹拌しながら38℃(すなわち、所望の反応温度より2℃下)に加熱した。次に、10μmolの触媒IIの5mLトルエン中溶液を反応容器に圧力ビュレットを通して注入した。重合の開始は、2回目の分量の触媒(5mLトルエン中10μmol)の注入後、2〜5℃の発熱から明白であった。2時間の重合時間後、0.5mLのトリエチルアミンの5mLトルエン中溶液を反応容器に圧力ビュレットを通して注入し、反応容器を25℃に冷却し、過剰のブタジエンを真空下で注意深く除去した。BHT(約100mg/100mL)の存在下でポリマーをMeOH中に沈殿させた。形成されたポリマーを減圧下50℃で一晩乾燥させ、示された収量gのポリ(ブタジエン−コ−(5−メチル−4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)(フェニル)スルファン)を得た。サンプルを分析し、結果を表2に示した。分子量Mn及び多分散性(PDI)は、THF中でのGPCを用い、ポリスチレン標準に対して測定した。ガラス転移温度TgはDSCを用いて測定した。ポリマーのミクロ構造は、NMR分析(
1H及び
13C)により決定した。
【0075】
【表2】
【0076】
1触媒は、サンプル4では、示されているように2回に分けて加えた。
実施例7
以下の実施例において、1,3-ブタジエンと((4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)スルホニル)ベンゼン(式VIII)との共重合を示す。
【0077】
【化12】
【0078】
官能性モノマーの((4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)スルホニル)ベンゼンは以下のようにして合成した。
(a)((3−ヨードプロピル)スルホニル)ベンゼンの合成
【0079】
【化13】
【0080】
((3−クロロプロピル)スルホニル)−ベンゼン(4.37g、20mmol、1当量、Bioorganic&Medicinal Chemistry(2004),12,(10),2737−2747に従って合成)をアセトン(50mL)中に溶解し、NaI(6.00g、40mmol、2当量)を加えた。反応混合物を12時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、Et
2O(100mL)を加え、混合物をH
2O(3×50mL)で抽出した。有機相をNa
2SO
4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去して粗((3−ヨードプロピル)スルホニル)ベンゼンを得た。これをそれ以上精製せずに次の工程で使用した。
【0081】
(b)((4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)スルホニル)ベンゼンの合成
【0082】
【化14】
【0083】
((3−ヨードプロピル)スルホニル)ベンゼン(930mg、3mmol)を−20℃に冷却し、5mLのTHF中Li
2CuCl
4(0.01当量)を加えた。クロロプレン−グリニャール溶液(3.3mmol、1.1当量、2mLのTHF中)を滴加した。30分間撹拌し、室温に温めた後、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 20:1)により、所望化合物を帯黄色油として得た。
【0084】
収量:627mg(2.6mmol、88%)
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ= 7.89 - 7.87 (m, 2H, H9 及び 13), 7.63 - 7.60 (m, 1H, H11), 7.56 - 7.52 (m, 2H, H10 及び H12), 6.27 (dd,
3J = 17.6, 10.8 Hz, 1H, H3), 5.11 (d,
3J = 17.6 Hz, 1H, H4), 5.01 (d, J = 11.2 Hz, 1H, H4), 5.00 (s, 1H, H1), 4.91 (s, 1H, H1), 3.08 (m, 2H, H7), 2.27 (t, J = 7.6 Hz, 2H, H5), 1.92 (m, 2H, H6)。
【0085】
13C-NMR (101 MHz, CDCl
3): δ= 144.0 (C2), 139.1 (C8), 137.9 (C3), 133.5 (C11), 129.2 (C10 及び C12), 127.9 (C9 及び C13), 116.7 (C1), 113.7 (C4), 55.5 (C7), 29.6 (C5), 21.0 (C6)。
【0086】
実施例8
本実施例では、1,3-ブタジエンと式VIIIのモノマーとの共重合を示す。重合を実施して表3に示されているような2個のコポリマーサンプルを製造した。
【0087】
式VIIIの官能性モノマーは実施例7に記載のようにして合成した。
式VIIIのモノマーを、火炎乾燥シュレンクフラスコにトルエン溶液として加え(トルエンの全体積はサンプル5が15mL、サンプル6が35mL)、次いでフラスコをゴムセプタムで密封した。ブタジエンを、反応温度及び1.05barのBD圧でのトルエンの飽和により添加した。トルエン(5mL)中触媒を示された反応温度で添加することにより重合を開始した。重合は、示された時間、その温度で行わせた。0.5mLのNEt
3を加えて重合を終了させた。残留ブタジエンを減圧下で注意深く除去し、ポリマーを、BHTの存在下(約100mg/100mL)、MeOH中に沈殿させた。形成されたポリマーを減圧下50℃で一晩乾燥させ、示された収量gのポリ(ブタジエン−コ−((4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)スルホニル)ベンゼン)を得た。サンプルを分析し、結果を表3に示した。分子量Mn及び多分散性(PDI)は、THF中でのGPCを用い、ポリスチレン標準に対して測定した。ガラス転移温度TgはDSCを用いて測定した。ポリマーのミクロ構造は、NMR分析(
1H及び
13C)により決定した。
【0088】
【表3】
【0089】
実施例9
以下の実施例において、1,3-ブタジエンとN−(5−メチル−4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(式IX)との共重合を示す。
【0090】
【化15】
【0091】
官能性モノマーのN−(4−メチレンヘキサ−5−エン−1−イル)ベンゼンスルホンアミドは以下のようにして合成した。
(4−メチレン−5−ヘキセニル)−(ビス(トリメチルシリル)−アミンの合成
【0092】
【化16】
【0093】
(a)2.25g(92.5mmol、1.5当量)のMg削り節をTHFと共に層状に積み重ね、0.36mLのジブロモエタン(0.79g、4.2mmol)を加えて、マグネシウムを活性化した。15.0gの3−クロロプロピル−ビス(トリメチルシリル)アミン(63.1mmol、1当量、Rekken,B.D.;Carre−Burritt,A.E.;Scott,B.L.;Davis,B.L.Journal of Materials Chemistry A 2014,2,16507−16515に従って合成)と0.36mL(0.79g、4.2mmol)のジブロモエタンの63mL THF中混合物を滴加し、反応混合物を60℃で2時間撹拌した。残ったマグネシウムをろ過除去し、透明溶液を次の工程で使用した。
【0094】
(b)0.252g(0.50mmol)の(dppp)NiCl
2と5.9g(66.2mmol、1.05当量)のクロロプレンを21mLのTHF中に溶解した。反応混合物を0℃に冷却し、(a)の下で得られた(3−(ビス(トリメチルシリル)アミノ)プロピル)マグネシウムクロリド溶液の滴加後、混合物を0℃で10分間、その後室温で40分間撹拌した。反応混合物を100mLのヘプタンで処理し、THFを減圧下で除去した。得られた褐色懸濁液をセライト上でろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を蒸留により精製し(73℃/3.3・10
−1mbar)、12.27g(76.2%)の(4−メチレン−5−ヘキセニル)−(ビス(トリメチルシリル)−アミンを無色液体として得た。
【0095】
1H-NMR (400 MHz, C
6D
6, 300 K) δ [ppm] = 6.31 (dd,
3J= 17.6 及び 11.2 Hz 1 H, H3), 5.17 (d,
3J= 17.6 Hz, 1 H, H4), 4.97 (d,
3J= 11.2 Hz, 1 H, H4), 4.93 (s, 2 H, H1), 2.78 (m, 2 H, H7), 2.06 (t,
3J= 7.6 Hz, 2 H, H5), 1. 59 (m, 2 H, H6), 0.13 (s, 18 H, H8)。
【0096】
13C-NMR (100 MHz, C
6D
6, 300 K) δ [ppm] = 146.3 (C2), 139.2 (C3), 116.1 (C1), 113.4 (C4), 45.9 (C7), 34.1 (C5), 29.4 (C6), 2.3 (C8)。
(4−メチレン−5−ヘキセニル)−アミンの合成
【0097】
【化17】
【0098】
(4−メチレン−5−ヘキセニル)−(ビス(トリメチルシリル)−アミン(1.95g、7.64mmol)を20mLのメタノール中に溶解し、還流しながら2時間撹拌した。溶媒及びメトキシ−トリメチルシランを減圧下で除去し、粗生成物をそれ以上精製せずに使用した。
【0099】
収量:0.34g(3.1mmol、40%)。NMRデータは、メタノール−d
4の存在下、現場脱保護のためのものなので、NH
2シグナルは観察されていない。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3): δ = 6.28 (dd,
3J = 17.6 及び 10.8 Hz, 1H, H3), 5.16 (d, J = 17.6 Hz, 1H, H4), 4.97 (d,
3J = 10.9 Hz, 1H, H4), 4.93 (s, 1H, H1), 4.91 (s, 1H, H1), 2.63 (t, J = 7.3 Hz, 2H, H7), 2.16 (t, J = 7.7 Hz, 2H, H5), 1.57 (p, J = 7.4 Hz, 2H, H6)。
【0100】
(4−メチレン−5−ヘキセニル)−フェニルスルホン酸アミドの合成
【0101】
【化18】
【0102】
Dong,X.;Sang,R.;Wang,Q.;Tang,X.−Y.;Shi,M.Chem.−Eur.J.2013,19,16910−16915と同様にして合成。(4−メチレン−5−ヘキセニル)−アミン(1.5g、13.5mmol、1当量)と水酸化カリウム(1.5g、27mmol、2当量)を水中で撹拌した。10 mLのCH
2Cl
2中ベンゼンスルホニルクロリド(2.38g、13.5mmol、1当量)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、水性相をCH
2Cl
2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去した。カラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc 20:1)により、無色油を得た。
【0103】
収量:2.14g(8.5mmol、63%)
1H-NMR (400 MHz, CD
2Cl
2): δ =, 7.86 (m, 2H, H9 及び H13), 7.60 (m, 1H, H11), 7.54 (m, 2H, H10 及び H12), 6.33 (dd,
3J = 17.6 及び 10.8, 1H, H3), 5.15 (d,
3J = 17.6 Hz, 1H, H4), 5.03 (d,
3J = 10.8 Hz, 1H, H4), 5.00 (s, 1H, H1), 4.92 (s, 1H, H1), 4.78 (t, J = 6.3 Hz, 1H, NH), 2.96 (vq, J = 6.7 Hz , 2H, H7), 2.20 (td,
3J = 7.7 Hz, 2H, H5), 1.65 (vquint, J = 8.0 Hz, 2H, H6)。
13C-NMR (101 MHz, CD
2Cl
2): δ = 145.8 (C2), 140.6 (C8), 138.9 (C3), 133.2 (C11), 129.7 (C9 及び C13), 127.5 (C10 及び C12), 116.6 (C1), 113.9 (C4), 43.6 (C7), 28.8 (C5), 28.6 (C6)。
【0104】
実施例10
本実施例では、1,3-ブタジエンと式IXのモノマーとの共重合を示す。重合を実施して表4に示されているような3個のコポリマーサンプルを製造した。
【0105】
式IXの官能性モノマーは実施例9に記載のようにして合成した。
式IXのモノマーを、火炎乾燥シュレンクフラスコにトルエン溶液として加え(トルエンの全体積はサンプル7及び8が15mL、サンプル9が35mL)、次いでフラスコをゴムセプタムで密封した。ブタジエンを、反応温度及び1.05barのBD圧でのトルエンの飽和により添加した。トルエン(5mL)中触媒を示された反応温度で添加することにより重合を開始した。重合は、示された時間、その温度で行わせた。0.5mLのNEt
3を加えて重合を終了させた。残留ブタジエンを減圧下で注意深く除去し、ポリマーを、BHTの存在下(約100mg/100mL)、MeOH中に沈殿させた。形成されたポリマーを減圧下50℃で一晩乾燥させ、示された収量gのポリ(ブタジエン−コ−(4−メチレン−5−ヘキセニル)−フェニルスルホン酸アミド)を得た。サンプルを分析し、結果を表4に示した。分子量Mn及び多分散性(PDI)は、THF中でのGPCを用い、ポリスチレン標準に対して測定した。ガラス転移温度TgはDSCを用いて測定した。ポリマーのミクロ構造は、NMR分析(
1H及び
13C)により決定した。
【0106】
【表4】
【0107】
1触媒は、サンプル8では、示されているように6回に分けて加えた。
[発明の態様]
1.1,3−ブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれるモノマーと、式I:
【0108】
【化19】
【0109】
[式中、R
1は、共有結合、フェニレン、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝アルカンジイル基、又は一つもしくは複数のフェニレン基と一つもしくは複数の1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝アルカンジイル基との組合せであり;R
2は、水素又は1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝アルキル基であり;Xは、硫黄原子又は式IIもしくはIIIの構造:
【0110】
【化20】
【0111】
であり、Xが式IIIの場合、式IIIのS原子は式Iのフェニル環に隣接し、式IIIのN原子はR1に隣接している]のモノマーとのコポリマー。
2.文章が続く、1記載のコポリマー。
【0112】
3.シス1,4ミクロ構造含量が80重量パーセントを超える、1記載のコポリマー。
4.少なくとも95重量パーセントのシス1,4ミクロ構造含量を含む、1記載のコポリマー。
【0113】
5.0.1〜40重量パーセントの、式Iのモノマーから誘導された単位を含む、1記載のコポリマー。
6.0.5〜20重量パーセントの、式Iのモノマーから誘導された単位を含む、1記載のコポリマー。
【0114】
7.1〜5重量パーセントの、式Iのモノマーから誘導された単位を含む、1記載のコポリマー。
8.式Iのモノマーが、下記構造:
【0115】
【化21】
【0116】
からなる群から選ばれる、1記載のコポリマー。
10.1記載のコポリマーを含むゴム組成物。
11.10記載のゴム組成物を含む空気入りタイヤ。
【0117】
12.1,3−ブタジエン及びイソプレンからなる群から選ばれるモノマーと、式I:
【0118】
【化22】
【0119】
[式中、R
1は、共有結合、フェニレン、1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝アルカンジイル基、又は一つもしくは複数のフェニレン基と一つもしくは複数の1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝アルカンジイル基との組合せであり;R
2は、水素又は1〜10個の炭素原子を含有する直鎖又は分枝アルキル基であり;Xは、硫黄原子又は式IIもしくはIIIの構造:
【0120】
【化23】
【0121】
であり、Xが式IIIの場合、式IIIのS原子は式Iのフェニル環に隣接し、式IIIのN原子はR1に隣接している]のモノマーとを(アリル)(アレーン)Ni(II)重合触媒の存在下で重合させる工程を含むコポリマーの製造法。
【0122】
13.式Iのモノマーが、下記構造:
【0123】
【化24】
【0124】
からなる群から選ばれる、10記載の方法。
14.重合触媒が、式IV:
【0125】
【化25】
【0126】
[式中、BAr
F4−はテトラキス(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボレートである]の触媒である、12記載の方法。