特許第6795972号(P6795972)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6795972-ソープディスペンサー 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6795972
(24)【登録日】2020年11月17日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】ソープディスペンサー
(51)【国際特許分類】
   A47K 5/12 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   A47K5/12 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-253610(P2016-253610)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-102696(P2018-102696A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】中居 英俊
(72)【発明者】
【氏名】中田 聡郎
(72)【発明者】
【氏名】三好 恵太郎
【審査官】 舟木 淳
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−215875(JP,A)
【文献】 特開平09−052062(JP,A)
【文献】 特開2007−296147(JP,A)
【文献】 特開2001−157644(JP,A)
【文献】 特開平09−252993(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0251892(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 5/06、5/12
B05B 7/00−7/32
B05B 1/00−1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
石鹸液を含む流体が貯留されたタンク部と、
前記流体が補給される補給口と、
前記タンク部内に貯留された前記流体が吐出される吐出口を有する吐出部材と、
一端が前記タンク部に接続され、前記タンク内空間を外部に連通させるエア抜き経路と、を備え、
前記エア抜き経路が、前記補給口よりも低い位置に形成されるとともに、前記タンク部が前記流体で満たされた際に前記タンク部からの前記流体の流入が可能に形成され、
前記タンク部から前記エア抜き経路に前記流体が過剰に流入した際に、前記吐出口乃至その近傍から排出される
ことを特徴とするソープディスペンサー。
【請求項2】
前記吐出部材が、前記タンク部内に貯留された前記流体を他の流体と混合させて前記吐出口に送出する混合部と、前記タンク部から前記エア抜き経路に流入した前記流体を前記吐出口に向かって送出する送出部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のソープディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソープディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗面カウンターに設置されるソープディスペンサーとして、タンク部分を洗面カウンター内に配置し、タンク内に貯留された石鹸液をポンプにより送出し、洗面カウンター上部に設けられた本体部の吐出口から石鹸液が吐出されるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載のソープディスペンサーは、ポンプの各機能を有する機構部を内蔵する本体部がカウンターの上側に設けられ、この本体部に対して上下方向に移動可能に設けられた押ボタン式の操作部を備えている。使用者が当該操作部を下向きに押し込むと、ベローズが下向きに押し込まれ、ポンプ作用により石鹸液が揚液されて吐出口から吐出される。このようなソープディスペンサーにおいては、石鹸液の補給を容易とするため、本体部に石鹸液を補給する補給口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平07−177999号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなソープディスペンサーは、タンク内の石鹸液位を目視できないため、補給した石鹸液が溢れて洗面カウンター上(設置面)を石鹸液で汚してしまうことがある。
【0006】
本発明は、タンク部内に十分な量の流体が補給されたことの把握が容易であるとともに、補給した流体が溢れて設置面を汚すことを抑制することが可能なソープディスペンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様であるソープディスペンサーは、石鹸液を含む流体が貯留されたタンク部と、前記流体が補給される補給口と、前記タンク部内に貯留された前記流体が吐出される吐出口を有する吐出部材と、一端が前記タンク部に接続され、前記タンク内空間を外部に連通させるエア抜き経路と、を備え、前記エア抜き経路が、前記補給口よりも低い位置に形成されるとともに、前記タンク部が前記流体で満たされた際に前記タンク部からの前記流体の流入が可能に形成され、前記タンク部から前記エア抜き経路に前記流体が過剰に流入した際に、前記吐出口乃至その近傍から排出されることを特徴とする。
【0008】
上記の態様においては、前記吐出部材が、前記タンク部内に貯留された前記流体を他の流体と混合させて前記吐出口に送出する混合部と、前記タンク部から前記エア抜き経路に流入した前記流体を前記吐出口に向かって送出する送出部と、を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様であるソープディスペンサーは、石鹸液を含む流体が貯留されたタンク部と、流体が補給される補給口と、タンク部内に貯留された流体が吐出される吐出口を有する吐出部材と、一端がタンク部に接続され、タンク内空間を外部に連通させるエア抜き経路と、を備え、エア抜き経路が、補給口よりも低い位置に形成されるとともに、タンク部が流体で満たされた際にタンク部からの流体の流入が可能に形成され、タンク部からエア抜き経路に前記流体が過剰に流入した際に、前記吐出口乃至その近傍から排出される。このような構成により、補給された流体によりタンク部内が流体で満たされ、タンク部に接続されたエア抜き経路に流体が過剰に流入した際には、吐出口乃至その近傍から排出される。従って、過剰分の流体が補給口から溢れ出ることを抑制することができるため、補給口から溢れ出た流体が、ソープディスペンサーの設置された面を汚すことを抑制することが可能となる。なお、過剰とは、完成品のソープディスペンサーにおいて、ソープディスペンサーから溢れる部分を意味する。従って、完成品のソープディスペンサーのサイズなどにより変化するものである。
【0010】
また、タンク部内が流体で満たされた場合には、過剰分の流体が吐出口乃至その近傍から排出されるため、タンク部の満水を視覚的に確認することができる。そのため、タンク部内に十分な量の流体が補給されたことの把握が容易である。
【0011】
上記の態様において、吐出部材が、タンク部内に貯留された流体を他の流体と混合させて吐出口に送出する混合部と、タンク部からエア抜き経路に流入した流体を吐出口に向かって送出する送出部と、を有する構成とすれば、補給された流体によりタンク部内が流体で満たされ、エア抜き経路に流体が過剰に流入した際には、吐出部材を介して吐出口乃至その近傍から排出される。従って、吐出部材において、タンク部内に貯留された流体と他の流体とを混合させることができるとともに、過剰分の流体を吐出部材を経由して吐出口乃至その近傍から排出させることができるため、ソープディスペンサーの構造を容易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るソープディスペンサーの外観図である。
図2図1のソープディスペンサーの部分縦断面図である。
図3図1のソープディスペンサーのノズル内を示す図である。
図4図1のソープディスペンサーが備える吐出部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るソープディスペンサーを、図1から図4を参照して説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係るソープディスペンサー1の外観を示した図であり、図2は、図1のソープディスペンサー1の部分縦断面図であり、図3は、図1のソープディスペンサー1のノズル60内を示す図であり、図4は、図1のソープディスペンサー1が備える吐出部材70の断面図である。なお、図2及び図3においては、後述する蓋部12は省略されて記載されている。
【0015】
図1に示すように、ソープディスペンサー1は、ポンプ機構40から送出された空気(図示せず)(以下、「エア」と称することもある。)と、石鹸液Sと、を混合し、内部に気泡を生じたムース状の石鹸液として吐出する装置である。図2に示すように、ソープディスペンサー1は、洗面器などが取り付けられている例えばカウンター等の取付基体50に設置され、使用者の動作によりムース状の石鹸液を吐出する。
【0016】
ソープディスペンサー1は、例えば金属製部材から構成された本体部10と、本体部10を取付基体50に固定する取付部20と、本体部10に送出する石鹸液Sを貯留するタンク部30と、タンク部30内の石鹸液S及び空気を本体部10に送出する電動のポンプ機構40と、を備えている。
【0017】
本体部10は、取付部20に被せるように取り付けられている。本体部10は、垂直方向に延びる円筒形状の収容部11と、収容部11の側面から収容部11の径方向外側に向かって略水平方向に突出したノズル60と、ノズル60の垂直方向上側を構成するとともに、収容部11の上側の開口である補給口15を塞ぐ蓋部12と、ノズル60に格納された吐出部材70と、ノズル60の下方に設けられ、物体の接近を検知するセンサ13と、ソープディスペンサー1を制御する制御部(図示せず)と、センサ13を収容するセンサ窓14と、を備えている。蓋部12は、補給口15を塞ぐ蓋に対応する部分と、ノズル60の上側の部分を構成している部分が一体に成型され、開閉可能に収容部11に設けられている。
【0018】
次に、図2及び図3を用いて、取付部20及び取付部20に形成された石鹸液S及び空気等が通る各経路について説明する。取付部20は、取付基体50上(設置面)に設置される設置部21と、設置部21と一体に形成され、取付部20を取付基体50に挿通して固定する固定部22と、を備えている。設置部21は、底板21aと、底板21a上の一部を囲むように立設された壁により形成された筒部21bと、を備えている。筒部21b内は収容部11内と連通しており、筒部21bと収容部11とが組み合わされて、補給された石鹸液Sが一時的に貯留される内部空間17が形成されている。また、底板21aの筒部21bが形成されていない部分の上方には、本体部10が取付部20に取り付けられた際に、センサ13が配される。
【0019】
固定部22には、内部空間17とタンク部30とを連通させる経路である連通経路(図示せず)と、エア抜きのための経路であるエア抜き管24と、が形成されている。連通経路は、補給口15、収容部11、設置部21及びタンク部30を連通させ、補給口15を介して収容部11に注がれた石鹸液Sは、内部空間17及び連通経路を通り、タンク部30内に貯留される。この、補給口15からタンク部30までの、補給された石鹸液Sが通る経路を流体補給経路(図示せず)と称する。
【0020】
エア抜き管24は、石鹸液Sをソープディスペンサー1に補給する際にタンク部30内のエア抜きを行う管であり、一端がタンク部30に接続され、他端(設置部21側の端部)がエア抜きチューブ24aに接続されて(図2図3)、当該エア抜きチューブ24aを介して吐出部材70の後述する送出部74(図4)と接続されている。石鹸液Sの補給の際にタンク部30内から送出されてきた空気は、エア抜き管24及びエア抜きチューブ24aを通り、送出部74及び後述する第2吐出口71bを経由してソープディスペンサー1の外部に排出される(図4)。この、タンク部30からソープディスペンサー1の外部までの経路を、エア抜き経路18と称する。エア抜き経路18は、補給口15よりも低い位置に形成されている。
【0021】
また、エア抜き経路18は、補給口15に注がれた石鹸液Sにより、タンク部30内が石鹸液Sで満たされた場合には、過剰分の石鹸液Sを、ソープディスペンサー1の外部に排出する経路の役割も果す。タンク部30からエア抜き経路18に石鹸液Sが過剰に流入した際には、送出部74から第2吐出口71bに向かって送出され、第2吐出口71bからソープディスペンサー1外に排出される(図2図3図4)。また、エア抜き経路18内の第2吐出口71bから排出されなかった石鹸液Sは、エア抜き経路18内にそのまま残り、消費によるタンク部30内の石鹸液Sの液面低下とともにタンク部30内に戻る。
【0022】
また、固定部22には、タンク部30内の石鹸液Sを吐出部材70に吸い上げて送出するための経路である吸い上げ経路25(図2)と、ポンプ機構40から送出された空気を吐出部材70に送出するための経路であるエア送出経路(図示せず)と、が形成されている。吸い上げ経路25は、タンク部30側の端部が、タンク部30内に配された吸い上げチューブ(図示せず)の一端に接続され、当該吸い上げチューブの他端は石鹸液Sに浸されている。また、吸い上げ経路25は、その設置部21側の端部が、タンク部30内に配されたものとは別の吸い上げチューブ25aに接続され(図2図3)、当該吸い上げチューブ25aを介して吐出部材70の後述する混合部72に接続されている。エア送出経路は、設置部21側の端部が、エア送出チューブ26aに接続され(図3)、当該エア送出チューブ26aを介して吐出部材70の後述する混合部72に接続されている。また、エア送出経路の他方の端部はポンプ機構40に接続されている。
【0023】
ポンプ機構40は、空気(図示せず)及び石鹸液Sを吸入して、これらを吐出部材70に送出する装置である。ポンプ機構40は、センサ13が物体の接近を検知すると、制御部から出力された駆動信号を受けて駆動し、石鹸液Sを吸上げて吸い上げ経路25を介して吐出部材70の混合部72に送出し、ソープディスペンサー1外から空気を吸入してエア送出チューブ26aを介して吐出部材70の混合部72に送出する。
【0024】
ノズル60は、下側半分が収容部11と一体に形成され、上側半分が蓋部12によって形成された中空の筒状の部材であり、その先端部には開口部61が形成されている。当該開口部61は、取付基体50に備えられた洗面ボウル(図示せず)上に配されるように形成されている。また、開口部61は、補給口15よりも低い位置に配されている。
【0025】
吐出部材70は、吐出口71と、混合部72と、混合部72から第1吐出口71aに向かう経路を塞ぐ位置に設けられたメッシュ部材73と、送出部74と、を備えている。吐出口71は、混合部72に連通し石鹸液Sと空気との混合液を吐出する第1吐出口71aと、送出部74に連通し、タンク部30内空間から送出されてきた空気及びエア抜き経路18に流入した過剰分の石鹸液Sを排出する第2吐出口71bと、を含んで形成されている。第2吐出口71bは、第1吐出口71aの近傍に形成されており、吐出部材70は、第1吐出口71a,71bが、開口部61近傍に配されるようにノズル60内に収容されている。
【0026】
混合部72は、吸い上げチューブ25a及びエア送出チューブ26aが接続され、石鹸液Sと空気とを混合させて第1吐出口71aに向けて送出する。送出された石鹸液Sと空気との混合液は、メッシュ部材73を通過することできめ細やかなムース状の石鹸液となり、第1吐出口71aから吐出される。第1吐出口71aから吐出されたムース状の石鹸液は、開口部61を介してソープディスペンサー1の外部に吐出される。
【0027】
送出部74は、第2吐出口71bを介してソープディスペンサー1の外部と連通している。送出部74は、エア抜きチューブ24aが接続され、タンク部30内空間から送出されてきた空気は、第2吐出口71bから排出される。また、タンク部30からエア抜き経路18に石鹸液Sが過剰に流入した際には、当該石鹸液Sは送出部74を通り、開口部61を介して第2吐出口71bからソープディスペンサー1の外部に排出される。
【0028】
次に、本実施形態に係るソープディスペンサー1の動作及び作用について説明する。使用者がソープディスペンサー1近傍に手を近づけると、センサ13が使用者の手の接近を検知し、制御部がポンプ機構40を駆動する。ポンプ機構40の駆動により、石鹸液Sが吸い上げチューブ25aを介して、また、空気がエア送出チューブ26aを介して吐出部材70に送出される。吐出部材70に送出された石鹸液S及び空気は、混合部72で混ざり合い、さらに連続して送出されてくる石鹸液S及び空気により、空気及び石鹸液Sの混合液が混合部72から押出されて、メッシュ部材73を通過する。混合液がメッシュ部材73を通過することによって、きめ細やかなムース状の石鹸液が生成され、第1吐出口71aからムース状の石鹸液が吐出される。
【0029】
また、ソープディスペンサー1への石鹸液Sの補給は、蓋部12を開けて補給口15から石鹸液Sを注ぎ、流体補給経路を介してタンク部30に充填させることで完了する。この時、タンク部30内の空気は、エア抜き経路18を経由して、第2吐出口71bから外部に排出される。また、補給口15に注がれた石鹸液Sにより、タンク部30内が石鹸液Sで満たされ、石鹸液Sが過剰にエア抜き経路18に流入した際には、過剰分の石鹸液Sは送出部74から第2吐出口71bに向かって送出され、第2吐出口71bからソープディスペンサー1外(洗面ボウル)に排出される。
【0030】
上述した本実施形態に係るソープディスペンサー1は、石鹸液Sが貯留されたタンク部30と、石鹸液Sが補給される補給口15と、タンク部30内に貯留された石鹸液Sが吐出される吐出口71を有する吐出部材70と、一端がタンク部30に接続され、タンク内空間を外部に連通させるエア抜き経路18と、を備え、エア抜き経路18が、補給口15よりも低い位置に形成されるとともに、タンク部30が石鹸液Sで満たされた際にタンク部30からの石鹸液Sの流入が可能に形成され、タンク部30からエア抜き経路18に流入した石鹸液Sが、吐出口71から排出される。
【0031】
このような構成により、本実施形態に係るソープディスペンサー1は、補給された石鹸液Sによりタンク部30内が石鹸液Sで満たされた際には、過剰分の石鹸液Sは、補給口15から溢れることなく、タンク部30に接続されたエア抜き経路18に流入し、吐出口71から洗面ボウルに排出される。従って、過剰分の流体が補給口15から溢れ出ることを抑制することができるため、補給口15から溢れ出た流体が、取付基体50上(設置面)を汚すことを抑制することが可能となる。
【0032】
また、タンク部30内が石鹸液Sで満たされ、石鹸液Sが過剰にエア抜き経路18に流入した際には、過剰分の石鹸液Sが吐出口71から排出されるため、タンク部30の満水を視覚的に確認することができる。そのため、タンク部内に十分な量の石鹸液Sが補給されたことの把握が容易である。
【0033】
また、上述した本実施形態に係るソープディスペンサー1は、吐出部材70が、タンク部30内に貯留された石鹸液Sを空気と混合させて吐出口71に送出する混合部72と、タンク部30からエア抜き経路18に流入した石鹸液Sを吐出口71に向かって送出する送出部74と、を有している。従って、吐出部材70において、タンク部30内に貯留された石鹸液Sと空気とを混合させることができるとともに、石鹸液Sが過剰にエア抜き経路18に流入した際には、過剰分の石鹸液Sを吐出部材70を経由して吐出口71から排出させることができるため、ソープディスペンサーの構造を容易とすることができる。
【0034】
以上、説明した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、当該実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のソープディスペンサーの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0035】
例えば、上記実施形態においてソープディスペンサー1は、石鹸液Sの他空気を含む構成としたが、これに限定されることはない。例えば、石鹸液S以外のものを含まない構成としてもよく、また、石鹸液Sを希釈する水、薬液等の液体や、空気以外の気体を流体として石鹸液Sと混合してもよい。さらに、上記実施形態においてソープディスペンサー1は、ムース状の石鹸液を吐出する構成としたが、これに限定されることはなく、ムース状でなくてもよい。
【0036】
また、上記実施形態においてソープディスペンサー1は、電動のポンプ機構40を備える構成としたが、これに限定されることはなく、手動式のポンプ機構を用いてもよい。
【0037】
また、上記実施形態において吐出部材70は、石鹸液Sと空気との混合液を吐出する第1吐出口71aと、タンク部30内の空気及び過剰分の石鹸液Sを排出する第2吐出口71bと、が別に形成され、第2吐出口71bは第1吐出口71aの近傍に形成される構成としたが、これに限定されることはなく、まとめて1つの吐出口から石鹸液Sと空気との混合液を吐出し、タンク部30内の空気及び過剰分の石鹸液Sを排出する構成としてもよい。例えば、混合部72から送出された石鹸液Sと空気との混合液と、送出部74から送出されたタンク部30内の空気及び過剰分の石鹸液Sと、が同一の経路を通ることにより混ざり合い、1つの吐出口から排出される構成としてもよい。
【0038】
また、上記実施形態において吐出部材70は、ノズル60の開口部61の近傍に配される構成としたが、これに限定されることはない。例えば、ノズル60内の開口部61より奥まった位置や、収容部11内に配されていてもよい。この場合、吐出口71に適宜な管状部材を接続し、当該管状部材を開口部61近傍まで延ばして、開口部61を介して石鹸液Sと空気の混合液、タンク部30内の空気及び過剰分の石鹸液Sを排出する構成としてもよい。
【0039】
また、上記実施形態において吐出部材70は、メッシュ部材73を備える構成としたが、これに限定されることはなく、例えば、メッシュ部材73を備えない構成としてもよく、吐出部材70の外部にメッシュ部材73を配する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 ソープディスペンサー
10 本体部
15 補給口
30 タンク部
70 吐出部材
71a,b 吐出口
72 混合部
74 送出部
図1
図2
図3
図4