特許第6796021号(P6796021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796021
(24)【登録日】2020年11月17日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】遊技用システム及び遊技用装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20201119BHJP
【FI】
   A63F7/02 350Z
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-83708(P2017-83708)
(22)【出願日】2017年4月20日
(65)【公開番号】特開2018-175712(P2018-175712A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2020年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
【審査官】 荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−112086(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3136514(JP,U)
【文献】 特開2015−66053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機に対応して設けられた複数の遊技用装置と、当該複数の遊技用装置に対して予め定められた特別演出を実行させるための特別信号を送信する管理装置とを備えた遊技用システムにおいて、
前記遊技用装置は、
前記特別演出を実行する基準時刻を決定する時刻決定手段と、
前記特別信号を受信する受信手段と、
前記特別信号を受信した受信時刻が、前記基準時刻を基準にして決定される時刻の範囲である実行時刻範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記受信時刻が前記実行時刻範囲に含まれる場合に前記特別演出を実行する一方、前記受信時刻が前記実行時刻範囲に含まれない場合には前記特別演出の実行を抑制する特別演出実行手段と、
を備えたことを特徴とする遊技用システム。
【請求項2】
前記特別演出実行手段は、前記受信時刻が前記実行時刻範囲に含まれる場合に前記特別演出を実行する一方、前記受信時刻が前記実行時刻範囲に含まれない場合には、当該特別演出とは異なる通常演出を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技用システム。
【請求項3】
前記管理装置は、複数の前記遊技用装置に対して前記特別信号を一斉送信するものであり、
前記特別演出実行手段は、前記受信時刻が前記実行時刻範囲に含まれる場合、前記基準時刻になっていなくとも前記特別演出を実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技用システム。
【請求項4】
予め定められた特別演出を実行する基準時刻を決定する時刻決定手段と、
遊技場の管理装置から前記特別信号を受信する受信手段と、
前記特別信号を受信した受信時刻が、前記基準時刻を基準にして決定される時刻の範囲である実行時刻範囲に含まれるか否かを判定する判定手段と、
前記受信時刻が前記実行時刻範囲に含まれる場合に前記特別演出を実行する一方、前記受信時刻が前記実行時刻範囲に含まれない場合には前記特別演出の実行を抑制する特別演出実行手段と、
を備えたことを特徴とする遊技用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技用システム及び遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では、遊技者に対して様々な演出を行っている。例えば特許文献1には、複数の遊技用装置(遊技情報表示装置)が同時に情報を表示する演出を実行することが記載されている。複数の遊技用装置が同時に情報を表示することで、表示内容に対する遊技者の注目度を高くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−70762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の遊技用装置が同期した演出を実行する場合、実行タイミングがずれることや実行内容が異なることがあり、遊技者の注目度を十分に高くすることができない虞がある。したがって、複数の遊技用装置による演出を実行する上で未だ改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数の遊技用装置による演出を実行し易くすることができる遊技用システム及び遊技用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1及び請求項4の発明によれば、管理装置が複数の遊技用装置に対して送信した特別信号を受信することで特別演出を実行するので、時刻によるスケジュールだけで特別演出を実行する構成に比べて、各遊技用装置の時刻にずれが生じることで特別演出が揃わなくなる可能性を低減できる。また、特別信号を受信したことに加えて受信時刻が実行時刻範囲に含まれる場合に特別演出を実行するので、特別信号を受信した際に特別演出を実行する場合と実行を抑制する場合とがある場合に、複数の遊技用装置の一部が意図せず特別演出を実行してしまうことや、複数の遊技用装置の一部が意図せず特別演出の実行を抑制してしまうことを低減できる。これにより、複数の遊技用装置による演出を実行し易くできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態における遊技用システムを概略的に示す図
図2】遊技情報表示装置の正面図
図3】管理装置及び遊技情報表示装置の構成を示す機能ブロック図
図4】通常演出と特別演出との実行過程を示す図
図5】スペック表の一例を示す図
図6】通常演出時の光フロー演出を時系列で示す図
図7】光フロー演出による光軌跡を示す図(その1)
図8】光フロー演出による光軌跡を示す図(その2)
図9】特別演出時の光イルミネーションを示す遊技情報表示装置の正面図
図10】遊技情報表示装置による演出用処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技用システムの全体構成を概略的に示している。遊技場には、遊技機1に対応して貸出装置2及び遊技情報表示装置(以下、情報表示装置)3(遊技用装置)が設置されている。2台の遊技機1、2台の貸出装置2及び2台の情報表示装置3は1台の中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6に接続されている。管理装置6は、遊技場内の例えば管理室に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード7、モニタ8やプリンタ(図示せず)等が組み合わされて構成されている。尚、図1では省略しているが、数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となる。又、本実施形態では遊技機1がパチンコ遊技機であることから、遊技価値(遊技媒体)はパチンコ玉である。遊技機1がスロットマシンであれば、遊技価値はメダルである。貸出装置2は、遊技機1の遊技により遊技者が獲得した獲得媒体を計数する所謂各台計数機としての機能と、対価と引換えに遊技価値を付与(貸出)する所謂貸出機としての機能とを備えている。
【0009】
遊技機1は、遊技媒体としての玉(遊技価値。所謂パチンコ玉)を盤面に発射するためのハンドル9、玉を入賞させるための普図入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、玉の入賞に応じて表示図柄が変動する液晶表示部13、大当り状態時に開放する大入賞口14、玉が払出される上皿15、及び上皿15から溢れた玉を一時的に貯留する下皿16等を備えている。遊技機1は、第1始動口11或いは第2始動口12への玉の入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、その抽選結果に基づき所謂特別図柄(特図)による図柄変動を液晶表示部13にて実行する。そして、液晶表示部13に停止表示された図柄が大当り図柄の場合に大当り状態を発生させる。
【0010】
第1始動口11は入賞率が変動しない所謂ヘソタイプの入賞口である一方、第2始動口12は普図入賞口10への入賞に伴って行われる普図抽選の抽選結果により入賞率が変動する所謂電チュータイプの入賞口である。第1始動口11または第2始動口12への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部13において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当り状態となる。図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0011】
大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/360で、大当り状態がその後確変状態(確変)となる大当り状態(確変大当り状態)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当り状態が発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口14を開放する。尚、1Rの上限入賞数は10個、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間のいずれかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0012】
確変状態中は大当り確率が1/36に向上すると共に、第2始動口12への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変状態は次回大当り状態まで継続する為、大当り状態後に大当り状態でも確変状態でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り状態(通常大当り状態)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後通常状態へと戻る。
【0013】
第2始動口12は普図入賞口10への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口12の入賞率が高くなる。
【0014】
遊技機側からは遊技の進行に伴って次の信号が出力される。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから出力される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定。尚、遊技機1から出力される信号でも良い。
【0015】
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号。入賞に応じて払出される払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
【0016】
始動信号=遊技機1から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部13(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号。図柄変動確定時に出力されるので信号入力に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート(スタート処理数)として特定する。尚、始動口に入賞したことを示す信号としても良い。
【0017】
大当り信号=遊技機1から出力される大当り状態期間を特定可能な信号。大当り状態中にレベル出力される状態信号なので大当り信号入力中を大当り状態中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口12の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号入力中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号のいずれも入力していない期間を通常状態として特定する。
【0018】
売上信号=貸出装置2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号。遊技者に対する有価価値を対価とした売上玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、売上玉数×貸単価を売上額として特定。
【0019】
貸出装置2は、紙幣(貨幣、遊技有価価値)が投入される紙幣投入口17、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部18、貯玉を払出すための払出ボタン19、払出された玉が通過する払出ノズル20、一般カード21或いは会員カードが挿入されるカード挿入口22、遊技機1の下皿16の下方に位置する着脱可能な計数受皿23等を備えている。
【0020】
貸出装置2は所謂各台計数機能付の貸出機であり、受付けた貨幣の内、貸出の対価を減じた残高、及び計数した持玉の内、再プレイ処理により払戻した残りの持玉を特定可能な一般カード21を発行(発行処理)可能な装置である。残高とは遊技者が入金した貨幣額から貸出処理を行った対価額を除いた遊技者の利用可能額を示している。持玉とは遊技者が獲得した遊技価値を示し、計数した獲得遊技価値から再プレイ処理により付与した遊技価値や交換した景品の対価となった遊技価値を除いた遊技価値を示している。
【0021】
貸出装置2は貨幣受付時には貸出単位(125玉)分の貸出処理を行い、その残りを残高として記憶し、その後は残高がある限り、貸出釦の押下に応じて残高の内、貸出単位分を1回の操作の上限として玉を貸出す貸出処理を行う。即ち、貸出装置2は、貨幣を受付すると、遊技機1と貸出装置2の双方に入金額を表示すると共に貸出1単位(例えば500円)分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1から払出す貸出処理を実行し、その貸出処理に応じて入金額の表示を貸出玉の対価を除いた残高を表示する。尚、貨幣は複数回分の貸出処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。そして、残高がある状態で遊技機1の貸出釦が押下られると貸出1単位分の貸出玉を遊技機1から払出し、その対価分を残高から引落す。
【0022】
遊技機1の下皿16のレバーを操作して下皿16を開放すると下皿16の獲得玉(獲得価値)が計数受皿23で受けられて貸出装置2へと流れるので、貸出装置2は、その獲得玉を持玉として計数処理する。持玉は貸出装置2に表示され、貸出装置2の払出ボタン9を押下すると持玉の一部を払出し(再プレイ処理、払戻処理)、その払出分の持玉数を減算する。
【0023】
残高または持玉が残存する状態で遊技機1に設けられている図示しない返却釦を押下(発行操作を受付)すると、貸出装置2は、残高及び持玉を特定可能な一般カード21を発行する。この場合、貸出装置2における液晶表示部18の操作により持玉の一部のみを発行対象とする分割発行も可能である。
【0024】
尚、一般カード21は持玉をPOS、残高を残高精算機(精算機)にて精算可能で、精算した場合、精算対象とならなかった残高または持玉があれば遊技者に返却される一方、いずれもなければ回収される。
【0025】
図2は情報表示装置3の正面図である。情報表示装置3は、遊技情報を表示するためのデータ表示部24、遊技場の従業員を呼出すときに遊技者が押下する呼出ボタン25、遊技情報の表示を切替えるときに遊技者が押下するデータ切替部26、イルミネーション部27等を備えている。
【0026】
データ表示部24はセグメント表示部28と液晶表示部29とから構成されている。セグメント表示部28は図示しない複数の7セグメントLEDと大当り回数表示部30とを並べて構成されている。図示しない複数の7セグメントLEDにより、当日の大当り回数、前回の大当り状態後に発生した始動入賞回数、当日の大当り状態のうち確変大当り状態の回数、並びに、前日の大当り状態数及び確変大当り状態数、前々日の大当り状態数及び確変大当り状態数等の遊技情報が表示される。
【0027】
大当り回数表示部30はデータ表示部24の中央、つまり情報表示装置3の中央に配置されており、第1〜第3の7セグメントLED30a〜30cから構成されている。大当り回数表示部30は当日の大当り状態数(遊技機1がスロットマシンの場合は、BB、ART)を表示するもので、当日の大当り状態数を0〜999まで表示可能となっている。
【0028】
セグメント表示部28には複数の各種操作ボタン31が設けられており、それらの各種操作ボタン31に対する操作によりセグメント表示部28に表示される遊技情報を切替え可能となっている。
【0029】
一方、液晶表示部29には、過去7回分の大当り状態における遊技情報が、数値(遊技機1がパチンコ遊技機の場合は確変大当り状態時の連荘数)及びグラフ(大当り状態間の始動入賞回数)により履歴として表示される。液晶表示部29に表示される遊技情報は、データ切替部26を操作することにより切替え可能である。
【0030】
イルミネーション部27は、図2に示すようにデータ表示部24の上側に位置する上側発光部32及び33と、データ表示部24の下側に位置する下側発光部34及び35とから構成されている。各発光部32〜35は、左右方向に配列された複数のLED32a〜35aを透光性の樹脂カバー32b〜35bでそれぞれ覆ってなる。
【0031】
各発光部32〜35の樹脂カバー32b〜35bにおいて情報表示装置3の中央側となる一方の端面32b1〜35b1は、セグメント表示部28の当日の大当り回数表示部30を臨む形状に形成されている。
【0032】
図3は、管理装置6及び情報表示装置3の構成を示す機能ブロック図である。管理装置6は、CPU36a、ROM36b、RAM36c等を有するマイクロコンピュータにより構成される制御部36、遊技機1側の機器との間でLAN5や中継装置4を介して各種情報の通信を行うためのインターフェース(以下、I/F)37等を備えて構成されている。制御部36は、ROM36b等に記憶されているプログラムに従って作動し、遊技機1側の機器からの遊技信号に基づいて、遊技機1の稼動状態を管理すると共に各種データの特定や集計した結果を管理する。例えば、遊技情報として、アウト、セーフ、差玉、スタート回数(図柄変動の回数)、特賞回数(大当り回数)、出玉率、売上等の遊技情報を遊技機毎に算出及び集計して管理する。また、会員カードを用いる遊技者の持玉を会員IDに対応付けた貯玉として管理する。
【0033】
情報表示装置3は、CPU38a、ROM38bやRAM38c等を有するマイクロコンピュータにより構成される制御部38(時刻決定手段、判定手段、特別演出実行手段)、管理装置6や対応する遊技機1等との間で各種情報の通信を行うためのI/F39(受信手段)等を備えて構成されている。制御部38は、ROM38b等に記憶されているプログラムに従って作動し、遊技機1側の機器からの遊技信号に基づいて対応する遊技機1の遊技情報を表示する。
【0034】
ところで、情報表示装置3は遊技者に対して様々な演出を行っているが、複数の情報表示装置3が同期して予め定められた特別演出を一斉に実行する場合、遊技者の注目度が高くなり特別演出の効果を十分に発揮させることができる。このように複数の情報表示装置3が同期して特別演出を実行するには、各情報表示装置3が内部時刻に同期して特別演出を実行する構成が考えられる。この場合、例えば開店処理時に管理装置6からの指令に応じて各情報表示装置3の内部時刻を同一時刻とすることで同期させることができるものの、内部時刻が時間経過に伴って互いにずれてしまうことは避けられない。このため、特別演出の開始タイミングが徐々にずれてしまい、特別演出の効果を十分に発揮させることは困難である。
【0035】
そこで、管理装置6から各情報表示装置3に対して特別信号を出力し、情報表示装置3が特別信号の入力タイミングで特別演出を実行する構成が考えられる。このようによれば、各情報表示装置3は特別演出を同期して実行することができる。
【0036】
しかしながら、このような構成では、情報表示装置3が同期して特別演出を実行することはできるにしても、特別演出以外の他の演出を同期して実行することはできず、結局、遊技者の注目度を十分に高くすることができないのが実情である。
【0037】
このような事情から、情報表示装置3は、図4に示すようにN分周期で特別演出を実行すると共に、特別演出を実行していない期間においては通常演出を同期して実行可能とした。本実施形態では、特別演出は、特別演出用の画像を表示するもので例えば5分毎に同期して実行する。通常演出は、所定の複数の稼動時の通常画面または非稼動時の通常画面をローテンション表示するもので、特別演出を実行する基準時刻の前後30秒の実行時刻範囲を外れていた期間において例えば1分毎に同期して実行する。
【0038】
特別演出用の画像データは予め記憶している複数種類の設定情報の中からいずれの画像を表示するかを一義的に決定する。設定情報としては、例えば店舗画像、機種情報、機種画像の有無が選択可能である。機種情報としては、図5に示すスペックを示す画像(例えば、機種に対応したキャラクタとその機種の大当り確率を示すメッセージ)が複数機種分(機種情報A、機種情報B等)設定されている。
【0039】
以上のような特別演出及び通常演出を実行するために、管理装置6は次のように構成されている。
(1)従業員の操作により情報表示装置3に何分毎(1分〜60分の中から選択)で特別演出を行わせるかが設定可能であり、設定操作の終了時に情報表示装置3に設定情報を設定信号により送信する。
(2)開店処理時に現在時刻の情報を含む時刻合わせ信号を情報表示装置3に送信する。
(3)遊技場内の全ての情報表示装置3に対して所定周期毎(例えば1分毎)に特別信号を送信する。
尚、管理装置6は、上記各信号を全ての情報表示装置3に対して一斉送信する。
【0040】
一方、情報表示装置3は、次のように構成されている。
(1)電源投入時に記憶している設定情報に基づいて特別演出を実行する基準時刻を決定する。尚、この基準時刻の決定は1日分(営業時間内分)行う。
(2)管理装置6から設定信号を受信した場合、記憶している設定情報を更新する。
(3)管理装置6から時刻合わせ信号を受信した場合、内部時刻を時刻合わせ信号が示す現在時刻に変更する。
【0041】
(4)管理装置6から特別信号を受信した場合、受信時刻(受信した際の現在の内部時刻)を参照する。受信時刻が基準時刻のであれば特別演出(画像表示)を実行し、前後30秒以内から外れていた場合は通常演出を実行する。このように特別演出を実行する範囲として基準時刻の前後30秒が設定されているのは、特別信号の受信間隔が1分であり、前後の通常演出の実行タイミングとの中間となるタイミングだからである。また、上述したように開店処理時に情報表示装置3の内部時刻が管理装置6の内部時刻と完全に同期し、その後に管理装置6の内部時刻とずれてしまうことがあったとしても、それぞれの内部時刻の精度は極めて高く互いに30秒を超えてずれてしまうことがないからである。
【0042】
図10は情報表示装置3の動作のうち演出用処理を示すフローチャートである。情報表示装置3は、電源が投入されると動作開始し、基準時刻決定前か(S1:NO)、時刻合わせ信号を受信したか(S3:NO)、設定信号を受信したか(S5:NO)、特別信号を受信したか(S8:NO)を判定するようになる。基準時刻決定前かの判定は、特別演出を実行する基準時刻を決定済みか否かで判定する。
【0043】
ここで、基準時刻は電源OFFでRAMクリアするので、電源投入時は基準時刻決定前と判定し(S1:YES)、予め記憶している設定情報に基づいて特別演出を実行する基準時刻を決定する(S2)。この際、特別演出として表示する画像が複数設定されている場合は、いずれの時刻にいずれの画像を表示するかも同時にスケジュールする。例えば、9時の営業開始で5分毎に特別演出を実行するように設定されている場合、9時5分に店舗画像(画像1)、9時10分に機種情報(画像2)等を表示する。このスケジュールは、情報表示装置3の電源投入タイミングに関わらず、設定情報に基づいて一義的に決定する。このため、複数の情報表示装置3の電源投入タイミングにずれが生じた場合であっても、設定情報が同じであれば、基準時刻や表示する画像の順番は同一になる。
【0044】
管理装置6は、管理者により開店処理が行われた場合は、現在時刻の情報を含む時刻合わせ信号を情報表示装置3に出力する。
情報表示装置3は、管理装置6から時刻合わせ信号を受信した場合は(S3:YES)、内部時刻を時刻合わせ信号が示す現在時刻に変更する(S4)。
【0045】
管理装置6は、営業開始時刻が9時の場合は9時1分から1分毎に情報表示装置3に特別信号を送信する。この特別信号は中継装置4を介して情報表示装置3に送信される。この場合、管理装置6が送信した信号はそのまま情報表示装置3に送信されるが、管理装置6が送信したパルス信号とは異なるパルス信号を中継装置4が情報表示装置3に間接的に送信するようにしても良い。
【0046】
情報表示装置3は、管理装置6から9時1分に特別信号を受信すると(S8:YES)、基準時刻の前後30秒以内かを判定する(S9)。つまり、基準時刻の前後30秒以内が実行時刻範囲に設定されていることから、特別信号の受信タイミングが実行時刻範囲に含まれているか否かを判定するのである。この場合、特別信号の受信時刻は特別信号の受信タイミングにおける内部時刻で判定しており、最初の基準時刻である9時5分の前後30秒から外れているので(S9:NO)、通常演出を開始する(S11)。これにより、各情報表示装置3は9時1分に通常演出を開始するので、各情報表示装置3により通常演出が同期して行われる。通常画面のローテンション表示は特別演出の画像表示を基準として行っており、情報表示装置3の電源投入タイミングがずれていてもローテンション表示する画像は一致する。
【0047】
ここで、通常演出の実行時には光フロー演出が同時に行われる。この光フロー演出は通常演出のみに対応し、特別演出には対応しないものである。
図6は通常演出と同時に行われる光フロー演出を示している。図6では、左上から右下に流れる光フロー演出を(a)〜(i)の時系列で順に示しており、(a)〜(i)時点毎の発光制御について簡単に説明する。
【0048】
(a)上側発光部(左側)32におけるLED32a右側に向かって光が延びるように順次発光させる。尚、発光したLED32aの発光状態は維持される。
(b)〜(h)7セグメントLED30a〜30cを構成する所定のセグメント(図6中に斜線で示す)を順に発光させる。尚、発光したセグメントの発光状態は維持される。
【0049】
(i)下側発光部(右側)35におけるLED35aを右側に向かって光が延びるように順次発光させる。尚、発光したLED35aの発光状態は維持される。
以上のような発光動作により、光フロー演出による光軌跡は、図7に示すように上側発光部(左側)32において右方向に向かって流れてから、大当り回数表示部30で斜め右下方向に向かって流れ、最後に下側発光部(右側)35において右方向に向かって流れる。
【0050】
この後、光フロー演出による光軌跡は、図8に示すように上側発光部(右側)33において左方向に向かって流れてから、大当り回数表示部30で斜め左下方向に向かって流れ、最後に下側発光部(右側)35において左方向に向かって流れる。
【0051】
以上のような発光制御の結果、左上の上側発光部(左側)32から表示部30を介して右下の下側発光部(右側)35に向かう第1軌跡が形成される共に、右上の上側発光部(右側)33から表示部30を介して左下の下側発光部(左側)34に向かう第2軌跡が形成され、第2軌跡が形成された状態では、第1軌跡と第2軌跡とが交差する形態となる。
【0052】
制御部36は、上述したような1回の光フロー演出が終了すると、発光状態を維持していた各発光部32〜35のLED32a〜35a、及び表示部30における第1〜第3の7セグメントLED30a〜30cのセグメントの発光状態を終了(消灯)してから、通常演出が終了するまで同様な光フロー演出を繰返して実行する。
【0053】
以後、管理装置6から9時2分、3分、4分の1分毎に特別信号が出力されるので、それに応じて各情報表示装置3による通常演出が同期して行われる。
そして、管理装置6から基準時刻である9時5分に特別信号が出力されると、情報表示装置3は、基準時刻である9時5分の前後30秒以内に特別信号を受信したと判定し(S8:YES、S9:YES)、特別演出を開始する(S10)。これにより、各情報表示装置3は9時5分に特別演出を開始するので、各情報表示装置3による特別演出が同期して行われる。
【0054】
特別演出は特別演出用の画像表示が主体であるが、特別演出の実行時にオプションとして光イルミネーションの有無も設定可能である。光イルミネーションが有に設定されている場合は、イルミネーション部27によるイルミネーション点滅後に特別演出用の画像が表示される。つまり、図9に示すように、情報表示装置3のイルミネーション部27のLED32a〜35aを全て点灯すると共に大当り回数表示部30の7セグメントLED30a〜30cを構成する所定のセグメント(図9中に斜線で示す)をX状に点灯するもので、この状態で点滅を2回繰り返すことにより「X」の文字が2回表示されたように見える。このように各情報表示装置3は特別信号の受信に応じて同期して光イルミネーションを一斉に実行するので、遊技者が次に実行される特別演出を注目するようになる。
【0055】
ここで、情報表示装置3は、実行時刻範囲に特別信号を受信した場合、基準時刻まで待機することなく特別演出を直ちに開始する。つまり、実行時刻範囲に特別信号を受信した場合、基準時刻になっていなくとも特別演出を実行する。
以上のような動作により、情報表示装置3により5分毎に特別演出が実行される一方、特別演出が実行されていない場合は1分毎に通常演出が実行される。
【0056】
管理者が情報表示装置3の演出内容を変更するために管理装置6に対して設定操作を行うと、管理装置6は設定情報を示す設定信号を情報表示装置3に出力する。
情報表示装置3は、設定信号を受信した場合は(S5:YES)、設定情報を変更し(S6)、その設定情報に基づいて特別演出を実行する基準時刻を変更する(S7)。
以後においては、情報表示装置3は、変更した基準時刻の前後30秒以内の実行時刻範囲に管理装置6から特別信号を受信した場合は特別演出を他の情報表示装置3と同期して実行し、その実行時刻範囲以外で特別信号を受信した場合は通常演出を他の情報表示装置3と同期して実行する。
【0057】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
情報表示装置3は、管理装置6が送信した特別信号を受信することで特別演出を実行するので、内部時刻によるスケジュールだけで特別演出を実行する構成に比べて、各情報表示装置3の時刻にずれが生じることで特別演出が揃わなくなる可能性を低減できる。
【0058】
特別信号を受信したことに加えてその受信時刻が基準時刻の前後30秒以内の実行時刻範囲に含まれる場合に特別演出を実行するので、特別信号を受信した際に特別演出を実行する場合と実行を抑制する場合とがある場合に、複数の情報表示装置3の一部が意図せず特別演出を実行してしまうことや、複数の情報表示装置3の一部が意図せず特別演出の実行を抑制してしまうことを低減できる。これにより、複数の情報表示装置3による演出を実行し易くできる。
【0059】
特別信号を受信した際に特別演出を実行する場合と通常演出を実行する場合とがある場合に、複数の情報表示装置3の一部が意図せず特別演出を実行してしまうことや、複数の情報表示装置3の一部が意図せず通常演出を実行してしまうことを抑制できる。
【0060】
特別信号を受信した場合、基準時刻になるのを待機することなく特別演出を実行するので、複数の情報表示装置3毎の内部時刻が若干ずれていても特別演出の実行タイミングを揃えることが可能になる。
【0061】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張したり、各変形例を上記実施形態と組み合せたり、各変形例を組み合わせるようにしても良い。
例示した遊技機以外の遊技機に適用しても良く、遊技機としてメダルを使用することなくクレジットを消費することで遊技が進行するクレジット式スロットマシンが設置された遊技場に対応することも可能である。
【0062】
遊技用装置として情報表示装置を例示したが、その他の装置を遊技用装置として採用することも可能である。例えば、貸出機を遊技用装置として採用する構成が考えられる。
管理装置として、台情報の集計管理を行う装置であり、遊技場内に1台設けられた装置を例示したが、かかる構成に限定されるものではない。例えば管理装置として遊技機を設置した遊技島の管理を行う島管理装置を採用することも可能である。この場合、島管理装置が、島内に設置された情報表示装置に特別信号を送信する構成等が考えられる。
【0063】
基準時刻の決定方法を任意に変更しても良い。例えば電源投入時に決定するのではなく、所定時間周期(1時間等)で予め記憶している基準時刻を読み出す構成や、電源投入の後、所定時間(1時間等)が経過したタイミングで基準時刻を読み出す構成等が考えられる。
【0064】
実行時刻範囲として基準時刻の前後30秒を例示したが、かかる構成に限定されず、例えば実行時刻範囲を基準時刻の前後10秒とする構成や、基準時刻が過ぎてから30秒以内とする構成等にしても良い。
【0065】
特別演出の実行を抑制する構成として特別演出を実行せず通常演出を実行する構成を例示したが、特別演出の実行を抑制する構成として、単に特別演出を実行しない構成(通常演出も実行しない構成)や、実行時刻範囲に特別信号を受信した場合に比べて遊技者が認識し難いように特別演出を実行する構成(短い時間行う構成や、小さく表示を行う構成)等が考えられる。
【0066】
特別演出や通常演出の内容を任意に変更しても良く、例えば特別演出として画像表示ではなく音声の出力や光イルミネーションを同時に実行する構成や、通常演出として画像表示のみを実行する構成が考えられる。
【0067】
例示したものとは異なる特別演出の具体例として画像の表示と同時に光イルミネーションを行うものが考えられる。例えば光イルミネーションはとしてX形状に点滅し、それと同時に画像表示開始を行い、続いて左上右上、左下、右下部分のLEDが1秒周期で点滅するようにしても良い。本構成では、画像表示を開始した後に、X形状の点滅を行ってから1秒周期の点滅を行う光イルミネーションを画像表示が終了するまで繰り返すようにしても良い。
【0068】
特別信号に実行する特別演出の内容の情報が含まれる構成にしても良い。
特別演出を複数の情報表示装置が同時に行う構成にしたが、かかる構成に限定されず、例えば複数の情報表示装置が1秒ずつずれて特別演出を開始する等、同期した状態で特別演出を実行する構成が考えられる。本構成では、特別信号に情報表示装置のIDに応じた特別演出の開始タイミングを含ませる構成や、情報表示装置が特別信号を受信してから特別演出を実行するまでの時間情報を予め記憶しておく構成が考えられる。また、特別演出として複数の情報表示装置が同じ演出を実行する構成にしたが、複数の遊技情報表示で実行する特別演出の内容が異なっていても良い。
【0069】
特別信号を受信した際の情報表示装置側の内部時刻で受信時刻を判断する構成にしたが、受信時刻の決定方法を変更しても良く、例えば特別信号に時刻情報が含まれており、その時刻情報を受信時刻とする構成が考えられる。
【0070】
基準時刻として2つの時刻を設けるようにしても良い。例えば5分毎と10分毎に基準時刻を設定し、異なる特別演出を実行するようにしても良い。この場合、10分毎に基準時刻が重複するが、その場合は優先度が高く設定されている特別演出を実行したり、交互に実行したりすれば良い。
【0071】
時刻合わせ信号を営業開始時に限らず定期的に管理装置から情報表示装置に送信しても良い。
特別信号を情報表示装置に対する割込信号とし、情報表示装置による特別演出や通常演出を特別信号の割り込みにより同期して実行するようにしても良い。
【0072】
例示した情報表示装置が備えている機能の一部を管理装置が備えている構成としても良いし、例示した管理装置が備えている機能の一部を情報表示装置が備えている構成としても良い。
【符号の説明】
【0073】
図面中、1は遊技機、3は遊技情報表示装置、6は管理装置、38は制御部(時刻決定手段、判定手段、特別演出実行手段)、39はI/F(受信手段)である。
図1
図2
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図5
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図7
図8
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図10