(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態を説明するための全図において同一の機能を有するものは、特に断らない限り、同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0012】
<<第一の実施形態>>
本発明の第一の実施形態を説明する。本実施形態では、他車両との衝突リスクの判定に、自車両と他車両との位置関係だけでなく、例えば、盛り土(バーム)のような、自車両周辺の安全設備の情報や車両の走行データ、緒元をさらに用いる。まず、本実施形態の安全運転支援システム100が使用される環境を、
図1(a)を用いて説明する。
【0013】
本実施形態の安全運転支援システム100は、鉱山での使用を想定している。鉱山では、例えば、複数台の大型重機車両110、130と、一般車両140a、140bとが混在して稼働する。また、大型重機車両110、130が走行する走行路122の路面上には、路肩がわかるように盛り土(バーム)120が形成される。
【0014】
大型重機車両110、130は、例えば、ダンプトラックやショベル等である。また、一般車両140a、140bは、公道を走行可能な通常の車両である。一般車両140a、140bは、例えば、大型重機車両110に人員を運搬したり、メンテナンス作業員を運搬したりするために用いられる。
【0015】
バーム120は、
図1(b)に示すように、搬送路(走行路)122とその他の領域とを区別するため、基本的に走行路122沿いに連続して形成される。バーム120は、場所により様々な高さを有する。例えば、大型重機車両110の車輪110wの直径より十分高い5m程度の高さのもの、大型重機車両110が乗り越えるリスクもある1m程度の高さのものなどがある。
【0016】
また、バーム120には、
図1(a)に示すように、一般車両140a、140bが走行路122の内外を行き来可能なように、隙間121が設けられる。隙間121は、例えば、一般車両140は通行可能だが、大型重機車両110は、通行不可な幅で設けられる。隙間121は、例えば、走行路122と同高度とする。
【0017】
なお、
図1(a)では、2台の大型重機車両110、130および2台の一般車両140a、140bが存在し、大型重機車両110に安全運転支援システム100が搭載される場合を例示する。しかしながら、車両数は、これに限定されない。また、車種もこれに限定されない。例えば、ホイールローダー、グレーダー等が含まれてもよい。また、安全運転支援システム100を搭載する車両数もこれに限定されない。なお、一般車両140a、140bについては、以下、特に区別する必要がない場合は、一般車両140で代表する。
【0018】
次に、本実施形態の、大型重機車両(以下、自車両)110に搭載される安全運転支援システム100について、
図2(a)を用いて説明する。本図に示すように、本実施形態の安全運転支援システム100は、警告装置111と、安全運転支援装置112と、環境認識装置113と、舵角センサ114と、車速センサ115と、を備える。
【0019】
環境認識装置113は、自車両110の周囲の障害物を検出するセンサを備え、検出結果を安全運転支援装置112に出力する。環境認識装置113が備えるセンサは、例えば、ライダ、ミリ波センサ等であり、障害物として、例えば、バーム120や他車両等を検出する。
【0020】
本実施形態の環境認識装置113は、センサを用いて周期的に自車両の周囲をセンシングし、検出された他車両を含む障害物の位置や高さを、周囲情報として取得する。そして、取得した周囲情報から、他車両の情報である他車両情報(他車両データ)と他車両情報以外の情報である環境情報(環境データ)を生成し、検出結果として安全運転支援装置112へ出力する。
【0021】
なお、他車両情報は、環境認識装置113の視野範囲内の他車両の、識別情報(識別子)、走行データ(位置情報、車速、進行方向)、車両緒元(幅、長さ、車種)等を含む。本実施形態の安全運転支援システム100は、鉱山等の環境で用いられる。このような使用環境では、予め、使用車種が決まっていることが多い。本実施形態の環境認識装置113は、予め、使用予定車種の車両緒元を保持しておき、これらの車両緒元や、異なる時刻に取得した周囲情報を用い、他車両毎の、他車両情報を生成する。
【0022】
舵角センサ114は、自車両110の操舵角を周期的に取得し、安全運転支援装置112に出力する。舵角センサ114は、操舵角として、例えば、前輪車軸の傾き(操舵角)を検出する。
【0023】
車速センサ115は、自車両110の車速を周期的に取得し、安全運転支援装置112に出力する。車速センサ115は、車速として、例えば、車輪(従動輪)の回転数を検出する。なお、舵角センサ114および車速センサ115は、環境認識装置113に同期して、それぞれ、操舵角、車速を取得し、安全運転支援装置112に出力してもよい。
【0024】
安全運転支援装置112は、環境認識装置113、舵角センサ114および車速センサ115に接続され、これらの出力に基づいて衝突リスクの有無を判定する。そして、衝突リスクが有ると判定された場合は、警告装置111に警告データを出力する。なお、安全運転支援装置112は、環境認識装置113、舵角センサ114および車速センサ115から出力を受信する毎に、判定を行う。
【0025】
安全運転支援装置112が出力する警告データは、環境認識装置113から受信した環境情報や他車両情報を含んでもよい。これらの情報を警告装置111に表示することにより、オペレータが画面上で状況を理解しやすくなる。
【0026】
警告装置111は、安全運転支援装置112に接続され、安全運転支援装置112からの警告データを受け、車両のオペレータに対し警告を出力する。警告装置111は、例えば、ディスプレイやブザー等を備え、ディスプレイに警告画面を出力したり、ブザーを用いて警告音を出力したりする。本実施形態では、例えば、警告データの受信中、警告を出力する。なお、安全運転支援装置112から、環境情報や他車両情報を含む警告データを受け取ると、それらの情報も画面に表示しても良い。
【0027】
本実施形態では、これらの各装置が連動し、他車両と自車両110との位置関係だけでなく、バーム120等の安全設備も考慮して衝突リスクを判定する。
【0028】
例えば、現在の進行方向では、自車両110と他車両とが衝突する関係にあったとしても、車両間にバーム120がある場合は、車速や当該バーム120の高さと車輪110wの直径とを用い、衝突リスクを判断する。これにより、不必要な警告を低減でき、オペレータに必要十分な警告を行うことができる。
【0029】
次に、本実施形態の安全運転支援装置112について説明する。
【0030】
[ハードウェア構成]
安全運転支援装置112は、
図3に示すように、CPU221と、RAM222と、FLASHメモリ223と、ROM224と、インタフェース(I/F)225とを備える。
【0031】
ROM224は、読み込み専用の不揮発メモリである。ROM224には、安全運転支援装置112の機能を実現する安全運転支援プログラム230が記録される。なお、安全運転支援プログラム230は、安全運転支援装置112を搭載する車両によらず同一のプログラムである。
【0032】
安全運転支援プログラム230は、例えば、環境情報認識プログラム231と、他車両情報認識プログラム232と、自車両走行データ認識プログラム233と、リスク判定プログラム234と、を備える。
【0033】
FLASH223は、書き換え可能な不揮発メモリである。FLASH223には、自車両110の固定的(静的)な情報である自車両緒元254が記録される。自車両緒元254は、自車両の幅や長さ、車輪の高さ、車種などであり、予め登録される。なお、FLASH223に記録される自車両緒元254は、車両毎に異なる。
【0034】
RAM222は、書き込み可能な揮発メモリである。RAM222は、安全運転支援プログラム用領域240と、一時保存領域250とを備える。
【0035】
安全運転支援プログラム用領域240は、安全運転支援装置112を起動後、ROM224に記録される安全運転支援プログラム230が展開される領域である。
【0036】
一時保存領域250は、I/F225を経由して外部から入力された情報を一時的に保存・更新する領域である。一時保存領域250には、環境情報管理データベース(DB)251と、他車両走行データ管理DB252と、自車両走行データ管理DB253とが保持される。また、一時保存領域250には、処理途中に生成された各種のデータも、一時的に保持される。
【0037】
CPU221は、ROM224に記録されたプログラムを実行する。本実施形態では、CPU221は、ROM224に記録された安全運転支援プログラム230をRAM222の安全運転支援プログラム用領域240に展開し、一時保存領域250に保存されるデータを用いて実行する。
【0038】
なお、各安全運転支援プログラム230の各プログラムがCPU221により実行されることにより実現される機能を、それぞれ、環境情報認識部241、他車両情報認識部242、自車両走行データ認識部243、リスク判定部244、と呼ぶ。
【0039】
I/F225は、安全運転支援装置112と、安全運転支援システム100を構成する他の装置とのインタフェースである。本実施形態では、環境認識装置113、舵角センサ114、車速センサ115および警告装置111との間で信号やデータの送受信を行う。
【0040】
これを実現するため、I/F225は、環境情報取得I/F201と、走行データ取得I/F202と、警告出力I/F203とを備える。
【0041】
環境情報取得I/F201は、環境認識装置113とのインタフェースであり、環境認識装置113から自車両110の周辺の情報として環境情報と他車両情報とを取得する。そして、他車両情報を他車両情報認識部242に出力し、環境情報を環境情報認識部241に出力する。
【0042】
走行データ取得I/F202は、舵角センサ114および車速センサ115から、それぞれ、自車両110の舵角および車速といった走行データを受け取り、自車両走行データ認識部243に出力する。
【0043】
警告出力I/F203は、リスク判定部244から警告データを受信すると、当該警告データを警告装置111に出力する。
【0044】
次に、各安全運転支援プログラムが実現する機能および一時保存領域250に保持されるデータについて説明する。
【0045】
[環境情報認識部]
環境情報認識部241は、環境情報取得I/F201から入力された環境情報を、環境情報管理DB251に登録する。また、リスク判定部244からの要求に応じて、環境情報管理DB251内の環境情報を、リスク判定部244に出力する。
【0046】
ここで、環境情報管理DB251に管理される環境情報271の例を
図4(a)に示す。環境情報271は、環境認識装置113が備えるセンサの検出領域の地形・起伏の情報である。本実施形態では、地形・起伏の情報として、例えば、本図に示すように、検出領域の投影面を区切った各格子領域の、検出高度が登録される。
【0047】
環境情報271には、例えば、自車両110の現在位置(環境認識装置113の設置位置)を原点Oとし、y軸正方向を自車両110の進行方向とするローカル座標系を用いる。検出領域の投影面上の、y軸方向に直交する方向、すなわち、自車両110の幅方向をx軸方向とする。なお、環境情報271からは、他車両情報は、除かれているものとする。なお、進行方向は、自車両情報の操舵角により決定する。
【0048】
格子領域の各格子のサイズは、環境認識装置113の解像度に応じて設定される。
図4(a)の例では、格子の一辺に対応する実距離は、例えば、5m程度とする。本実施形態では、各格子領域には、高度として、自車両110の現在位置の高度を基準とした高度が登録される。例えば、現在の自車両110の位置と同一高度の位置に対応する格子領域412には、「0」が設定され、バーム120等の障害物(以下、バーム120等と呼ぶ。)に対応する格子領域414(障害物領域)には、当該バーム120等の検出高度(
図4(a)の例では、「8」)が設定される。
【0049】
例えば、バーム120等の裏が崖になっている場合、環境認識装置113では該当箇所の高さを検出することができない。このように、環境認識装置113で高度が検出できない格子領域413には、未検出を意味する情報(
図4(a)では、「−」)が設定される。
【0050】
図4(a)に示す環境情報271は、自車両110の正面にカーブを有するバーム120であって、高度8mのバーム120等が存在する環境を示す。
【0051】
なお、本実施形態では、
図4(a)に示す環境情報271が、環境認識装置113で取得される毎に、当該環境認識装置113から送信されるものとする。環境情報認識部241は、環境認識装置113から環境情報271を取得する毎に、新たな環境情報271で、環境情報管理DB251内の環境情報271を置き換える。すなわち、常に最新の環境情報271が、環境情報管理DB251に登録される。
【0052】
また、環境情報認識部241は、リスク判定部244から、要求を受け付けると、環境情報管理DB251に登録された最新の環境情報271をリスク判定部244に出力する。このとき、後述の領域設定に必要な情報、例えば、格子状領域の一辺に対応する実距離の情報等も併せて出力する。
【0053】
[他車両情報認識部]
他車両情報認識部242は、環境情報取得I/F201から入力された他車両情報を、他車両走行データ管理DB252に登録する。また、リスク判定部244からの要求に応じて、他車両走行データ管理DB252内の他車両情報を、リスク判定部244に出力する。
【0054】
他車両走行データ管理DB252は、環境認識装置113の視野範囲内の他車両情報を管理する。上述のように、他車両情報は、識別情報(識別子)、位置情報、車速、進行方向、幅、長さ、車種等を含む。また、取得から所定の時間を経過したデータを破棄するため、登録時刻などの時刻情報も保持する。
【0055】
図4(b)は、他車両走行データ管理DB252に管理される他車両情報272の例である。本図に示すように、他車両情報272は、他車両毎に、識別子421と、位置情報(x、y、z)422と、速度(車速)425と、進行方向426と、幅427と、長さ428と、車種429と、登録時刻430と、の情報を備える。
【0056】
識別子421は、上述のように、鉱山内で稼働する他車両毎に、一意に付与される識別子である。
【0057】
位置情報(x、y、z)422は、自車両110の現在位置を基点とした各他車両の、相対位置である。なお、本実施形態では、相対位置は、環境情報271と同じローカル座標系の座標値(x、y、z)で示す。
【0058】
速度425は、各他車両の速度である。進行方向426は、自車両110の進行方向411を始線とした、各他車両の進行方向の角度を表す数値である。ここでは、時計回りを正の向きとする。例えば、自車両110の正面方向から自車両110に向かって進行する他車両の場合、180が設定される。
【0059】
幅427および長さ428は、各他車両の大きさ(幅および長さ)を示す。車種429は、各他車両の車種を示し、例えば、ダンプトラックやショベル、軽車両などが設定される。
【0060】
また、登録時刻430は、各他車両の他車両情報272が、他車両走行データ管理DB252に登録された時間である。
【0061】
他車両情報認識部242は、環境認識装置113から他車両情報を受信する毎に、識別子421が同一のデータを、最新のデータに置き換える。また、他車両情報認識部242は、所定の時間間隔で他車両走行データ管理DB252にアクセスし、登録時刻430からの経過時間が予め定めた閾値以上の他車両情報を破棄する。一定時間、環境情報取得I/F201から入力がない場合、該当車両は、検出範囲外に移動したと判断されるためである。また、位置情報422が、環境認識装置113の検出領域外となった場合も、当該データを破棄するよう構成してもよい。
【0062】
[自車両走行データ認識部]
自車両走行データ認識部243は、走行データ取得I/F202から入力された自車両走行データを自車両走行データ管理DB253に登録する。また、リスク判定部244からの要求に応じ、自車両走行データ管理DB253内の自車両走行データを、リスク判定部244に出力する。自車両走行データは、車速や操舵角を含む。なお、自車両走行データ管理DB253で管理される自車両走行データは、走行データ取得I/F202から受信する毎に更新される、動的な情報である。
【0063】
[リスク判定部]
リスク判定部244は、自車両走行データ管理DB253で管理される動的な自車両走行データと、自車両緒元254に設定された静的な自車両緒元と、他車両走行データ管理DB252で管理される他車両情報272と、環境情報管理DB251で管理される環境情報271と、に基づき、判定対象の他車両(判定他車両)毎に、当該判定他車両との衝突リスクの有無を判定する。また、本実施形態では、さらに、バーム120等との衝突リスクの有無も判定する。
【0064】
本実施形態では、仮に、自車両110の進行方向に他車両が存在したとしても、両社の間にバーム120等が存在する場合は、該当他車両との衝突リスクを再判定する。
【0065】
このようなリスク判定処理を実現する、本実施形態のリスク判定部244の詳細を、
図5を用いて説明する。本実施形態のリスク判定部244は、周期処理用タイマ261と、領域設定部269と、判定部268と、対環境衝突リスク判定部266と、警告生成部267と、を備える。
【0066】
[周期処理用タイマ]
周期処理用タイマ261は、計時用タイマである。リスク判定部244は、周期処理用タイマ261の計時に従って、周期的にリスク判定処理を実行する。
【0067】
[領域設定部]
本実施形態のリスク判定部244では、基本的に、自車両と判定対象とする他車両(判定他車両)とのTTC(Time To Collision:衝突までの猶予時間)が、予め定めた閾値以下である場合、衝突のリスク有りと判定する。これを簡易的に実現するため、領域設定部269は、自車両110および判定他車両それぞれの、衝突リスク判定領域(以下、単にリスク判定領域と呼ぶ。)を設定する。このリスク判定領域は、所定時間内に、当該車両が進行する可能性のある領域であり、他車両との衝突リスクの有無の判定に用いる領域である。
【0068】
領域設定部269は、自車両リスク判定領域設定部(自車両領域設定部)262と、他車両リスク判定領域設定部(他車両領域設定部)263と、を備える。
【0069】
自車両領域設定部262は、自車両走行データと自車両緒元と環境情報271とを用い、自車両のリスク判定領域(自車両領域)を、環境情報271上に設定する。自車両領域は、所定時間T1内に自車両110が進行する可能性のある領域である。なお、以下、自車両走行データと自車両緒元とを合わせて自車両情報と呼ぶ。
【0070】
自車両領域511は、
図6(a)に示すように、環境情報上の自車両110の位置を底辺とし、進行方向を高さ方向とする矩形領域として設定される。底辺の大きさは、例えば、自車両110の幅とし、また、高さは車速に応じた長さとする。
【0071】
車速に応じた長さは、車速と、格子状領域の一辺に対応する実距離の情報とを用い、算出される。例えば、上記所定時間T1に到達する最大実距離に対応する格子状領域の数とする。
【0072】
なお、自車両領域511の形状は、矩形領域に限定されない。例えば、自車両の現在位置(基点)から進行方向を中心線方向とし、車速に応じた長さを半径に有する扇形であってもよい。
【0073】
また、上述の手法で設定した自車両領域511内に、遮蔽物となる地形要素(バーム120等)が存在する場合は、当該バーム120等の形状に沿って、自車両110が進行する可能性のある領域も、第二の自車両領域として設定する。
【0074】
この場合の自車両領域の設定手法を、
図6(b)を用いて説明する。これは、自車両110の前方にバーム120等があり、バーム120等に沿って走行路122がカーブしている場合の例である。
【0075】
このような場合であっても、自車両領域設定部262は、まず、
図6(a)の例と同様の手法で、自車両110の幅と車速と進行方向とを用い、自車両領域511を設定する。
【0076】
このとき、自車両領域511内に、バーム120等に相当するバーム領域521が存在すると、自車両110は、このバーム120等に沿って進行する可能性が高い。このため、バーム120等沿いに、進行方向を変更し、バーム120等と重複する領域およびバーム120等より先の領域の合計と、略同じ面積の領域分の自車両領域を第二の自車両領域512として変更した進行方向に設定する。
【0077】
具体的な設定手法は、以下のとおりである。まず、現在の自車両110の位置から順に、進行方向411に、矩形の幅の領域を自車両領域として設定していく。自車両領域の幅方向の一端の一部がバーム120等に対応する領域(バーム領域;障害物領域)と重複した場合、バーム領域と逆側に、バーム領域と重複した幅分ずらし、そのまま、進行方向411に、領域の取得を継続する。自車両領域の幅方向の全ての領域がバーム領域と重複した場合、進行方向を、先にバーム領域と重複した一端と逆方向に直角に変更し、領域の設定を継続する。
【0078】
図6(b)の場合は、進行方向411に5格子領域(マス)分、自車両領域を設定した段階で、左端の1マスがバーム領域521と重複する。そのため、自車両領域を右に1マスずらし、4マス分の幅で引き続き領域を設定する(512a、512b)。さらに、2マス分、進行方向に自車両領域を設定した段階で、幅方向の全領域がバーム領域521と重複する。ここでは、左側が既にバーム領域521と重複している。このため、進行方向411aを、図中右方向に90度で変更し、4マス分の幅で第二の自車両領域512を設定する。
【0079】
この場合、バーム領域521を考慮して修正した第二の自車両領域512と、最初に設定した自車両領域511との両方を、自車両110の自車両領域として出力する。
【0080】
他車両領域設定部263は、環境情報271と他車両情報272とを用い、他車両のリスク判定領域(他車両領域)を、環境情報271上に設定する。他車両領域の設定手法および形状は、基本的に自車両領域の設定手法および形状と同様である。ただし、他車両領域は、環境情報271上の他車両の位置を底辺とする。
【0081】
さらに、他車両領域設定部263は、他車両領域に沿って、隙間121を有するバーム120等がある場合、通常の手法で設定する他車両領域に加え、当該隙間121を走行する場合の他車両領域も合わせて設定する。詳細は、後述する。
【0082】
なお、本実施形態では、領域設定部269は、環境情報271で設定した自車両領域および他車両領域の情報、例えば、各領域の各頂点の座標を一時保存領域250に保持しておく。
【0083】
[判定部]
判定部268は、自車両110と他車両との衝突リスクの有無を判定する、対車両衝突リスク判定部である。本実施形態では、環境認識装置113で他車両情報を検出した車両毎に、衝突リスクの有無を判定する。判定結果が、衝突リスク有りの場合、警告生成部267に、他車両との衝突リスク有り、を意味する警告信号(他車両リスク信号)を出力する。
【0084】
判定部268は、自車両領域設定部262で設定した自車両領域と、他車両領域設定部263で設定した判定他車両の他車両領域と、の重複状態、自車両情報、および、環境情報271に基づいて、自車両110と判定他車両との衝突リスクを判定する。これを実現するため、判定部268は、重複判定部264と、再判定部265と、を備える。
【0085】
重複判定部264は、例えば、自車両領域と、判定他車両の他車両領域との重複の有無を判定する。判定部268は、基本的に、重複判定部264が重複有りと判定した場合、衝突リスク有りと判定する。
【0086】
例えば、自車両領域511と、判定他車両の他車両領域531とが、
図7(a)に示すように設定された場合、重複判定部264は、重複有りと判定する。一方、
図7(b)に示すように設定された場合、重複無し、と判定する。
【0087】
再判定部265は、自車両情報および環境情報271に基づき、衝突リスクの有無を再判定する。例えば、自車両領域511と他車両領域531とが重複していた場合でも、自車両110と判定他車両との間にバーム120等が存在する場合、衝突リスク無し、と再判定する。すなわち、
図8(a)に示すように、環境情報271上に、バーム領域521が、原点Oと、環境情報271上の判定他車両位置との間にある場合は、衝突リスク無し、と再判定する。
【0088】
また、再判定部265は、このとき、自車両110の車輪110wの直径と自車両110の車速とを用い、衝突リスクの有無を再判定してもよい。さらに、バーム120等に隙間121がある場合、他車両情報も用い、衝突リスクの有無を再判定してもよい。すなわち、自車両110が走行している前方にバーム120等の隙間121が存在する場合は、当該隙間121からその他車両が進入してくる可能性を考慮して衝突リスクを判定してもよい。
【0089】
例えば、再判定部265は、自車両領域と判定他車両の他車両領域とが重複し、自車両110と判定他車両との間にバーム120等が存在する場合であっても、自車両110の車輪110wの直径に対するバーム120等の高さの比率が、所定値未満の場合、衝突リスク有り、と判定する。これは、自車両110が、バーム120等を越えられると判断されるためである。
【0090】
具体的には、例えば、バーム120等の高さが、車輪110wの高さの半分未満の場合、すなわち、上記比率が0.5未満の場合は、越えられると判断する。また、逆に、比率が0.5以上の場合は、越えられないと判断する。例えば、車輪110wの直径を10mとすると、
図8(b)に示す例では、検出された全てのバーム120等の高さが8mであるため、自車両110が、このバーム120等を乗り越えるリスクはほとんどないと考えられる。従って、再判定部265は、このバーム120等を挟んだ位置にある判定他車両との間では、衝突リスク無し、と判定する。
【0091】
また、再判定部265は、自車両領域と判定他車両の他車両領域とが重複し、自車両110と判定他車両との間にバーム120等が存在し、その、自車両110の車輪110wの直径に対しするバーム120等の高さの比率が、所定値未満の場合であっても、自車両110の速度が、予め定めた基準速度未満の場合、衝突リスク無し、と判定する。この場合、たとえ、バーム120等の高さが、車輪110wの直径に比べて低い場合であっても、車速が遅い場合は、バーム120を超えられないと判断されるためである。
【0092】
なお、上述したように、他車両領域531が、隙間121を有するバーム120等に対応する領域に沿って設定される場合であって、当該隙間121の幅が、判定他車両の幅より広い場合は、
図8(b)に示すように、当該隙間121を走行する場合の他車両領域532も設定される。従って、この場合は、自車両領域511と、判定他車両の他車両領域532とが重複する。
【0093】
図8(b)に示す状態の場合、両領域に重複はあるが、自車両110と判定他車両との間にバーム120等が存在する。しかしながら、そのバーム120等に、判定他車両の幅以上の隙間121が存在する。このような場合、再判定部265は、衝突リスク有り、と判定する。なお、上述のように、隙間121は、走行路122と同程度であって、車両が通行可能な高度を有する領域である。従って、例えば、他車両領域532に隙間121に相当する領域(隙間領域)が接している場合であって、かつ、当該隙間領域の幅が判定他車両の幅以上である場合、再判定部265は、隙間121有りと判定し、衝突リスク有りと判定する。
【0094】
一方、当該隙間121の幅が、判定他車両の幅より狭い場合は、他車両領域532は、設定されない。従って、この場合は、自車両領域511と、他車両領域531とは重複しない。このため、判定部268は、衝突リスク無し、と判定する。
【0095】
なお、判定部268は、判定他車両毎に、衝突リスクの有無を判定する。従って、上記他車両リスク信号は、衝突リスク有り、と判定された判定他車両を特定する情報を含んでもよい。
【0096】
[対環境衝突リスク判定部]
対環境衝突リスク判定部266は、自車両情報と環境情報271と、を用い、自車両110とバーム120等との衝突リスクの有無を判定する。バーム120等との衝突リスク有り、と判定した場合、警告生成部267に、警告信号としてバームリスク信号を出力する。
【0097】
具体的には、対環境衝突リスク判定部266は、自車両の進行方向に、予め定めた第一の閾値以上の高さを有するバーム120等があり、かつ、TTCが予め定めた第二の閾値以下である場合、衝突リスク有り、と判定する。
【0098】
第一の閾値は、自車両110が、当該バーム120を乗り越えることが可能であるか否かを判定可能な値とする。例えば、自車両110の車輪110wの直径の0.5倍とする。この場合、バーム120等の高さが自車両110の車輪110wの直径の半分以上であれば、乗り越えることが不可能であり、衝突リスク有りと判定される。第二の閾値は、例えば、自車両の速度等で決定する。
【0099】
[警告生成部]
警告生成部267は、判定部268および対環境衝突リスク判定部266から警告信号を受信する毎に、警告データを生成し、警告出力I/F203に出力する。
【0100】
本実施形態では、例えば、他車両リスク信号およびバームリスク信号それぞれに対応づけて、予め、ROM224等に定型メッセージを保持しておく。そして、それぞれの警告信号を受信すると、警告生成部267は、対応する定型メッセージを抽出し、警告データとして出力する。
【0101】
ここで、警告データを受信した警告装置111に出力される警告の例を説明する。ここでは、警告装置111がディスプレイであり、警告として、メッセージを含む警告画面が出力される場合を例示する。
【0102】
図9(a)は、他車両リスク信号を受信した場合に生成される警告データにより、警告装置111に警告画面として出力される表示画面310aの例である。判定部268から、他車両リスク信号を受信した場合、警告生成部267は、他車両リスク信号に対応づけて予め用意されたメッセージ314を用い、警告データを生成する。警告データは、例えば、本図に示すように「軽車両との衝突注意」といったメッセージ314等である。
【0103】
なお、他車両リスク信号が環境情報や他車両情報を含む場合、警告生成部267は、メッセージ314だけでなく、
図9(a)に示すように、自車両110を示すアイコン311と、判定他車両を示すアイコン313と、検出されている地形(例えば、バーム120等)を示す図形312と、が表示されるよう、警告データを生成してもよい。
【0104】
なお、上述のように、判定部268および対環境衝突リスク判定部266は、所定の時間間隔で、環境情報271を受け取り、衝突リスクの有無を判定し、衝突リスク有り、と判定した場合のみ、警告信号を、警告生成部267に出力する。従って、警告生成部267は、所定の時間間隔以上、警告信号を受信しない場合、警告データは生成しない。
【0105】
しかしながら、警告データを生成しない場合であっても、環境情報や他車両情報の表示データのみ継続して生成し、警告装置111に出力してもよい。この場合、
図9(b)に示すように、警告装置111のディスプレイには、表示画面310bとして、この表示データによる表示のみがなされる。
【0106】
[リスク判定処理]
次に、リスク判定部244による、リスク判定処理の流れを、
図10を用いて説明する。リスク判定部244は、リスク判定処理を、周期的に実施する。
【0107】
まず、周期処理用タイマ261で時刻のカウントを開始する(ステップS1001)。
【0108】
自車両領域設定部262は、環境情報管理DB251から、環境情報271を取得する(ステップS1002)。
【0109】
次に、自車両領域設定部262は、自車両走行データ管理DB253から自車両走行データを、また、自車両緒元254から自車両緒元を、それぞれ自車両情報として取得する(ステップS1003)。
【0110】
自車両領域設定部262は、取得した自車両情報を用い、ステップS1002で取得した環境情報271上に、自車両領域を設定する(ステップS1004)。このとき、前方にバーム120等が存在しない場合は、例えば、
図6(a)に示す自車両領域511を設定する、一方、前方にバーム120等が存在する場合は、
図6(b)に示す自車両領域511および第二の自車両領域512を設定する。
【0111】
次に、他車両領域設定部263は、他車両走行データ管理DB252から他車両情報272を取得する(ステップS1005)。そして、その時点で他車両走行データ管理DB252に登録されている車両の台数を確認する(ステップS1006)。なお、ここでは、他車両走行データ管理DB252に登録されている他車両情報272のレコード数を、車両の台数とする。
【0112】
ステップS1006で、他車両が0台の場合は、後述するステップS1014へ進む。
【0113】
ステップS1006で、他車両が1台でも存在する場合は、他車両領域設定部263は、登録されている各他車両について、以下の処理を繰り返す(ステップS1007)。
【0114】
まず、判定他車両について、他車両領域531を、環境情報271上に設定する(ステップS1008)。このとき、他車両であっても、バーム120等がある場合、
図6(b)で説明した、バーム120等に沿った他車両領域531も設定する。また、バーム120に隙間121がある場合、他車両については、
図8(b)で説明した、隙間121がある場合の他車両領域532も併せて設定する。
【0115】
重複判定部264は、設定した他車両領域531が、自車両領域511と重複するか否かを判定する(ステップS1009)。ここで、
図7(b)に示すように、重複しない場合、後述のステップS1013へ移行する。
【0116】
一方、重複する場合、再判定部265は、自車両110と判定他車両との間にバーム120等があるか否かを判別する(ステップS1010)。ここでは、環境情報271上に0より大きい高度のデータがあるか否かを判定する。
【0117】
図7(a)に示すように、バーム120等が無い場合は、再判定部265は、衝突リスク有り、と判定し、後述するステップS1012に移行する。
【0118】
バーム120等がある場合、再判定部265は、自車両110の車速、車輪110wの直径等の情報と、間にあるバーム120等の高さとを用い、上記手法で、自車両110が、当該バーム等を超えることが可能か否かを判断し、衝突リスクの有無を判定する(ステップS1011)。
【0119】
ステップS1011およびステップS1010において、再判定部265が、衝突リスク有り、と判定した場合、判定部268は、他車両リスク信号を警告信号として設定する(ステップS1012)。
【0120】
なお、ステップS1011において、衝突リスク無し、と判定された場合、後述のステップS1013へ移行する。
【0121】
判定部268は、ステップS1006で検出された全ての他車両について、ステップS1007〜S1012の処理を繰り返す(ステップS1013)。
【0122】
全他車両について、上記処理を終えると、対環境衝突リスク判定部266は、自車両110とバーム120等との衝突可能性を判断する。具体的には、以下の処理を行う。
【0123】
まず、自車両領域内にバーム120等があるか否かを判定する(ステップS1014)。
【0124】
バーム120等がある場合、対環境衝突リスク判定部266は、当該バーム120等の高さと自車両110の車輪110wのサイズおよび車速とを用い、上記手法で、当該バーム120等と自車両110との衝突リスクを判定する(ステップS1015)。
【0125】
衝突リスク有りと判定された場合は、バームリスク信号を警告信号として設定する(ステップS1016)。
【0126】
一方、ステップS1014において、バーム120等無し、と判定された場合、または、S1015において、衝突リスク無し、と判定された場合は、後述のS1017へ移行する。
【0127】
そして、警告生成部267は、警告信号が設定されているか否かを判定し(ステップS1017)、警告信号が設定されている場合は、当該警告信号に対応する警告データを生成する。そして、生成した警告データを、警告出力I/F203を介して、警告装置111に出力する(ステップS1018)。一方、設定されていない場合は、そのまま処理を終了する。
【0128】
以上説明したように、本実施形態の安全運転支援装置112は、車両の現在位置、進行方向および速度を含む走行データと、当該車両のサイズを含む車両緒元と、地形の高度を含む環境データとを用い、当該環境データ上に当該車両のリスク判定領域を設定する領域設定部269と、自車両110の前記リスク判定領域である自車両領域と、判定対象の他車両である判定他車両の前記リスク判定領域である他車両領域と、前記環境データとを用いて、当該自車両と前記判定他車両との衝突リスクの有無を判定する判定部268と、前記判定部が前記衝突リスク有り、と判定した場合、警告を出力する警告部(警告生成部267および警告装置111)と、を備える。
【0129】
このように、本実施形態によれば、衝突リスクの判定に、車両間の相対距離やTTCのみでなく、環境認識装置113で検出されたバーム120等の環境情報を用いる。このため、相対距離やTTCのみを用いて、衝突リスク有り、と判定される状況であっても、所定の条件下では、衝突リスク無し、と判定される。例えば、自車両110と判定他車両との間に、十分な高さのバーム120等がある場合等である。従って、本実施形態によれば、より高い精度で、衝突リスクの有無を判定できる。よって、不必要な警告を抑制できる。
【0130】
また、衝突リスクの有無の判定において、本実施形態によれば、バーム120等の高さだけでなく、自車両110の車速や車輪110wの直径等も考慮してもよい。また、バーム120等の隙間121の有無も考慮してもよい。これらの条件を考慮することにより、さらに高い精度で衝突の有無を判定できる。従って、より、不要な警告を抑制できる。
【0131】
このように、本実施形態によれば、オペレータにとって不必要な警告出力が低減する。従って、出力される警告の信頼性が高まる。
【0132】
特に、鉱山や建設現場などでは、ダンプトラックなどの大型車両が用いられる。大型車両に荷物や人員を搬送する軽車両との衝突事故、大型車両どうしの衝突事故、転落などの自損事故等が発生すると、事故による直接的な被害に加えて、鉱山での採掘作業や建設現場での建設作業が中断され、業務遂行にも大きな支障がでる。そのため、衝突事故や自損事故を確実に防止することが重要である。一方で、不必要に警告を多発すると、警告の信頼性が低下する。本実施形態によれば、このような環境においても、自車両と他車両との間のバーム等の安全設備により衝突リスクが排除されているかを考慮して警告の要否を決定するため、必要十分な警告を行うことができ、警告に高い信頼性を得ることができる。
【0133】
<<第二の実施形態>>
次に、本発明の第二の実施形態を説明する。本実施形態では、他車両の検出手段に、車車間通信を用いる。
【0134】
本実施形態の安全運転支援システム100は、基本的に第一の実施形態と同様の構成を有する。以下、本実施形態について、第一の実施形態と異なる構成に主眼をおいて説明する。
【0135】
図11は、本実施形態の安全運転支援システム100aの使用環境を説明するための図である。
【0136】
本実施形態の安全運転支援システム100aは、第一の実施形態同様に鉱山での使用を想定している。すなわち、鉱山内で稼働する、例えば、ダンプトラックやショベル等の大型重機車両110に搭載される。ただし、本実施形態では、各車両が、車車間通信601により、互いの位置情報を交換し、検出し合う。
【0137】
本実施形態の安全運転支援システム100aの機能ブロックを
図2(b)に示す。本図に示すように、本実施形態の安全運転支援システム100aは、基本的に第一の実施形態と同様の構成を有する。すなわち、警告装置111と、環境認識装置113と、舵角センサ114と、車速センサ115と、を備える。ただし、安全運転支援装置112の代わりに、安全運転支援装置112aを備える。また、本実施形態の安全運転支援システム100aは、車車間通信機116と、位置検出機117とを備える。
【0138】
位置検出機117は、当該位置検出機117を搭載する車両の位置情報を取得する。位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星等の航法衛星の電波を利用した測位方式であるGNSS(Global Navigation Satellite System;全地球航法衛星システム)を用い、取得する。この場合、例えば、位置情報は、緯度経度等で得られる。なお、鉱山内に基準点を設け、そこからの相対距離を位置情報として取得してもよい。
【0139】
車車間通信機116は、各他車両から、位置情報データを受信する。受信する位置情報データは、送信元の他車両を特定する情報(車両識別情報)と、当該他車両の位置情報とを含む。
【0140】
なお、本実施形態では、各車両が、位置検出機117と、車車間通信機116とを備える。そして、位置検出機117で得られた車両の位置情報を、車車間通信機116を介して、車車間通信で相互に交換し、他車両を検出する。その他のシステム構成は、第一の実施形態と同様である。
【0141】
本実施形態の安全運転支援装置112aは、基本的に第一の実施形態と同様の構成を有する。ただし、
図12に示すように、本実施形態の安全運転支援装置112aは、他車両の情報を、車車間通信で取得する。このため、車車間通信I/F204をさらに備える。
【0142】
車車間通信I/F204は、車車間通信機116とのインタフェースである。車車間通信機116から、他車両の他車両情報を取得する。
【0143】
また、他車両情報認識部242は、第一の実施形態では、環境情報取得I/F201から他車両情報を受け取る。しかしながら、本実施形態では、車車間通信I/F204から他車両情報を受け取る。
【0144】
なお、車車間通信I/F204を介して受信する他車両情報は、上述のように、位置検出機117が採用する座標系の値である。従って、本実施形態の他車両情報認識部242は、他車両情報のうち、位置情報、進行方向等、座標系に依存する値を、ローカル座標系の値に変換し、他車両走行データ管理DB252に登録する。
【0145】
このとき、識別子421として、車車間通信で取得する、車両識別情報を格納する。また、速さ、進行方向については、他車両の位置情報422から算出する。一方、幅427、長さ428、車種429については、第一の実施形態同様、予め、鉱山内で走行する可能性のある車種について、保持してある情報から取得する。なお、これらの情報は、車両識別情報に対応づけて保持しておいてもよい。
【0146】
また、自車両走行データ認識部243は、上記第一の実施形態の機能に加え、自車両走行データ管理DB253で管理する自車両走行データを、車車間通信I/F204を介して、定期的に他車両に送信する。
【0147】
なお、本実施形態のリスク判定手法等は、基本的に第一の実施形態と同様である。このため、第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0148】
以上説明したように、本実施形態の安全運転支援装置112は、車両の現在位置、進行方向および速度を含む走行データと、当該車両のサイズを含む車両緒元と、地形の高度を含む環境データとを用い、当該環境データ上に当該車両のリスク判定領域を設定する領域設定部269と、自車両110の前記リスク判定領域である自車両領域と、判定対象の他車両である判定他車両の前記リスク判定領域である他車両領域と、前記環境データとを用いて、当該自車両と前記判定他車両との衝突リスクの有無を判定する判定部268と、前記判定部が前記衝突リスク有り、と判定した場合、警告を出力する警告部(警告生成部267および警告装置111)と、を備え、前記他車両の走行データは、車車間通信で取得する。
【0149】
本実施形態によれば、第一の実施形態同様、自車両110と判定他車両との間のバーム120等の障害物を考慮し、警告の発生を抑制できる。このため、第一の実施形態同様、より、高い精度で、警告を出力できる。
【0150】
さらに、本実施形態では、他車両の情報のうち、位置情報を、車車間通信により取得する。このため、より、高精度に他社の位置情報を取得することができる。従って、さらに高い精度で、警告を出力できる。
【0151】
<変形例>
なお、上記各実施形態では、リスク判定部244は、衝突リスクの有無を判定しているが、これに限定されない。例えば、衝突リスクに複数のレベルを設け、レベル(警告レベル)を決定するよう構成してもよい。この場合、リスク判定部244は、警告レベルに応じた警告データを生成し、警告装置111に出力する。
【0152】
警告レベルは、例えば、自車両110と判定他車両と環境情報との状態に応じて予め定めておく。
【0153】
例えば、
図7(a)に示すように、自車両領域511と他車両領域531との重複がない第一の状態、
図8(a)に示すように、自車両領域511と他車両領域531との重複があるが、間にバーム120等がある第二の状態、
図8(b)に示すように、自車両領域511と、他車両領域531との重複はないが、間に隙間121がある第三の状態、
図7(b)に示すように、自車両領域511と、他車両領域531とが重複し、間にバーム120等がない第四の状態等に、それぞれ、異なる警告レベルを予め定めておく。
【0154】
また、上記の第二の状態を、車速、車輪の直径と障害物の高さとの関係で、さらに、複数の段階の警告レベルを設定してもよい。
【0155】
このように状態毎に警告レベルを設定した場合、判定部268は、警告レベルに応じた他車両リスク信号を警告生成部267に出力する。そして、警告生成部267は、警告レベルに応じた警告度合いの警告データを生成する。生成する警告データは、例えば、レベル毎に、予めROM224等に保持しておく。
【0156】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。