【文献】
Peter T. Beernink et al.,The Journal of Immunology,2011年,Vol.186,p.3606-3614
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記v.1 fHbpが、配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のv.1 fHbp。
前記v.2 fHbpが、置換:G220S、L130RおよびG133Dを含み、該アミノ酸置換が、fHbp ID22に対するものである、請求項7に記載のv.2 fHbp。
前記v.2 fHbpが、アミノ酸置換:K219N、L130RおよびG133Dを含み、該アミノ酸置換が、fHbp ID22に対するものである、請求項7に記載のv.2 fHbp。
(a)請求項1〜6のいずれか一項に記載のv.1 fHbp、請求項7〜11のいずれか一項に記載のv.2 fHbp、または請求項12〜13のいずれか一項に記載のv.1 fHbp;及び
(b)医薬的に許容される賦形剤
を含む、免疫原性組成物。
前記v.1 fHbpまたはv.2 fHbpが、Neisseria meningitidis菌株から調製される小胞調製物にある、請求項14〜16のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
請求項1〜6のいずれか一項に記載のv.1 fHbp、請求項7〜11のいずれか一項に記載のv.2 fHbp、または請求項12〜13のいずれか一項に記載のv.1 fHbpをコードする核酸。
哺乳類でのN. meningitidis(髄膜炎菌)に対する抗体反応を誘発するための方法における使用のための、請求項14〜17のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【発明を実施するための形態】
【0016】
定義
「H因子結合タンパク質」(fHbp)は、文献ではGNA1870、GNA1870、ORF2086、LP2086(リポタンパク質2086)、及び「741」としても知られ、N. meningitidisポリペプチドのクラスを指す。これは、N. meningitidis細菌表面のリポタンパク質として自然界に見られる。fHbpは、3つのfHbp変異体群(一部の報告(Masignani et al. (2003) J Exp Med 197:789−99)では、変異体群1(v.1)、変異体群2(v.2)、及び変異体群3(v.3)と呼ばれ、他の報告(例えば、Fletcher et al. (2004) Infect Immun 72:2088−2100参照)では、サブファミリーA及びBと呼ばれる)に、アミノ酸配列多様性及び免疫学的交差反応性(Masignani et al. (2003) J Exp Med 197:789−99)に基づいて細分されている。fHbpはまた、Vu et al. (2012) Sci. Reports 2:341の
図2に示される通り、モジュラー群I〜モジュラー群VIに指定されている6つの最も一般的なfHbpモジュラー群のうちの1つに分類することもできる。N. meningitidisに見出される各固有fHbpはまた、ウェブサイトpubmlst.org/neisseria/fHbp/に準じて、fHbpペプチドIDが割り当てられる。変異体2(v.2)のfHbpタンパク質(8047株由来、fHbp ID77)及び変異体3(v.3)のfHbp(M1239株由来、fHbp ID28)の長さは、MC58株由来のもの(fHbp ID1)とはそれぞれ−1及び+7アミノ酸残基が異なるため、v.2及びv.3のfHbpタンパク質に対する残基を指す本明細書で用いられる番号は、これらタンパク質の実際のアミノ酸配列に基づく番号と異なる。ゆえに、例えば、v.2またはv.3のfHbp配列の166位のロイシン残基(L)への言及は、v.2タンパク質の165位及びv.3タンパク質の173位の残基を指す。特に断りのない限り、これらfHbp変異体に存在するアミノ酸置換の番号は、fHbp ID1のアミノ酸残基の番号に準拠する。
【0017】
本明細書で用いられるヒトH因子(「ヒトfH」)とは、
図18(配列番号4)に示すアミノ酸配列を含むタンパク質、及び天然に存在するそのヒト対立遺伝子多型を指す。
【0018】
アミノ酸配列またはポリヌクレオチド配列に関連する「由来(derived from)」(例えば、fHbp ID1「由来」のアミノ酸配列)とは、ポリペプチドまたは核酸が、参照ポリペプチドまたは核酸(例えば、天然に存在するfHbpタンパク質またはコードする核酸)の配列に基づく配列を有することを示すことを意図し、該タンパク質または核酸が作られる起源や方法に関しては限定することを意図しない。アミノ酸配列やポリヌクレオチド配列が「由来」しうる参照ポリペプチド及び参照ポリヌクレオチドの非限定的な例としては、天然に存在するfHbp、fHbp ID1、及び天然に存在しないfHbpが挙げられる。細菌の菌株に関連する「由来」とは、株が親株のインビボ継代もしくはインビトロ培養によって得られたことを示すこと、及び/または、株が親株の改変によって得られる組換え細胞であることを示すことを意図する。
【0019】
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸側鎖の化学的及び物理的性質(例えば、電荷、サイズ、疎水性/親水性)をさらに共有するために、1つのアミノ酸残基を置換することを指す。「保存的置換」は、以下のアミノ酸残基群内での置換を含むことを意図する:gly、ala;val、ile、leu;asp、glu;asn、gln;ser、thr;lys、arg;及びphe、tyr。かかる置換の手引きは、目的のエピトープを提示するポリペプチドのアミノ酸配列アライメントから得ることができる。
【0020】
用語「防御免疫」とは、哺乳類に投与されるワクチンまたは免疫付与計画が、Neisseria meningitidisに起因する疾患の予防、進行の遅延、もしくは程度の軽減をする、または、該疾患の症状を減少もしくは完全に取り除く免疫反応を誘導することを意味する。防御免疫は、殺菌性抗体の産生を伴いうる。Neisseria meningitidisに対する殺菌性抗体の産生は、ヒトでのワクチンの保護効果の予測として、その分野で受け入れられていることに留意されたい(Goldschneider et al. (1969) J. Exp. Med. 129:1307; Borrow et al. (2001) Infect Immun. 69:1568)。
【0021】
「Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)菌株に起因する疾患」という表現は、ヒトのNeisseria meningitidis感染した状態で存在する任意の臨床症状または臨床症状の組合せを包含する。これら症状としては、限定されないが、Neisseria meningitidisの病原菌株による上気道(例えば、鼻咽頭及び扁桃腺の粘膜)のコロニー形成、粘膜及び粘膜下血管床への該細菌の侵入、敗血症、敗血症性ショック、炎症、出血性の皮膚病変、線維素溶解及び血液凝固の活性化、臓器機能不全、例えば、腎、肺、及び心不全、副腎出血及び筋肉梗塞、毛細血管漏出、浮腫、末梢肢虚血、呼吸窮迫症候群、心膜炎、並びに髄膜炎が挙げられる。
【0022】
抗原(例えば、ポリペプチド抗原)に関連する表現「抗体に特異的に結合する」または「特異的に免疫反応性」とは、不均一な他の分子集団もさらに含んでよい試料中の抗原の存在に基づく、及び/または存在の証拠となる結合反応を指す。ゆえに、指定された条件下、特定の抗体または特定の複数の抗体は、試料中の特定の抗原または特定の複数の抗原に結合し、該試料に存在する他の分子には、有意な量では結合しない。抗原のエピトープ(例えば、ポリペプチドのエピトープ)に関連する「抗体に特異的に結合する」または「特異的に免疫反応性」とは、不均一な他のエピトープ集団及び不均一な抗原集団もさらに含んでよい抗原(例えば、ポリペプチド)中のエピトープの存在に基づく、及び/または存在の証拠となる結合反応を指す。ゆえに、指定された条件下、特定の抗体または特定の複数の抗体は、抗原の特定のエピトープに結合し、該抗原及び/または該試料に存在する他のエピトープには、有意な量では結合しない。
【0023】
「免疫反応を誘発するのに十分な量で」という表現は、特定の抗原調製物の投与の前後で、測定される免疫反応指標間に検出可能な差があることを意味する。免疫反応指標としては、限定されないが、酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)、殺菌アッセイ、フローサイトメトリー、免疫沈降、オクタロニー免疫拡散法;例えばスポット、ウェスタンブロットまたは抗原アレイの結合検出アッセイ;細胞毒性アッセイ等のアッセイで検出される抗体価または抗体特異性が挙げられる。
【0024】
「表面抗原」は、Neisseria meningitidisの表面構造(例えば、外膜、莢膜、腺毛等)に存在する抗原である。
【0025】
「単離された」とは、ある化合物が天然に存在しうる環境とは異なる環境にある、目的の実体を指す。「単離された」とは、目的の化合物に関して実質的に濃縮される、及び/または目的の化合物が部分的もしくは実質的に精製される試料内の化合物を含めることを意図する。一部の例では、単離された成分(例えば、本開示のfHbp変異体等のポリペプチド;本開示の核酸;本開示の組換えベクター)は精製され、例えば、単離された成分は、純度が少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99%超である。
【0026】
「濃縮された」とは、目的の化合物が生体試料(例えば、該化合物が天然に存在する試料、またはそれが投与後に存在する試料)等の出発試料、または該化合物が(例えば、細菌性ポリペプチド、抗体、核酸等として)作製された出発試料中の該化合物の濃度より高い濃度(例えば、少なくとも3倍高い、少なくとも4倍高い、少なくとも8倍高い、少なくとも64倍高い、またはそれより高い)で存在するように、試料が非自然的に(例えば、実験者または臨床医によって)操作されることを意味する。
【0027】
本発明をさらに説明する前に、本発明が記載の特定の実施形態に限定されず、従って、当然変動することがあることを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のみのためであって、限定することを意図しないこともまた理解されたい。
【0028】
値域が与えられる場合、その文脈が明らかに他を指示しない限り、その下限の単位の10分の1までのその範囲の上限と下限の間の各介在値並びに任意の他の表示値またはその表示値における介在値は、本発明の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、これらのより小さい範囲に独立して含まれうるとともに、表示範囲の任意の特定の除外された境界に依存して、本発明の範囲内に同様に包含される。表示範囲が境界の一方または両方を含む場合、それら含まれる境界のどちらかまたは両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
【0029】
他に規定のない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または等価の任意の方法及び材料もまた、本発明の実施または試験に用いることができるが、好ましい方法及び材料をここに記載する。本明細書に言及されたすべての刊行物は、参照することによって本明細書に組み込まれ、該刊行物が引用される当該方法及び/または材料を開示並びに記載する。
【0030】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる単数形の「一つの(a)」、「一つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかに他を指示しない限り、複数の指示対象を含むことは留意されなければならない。ゆえに、例えば、「H因子結合タンパク質(a factor H binding protein)」への言及は、複数のかかるH因子結合タンパク質を含み、「免疫原性組成物(the immunogenic composition)」への言及は、1つまたは複数の免疫原性組成物及び当業者に公知のその等価物等への言及を含む。特許請求の範囲は、いかなる随意的要素も除外するように起草されうることもさらに留意される。従って、本文は、請求項の要素の列挙との関連で「唯一の(solely)」、「唯一の(only)」等の排他的用語の使用、または「負の」限定の使用の、先行詞としての役割を果たすことを意図する。
【0031】
明確にするために別々の実施形態中に記載される本発明の特定の特徴はまた、組み合わせて単一の実施形態に示されてもよいことが理解される。反対に、簡潔にするために単一の実施形態中に記載される本発明の様々な特徴はまた、別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで示されてもよい。本発明に関連する実施形態のすべての組合せは、明確に本発明に包含され、まさにありとあらゆる組合せが個々にかつ明確に開示されたものとして本明細書に開示される。さらに、これら様々な実施形態及びそれらの要素のサブコンビネーションのすべてもまた、明確に本発明に包含され、まさにありとあらゆるかかるサブコンビネーションが個々にかつ明確に本明細書に開示されたものとして本明細書に開示される。
【0032】
本明細書で議論される刊行物は、本出願の出願日前にそれらの開示用にのみ提供されている。本発明が、先行発明によるかかる刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきものは本明細書にはない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の刊行日とは異なる場合があり、別々に確認する必要がありうる。
【0033】
詳細な説明
本開示は、Neisseria meningitidisの少なくとも1菌株に対して殺菌性である抗体を誘発できる変異体H因子結合タンパク質(fHbp)を提供する。本開示は、本開示の変異体fHbpを含む免疫原性組成物を含めた組成物を提供する。本開示は、本開示の変異体fHbp、または本開示の変異体fHbpを含む組成物の使用方法を提供する。
【0034】
変異体fHbp
本開示は、参照fHbpと比較して、変異体fHbpがヒトH因子(fH)との親和性の低下を示すように、アミノ酸配列が、野生型N. meningitidisのfHbpと、1〜10アミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸から)10アミノ酸〜15アミノ酸、15アミノ酸〜20アミノ酸、20アミノ酸〜30アミノ酸、30アミノ酸〜40アミノ酸、または40アミノ酸〜50アミノ酸異なる変異体fHbpを提供するとともに、該変異体fHbpは、哺乳類宿主に投与された場合、1つまたは複数のN. meningitidis菌株に対する殺菌免疫反応を誘発する。一部の例では、変異体fHbpは、アミノ酸配列が、参照野生型N. meningitidisのfHbpとわずか1〜10酸置換異なる。一部の例では、変異体fHbpは、アミノ酸配列が、参照野生型N. meningitidisのfHbpと1つのアミノ酸置換のみ異なる。
【0035】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、参照fHbp配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;該変異体fHbpは、該変異体fHbpが、参照fHbpのヒトfHに対する結合親和性の85%以下のヒトfHに対する親和性を示すように、例えば、該変異体fHbpが、該参照fHbpのヒトfHに対する親和性の約85%〜約75%、約75%〜約65%、約65%〜約55%、約55%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満の結合親和性である、ヒトfHに対する親和性を示すように、該参照fHbp配列に対して1つまたは複数のアミノ酸置換を含み;該変異体fHbpは、哺乳類宿主(例えば、ヒト;または非ヒト動物モデル)に投与された場合、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌免疫反応を誘導する。
【0036】
本開示の変異体fHbpは、参照fHbpがその天然の立体構造にある場合にヒトfHに結合する該参照(例えば、野生型)fHbpと、実質的に同じ立体構造を維持する。本開示の変異体fHbpがヒトfHに結合する参照(例えば、野生型)fHbpと実質的に同じ立体構造を維持するかどうかは、野生型fHbpがその天然の立体構造にある場合に該野生型fHbpに結合する抗体を用いて判断できる。かかる抗体としては、例えば、JAR41;JAR4;及びJAR31が挙げられる。例えば、Vu et al. (2012) Sci. Reports 2:341参照。ハイブリドーマ形成性JAR4モノクローナル抗体は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)番号PTA−8943を有する。USPN8,470,340も参照されたい。例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、JAR4に対する結合を保持しており;例えば、本開示の変異体fHbpは、天然の立体構造にある参照fHbp(例えば、fHbp ID1、fHbp ID22、またはfHbp ID55)のJAR4に対する結合の少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%を保持する。
【0037】
fHbp ID1の変異体
本開示の変異体fHbpが由来する「参照fHbp」は、一部の例では、fHbp ID1である。fHbp ID1のアミノ酸配列を以下に示す。
【0038】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、変異体群1のfHbpである。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、変異体群1のfHbpであって、モジュラー群IのfHbpである。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;該変異体fHbpは、該変異体fHbpが、fHbp ID1のヒトfHに対する結合親和性の85%以下のヒトfHに対する親和性を示すように、例えば、該変異体fHbpが、fHbp ID1のヒトfHに対する親和性の約85%〜約75%、約75%〜約65%、約65%〜約55%、約55%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満の結合親和性である、ヒトfHに対する親和性を示すように、fHbp ID1に対して1つまたは複数のアミノ酸置換を含み;該変異体fHbpは、哺乳類宿主(例えば、ヒト;または非ヒト動物モデル)に投与された場合、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌免疫反応を誘導する。
【0039】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、fHbp ID1の番号に基づいて、該変異体fHbpは:(a)アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換;(b)アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換;(c)アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G);(d)アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換;及び(e)アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)のうちの少なくとも1つから選択されるアミノ酸置換を含む。
【0040】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、該変異体fHbpは、Q38R置換を含む。正電荷または芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、一部の例では、変異体fHbpは、Q38K置換、Q38H置換、Q38F置換、Q38Y置換、またはQ38W置換を含む。一例として、本開示の変異体fHbpは、
図20に示され、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0041】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、該fHbp変異体は、E92K置換を含む。正電荷または芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、fHbp変異体は、E92R置換、E92H置換、E92F置換、E92Y置換、またはE92W置換を含む。一例として、本開示の変異体fHbpは、
図21に示され、配列番号6に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0042】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G)を含む。例えば、本開示の変異体fHbpは、
図22に示され、配列番号7に記載のアミノ酸配列を含むことができる。負電荷または芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、R130で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、R130D置換、R130E置換、R130F置換、R130Y置換、またはR130W置換を含む。
【0043】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、該fHbp変異体はS223R置換を含む。正電荷または芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、fHbp変異体は、S223K置換、S223H置換、S223F置換、S223Y置換、またはS223W置換を含む。一例として、本開示の変異体fHbpは、
図23に示され、配列番号8に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0044】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)を含む。例えば、本開示の変異体fHbpは、
図24に示され、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含むことができる。非極性の、または負電荷もしくは芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、イソロイシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、H248で置換されうる。ゆえに、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、H248I置換、H248V置換、H248D置換、H248E置換、H248F置換、H248Y置換、またはH248W置換を含む。
【0045】
アミノ酸置換の組合せ
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、fHbp ID1の番号に基づいて、該変異体fHbpは:(a)アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換;(b)アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換;(c)アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G);(d)アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換;及び(e)アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)のうちの2つ以上から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0046】
置換の組合せが含まれてもよく、2つの置換は、異なる構造ドメインにあり、各々が独立してfHのfHbpへの結合を低下させる(例えば、C末端ドメインのアミノ酸置換と組み合わせるN末端ドメインの1つの置換。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、N末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びC末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、N末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びN末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、C末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びC末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。
【0047】
例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、fHbp ID1の番号に基づいて、該変異体fHbpは:(a)アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換及び(b)アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(a)アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換及び(c)アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G)を含むか;該変異体fHbpは:(a)アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換及び(d)アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換を含むか;または、該変異体fHbpは:(a)アミノ酸38のグルタミン(Q38)のアミノ酸置換及び(e)アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)を含む。
【0048】
さらなる非限定的な例として、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、fHbp ID1の番号に基づいて、該変異体fHbpは:(b)アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換及び(c)アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G)を含むか;該変異体fHbpは:(b)アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換及び(d)アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(b)アミノ酸92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換及び(e)アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)を含むか;該変異体fHbpは:(c)アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G)及び(d)アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(c)アミノ酸130のアルギニンに対するグリシン置換(R130G)及び(e)アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)を含むか;または、該変異体fHbpは:(d)アミノ酸223のセリン(S223)のアミノ酸置換及び(e)アミノ酸248のロイシンに対するヒスチジン置換(H248L)を含む。
【0049】
さらなる非限定的な例として、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID1の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID1の番号に基づいて:(i)Q38R置換;及び(ii)R130G置換を含む。
【0050】
上記の通りfHbp ID1のアミノ酸配列に対して1つまたは複数の置換を含み、かつ、さらにR41Sの置換を含む変異体fHbpタンパク質もまた本明細書で提供する。典型的な変異体fHbpは、fHbp ID1に対して、R41S置換及びS223の置換、例えば、R41S/S223R、または、fHbp ID1に対して、R41S置換及びH248L置換を含む。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号1と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID1の番号に基づいて、以下のアミノ酸置換のうちの2つ以上を含む:(a)アミノ酸41のアルギニンに対するセリン置換(R41S);(b)アミノ酸223のセリンに対するアルギニン置換(S223R);(c)アミノ酸248のヒスチジンに対するロイシン置換(H248L)。
【0051】
上記の通りfHbp ID1のアミノ酸配列に対して1つまたは複数の置換を含み、かつ、さらに、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれるUS2011/0256180に開示の置換を含む変異体fHbpタンパク質もまた本明細書に開示する。
【0052】
fHbp ID22の変異体
本開示の変異体fHbpが由来する「参照fHbp」は、一部の例では、fHbp ID22である。fHbp ID22のアミノ酸配列を以下に示す。
【0053】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、変異体群2のfHbpである。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、変異体群2のfHbpであって、モジュラー群IIIのfHbpである。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;該変異体fHbpは、該変異体fHbpが、fHbp ID22のヒトfHに対する結合親和性の85%以下のヒトfHに対する親和性を示すように、例えば、該変異体fHbpが、fHbp ID22のヒトfHに対する親和性の約85%〜約75%、約75%〜約65%、約65%〜約55%、約55%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満の結合親和性である、ヒトfHに対する親和性を示すように、fHbp ID22に対して1つまたは複数のアミノ酸置換を含み;該変異体fHbpは、哺乳類宿主(例えば、ヒト;または非ヒト動物モデル)に投与された場合、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌免疫反応を誘導する。
【0054】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して:(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I);(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G);(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T);(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換;(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換;(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つから選択されるアミノ酸置換を含む。本明細書に述べたように、該アミノ酸残基の番号は、fHbp ID1のそれに基づく。
【0055】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I)を含む。例えば、本開示の変異体fHbpは、
図25に示され、配列番号10に記載のアミノ酸配列を含むことができる。非極性の、または正電荷もしくは芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、バリン、ロイシン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、N115で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して、N115V置換、N115L置換、N115K置換、N115R置換、N115H置換、N115F置換、N115Y置換、またはN115W置換を含む。
【0056】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G)を含む。例えば、本開示の変異体fHbpは、
図26に示され、配列番号11に記載のアミノ酸配列を含むことができる。非極性の、または正電荷もしくは芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、ロイシン、イソロイシン、バリン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、D121で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して、D121L置換、D121I置換、D121V置換、D121K置換、D121R置換、D121H置換、D121F置換、D121Y置換、またはD121W置換を含む。
【0057】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T)を含む。例えば、本開示の変異体fHbpは、
図27に示され、配列番号12に記載のアミノ酸配列を含むことができる。極性の、または電荷もしくは芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、S128で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して、S128M置換、S128N置換、S128D置換、S128E置換、S128K置換、S128R置換、S128H置換、S128F置換、S128Y置換、またはS128W置換を含む。
【0058】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、fHbp変異体はV131D置換を含む。電荷または芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、fHbp変異体は、V131E置換、V131K置換、V131R置換、V131H置換、V131F置換、V131Y置換、またはV131W置換を含む。一例として、本開示の変異体fHbpは、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して、
図28に示され、配列番号13に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0059】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、fHbp変異体はK219N置換を含む。極性の、または負電荷もしくは芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、fHbp変異体は、K219Q置換、K219D置換、K219E置換、K219F置換、K219Y置換、またはK219W置換を含む。一例として、本開示の変異体fHbpは、
図29に示され、配列番号14に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0060】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、該fHbp変異体はG220S置換を含む。極性の、または電荷もしくは芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、fHbp変異体は、G220N置換、G220Q置換、G220D置換、G220E置換、G220K置換、G220R置換、G220H置換、G220F置換、G220Y置換、またはG220W置換を含む。例えば、本開示の変異体fHbpは、
図30に示され、配列番号15に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0061】
アミノ酸置換の組合せ
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して:(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I);(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G);(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T);(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換;(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換;(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換のうちの2つ以上から選択されるアミノ酸置換を含む。本明細書に述べたように、該残基の番号は、fHbp ID1のアミノ酸の番号に基づく。
【0062】
置換の組合せが含まれてもよく、2つの置換は、異なる構造ドメインにあり、各々が独立してfHのfHbpへの結合を低下させる(例えば、C末端ドメインのアミノ酸置換と組み合わせるN末端ドメインの1つの置換。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、N末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びC末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、N末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びN末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、C末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びC末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。
【0063】
例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して、該変異体fHbpは:(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I)及び(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G)を含むか;該変異体fHbpは:(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I)及び(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T)を含むか;該変異体fHbpは:(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I)及び(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I)及び(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換を含むか;または、該変異体fHbpは:(a)アミノ酸115のアスパラギンに対するイソロイシン置換(N115I)及び(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換を含み、該置換残基の番号は、fHbp ID1のアミノ酸配列の番号に基づく。
【0064】
さらなる非限定的な例として、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して、該変異体fHbpは:(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G)及び(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T)を含むか;該変異体fHbpは:(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G)及び(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G)及び(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換を含むか;または、該変異体fHbpは:(b)アミノ酸121のアスパラギン酸に対するグリシン置換(D121G)及び(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換を含む。該置換残基の番号は、fHbp ID1のアミノ酸配列の番号に基づく。
【0065】
さらなる非限定的な例として、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、fHbp ID22のアミノ酸配列に対して、該変異体fHbpは:(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T)及び(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T)及び(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(c)アミノ酸128のセリンに対するトレオニン置換(S128T)及び(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換及び(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(d)位置131のバリン(V131)のアミノ酸置換及び(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換を含むか;または、該変異体fHbpは:(e)位置219のリジン(K219)のアミノ酸置換及び(f)位置220のグリシン(G220)のアミノ酸置換を含む。該置換残基の番号は、fHbp ID1のアミノ酸配列の番号に基づく。
【0066】
置換の組合せが含まれてもよく、2つの置換は、異なる構造ドメインにあり、各々が独立してfHのfHbpへの結合を低下させる(例えば、C末端ドメインからの1つ(例えば、D211A、K219N、G220S)と組み合わせるN末端ドメインからの1つ(例えば、N115I、D121G、S128T、またはV131D)。
【0067】
例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは:(i)N115I置換;及び(ii)D211A置換を含む。
【0068】
別の例として、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは:(i)N115I置換;及び(ii)K219N置換を含む。
【0069】
別の例として、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは:(i)N115I置換;及び(ii)G220S置換を含む。
【0070】
野生型fHbp ID22と比較して熱安定性が高い変異体fHbpポリペプチドもまた本明細書で開示する。一部の例では、該変異体fHbpは、fHbp ID22(配列番号2)に対してL130R及びG133Dの置換を含んでよく、該変異体fHbpは、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体は、WT fHbp ID22より高い熱安定性を有する。変異体fHbpの熱安定性は、WT fHbp(例えば、fHbp ID22)より、少なくとも5℃、10℃、15℃、20℃、またはそれ以上高い場合、例えば、5℃〜30℃、5℃〜25℃、5℃〜20℃、10℃〜20℃、または15℃〜20℃高い場合がある。本明細書で用いられる「熱安定性」とは、高温にさらされた場合のタンパク質の安定性を指し;熱安定性変異体タンパク質は、その立体構造を野生型タンパク質より高温で維持する。例えば、野生型(WT)fHbp、例えば、WT fHbp ID22の熱安定性と比較して熱安定性を高める二重変異を含む変異体fHbpは、WT fHbpと比較して高温で変性しうる。ある例では、変異体fHbpのN末端ドメインは、WT fHbp(例えば、fHbp ID22)のN末端ドメインより高温で変性しうる。
【0071】
ある実施形態では、H因子結合タンパク質(fHbp)の変異体を開示するとともに、該変異体は、fHbp ID22(配列番号2)に対して、アミノ酸置換L130R及びG133D、並びに置換R80A、N115I、D121G、S128T、V131、D211A、E218A、K219(例えば、K219N)、G220(例えば、G220S)、E248A、G236I、T221A、及びH223Aのうちの少なくとも1つを含み、該変異体は、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導する。
【0072】
一部の例では、変異体fHbpは、置換の組合せ、例えば、L130R、G133D、及び:(a)N115I;(b)D121G;(c)S128T;(d)V131D;(e)K219(例えば、K219N);及び(f)G220(例えば、G220S)から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含んでよいとともに、該アミノ酸置換は、fHbp ID22(配列番号2)に対するものであり、該変異体fHbpは、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導する。
【0073】
ある実施形態では、H因子結合タンパク質(fHbp)の変異体を開示するとともに、該変異体は、fHbp ID22(配列番号2)に対して、アミノ酸置換L130R及びG133D、並びに置換R80A、D211A、E218A、E248A、G236I、T221A、及びH223Aのうちの少なくとも1つを含み、該変異体は、配列番号2と85%より高いアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトH因子(fH)と、ヒトfHに対するfHbp ID22の親和性の50%以下の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において殺菌性抗体反応を誘導する。
【0074】
典型的な変異体fHbpは、配列番号2と、85%を超えるアミノ酸配列同一性(例えば、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%、少なくとも96%の同一性、少なくとも97%の同一性、少なくとも98%の同一性、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有し、配列番号2のアミノ酸配列に対して以下の置換を含むポリペプチドを含む:L130R及びG133D;L130R、G133D、及びK219N;またはL130R、G133D、及びG220S。
【0075】
上記の通りfHbp ID22のアミノ酸配列に対して1つまたは複数の置換を含み、かつ、さらに、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれるUS2011/0256180に開示の置換を含む変異体fHbpタンパク質もまた本明細書に開示する。
【0076】
fHbp ID55の変異体
本開示の変異体fHbpが由来する「参照fHbp」は、一部の例では、fHbp ID55である。fHbp ID55のアミノ酸配列を以下に示す。
【0077】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、変異体群1のfHbpである。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、変異体群1のfHbpであって、モジュラー群IVのfHbpである。
【0078】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み;該変異体fHbpは、該変異体fHbpが、fHbp ID55のヒトfHに対する結合親和性の85%以下のヒトfHに対する親和性を示すように、例えば、該変異体fHbpが、fHbp ID55のヒトfHに対する親和性の約85%〜約75%、約75%〜約65%、約65%〜約55%、約55%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満の結合親和性である、ヒトfHに対する親和性を示すように、fHbp ID55に対して1つまたは複数のアミノ酸置換を含み;該変異体fHbpは、哺乳類宿主(例えば、ヒト;または非ヒト動物モデル)に投与された場合、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌免疫反応を誘導する。
【0079】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID55の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID55のアミノ酸配列に対して:(a)位置92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換;(b)位置223のセリン(S223)のアミノ酸置換;及び(c)位置248のヒスチジン(H248)のアミノ酸置換のうちの少なくとも1つから選択されるアミノ酸置換を含み、該アミノ酸残基の番号は、fHbp ID1の番号に基づく。
【0080】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID55の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、位置92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、該fHbp変異体はE92K置換を含む。正電荷または芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、該fHbp変異体は、E92R置換、E92H置換、E92F置換、E92Y置換、またはE92W置換を含む。一例として、本開示の変異体fHbpは、
図31に示され、配列番号16に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0081】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID55の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、位置223のセリン(S223)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、fHbp変異体はS223R置換を含む。正電荷または芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、fHbp変異体は、S223K置換、S223H置換、S223F置換、S223Y置換、またはS223W置換を含む。一例として、本開示の変異体fHbpは、
図32に示され、配列番号17に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0082】
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID55の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、位置248のヒスチジン(H248)のアミノ酸置換を含む。一部の例では、該fHbp変異体はH248L置換を含む。非極性の、または負電荷もしくは芳香族側鎖を有する他のアミノ酸、例えば、イソロイシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、チロシン、またはトリプトファンもまた、この位置で置換されうる。ゆえに、例えば、一部の例では、fHbp変異体は、H248I置換、H248V置換、H248D置換、H248E置換、H248F置換、H248Y置換、またはH248W置換を含む。一例として、本開示の変異体fHbpは、
図33に示され、配列番号18に記載のアミノ酸配列を含むことができる。
【0083】
アミノ酸置換の組合せ
一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID55の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、該変異体fHbpは、fHbp ID55に対して:(a)位置92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換;(b)位置223のセリン(S223)のアミノ酸置換;及び(c)位置248のヒスチジン(H248)のアミノ酸置換からなる群から選択される2つ以上のアミノ酸置換を含み、該残基の番号は、fHbp ID1に対する配列におけるアミノ酸の番号に基づく。
【0084】
置換の組合せが含まれてもよく、2つの置換は、異なる構造ドメインにあり、各々が独立してfHのfHbpへの結合を低下させる(例えば、C末端ドメインのアミノ酸置換と組み合わせるN末端ドメインの1つの置換。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、N末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びC末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、N末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びN末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。一部の例では、本開示の変異体fHbpは、C末端ドメイン内で第一のアミノ酸置換;及びC末端ドメイン内で第二のアミノ酸置換を含む。
【0085】
例えば、一部の例では、本開示の変異体fHbpは、配列番号3と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、該変異体fHbpは、ヒトfHと、ヒトfHに対するfHbp ID55の親和性の50%以下(例えば、約50%〜約45%、約45%〜約35%、約35%〜約25%、約25%〜約15%、約15%〜約10%、約10%〜約5%、約5%〜約2%、約2%〜約1%、もしくは約1%〜約0.1%、または0.1%未満)の親和性で結合し、該変異体は、哺乳類宿主において、N. meningitidisの少なくとも1菌株に対する殺菌性抗体反応を誘導し、fHbp ID55に対して、該変異体fHbpは:(a)位置92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換及び(b)位置223のセリン(S223)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(a)位置92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換及び(c)位置248のヒスチジン(H248)のアミノ酸置換を含むか;該変異体fHbpは:(b)位置223のセリン(S223)のアミノ酸置換及び(c)位置248のヒスチジン(H248)のアミノ酸置換を含むか;または、該変異体fHbpは:(a)位置92のグルタミン酸(E92)のアミノ酸置換、(b)位置223のセリン(S223)のアミノ酸置換、及び(c)位置248のヒスチジン(H248)のアミノ酸置換を含み、該残基の番号は、fHbp ID1に対する配列におけるアミノ酸の番号に基づく。
【0086】
上記の通りfHbp ID55のアミノ酸配列に対して1つまたは複数の置換を含み、かつ、さらに、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれるUS2011/0256180に開示の置換を含む変異体fHbpタンパク質もまた本明細書に開示する。
【0087】
融合ポリペプチド
本開示の変異体fHbpは、融合ポリペプチド、例えば、上記の変異体fHbp、及び異種ポリペプチド(例えば、融合パートナー)を含むポリペプチドでありうる。融合パートナーは、変異体fHbpのN末端、変異体fHbpのC末端、またはfHbpの内部部位にありうる。
【0088】
適切な融合パートナーとしては、インビボでの安定性の向上(例えば、血清中半減期の向上)をもたらす;精製の容易さをもたらす、例えば、(His)
n、例えば、6His等;細胞からの融合タンパク質の分泌をもたらす;エピトープタグをもたらす、例えば、GST、ヘマグルチニン(HA;例えば、YPYDVPDYA;配列番号26)、FLAG(例えば、DYKDDDDK;配列番号27)、c−myc(例えば、EQKLISEEDL;配列番号28)等;検出可能なシグナル、例えば、検出可能な産物を生成する酵素(例えば、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ)、またはそれ自体検出可能なタンパク質、例えば、緑色蛍光タンパク質、黄色蛍光タンパク質等をもたらす;多量体化、例えば、免疫グロブリンのFc部分等の多量体化ドメインをもたらす;等のペプチド及びポリペプチドが挙げられる。
【0089】
産生方法
本開示のfHbpは、組換え法及び非組換え法(例えば、化学合成)を含めた任意の適切な方法で産生できる。対象のfHbpが組換え技術を用いて製造される場合、方法は、任意の適切な構築物及び任意の適切な宿主細胞を含むことができるとともに、宿主細胞は、原核細胞でも真核細胞でもよく、通常は細菌または酵母宿主細胞、さらに通常は細菌細胞でありうる。遺伝物質の宿主細胞への導入方法としては、例えば、形質転換、エレクトロポレーション、接合、リン酸カルシウム法、等が挙げられる。転移方法は、導入されたfHbpをコードする核酸の安定な発現をもたらすように選択されうる。fHbpをコードする核酸は、遺伝性エピソーム要素(例えば、プラスミド)として提供されても、ゲノム的に融合されてもよい。
【0090】
本開示は、本開示のfHbp変異体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸(単離された核酸を含む)を提供する。いくつかの実施形態では、fHbp変異体をコードするヌクレオチド配列は、転写調節因子、例えば、プロモーターに機能的に連結される。プロモーターは、一部の例では、構成性である。プロモーターは、一部の例では、誘導性である。一部の例では、プロモーターは、原核宿主細胞の使用に適する(例えば、その中で活性がある)。一部の例では、プロモーターは、真核宿主細胞の使用に適する(例えば、その中で活性がある)。
【0091】
一部の例では、本開示のfHbp変異体をコードするヌクレオチド配列を含む核酸は、発現ベクター内に存在する。本開示は、本開示のfHbp変異体をコードするヌクレオチド配列を含む組換え発現ベクター(例えば、単離された組換え発現ベクター)を提供する。いくつかの実施形態では、fHbp変異体をコードするヌクレオチド配列は、転写調節因子、例えば、プロモーターに機能的に連結される。プロモーターは、一部の例では、構成性である。プロモーターは、一部の例では、誘導性である。一部の例では、プロモーターは、原核宿主細胞の使用に適する(例えば、その中で活性がある)。一部の例では、プロモーターは、真核宿主細胞の使用に適する(例えば、その中で活性がある)。
【0092】
fHbpをコードする核酸を転移させるのに適するベクターは、組成物で異なりうる。組み込みベクターは、条件複製型または自殺プラスミド、バクテリオファージ、等でよい。これら構築物は、例えば、プロモーター、選択遺伝子マーカー(例えば、抗生物質(例えば、カナマイシン、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、またはゲンタマイシン)への耐性を与える遺伝子)、複製起点(宿主細胞、例えば細菌宿主細胞での複製を促進するため)等の様々な要素を含むことができる。ベクターの選択は、様々な要素、例えば、増殖が望まれる細胞の種類及び増殖の目的による。あるベクターは、所望のDNA配列の増幅及び大量生産に有用である。他のベクターは、培養細胞での発現に適する。さらに別のベクターは、動物全体の細胞での転移及び発現に適する。適切なベクターの選択は、当業者が備えている技能の十分範囲内である。多くのかかるベクターは市販されている。
【0093】
一例では、ベクターは、選択薬剤耐性マーカー並びに異なる宿主細胞で(例えば、E. coli(大腸菌)及びN. meningitidisの両方で)自己複製をもたらす要素を含むエピソームプラスミドに基づく発現ベクターである。かかる「シャトルベクター」の一例は、pFP10プラスミド(Pagotto et al. (2000) Gene 244:13−19)である。
【0094】
構築物(組換えベクター)は、例えば、目的のポリヌクレオチドを構築物の骨格に挿入することによって、通常はDNAリガーゼによる、ベクターの切断制限酵素部位への付着によって調製できる。別の方法として、所望のヌクレオチド配列は、相同組換えまたは部位特異的組換えによって挿入できる。通常、相同組換えは、ベクターに対し、所望のヌクレオチド配列の両側に相同領域を付けることによって達成され、部位特異的組換えは、部位特異的組換えを促進する配列(例えば、cre−lox、att部位等)の使用によって達成されうる。かかる配列を含む核酸は、例えば、オリゴヌクレオチドの連結反応によって、または、相同領域及び所望のヌクレオチド配列の部分をともに含むプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応によって付加されうる。
【0095】
ベクターは、宿主細胞内で染色体外維持が可能であるか、または宿主細胞ゲノムへの組み込みが可能である。ベクターは、例えば、Short Protocols in Molecular Biology, (1999) F. Ausubel, et al., eds., Wiley & Sons等の、当業者に周知の多くの刊行物に十分説明されている。ベクターは、対象のfHbpをコードする核酸の発現をもたらしてもよく、対象の核酸の増殖をもたらしてもよく、または両方でもよい。
【0096】
使用されうるベクターの例としては、限定されないが、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、またはコスミドDNA由来のものが挙げられる。例えば、pBR322、pUC19/18、pUC118、119、及びM13mpシリーズのベクター等のプラスミドベクターが使用されうる。pET21もまた、使用されうる発現ベクターである。バクテリオファージベクターとしては、λgt10、λgt11、λgt18−23、λZAP/R、及びEMBLシリーズのバクテリオファージベクターを挙げてもよい。利用されうるさらなるベクターとしては、限定されないが、pJB8、pCV103、pCV107、pCV108、pTM、pMCS、pNNL、pHSG274、COS202、COS203、pWE15、pWE16、及びcharomid 9シリーズのベクターが挙げられる。
【0097】
対象のfHbpの発現用に、発現カセットを用いてもよい。ゆえに、本開示は、対象の核酸を含む組換え発現ベクターを提供する。発現ベクターは、転写及び翻訳調節配列を与え、誘導性または構成性発現をもたらしうるとともに、コード領域は、転写開始領域並びに転写及び翻訳終結領域の転写調節下、機能的に連結される。これらの調節領域は、対象のfHbpが由来するfHbpに元々備わっていてもよく、または、外来の起源由来でもよい。一般に、転写及び翻訳調節配列としては、限定されないが、プロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始及び停止配列、翻訳開始及び停止配列、並びにエンハンサーまたはアクチベーター配列を挙げてもよい。プロモーターは、構成性でも誘導性でもよく、強力な構成的プロモーター(例えば、T7等)であってもよい。
【0098】
発現ベクターは、一般に、目的のタンパク質をコードする核酸配列の挿入をもたらすのに都合の良い、プロモーター配列の近くに位置する制限部位を有する。発現宿主で作動する選択マーカーは、ベクターを含む細胞の選択を容易にするために存在してもよい。さらに、発現構築物は、さらなる要素を含んでもよい。例えば、発現ベクターは、1つまたは2つの複製系を有して、例えば、哺乳類または昆虫細胞では発現のため、原核宿主ではクローニングと増幅のため、生物でのその維持を可能にしてよい。さらに、発現構築物は、選択マーカー遺伝子を含んで、形質転換宿主細胞の選択を可能にしてもよい。選択遺伝子は、当技術分野では周知であり、使用される宿主細胞によって異なる。
【0099】
本開示のfHbpは、検出可能な標識等のさらなる要素、例えば、放射性標識、蛍光標識、ビオチン標識、免疫学的に検出可能な標識(例えば、ヘマグルチニンタグ、ポリヒスチジンタグ)等を含みうることに留意されたい。fHbpのさらなる要素は、様々な方法(例えば、親和性捕捉等)によって単離を容易にするために(例えば、ビオチンタグ、免疫学的に検出可能なタグ)提供されうる。対象のfHbpは、任意で、共有結合または非共有結合によって支持体に固定化されうる。
【0100】
fHbpの単離及び精製は、当技術分野で公知の方法に従って達成できる。例えば、fHbpは、一般に試料を抗fHbp抗体(例えば、抗fHbpモノクローナル抗体(mAb)、例えば、JAR4 MAbまたは当技術分野で公知の他の適切なJAR MAb)と接触させ、洗浄して非特異的に結合した材料を除去し、特異的に結合したfHbpを溶出することを含む免疫親和性精製によって、fHbpを発現するように遺伝子改変された細胞溶解物から、または、合成反応混合物から単離することができる。単離されたfHbpは、透析及びタンパク質精製法で通常用いられる他の方法によってさらに精製されうる。一例では、fHbpは、金属キレートクロマトグラフィー法を用いて単離されうる。
【0101】
宿主細胞
多数の適切な宿主細胞のいずれかがfHbpの産生に使用されうる。一般に、本明細書に記載のfHbpは、原核生物または真核生物、例えば、Escherichia coliまたはNeisseria(例えば、N. meningitidis)等の細菌内で、従来の技術に従って発現されうる。ゆえに、本開示はさらに、対象のfHbpをコードする核酸を含む遺伝子改変されたインビトロ宿主細胞を提供する。対象のfHbpの産生(大規模産生を含む)用の宿主細胞は、様々な入手可能な宿主細胞のいずれかから選択されうる。発現用の宿主細胞の例としては、原核または真核単細胞生物、例えば、細菌(例えば、Escherichia coli株)、酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス・セレビシエ)、Pichia(ピキア)種等)のものが挙げられ、また、元々は高等生物、例えば、昆虫、脊椎動物、例えば、哺乳類由来の宿主細胞を挙げてもよい。適切な哺乳類細胞株としては、限定されないが、HeLa細胞(例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)番号CCL−2)、CHO細胞(例えば、ATCC番号CRL9618、CCL61、CRL9096)、293細胞(例えば、ATCC番号CRL−1573)、Vero細胞、NIH 3T3細胞(例えば、ATCC番号CRL−1658)、Huh−7細胞、BHK細胞(例えば、ATCC番号CCL10)、PC12細胞(ATCC番号CRL1721)、COS細胞、COS−7細胞(ATCC番号CRL1651)、RAT1細胞、マウスL細胞(ATCC番号CCLI.3)、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞(ATCC番号CRL1573)、HLHepG2細胞等)が挙げられる。一部の例では、細菌宿主細胞及び酵母宿主細胞が、対象のfHbp産出にとって特に重要である。
【0102】
対象のfHbpは、実質的に純粋もしくは実質的に単離された形(すなわち、実質的に他のNeisseriaまたは宿主細胞のポリペプチドを含まない)または実質的に単離された形で調製されうる。対象のfHbpは、ポリペプチドが、存在しうる他の成分(例えば、他のポリペプチドまたは他の宿主細胞成分)に比べて濃縮されて組成物中で存在しうる。精製された対象のfHbpは、ポリペプチドが、他の発現ポリペプチドを実質的に含まない組成物、例えば、組成物の90%未満、通常は60%未満、さらに通常は50%未満が他の発現ポリペプチドで構成されている組成物で存在するように提供されうる。
【0103】
小胞産生用の宿主細胞
対象のfHbpが膜小胞(以下でより詳細に説明する)で提供される場合、Neisseriaの宿主細胞は、対象のfHbpを発現するように遺伝子改変される。様々なNeisseria種の菌株のいずれかが、対象のfHbpを産生するために改変されてよく、また、任意で、これらは目的の他の抗原、例えば、PorAを産生するか、または産生するように改変されてもよく、本明細書に開示の方法で使用されうる。
【0104】
Neisseria菌株の遺伝子改変及び所望のポリペプチドの発現をもたらす方法及びベクターは、当技術分野で公知である。ベクター及び方法の例は、WO02/09746及びO’Dwyer et al. (2004) Infect Immun 72:6511−80に見出すことができる。強力なプロモーター、特に構成性の強力なプロモーターは、特に重要である。プロモーターの例としては、porA、porB、lbpB、tbpB、p110、hpuAB、lgtF、opa、p110、lst、hpuAB、及びrmpのプロモーターが挙げられる。
【0105】
病原性Neisseria種または病原性Neisseria種由来の菌株、特にヒトに対して病原性の菌株、もしくはヒトに対して病原性もしくは共生的な菌株由来の菌株は、膜小胞産生での使用に特に重要である。Neisseria種の例としては、N. meningitidis、N. flavescens(ナイセリア・フラベセンス)、N. gonorrhoeae(淋菌)、N. lactamica(ナイセリア・ラクタミカ)、N. polysaccharea(ナイセリア・ポリサッカレア)、N. cinerea(ナイセリア・シネレア)、N. mucosa(ナイセリア・ムコサ)、N. subflava(ナイセリア・サブフラバ)、N. sicca(ナイセリア・シッカ)、N. elongata(ナイセリア・エロンガタ)等が挙げられる。
【0106】
N. meningitidis菌株は、対象のfHbpを発現させるための遺伝子改変及び小胞産生での使用のために特に重要である。小胞産生に用いられる菌株は、所望されうる多くの異なる特徴に応じて選択されうる。例えば、菌株は:所望のPorA型(「血清亜型」)、莢膜群、血清型等;莢膜多糖産生の低下;等に応じて選択されうる。例えば、産生株は、任意の所望のPorAポリペプチドを産生でき、1つまたは複数のPorAポリペプチドを発現しうる(自然に、または遺伝子操作によって)。菌株の例としては、血清亜型P1.7,16;P1.19,15;P1.7,1;P1.5,2;P1.22a,14;P1.14;P1.5,10;P1.7,4;P1.12,13を与えるPorAポリペプチド;及び血清亜型決定に用いられる従来の血清学的試薬との反応性を保っていてもいなくてもよい、かかるPorAポリペプチドの変異体を産生するものが挙げられる。同様に重要なのは、PorAの可変領域(VR)タイピングに応じて特徴づけられるPorAポリペプチドである(例えば、Russell et al. (2004) Emerging Infect Dis 10:674−678; Sacchi CT et al. (1998) Clin Diagn Lab Immunol 5:845−55; Sacchi et al (2000) J. Infect Dis 182:1169−1176参照)。相当数の異なるVR型が特定されており、これらは、VR1及びVR2ファミリーの「プロトタイプ」に分類されうる。この命名法及び以前のタイピングスキームとのその関係を記載しているウェブアクセス可能なデータベースは、neisseria.org/nm/typing/poraで見出される。特定のPorA VR1及びVR2型のアライメントは、Russell et al. (2004) Emerging Infect Dis 10:674−678に提供されている。
【0107】
代替的にまたはさらに、産生菌株は、莢膜欠損菌株でよい。莢膜欠損菌株は、ワクチンが投与される対象において、有意な自己抗体反応の誘発(例えば、宿主細胞表面のシアル酸と交差反応する抗体の産生による)のリスクの減少をもたらす小胞ベースのワクチンを与えることができる。本明細書で用いられる「莢膜欠損」または「莢膜多糖の欠損」とは、天然に存在する菌株のものより低い細菌表面の莢膜多糖のレベルを指すか、または、菌株が遺伝子改変される場合、莢膜欠損菌株が由来する親株のものより低い細菌表面の莢膜多糖のレベルを指す。莢膜欠損菌株としては、少なくとも10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、75%、80%、85%、90%、またはそれより多く、表面莢膜の多糖産生が減少した菌株、及び、莢膜多糖が細菌表面で検出できない(例えば、抗莢膜多糖抗体を用いた全細胞酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)によって)菌株が挙げられる。
【0108】
莢膜欠損菌株としては、天然に生じる、または組換え的に生成される遺伝子改変による莢膜欠損のものが挙げられる。天然に存在する莢膜欠損菌株(例えば、Dolan−Livengood et al. (2003) J. Infect. Dis. 187:1616−28参照)、並びに莢膜欠損菌株の特定及び/または生成方法(例えば、Fisseha et al. (2005) Infect. Immun. 73:4070−4080; Stephens et al. (1991) Infect Immun 59:4097−102; Frosch et al. (1990) Mol Microbiol.4:1215−1218参照)が当技術分野で知られている。
【0109】
莢膜多糖の産生の低下をもたらすNeisseria宿主細胞の改変は、莢膜合成に関わる1つまたは複数の遺伝子の改変を含んでよく、改変で、例えば、改変前の親細胞に対して莢膜多糖のレベルが低下する。かかる遺伝子改変は、1つまたは複数の莢膜生合成遺伝子のヌクレオチド及び/またはアミノ酸配列の変化を含むことができ、菌株を莢膜欠損にする(例えば、1つまたは複数の莢膜生合成遺伝子での1つまたは複数の挿入、欠損、置換等によって)。莢膜欠損菌株は、1つまたは複数の莢膜遺伝子を欠いてもよく、1つまたは複数の莢膜遺伝子に対して機能しなくてもよい。
【0110】
特に重要なのは、シアル酸生合成が欠損している菌株である。かかる菌株は、ヒトシアル酸抗原と交差反応する抗シアル酸抗体を誘発するリスクが減少した小胞の産生をもたらすことができ、かつ、さらに、製造の安全の向上をもたらすことができる。シアル酸生合成が欠損している(天然に存在する改変または人工的な改変のどちらかによる)菌株は、シアル酸生合成経路における多数の異なる遺伝子のいずれかに欠損がありうる。特に重要なのは、N‐アセチルグルコサミン‐6‐ホスフェート2‐エピメラーゼ遺伝子(synX AAF40537.1またはsiaA AAA20475として知られる)によってコードされる遺伝子産物を欠損している菌株であって、この遺伝子が不活化された菌株は特に興味深い。例えば、1つの実施形態では、莢膜欠損菌株は、機能的synX遺伝子産物の産生を妨害することによって生成される(例えば、Swartley et al. (1994) J Bacteriol. 176:1530−4参照)。
【0111】
莢膜欠損菌株はまた、非組換え技術を用いて、例えば、殺菌性抗莢膜抗体を用いて莢膜多糖のレベルが低下した菌株を選択することによって、天然に存在する菌株から生成することもできる。
【0112】
本開示が2つ以上の菌株の使用を含む場合(例えば、対象のfHbpを提示する小胞を含む抗原性組成物を異なる菌株から産生するため)、該菌株は、1つまたは複数の菌株特性が異なるように、例えば、使用される対象のfHbp、PorA等に差がある小胞をもたらすために選択されうる。
【0113】
小胞の調製
本開示によって企図される抗原性組成物は一般に、対象のfHbpを発現するNeisseria細胞から調製される小胞を含む。本明細書で言及される「小胞」は、外膜小胞及び微小胞(ブレブとも呼ばれる)を包含することを意図する。
【0114】
抗原性組成物は、対象のfHbpを発現するように遺伝子改変されたNeisseria meningitidis種の培養株の外膜から調製された外膜小胞(OMV)を含みうる。OMVは、ブロスまたは固体培地培養で増殖させたNeisseria meningitidisから、好ましくは、該細菌細胞を該培地から分離し(例えば、ろ過、または該細胞をペレットにする低速遠心分離等によって)、該細胞を溶解し(例えば、界面活性剤の添加、浸透圧衝撃、超音波処理、キャビテーション、均質化等によって)、及び、細胞質分子から外膜画分を分離することによって(例えば、ろ過によって;または外膜及び/または外膜小胞の示差沈殿もしくは凝集によって、もしくは外膜分子を特異的に認識するリガンドを用いたアフィニティー分離法によって;または外膜及び/または外膜小胞をペレットにする高速遠心分離によって、等)得てもよく;外膜画分は、OMVを産生するために用いられうる。
【0115】
抗原性組成物は、対象のfHbpを含む微小胞(MV)(または「ブレブ」)を含むことができ、該MVまたはブレブは、対象のfHbpを発現するように遺伝子改変されたNeisseria meningitidis菌株の培養中に放出される。例えば、MVは、ブロス培地でNeisseria meningitidisの菌株を培養し、該ブロス培地から全細胞を分離し(例えば、ろ過によって、またはより小さいブレブでなく該細胞のみをペレットにする低速遠心分離によって、等)、及び、その後、該無細胞培地に存在する該MVを回収することによって(例えば、ろ過、MVの示差沈殿もしくは凝集、または該ブレブをペレットにする高速遠心分離によって、等)得てもよい。MVの産生用の菌株は、一般に、培養下に産生されるブレブの量を基に選択されうる(例えば、細菌は、単離及び本明細書に記載の方法における投与に適するブレブの産生をもたらす合理的な数で培養することができる)。高濃度のブレブを産生する例示的な菌株は、PCT公開第WO01/34642号に記載されている。ブレブの産生に加えて、MV産生に用いる菌株も同様に、NspA産生を基に選択されてよく、より高濃度のNspAを産生する菌株は、特に重要でありうる(異なるNspA産生濃度を有するN.meningitidis菌株の例については、例えば、Moe et al. (1999 Infect. Immun. 67: 5664)参照。ブレブの産生に用いる目的の他の菌株としては、不活化GNA33遺伝子を有する菌株が挙げられ、これは、細胞分離、膜構造、及び病原性に必要なリポタンパク質をコードする(例えば、Adu−Bobie et al. (2004) Infect Immun.72:1914−1919参照)。
【0116】
本開示の抗原性組成物は、1つの菌株由来の、または、同種でも異種でもよく、通常は互いに異種である2、3、4、5、もしくはそれより多い菌株由来の小胞を含むことができる。例えば、菌株は、対象のfHbpが由来するPorA及び/またはfHbpに対して同種でも異種でもよい。小胞は、異なる変異体(v.1、v.2、もしくはv.3)または亜変異体(subvariant)(例えば、v.1、v.2、もしくはv.3の亜変異体)由来のfHbpのアミノ酸配列からなっていてもよい複数の対象のfHbp(例えば、1、2、3、またはそれより多い対象のfHbp)を発現する菌株から調製されうる。
【0117】
抗原性組成物は、同一のまたは異なる対象のfHbpを提示するOMVとMVの混合物を含むことができ、対象のfHbpは、任意で、異なる組合せのfHbp変異体及び/または亜変異体由来のエピトープを提示してもよく、OMV及び/またはMVは、同一のまたは異なる菌株由来でよい。異なる菌株由来の小胞は、混合物として投与することも、順次投与することもできる。
【0118】
必要であれば(例えば、小胞の産生に用いる菌株がエンドトキシンまたは特定の高濃度のエンドトキシンに関連する場合)、小胞は、任意で処理され、エンドトキシンを減少させ、例えば、投与後の毒性を減少させる。以下に述べるように望ましくないが、エンドトキシンの低減は、適切な界面活性剤(例えば、BRIJ−96、デオキシコール酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、Empigen BB、Triton X−100、ノニオン界面活性剤TWEEN 20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、ノニオン界面活性剤TWEEN 80、濃度0.1〜10%、例えば、0.5〜2%、及びドデシル硫酸ナトリウム(SDS))での抽出によって達成されうる。界面活性剤抽出が用いられる場合、デオキシコレート以外の界面活性剤を用いることが好ましい。
【0119】
抗原性組成物の小胞は、界面活性剤なしで、例えばデオキシコレートを用いることなく調製できる。界面活性剤処理はエンドトキシン活性を除去するのに有用であるが、未変性のfHbpリポタンパク質及び/または対象のfHbp(脂質化fHbpを含む)を小胞産生の際の抽出によって枯渇させうる。ゆえに、界面活性剤を必要としない技術を用いてエンドトキシン活性を低下させることが特に所望されうる。1つの取り組みでは、比較的低いエンドトキシン(リポ多糖、LPS)産生菌株を用いてヒトでの使用前の最終調製物からエンドトキシンを除去する必要性を避ける。例えば、小胞は、ワクチンで望ましくないことがあるリポオリゴ糖や他のワクチン(例えば、Rmp)が低減または除去されたNeisseria変異体から調製することができる。
【0120】
小胞は、リピドAの毒性活性を低下させるか、または不検出にする遺伝子改変を含むN.meningitidis菌株から調製されうる。例えば、かかる菌株は、リピドA生合成において遺伝子改変されうる(Steeghs et al. (1999) Infect Immun 67:4988−93; van der Ley et al. (2001) Infect Immun 69:5981−90; Steeghs et al. (2004) J Endotoxin Res 10:113−9; Fissha et al, (2005) Infect Immun 73:4070)。免疫原性組成物は、LPSの改変、例えば、lpxL1またはlpxL2によってそれぞれコードされる酵素の下方制御及び/または不活化によって無毒化されうる。lpxL1変異体でなされるペンタアシル化リピドAの産生は、lpxL1でコードされる酵素が、GlcN IIの2’位のN結合3−OH C14にC12を付加することを示す。lpxL2変異体で見られる主なリピドA種はテトラアシル化であり、lpxL2でコードされる酵素が、他のC12を、すなわちGlcN Iの2位のN結合3−OH C14に付加することを示す。これらの遺伝子の発現を低下させる(または発現させない)(またはこれらの遺伝子産物の活性を低下させる、またはなくす)変異は、リピドAの毒性活性を変化させる(van der Ley et al. (2001) Infect Immun 69:5981−90)。テトラアシル化(lpxL2変異体)及びペンタアシル化(lpxL1変異体)リピドAは、野生型のリピドAより毒性が低い。リピドA4’‐キナーゼをコードする遺伝子(lpxK)の変異もまた、リピドAの毒性活性を低下させる。小胞(例えば、MVまたはOMV)の産生における使用に特に重要なのは、機能性LpxL1コードタンパク質の低減または不検出をもたらすように遺伝子改変されたN. meningitidis菌株であって、例えば、Neisseria細菌(例えば、N. meningitidis菌株)は遺伝子改変されて、lpxL1遺伝子の遺伝子産物の活性を低下させるか、またはなくす。例えば、Neisseria細菌は、遺伝子改変されてlpxL1遺伝子ノックアウトを有することができ、例えば、lpxL1遺伝子は破壊される。例えば、米国特許出願公開第2009/0035328号参照。Neisseria細菌は、遺伝子改変されてlpxL2遺伝子の遺伝子産物の活性を低下させるか、またはなくすことができる。Neisseria細菌は、遺伝子改変されてlpxL1遺伝子及びlpxL2遺伝子の遺伝子産物の活性を低下させるか、またはなくすことができる。かかる小胞は、対象のfHbpの免疫原性を保持しながら、LPS産生について野生型であるN. meningitidis菌株と比較して毒性が低減される。
【0121】
LPSの毒性活性はまた、ポリミキシンB耐性(かかる耐性は、リピドAの4’リン酸へのアミノアラビノースの付加に関連付けられている)に関わる遺伝子/座に変異を導入することによって変更されうる。これらの遺伝子/座は、UDP−グルコースデヒドロゲナーゼをコードするpmrEでありうるか、または、アミノアラビノース合成及び転移に関与しうる多くの腸内細菌科に共通の抗微生物ペプチド耐性遺伝子領域でありうる。この領域に存在するpmrF遺伝子は、ドリコールリン酸マンノシルトランスフェラーゼ(dolicol−phosphate manosyl transferase)をコードする(Gunn J. S., Kheng, B. L., Krueger J., Kim K., Guo L., Hackett M., Miller S. I. 1998. Mol. Microbiol. 27: 1171−1182)。
【0122】
ホスホリレー2成分調節系(例えば、PhoP構成的表現型、PhoPc)であるPhoP−PhoQ調節系の変異、または、低Mg
++環境もしくは培養条件(これはPhoP−PhoQ調節系を活性化する)は、アミノアラビノースの4’‐リン酸への付加及びミリステートの2‐ヒドロキシミリステート置換(ミリステートのヒドロキシル化)につながる。この改変リピドAは、ヒト内皮細胞によるE−セクレチン発現及びヒト単球からのTNF分泌を刺激する能力の低下を呈する。
【0123】
ポリミキシンB耐性菌株はまた、かかる菌株が低下したLPS毒性を有することが示されているため、使用に適する(例えば、van der Ley et al. (1994): Proceedings of the ninth international pathogenic Neisseria conference. The Guildhall, Winchester, England参照)。別の方法として、ポリミキシンBの結合活性を模倣する合成ペプチドを抗原性組成物に添加し、LPSの毒性活性を減少させてもよい(例えば、Rustici et al. (1993) Science 259:361−365; Porro et al. (1998) Prog Clin Biol Res.397:315−25参照)。
【0124】
エンドトキシンはまた、培養条件の選択によっても低減されうる。例えば、培地1リットル当たりアミノアラビノースを0.1mg〜100mg含む増殖培地で菌株を培養すると、脂質の毒性が低減される(例えば、WO02/097646参照)。
【0125】
組成物及び製剤
「組成物」、「抗原組成物」、「抗原性組成物」、または「免疫原性組成物」は、本明細書では、便宜上、総称的に、本明細書に開示の対象のfHbpを含む組成物を指すために用いられ、その対象のfHbpは、任意で結合されてさらに免疫原性を高めてもよい。ヒトにおいて、抗体、例えば、抗Neisseria meningitidis抗体、例えば、Neisseria meningitidisに対する殺菌性抗体を誘発するために有用な組成物は、本開示によって特に企図される。抗原性組成物は、1つの、2つの、またはそれ以上の異なる対象のfHbpを含むことができる。2種以上のfHbpがある場合、各対象のfHbpは、異なる組合せのfHbp変異体及び/または亜変異体由来のエピトープを提示しうる。
【0126】
抗原性組成物は、免疫学的に有効な量の対象のfHbpを含み、さらに、必要に応じて他の相溶性成分を含んでもよい。本開示の組成物は、低fH結合剤であるfHbpを含むことができる。組成物は、少なくとも1つのfHbpが低fH結合剤である1つまたは複数のfHbpを含む。組成物中に2つ以上のfHbpがある場合、各fHbpは異なりうる(例えば、アミノ酸配列及び/または結合において)。
【0127】
一部の例では、本開示の抗原性組成物は、本開示の1つのfHbp変異体のみを含む。一部の例では、本開示の抗原性組成物は、本開示の2つ以上の異なるfHbp変異体を含む。非限定的な例として、一部の例では、本開示の抗原性組成物は、以下を含む:
(1)fHbp ID1の第一の変異体であって、Q38でのアミノ酸置換(例えば、Q38R)を含む第一のfHbp ID1変異体;及びfHbp ID1の第二の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含む第二のfHbp ID1変異体;
(2)fHbp ID1の第一の変異体であって、Q38でのアミノ酸置換(例えば、Q38R)を含む第一のfHbp ID1変異体;及びfHbp ID1の第二の変異体であって、R130でのアミノ酸置換(例えば、R130G)を含む第二のfHbp ID1変異体;
(3)fHbp ID1の第一の変異体であって、Q38でのアミノ酸置換(例えば、Q38R)を含む第一のfHbp ID1変異体;及びfHbp ID1の第二の変異体であって、S223でのアミノ酸置換(例えば、S223R)を含む第二のfHbp ID1変異体;
(4)fHbp ID1の第一の変異体であって、Q38でのアミノ酸置換(例えば、Q38R)を含む第一のfHbp ID1変異体;及びfHbp ID1の第二の変異体であって、H248でのアミノ酸置換(例えば、H248L)を含む第二のfHbp ID1変異体;
(5)fHbp ID22の変異体であって、N115でのアミノ酸置換(例えば、N115I)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID1の変異体であって、Q38でのアミノ酸置換(例えば、Q38R)を含むfHbp ID1変異体;
(6)fHbp ID22の変異体であって、D121でのアミノ酸置換(例えば、D121G)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID1の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含むfHbp ID1変異体;
(7)fHbp ID22の変異体であって、S128でのアミノ酸置換(例えば、S128T)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID1の変異体であって、H248でのアミノ酸置換(例えば、H248L)を含むfHbp ID1変異体;
(8)fHbp ID22の変異体であって、V131でのアミノ酸置換(例えば、V131D)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID1の変異体であって、Q38でのアミノ酸置換(例えば、Q38R)を含むfHbp ID1変異体;
(9)fHbp ID22の変異体であって、K219でのアミノ酸置換(例えば、K219N)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID1の変異体であって、Q38でのアミノ酸置換(例えば、Q38R)を含むfHbp ID1変異体;
(10)fHbp ID22の変異体であって、G220でのアミノ酸置換(例えば、G220S)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID1の変異体であって、Q38でのアミノ酸置換(例えば、Q38R)を含むfHbp ID1変異体;
(11)fHbp ID22の変異体であって、N115でのアミノ酸置換(例えば、N115I)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID55の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含むfHbp ID55変異体;
(12)fHbp ID22の変異体であって、D121でのアミノ酸置換(例えば、D121G)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID55の変異体であって、S223でのアミノ酸置換(例えば、S223R)を含むfHbp ID55変異体;
(13)fHbp ID22の変異体であって、S128でのアミノ酸置換(例えば、S128T)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID55の変異体であって、H248でのアミノ酸置換(例えば、H248L)を含むfHbp ID55変異体;
(14)fHbp ID22の変異体であって、V131でのアミノ酸置換(例えば、V131D)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID55の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含むfHbp ID55変異体;
(15)fHbp ID22の変異体であって、K219でのアミノ酸置換(例えば、K219N)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID55の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含むfHbp ID55変異体;
(16)fHbp ID22の変異体であって、G220でのアミノ酸置換(例えば、G220S)を含むfHbp ID22変異体;及びfHbp ID55の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含むfHbp ID55変異体;
(17)fHbp ID1の第一の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含む第一のfHbp ID1変異体;及びfHbp ID1の第二の変異体であって、H248でのアミノ酸置換(例えば、H248L)を含む第二のfHbp ID1変異体;
(18)fHbp ID1の第一の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含む第一のfHbp ID1変異体;及びfHbp ID1の第二の変異体であって、S223でのアミノ酸置換(例えば、S223R)を含む第二のfHbp ID1変異体;
(19)fHbp ID22の第一の変異体であって、N115でのアミノ酸置換(例えば、N115I)を含む第一のfHbp ID22変異体;及びfHbp ID22の第二の変異体であって、D211でのアミノ酸置換(例えば、D211A)を含む第二のfHbp ID22変異体;
(20)fHbp ID22の第一の変異体であって、N115でのアミノ酸置換(例えば、N115I)を含む第一のfHbp ID22変異体;及びfHbp ID22の第二の変異体であって、K219でのアミノ酸置換(例えば、K219N)を含む第二のfHbp ID22変異体;
(21)fHbp ID22の第一の変異体であって、N115でのアミノ酸置換(例えば、N115I)を含む第一のfHbp ID22変異体;及びfHbp ID22の第二の変異体であって、G220でのアミノ酸置換(例えば、G220S)を含む第二のfHbp ID22変異体;
(22)fHbp ID22の第一の変異体であって、D121でのアミノ酸置換(例えば、D121G)を含む第一のfHbp ID22変異体;及びfHbp ID22の第二の変異体であって、G220でのアミノ酸置換(例えば、G220S)を含む第二のfHbp ID22変異体;
(23)fHbp ID22の第一の変異体であって、S128でのアミノ酸置換(例えば、S128T)を含む第一のfHbp ID22変異体;及びfHbp ID22の第二の変異体であって、G220でのアミノ酸置換(例えば、G220S)を含む第二のfHbp ID22変異体;
(24)fHbp ID22の第一の変異体であって、V131でのアミノ酸置換(例えば、V131D)を含む第一のfHbp ID22変異体;及びfHbp ID22の第二の変異体であって、G220でのアミノ酸置換(例えば、G220S)を含む第二のfHbp ID22変異体;
(25)fHbp ID55の第一の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含む第一のfHbp ID55変異体;及びfHbp ID55の第二の変異体であって、S223でのアミノ酸置換(例えば、S223R)を含む第二のfHbp ID55変異体;
(26)fHbp ID55の第一の変異体であって、E92でのアミノ酸置換(例えば、E92K)を含む第一のfHbp ID55変異体;及びfHbp ID55の第二の変異体であって、H248でのアミノ酸置換(例えば、H248L)を含む第二のfHbp ID55変異体;
(27)アミノ酸置換L130R及びG133Dを含むfHbp ID22の変異体並びにfHbp ID1の変異体であって、S223でのアミノ酸置換(例えば、S223R)を含むfHbp ID1変異体;
(28)アミノ酸置換L130R及びG133Dを含むfHbp ID22の変異体並びにfHbp ID1の変異体であって、H248でのアミノ酸置換(例えば、H248L)を含むfHbp ID1変異体;
(29)アミノ酸置換L130R、G133D、及びK219Nを含むfHbp ID22の変異体並びにfHbp ID1の変異体であって、S223でのアミノ酸置換(例えば、S223R)もしくはH248でのアミノ酸置換(例えば、H248L)を含むfHbp ID1変異体;または
(30)アミノ酸置換L130R、G133D、及びG220Sを含むfHbp ID22の変異体並びにfHbp ID1の変異体であって、S223でのアミノ酸置換(例えば、S223R)もしくはH248でのアミノ酸置換(例えば、H248L)を含むfHbp ID1変異体。
【0128】
本開示によって企図される免疫原性組成物としては、限定されないが、
(1)少なくとも1つの本開示の変異体fHbp;及び
(2)NspAを含む組成物
が挙げられ、fHbp及び/またはNspAは、組換えタンパク質として、及び/または小胞ベースの組成物(例えば、OMVもしくはMV)中に提供されうる。組成物がNspA及びfHbpをともに含む場合、該組成物の投与によって誘発される抗体の殺菌活性は、一方または両方の抗原に対する抗体の協同に起因しうることに留意されたい。本開示が提供する免疫原性組成物の例としては、
(a)上記のfHbp変異体(例えば、変異体fHbpがNeisseria meningitidisの少なくとも1菌株に対して殺菌性抗体反応を誘発する場合)を含む免疫原性組成物;
(b)上記のfHbp変異体(例えば、変異体fHbpがNeisseria meningitidisの少なくとも1菌株に対して殺菌性抗体反応を誘発する場合)、及び組換えNspAタンパク質を含む免疫原性組成物;
(c)コードされた変異体fHbpが遺伝子改変宿主細胞によって産生されるように、本開示の変異体fHbpをコードする核酸で遺伝子改変された遺伝子改変Neisseria宿主細胞から得られる天然OMVであって、該コードされた変異体fHbpを含む、OMV
を含む、免疫原性組成物;並びに
(d)コードされた天然に存在しないfHbpが遺伝子改変宿主細胞によって産生されるように、本開示の変異体fHbpをコードする核酸で遺伝子改変された遺伝子改変Neisseria宿主細胞から得られる天然OMVであって、該コードされた変異体fHbpを含む、OMV
を含む、免疫原性組成物
であり、該OMVがNspAも含むように該Neisseria宿主細胞が高濃度のNspAも産生する、組成物
が挙げられる。例えば、Neisseria宿主細胞は、NspAの発現を増加させるために遺伝子改変されるものでありうる。
【0129】
「免疫学的に有効な量」とは、一連の同一または異なる抗原性組成物の一部としての単回投与において、その量の個体への投与が、例えば、Neisseria、特にN. meningitidis、より具体的にはN. meningitidisのB群による感染の症状もしくは感染によって引き起こされる疾患の治療または保護に有効な抗体反応を誘発するのに有効であることを意味する。この量は、治療される個体の健康及び身体的状態、年齢、該個体の免疫系の抗体産生能、所望の保護の程度、ワクチンの処方、治療臨床医の医学的状況の判断、及び他の関連する要因によって異なる。量は、通常の試験によって決定されうる比較的広範囲に入ることになることが予測される。
【0130】
NspAポリペプチドのアミノ酸配列は当技術分野で公知である。例えば、WO96/29412;及びMartin et al. (1997) J. Exp. Med. 185:1173;GenBank登録番号U52066;及びGenBank登録番号AAD53286参照。「NspAポリペプチド」は、
図40に示され、配列番号25に記載のアミノ酸配列の約75アミノ酸から約100アミノ酸、約100アミノ酸から約150アミノ酸、または約150アミノ酸から約174アミノ酸の連続ストレッチと、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含みうる。「NspAポリペプチド」は、
図40に示され、配列番号25に記載のアミノ酸配列のアミノ酸20〜174の、約75アミノ酸から約100アミノ酸、または約100アミノ酸から約155アミノ酸の連続ストレッチと、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含みうる。一部の例では、NspAポリペプチドはシグナル配列を欠いており;他の例では(例えば、宿主細胞での発現のため)NspAポリペプチドは、シグナル配列を含む。
【0131】
投薬レジメンは、単回投与計画または単位剤形の抗原性組成物を異なる時間に投与する複数回投与計画(例えば、ブースター投与を含む)であってもよい。本明細書で用いられる用語「単位剤形」とは、ヒト及び動物対象用に単一の用量として適する物理的に個別の単位を指し、各単位は本開示の抗原性組成物の所定量を、所望の効果をもたらすために十分な量で含み、この組成物は医薬的に許容される賦形剤(例えば、医薬的に許容される希釈剤、担体、または媒体)を伴って提供される。抗原性組成物は、他の免疫調節剤と組み合わせて投与されうる。
【0132】
抗原性組成物は、多くの場合、生理食塩水である滅菌水溶液等の溶液でありうる医薬的に許容される賦形剤中に提供されうるか、または、粉体形態で提供されうる。かかる賦形剤は、必要に応じて、実質的に不活性でありうる。
【0133】
いくつかの実施形態では、対象の免疫原性組成物は、小胞中に存在する対象のfHbpを含む。いくつかの実施形態では、対象の免疫原性組成物は、MV中に存在する対象のfHbpを含む。いくつかの実施形態では、対象の免疫原性組成物は、OMV中に存在する対象のfHbpを含む。いくつかの実施形態では、対象の免疫原性組成物は、対象のfHbpを含むMVとOMVの混合物を含む。MV及びOMV等の小胞は、上記に記載されている。
【0134】
抗原性組成物は、さらにアジュバントを含むことができる。ヒトで使用できる既知の適切なアジュバントの例としては、必ずしも限定されないが、アルミニウムアジュバント(例えば、リン酸アルミニウム、または水酸化アルミニウム)、MF59(4.3%w/vスクアレン、0.5%w/v Tween80(商標)、0.5%w/v Span85)、CpG含有核酸(シトシンはメチル化されていない)、QS21、MPL、3DMPL、Aquilla抽出物、ISCOMS、LT/CT変異体、ポリ(D,L‐ラクチド‐co‐グリコリド)(PLG)微粒子、Quil A、インターロイキン、等が挙げられる。実験動物に対しては、フロイントアジュバント(不完全フロイントアジュバント;完全フロイントアジュバント)、N‐アセチルムラミル‐L‐トレオニル‐D‐イソグルタミン(thr‐MDP)、N‐アセチル‐ノル‐ムラミル‐L‐アラニル‐D‐イソグルタミン(CGP11637、ノル‐MDPと呼ばれる)、N‐アセチルムラミル‐L‐アラニル‐D‐イソグルタミニル‐L‐アラニン‐2‐(1’‐2’‐ジパルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ヒドロキシホスホリルオキシ)エチルアミン(CGP19835A、MTP‐PEと呼ばれる)、並びに2%のスクアレン/Tween80エマルションに細菌から抽出された3つの成分であるモノホスホリルリピドA、トレハロースジミコレート及び細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を含むRIBIを使用することができる。アジュバントの有効性は、免疫原性抗原またはその抗原性エピトープに対する抗体の量を測定することによって判断することができる。
【0135】
組成物の有効性を高めるためのさらなる例示的なアジュバントとして挙げられるのは、限定されないが、(1)水中油型エマルション製剤(ムラミルペプチド(以下参照)または細菌細胞壁成分等の他の特定の免疫促進物質を含むまたは含まない)、例えば、(a)5%スクアレン、0.5%Tween80、及び0.5%Span85を含み(任意でMTP−PEを含む)、マイクロフルイダイザーを用いてサブミクロン粒子に形成されているMF59(WO90/14837;Chapter 10 in Vaccine design: the subunit and adjuvant approach, eds. Powell & Newman, Plenum Press 1995)、(b)10%スクアレン、0.4%Tween80、5%プルロニックブロックポリマーL121、及びthr‐MDPを含み、サブミクロンエマルションにミクロ流動化されているか、またはボルテックスされてより大きな粒径のエマルションを生じているSAF、並びに(c)2%スクアレン、0.2%Tween80、及び1つまたは複数の細菌細胞壁成分、例えば、モノホスホリルリピド(monophosphorylipid)A(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、及び細胞壁骨格(CWS)を含むRIBIアジュバントシステム(RAS)(Ribi Immunochem;モンタナ州ハミルトン)、例えば、MPL+CWS(Detox(商標));(2)サポニンアジュバント、例えば、QS21またはStimulon(商標)(Cambridge Bioscience、マサチューセッツ州ウースター)が使用されてもよく、またはそれらから形成された粒子、例えば、追加の界面活性剤がなくてもよいISCOM(免疫刺激複合体)、例えば、WO00/07621;(3)完全フロイントアジュバント(CFA)または不完全フロイントアジュバント(IFA);(4)サイトカイン、例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12(WO99/44636)等)、インターフェロン(例えば、ガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)等;(5)モノホスホリルリピドA(MPL)または3−O−脱アシル化MPL(3dMPL)、例えば、GB−2220221、EP−A−0689454、任意で、肺炎球菌の糖類とともに使用される場合は、実質的にアラムの不在下、例えば、WO00/56358;(6)3dMPLの、例えば、QS21及び/または水中油型エマルションとの組合せ、例えば、EP−A−0835318、EP−A−0735898、EP−A−0761231;(7)CpGモチーフを含むオリゴヌクレオチド(例えば、WO98/52581参照)、例えば、少なくとも1つのCGジヌクレオチドを含み、シトシンがメチル化されていないオリゴヌクレオチド;(8)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル(例えばWO99/52549参照);(9)ポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤とオクトキシノールの組合せ(WO01/21207)またはポリオキシエチレンアルキルエーテルもしくはエステル界面活性剤とオクトキシノール等の少なくとも1つのさらなるノニオン界面活性剤との組合せ(WO01/21152);(10)サポニン及び免疫刺激性オリゴヌクレオチド(例えば、CpGオリゴヌクレオチド)(WO00/62800);(11)免疫刺激剤及び金属塩粒子、例えばWO00/23105;(12)サポニン及び水中油型エマルション、例えばWO99/11241;(13)サポニン(例えば、QS21)+3dMPL+IM2(任意で、+ステロール)、例えば、WO98/57659;(14)免疫刺激剤として作用して組成物の有効性を高める他の物質である。ムラミルペプチドとしては、N‐アセチルムラミル‐L‐トレオニル‐D‐イソグルタミン(thr‐MDP)、N‐25アセチル‐ノルムラミル‐L‐アラニル‐D‐イソグルタミン(ノル‐MDP)、N‐アセチルムラミル‐L‐アラニル‐D‐イソグルタルニニル‐L‐アラニン‐2‐(1’‐2’‐ジパルミトイル‐sn‐グリセロ‐3‐ヒドロキシホスホリルオキシ)エチルアミンMTP‐PE)等が挙げられる。ヒトへの投与に適したアジュバントは特に重要である。一部の例では、アジュバントは、アルミニウム塩アジュバント(例えば、リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム)である。
【0136】
抗原組成物は、他の成分、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、マグネシウム、カーボネート等を含んでよい。組成物は、必要に応じて生理的条件に近づけるために、pH調整及び緩衝剤、毒性調整剤等、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等の医薬的に許容される補助物質を含んでよい。
【0137】
対象のfHbpの製剤中濃度は、大きく変化しうる(例えば、約0.1重量%未満から、例えば、約2重量%または少なくとも約2重量%から20重量%〜50重量%もしくはそれより多くまで)とともに、通常は主に液体体積、粘度、並びに選択される特定の投与方法及び患者の必要性による患者に基づく要因に基づいて選択される。
【0138】
fHbp含有製剤は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル、粉末、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、エアロゾル等の形態で提供されうる。経口投与は、組成物を消化から保護する必要がありうることが認識される。これは、通常、組成物を酸及び酵素加水分解に対して耐性にする薬剤と関連させるか、または組成物を適切に耐久性のある担体に包装するかのどちらかによって達成される。消化からの保護手段は、当技術分野では周知である。
【0139】
fHbp含有製剤はまた、投与後のfHbpの血清中半減期を延ばすようにも提供されうる。例えば、単離されたfHbpが注射用に処方される場合、該fHbpは、リポソーム製剤にコロイドとして調製されて提供されても、血清中半減期を延ばすための他の従来の技術で提供されてもよい。Szoka et al., Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:467 (1980)、米国特許第4,235,871号、第4,501,728号、及び第4,837,028号に記載の通り、様々な方法がリポソームの調製に利用可能である。これらの調製物はまた、制御放出または徐放性形態で提供されうる。
【0140】
免疫反応の誘導方法
本開示は、哺乳類宿主において、Neisseriaの少なくとも1菌株に対する免疫反応の誘導方法を提供する。本方法は、概して、有効量の対象の免疫原性組成物を、それを必要とする個体に投与する段階を含む。
【0141】
fHbp含有抗原性組成物は、一般に、Neisseria疾患の罹患リスクにあるヒト対象に投与され、疾患及びその合併症の発症を予防または少なくとも部分的に停止させる。これを達成するために適切な量を「治療有効用量」と定義する。治療的使用に有効な量は、例えば、抗原性組成物、投与方法、患者の体重及び全身健康状態、並びに処方医師の判断によることになる。抗原性組成物の単回または複数回投与は、患者によって必要でかつ認容される用量と頻度、及び投与方法に応じて投与されうる。
【0142】
fHbp含有抗原性組成物は、一般に、免疫反応、特に体液性免疫反応、例えば、殺菌性抗体反応を宿主において誘発するのに有効な量で投与される。上記のように、免疫化のための量は多様であり、一般に、70kgの患者当たり約1μg〜100μg、通常5μg〜50μg/70kgに及びうる。かなり高い用量(例えば、10mg〜100mgまたはそれより多く)が、経口、経鼻、または局所的投与経路に適する場合がある。初回投与の後、異なるfHbpを含有する同じ抗原性組成物の追加免疫を行うことができる。一部の例では、ワクチン接種は少なくとも1回の追加免疫、また、一部の例では2回の追加免疫を含む。
【0143】
一般に、免疫化は、組成物を、経口的、経鼻的、鼻咽頭的、非経口的、経腸的、経胃的、局所的、経皮的、皮下的、筋肉内投与を含む任意の適切な経路で、錠剤、固体、粉末、液体、エアロゾルの形態で、局部的または全身的に、添加賦形剤の有無にかかわらず投与することによって達成されうる。非経口的に投与可能な組成物の実際的な調製方法は、当業者には既知であるかまたは明白であり、また、Remington’s Pharmaceutical Science, 15th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa. (1980)等の刊行物により詳細に記載されている。
【0144】
抗fHbpの免疫反応は、既知の方法(例えば、初回免疫化の前後に個体から血清を採取し、個体の免疫状態の変化を示すことによって、例えば、免疫沈降アッセイ、ELISA、または殺菌アッセイ、ウェスタンブロットアッセイ、またはフローサイトメトリーアッセイ等)によって評価されうる。
【0145】
本開示の変異体fHbpが、哺乳類宿主においてN. meningitidisの1つまたは複数の菌株に対して殺菌反応を誘発するかどうかは、任意の周知のアッセイを用いて判断できる。例えば、ヒトfHを発現するヒトfHトランスジェニックマウス(例えば、ヒトfHが該マウスの血清中に約100μg/mlまたは100μg/mlを超える濃度で存在する)を用いることができる。本開示の変異体fHbpを、ヒトfHトランスジェニックマウスに投与する。一定の時間後、該マウス由来の血清を、N. meningitidisの1つまたは複数の菌株に対する殺菌活性について試験する。適切な対照としては、例えばfHbp ID1が挙げられる。適切なアッセイの例は、Vu et al. (2012) Sci. Reports 2:341に記載されている。
【0146】
抗原性組成物は、Neisseria meningitidisに関して免疫学的に未感作の哺乳類宿主(例えば、ヒト対象)に投与されうる。特定の実施形態では、対象は約5歳以下、好ましくは約2歳以下のヒト小児であり、抗原性組成物は、以下の時点のいずれか1回以上で投与される:生後2週、1か月、2、3、4、5、6、7、8、9、10もしくは11ヶ月、もしくは1歳もしくは15、18、もしくは21か月、または2、3、4、もしくは5歳。
【0147】
一般に、疾患の症状の初期徴候に先立って、または感染もしくは疾患への潜在的もしくは実際の暴露の初期徴候の時点(例えば、Neisseriaによる暴露もしくは感染による)で免疫化を始めることが所望されうる。
【実施例】
【0148】
以下の実施例は、当業者に対して、本発明の作製及び使用方法の完全な開示並びに説明を提供するために記載するものであって、本発明者らが、彼らの発明として見なすものの範囲を限定することを意図せず、また、以下の実験が行われたすべてまたは唯一の実験であることを表すことも意図しない。用いた数値(例えば、量、温度等)に関して正確さを確保するための試みがなされたが、いくらかの実験誤差及び偏差は考慮されたい。別段の指示のない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。標準的な略語、例えば、bp、塩基対;kb、キロベース;pl、ピコリットル;sまたはsec、秒;min、分;hまたはhr、時間;aa、アミノ酸;kb、キロベース;bp、塩基対;nt、ヌクレオチド;i.m.、筋肉内(に);i.p.、腹腔内(に);s.c.、皮下(に);等が用いられることがある。
【0149】
実施例1:fHbp ID1変異体の特定及び特性評価
材料及び方法
ライブラリースクリーニング
ランダム変異体fHbpライブラリーを、エラープローンポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって生成し、これに続いて、PCR産物を、E. coliでの表面提示を可能にするシグナル配列を含むpET28発現プラスミドにクローニングした。蛍光活性化細胞選別を用い、fHbp変異体の十分な発現と適切な折り畳みを確保した、ヒトfHの結合が低く対照の抗fHbpモノクローナル抗体の結合が高い変異体クローンを単離した。回収された細胞を寒天プレート(硫酸カナマイシン50μg/mlを含むLB寒天)上に播種し、これを37℃で一夜インキュベートした。単一のE. coliコロニーをPCR増幅の鋳型として用い、DNA増幅産物を精製し(PCR精製キット;Qiagen)、T7プロモーター及びT7ターミネーターにアニールするプライマーを用いてfHbp遺伝子のDNA配列決定に供した。このランダム変異体fHbpライブラリーのスクリーニング手法は:(1)その結晶構造のみからは予測できないfH結合に作用する位置;及び(2)アラニン置換がfH結合の十分な低下をもたらさない場合におけるfHの結合に作用するアラニン以外の置換を特定する可能性を有する。
【0150】
詳細検討用の変異体の選択
FACS実験で特定されたアミノ酸置換の位置を、fHbpとヒトfHフラグメントとの複合体において、結晶構造で調べた。fH結合界面の近位(<5Å)にあった変異体を部位特異的突然変異用に選択した。部位特異的突然変異によるライブラリーの変異体の反復発生は、さらなる特性決定用の可溶性組換えfHbpタンパク質の生成に必要であった。この手法はまた、これら選別されたクローンの多くに存在しfH結合部位から離れた、所望されない二次変異を排除した。この部位特異的変異体は、Phusion部位特異的突然変異誘発キット(Thermo Scientific,Inc.)で構築した。
【0151】
可溶性の変異体fHbpの発現及び精製
可溶性の組換えfHbpをE. coliで発現させ、溶解物を先に記載の通り調製した。fHbpは、HiTrap Chelating HPカラム(5ml;GE Life Sciences,Inc.)及びAkta Purifierクロマトグラフィーシステム(GE Life Sciences)を用いたニッケルアフィニティークロマトグラフィーで精製した。イミダゾール勾配を用いた結合及び溶出用緩衝液は、カラムのメーカーのプロトコルに従って調製した。精製されたfHbpを含む画分を合わせ、スクロース3%を含むPBSに対して透析し、使用まで−80℃で保存した。
【0152】
マウスの免疫原性の検討用に、HiTrap SP HPカラム(5ml;GE Life Sciences)でのイオン交換クロマトグラフィーを用いた第二の精製段階を行った。これらの結合及び溶出緩衝液は、NaClをそれぞれ150mM及び750mM含むpH5.5の25mM MESであった。結合したfHbpをこのSPカラムから、これら結合及び溶出緩衝液で形成した直線勾配で溶出した。精製されたfHbpを含む画分を合わせ、スクロース3%を含むPBSに対して透析し、使用まで−80℃で保存した。
【0153】
ヒトH因子(fH)の精製
ヒトfHをfHbpアフィニティーカラムにて精製した。このカラムは、メーカーのプロトコルを用い、5mgのfHbp ID1をNHS活性化HPカラム(5ml;GE Life Sciences)に結合させて調製した。健常人ドナー由来のヒト血清をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で1:1に希釈した。この血清を該カラムに載せ、このカラムを10倍体積(すなわち50ml)のPBSで洗浄した。結合したfHを5カラム体積のpH2.7の0.1Mグリシン−HClで溶出した。溶出画分をpH9.0の1M TRIS−HCl50μlを含む試験管にとった。fHを含む画分は、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)(4〜12%NuPAGE;Invitrogen)で同定した。電気泳動は、1xMESランニング緩衝液(Invitrogen)を用い、200Vで45分間行った。これらのタンパク質は、クマシーG−250(SimplyBlue SafeStain;Invitrogen)で染色することによって可視化した。fHを含む画分をプールし、PBSに対して透析し、fHの分量を使用まで−30℃で保存した。
【0154】
fHbp変異体の特性評価
SDS−PAGE。精製されたfHbp変異体タンパク質のサイズ及び純度を、4〜12%ポリアクリルアミド勾配ゲル(NuPAGE;Invitrogen,Inc.)を用いてSDS−PAGEにて評価した。各タンパク質2μgをこのゲルにロードした。fHについてSDS−PAGEを上記の通り行った。
【0155】
酵素結合免疫吸着検査法(ELISA)によるfHのfHbpへの結合。96ウェルのマイクロタイタープレート(Immulon 2HB;Thermo Scientific)のウェルを、2μg/mlの精製組換え野生型fHbp(陽性対照)または変異体fHbp(実験)にて被覆した。これらウェルへの非特異的結合は、1%BSA(Lifeblood Medical, Inc.)または5%脱脂粉乳(Carnation;Nestle,Inc.)を含むPBSでブロックした。希釈緩衝液(Tween−20 0.1%、アジ化ナトリウム0.01%、及びBSA1%を含むPBS)で25〜0.0016μg/mlの範囲で5倍連続希釈した精製ヒトfHをこれらのウェルに加え、このプレートを室温で2時間インキュベートした。Tween−20(Sigma)0.1%及びアジ化ナトリウム(Sigma)0.01%を含むPBSで3回洗浄した後、結合fHを希釈緩衝液中ヒツジ抗ヒトfH(1:7,000;Abcam,Inc.)で検出した。このプレートを室温で1時間インキュベートした。これらのウェルを再度洗浄した後、結合一次抗体を、希釈緩衝液中アルカリホスファターゼ結合ロバ抗ヒツジIgG(1:5,000;Sigma−Aldrich,Inc.)で検出した。このプレートを室温で1時間インキュベートし、これらのウェルを再度洗浄した。このELISAは、基質緩衝液(50mM炭酸ナトリウム、1mM MgCl
2、pH9.8)中ホスファターゼの基質(1mg/mlのパラ‐ニトロフェニルホスフェート;Sigma)を用いて発色させた。室温で30分間インキュベートした後、405nmの吸光度をUV−VISプレートリーダー(Spectromax 190;Molecular Devices,Inc.)で測定した。
【0156】
ELISAによる抗fHbpモノクローナル抗体のfHbpへの結合。マイクロタイタープレートのウェルをfHbpで被覆し、fHのELISAに関して、上記の通りブロック及び洗浄した。希釈緩衝液で25〜0.0016μg/mlに5倍連続希釈したマウス抗fHbpモノクローナル抗体(mAb)を添加し、このプレートを室温で1時間インキュベートした。これらのウェルを洗浄した後、一次抗体をアルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgG(1:5,000;Sigma−Aldrich)で検出した。このELISAを上記の通り発色し読み取った。
【0157】
表面プラズモン共鳴(SPR)によるfHのfHbpへの結合。SPR実験をBiacore X100 Plus機器(GE Life Sciences)にて行った。3000反応単位の精製ヒトfHを、アミンカップリングキット(GE Life Sciences)を用いてCM5チップ(GE Life Sciences)に結合させた。fHをフローセル2に固定化し、参照用にブランクの固定化(fHなし)をフローセル1で行った。EDTA3mM及びSurfactant P−20(GE Life Sciences)0.05%を含むHEPES緩衝生理食塩水からなる3回のスタートアップサイクル並びに100mMグリシン、3MのNaCl、pH2.0での再生を行い、チップ表面をコンディショニングした。100〜1nM(野生型)または316〜3.16nMに及ぶ精製組換えfHbpの希釈物を150秒間注入した。解離を300秒間監視し、これらのデータをBiacore X100評価ソフトウェアで分析した。
【0158】
マウスの免疫原性。野生型CD−1マウス群(N=14〜21)を、水酸化アルミニウムで吸着したfHbpワクチンで免疫化した。ワクチンの各用量は、fHbp10μg及びAlhydrogel(Brenntag Biosector)600μgを10mMヒスチジン、150mM NaCl、pH6.5中に含んでいた。2用量を3週間空けて与え、2回目の投与の3週間後、心穿刺によって採血した。血液を処理して血清を得、長期保存(>2週間)については−80℃、または短期保存(<2週間)については4℃で維持した。
【0159】
ヒトfHトランスジェニックBALB/cマウスを最初にスクリーニングし、fHbp ELISA及び精製ヒトfHの標準曲線を用いて、血清中のヒトfH濃度が>240μg/mlである動物を特定した。このELISAは、プレートに固定化された精製fHbp ID1を用いて行い、fHを検出するための一次及び二次抗体は上記と同じであった(「ELISAによるfHのfHbpへの結合」参照)。
【0160】
トランスジェニックマウス群(N=11〜21)を、水酸化アルミニウムで吸着したfHbpワクチンで免疫化した(上記野生型CD−1マウス用と同量の抗原及びアジュバント)。3用量を3週間間隔で投与し、3回目のワクチン投与の3週間後、採血した。血清を処理し、上記の通り保存した。
【0161】
血清の殺菌性抗体(SBA)反応。ヒト補体媒介SBA反応を、それぞれのワクチン抗原と比較して同一またはほぼ一致したfHbp配列を有する髄膜炎菌株に対して測定した。これらの細菌は、4mMの乳酸及び0.02mMのCMP−NANAを含む標準フランツ培地(Frasch et al.“Outer membrane protein vesicle vaccines for meningococcal disease.”In Methods in Molecular Medicine, v. 66. Meningococcal Vaccines: Methods and Protocols. Edited by Pollard, A.J.and Maiden, M.C. Humana Press Inc. Totowa, NJ)で中期対数期(OD620nm=0.6)まで増殖させた。これらの細菌を、BSA1%を含むダルベッコPBS(Equitech Bio.)で1:25,000に希釈した。ヒト補体は、内因性の殺菌性抗体を持たないドナー由来であり、HiTrapプロテインGカラム(5ml;GE Life Sciences)を用いてIgG抗体を枯渇させた。各反応物は、25%のヒト補体、約400cfuの細菌、及び試験抗血清または対照抗体の希釈物を含んでいた。SBAの力価は、37℃で60分間のインキュベーション後に陰性対照ウェルと比較してcfuが50%減少した血清希釈として計算した。タンパク質精製:組換えfHbpを、C末端ヘキサヒスチジンタグとともにE. coliで発現させ、金属キレートクロマトグラフィー(HiTrap Chelating HP;GE Life Sciences)に続いてイオン交換クロマトグラフィー(HiTrap SP;GE Life Sciences)で精製した。これらのタンパク質(各2μg)を、MESランニング緩衝液(Invitrogen)を用いて4〜12%NuPAGEゲル(Invitrogen)にて分離し、クマシーブルー染色(Simply Blue Safe Stain;Invitrogen)で可視化した。
【0162】
結果
ランダム変異体ライブラリーに基づいた手法を開発し、ヒトfHの結合が低下したfHbp変異体を特定した。本手法は、構造情報のみに基づいては予測できないことがあるfHの結合の低下につながる変異を特定することが可能であったとともに、任意の所与の位置での複数のアミノ酸置換を引き起こすことが可能であった。本手法は、fHの結合に小さな低下を時々もたらす一般的な選択位置でのアラニン置換の手法と対照をなす。
【0163】
このランダム変異体ライブラリー手法を用い、我々は、5種の有望な新たなfHbp ID1変異体を特定した。これらの精製組換え変異体fHbp ID1抗原Q38R、E92K、R130G、S223R、及びH248Lを
図1に示す。
【0164】
図1.fHbp ID1変異体の純度。組換えfHbpを、C末端ヘキサヒスチジンタグとともにE. coliで発現させ、金属キレートクロマトグラフィー(HiTrap Chelating HP;GE Life Sciences)に続いてイオン交換クロマトグラフィー(HiTrap SP;GE Life Sciences)で精製した。これらのタンパク質(各2μg)を、MESランニング緩衝液(Invitrogen)を用いて4〜12%NuPAGEゲル(Invitrogen)にて分離し、クマシーブルー染色(Simply Blue Safe Stain;Invitrogen)で可視化した。レーン1、カレイドスコープ分子量マーカー(Bio−Rad Laboratories);2、fHbp ID1野生型;3、Q38R;4、E92K;5、R130G;6、S223R;7、H248L。
【0165】
これらの変異体は、fHの結合について、約10倍(R130G)から約20倍(Q38R)から約100倍(E92K、S223R、及びH248L)に及ぶ低下を呈した(
図2)。
【0166】
図2A及び2B.ELISAによるfHbp ID1変異体のfH結合。マイクロタイタープレートのウェルを精製組換えID 1野生型(WT)または6種の異なる変異体タンパク質のうちの1種で被覆した。異なる濃度の精製ヒトfHをこれらのウェルに添加した。結合fHをヒツジ抗ヒトfH(Abcam)及びアルカリホスファターゼ結合ロバ抗ヒツジIgG(Sigma)で検出した。A、ヒトfHの結合が高い陽性対照のfHbp ID1野生型(WT)タンパク質。fHの結合が低い陰性対照のfHbp ID1 R41S変異体。B、fHの結合が低下した新たなfHbp ID1変異体。R130G変異体は中程度のfHの結合を示し、Q38Rは低い結合を示し、並びにE92K、S223R、及びH248Lは、R41Sのそれより有意に低い結合を示した。反復測定の平均と標準偏差が示されている。
【0167】
R130G及びQ38R変異体がいくらかの結合を示し、他の3種の変異体は検出可能な結合を示さない同様のパターンのこれら変異体タンパク質へのfHの結合の低下が表面プラズモン実験で得られた。(
図3A及び3B)。
【0168】
図3A〜3E.表面プラズモン共鳴によるfHbp ID1変異体のfH結合。3000反応単位の精製ヒトfHを、CM5チップ(GE Life Sciences)に結合させ、316nMの精製組換えfHbpを150秒間注入した。参照のため、ID 1野生型(WT)タンパク質についての同じデータが各パネルに示されている。ELISA(
図2、上記)と同じパターンの結合;R130G変異体については中程度のfHへの結合、Q38Rについては低い結合、並びにE92K、S223R、及びH248Lについては、きわめて低い結合が認められた。すべての実験はHBS−EPランニング緩衝液及びBiacore X100 Plus表面プラズモン共鳴機器を使用した。データは、Biacore X100評価ソフトウェアで分析した。
【0169】
これら5種の変異体fHbp ID1タンパク質のすべてが、抗fHbpモノクローナル抗体によって認識される立体構造エピトープを保持していた。5種の抗fHbpモノクローナル抗体の野生型または変異体fHbpに対する濃度依存性結合を
図4に示す。
【0170】
図4A〜4E.ELISAによって測定されたマウス抗fHbpモノクローナル抗体のfHbp変異体タンパク質への結合。抗fHbpモノクローナル抗体の同様の濃度依存性結合は、これら野生型及び変異体fHbpがマイクロタイタープレートのウェルに同様の量で存在し、これら変異体fHbpが、5種の異なるモノクローナル抗体によって認識される立体構造エピトープを保持していたことを示唆した。二次抗体は、アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgG(Sigma)であった。繰り返し測定の平均と標準偏差が示されている。
【0171】
これら変異体タンパク質はまた、やや安定性が低下しているE92K変異体以外、野生型fHbp ID1と同様の熱安定性を保持している。最後に、これら変異体は、血清群B株H44/76に対して試験した場合、野生型CD−1マウスにおいて同様の殺菌性抗体反応を誘発した(
図5A〜5B)。
【0172】
図5A及び5B.マウスにおけるfHbp ID1変異体についての殺菌性抗体反応。
図5A、12〜14匹の野生型マウス群を、2用量の精製組換えfHbp(投与当たり10μg)を3週間間隔で腹腔内投与して免疫化した。2回目の投与の3週間後、血清を採取した。血清の殺菌活性を、補体源としてIgGを枯渇させたヒト血清を、また試験株として血清群B株H44/76を用いて測定した。H44/76はfHbp ID1を発現し、これは、対照のfHbp ID1 WTワクチンと一致する。各記号は個々のマウスの力価を表し、水平バーは幾何平均力価を表す。WT群とこれら変異体群の各々の間の差は、統計的に有意な差ではなかった(t検定によるp>0.4)。
図5B、14〜15匹のヒトfHトランスジェニックマウスの群を3用量の精製組換えfHbp(投与当たり10μg)を3週間間隔で腹腔内投与して免疫化した。3回目の投与の3週間後、血清を採取した。血清の殺菌活性を、野生型マウスについて上記した通りに測定した。
【0173】
図6A及び6B.ELISAによるヒトfHのfHbp ID1単一及び二重変異体への結合。これらの実験は、
図2A〜2Bについて上記した通りに行った。
図7.マウスにおけるfHbp ID1単一及び二重変異体についての殺菌性抗体反応。20匹の野生型マウス群を免疫化し、これらの血清の殺菌性抗体反応を
図5Aについて上記した通りに測定した。
【0174】
実施例2:fHbp ID55変異体の特性評価
材料及び方法
これらの実験は、実施例1に記載の通りに行った。
【0175】
結果
fHbp ID1で特定された3種の有望な変異体を同様にfHbp ID55で構築し;これらはE92K、S223R、及びH248Lを含んでいた。これら3種のfHbp ID55変異体のすべては、fHの結合が有意に低下した(
図8A)。これら変異体は、マウス抗fHbpモノクローナル抗体JAR41の結合によって判断される立体構造の完全性を保存していた(
図8B)。
【0176】
図8A及び8B.fHbp ID55変異体のfH結合。A.ELISAによる固定化fHbp ID55変異体へのfHの結合。この実験は、
図2に対する説明文に記載の通りに行った。2〜4回の反復に対する平均及び範囲が示されている。B.抗fHbpモノクローナル抗体(mAb)JAR41の濃度依存性結合は、これらの組換えfHbpがマイクロタイタープレートのウェル内に同様の量で存在し、JAR41によって認識されるエピトープの領域(N末端ドメイン;Vu et al. (2012) Sci. Reports、前出)で保存された立体構造を有することを示唆した。二次抗体は、アルカリホスファターゼ結合ヤギ抗マウスIgG(Sigma)であった。
【0177】
図9.野生型マウスにおけるfHbp ID55変異体ついての殺菌性抗体反応。12匹のマウス群を免疫化し、その血清の殺菌性抗体反応を
図5Aについて上記した通りに測定した。殺菌活性は、fHbp ID55を発現する株H44/76の変異体に対して測定した。
【0178】
図10A、ヒトfHトランスジェニックマウスのfHbp ID55 S223R変異体についての殺菌性抗体反応。11〜12匹のトランスジェニックマウス群を3用量の精製組換えfHbp(投与当たり12μg)または、全部で12μgのfHbpを含む認可Trumenba(Pfizer)ワクチンのヒト用量の10分の1で免疫化した。これらトランスジェニックマウスを免疫化し、その血清の殺菌性抗体反応を
図5Bについて上記した通りに測定した。
図10B、血清ヒトfH濃度との関連で、野生型及びヒトfHトランスジェニックマウスでのTrumenbaに対する殺菌性抗体反応。血清ヒトfH濃度は、先に記載(Beernink et al. (2011) Journal of Immunology 186(6):3606−14)の通り、ELISAで測定した。
【0179】
実施例3:fHbp ID22変異体の特定及び特性評価
材料及び方法
これらの実験は、実施例1に記載の通りに行った。
【0180】
結果
fHの結合が低下したランダムfHbp変異体の独立した検索を変異体群2(サブファミリーA)にあるfHbp ID22を用いて行った。このスクリーニングは、6種の有望な新たな変異体をもたらした(
図17)。ELISAによるID22の野生型及び先に記載のD211A変異体に対するfH結合を
図11Aに示す。これら6種の新たな変異体ID 22タンパク質に対するfH結合を
図11Bに示す。
【0181】
図11A〜11D.fHbp ID22ライブラリー変異体のfH結合。
図11A、ヒトfHの結合が高い陽性対照のfHbp ID22野生型(WT)タンパク質。fHの結合が低い陰性対照のfHbp ID22 D211A変異体。
図11B、fHの結合が低下した新たなfHbp ID22変異体。これら変異体のすべてが低結合を示し、V131Dは、D211Aと同様の極めて低い結合を示した。この実験は、
図2に対する説明文に記載の通りに行った。2〜4回の反復の平均及び範囲が示されている。
図11C、fH濃度100μg/ml以下でのfHbp ID22変異体のサブセットのfH結合。
図11D、これら変異体のサブセットに対する抗fHbpモノクローナル抗体JAR4の結合(
図11Cと同じ記号を用いた)。新たな変異体K219NはJAR4結合を保持しているが、G220S変異体はJAR4の結合が低下している。これらの変異体のすべてが別の抗fHbpモノクローナル抗体JAR31の通常の結合を有していた(データは示さず)。繰り返し測定の平均及び標準偏差が示されている。
【0182】
対照の野生型ID22タンパク質及び先に特性評価した変異体D211Aとともに、これら新たな変異体V131D及びK219Nに対する野生型CD−1マウスの殺菌性抗体反応を
図12に示す。
【0183】
図12A〜12B.野生型マウスにおけるfHbp ID22ライブラリー変異体についての殺菌性抗体反応。ヒトfHの結合が低いライブラリー変異体を免疫化用に選択した。10〜21匹のマウス群を、2用量の精製組換えfHbp(投与当たり10μg)を3週間間隔で与えて免疫化した。2回目の投与の3週間後、血清を採取した。血清殺菌活性を、補体源としてIgGを枯渇させたヒト血清を用い、試験株として血清群B株CH597を用いて測定した。この株は、fHbp ID23を発現し、これは対照のfHbp ID22 WTワクチンとほぼ一致する。
図12A、新たな変異体V131D及びK219Nを調べる実験。免疫原性を低下させなかったこのD211A変異体は、対照の変異体fHbpワクチンとして用いた。各記号は、個々のマウスの力価を表し、水平バーは幾何平均力価を表す。
図12B、新たな変異体D121G、S128T、F129S、及びG220Sを調べる第二の実験。V131Dについてのわずかな減少以外、これらの新たな変異体fHbpについて、免疫原性の有意な減少は認められなかった。
【0184】
図13.ヒトfHトランスジェニックマウスにおけるfHbp ID22ライブラリー変異体K219Nに対する殺菌性抗体反応。対照の変異体D211Aがより高い反応を示し、K219N変異体は、fHbp ID22野生型(WT)抗原と同様の反応を示した。
【0185】
図14.示差走査微小熱量測定によって測定されたfHbp ID22の熱安定性。fHbp ID22野生型(WT、実線)は38℃(N末端)及び81℃(C末端ドメイン)で変性転移を経る。fHbp ID22 L130R/G133D二重変異体は、N末端ドメインについて、ID22 WTと比較して19℃高い熱安定性を呈する。
【0186】
図15A〜15B.安定化置換L130R及びG133D(二重変異体、DM)と、fH結合を低下させるためのライブラリー由来変異体を組み合わせたfHbp ID22三重変異体。A、fHbp ID22三重変異体に対するfH結合。B、対照のマウス抗fHbpモノクローナル抗体(mAb)JAR4結合(パネルAと同じ記号。これら安定化変異体のすべてがfHbp ID22WTより良好にJAR4に結合する。
【0187】
図16.ヒトfHトランスジェニックマウスにおけるfHbp ID22三重変異体についての殺菌性抗体反応。これら2種の試験変異体は、安定性二重変異体(DM)をそれぞれK219N及びG220Sと組み合わせる。これら三重変異体は、対照のID22 WT抗原より8倍及び18倍高い反応を誘発した。
【0188】
上記の例示的なfHbp ID1及びID22変異体の概要を
図17の表に示す。
【0189】
本発明をその具体的な実施形態を参照して説明してきたが、当業者には、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされうること並びに等価物が置換されうることを理解されたい。さらに、多くの変更が、特定の状況、材料、組成物、過程、過程の段階または複数の段階を目標、すなわち、本発明の趣旨及び範囲に適応させるためになされうる。すべてのかかる変更は、本明細書に添付の特許請求の範囲内であることが意図される。