(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポイントシールすることによって、前記対向するシール接合部内の前記コーキングを凝固させて、前記凝固したコーキングから成る原位置のウィングレットを形成するステップを含む、請求項5または6に記載のプロセス。
前記原位置のウィングレットによって、前記各対向するシール接合部の前記フィルムと前記付属部との間にシールを形成するステップを含む、請求項7に記載のプロセス。
前記ポイントシールすることが、前記ベースの上部部分に接触することなく、各シール接合部に圧縮力を加えるステップを含む、請求項1〜10のいずれかに記載のプロセス。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施形態に従う、付属部の斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態に従う、2つの複層フィルム間に挟まれた付属部の立面図である。
【
図3】本開示の実施形態に従う、フラットシール手順の立面図である。
【
図4】本開示の実施形態に従う、溶接された構築物の立面図である。
【
図5】本開示の実施形態に従う、ポイントシール手順の立面図である。
【
図6】本開示の実施形態に従う、複層フィルムにシールされた
図1の付属部の立面図である。
【
図7】本開示の実施形態に従う、可撓性容器の斜視図である。
【0015】
定義
本明細書における元素周期表に対する全ての言及は、CRC Press,Inc.,2003によって出版され、著作権所有される元素周期表を指すものとする。また、群に対するいかなる言及も、群を番号付けするためのIUPACシステムを使用する、この元素周期表において反映される群に対するものとする。反対のことが述べられているか、文脈から暗に示されているか、または本技術分野で慣習的ではない限り、全ての部及びパーセントは、重量に基づく。米国特許慣行の目的で、本明細書において言及されるいかなる特許、特許出願、または出版物の内容も、特に合成技術の開示、定義(本明細書に提供されるいかなる定義とも矛盾しない程度まで)、及び本技術分野の一般知識に関して、それらの全体がこれにより参照によって組み込まれる(またはそれらの同等の米国版が参照によって同様に組み込まれる)。
【0016】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値及び上限値からの、それらを含む全ての値を含む。明示的な値(例えば、1、または2、または3から、5、または6、または7まで)を含む範囲について、任意の2つの明示的な値の間のあらゆる下位範囲(例えば、1〜2、2〜6、5〜7、3〜7、5〜6など)も含まれる。
【0017】
否定する記載がない限り、文脈から暗に、または本技術分野において慣習的に、全ての部及びパーセントは、重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点で現行のものである。
【0018】
本明細書で使用される場合、用語「組成物」は、組成物を含む材料の混合物、ならびに反応生成物及び組成物の材料から形成される分解生成物を指す。
【0019】
用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及びそれらの派生語は、任意の追加の構成要素、ステップ、または手順が、本明細書で具体的に開示されているかに関わらず、それらの存在を除外するよう意図されない。曖昧さを避けるために、用語「含む」の使用を通じて主張される全ての組成物は、否定する記載がない限り、任意の追加の添加剤、アジュバント、またはポリマー化合物であるかに関わらず化合物を含み得る。対照的に、用語「から本質的に成る」は、実施可能性に不可欠でないものを除き、任意の次に続く詳説の範囲から、任意の他の構成要素、ステップ、または手順を除外する。用語「から成る」は、具体的に規定または列挙されていない任意の構成要素、ステップ、または手順を除外する。
【0020】
密度は、ASTM D792に従って測定される。
【0021】
弾性回復は、以下のように測定される。一軸張力における応力−歪み挙動は、21℃、300%分
・1の変形率で、Instron(商標)万能試験機を使用して測定される。300%の弾性回復は、ASTM D1708微小引っ張り試験片を使用して、300%の歪みまでの負荷後負荷軽減サイクルから決定される。全ての実験の回復パーセントは、負荷がベースラインに戻った時点での歪みを使用して、負荷軽減サイクル後に計算される。回復パーセントは、以下のように定義される。
【0022】
【数1】
【0023】
式中、Efは、周期的負荷で得られた歪みであり、Esは、負荷が負荷軽減サイクル後にベースラインに戻るときの歪みである。
【0024】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」は、(重合可能モノマーの総量に基づいて)50モルパーセント超の重合エチレンモノマーを含むポリマーであり、任意で、少なくとも1つのコモノマーを含み得る。
【0025】
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238、条件280℃/2.16kg(g/10分)に従って測定される。
【0026】
メルトインデックス(MI)は、ASTM D1238、条件190℃/2.16kg(g/10分)に従って測定される。
【0027】
ショアA硬度は、ASTM D2240に従って測定される。
【0028】
本明細書で使用される場合、Tmまたは「融点」(プロットされたDSC曲線の形状に関連して、融解ピーク温度とも称される)は典型的には、米国特許第5,783,638号に説明される、ポリオレフィンの融点または融解ピークを測定するためのDSC(示差走査熱量測定)技術によって測定される。2つ以上のポリオレフィンを含む多くの混成物は、1つ以上の融点または融解ピークを有し、多くの個々のポリオレフィンは1つのみの融点または融解ピークを含むことに留意されたい。
【0029】
本明細書で使用される場合、「オレフィン系ポリマー」は、(重合可能モノマーの総量に基づいて)50モルパーセント超の重合オレフィンモノマーを含むポリマーであり、任意で、少なくとも1つのコモノマーを含み得る。オレフィン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン系ポリマー及びプロピレン系ポリマーが挙げられる。
【0030】
「ポリマー」は、同一の種類または異なる種類であるかに関わらず、モノマーを重合することによって調製された化合物であり、重合形態が、ポリマーを成す複数及び/もしくは反復「単位」または「構造単位」を提供する化合物である。したがって、一般的な用語ポリマーは、通常1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指すのに用いられる、用語ホモポリマー、及び通常少なくとも2種類のモノマーから調製されるポリマーを指すのに用いられる、用語コポリマーを包含する。それはまた、全ての形態のコポリマー、例えば、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーなども包含する。用語「エチレン/α−オレフィンポリマー」及び「プロピレン/α−オレフィンポリマー」は、それぞれエチレンまたはプロピレンと、1つ以上の追加の重合可能α−オレフィンモノマーとを重合することによって調製される、上に説明するコポリマーを示す。ポリマーはしばしば、1つ以上の特定のモノマー「から作製される」、特定のモノマーもしくはモノマーの種類「に基づく」、または特定のモノマー含有量「を含む」として称されるものの、この文脈において、用語「モノマー」は、非重合種ではなく、特定のモノマーの重合レムナントを指していることが理解されることが留意される。一般的に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」を有するに基づくものと称される。
【0031】
「プロピレン系ポリマー」は、(重合可能モノマーの総量に基づいて)50モルパーセント超の重合プロピレンモノマーを含むポリマーであり、任意で、少なくとも1つのコモノマーを含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示は、プロセスを提供する。一実施形態において、本プロセスは、
A.エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーを含むステップと、
B.該ベースを2つの対向する複層フィルム間に配置するステップであって、各複層フィルムが、オレフィン系ポリマーを含むそれぞれのシール層を有するステップと、
C.対向する加熱されたフラットシールバーによって、該ベースを各複層フィルムにフラットシールするステップであって、対向するシール接合部を該平坦なベース端部に形成するステップと、
D.対向する湾曲シールバーによって、該対向するシール接合部をポイントシールするステップと、を含む。
【0033】
A.付属部
本プロセスは、付属部10を提供することを含む。付属部10は、
図1に示されるようにベース12及び頂部14を有する。付属部10は、1つ以上のポリマー材料(すなわち、混成物)から作製されてもよい。ベース12は、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーを含有する、またはそうでなければそれから形成される。ベース12は、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーと1つ以上の追加のポリマーとから成るポリマー混成物から作製されてもよい。エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーと混成するための好適な材料の非限定的な例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンメチルアクリレート(EMA)、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、プロピレンホモポリマー、プロピレンコポリマー、プロピレンインパクトコポリマーが挙げられる。
【0034】
代替的に、ベース12は、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーのみから作製される。頂部14は、クロージャでの付着に好適な構造(例えば、ねじ山など)を含み得る。
【0035】
ベース12は、楕円形断面形状を有する。一実施形態において、(シールする前の)ベースされた12の断面形状は、円形または実質的に円形である。
【0036】
一実施形態において、ベース12は、カヌー形ベースされた及び/またはウィングレットタイプのベースなどの堅固な種類のベースを除外する。
【0037】
一実施形態において、ベースは、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーのみから成る、またはそうでなければそれのみから形成される。
【0038】
一実施形態において、付属部10全体(ベース12及び頂部14)は、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーのみから成る、またはそうでなければそれのみから形成される。
【0039】
一実施形態において、ベースは、
図2に示されるような厚さAを有する壁15を有する。厚さAは、0.3mm、または0.4mm、または0.5mm、または0.6mm、または0.7mm、または0.8mm、または0.9mm、または1.0mmから、1.2mm、または1.5mm、または1.7mm、または1.9mm、または2.0mmまでである。更なる実施形態において、壁15は、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーのみから成り、前述の厚さAを有する。
【0040】
ベース12は、(完全または部分的に)エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーから形成される。用語「エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマー」は、重合形態にあるエチレン及び1つ以上の共重合可能α−オレフィンコモノマーを含み、2つ以上の重合モノマー単位の複数のブロックまたは区分が、化学的または物理的特性において異なることを特徴とする。用語「エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマー」は、2つのブロック(ジブロック)及び3つ以上のブロック(マルチブロック)を有するブロックコポリマーを含む。用語「インターポリマー」及び「コポリマー」は、本明細書において互換的に使用される。コポリマー中の「エチレン」または「コモノマー」の量を指すとき、これはそれらの重合単位を意味することが理解される。いくつかの本開示の実施形態において、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、以下の式によって表すことができる。
【0042】
式中、nは、少なくとも1、好ましくは1よりも大きい整数(2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上など)であり、「A」は、硬質ブロックまたは区分を表し、「B」は、軟質ブロックまたは区分を表す。好ましくは、A及びBは、実質的に分岐鎖または実質的に星形の様式に対して、実質的に直鎖様式または直鎖様式で、連結または共有結合される。他の実施形態において、Aブロック及びBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布する。換言すると、ブロックコポリマーは、通常以下のような構造は有しない。
【0044】
更なる他の実施形態において、ブロックコポリマーは、通常異なるコモノマーを含む第3の種類のブロックは有しない。更なる他の実施形態において、ブロックA及びブロックBの各々は、ブロック中で実質的にランダムに分布するモノマーまたはコモノマーを有する。換言すると、ブロックAまたはブロックBのいずれも、異なる組成物の2つ以上の下位区分(または下位ブロック)(残りのブロックとは実質的に異なる組成物を有する先端区分など)は含まない。
【0045】
好ましくは、エチレンは、ブロックコポリマー全体の大部分のモル分率を構成し、すなわち、エチレンは、ポリマー全体の少なくとも50モルパーセントを構成する。より好ましくは、エチレンは、少なくとも60モルパーセント、少なくとも70モルパーセント、または少なくとも80モルパーセントを構成し、ポリマー全体の実質的残部が、好ましくは3個以上の炭素原子を有するα−オレフィンである少なくとも1つの他のコモノマーを含む。いくつかの本開示の実施形態において、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、50モル%〜90モル%のエチレン、または60モル%〜85モル%、または65モル%〜80モル%のエチレンを含み得る。多くのエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーについて、組成物は、ポリマー全体の80モルパーセント超のエチレン含有量、及びポリマー全体の10〜15または15〜20モルパーセントのオクテン含有量を含む。
【0046】
エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、様々な量の「硬質」区分及び「軟質」区分を含む。「硬質」区分は、エチレンが、ポリマーの重量に基づいて、最大100重量パーセントまでで、90重量パーセント超、または95重量パーセント、または95重量パーセント超、または98重量パーセント超の量で存在する重合単位のブロックである。換言すると、硬質区分中のコモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)は、ポリマーの重量に基づいて、10重量パーセント未満、または5重量パーセント、または5重量パーセント未満、または2重量パーセント未満であり、ゼロと同等に低くあってもよい。いくつかの本開示の実施形態において、硬質区分は、全てまたは実質的に全てのエチレンに由来する単位を含む。「軟質」区分は、コモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)が、ポリマーの重量に基づいて、5重量パーセント超、または8重量パーセント超、10重量パーセント超、または15重量パーセント超である重合単位のブロックである。いくつかの本開示の実施形態において、軟質区分中のコモノマー含有量は、20重量パーセント超、25重量パーセント超、30重量パーセント超、35重量パーセント超、40重量パーセント超、45重量パーセント超、50重量パーセント超、または60重量パーセント超であってもよく、最大100重量パーセントまでであってもよい。
【0047】
軟質区分は、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマー中に、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーの総重量の1重量パーセント〜99重量パーセント、またはエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーの総重量の5重量パーセント〜95重量パーセント、10重量パーセント〜90重量パーセント、15重量パーセント〜85重量パーセント、20重量パーセント〜80重量パーセント、25重量パーセント〜75重量パーセント、30重量パーセント〜70重量パーセント、35重量パーセント〜65重量パーセント、40重量パーセント〜60重量パーセント、もしくは45重量パーセント〜55重量パーセントで存在し得る。逆に、硬質区分は、類似した範囲で存在し得る。軟質区分重量パーセンテージ及び硬質区分重量パーセンテージは、DSCまたはNMRから得たデータに基づいて計算することができる。そのような方法及び計算は、例えば、Colin L.P.Shan、Lonnie Hazlittらの名において2006年3月15日に出願され、Dow Global Technologies Inc.に譲渡される、「Ethylene/α−Olefin Block Inter−polymers」と題する米国特許第7,608,668号に開示され、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。具体的には、硬質区分及び軟質区分重量パーセンテージならびにコモノマー含有量は、US7,608,668の57欄〜63欄に説明されるように決定することができる。
【0048】
エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、ペンデントまたはグラフト様式ではなく、好ましくは直鎖様式で接合(または共有結合)された、2つ以上の化学的に異なる領域または区分(「ブロック」と称される)を含むポリマーであり、すなわち、ポリマーは、重合エチレン官能基に関して端々接合された化学物的に分化した単位を含むものである。一実施形態において、ブロックは、組み込まれるコモノマーの量もしくは種類、密度、結晶化度の量、そのような組成物のポリマーに起因し得る結晶子サイズ、立体規則性の種類もしくは程度(アイソタクティックもしくはシンジオタクチック)、位置規則性もしくは位置不規則性、(長鎖分岐もしくは超分岐を含む)分岐の量、均一性、または任意の他の化学的もしくは物理的特性において異なる。連続モノマー付加、流動触媒、またはアニオン重合技術によって製作されるインターポリマーを含む、先行技術のブロックインターポリマーと比較して、本エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、一実施形態において、シャトリング剤とそれらの調製において使用される複数の触媒との組み合わせの効果のため、ポリマー多分散性(PDIもしくはMw/MnもしくはMWD)、多分散ブロック長分布、及び/または多分散ブロック数分布の両方の特有の分布を特徴とする。
【0049】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、連続プロセスで製作され、1.7〜3.5、または1.8〜3、または1.8〜2.5、または1.8〜2.2の多分散指数(Mw/Mn)を持つ。バッチまたはセミバッチプロセスで製作されるとき、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、1.0〜3.5、または1.3〜3、または1.4〜2.5、または1.4〜2のMw/Mnを持つ。
【0050】
更に、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、ポアソン分布ではなくシュルツ・フローリー分布に適合する、PDI(またはMw/Mn)を持つ。本エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、多分散ブロック分布及びブロックサイズの多分散分布の両方を有する。これは、改善された、かつ鑑別可能な物理的特性を有するポリマー製品の形成をもたらす。多分散ブロック分布の理論的利益は、Potemkin,Physical Review E(1998)57(6),pp.6902−6912、及びDobrynin,J.Chem.Phvs.(1997)107(21),pp.9234−9238において先にモデル化され、述べられている。
【0051】
一実施形態において、本エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、高可能性のブロック長の分布を持つ。
【0052】
更なる実施形態において、本開示のエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマー、特に連続溶液重合反応器で作製されるものは、高可能性のブロック長の分布を持つ。本開示の一実施形態において、エチレンマルチブロックインターポリマーは、以下を有するものとして定義される。
(A)約1.7〜約3.5のMw/Mn、摂氏度での少なくとも1つの融点Tm、及びグラム/立方センチメートルでの密度dを有し、ここで、Tm及びdの数値は、以下の関係に対応する。
【0054】
または
(B)約1.7〜約3.5のMw/Mnを有し、かつJ/gでの融解熱ΔH、及び最高DSCピークと最高結晶化分析分別(「CRYSTAF」)ピークとの間の温度差として定義される摂氏度でのデルタ量ΔTを特徴とし、ここで、ΔT及びΔHの数値は、以下の関係を有する。
【0055】
ゼロ超〜最大130J/gまでのΔHについて、
【0059】
ここで、CRYSTAFピークは、累積ポリマーの少なくとも5パーセントを使用して決定され、ポリマーの5パーセント未満が識別可能なCRYSTAFピークを有する場合、CRYSTAF温度は30℃である、または
(C)エチレン/α−オレフィンインターポリマーの圧縮成形フィルムで測定される、300パーセントの歪み及び1回のサイクルでの、パーセントでの弾性回復Reを有し、かつグラム/立方センチメートルでの密度dを有し、ここで、Re及びdの数値は、エチレン/α−オレフィンインターポリマーが架橋相を実質的に含まないときに、以下の関係を満たす。
【0061】
または
(D)TREFを使用して分別されるときに40℃〜130℃の間で溶出する分子量分画を有し、分画が、同一の温度間で溶出する同等のランダムエチレンインターポリマー分画のモルコモノマー含有量よりも、少なくとも5パーセント高いモルコモノマー含有量を有するという点を特徴とし、ここで、該同等のランダムエチレンインターポリマーは、同一のコモノマーを有し、エチレン/α−オレフィンインターポリマーのメルトインデックス、密度、及び(ポリマー全体に基づく)モルコモノマー含有量の10パーセント以内の、メルトインデックス、密度、及びモルコモノマー含有量を有する、または
(E)25℃での保管係数G’(25℃)及び100℃での保管係数G’(100℃)を有し、ここで、G’(25℃)対G’(100℃)の比率は、約1:1〜約9:1の範囲内である。
【0062】
エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーはまた、以下も有する。
(F)TREFを使用して分別されるときに40℃〜130℃の間で溶出する分子分画を有し、分画が、少なくとも0.5〜最大約1までのブロック指数、及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有するという点を特徴とする、または
(G)ゼロ超〜最大約1.0までの平均ブロック指数、及び約1.3よりも大きい分子量分布Mw/Mnを有する。
【0063】
本エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーの調製における使用に好適なモノマーとしては、エチレン及びエチレン以外の1つ以上の追加の重合可能モノマーが挙げられる。好適なコモノマーの例としては、3〜30個または3〜20個の炭素原子の直鎖または分岐鎖のα−オレフィン(プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−l−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン及び1−エイコセンなど)、3〜30個または3〜20個の炭素原子のシクロ−オレフィン(シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、及び2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレンなど)、ジオレフィン及びポリオレフィン(ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、及び5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなど)、ならびに3−フェニルプロペン、4−フェニルプロペン、1,2−ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、及び3,3,3−トリフルオロ−1−プロペンが挙げられる。
【0064】
エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、米国特許第7,858,706号に説明されるものなどの鎖シャトリングプロセスを介して製作することができ、これは、参照によって本明細書に組み込まれる。具体的には、好適な鎖シャトリング剤及び関連する情報は、16欄39行目から19欄44行目までに列記される。好適な触媒は、19欄45行目から46欄19行目に説明され、好適な共触媒は、46欄20行目から51欄28行目までに説明される。このプロセスは、この文書を通して説明されるが、特に、51欄29行目から54欄56行目までに説明される。プロセスはまた、例えば、以下、米国特許第7,608,668号、同第7,893,166号、及び同第7,947,793号にも説明される。
【0065】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、硬質区分及び軟質区分を有し、以下を有するものとして定義される。
【0066】
1.7〜3.5のMw/Mn、摂氏度での少なくとも1つの融点Tm、及びグラム/立方センチメートルでの密度dを有し、ここで、Tm及びdの数値は、以下の関係に対応する。
【0068】
式中、dは、0.86g/cc、または0.87g/cc、または0.88g/ccから0.89g/ccまでであり、
Tmは、80℃、または85℃、または90℃から、95℃、または99℃、または100℃、または105℃〜110℃、または115℃、または120℃、または125℃までである。
【0069】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーであり、以下の特性(i)〜(ix)のうちの1つ、いくつか、任意の組み合わせ、または全てを有する。
(i)80℃、または85℃、または90℃〜95℃、または99℃、または100℃、または105℃〜110℃、または115℃、または120℃、または125℃の融解温度(Tm)、
(ii)0.86g/cc、または0.87g/cc、または0.88g/ccから0.89g/ccまでの密度、
(iii)50〜85重量%の軟質区分及び40〜15重量%の硬質区分、
(iv)軟質区分中、10モル%、または13モル%、または14モル%、または15モル%から、16モル%、または17モル%、または18モル%、または19モル%、または20モル%までのオクテン、
(v)硬質区分中、0.5モル%、または1.0モル%、または2.0モル%、または3.0モル%から、4.0モル%、または5モル%、または6モル%、または7モル%、または9モル%までのオクテン、
(vi)1g/10分、または2g/10分、または5g/10分、または7g/10分〜10g/10分、または15g/10分〜20g/10分のメルトインデックス(MI)、
(vii)65、または70、または71、または72から、73、または74、または75、または77、または79、または80までのショアA硬度、
(viii)ASTM D1708に従って測定される、21℃、300%分
・1の変形率での、50%または60%から、70%、または80%、または90%までの弾性回復(Re)、
(ix)ブロックの多分散分布及びブロックサイズの多分散分布。
【0070】
一実施形態において、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーである。
【0071】
本エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0072】
一実施形態において、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、INFUSE(商標)の商品名で販売されるは、The Dow Chemical Company,Midland,Michigan,USAから入手可能である。更なる実施形態において、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、INFUSE(商標)9817である。
【0073】
一実施形態において、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、INFUSE(商標)9500である。
【0074】
一実施形態において、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、INFUSE(商標)9507である。
【0075】
B.複層フィルム
本プロセスは、付属部ベースを2つの対向する複層フィルム間に配置することを含む。ベース12は、
図2に示されるように、2つの対向する複層フィルム、複層フィルム16及び複層フィルム18間に配置される、またはそうでなければ位置付けられる。各複層フィルムは、オレフィン系ポリマーを含有するそれぞれのシール層を有する。
【0076】
一実施形態において、各複層フィルムは、可撓性であり、少なくとも2つまたは少なくとも3つの層を有する。可撓性複層フィルムは、弾力性、可撓性、変形可能、かつ柔軟である。各複層フィルムの構造及び組成物は、同一であっても、異なってもよい。例えば、2つの対向する複層フィルムの各々は、各ウェブが特有の構造及び/もしくは特有の組成物、仕上がり、または印刷を有する、別個のウェブから作製されてもよい。代替的に、各複層フィルムは、同一の構造及び同一の組成物であってもよい。
【0077】
一実施形態において、各複層フィルム16、18は、同一の構造及び同一の組成物を有する可撓性複層フィルムである。
【0078】
各可撓性複層フィルム16、18は、(i)共押出複層構造、もしくは(ii)積層物、または(i)及び(ii)の組み合わせであってもよい。一実施形態において、各可撓性複層フィルム16、18は、少なくとも3つの層、つまり、シール層、外部層、及びその間の結合層を有する。結合層は、シール層を外部層に接合する。可撓性複層フィルムは、シール層と外部層との間に配設された1つ以上の任意の内部層を含んでもよい。
【0079】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、少なくとも2つ、または3つ、または4つ、または5つ、または6つ、または7つから、8つ、または9つ、または10、または11、またはそれ以上の層を有する、共押出フィルムである。例えば、フィルムを構築するために使用されるいくつかの方法は、キャスト共押出法またはブロー共押出法によるもの、接着積層、押出積層、熱積層、及び蒸着などのコーティングである。これらの方法の組み合わせもまた、可能である。フィルム層は、ポリマー材料に加えて、包装産業において一般的に使用される安定剤、スリップ添加剤、粘着防止添加剤、加工助剤、清澄剤、核剤、顔料または着色剤、ならびに充填剤及び補強剤などの添加剤を含んでもよい。好適な感覚受容特性及びまたは光学特性を有する添加剤及びポリマー材料を選択することが特に有用である。
【0080】
シール層は、フィルムを互いにシールすることができ、付属部をシールすることができる材料である。シール層用の好適なポリマー材料の非限定的な例としては、オレフィン系ポリマー(直鎖もしくは分岐鎖の任意のエチレン/C
3−C
10α−オレフィンコポリマーを含む)、プロピレン系ポリマー(プラストマー及びエラストマー、ランダムプロピレンコポリマー、プロピレンホモポリマー、ならびにプロピレンインパクトコポリマーを含む)、エチレン系ポリマー(プラストマー及びエラストマー、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、直鎖低密度ポリエチレン(「LLDPE」)、中密度ポリエチレン(「MDPE」)、エチレン−アクリル酸もしくはエチレン−メタクリル酸、及びそれらの亜鉛塩、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩とのイオノマー、エチレン酢酸ビニルコポリマー)、ならびにこれらの混成物が挙げられる。
【0081】
外部層用の好適なポリマー材料の非限定的な例としては、積層用の二軸または単軸配向フィルム及び共押出フィルムを作製するのに使用されるものが挙げられる。いくつかの非限定的なポリマー材料の例は、二軸配向ポリエチレンテレフタレート(OPET)、単軸配向ナイロン(MON)、二軸配向ナイロン(BON)、及び二軸配向ポリプロピレン(BOPP)である。構造的利益のためのフィルム層の構築において有用な他のポリマー材料は、ポリプロピレン(プロピレンホモポリマー、ランダムプロピレンコポリマー、プロピレンインパクトコポリマー、及び熱可塑性ポリプロピレン(TPO)など、プロピレン系プラストマー(例えば、VERSIFY(商標)またはVISTAMAX(商標))など)、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,66、ナイロン6,12、ナイロン12など)、ポリエチレンノルボルネン、環状オレフィンコポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、コポリエステル(PETGなど)、セルロースエステル、ポリエチレン及びエチレンのコポリマー(例えば、DOWLEX(商標)などのエチレンオクテンコポリマー系のLLDPE)、これらの混成物、ならびにこれらの複層の組み合わせである。
【0082】
結合層用の好適なポリマー材料の非限定的な例としては、エチレン酢酸ビニル(「EVA」)などの官能化エチレン系ポリマー;任意のポリエチレン、エチレンコポリマー、もしくはポリプロピレンなどのポリオレフィンにグラフトされた無水マレイン酸を有するポリマー;及びエチレンメチルアクリレート(「EMA」)などのエチレンアクリレートコポリマー;グリシジル含有エチレンコポリマー;ともにThe Dow Chemical Companyから入手可能である、INTUNE(商標)(PP−OBC)及びINFUSE(商標)(PE−OBC)などのプロピレン及びエチレン系オレフィンブロックコポリマー(OBC);ならびにこれらの混成物が挙げられる。
【0083】
可撓性複層フィルムは、構造的統合性に寄与するか、または特定の特性を提供し得る追加の層を含んでもよい。追加の層は、直接的手段によって、または隣接するポリマー層に対する適切な結合層を使用することによって追加されてもよい。剛性または乳白度などの追加の機械的性能を提供し得るポリマー、及び気体バリア特性または化学物質耐性を提供し得るポリマーが、この構造に追加されてもよい。
【0084】
任意のバリア層用の好適な材料の非限定的な例としては、塩化ビニリデンと、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、または塩化ビニルとのコポリマー(例えば、The Dow Chemical Companyから入手可能なSARAN(商標)樹脂)、ビニルエチレンアルコール(EVOH)、金属箔(アルミニウム箔など)が挙げられる。代替的に、積層物複層フィルムにおいて使用されるとき、BON、OPET、またはOPPなどのフィルム上の蒸着アルミニウムまたは酸化シリコンなどの修正ポリマーフィルムが、バリア特性を得るために使用されてもよい。
【0085】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、LLDPE(商品名DOWLEX(商標)(The Dow Chemical Company)で販売)、シングルサイトLLDPE(商品名AFFINITY(商標)またはELITE(商標)(The Dow Chemical Company)で販売されるポリマーを含む、実質的に直鎖もしくは直鎖のオレフィンポリマー)、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンエチルアクリレート(EEA)、プロピレン系プラストマーまたはエラストマー(VERSIFY(商標)(The Dow Chemical Company)など)、グラフトオレフィン系ポリマー(MAH−グラフト)、及びこれらの混成物から選択されるシール層を含む。任意の結合層は、エチレン系オレフィンブロックコポリマーPE−OBC(INFUSE(商標)として販売)またはプロピレン系オレフィンブロックコポリマーPP−OBC(INTUNE(商標)として販売)のいずれかから選択される。外部層は、25℃から、30℃、または40℃、またはシール層におけるポリマーの融点よりも高い融点Tmを有する50重量%超の樹脂を含み、外部層ポリマーは、AFFINITY(商標)、LLDPE(DOWLEX(商標))、VERSIFY(商標)、もしくはVISTAMAX、ELITE(商標)、MDPE、HDPE、またはプロピレンホモポリマー、プロピレンインパクトコポリマー、もしくはTPOなどのプロピレン系ポリマーなどの樹脂から選択される。
【0086】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは共押出される。
【0087】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、LLDPE(商品名DOWLEX(商標)(The Dow Chemical Company)で販売)、シングルサイトLLDPE(商品名AFFINITY(商標)またはELITE(商標)(The Dow Chemical Company)で販売されるポリマーを含む、実質的に直鎖もしくは直鎖のオレフィンポリマー)、例えば、VERSIFY(商標)(The Dow Chemical Company)などのプロピレン系プラストマーまたはエラストマー、グラフトオレフィン系ポリマー(MAH−グラフト)、及びこれらの混成物から選択されるシール層を含む。可撓性複層フィルムはまた、ポリアミドである外部層も含む。
【0088】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、共押出フィルムまたは積層フィルムであり、シール層は、直鎖もしくは実質的に直鎖のポリマーなどのエチレン系ポリマー、または55℃〜115℃のTm、及び0.865〜0.925g/cm
3、もしくは0.875〜0.910g/cm
3、もしくは0.888〜0.900g/cm
3の密度を有する、エチレンと、1−ブテン、1−ヘキセン、もしくは1−オクテンなどのアルファ−オレフィンモノマーとの、シングルサイト触媒された直鎖もしくは実質的に直鎖のポリマーから成る。外部層は、LLDPE、OPET、OPP(配向ポリプロピレン)、BOPP、ポリアミド、及びこれらの組み合わせから選択される材料から成る。
【0089】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、少なくとも5つの層を有する共押出フィルムまたは積層フィルムであり、共押出フィルムは、直鎖もしくは実質的に直鎖のポリマーなどのエチレン系ポリマー、またはエチレンと、1−ブテン、1−ヘキセン、もしくは1−オクテンなどのアルファ−オレフィンコモノマーとの、シングルサイト触媒された直鎖もしくは実質的に直鎖のポリマーから成るシール層を有し、エチレン系ポリマーは、55℃〜115℃のTm、及び0.865〜0.925g/cm
3、もしくは0.875〜0.910g/cm
3、もしくは0.888〜0.900g/cm
3の密度を有し、最外層は、LLDPE、OPET、OPP(配向ポリプロピレン)、BOPP、ポリアミド、及びこれらの組み合わせから選択される材料から成る。
【0090】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、少なくとも7つの層を有する共押出フィルムまたは積層フィルムである。シール層は、直鎖もしくは実質的に直鎖のポリマーなどのエチレン系ポリマー、またはエチレンと、1−ブテン、1−ヘキセン、もしくは1−オクテンなどのアルファ−オレフィンコモノマーとの、シングルサイト触媒された直鎖もしくは実質的に直鎖のポリマーから成り、エチレン系ポリマーは、55℃〜115℃のTm、及び0.865〜0.925g/cm
3、または0.875〜0.910g/cm
3、または0.888〜0.900g/cm
3の密度を有する。外部層は、LLDPE、OPET、OPP(配向ポリプロピレン)、BOPP、ポリアミド、及びこれらの組み合わせから選択される材料から成る。
【0091】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、エチレン系ポリマーを含有する少なくとも2つの層を有する共押出された(もしくは積層された)5層のフィルム、または共押出された(もしくは積層された)7層のフィルムである。エチレン系ポリマーは、各層が同一であっても、異なってもよい。
【0092】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、LLDPE、OPET、OPP(配向ポリプロピレン)、BOPP、及びポリアミドから選択される材料を含有する少なくとも1つの層を有する共押出された(もしくは積層された)5層の、または共押出された(もしくは積層された)7層のフィルムである。
【0093】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、OPETもしくはOPPを含有する少なくとも1つの層を有する共押出された(もしくは積層された)5層の、または共押出された(もしくは積層された)7層のフィルムである。
【0094】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、ポリアミドを含有する少なくとも1つの層を有する共押出された(もしくは積層された)5層の、または共押出された(もしくは積層された)7層のフィルムである。
【0095】
一実施形態において、可撓性複層フィルムは、エチレン系ポリマー、つまり直鎖もしくは実質的に直鎖のポリマー、または90℃〜106℃のTmを有する、エチレンと、1−ブテン、1−ヘキセン、もしくは1−オクテンなどのアルファ−オレフィンモノマーとの、シングルサイト触媒された直鎖もしくは実質的に直鎖のポリマーから成るシール層を有する7層の共押出(または積層)フィルムである。外部層は、170℃〜270℃のTmを有するポリアミドである。フィルムは、40℃〜200℃のΔTmを有する。フィルムは、シール層内のエチレン系ポリマーとは異なる、第2のエチレンポリマーから成る内部層(第1の内部層)を有する。フィルムは、外部層内のポリアミドと同一またはそれとは異なるポリアミドから成る内部層(第2の内部層)を有する。7層のフィルムは、100マイクロメートル〜250マイクロメートルの厚さを有する。
【0096】
C.フラットシール
本プロセスは、対向する加熱されたフラットシールバーによって、ベースをフラットシールすることを含む。
図3は、複層フィルム16と複層フィルム18との間に位置するベース12を示す。用語「フラットシールすること」は、対向するフラット熱シールバーによってベース12を圧縮することによって、ベース壁15の対向する内部部分が接触する、またはそうでなければ互いに触れるようにする行為である。ベース12は、複層フィルム16と複層フィルム18との間に位置する、またはそうでなければ「挟まれる」。フィルム−ベース−フィルムサンドイッチは、第1のシールステーションに移動され、フラットシールバー20とフラットシールバー22との間に配置され得る。フラットシールバー20は、フラットシールバー22に対向し、フラットシールバー20、22は、シールバーを互いに向かって、及びそれから離れて移動させて、熱シール手順を実行するのに好適な構造及び機構を含む。フラットシールバー20及び22は加熱され、プロセスは、ベースが複層フィルム16と複層フィルム18との間に挟まれた状態で、ベース12をフラットシールすることを含む。フラットシールは、
図3に示されるように、対向するシール接合部24、26をベース12の平坦な端部23、25に形成する。
【0097】
フラットシールステップは、
図3及び4に示されるように、各複層フィルム16、18を、ベース12のそれぞれの上部部分13a及び下部部分13bに接合する、またはそうでなければ溶接することを含む。
【0098】
一実施形態において、本プロセスは、
(i)該ベースについて、115℃〜125℃の融解温度Tm1を有するエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーを選択することと、
(ii)該シール層について、融解温度Tm2が、Tm1よりも10℃〜40℃低くあるように、Tm2を有するオレフィン系ポリマーを選択することと、を含む。
【0099】
一実施形態において、Tm2は、Tm1よりも10℃、または15℃、または20℃から、25℃、または30℃、または35℃、または40℃まで低くある。
【0100】
一実施形態において、各シール層は、ベース12中のエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーのTm1よりも10℃〜40℃低いTm2を有する、エチレン系ポリマーから形成される。フラットシールバー20、22は、シール層エチレン系ポリマーの融解温度(Tm2)以上、かつベース12の融解温度Tm1以下の温度まで(またはエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーの軟化温度まで)加熱される。対向するフラットバーフラットシールバー20、22によって与えられる圧縮力及び熱は同時に、(i)ベース12を平坦化し、またはそうでなければ変形させ、(ii)各複層フィルム16、18のシール層をベース12の外部表面に対して圧縮し、(iii)平坦なベース12の対向する端部上にシール接合部24及びシール接合部26を形成し、(iv)シール層中のエチレン系ポリマーを融解し、(v)ベース12中に存在するエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーのうちの少なくともいくらかを軟化及び/または融解させ、(vi)(a)ベースのエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマー、(b)シール層のエチレン系ポリマー、または(c)(a)及び(b)の組み合わせから成る流動性コーキング28を形成し、(vii)上部部分/下部部分13a、13bをフィルム16、18のそれぞれのシール層に溶接する。
【0101】
一実施形態において、平坦化ステップは、以下のシール条件のうちの1つ、いくつか、または全てを伴う。
(i)160℃または170℃から、180℃、または190℃、または200℃までの温度、
(ii)700ニュートン(N)または750Nから、800N、または850N、または900Nの圧力(またはシール力)、
(iii)0.1秒、または0.5秒、または0.75秒、または1.0秒、または2.0秒、または3.0秒、または4.0秒、または5.0秒から、6.0秒、または7.0秒、または0.75秒、または8.0秒、または9.0秒、または10秒までの期間(シール時間もしくは滞留時間)の、(i)及び/または(ii)の適用。
【0102】
ベースの対向する平坦な側面が互いに接触し、ベース12を閉鎖し、
図3に示されるような直線的構成Bをベース12に与えるように、圧縮力は、ベース12をそれ自体の上に完全に畳む。
【0103】
一実施形態において、閉鎖されたフラットシールバー20、22の圧縮力及び加熱は、流動性コーキング28を、ベース12の外部表面からシール接合部24へと及びシール接合部26へと移動させる、またはそうでなければ流動させる。
図3及び4に示されるように、コーキング28は、シール接合部24及びシール接合部26へと流動し、それらを(完全または部分的に)充填する。
【0104】
本プロセスは、閉鎖されたフラットシールバー20、22を開放し、それによって、ベース12から圧縮力を除去し、熱を除去することを含む。閉鎖されたフラットシールバー20、22が開放されるとき、ベース12中のエチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーによって提供される弾性は、ベース12が、直線的な圧縮構成Bから反跳し、またはそうでなければ跳ね返り、
図4に示されるような開放位置へと戻ることを可能にする。ベース12の反跳運動は、
図4の矢印Gによって示される。反跳によって、ベース壁15の対向する内部部分は、互いから離れて移動し、もはや互いには接触していない。ベース12の内部は、それ自体にはシールされない。
図4〜6に示されるようなフラットシールステップ後、反跳によって、ベース12は楕円形断面形状へと回復し、開放する。
【0105】
一実施形態において、平坦化後のベース12は、
図4に示されるような円形または楕円形のいずれかの断面Cを有し得る。出願者は、エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーから成り、0.3mm〜2.0mmの壁15の厚さを有するベース12が、完全に畳まれている間にひび割れ、亀裂、または破損などの損傷なく、ベース12が圧縮力に耐えることを可能にし、更に有利に、フラットシールバー20、22の開放時に開放構成へと跳ね返るのに十分な弾性を有することを発見した。
【0106】
閉鎖されたフラットシールバーの開放は、
図4に示されるような溶接構築物30を形成し、それにより、複層フィルム16は、上部部分13aでベース12に溶接され、複層フィルム18は、下部部分13bでベース12で溶接され、複層フィルムは、シール層が互いに直接接触する場所で互いに溶接される。
【0107】
D.ポイントシール
本プロセスは、対向する湾曲シールバーによって、対向するシール接合部をポイントシールすることを含む。フラットシールステップ後、溶接構築物30は、第2のシールステーションに移動する。第2のシールステーションで、対向する湾曲シールバー32、34は、溶接構築物30上に閉鎖する。
図5に示されるように、各湾曲シールバー32、34は、閉鎖された湾曲シールバー32、34の直径Dが、ベース12の直径Eよりも大きくなるように構築される。第2のシールステーションで、コーキング28は、流動性である、またはそうでなければ柔順である。閉鎖時、対向する湾曲シールバー32、34は、シール接合部24及びシール接合部26に圧縮力を適用する。したがって、本明細書で使用される場合、「ポイントシールすること」は、ベース上部部分13aまたはベース下部部分13bとの接触なく、または最小限の接触で、対向する湾曲シールバーによって、シール接合部24及びシール接合部26に圧縮力を適用する行為である。このようにして、ポイントシールは、シール層16、18及びコーキング28をシール接合部24でともにピンチし、シール接合部24を閉鎖する。同様に、ポイントシールは、シール層16、18及びコーキング28をシール接合部26でともにピンチし、シール接合部26を閉鎖する。ポイントシールは、シール接合部24、26のあらゆる残りの間隙を充填する、またはそうでなければ閉鎖する。ピンチ中、閉鎖された湾曲シールバー32、34は、ベース上部部分13aもしくはベース下部部分13bに熱もしくは圧縮力を適用しないか、または実質的に適用しない。
【0108】
ポイントシールステップは、コーキング28の固化または凝固を可能にするのに十分な期間、圧縮力及びピンチ力を適用し、それによって、複層フィルム16、18をシール接合部24、26でベース12に堅く結合させる。凝固したコーキング28は、それぞれのシール接合部24、26を完全に充填し、ベース12と複層フィルム16、18との間に密封シールを形成する、原位置のウィングレット36、38(
図6)を形成する。本明細書で使用される場合、「原位置のウィングレット」は、ベース12の延伸部である構造であり、原位置のウィングレットは、(ベースの)エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーから成る流動性コーキング(コーキング28)のポリマー凝固であり、コーキングは、ベースが加熱下で平坦化されるときに創出され、コーキングは、その後フィルムとベースとの間のシール接合部がピンチされ、閉鎖されるときに凝固する。原位置のウィングレットは、(i)(ベース12の)エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマー、または(ii)エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーと(シール層の)オレフィン系ポリマーとの混成物から成る、またはそうでなければそれから形成される。このようにして、ポイントシールステップは、ポイントシールプロセス中、原位置のウィングレットを形成する。
【0109】
一実施形態において、(対向する湾曲シールバー32、34による)ポイントシールステップは、以下のシール条件のうちの1つ、いくつか、または全てを含む。
(i)18℃、または20℃、または22℃から、25℃または30℃までの温度、
(ii)700Nまたは750Nから、800N、または850N、または900Nの圧力(またはシール力)、
(iii)0.1秒、または0.5秒、または1.0秒、または2.0秒、または3.0秒、または4.0秒、または5.0秒から、6.0秒、または7.0秒、または8.0秒、または9.0秒、または10秒までの期間(シール時間もしくは滞留時間)の、(i)及び/または(ii)の適用。
【0110】
一実施形態において、本プロセスは、0.5mm、または1.0mm、または2.0mm、または3.0mm、または4.0mm、または5.0mmの長さFを有する、ウィングレット36及び/ウィングレット38を形成することを含む。
【0111】
一実施形態において、溶接構築物は冷却させられる。ポイントシールは昇温で実行され、シール接合部または溶接構築物の他の部分に残るあらゆる間隙を充填する。
【0112】
E.可撓性容器
本プロセスは、可撓性容器を形成することを含む。対向する複層フィルム16、18は、互いに重ねられ、
図7に示されるように共通の外周縁40を形成する。本プロセスは、複層フィルム16、18を共通の外周縁に沿ってシールし、可撓性容器42を形成することを含む。共通の外周縁40に沿ったシールの形成は、平坦化ステップの前、その間、またはその後に発生し得る。共通の外周縁に沿ったシールの形成は、ポイントシールステップの前、その間、またはその後に発生し得る。本プロセスは、ベース12と複層フィルム16及び18との間に密封シール44を形成する。
【0113】
付属部をフィルムにフラットバーシールして、容器を作製する熱及び応力は、限定される。低弾性ポリオレフィン(例えば、LDPE、HDPE)から成る付属部は粉砕し、亀裂が入り、破損し、使用することができない。ポリオレフィンエラストマー(例えば、ENGAGEまたはVERSIFYエラストマー)から成る付属部は変形を呈することができるが、十分には回復しないか、または溶接で閉じられる。架橋エラストマー(例えば、TPV)から成る付属部は完全に回復し得るが、十分にはシールせず、密封シールを形成しない。驚くべきことに、出願者は、本エチレン/α−オレフィンマルチブロックコポリマーから成る付属部が、回復(反跳)するは、それ自体にはシールせず、フラットバーシールを使用して付属部を容器のフィルムにシールすることを発見した。
【0114】
限定ではなく例として、本開示の実施例が提供される。
【実施例】
【0115】
以下の表1に示される構造を有する可撓性複層フィルムを、本実施例において使用する。
【0116】
1.複層フィルム
【0117】
【表1】
【0118】
2.付属部
6つの付属部、付属部1〜6を提供する。各付属部1〜6の寸法は同一であり、材料のみが付属部にわたって異なる。各付属部1〜6は、0.8mmの厚さ及び12mmのベース直径を有するベース壁を有する。
【0119】
付属部1〜6の材料及び組成物を、表3に示す。
【0120】
3.加工条件
各付属部、付属部1〜6を、シール層が互いに向き合った状態で、(表1の)フィルム1の2つの対向するフィルム間に配置する。
【0121】
各付属部−フィルム構成を、以下の条件で、2ステップシールプロセス(フラットシール、次いでピンチシール)に供する。
【0122】
【表2】
【0123】
[表]
【0124】
**放熱は、湾曲アルミニウムバーのまわりの自然に循環する空気による対流によって発生する。任意で、湾曲アルミニウムバーは、アルミニウムバー内に作製される内部チャネルを通して圧縮空気または別の冷却剤流体を循環させることによって、冷却することができる。
【0125】
フィルム1の対向するフィルムを使用する、異なる付属部、付属部1〜6による試験の結果を、以下の表3に説明する。
【0126】
【表3】
【0127】
*2.16Kg、230℃でのMFR
【0128】
本開示は、本明細書に包含される実施形態及び例示に限定されないが、以下の特許請求の範囲に入る、実施形態の一部及び様々な実施形態の要素の組み合わせを含む、それらの実施形態の修正された形態を含むよう特に意図される。