(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796076
(24)【登録日】2020年11月17日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】可変プロファイルを有する帆
(51)【国際特許分類】
B63H 9/067 20200101AFI20201119BHJP
B63H 9/10 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
B63H9/06 A
B63H9/10 A
B63H9/067
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-548225(P2017-548225)
(86)(22)【出願日】2016年3月9日
(65)【公表番号】特表2018-507819(P2018-507819A)
(43)【公表日】2018年3月22日
(86)【国際出願番号】ES2016070151
(87)【国際公開番号】WO2016142567
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2019年2月26日
(31)【優先権主張番号】P201530307
(32)【優先日】2015年3月10日
(33)【優先権主張国】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】517314977
【氏名又は名称】バウンド4ブルー、ソシエダ リミタダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベルミュデス ミケル、ホセ ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】アレキセンドリ ムニョス、クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ベルミュデス サンチェス、イグナシオ
(72)【発明者】
【氏名】フェレール デスクロー、ダヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】サエンス サエンス、フランシスコ ホセ
【審査官】
田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02202144(EP,A1)
【文献】
特開昭60−183294(JP,A)
【文献】
特開昭62−039396(JP,A)
【文献】
特開2014−080051(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0007761(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2002/0100406(US,A1)
【文献】
米国特許第04860680(US,A)
【文献】
特開昭63−028792(JP,A)
【文献】
米国特許第05320310(US,A)
【文献】
米国特許第04402277(US,A)
【文献】
米国特許第03934533(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 9/067
B63H 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非動作畳帆状態と動作展帆状態との間の、可変プロファイルを有する帆であって、前記非動作畳帆状態及び前記動作展帆状態は、前記帆(2)の前記プロファイル、したがって風と接触する空気力学表面を決定し、前記帆(2)は、非動作状態に対応する前記畳帆状態と、前記帆(2)が膨張する前記動作展帆状態との間で、膨張手段(30)及び補強手段(29)によって動作可能な、少なくとも1つの膨張可能及び補強可能な帆要素(24)を有し、前記帆(2)の前記プロファイルは、軸(20)の両側の区分(21、22)に分けられ、また前記帆は、前記膨張可能な帆要素(24)が上に配置される支持構造体(23)を有し、前記要素は、前記膨張手段(30)及び補強手段(29)によって動作可能な、膨張可能なバッグ(24)で構成されている、帆において、
前記帆(2)の前記プロファイルは、航空機の翼のプロファイルを有し、且つ前記軸の両側の区分(21、22)で双対性を有しており、それにより前記翼の前縁が、前記帆(2)の可変の容量によって、前記軸の両側の区分(21、22)の一方側または他方側で構成され得ることを特徴とする、帆。
【請求項2】
前記帆(2)が、前記軸(20)の周りを回転し得ることを特徴とする、請求項1に記載の可変プロファイルを有する帆。
【請求項3】
前記帆(2)が、前記軸(20)の周りを回転し得、いくつかの円形軌道(12)の周りを台車(9)によってその下部でガイドされることを特徴とする、請求項2に記載の可変プロファイルを有する帆。
【請求項4】
前記軸(20)が、前記支持構造体(23)に高強度を与えるための強化柱(32)を備えることを特徴とする、請求項2に記載の可変プロファイルを有する帆。
【請求項5】
前記帆(2)が、常に前記帆のプロファイルの形状に適応し、前記膨張可能なバッグ(24)の配列を包み込む、工業布によって外部を覆われることを特徴とする、請求項1に記載の可変プロファイルを有する帆。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非動作畳帆状態と動作展帆状態との間で構成可能な、可変プロファイルを有し、帆のプロファイル、したがって風と接触する空気力学表面を決定する帆に関する。
【0002】
本発明の膨張可能なプロファイルを有する帆は、エネルギー変換のためのシステム、及びより具体的には、海水をH
2及び/またはO
2に電気分解して、海外及び海上の風力を、電気エネルギー及び化石燃料以外の燃料に変換するシステム、を構成する要素としての特定の出願である。
【背景技術】
【0003】
流体力学において、布から作られた帆の効率は、航空機の翼の効率より劣ることが知られる。後者の場合、揚力と重量との間の差が、プロファイルから分離されない空気の空気力学的境界層のため、航空機を飛ばすことを可能とする。逆に、造船部門における従来型の帆において、帆を満たすのは風の推力であり、その推力によって、ボートまたは船体を前進させることを可能とする合力を発生させる。
【0004】
航空機の翼のような利点をもたらす、水上航法のための帆を実現することが、長年所望されている。このため、航空特性の空気力学的プロファイルを有する剛性の帆を実現するための様々な試みがなされている。
【0005】
これらの中で、フレットナー型ロータが、特筆すべきものであり、これらは、1926年に、Anton Flettner(FLETTNER,Anton Mein Weg zum Rotor,Leipzig(Kohler&Amelang,1926))によって記載され、例えば、欧州特許文献EP040 597において、以前引用された。
【0006】
文献WO2004024556は、垂直軸の回りを回転して、航空技術で翼に使用される種類の空気力学的プロファイルによって、帆の内輪及び外輪を決定することができる、2つの部分から成る剛性の帆を記載する。
【0007】
文献WO0189923は、各々が、互いに連結された、3つの水平要素(もしくは区分)、または翼もしくは剛性の帆の外輪によって形成された、3つの垂直要素(またはモジュール)から成る連結式空気力学的プロファイルを有する剛性の帆を記載する。
【0008】
特許FR2648426は、異なる空気力学的構成を可能にする、剛性部分のハウジング内に格納された、剛性部分及び可撓性部分から成る翼を記載する。
【0009】
特許US7146918は、水上に浮かび、剛性の帆を備える、システムにおいて、海水及び風エネルギーから電気エネルギー及び水素を生成するシステムを記載する。
【0010】
US7146918の生成システムに伴う問題は、帆の操作、制御、及び調整が複雑であり、結果として電力及びH
2の製造における、実行及び予測可能性において損失が生じることである。例えば、大きな問題が、180°の風向変化であり、複雑で危険な作業となり得る、帆の回転操作が必要となる。
【0011】
いくつかの例示的な実施例のみが掲載されたが、これまでの多くの試みにも関わらず、多機能で、経済的、及び操作が簡便な装置は、今のところ実現に至っていない。
【0012】
文献EP2202144A1は、最も遠い縁近くの少なくとも1つのゾーンにおいて、対応する壁に接合された、弾性包囲シートを有する、構成可能なプロファイル、ならびに帆を膨張及び収縮させて所望する帆のプロファイルに修正するため、加圧下の空気及び真空を生成、供給する手段を有する剛性の帆を記載する。この帆は、この要求に対する解決策を提供する。
【0013】
特許US8601966は、蛇腹状ふいご様式で折り畳み及び広げることが可能な、空気力学的プロファイルを有する帆を記載し、水素及び高エンタルピー含有の他の化学種の製造に対して、効果的で、高い実行性のある解決策を提供する。帆は、対向する一組の帆によって形成される配列を形成し、各々がいくつかの拡張可能なマスト、マストに沿って縦方向に変位可能ないくつかの区分、ならびに、区分及び互いに連結して接合され、各帆の側面を形成するいくつかのパネルを備える。パネルは、本質的に同一平面上にあり、本質的に垂直方向で縦に整列する展帆動作状態と、本質的に水平状態の区分と共に、ふいご状に積み重ねられた、畳帆収容状態との間の、2つの状態で動作する。
【0014】
US8601966の帆の効率性及び多機能性にも関わらず、この畳帆方法は、例えば天候条件の変化のため、迅速に畳帆及び展帆が試みられるとき、機械及び動作特性の欠陥をもたらし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】EP040 597
【特許文献2】WO2004024556
【特許文献3】WO0189923
【特許文献4】FR2648426
【特許文献5】US7146918
【特許文献6】EP2202144A1
【特許文献7】US8601966
【発明の概要】
【0016】
本発明の目的の1つは、前述の問題及び欠陥に対する同時解決策を提供することである。
【0017】
このため、本発明の目的は、非動作状態に対応する畳帆状態と、構成可能なプロファイルを有する帆が膨張し剛性となる、展帆動作状態との間で、膨張及び補強手段によって動作可能な、少なくとも1つの膨張可能及び補強可能な帆要素を含むことを本質的な特徴として、可変プロファイルを有する帆に、新規の概念及び機能性を持たせることである。
【0018】
本発明の別の特徴に従い、帆のプロファイルは、軸の両側の区分に分けられ、膨張手段及び補強手段によって動作可能な、膨張可能なバッグで構成され、膨張可能な帆要素が上に配置される、支持構造体を備える。
【0019】
帆は、軸の周りを回転することができ、いくつかの円形軌道の周りを、台車によってその下部でガイドされる。
【0020】
軸は、支持構造体に高強度を与えるため、三角形の強化柱を備えることができる。
【0021】
本発明の目的である帆の別の特徴に従い、帆は、常に帆のプロファイルの形状に適応し、膨張可能なバッグの配列を包み込む、工業布によって外部を覆われる。
【0022】
好ましくは、帆のプロファイルは、航空機の翼のプロファイルに対応する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
添付の図面は、例がこれに限定されるわけではないが、本発明の目的である、可変プロファイルを有する帆の実施形態を示す。
【0024】
【
図1】本発明の帆を特徴付ける船体の斜視図である。
【
図2】
図1のIIに従う詳細図であり、特に帆によって収集された風力によって活性化され、水素/酸素の貯蔵手段を有する、発電機、水素/酸素製造システムを示す。
【
図3】本発明に従う、畳帆状態にある、帆のプロファイルの平面図である。
【
図4】
図3に類似しているが、展帆状態にあり、膨張可能なバッグが膨張した、帆のプロファイルを有する図である。
【
図6】本発明の帆の、膨張可能なバッグの実施形態の膨張方法を示す平面図である。
【
図8】
図4に類似の、斜視図であり、図面中カバー28が、帆の展帆状態ではっきりと確認し得る。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面は、非動作畳帆状態と動作展帆状態との間で構成可能な、可変プロファイルを有する帆2の実施形態の構成及び動作方法を描き、帆のプロファイル、したがって風と接触する空気力学表面が決定される。
【0026】
描かれる実施例において、帆2は、帆2によって推進され、例えば水素、酸素、メタノール、エタノール、アンモニア等の生成及び貯蔵によって、エネルギーの生成及び貯蔵のためのシステムを特徴とする、船体1上で、他の同一または類似の帆2と連帯して組み立てられる。
【0027】
本発明は、風速と水の高密度化の組み合わせに基づいており、一次エネルギー源の風に基づくいずれの他のシステムよりも、はるかに大きな生産量をもたらす。
【0028】
本方式は、海または湖の水の電気分解によって得られ、本発明の帆2を特徴とする、水素(及び/または酸素)の製造用に特別に設計された船体1のものである。
【0029】
図面において、本発明に従い、海水から水素を製造するためのシステムは、
− 全ての必要な構造的荷重に耐え、及びその内部に貯蔵システムを収容し得るように設計された、船体1と、
− その目的が、船体を推進させ船の速度を上げること、である帆2が装備され、
− 水と関連する船体の速度のため回転し、ひいては電気分解装置及び補助装置に供給する、機械エネルギーを生成する、水中タービン3。水と関連する船体1の速度のため回転し、ひいては船体1のH
2生成装置5及び補助装置に供給する、機械エネルギーを生成する、水中タービン3と、
− タービン3の回転を電気に変換するように適応された発電機4と、
− 発電機4によって発生させた電気エネルギーからH
2及びO
2を発生させる、船上搭載型水素生成システム5と、
− 例えばH
2及びO
2用高圧ISO容器(30バール、300バール超)に基づいた、貯蔵手段6と、を備えることが確認され得る。
【0030】
本発明に従い、異なる改良型が、H
2生成システムについて可能であり、これらの中で、制限的ではないが、
− 電解液の添加によってECAカートリッジ11内に海水を入れるElectro−Chemical Activation(ECA)技術。この場合、添加の電解液が提供され得、または海水自体の塩分で十分となり得、及び
− ろ過要素膜、精密ろ過要素膜、及び/または限外ろ過要素膜10を通す水の電気分解システムというものもある。
【0031】
H
2及びO
2が生成及び貯蔵されるプロセスは、以下の通りである。
− 船体1が、従来型または水素燃料電池による給電型いずれの、エンジン(図示せず)を使用して港を出港し、風力が大きな海域に進む。
− 到着すると、船体1は、エンジンを切り、展帆した帆2を使用して、ただ高速に到達するために、最大風力の方向を追って、帆で進む。船体1の速度が早ければ早いほど、水素及び酸素の製造量は大きくなる。
− このプロセスによって、船体1は、海と関連する速度を上げ、水中タービン3のための機械エネルギーの生成に生かされる。
− 電気エネルギーに変換される、この機械エネルギーは、精製前の水に電気分解または電解活性化(ECA)を実行し、ECAケース内に水素及び酸素、または他の化学種(例えば、塩素及びその合成物)に分離するための、水素生成システム5及び補助装置に給電する。
− 気体は、描写される実施例(
図1及び
図2)において、水素、酸素、等用タンク7を特徴とする、気体貯蔵手段6に、まずは気体状態でまたは化学もしくは極低温貯蔵によって、加圧され船上で貯蔵される。
− タンク7または化学貯蔵構成部品(電池)が一杯になるとき、船体1は港に戻って荷を下し、プロセスを再開する。
【0032】
理想的には、ISO容器に標準的な圧力で貯蔵ができるようになり、その後いずれの特別なインフラ設備も必要とせずに、いずれの港でも荷を下ろし得ることが望まれる、とはいえ他の貯蔵手段、例えば大型の球形タンクまたは化学貯蔵要素(電池)などが使用され得ることも予測される。
【0033】
本発明に従い、帆2は、非動作畳帆状態(
図3)と動作展帆状態(
図1、4、及び5)との間で構成可能な、プロファイルを有する補強可能な帆であり、帆2のプロファイル、したがって風と接触する空気力学表面を決定する。好ましくは、膨張し補強された形状の帆2は、航空機の翼に類似のプロファイルを獲得するべきである。
【0034】
各帆2は、管状継手26上で枢動する同等の区分21、22に分割され、軸20の両側に配置され、格子形状の、支持構造体23を備え、その上にいくつかの帆要素24が配置され、これらが、畳帆状態に対応する、非膨張状態と、展帆状態に対応する、膨張及び補強状態との間で、膨張手段30によって、個々にまたは集合的に動作可能な、膨張可能なバッグ24で構成され、帆2のプロファイル、したがって風と接触する空気力学表面を決定する、プロファイル要素100(
図3、4、及び5)によって形成される。
【0035】
格子状構造体23は、膨張可能体が展開されるとき、プロファイルの半分は動作する必要がなく、完全に非膨張のままとなり得るため、空気力学的プロファイルの後縁のような形状を特徴とする。
【0036】
プロファイルの要素100の2つの区分21及び22が、共に取り付けられ、固定され、及びプロファイルの要素100が、共に取り付けられると、帆2は、船体1のデッキ13上のいくつかの円形軌道12周りの軸受け部を有する台車9によって、及び上部回転軸において、その下部及び上部でガイドされ、軸20の周りを回転し得る。
【0037】
中心軸20ならびに同軸に接触する区分21及び22は、力を船体全体へ伝え、格子状支持構造体23のアセンブリを保持する。全てのプロファイルの要素100は、中心軸20に固定される。
【0038】
支持構造体の2つの縁においていくつかの垂直要素27が在り、デッキ上の、構造体の下部、または上部で、畳帆され得る、外部カバー28(
図4及び8)へのガイドとして機能する。この外部カバー28は、常に帆2のプロファイルの形状に対して適応し、膨張可能なバッグ24の配列を包み込む、工業布となり得る。より明瞭にするために、
図1及び5において、帆2は、外部カバー28無しで描写される。
【0039】
描写される実施形態の軸20は、支持構造体23に高強度を与えるため、三角形の強化柱32を備えることができる(
図2〜5)。三角形の強化柱32は、同じ機能をする別形態の要素によって置換され得る。
【0040】
さらに詳細には、帆2の全配列は、上部通路8(
図1)によってつなげられ、配列に高強度を与えることができる。
【0041】
上記で言及されるように、空気力学的プロファイルの形状を形成するために、アセンブリは、膨張手段30、パイプを通る圧縮空気、及び帆2の格子状の支持構造体23中に分配される共通圧力システムによって、自在に膨張し得る、一連の膨張可能な帆要素24を特徴とし、このシステムによって、帆2が常に異なる形状及び構成を採用することが可能である。膨張可能な帆要素24の動作における制限の無い実施例が、特に
図6及び7を参照する形で、下記に記載される。
【0042】
適応可能なプロファイルの構成に対する膨張システム30は、膨張可能なバッグ24、好ましくはプラスチック材料(例えば、PVC)からなり、内面ライニング25を特徴とする。
【0043】
膨張可能なバッグ24は、膨張可能なバッグ24を取り込み、または取り外す、いくつかの電動ローラ31によって張設され、一方で熱溶着接合または類似の手段によって、膨張可能なバッグ24へ取り付けられる、内面ライニング25は、加圧空気のためのインジェクタチューブ32を特徴とし、チューブは、格子状支持構造体23の骨組みに固着され、つまり固定位置に維持され、さらに内部フレーム33を保持する支持体として機能するであろう。
【0044】
この内部フレーム33は、膨張可能なバッグ24内ではあるがライニング25外に配置され、外部フレーム34において類似品を有し、これらが、膨張可能なバッグ24の布を張るまたは取り外すことを可能とする、ガイド機能をする。外部フレーム34は、内部フレーム33と同様に、全体構造に固着されるであろう。フレームは、風によって生成され得る接線力に対する、安定性、位置決め性、及び剛性を提供する。
【0045】
膨張可能なバッグ24によって形成される帆2はまた、補強可能である。このため、膨張可能なバッグは、予備形成された縫い目29(
図7)を有する膨張形状の補強手段を特徴とし、このようにして膨張可能なバッグ24は、自動車用エアバッグ装置でよく知られる方法で、その容量を、剛性であり、あらかじめ設計された形状のまま、増減させる。
図4及び5において、一旦動作、展帆、膨張、及び剛性状態に到達すると、どのように膨張可能なバッグ24が異なる形状及び最大容量を特徴とするか、はっきりと確認し得る。
【0046】
本発明は、構成可能なプロファイルを有する帆、または風力発電機用タービン翼などの、その可能性を必要とし得る、いずれのシステムに対しても構成可能で、適応可能な容量を作り出すことで、疑問を解決する。
【0047】
当業者は、帆2が、可変の容量を有し、一方側または他方側へ向かって構成され得、そのため風が対向方向から吹く場合でも、180°回転させる必要がないことから、本発明のシステムの帆2が、総対称双対性を特徴とすることが分かるであろう。同じように、風の方向または速度における一定の変化に対して、本発明のシステムを搭載した船体が、その方向を変える必要性はない。
【0048】
本明細書に十分に記載される、本発明の特性及び本発明の実装のための本方法は、その基本目的を改め、変更、または修正しないいずれの差異も、詳細の変更とするということが規定される。
【0049】
このため、本発明の構成可能なプロファイルを有する、補強可能な帆2は、膨張可能な要素、またはバッグ24に基づく好ましい実施形態と関連して記述されたこと、とは異なる他の実施形態も採用し得る。帆1はまた、水素製造システムのための船体1における出願に関し、本明細書に記載されたこと、とは異なる出願を発見し得る。
【0050】
同じく、プロファイル要素100の数、また帆要素(または膨張可能なバッグ)24の数も、本請求項の保護する範囲内である限り、単体のユニットを含む、いずれの数ともなり得る。