(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリマーが、HPMCAS、HPMC、PVPVA、PVP、ポリ(メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−co−アクリル酸エチル)及びCAPからなる群から選択される、請求項1または2に記載の剤形。
前記滑剤が、シリカ、ヒュームドシリカ、二酸化ケイ素、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の剤形。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、剤形は、カプセル及び充填材料を含み、充填材料は、(a)造粒されている、有効成分及びポリマーのディスパーションと、(b)
オスモジェンと、(c)滑剤とを含む。一実施形態では、ディスパーションは充填材料の10重量%〜90重量%を占め、
オスモジェンは充填材料の5重量%〜40重量%を占め、滑剤は充填材料の少なくとも0.1重量%を占める。
【0004】
本発明は、
オスモジェン、例えば少量の、高度に水溶性である賦形剤の、カプセル製剤内のディスパーション含有粒子の濡れ及び/又はゲル化を低下させるための使用を含む。機構的に、少量の賦形剤、例えば高度に水溶性である無機塩、糖又は糖アルコールは、濡れて迅速に溶解し、一旦水がカプセルのシェルを貫通し始めると、ディスパーション含有粒子と接触して水性の使用媒質の水の活性を低下させることが確信されている。こうした
オスモジェンを充填材料へ加えることは、一旦カプセルが水性の使用環境へ投与される(例えばインビトロ試験媒質中で又は動物の消化管中のインビボ中で)と、カプセル内の水の活性を低下させる。カプセル内部の内側で得られる高濃度溶液は、溶解前のカプセル内で、ディスパーション粒子が溶液によって良好に濡らされていない又は水で高度に膨らまされていない性質のものである。これは、ディスパーション粒子のゲル化を防ぎ、カプセルのシェルが完全に溶解した際にディスパーション粒子が速放することを可能にする。同時に、ディスパーションをより大きい粒子へ造粒することは、ディスパーションの1質量単位当たりの表面積を低減させ、更にはディスパーションがゲルになる傾向もまた低減させる。
【0005】
一実施形態では、ディスパーションは、充填材料の20重量%〜90重量%を占める。更に別の実施形態では、ディスパーションは、充填材料の少なくとも20重量%、充填材料の少なくとも30重量%、充填材料の少なくとも40重量%、充填材料の少なくとも50重量%、充填材料の少なくとも60重量%、充填材料の少なくとも70重量%、又は更に充填材料の少なくとも80重量%を占める。
【0006】
一実施形態では、
オスモジェンは、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素リチウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、トレハロース、グルコース、スクロース、マルトース、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。更に別の実施形態では、
オスモジェンは、ソルビトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、キシリトール、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の10重量%〜35重量%を占める。別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の15重量%〜30重量%を占める。別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の少なくとも10重量%、充填材料の少なくとも15重量%、充填材料の少なくとも20重量%を占める。
【0007】
一実施形態では、滑剤は、シリカ、ヒュームドシリカ、二酸化ケイ素、エアロジル、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0008】
更に別の実施形態では、ディスパーションと
オスモジェンとが、カプセル中に置かれる前に共造粒される。更に別の実施形態では、ディスパーションと
オスモジェンとが、カプセル中に置かれる前に高せん断力混合に供される。別の実施形態では、ディスパーションと滑剤とが、カプセル中に置かれる前に共造粒される。一実施形態では、ディスパーションは造粒され、次いで
オスモジェン及び滑剤とブレンドされる。
【0009】
一実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の10重量%〜35重量%を占める。他の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の15重量%〜35重量%を占める。更に別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の20重量%〜35重量%を占める。更に別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の30重量%〜35重量%を占める。
【0010】
一実施形態では、滑剤は、充填材料の0.5重量%〜5重量%を占める。更に別の実施形態では、滑剤は、充填材料の1重量%〜5重量%を占める。別の実施形態では、滑剤は、充填材料の1重量%〜3重量%を占める。
【0011】
別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の5重量%〜70重量%を占める。別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の40重量%超〜70重量%を占める。別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の50重量%〜70重量%を占める。別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の60重量%〜70重量%を占める。一実施形態では、剤形は、カプセル及び充填材料から本質的になり、充填材料は、(a)造粒されている、有効成分及びポリマーのディスパーションと、(b)
オスモジェンと、(c)滑剤とから本質的になる。別の実施形態では、剤形は、カプセル及び充填材料からなり、充填材料は、(a)造粒されている、有効成分及びポリマーのディスパーションと、(b)
オスモジェンと、(c)滑剤とからなる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明者らは、有効成分の生物学的利用能を改善させるための方法及び組成物を開発する必要性が、継続的にあることを認めた。一実施形態では、剤形は、カプセル及び充填材料を含み、充填材料は、(a)造粒されている、有効成分及びポリマーのディスパーションと、(b)
オスモジェンと、(c)滑剤とを含む。
【0014】
本出願及び特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈上他に明確に指示されない限り、複数形が含まれる。更に、「含む(includes)」という用語は、「含む(comprises)」を意味する。更に、「結合された」という用語は、一般に、電気的、電磁的、及び/又は物理的(例えば、機械的又は化学的)に結合又は連結されたことを意味し、特定の反対の言語がない場合、結合された又は関連するアイテム間の中間要素の存在を排除するものではない。
【0015】
他に指示がない限り、明細書又は特許請求の範囲で使用される成分の量、分子量、パーセントなどの特性を表す全ての数字は、「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、暗黙的又は明示的に示されない限り、記載される数値パラメータは、標準的な試験条件/方法下で求められる所望の特性及び/又は検出の限界に依存し得る近似値である。論じられた先行技術との実施形態を直接的かつ明示的に区別するとき、実施形態番号は、「約」という語が列挙されない限り、近似ではない。
【0016】
有効成分及びポリマーのディスパーション
開示されている組成物の実施形態は、有効成分及びディスパーションポリマーを含むディスパーションを含む。一実施形態では、組成物は、固体の非晶質ディスパーションを含む。固体の非晶質ディスパーションを形成する1つの理由は、不良な水性の溶解性有効成分の、溶解した水性の有効成分の濃度が、有効成分及びポリマーの非晶質ディスパーションを形成することによって改善され得るためである。薬剤及びポリマーのこうした固体の非晶質ディスパーションは、結晶形態にある薬剤と比べて高い濃度の、水溶液に溶解した薬剤を付与する。こうした固体の非晶質ディスパーションは、薬剤がポリマー全体に均質に分散されるときに最も良好に働く傾向があり、そのため、一実施形態では、組成物は、均質な固体の非晶質ディスパーション、即ち固体の溶液を含む。一実施形態では、組成物は、有効成分及びポリマーの固体ディスパーションの形態であり、ここで、ディスパーション中の有効成分のうちの少なくとも75重量%が非結晶である。別の実施形態では、有効成分のうちの少なくとも90重量%が、ディスパーション中の固体の溶液の形態にある。更に別の実施形態では、有効成分のうちの基本的に全てが、非結晶形態にある。一実施形態では、ディスパーションは、ディスパーションポリマー中に、有効成分の固体の溶液を含む。「非結晶」は、有効成分が、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry、DSC)、粉末X線回折(powder X−ray diffraction、PXRD)、固体状態の核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance、NMR)、又は他の任意の既知の量的測定により求められる「非晶質」であることを意味する。ディスパーションは、それが、示差走査熱量測定による分析時に単一のTgを示すとき、「固体の溶液」であると考えられる。一実施形態では、ディスパーションは、ポリマーの非晶質の特性に起因して、少なくとも1つのTgを有する。別の実施形態では、ディスパーション中の有効成分及びポリマーのうちの基本的に全てが、固体の溶液の形態にある。一実施形態では、組成物は、有効成分及びポリマーの固体の溶液から本質的になる。
【0017】
別の実施形態では、ディスパーションは、2種以上の有効成分を含む。
【0018】
本発明の固体のディスパーションは、ミリング、押出、沈殿、又は溶媒添加とそれに続く溶媒除去を含む、当技術分野で既知の任意の方法によって形成されてもよい。例えば、有効成分及びポリマーは、熱、機械的混合、及び例えば2軸押出機を用いる押出によって処理されてもよい。次いで生成物は、所望の粒径へミリングされ得る。別の例では、有効成分及びポリマーは、溶媒中に溶解され、ここで、双方の材料は可溶性である。次いで、ディスパーションは、溶液から、混和性非溶媒中での沈殿、非混和性非溶媒中での乳濁化、又は液滴を形成して続いて留去して溶媒を除去することを含む、任意の既知の方法によって形成され得る。
【0019】
一実施形態では、固体ディスパーションは、噴霧乾燥によって形成される。有効成分、ディスパーションポリマー及び任意選択の賦形剤が、溶媒中に溶解されてもよい。そのため、噴霧乾燥される流体は、サスペンション、又は均質な溶液、又は溶解された材料と懸濁された材料との組み合わせであってもよい。一実施形態では、噴霧乾燥される流体は、溶媒中で一緒に溶解された、有効成分とディスパーションポリマーとの均質な溶液を含む。別の実施形態では、噴霧乾燥される流体は、溶媒中で溶解された、有効成分とポリマーとの溶液から本質的になる。更に別の実施形態では、噴霧乾燥される流体は、溶媒中で溶解されたポリマーの溶液中の、有効成分の粒子のサスペンションを含む。更に別の実施形態では、有効成分及びポリマー(ここで、有効成分及びポリマーのうちの少なくとも1種は溶媒中に懸濁されている)は、熱交換機に向けられて噴霧溶液を形成し、ここで、有効成分とポリマーとの双方は溶解し、これは、参照により本明細書に組み入れている係属中の特許出願WO2010111132 A2で開示されている。
【0020】
一実施形態では、剤形は、カプセル及び充填材料から本質的になり、充填材料は、(a)造粒されている、有効成分及びポリマーのディスパーションと、(b)
オスモジェンと、(c)滑剤とから本質的になる。別の実施形態では、剤形は、カプセル及び充填材料からなり、充填材料は、(a)造粒されている、有効成分及びポリマーのディスパーションと、(b)
オスモジェンと、(c)滑剤とからなる。
【0021】
有効成分
開示されている組成物の実施形態は、有効成分を必要とする患者への投与が望まれる、生物学的に有効な任意の化合物の使用に好適である。組成物は、1種以上の有効成分を含有してもよい。本明細書で使用されるとき、「有効成分(active)」又は「有効成分(active agent)」は、体へ投与されることが望まれ得る、薬剤(drug)、薬剤(medicament)、医薬、治療薬、栄養剤、又は他の化合物を意味する。有効成分は、一般に、分子量が2000ダルトン以下の「小分子」である。組成物はまた、2種以上の有効成分の混合物も含んでもよい。
【0022】
有効成分は、非イオン化形態の有効成分、並びにイオン化形態の有効成分を含むと理解されるべきである。非イオン化形態は、有効成分がイオン化形態へ転換されていないことを意味する。イオン化形態は、生理学的pHのうちの少なくとも1つのpHが1〜8の範囲であり、有効成分が、イオン化形態、即ちカチオン又はアニオンへ転換されていることを意味する。一実施形態では、有効成分は、医薬として許容される形態の有効成分を含む。用語「医薬として許容される」は、対象における毒性学的な重大な悪影響なしに対象へ取り込まれ得る物質を指す。「医薬として許容される形態」は、有効成分の、立体異性体、立体異性体混合物、鏡像異性体、溶媒和物、水和物、同類形態、多形、仮像、中性形、及びプロドラッグを含む、任意の医薬として許容される誘導体又は変形体を意味する。
【0023】
有効成分の部類の例としては、以下の治療分野で使用するための化合物が挙げられるがこれらに限定されない:抗高血圧薬、抗不安薬、抗不整脈薬剤、抗凝固薬剤、抗けいれん薬、血糖低下性薬剤、鬱血除去薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、抗悪性腫瘍薬、抗がん剤、抗がん薬、β遮断薬、抗炎症薬、抗精神病薬、向知性薬、抗アテローム硬化性薬剤、コレステロール還元剤、トリグリセリド還元剤、抗肥満薬剤、自己免疫不全薬剤、抗不能薬剤、抗菌剤、駆虫薬、駆虫剤、抗真菌剤、睡眠薬、抗パーキンソン症候群薬剤、抗アルツハイマー病薬剤、抗生物質、抗脈管形成薬剤、抗緑内障薬剤、抗抑うつ剤、抗ざ瘡薬剤、気管支拡張剤、糖質コルチコイド、ステロイド及び抗ウイルス薬。
【0024】
ディスパーションポリマー
例示的なディスパーションポリマーとしては、セルロース、エチルセルロース(ethylcellulose、EC)、プロピルセルロース、ブチルセルロース、酢酸セルロース(cellulose acetate、CA)、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース(cellulose acetate butyrate、CAB)、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸メチルセルロース、プロピオン酸メチルセルロース、酪酸メチルセルロース、酢酸エチルセルロース、プロピオン酸エチルセルロース、酪酸エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methyl cellulose、HPMC)、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose acetate、HPMCA)、酢酸デキストリン、プロピオン酸デキストリン、酢酸プロピオン酸デキストリン、コハク酸デキストリン、ポリビニルカプロラクタム、ポリ酢酸ビニル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone、PVP)、酢酸ビニル/ビニルピロリドンコポリマー(vinyl acetate/vinylpyrrolidone copolymers、PVPVA)、ポリグリコール酸、ポリ(乳−グリコール)酸、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methyl cellulose acetate succinate、HPMCAS)、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピエルメチルセルロース(hydroxypropyl methyl cellulose phthalate、HPMCP)、酢酸フタル酸セルロース(cellulose acetate phthalate、CAP)、酢酸トリメリト酸セルロース(cellulose acetate trimellitate、CAT)、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース(carboxymethyl ethylcellulose、CMEC)、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose acetate phthalate、HPMCAP)、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methylcellulose acetate trimellitate、HPMCAT)、酢酸酪酸カルボキシメチルセルロース(carboxymethyl cellulose acetate butyrate、CMCAB)、プロピオン酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース(cellulose acetate succinate、CAS)、酢酸コハク酸メチルセルロース(methyl cellulose acetate succinate、MCAS)、酢酸コハク酸デキストラン、プロピオン酸コハク酸デキストラン、酢酸プロピオン酸コハク酸デキストラン、ポリ(メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル)1:1(例えばEudragit(登録商標)L100、Evonik Industries AG)、ポリ(メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル)1:2(例えばEudragit(登録商標)S100)、ポリ(メタクリル酸−co−アクリル酸エチル1:1(例えばEudragit(登録商標)L100−55)、ポロキサマー、ポリ(エチレンオキシドーbーε−カプロラクトン)、ポリ(ε−カプロラクトン−b−エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシドーbーラクチド)、ポリ(ラクチド−b−エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシドーbーグリコリド)、ポリ(グリコリドーbーエチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチドーコーグリコリド)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド−b−エチレングリコール)、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0025】
一実施形態では、ディスパーションポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、酢酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCA)、酢酸デキストラン、プロピオン酸デキストラン、酢酸プロピオン酸デキストラン、ポリビニルカプロラクタム、酢酸ポリビニル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリカプロラクタム、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳−グリコール)酸、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、プロピオン酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、酢酸トリメリト酸セルロース(CAT)、酢酸フタル酸メチルセルロース、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸テレフタル酸セルロース、酢酸イソフタル酸セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)、酢酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAP)、プロピオン酸フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAT)、酢酸酪酸カルボキシメチルセルロース(CMCAB)、プロピオン酸トリメリト酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸コハク酸セルロース(CAS)、酢酸コハク酸メチルセルロース(MCAS)、酢酸コハク酸デキストラン、プロピオン酸コハク酸デキストラン、酢酸プロピオン酸コハク酸デキストラン、及びそれらの混合物から選択される。
【0026】
一実施形態では、ディスパーションポリマーは、HPMCAS、HPMC、PVPVA、PVP、ポリ(メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−co−アクリル酸エチル)及びCAPからなる群から選択される。
【0027】
別の実施形態では、ディスパーションポリマーは、HPMCAS、HPMC及びPVPVAからなる群から選択される。
【0028】
別の実施形態では、ディスパーションポリマーは、HPMCAS及びHPMCからなる群から選択される。
【0029】
別の実施形態では、ディスパーションポリマーは、HPMCASである。
【0030】
別の実施形態では、ディスパーションポリマーは、ポリ(メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル)、及びポリ(メタクリル酸−co−アクリル酸エチル)からなる群から選択される。
【0031】
オスモジェン
本発明の組成物はまた
オスモジェンも含み、
オスモジェンは典型的に充填材料の5重量%〜40重量%を占める。例示的な
オスモジェンとしては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素リチウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素リチウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、炭酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、乳酸カルシウム、コハク酸マグネシウムなどの塩;固体アルコール及び糖アルコール、例えばトレハロース、グルコース、スクロース、ラフィノース、マルトース、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ラクチトール、マルチトール及びエリスリトール;並びに尿素、イノシトール、酒石酸、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。更に別の実施形態では、
オスモジェンは、ソルビトール、キシリトール、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0032】
他の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の10重量%〜35重量%を占める。他の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の15重量%〜35重量%を占める。更に別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の20重量%〜35重量%を占める。更に別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の30重量%〜35重量%を占める。
【0033】
一実施形態では、
オスモジェンは、低分子量を有する。
オスモジェンは、分子量が、500ダルトン未満、350ダルトン未満、又は200ダルトン未満であってもよい。
【0034】
別の実施形態では、
オスモジェンは、飽和溶液のモル濃度(1質量単位当たりの溶質のモル)として表されて(mol/kg)、高い水溶解度を有する。好ましくは、
オスモジェンは、水溶解度が、1mol/kgより大きく、より好ましくは少なくとも2.5mol/kgであり、更により好ましくは少なくとも4mol/kgである。
【0035】
別の実施形態では、
オスモジェンは、低分子量と高い水溶解度との双方を有する。そのため、
オスモジェンは、分子量が500ダルトン未満で水溶解度が少なくとも1mol/kgであってもよく、分子量が350ダルトン未満で水溶解度が少なくとも2.5mol/kgであってもよく、又は分子量が200ダルトン未満で水溶解度が少なくとも4mol/kgであってもよい。
【0036】
表1は、幾つかの
オスモジェンの分子量及びモル濃度を列挙している。
【表1】
【0037】
オスモジェンの好ましい列挙は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素リチウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、硫酸カリウム、炭酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、トレハロース、グルコース、スクロース、マルトース、キシリトール、ソルビトール、尿素、酒石酸、ラクチトール、マルチトール、エリスリトール、及びそれらの組み合わせである。
【0038】
オスモジェンの、より好ましい列挙は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、キシリトール及びソルビトールである。
【0039】
滑剤
組成物はまた滑剤も含み、滑剤は典型的に充填材料の少なくとも0.1重量%を占める。例示的な滑剤としては、シリカ、二酸化ケイ素、エアロゾル、アルミノケイ酸マグネシウム、アルミノメタケイ酸マグネシウム、デンプン、タルク、微結晶セルロース、炭酸マグネシウム、トリケイ酸マグネシウム、第三リン酸カルシウム、ロイシン、二酸化チタン、及びそれらの混合物が挙げられる。一実施形態では、滑剤は、シリカ(例えばSyloid(登録商標))、ヒュームドシリカ(例えばEvonikによるAerosil(登録商標)又はCabotによるCab−O−Sil(登録商標))、二酸化ケイ素、アルミノメタケイ酸マグネシウム(例えばNeusilin(登録商標))、アルミノケイ酸マグネシウム、二酸化チタン、及びそれらの混合物から選択される。一実施形態では、滑剤は、充填材料の0.5重量%〜5重量%を占める。更に別の実施形態では、滑剤は、充填材料の1重量%〜5重量%を占める。別の実施形態では、滑剤は、充填材料の1重量%〜3重量%を占める。
【0040】
カプセル
本発明の組成物は、任意の市販のカプセル、例えばゼラチンカプセル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセル、プルラン、デンプン及びペクチンなどの他の材料から作製されたカプセル、腸溶カプセル、及び当技術分野で周知の他のカプセル中へ充填されてもよい。例示的なカプセルとしては、Vcaps(登録商標)、Vcaps Plus(登録商標)、Licaps(登録商標)、OceanCaps(商標)、DBcaps(登録商標)、PCcaps(登録商標)、Coni−Snap(登録商標)、DRcaps(商標)、OceanCaps(登録商標)、Pearlcaps(登録商標)、Plantcaps(登録商標)、SGcaps(登録商標)、又は当技術分野で既知の他のカプセルが挙げられる。
【0041】
好ましい一実施形態では、カプセルは、HPMCカプセルである。
【0042】
別の好ましい実施形態では、カプセルはHPMCカプセルであり、ディスパーションポリマーは、HPMCAS、HPMC、PVPVA、PVP、ポリ(メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−co−メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸−co−アクリル酸エチル)及びCAPからなる群から選択される。
【0043】
組成物を調製する方法
一実施形態では、有効成分及びポリマーのディスパーションは造粒され、その後に
オスモジェン及び滑剤を加える。造粒技術としては、乾式造粒法、湿式造粒法、流動層造粒法、及び当技術分野で既知の他の方法が挙げられる。乾式造粒法の例としては、スラッギング、又はリボン状にするための回転圧縮機の使用が挙げられ、リボン状のものは、次いで粒径を小さくするためにミリングされる。乾式造粒法はまた、高せん断力混合機−造粒機を含んでもよい。造粒はまた、押出機で実施されてもよい。湿式造粒法がまた、材料を造粒するために使用されてもよく、これは、湿式造粒法の後で除去され得るように揮発性である液体を含むことが多い。流動層造粒法もまた、湿式造粒法の中に含まれ得る。
【0044】
典型的には、造粒された材料は、適切なミリング方法を用いて所望の粒径へミリングされる。
【0045】
一旦、粒子が適切な寸法にされると、それらは
オスモジェンとブレンドされて、タンピングせずに、又は充填工程中に例えばタンピングピン若しくはドセーター充填技術を用いて軽くタンピング若しくは圧縮しながらか、のいずれかで、カプセル中に充填され得る。典型的には、滑剤が、粒子及び
オスモジェンとブレンドされる。
【0046】
一実施形態では、ディスパーションは、上に説明した技術と類似の技術を用いて、
オスモジェンと共に造粒されてもよい。次いで滑剤は、粒子と混合されて、タンピングせずに、又は上に説明したように軽くタンピング若しくは圧縮しながら、カプセル中へ充填され得る。
【0047】
一実施形態では、ディスパーションは、上に説明した技術と類似の技術を用いて、存在する滑剤と共に造粒されてもよい。次いで
オスモジェンは、粒子と混合されて、タンピングせずに、又は上に説明したように軽くタンピング若しくは圧縮しながら、カプセル中へ充填され得る。
【0048】
使用方法
一実施形態では、開示している組成物は、動物への、経口、バッカル、粘膜、舌下、又はそれらの組み合わせから選択される方法を経由した投与を意図している。
【0049】
従来の製剤の賦形剤が、開示されている組成物の実施形態において利用されてもよく、当技術分野で周知の賦形剤、例えばRemington:The Science and Practice of Pharmacy(20th.ed.,2000)に記載されているものが挙げられる。一般に、充填剤、崩壊剤、顔料、結合剤、潤滑油、滑剤、芳香剤などの賦形剤が、通例の目的のために、組成物の特性に悪影響を与えない典型的な量で、使用されてもよい。
【0050】
水性の使用環境中へ置かれたとき、カプセルは、噴霧乾燥ディスパーションを使用環境中へ速放する。一実施形態では、カプセルは、模擬の胃の流体中30分後の、溶解媒質中の溶解性有効成分の濃度が、同じプロトコル、例えば実施例1の試験方法を用いた、カプセルに入っていないサスペンションとして試験されるSDDによって付与される濃度の、少なくとも50%、75%、80%、90%、又は100%であるように、有効成分を放出する。別の実施形態では、カプセルは、pH6.5での模擬の腸の流体中10分、20分、40分又は90分後の、溶解媒質中の溶解性有効成分の濃度が、同じプロトコル、例えば実施例1の試験方法を用いた、カプセルに入っていないサスペンションとして試験されるSDDによって付与される濃度の、少なくとも50%、75%、80%、90%、又は100%であるように、有効成分を放出する。別の実施形態では、本発明の組成物は、溶解試験(例えば実施例1に記載のもの)における溶解性有効成分の濃度が、類似のカプセル及び有効成分のディスパーションからなる充填剤のみを含む対照の製剤によって付与されるものの、少なくとも25%、50%、75%、又は100%であるように、有効成分を放出する。
【0051】
一実施形態では、カプセル及び充填材料を含む剤形は、(a)造粒されている、有効成分及びポリマーのディスパーションと、(b)
オスモジェンと、(c)滑剤とを含む充填材料とを含む。一実施形態では、ディスパーションは充填材料の10重量%〜90重量%を占め、
オスモジェンは充填材料の5重量%〜40重量%を占め、滑剤は充填材料の少なくとも0.1重量%を占める。別の実施形態では、ディスパーションは、充填材料の20重量%〜90重量%を占める。更に別の実施形態では、ディスパーションは、充填材料の少なくとも20重量%、充填材料の少なくとも30重量%、充填材料の少なくとも40重量%、充填材料の少なくとも50重量%、充填材料の少なくとも60重量%、充填材料の少なくとも70重量%、又は更に充填材料の少なくとも80重量%を占める。
【0052】
一実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の10重量%〜35重量%を占める。他の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の15重量%〜35重量%を占める。更に別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の20重量%〜35重量%を占める。更に別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の30重量%〜35重量%を占める。
【0053】
別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の5重量%〜70重量%を占める。別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の40重量%超〜70重量%を占める。別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の50重量%〜70重量%を占める。別の実施形態では、
オスモジェンは、充填材料の60重量%〜70重量%を占める。
【0054】
一実施形態では、滑剤は、充填材料の少なくとも0.1重量%を占める。一実施形態では、滑剤は、充填材料の0.5重量%〜5重量%を占める。更に別の実施形態では、滑剤は、充填材料の1重量%〜5重量%を占める。別の実施形態では、滑剤は、充填材料の1重量%〜3重量%を占める。
【実施例】
【0055】
全ての実施例において、フェニトイン及びH等級の(信越化学工業株式会社によって指定されている)酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS、酢酸コハク酸ヒプロメロースとしても知られる)を使用した。このディスパーションは、均質なディスパーションであり、25重量%のフェニトインが含有されており、即ち25重量%のフェニトイン、75量%のHPMCAS−Hであった。粉末X線回折によって評価したところ、この製剤中に結晶物質がある証拠はなかった。
【0056】
実施例1
ソルビトールを有するSDD
この実施例では、25重量%のフェニトイン:HPMCAS−HのSDDを使用した。SDDを、最初にSDD粉末をスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表2】
【0057】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。
【0058】
実施例1の充填済みカプセルを、以下の手順を用いて溶解試験した。このカプセルを、浮かないようにおもりを付けて置いた。カプセルを、最初に、500mLのUSP II溶解装置中250mLの模擬の胃の媒質(0.01NのHCl)中へ置き、75RPMで撹拌した。この試料を、5分、15分及び25分に回収し、15,800gにて1分間、遠心分離し、上澄みを希釈し(50μLの上澄みをHPLCバイアル中250μL希釈液へ)、その後、HPLCで分析した。次に、腸の緩衝媒質250mLを加え、pH6.5でのリン酸緩衝食塩水中0.5重量%のSIF粉末(Biorelevant.com製)からなる模擬の腸の流体を生成した。この試料を、4分、10分、20分、40分及び90分に回収し、同じ技術を用いてHPLCで分析した。結果を
図1、
図2、
図3に示す。
【0059】
実施例2
塩化ナトリウム(NaCl)を有するSDD
実施例1のSDDを、この実施例で使用した。SDDを、最初にSDD粉末をスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表3】
【0060】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。実施例2のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図2で挙げる。
【0061】
実施例2B
粒子内のNaCl、粒子外の滑剤と共に造粒したSDD
実施例1のSDDを、この実施例で使用した。SDDを、NaClと、Turbulaブレンダー上32rpmで20分間混合し、次いでこのブレンドをスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料の滑剤(Neusilin(登録商標))と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表4】
【0062】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。実施例2Bのカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図2で挙げる。
【0063】
実施例3
キシリトールを有するSDD
実施例1のSDDを、この実施例で使用した。SDD及び滑剤を一緒に30メッシュの篩を通して篩い、次いでTurbulaブレンダー中で20分間混合した。次いで、粒子内成分を、混合物をスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表5】
【0064】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。実施例3のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図2で挙げる。
【0065】
実施例4
キシリトールを有するSDD
実施例1のSDDを、この実施例で使用した。SDDを、SDD粉末をスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表6】
【0066】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。実施例4のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図2で挙げる。
【0067】
実施例5
粒子内のキシリトール、粒子外の滑剤を有するSDD
実施例1のSDDを、この実施例で使用した。SDDを、キシリトールと、Turbulaブレンダー上32rpmで20分間混合し、次いでこのブレンドをスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料の滑剤(Neusilin)と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表7】
【0068】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。実施例5のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図2で挙げる。
【0069】
実施例6
粒子外のマンニトールの
オスモジェン及びNeusilin(登録商標)滑剤とブレンドした、造粒したSDD
実施例1のSDDを、この実施例で使用した。SDDを、それをスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表8】
【0070】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。実施例6のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図3で挙げる。
【0071】
実施例7
粒子外のスクロースの
オスモジェン及びNeusilin(登録商標)滑剤とブレンドした、造粒したSDD
実施例1のSDDを、この実施例で使用した。SDDを、それをスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表9】
【0072】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。実施例7のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図3で挙げる。
【0073】
対照1
SDDの粒子のみ
実施例1のSDDを、対照として使用した。SDDを、SDDをスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料(Neuslin)と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表10】
【0074】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤204mgを含有させた。対照1を、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図1、
図2、
図3で挙げる。
【0075】
対照2
カプセル中へ直接充填した単独のSDD粉末
実施例1のSDDを使用した。SDDを、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、直接、タンピングせずに充填した。各カプセルに、SDD200mgを含有させた。対照2のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図1に示す。
【0076】
対照3
NaClとブレンドしたSDD粉末
実施例1のSDDを、対照として使用した。SDD粉末を、NaClと、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間ブレンドした。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表11】
【0077】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、軽くタンピングしながら充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。対照3のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図1に示す。
【0078】
対照4
粒造したSDD及びNaCl
オスモジェン
実施例1のSDDを、対照として使用した。SDDを、SDDをスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料のNaClと、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表12】
【0079】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。対照4のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図1に示す。
【0080】
対照5
粒子外のラクトースの
オスモジェン及びNeusilin(登録商標)滑剤とブレンドした、造粒したSDD
実施例1のSDDを対照として使用した。SDDを、それをスラッギングして造粒し、固相率0.66へ圧縮した。次いで、このスラッグを、乳鉢と乳棒とを使用してミリングし、30メッシュの篩を通した。次いで、この粒子を、粒子外材料と、Turbulaブレンダー中32rpmで20分間混合した。カプセル充填材料の組成を下表に挙げる。
【表13】
【0081】
次いで、この製剤を、サイズ00のHPMC(Vcaps(登録商標)Plus)カプセル中に、タンピングせずに充填した。各カプセルに、製剤300mgを含有させた。対照5のカプセルを、実施例1で説明したように溶解試験した。結果を
図1に示す。
【0082】
対照6
実施例1のSDDを、対照として使用した。カプセルに入れていないSDD粉末を、模擬の胃の流体50mL中に懸濁させて予め濡らした。この50mLを、追加の模擬の胃の流体200mLへ加え、実施例1で説明していたように溶解試験を実施した。結果を
図1に示す。
【0083】
接触角度の測定
オスモジェン及び滑剤を有する粒子の試料(即ち実施例1、2B、4、6、7、並びに対照1及び5からの粒子)を8mmのコンパクトに形成し、1滴の0.01HClをこのコンパクトの表面へ加え、30秒以内に写真を撮って製剤との接触角度を求めた。これらの測定の結果を
図4で挙げる。
【0084】
前述の明細書において利用した用語及び表現は、説明のための用語として本明細書で使用したものであり、限定するためではなく、こうした用語及び表現の使用において、示し記載している特徴と同等のもの又はその部分を排除することは意図しておらず、本発明の範囲は、これに続く特許請求の範囲によってのみ定義され限定されることが認められる。