(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796119
(24)【登録日】2020年11月17日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】光学系端面検査具
(51)【国際特許分類】
G01M 11/00 20060101AFI20201119BHJP
G01N 21/84 20060101ALI20201119BHJP
G01N 21/952 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
G01M11/00 G
G01N21/84 D
G01N21/952
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-190125(P2018-190125)
(22)【出願日】2018年10月5日
(65)【公開番号】特開2020-60387(P2020-60387A)
(43)【公開日】2020年4月16日
【審査請求日】2019年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湖東 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】西沖 達也
(72)【発明者】
【氏名】浦松 知史
(72)【発明者】
【氏名】谷口 浩一
(72)【発明者】
【氏名】八若 正義
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 剛二
(72)【発明者】
【氏名】北澤 敏幸
【審査官】
小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−221105(JP,A)
【文献】
特開昭62−285033(JP,A)
【文献】
特開2002−287038(JP,A)
【文献】
特開2002−168729(JP,A)
【文献】
特開2000−304650(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2016/0320565(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0211200(US,A1)
【文献】
特開2007−240264(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00 − G01M 11/08
G01N 21/84 − G01N 21/958
G01B 11/00 − G01B 11/30
G02B 19/00 − G02B 21/00
G02B 21/06 − G02B 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系を、その端面を検査位置に位置付けて保持する光学系保持部と、
前記光学系保持部に保持された前記光学系の端面を観察するための拡大観察鏡と、
前記光学系保持部及び前記拡大観察鏡を、前記光学系保持部に保持された前記光学系の軸方向を含む第1平面内おいて、前記光学系の端面を、その正面及び所定の角度範囲の斜めの任意の方向から前記拡大観察鏡で観察可能なように位置調整するための第1位置調整手段と、
を有し、
前記拡大観察鏡は、前記第1位置調整手段に取り付けられているとともに、前記第1位置調整手段への取付位置が変更可能であり、且つその取付位置の変更により、前記光学系保持部に保持された前記光学系に対して可動とされている光学系端面検査具。
【請求項2】
請求項1に記載された光学系端面検査具において、
前記第1位置調整手段は、第1長孔が形成された第1位置調整部材で構成されており、
前記拡大観察鏡は、前記第1位置調整部材に、前記第1長孔に沿って取付位置が変更可能なように取り付けられている光学系端面検査具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された光学系端面検査具において、
前記光学系保持部及び前記第1位置調整手段が設けられた基材を更に有する光学系端面検査具。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された光学系端面検査具において、
前記第1位置調整手段とは独立して、前記光学系保持部及び前記拡大観察鏡を、前記第1平面と直交する前記光学系の軸方向を含む第2平面内おいて、前記光学系の端面を、その正面及び所定の角度範囲の斜めの任意の方向から前記拡大観察鏡で観察可能なように位置調整するための第2位置調整手段を更に有する光学系端面検査具。
【請求項5】
請求項4に記載された光学系端面検査具において、
前記拡大観察鏡は、前記第2位置調整手段に取り付けられているとともに、前記第2位置調整手段への取付位置が変更可能であり、且つその取付位置の変更により、前記光学系保持部に保持された前記光学系に対して可動とされている光学系端面検査具。
【請求項6】
請求項4又は5に記載された光学系端面検査具において、
前記第2位置調整手段は、第2長孔が形成された第2位置調整部材で構成されており、
前記拡大観察鏡は、前記第2位置調整部材に、前記第2長孔に沿って取付位置が変更可能なように取り付けられている光学系端面検査具。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかに記載された光学系端面検査具において、
前記光学系保持部並びに前記第1及び第2位置調整手段が設けられた基材を更に有する光学系端面検査具。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載された光学系端面検査具において、
前記光学系保持部に保持された前記光学系の端面に対して光を照射する光源を更に有する光学系端面検査具。
【請求項9】
請求項8に記載された光学系端面検査具において、
前記光源が前記光学系保持部に保持された前記光学系に対して可動に設けられている光学系端面検査具。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載された光学系端面検査具において、
前記光学系が光ファイバである光学系端面検査具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系端面検査具に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ光伝送用の光ファイバケーブルでは、適正なレーザ光の出力がなされるように、それを出射する光学系である光ファイバについて、その端面における異物や傷の有無を確認する検査が行われる。そして、そのための光ファイバ端面検査具として、例えば、特許文献1には、光コネクタの端部に露出した光ファイバの端面を、その正面方向から拡大観察鏡で観察して検査するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US2016/0320565A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、光ファイバの端面の異物や傷は、観察方向によっては、それらの確認が困難な場合がある。
【0005】
本発明の課題は、複数の方向から光学系の端面を観察して検査することができる光学系端面検査具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光学系を、その端面を検査位置に位置付けて保持する光学系保持部と、前記光学系保持部に保持された前記光学系の端面を観察するための拡大観察鏡と、前記光学系保持部及び前記拡大観察鏡を、前記光学系保持部に保持された前記光学系の軸方向を含む第1平面内おいて、前記光学系の端面を、その正面及び所定の角度範囲の斜めの任意の方向から前記拡大観察鏡で観察可能なように位置調整するための第1位置調整手段とを有
し、前記拡大観察鏡は、前記第1位置調整手段に取り付けられているとともに、前記第1位置調整手段への取付位置が変更可能であり、且つその取付位置の変更により、前記光学系保持部に保持された前記光学系に対して可動とされている光学系端面検査具である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第1位置調整手段を用いた光学系保持部及び拡大観察鏡の位置調整により、複数の方向から光学系の端面を観察して検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】実施形態1に係る光ファイバ端面検査具の正面観察時の正面図である。
【
図1B】実施形態1に係る光ファイバ端面検査具の鉛直面内の斜め観察時の正面図である。
【
図2】実施形態1に係る光ファイバ端面検査具の正面観察時の平面図である。
【
図3A】実施形態2に係る光ファイバ端面検査具の正面観察時の正面図である。
【
図3B】実施形態2に係る光ファイバ端面検査具の鉛直面内の斜め観察時の正面図である。
【
図4A】実施形態2に係る光ファイバ端面検査具の正面観察時の平面図である。
【
図4B】実施形態2に係る光ファイバ端面検査具の水平面内の斜め観察時の平面図である。
【
図5】実施形態2に係る光ファイバ端面検査具の底面図である。
【
図6】実施形態2に係る光ファイバ端面検査具の変形例の底面図である。
【
図7A】実施形態3に係る光ファイバ端面検査具の正面光照射時の平面図である。
【
図7B】実施形態3に係る光ファイバ端面検査具の斜め光照射時の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(実施形態1)
図1A及びB並びに
図2は、実施形態1に係る光ファイバ端面検査具10(光学系端面検査具)を示す。
【0011】
実施形態1に係る光ファイバ端面検査具10は、直方体形状の基材11を有する。また、実施形態1に係る光ファイバ端面検査具10は、その基材11の長さ方向の一方側に設けられた光ファイバ保持部12(光学系保持部)と、他方側に設けられた光ファイバ観察部13とを有する。
【0012】
光ファイバ保持部12は、長方形の厚肉板状に形成されており、その一方側の面が基材11の一方側の側面と面一状になるように、基材11上に立設されている。光ファイバ保持部12には、光ファイバ保持孔12aが形成されている。光ファイバ保持部12は、この光ファイバ保持孔12aに光ファイバ20(光学系)を外嵌め保持し、その端面を検査位置に位置付けるように構成されている。なお、光ファイバ保持部12は、保持した光ファイバ20の軸位置を上下方向及び左右方向に調整する例えば十字動ホルダ等の軸位置調整手段を有していてもよい。
【0013】
光ファイバ観察部13は、拡大観察鏡14と、観察位置調整ユニット15とを有する。
【0014】
拡大観察鏡14は、一端に接眼レンズ14a及び他端に対物レンズ14bがそれぞれ設けられた鏡筒光学系で構成されており、これにより光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の端面を観察する。
【0015】
観察位置調整ユニット15は、ユニットベース部材151と、一対の縦方向位置調整部材152と、観察鏡取付アダプタ153とで構成されている。
【0016】
ユニットベース部材151は、長方形の厚肉板状に形成されており、その一方側の面が基材11の他方側の側面に当接するように設けられている。
【0017】
一対の縦方向位置調整部材152は、それぞれが直線状部分152aとそれに連続する弓形状部分152bを含む薄肉板状に形成されており、それらの直線状部分152aがユニットベース部材151の両側面の上部にそれぞれ一体に設けられるとともに、それに連続する弓形状部分152bがユニットベース部材151よりも上方に延びて光ファイバ保持部12が設けられた一方側に湾曲するように設けられている。各縦方向位置調整部材152の弓形状部分152bには、その形状に沿った弓形に延びる長孔152cが形成されている。
【0018】
観察鏡取付アダプタ153は、環状に形成されているとともに、拡大観察鏡14が内嵌めされて取り付けられている。一対の縦方向位置調整部材152の間には、この観察鏡取付アダプタ153が取り付けられた拡大観察鏡14が、接眼レンズ14aが他方側及び対物レンズ14bが一方側となるように設けられている。拡大観察鏡14は、一対の縦方向位置調整部材152の長孔152cを通して両側からねじ16が観察鏡取付アダプタ153に締められて一対の縦方向位置調整部材152に取り付けられている。
【0019】
ここで、この取り付け位置は、長孔152cのねじ16の締結位置により変更可能である。これにより、拡大観察鏡14は、観察位置を光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の端面に維持しつつ、つまり、観察焦点位置を変更せず、その光ファイバ20の端面に対する縦の観察方向を、
図1A及びBに示すように、正面及び所定の角度範囲(0<θ≦θ
MAX)の斜めの任意の方向に設定することができるように構成されている。この角度範囲の上限角度θ
MAXは、好ましくは45°以上90°以下である。
【0020】
したがって、これらの一対の縦方向位置調整部材152は、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の軸方向を含む鉛直面(第1平面)内おいて、光ファイバ20の端面を、その正面及び所定の角度範囲の斜めの任意の方向から拡大観察鏡14で観察可能なように、光ファイバ保持部12及び拡大観察鏡14を位置調整するための第1位置調整手段を構成する。
【0021】
以上のように、実施形態1に係る光ファイバ端面検査具10によれば、第1位置調整手段を構成する一対の縦方向位置調整部材152を有するので、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20に対して拡大観察鏡14が可動に設けられ、それらの一対の縦方向位置調整部材152を用いた光ファイバ保持部12及び拡大観察鏡14の位置調整により、複数の方向から光ファイバ20の端面を観察して異物や傷の有無等を検査することができる。また、これにより、光ファイバ20の端面がファイバ軸に対して傾斜した傾斜面に構成されている場合や曲面に構成されている場合でも、各部を同等の条件で観察することにより検査を行うことができる。
【0022】
実施形態1に係る光ファイバ端面検査具10は、基材11における光ファイバ保持部12と光ファイバ観察部13との間に設けられた光源18を有する。この光源18は、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の端面に対し、斜め下方から光を照射するように構成されている。したがって、実施形態1に係る光ファイバ端面検査具10によれば、このように、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の端面に対して光を照射する光源18が設けられているので、暗い環境下でも光ファイバ20の端面の観察検査を行うことができ、また、その反射光による多様な検査観察を行うことができる。なお、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の他端側から、この光源18又は図示しない他の光源からの光を入力できるように構成すれば、拡大観察鏡14でその透過光を観察することができ、それによって光ファイバ20による光の導光状態を検査することができる。なお、光源18は、複数個が設けられていてもよい。また、光源18から出力される光の波長や光線形状(平行光、拡散光等)は、検査内容に応じて適宜選択される。
【0023】
(実施形態2)
図3A及びB、
図4A及びB、並びに
図5は、実施形態2に係る光ファイバ端面検査具10(光学系端面検査具)を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は、実施形態1と同一符号で示す。
【0024】
実施形態2に係る光ファイバ端面検査具10では、基材11は、概略直方体形状であって、その長さ方向の一方側の側面が平坦面及び他方側の側面が、平面視が円弧状の曲面にそれぞれ形成されている。また、観察位置調整ユニット15は、ユニットベース部材151と、一対の縦方向位置調整部材152と、観察鏡取付アダプタ153と、横方向位置調整部材154とで構成されている。
【0025】
ユニットベース部材151、縦方向位置調整部材152、及び観察鏡取付アダプタ153は、実施形態1と同一構成を有する。したがって、一対の縦方向位置調整部材152は、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の軸方向を含む鉛直面(第1平面)内おいて、光ファイバ20の端面を、その正面及び所定の角度範囲の斜めの任意の方向から拡大観察鏡14で観察可能なように、光ファイバ保持部12及び拡大観察鏡14を位置調整するための第1位置調整手段を構成する。そして、これにより、拡大観察鏡14は、観察位置を光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の端面に維持しつつ、つまり、観察焦点位置を変更せず、その光ファイバ20の端面に対する縦の観察方向を、
図3A及びBに示すように、正面及び所定の角度範囲(0<θ≦θ
MAX)の斜めの任意の方向に設定することができるように構成されている。この角度範囲の上限角度θ
MAXは、好ましくは45°以上90°以下である。
【0026】
横方向位置調整部材154は、長方形状部分154aとその一方の長辺の一方側を基端とした弓形状部分154bを含む薄肉板状に形成されており、その長方形状部分154aの他方側の部分が基材11の底部に固設されているとともに、基材11の底から他方側に突出した弓形状部分154bが一方の側方に延びて光ファイバ保持部12が設けられた一方側に湾曲するように設けられている。横方向位置調整部材154の弓形状部分154bには、その形状に沿った弓形に延びる長孔154cが形成されている。横方向位置調整部材154上にはユニットベース部材151が設けられており、ユニットベース部材151は、その長孔154cを通してねじ17が締められて横方向位置調整部材154に取り付けられている。
【0027】
ここで、この取り付け位置は、長孔154cのねじ17の締結位置により変更可能であり、それに伴ってユニットベース部材151が横方向に基材11の一方側の曲面の側面に当接しながら変位する。これにより、ユニットベース部材151に一体に設けられた一対の縦方向位置調整部材152に取り付けられた拡大観察鏡14は、観察位置を光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の端面に維持しつつ、つまり、観察焦点位置を変更せず、その光ファイバ20の端面に対する横の観察方向を、
図4A及びBに示すように、正面及び所定の角度範囲(0<Θ≦Θ
MAX)での斜めの任意の方向に設定することができるように構成されている。この角度範囲の上限角度Θ
MAXは、好ましくは45°以上90°以下である。このように、横方向位置調整部材154によって、拡大観察鏡14の横の観察方向の設定を、縦の観察方向の設定とは独立して行うことができる。
【0028】
したがって、横方向位置調整部材154は、第1位置調整手段を構成する一対の縦方向位置調整部材152とは独立して、鉛直面(第1平面)と直交する光ファイバ20の軸方向を含む水平面(第2平面)内おいて、光ファイバ20の端面を、その正面及び所定の角度範囲の斜めの任意の方向から拡大観察鏡14で観察可能なように、光ファイバ保持部12及び拡大観察鏡14を位置調整するための第2位置調整手段を構成する。
【0029】
なお、横方向位置調整部材154は、
図5に示す構成のように、長方形状部分154aの両方のそれぞれの長辺の一方側を基端とした弓形状部分154bを含んでいてもよい。この場合、横の観察方向を広い範囲において設定することができる。但し、
図5に示す構成でも、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20を軸回転させることにより、同様の効果を得ることができる。また、コンパクト化の観点からは、
図5に示す構成の方が好ましい。
【0030】
以上のように、実施形態2に係る光ファイバ端面検査具10によれば、第1及び第2位置調整手段を構成する一対の縦方向位置調整部材152及び横方向位置調整部材154を有するので、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20に対して拡大観察鏡14が可動に設けられ、それらの一対の縦方向位置調整部材152及び横方向位置調整部材154を用いた光ファイバ保持部12及び拡大観察鏡14の位置調整により、二軸的に複数の方向から光ファイバ20の端面を観察して異物の有無等を検査することができる。また、これにより、光ファイバ20の端面がファイバ軸に対して傾斜した傾斜面に構成されている場合や曲面に構成されている場合でも、各部を同等の条件で観察することにより検査を行うことができる。その他の構成及び作用効果は実施形態1と同一である。
【0031】
(実施形態3)
図7A及びBは、実施形態3に係る光ファイバ端面検査具10を示す。なお、実施形態1及び2と同一名称の部分は、実施形態1及び2と同一符号で示す。
【0032】
実施形態3に係る光ファイバ端面検査具10では、基材11上に取り付けられた光源案内部材19に光源18が可動に設けられている。
【0033】
具体的には、光源案内部材19は、直線状部分19aとそれに連続する弓形状部分19bを含む薄肉板状に形成されており、その直線状部分19aが基材11の上面に幅方向に延びるように設けられるとともに、それに連続する弓形状部分19bが一方の側方に延びて光ファイバ保持部12が設けられた一方側に湾曲するように設けられている。光源案内部材19の弓形状部分19bには、その形状に沿った弓形に延びる長孔19cが形成されている。そして、光源18は、光源案内部材19に、その長孔19cに沿って可動となるように取り付けられている。これにより、光源18は、
図7A及びBに示すように、正面及び所定の角度範囲の斜めの任意の方向の斜め下方から、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20の端面に対して光を照射することができる。
【0034】
以上の構成の実施形態3に係る光ファイバ端面検査具10によれば、照明の照射方向を変更することによるより多様な検査観察を行うことができる。その他の構成及び作用効果は実施形態2と同一である。
【0035】
(その他の実施形態)
上記実施形態1〜3では、光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20に対して拡大観察鏡14が可動である構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、拡大観察鏡14に対して光ファイバ保持部12に保持された光ファイバ20が可動である構成であってもよい。
【0036】
上記実施形態1〜3では、光学系を光ファイバ20としたが、特にこれに限定されるものではなく、光ファイバ20の先端に取り付けられる石英チップやレンズ等の他の光学系であってもよい。
【0037】
上記実施形態1〜3では、光ファイバ保持部12に光ファイバ20を保持する構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、光ファイバ20の端部を含む光ファイバケーブルや光コネクタを保持して光ファイバ20の端面を検査位置に位置付ける構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、光学系端面検査具の技術分野について有用である。
【符号の説明】
【0039】
10 光ファイバ端面検査具(光学系端面検査具)
11 基材
12 光ファイバ保持部(光学系保持部)
12a 光ファイバ保持孔
13 光ファイバ観察部
14 拡大観察鏡
14a 接眼レンズ
14b 対物レンズ
15 観察位置調整ユニット
151 ユニットベース部材
152 縦方向位置調整部材(縦方向位置調整手段)
152a 直線状部分
152b 弓形状部分
152c 長孔
153 観察鏡取付アダプタ
154 横方向位置調整部材(横方向位置調整手段)
154a 長方形状部分
154b 弓形状部分
154c 長孔
16,17 ねじ
18 光源
19 光源案内部材
19a 直線状部分
19b 弓形状部分
19c 長孔
20 光ファイバ(光学系)