特許第6796199号(P6796199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6796199内視鏡ヘッドと、内視鏡ヘッドに取付可能なアルバランレバーとを有する内視鏡
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796199
(24)【登録日】2020年11月17日
(45)【発行日】2020年12月2日
(54)【発明の名称】内視鏡ヘッドと、内視鏡ヘッドに取付可能なアルバランレバーとを有する内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20201119BHJP
   A61B 1/273 20060101ALI20201119BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20201119BHJP
【FI】
   A61B1/018 514
   A61B1/273
   A61B1/00 715
   A61B1/00 650
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-519299(P2019-519299)
(86)(22)【出願日】2018年1月17日
(65)【公表番号】特表2019-531143(P2019-531143A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(86)【国際出願番号】IB2018000019
(87)【国際公開番号】WO2018134670
(87)【国際公開日】20180726
【審査請求日】2019年4月9日
(31)【優先権主張番号】102017100868.3
(32)【優先日】2017年1月18日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ,アン,ミン
【審査官】 増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−174822(JP,A)
【文献】 特開平06−315461(JP,A)
【文献】 特開平09−253036(JP,A)
【文献】 特開平11−004804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00−1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡ヘッドと、前記内視鏡ヘッドに取付可能なアルバランレバーとを有する内視鏡において、
前記アルバランレバーは
内視鏡の作業通路を通して挿通可能な器具が接触することができる器具案内面と
前記内視鏡の近位の側から操作可能な前記内視鏡の前記内視鏡ヘッドの力伝達区域に係止するための係止装置と
を有しており、
前記力伝達区域は前記アルバランレバーを旋回させるための力を前記アルバランレバーへ伝達し、
前記係止装置は前記アルバランレバーの近位の側で、前記内視鏡ヘッドの前記力伝達区域のシャフト区域の反対形状に相当する幾何学形状を有しており、
前記シャフト区域に前記アルバランレバーを外嵌可能であり、
前記係止装置の係止手段が前記内視鏡ヘッドの前記力伝達区域の前記シャフト区域からの前記アルバランレバーの脱落を防止することができ、
前記係止手段は、前記器具案内面と反対を向くほうの前記アルバランレバーの側に、前記係止手段を操作するための操作装置を有している、
内視鏡。
【請求項2】
前記係止手段は前記器具案内面と反対を向くほうの前記アルバランレバーの側に設けられている、請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記係止手段は、前記アルバランレバーに設けられる、前記アルバランレバーに対して相対的に可動の係止レバーとして構成される、請求項1または2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記アルバランレバーは前記器具案内面と反対を向くほうの前記アルバランレバーの側に回転シャフトを有しており、前記係止レバーは前記アルバランレバーに対して相対的に回転シャフトで回転可能である、請求項に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記係止手段は、前記アルバランレバーに設けられる、前記アルバランレバーに対してスライド可能なスライダとして構成される、請求項1または2に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記アルバランレバーはプラスチックで製作される、請求項1からのいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記内視鏡ヘッドの前記力伝達区域のシャフト区域と、前記アルバランレバーの前記係止装置とが結合し、これらによって前記アルバランレバーを旋回させるための力を前記内視鏡ヘッドから前記アルバランレバーへと伝達可能である、請求項に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記アルバランレバーの前記係止装置の幾何学形状は前記内視鏡ヘッドの前記力伝達区域の前記シャフト区域の幾何学形状に対する反対形状を形成する、請求項に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記内視鏡は前記内視鏡ヘッドの外側円周に遠位の側から装着可能なキャップを有しており、
前記キャップは前記アルバランレバーを操作するための牽引ワイヤとは別個である、請求項1からのいずれか1項に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記内視鏡は十二指腸内視鏡である、請求項1からのいずれか1項に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡ヘッドと、内視鏡ヘッドに取付可能なアルバランレバーとを有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなアルバランレバーは、内視鏡において、たとえば食道あるいは十二指腸、胆管、胆のう、膵管、膵臓などを検査するために利用することができる。
このような内視鏡は光学系(照明装置とカメラ)を有する。さらに内視鏡は作業通路の出口のところに、作業通路に差し込まれる器具の的確な方向転換を旋回によって可能にするアルバランレバーを有する。
【0003】
内視鏡の用途に応じて、内視鏡は前処理が施される。このような前処理はバクテリア、ウイルス、真菌類、虫、あるいはカビなどあらゆる細菌や微生物の伝播を確実に排除しなければならない。前処理の際には、有機物質や化学品の残滓を残留物なしに取り除くために、まず内視鏡が手作業で洗浄される。洗浄後、機械式の殺菌または滅菌が行われる。このようにして、内視鏡の使用時に内視鏡が接触した細菌や微生物などが、次回の使用時に患者へ伝播するのを回避することが意図される。
【0004】
たとえば特許文献1は、アルバランレバーを有する内視鏡を開示している。厳密に言うとこの内視鏡は、内視鏡から取外し可能な支持体を有していて、これにアルバランレバーが、支持体で支持される軸に旋回可能に配置されている。アルバランレバーの旋回は、アルバランレバーに定着されて内視鏡に挿通される牽引ワイヤを介して惹起される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許第19627016C1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、内視鏡が接触した細菌が次回の使用時に患者へ伝播することがいっそう良好に回避される内視鏡を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1の構成要件を有する内視鏡によって解決される。好ましい発展例は従属請求項の対象である。
【0008】
本発明による内視鏡では、内視鏡ヘッドに取付可能なアルバランレバーは、内視鏡の作業通路を通して挿通可能な器具が接触することができる器具案内面と、内視鏡の近位の側から操作可能な内視鏡の内視鏡ヘッドの力伝達区域に形状接合式に係止するための係止装置とを有しており、力伝達区域はアルバランレバーを旋回させるための力をアルバランレバーへと伝達する。
【0009】
このようなアルバランレバーは内視鏡と容易に係止し、再び外すことができる。このように、アルバランレバーを使い捨て物品として構想することができる。このようなアルバランレバーは1回の使用後に処分して、未使用のアルバランレバーと取り替えることができる。それにより、内視鏡が次回の患者で使用されるときに、アルバランレバーが細菌を伝播させ得ないことを保証することができる。使用済みのアルバランレバーは、当然ながら、洗浄と滅菌に回すこともできる。
【0010】
係止装置はアルバランレバーの近位の側で、内視鏡ヘッドの力伝達区域のシャフト区域の反対形状に相当する幾何学形状を有することができる。このシャフト区域にアルバランレバーを外嵌可能である。係止装置の係止手段が、内視鏡ヘッドの力伝達区域のシャフト区域からのアルバランレバーの脱落を防止することができる。このように、アルバランレバーを非常に簡素な構造で内視鏡に係止し、再び外すことができる。形状に基づく係止は、内視鏡からのアルバランレバーの誤った脱落に対する十分な確実性を、係止された状態に付与する。
【0011】
係止手段は、器具案内面と反対を向くほうのアルバランレバーの側に設けられていてよい。このようにして、アルバランレバーの係止の際に関与する各部材が、作業通路と器具案内面との間に挿通される器具の妨げになることがない。
【0012】
係止手段は、アルバランレバーに設けられる、アルバランレバーに対して相対的に可動の係止レバーとして構成されていてよい。係止レバーはアルバランレバーに対して回転可能であってよい。アルバランレバーは、器具案内面と反対を向くほうのアルバランレバーの側に回転シャフトを有することができ、係止レバーはアルバランレバーに対して相対的に回転シャフトで回転可能である。
【0013】
別案として係止手段は、アルバランレバーに設けられる、アルバランレバーに対してスライド可能なスライダとして構成されていてよい。スライダはアルバランレバーに対してスライド可能であってよい。
【0014】
係止手段は、器具案内面と反対を向くほうのアルバランレバーの側に、係止手段を操作するための操作装置を有することができる。このように係止手段も、作業通路と器具案内面の間に挿通される器具にとって妨げとならないように、アルバランレバーに配置される。このような操作装置は、係止レバーまたはスライダで適用可能である。
【0015】
アルバランレバーはプラスチックで製作されていてよい。このようにしてアルバランレバーが低コストになり、したがって使い捨て部品として良く適している。
【0016】
本発明による内視鏡に、内視鏡ヘッドの力伝達区域のシャフト区域と、アルバランレバーの係止装置とを形状接合式に結合することができ、これらによって、アルバランレバーを旋回させるための力を内視鏡ヘッドからアルバランレバーへと伝達可能である。
【0017】
アルバランレバーの係止装置の幾何学形状は、内視鏡ヘッドの力伝達区域のシャフト区域の幾何学形状に対する反対形状を形成することができる。
【0018】
内視鏡は、内視鏡ヘッドの外側円周に遠位の側から装着可能なキャップを有することができる。このようにして、内視鏡ヘッドの遠位区域とアルバランレバーとがキャップによって保護される。このキャップはアルバランレバーを操作するための牽引ワイヤとは別個である。そして遠位の側から内視鏡ヘッドに外嵌されるキャップに、アルバランレバーがキャップに対して相対的に旋回可能に配置される。キャップは開口部を有していて、これを通してマイクロ器具を押し込むことができる。キャップは内視鏡ヘッドの遠位の側に組付け可能である。
【0019】
内視鏡は十二指腸内視鏡であってよい。
上に説明した本発明の各態様を適切に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例のアルバランレバーを有する内視鏡ヘッドを示す模式的な斜視図である。
図2図1の内視鏡ヘッドを示す模式的な斜視図であり、アルバランレバーは外されている。
図3図1のアルバランレバーを有する内視鏡ヘッドを示す模式的な斜視図であり、図面の見やすさの都合上、内視鏡ヘッドのハウジングは省略されている。
図4図3に類似する模式的な斜視図であり、アルバランレバーは外されている。
図5】アルバランレバーが組み付けられた内視鏡ヘッドを示す模式的な側面図である。
図6】アルバランレバーが組み付けられていない内視鏡ヘッドを示す模式的な側面図である。
図7】係止レバーが係止された状態にある実施例のアルバランレバーを示す模式的な側面図である。
図8】係止レバーが係止されていない状態にある実施例のアルバランレバーを示す模式的な側面図である。
図9】係止レバーが係止された状態にある実施例のアルバランレバーを示す模式的な斜視図である。
図10】係止レバーが係止されていない状態にある実施例のアルバランレバーを示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、図面を参照しながら実施例を用いて本発明を詳しく説明する。
【0022】
実施例1
以下において、図1図10を参照しながら、本発明の第1の実施例について説明する。
まず、図1図6を参照しながら、本発明による内視鏡ヘッド1について説明する。
【0023】
本発明による内視鏡ヘッド1は円筒状の躯体として構成されるとともに、内視鏡ヘッド1の長手方向に沿って互いに平行にそれぞれ延びる作業通路12とワイヤ牽引通路13を有している。ワイヤ牽引通路13は、アルバランレバー2を操作するための牽引ワイヤ3を挿通する。作業通路12は、たとえば食道あるいは十二指腸、胆管、胆のう、膵管、膵臓などを検査するためのマイクロ器具を挿通する。
【0024】
内視鏡ヘッド1は遠位の側に光学系延伸部1Aを有していて、これにカメラ17と照明装置18が周知の仕方で設けられており、この光学系延伸部は図1では斜視図の後側に示されている。
【0025】
作業通路12は遠位端から間隔をおく内視鏡ヘッド1の区域で終わっており、そこで作業通路の遠位の出口開口部を形成する。
【0026】
作業通路12の遠位の出口の遠位側に、内視鏡ヘッド1に対して相対的に旋回することができるアルバランレバー2が配置される。このように作業通路12は、遠位の方向でアルバランレバー2に向かって延びている。
【0027】
内視鏡ヘッド1は遠位の側に、図1では斜視図の前側に示された、アルバランレバー支持延伸部1Bを有している。アルバランレバー支持延伸部1Bには旋回シャフト10が、光学系延伸部1Aとアルバランレバー支持延伸部1Bの間の内部空間へと突き出すように支承されている。旋回シャフト10は、回転運動力をアルバランレバー2に印加する力伝達区域を形成する。旋回シャフト10はいわばアルバランレバー2の回転シャフトである。
【0028】
より厳密に言えば、アルバランレバー2のための回転運動力は牽引ワイヤ3によって印加され、そのワイヤ牽引ニップルがレバー部材9の一方の端部に連結されている。レバー部材9の他方の端部は、アルバランレバー支持延伸部1Bに支承された旋回シャフト10の端部と一体的に結合されている。これと反対側の旋回シャフト10の端部は、アルバランレバー支持延伸部1Bから光学系延伸部1Aに向かって突き出すシャフト区域11を形成する。
【0029】
アルバランレバー2は、光学系延伸部1Aとアルバランレバー支持延伸部1Bの間の内部空間に突入する、旋回シャフト10のこのシャフト区域11に装着される。シャフト区域11は、作業通路12の遠位の出口開口部に向かい合うように位置決めされる。
【0030】
このように旋回シャフト10は、アルバランレバー支持延伸部1Bの内部に配置される端部を有している。シャフト区域11と反対を向くほうの旋回シャフト10の端部では、レバー部材9を介して牽引ワイヤ3が作用する。換言すると、牽引ワイヤ3の遠位端は、シャフト区域11と反対を向くほうの旋回シャフト10の端部と作用接続されている。したがって、近位の方向に行われる牽引ワイヤ3の牽引が旋回シャフト10の回転を惹起する。
【0031】
シャフト区域11と反対を向くほうの旋回シャフト10の端部は、周囲に対して密閉されている。牽引ワイヤ3はワイヤ牽引通路の中に配置されている。ワイヤ牽引通路も同じく周囲に対して密閉されている。このように牽引ワイヤ3は、内視鏡ヘッド1の周囲と接触をしない。牽引ワイヤ3の遠位端、レバー部材9、およびシャフト区域11と反対を向くほうの旋回シャフト10の端部が中に配置される密閉された空間が、アルバランレバー支持延伸部1Bに設けられている。この密閉された空間は、近位の側に向かってワイヤ牽引通路を介して開いているにすぎない。
【0032】
旋回シャフト10のシャフト区域11は、旋回シャフト10の長手方向に底面としての四角形を有するまっすぐな角柱の形状を有している。たとえばシャフト区域11の形状として三角や四角を選択することができる。本実施例では、シャフト区域11は四角形で構成されている。図3および図6を参照。
【0033】
以下において、図7図10を参照しながらアルバランレバー2について説明する。
アルバランレバー2は近位の側に、シャフト区域11の形状に対して反対形状を形成する嵌込み形状部21を有している。嵌込み形状部21は、旋回シャフト10の回転をアルバランレバー2に伝達することができなければならない。本実施例では、嵌込み形状部21は四角形で構成されており、その様子は図5および図7図10に示されている。
【0034】
アルバランレバー2は、嵌込み形状部21が近位の方向に向くように内視鏡ヘッド1に組み付けられる。嵌込み形状部21は、アルバランレバー2がシャフト区域11に外嵌されたとき、シャフト区域11の円周面を3つの側から、すなわちほぼ上から、遠位の側から、および下から包囲する。
【0035】
アルバランレバー2は器具案内面20を有していて、内視鏡の作業通路を通して挿通可能な器具がこれに接触することができる。本実施例では、器具案内面20はアルバランレバー2に沿って斜めに延びており、すなわち図7図10ではアルバランレバー2の近位の側を向くとともに、上方を向く側を向いている。
【0036】
嵌込み形状部21では、係止レバー22の係止ラグまたはロックラグ24が作用する。
係止レバー22は本発明の係止手段を形成し、嵌込み形状部21とともに本発明の係止装置を形成する。
【0037】
係止レバー22は、回転シャフト23を介してアルバランレバー2と結合されている。係止レバー22は、回転シャフト23によってアルバランレバー2に対して相対的に旋回することができる。
【0038】
係止レバー22と回転シャフト23はいずれも器具案内面20と反対を向くほうのアルバランレバー2の側(すなわち図2ではアルバランレバー2の下側)に設けられている。係止レバー22の遠位端は操作装置25を形成する。係止レバー22の遠位端がアルバランレバー2に向かって押圧されると、係止レバー22が旋回し、それにより係止ラグ24が嵌込み形状部21から離れるように動く。係止レバー22の遠位端がアルバランレバー2から離れるように動くと、係止レバー22が旋回し、それにより係止ラグ24が嵌込み形状部21に近づくように動く。後者のケースでは、嵌込み形状部21の近位の側が係止ラグ24によって閉じられる。図7を参照。回転シャフト23の遠位の領域には、係止レバー22の遠位の区域にアルバランレバー2から離れるように初期応力をかける、たとえばばね(板ばねまたはコイルばね)のような図示しない押除け装置が配置されるのが好ましい。換言すると、係止ラグ24を閉じる初期応力が係止レバー22に対して印加される。このように、係止レバー22が操作されていないとき、嵌込み形状部21が係止ラグ24によって閉じられる。すなわち図7は、操作されていない状態を示している。
【0039】
このように、アルバランレバー2がシャフト区域11に外嵌されているとき、係止ラグ24の遠位の面がシャフト区域11の円周面の近位の面に当接する。
シャフト区域11へ外嵌された位置で、係止レバー22の係止ラグ24が嵌込み形状部21で閉止または係止をしているとき、シャフト区域11の円周面は係止ラグ24と嵌込み形状部21によって取り囲まれる。係止ラグ24の遠位の面は、アルバランレバー2が遠位の方向で内視鏡ヘッド1から引き出され得るのを防止する。
【0040】
アルバランレバー2の各構成要素はプラスチックで製作される。アルバランレバー2はプラスチックからたとえば3Dプリンタまたは射出成形によって製作することができる。3Dプリンタまたは射出成形による製作によってアルバランレバーを正確に、ただしそれでもなお少ないコストで製作することができる。これ以外の好適な製造方法も、それが正確で低コストな生産を可能にする限りにおいて適用することができる。
【0041】
発明の機能
本発明によるアルバランレバー2が内視鏡ヘッド1の旋回シャフト10のシャフト区域11に装着されるとき、アルバランレバー2は、アルバランレバー2の嵌込み形状部21が近位の方向に向くように、光学系延伸部1Aとアルバランレバー支持延伸部1Bの間の内部空間へ挿入される。係止レバー22を操作区域25の押圧によって開き(図6および図8を参照)、それに伴い、アルバランレバー2の嵌込み形状部21を旋回シャフト10のシャフト区域11に外嵌することができる。次いで係止レバー22が閉じられ、このとき係止ラグ24がシャフト区域11の近位の側で(図5ではシャフト区域11の左側下方で)、シャフト区域11の前へと変位する。このようにして、アルバランレバー2が旋回シャフト10のシャフト区域11に係止される。
【0042】
アルバランレバー2が上に述べたようにして内視鏡ヘッド1に配置されたとき、図示しないキャップを内視鏡ヘッド1の遠位の外側円周に据え付けることができる。このキャップは患者での内視鏡ヘッド1の挿入を容易にする。キャップは図1の上方を向く側に、すなわちアルバランレバー2によってマイクロ器具が押し入れられる、カメラ17と照明装置18が向いている側に、開口部を有している。
【0043】
内視鏡の使用後、アルバランレバー2とキャップが取り外される。このとき操作区域25を押すことで、係止ラグ24がシャフト区域11の近位の側から離れるように変位する。このようにしてアルバランレバー2を、旋回シャフト10のシャフト区域11から遠位の方向に引き出すことができる。アルバランレバー2とキャップを処分することができる。内視鏡ヘッド1を備える内視鏡だけが洗浄と滅菌に回される。
【0044】
発明の作用
アルバランレバー2は、内視鏡の操作者がアクセスすることができる、滅菌包装された別個のモジュールとして意図することができる。
【0045】
アルバランレバー2は内視鏡ヘッド1に容易に組付け可能かつ取外し可能である。係止レバー22と嵌込み形状部21からなる係止装置は、旋回シャフト10のシャフト区域11と形状接合式に結合し、これによって、アルバランレバー2を旋回させるための力を内視鏡ヘッド1からアルバランレバー2へと確実に伝達可能である。それにより、牽引ワイヤ3から空間的に切り離された、簡素かつ低コストなアルバランレバーが創出される。アルバランレバーはその幾何学的構造に基づいて数多くのアンダーカットを提供し、使用時にこれらに細菌などが付着する可能性があり、集中的な洗浄と滅菌をしてもこれがアルバランレバーに残るかもしれない。しかし、アルバランレバー2を1回の使用後に処分することができる。このようにして本発明によるアルバランレバー2は、次回の使用時における次回の患者への、内視鏡の使用時に内視鏡が接触した細菌などの伝播が回避される手段を形成する。
【0046】
アルバランレバー2は、相応のシャフト区域11を有する従来の内視鏡で適用することができる。
【0047】
ワイヤ牽引通路はアルバランレバー2から分離されている。さらにワイヤ牽引通路は、キャップから分離されている。このようにワイヤ牽引通路は、汚染に暴露されるアンダーカット、エッジなどを含む比較的複雑なジオメトリを有する部材から分離されている。内視鏡ヘッドの中でワイヤ牽引通路が密閉されており、牽引ワイヤは周囲に対して完全に密閉される。ワイヤ牽引通路と牽引ワイヤの密閉は水密である。このようにして、細菌がワイヤ牽引通路に侵入し得ることや、牽引ワイヤと接触し得ることが回避される。
【0048】
実施例2
第1の実施例では、係止レバー22が本発明の係止手段を形成する。この第2の実施例(図面には示さず)では、スライダが本発明の係止手段を形成する。
【0049】
嵌込み形状部21は、アルバランレバー2がシャフト区域11に外嵌されたとき、シャフト区域11の円周面が3つの側で、すなわち近位の側から、上から、および遠位の側から包囲されるように構成される。
【0050】
係止レバー22に代えてスライダが、器具案内面20に対して反対を向くアルバランレバーの側に設けられる。スライダは嵌込み形状部21の下側を閉止するために、近位の方向へと変位することができる。スライダは嵌込み形状部21の下側を開放するために、遠位の方向へと変位することができる。
第2の実施例のアルバランレバーも使用後に処分することができ、第1の実施例と同じ効果と利点をもたらす。
【0051】
代替案
実施例1で言及したキャップは省略することができる。
1つの代替案では、第1の実施例の係止レバー22は係止ラグ24に代えて、シャフト区域11にある貫通孔または止まり穴へ挿入することができる円筒ピンの形態を有することができる。この代替案では、内視鏡ヘッドの力伝達区域10のシャフト区域11と、アルバランレバー2の係止装置との間の形状接合式の結合は、係止レバー22の近位の側の円筒ピンと、円筒ピンの形状に合わせて適合化されたシャフト区域11の穴とによって構成される。この代替案では、シャフト区域11そのものが断面で見て円形(円筒形)を有することさえできる。
【0052】
本発明は十二指腸内視鏡で適用可能である。本発明の原理は超音波内視鏡でも、およびその他のどのような内視鏡でも適用することができる。
各実施例では、作業通路の端部にアルバランレバーを有する1つの作業通路が示されている。本発明は、それぞれの作業通路の端部にそれぞれ1つのアルバランレバーを有する複数の作業通路を有する内視鏡でも適用することができる。
説明した代替案を組み合わせることができ、いずれの実施例でも適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 内視鏡ヘッド
1A 光学系延伸部
1B アルバランレバー支持延伸部
2 アルバランレバー
3 牽引ワイヤ
9 レバー部材
10 内視鏡ヘッドの力伝達区域
11 シャフト区域
13 ワイヤ牽引通路
17 カメラ
18 照明装置
20 器具案内面
21 嵌込み形状部
22 係止レバー
23 回転シャフト
24 係止ラグ
25 操作装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10