(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2の計量米びつでは、計量升を安定して回転させることができず操作性が良好でないという問題がある。
【0012】
具体的には、この計量米びつでは、上記のように、操作部材が、計量升において本体部から前方に離れて位置する部分(カム円板)と係合している。そのため、計量升の前側部分に大きな力が付与されて後側部分には十分な力が付与されない。すなわち、操作部材に加えられた力が、計量升に、その回転軸方向について均等に付与されない。従って、計量升が傾き、計量升の軸部の中心軸と計量升の適正な回転軸(計量升を支持する機構により規定される回転軸)とがずれてしまい、計量升が安定して回転しにくくなる。
【0013】
本発明の目的は、容易に分解でき且つ米をより適切に計量しながら操作性をより高めることのできる計量米びつを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、計量米びつであって、米を貯留するための貯留室と貯留室内の米の落下を許容する落下口とを有する貯留体と、上記落下口から落下した米を下方に投下するための投下口を有する筐体と、上記落下口から落下した米を計量して上記投下口に導出可能な計量部材と、上記計量部材を操作する操作部材であって、操作をする者による操作力を受けたときに上下方向に変位する操作力伝達部を有する操作部材とを備え、上記計量部材は、上記落下口から落下した米が導入される導入口が形成された筒状の周壁と、当該周壁との間で一定量の米を収容するための収容室を定義する一対の側壁と、上記側壁のそれぞれに設けられて上記周壁の軸方向に沿って当該周壁から離間する方向に延びる一対の軸部と、上記操作力伝達部と着脱可能に係合する被操作部材とを備え、上記筐体は、上記導入口が上記落下口と対向する導入位置と上記導入口が上記投下口と対向する導出位置との間で上記周壁の軸回りに回転可能で、かつ、上記計量部材が上記筐体に対して着脱可能な状態で上記計量部材の軸部を支持し、上記被操作部材は、上記計量部材の周壁にこれと一体に回転可能に設けられるとともに、上記操作力伝達部の上下方向の変位に伴って上記計量部材が上記周壁の軸回りに回転するように当該操作力伝達部に係合されて
おり、上記被操作部材は、上記計量部材の周壁からそれぞれ当該周壁の径方向外側に延びるとともに、上記周壁の周方向に互いに対向する一対の当接板を備え、上記操作力伝達部は、上記当接板間の空間内に上記周壁の径方向の外側から挿入されている、ことを特徴とする計量米びつを提供する。
【0015】
この構成では、計量
部材だけをその他の部分から取り出すことができ、計量
部材およびその周囲のメンテナンスや清掃を容易に行うことができる。
【0016】
しかも、計量部材の軸部がそれぞれ収容室を区画する側壁に周壁から離間する方向に延びるとともに、操作部材に加えられた操作力が伝達される被操作部材が、計量部材のうち収容室を区画する両側壁間に位置する周壁にこれと一体に回転可能に設けられている。そのため、収容室の内側に軸部が設けられる場合に比べて収容室内に米をより円滑に且つ均一に導入して、米の計量をより適切に行いつつ、計量部材に対して、その軸方向についてより均一に操作力を付与することができ、計量部材を安定して回転させることができる。特に、周壁部分は、収容室に米が導入されることでその重量が他の部分よりも大きくなる
。従って、この重量の大きい周壁に設けられた被操作部材に操作力伝達部から直接操作力が加えられることで、計量部材をより安定して回転させることができる。
【0017】
従って、この構成によれば、メンテナンス性等を高め且つ米のより適切な計量を実現しつつ操作性を良好にすることができる。
【0018】
さらに、上記周壁の周方向に互いに対向する一対の当接板を備え、上記操作力伝達部は、上記当接板間の空間内に上記周壁の径方向の外側から挿入されてい
る。
【0019】
この構成によれば、簡単な構成で、操作力伝達部を被操作部材に対して着脱可能に連結することができる。しかも、操作力伝達部を被操作部材に周壁の周方向の両側から当接させることができる。そのため、操作力伝達部によって被操作部材をより確実に周壁の周方向に移動させることすなわち回転させることができる。従って、操作性をより良好にすることができる。
【0020】
また、本発明は、計量米びつであって、米を貯留するための貯留室と貯留室内の米の落下を許容する落下口とを有する貯留体と、上記落下口から落下した米を下方に投下するための投下口を有する筐体と、上記落下口から落下した米を計量して上記投下口に導出可能な計量部材と、上記計量部材を操作する操作部材であって、操作をする者による操作力を受けたときに上下方向に変位する操作力伝達部を有する操作部材とを備え、上記計量部材は、上記落下口から落下した米が導入される導入口が形成された筒状の周壁と、当該周壁との間で一定量の米を収容するための収容室を定義する一対の側壁と、上記側壁のそれぞれに設けられて上記周壁の軸方向に沿って当該周壁から離間する方向に延びる一対の軸部と、上記操作力伝達部と着脱可能に係合する被操作部材とを備え、上記筐体は、上記導入口が上記落下口と対向する導入位置と上記導入口が上記投下口と対向する導出位置との間で上記周壁の軸回りに回転可能で、かつ、上記計量部材が上記筐体に対して着脱可能な状態で上記計量部材の軸部を支持し、上記被操作部材は、上記計量部材の周壁にこれと一体に回転可能に設けられるとともに、上記操作力伝達部の上下方向の変位に伴って上記計量部材が上記周壁の軸回りに回転するように当該操作力伝達部に係合されており、上記被操作部材は、上記計量部材の周壁の軸と直交し且つ当該周壁の軸方向の中心を通る平面を基準として対称となる形状を有する
ことを特徴とする計量米びつを提供する。
【0021】
この構成によれば、計量部材の周壁にその軸方向についてより確実に均一に操作力を付与することができ、操作性をより確実に良好にすることができる。
【0022】
上記構成において、上記操作部材は、上記計量部材の周壁の軸と平行な方向に延びる軸回りに回転可能であり、上記操作力伝達部は、上記操作部材の回転に伴って上記計量部材を回転させるように上記被操作部材に係合されているのが好ましい。
【0023】
この構成によれば、例えば操作部材を上下方向にスライド変位可能に支持する場合に比べて、より簡単な構成で、操作力伝達部が上下方向に変位可能な状態で操作部材を筐体に支持させることができる。
【0024】
上記構成において、上記操作部材は、上記計量部材の周壁の軸と直交する方向に延びる形状を有しており、上記操作部材の上記計量部材の周壁の軸と直交する方向の一方端に上記操作力伝達部が設けられているとともに、上記操作部材の当該方向の他方端に上記操作力を受ける操作受付部が設けられているのが好ましい。
【0025】
この構成によれば、操作受付部を上下方向に操作するという簡単な操作で、上記操作力伝達部を上下方向に変位させることができるとともに、リンク部材等を介して操作受付部と操作力伝達部とが連結される場合に比べて、操作受付部に加えられた力をより適切に操作力伝達部および計量部材に伝えることができる。
【0026】
前記構成において、上記筐体は、上記計量部材が上記導入位置にある状態で、当該計量部材が上記導入位置から上記導出位置に向かう方向に上記操作部材が回転するのを規制する操作部材導入側規制部を備えるのが好ましい。
【0027】
この構成によれば、計量部材を導入位置に操作して米を導入口および投下口を介して投下する際に、操作部材を操作し続ける必要がなく、操作性が良好になる。
【0028】
また、本発明は、計量米びつであって、米を貯留するための貯留室と貯留室内の米の落下を許容する落下口とを有する貯留体と、上記落下口から落下した米を下方に投下するための投下口を有する筐体と、上記落下口から落下した米を計量して上記投下口に導出可能な計量部材と、上記計量部材を操作する操作部材であって、操作をする者による操作力を受けたときに上下方向に変位する操作力伝達部を有する操作部材とを備え、上記計量部材は、上記落下口から落下した米が導入される導入口が形成された筒状の周壁と、当該周壁との間で一定量の米を収容するための収容室を定義する一対の側壁と、上記側壁のそれぞれに設けられて上記周壁の軸方向に沿って当該周壁から離間する方向に延びる一対の軸部と、上記操作力伝達部と着脱可能に係合する被操作部材とを備え、上記筐体は、上記導入口が上記落下口と対向する導入位置と上記導入口が上記投下口と対向する導出位置との間で上記周壁の軸回りに回転可能で、かつ、上記計量部材が上記筐体に対して着脱可能な状態で上記計量部材の軸部を支持し、上記被操作部材は、上記計量部材の周壁にこれと一体に回転可能に設けられるとともに、上記操作力伝達部の上下方向の変位に伴って上記計量部材が上記周壁の軸回りに回転するように当該操作力伝達部に係合されており、上記操作部材は、上記計量部材の周壁の軸と平行な方向に延びる軸回りに回転可能であり、上記操作力伝達部は、上記操作部材の回転に伴って上記計量部材を回転させるように上記被操作部材に係合されており、上記操作部材は、上記計量部材の周壁の軸と直交する方向に延びる形状を有しており、上記操作部材の上記計量部材の周壁の軸と直交する方向の一方端に上記操作力伝達部が設けられているとともに、上記操作部材の当該方向の他方端に上記操作力を受ける操作受付部が設けられており、上記筐体は、上記計量部材が上記導出位置にある状態で、当該計量部材が上記導出位置から上記導入位置に向かう方向に上記操作部材が回転するのを規制する操作部材導出側規制部を備えることを特徴とする計量米びつ
を提供する。
【0029】
この構成によれば、計量部材が自重等によって導出位置に移動して、米が投下口等を介して予期せず落下するのを抑制することができる。
【0030】
また、本発明は、計量米びつであって、米を貯留するための貯留室と貯留室内の米の落下を許容する落下口とを有する貯留体と、上記落下口から落下した米を下方に投下するための投下口を有する筐体と、上記落下口から落下した米を計量して上記投下口に導出可能な計量部材と、上記計量部材を操作する操作部材であって、操作をする者による操作力を受けたときに上下方向に変位する操作力伝達部を有する操作部材とを備え、上記計量部材は、上記落下口から落下した米が導入される導入口が形成された筒状の周壁と、当該周壁との間で一定量の米を収容するための収容室を定義する一対の側壁と、上記側壁のそれぞれに設けられて上記周壁の軸方向に沿って当該周壁から離間する方向に延びる一対の軸部と、上記操作力伝達部と着脱可能に係合する被操作部材とを備え、上記筐体は、上記導入口が上記落下口と対向する導入位置と上記導入口が上記投下口と対向する導出位置との間で上記周壁の軸回りに回転可能で、かつ、上記計量部材が上記筐体に対して着脱可能な状態で上記計量部材の軸部を支持し、上記被操作部材は、上記計量部材の周壁にこれと一体に回転可能に設けられるとともに、上記操作力伝達部の上下方向の変位に伴って上記計量部材が上記周壁の軸回りに回転するように当該操作力伝達部に係合されており、上記落下口から投下された米を受けるための米受け容器をさらに備え、上記筐体は、上記計量
部材の下で上記米受け容器を収容する容器収容室と上記容器収容室内の米受け容器の前方への引き出しを許容する開口部とを有する筐体本体と、上記米受け容器が上記筐体本体の容器収容室内に挿入された状態で上記開口部を通じた上記米受け容器の前方への引き出しを規制する容器引き出し規制部とを備え、上記米受け容器は上記容器引き出し規制部に前方から当接可能な当接部を備え、上記容器引き出し規制部は、上記計量部材が上記導入位置にある状態では上記米受け容器の上記当接部と当接する位置から退避する一方、上記計量部
材が上記導出位置に向かって回転するのに伴い上記当接部と当接する位置に移動するように、上記操作部材に連結されている
ことを特徴とする計量米びつを提供する。
【0031】
この構成によれば、計量部材が導入位置にあり米が導入口および投下口を介して投下されている状態で米受け容器が前方へ引き出されてしまい米受け容器から米がこぼれるのを抑制することができる。
【0032】
前記構成において、上記筐体本体は、上記計量部材の下部を収容するための凹部が形成された上面を有し、上記筐体は、上記凹部に収容された上記計量部材を上方から覆うとともに上記軸部を上記筐体本体との間で回転可能に挟持するように上記筐体本体に取り付けられたカバーを備え、上記筐体本体は、上記筐体本体に対して上記カバーを着脱可能に係止するための複数のカバー係止部を有し、上記複数のカバー係止部は、上記計量部材が上記凹部に収容された状態で上記計量部材の周壁の軸と直交し且つ当該周壁の軸方向の中心を通る平面を基準として対称配置されているのが好ましい。
【0033】
この構成によれば、カバーを筐体本体から取り外した状態で、計量部材を凹部に対して上下方向に挿抜することで計量部材を筐体に容易に着脱することができる。一方、カバーを筐体本体に取り付けることにより計量部材の軸部を筐体本体との間で回転可能に挟持することができるため、計量部材を安定して回転させることができる。しかも、筐体本体とカバーとを係止するための複数のカバー係止部が周壁の軸方向の中心に対して対称に配置されているため、周壁の軸方向に沿う方向についてカバーの変位をより均一にすることができ、これによって計量部材の周壁の軸方向についての変位の差を小さく抑えることができる。
【0034】
また、本発明は、計量米びつであって、米を貯留するための貯留室と貯留室内の米の落下を許容する落下口とを有する貯留体と、上記落下口から落下した米を下方に投下するための投下口を有する筐体と、上記落下口から落下した米を計量して上記投下口に導出可能な計量部材と、上記計量部材を操作する操作部材であって、操作をする者による操作力を受けたときに上下方向に変位する操作力伝達部を有する操作部材とを備え、上記計量部材は、上記落下口から落下した米が導入される導入口が形成された筒状の周壁と、当該周壁との間で一定量の米を収容するための収容室を定義する一対の側壁と、上記側壁のそれぞれに設けられて上記周壁の軸方向に沿って当該周壁から離間する方向に延びる一対の軸部と、上記操作力伝達部と着脱可能に係合する被操作部材とを備え、上記筐体は、上記導入口が上記落下口と対向する導入位置と上記導入口が上記投下口と対向する導出位置との間で上記周壁の軸回りに回転可能で、かつ、上記計量部材が上記筐体に対して着脱可能な状態で上記計量部材の軸部を支持し、上記被操作部材は、上記計量部材の周壁にこれと一体に回転可能に設けられるとともに、上記操作力伝達部の上下方向の変位に伴って上記計量部材が上記周壁の軸回りに回転するように当該操作力伝達部に係合されており、上記筐体は、上記計量部材の下部を収容するための凹部が形成された上面を有する筐体本体と、上記凹部に収容された上記計量部材を上方から覆うとともに上記軸部を上記筐体本体との間で回転可能に挟持するように上記筐体本体に取り付けられたカバーとを備え、上記筐体本体は、上記筐体本体に対して上記カバーを着脱可能に係止するための複数のカバー係止部を有し、上記複数のカバー係止部は、上記計量部材が上記凹部に収容された状態で上記計量部材の周壁の軸と直交し且つ当該周壁の軸方向の中心を通る平面を基準として対称配置されている
ことを特徴とする計量米びつを提供する。
【0035】
この構成によれば、上記のように、計量部材を凹部に対して上下方向に挿抜することで計量部材を筐体に容易に着脱することができるとともに、複数のカバー係止部によって計量部材の周壁の軸方向についての変位の差を小さく抑えることができる。
【0036】
また、本発明は、計量米びつであって、米を貯留するための貯留室と貯留室内の米の落下を許容する落下口とを有する貯留体と、上記落下口から落下した米を下方に投下するための投下口を有する筐体と、上記落下口から落下した米を計量して上記投下口に導出可能な計量部材と、上記計量部材を操作する操作部材であって、操作をする者による操作力を受けたときに上下方向に変位する操作力伝達部を有する操作部材とを備え、上記計量部材は、上記落下口から落下した米が導入される導入口が形成された筒状の周壁と、当該周壁との間で一定量の米を収容するための収容室を定義する一対の側壁と、上記側壁のそれぞれに設けられて上記周壁の軸方向に沿って当該周壁から離間する方向に延びる一対の軸部と、上記操作力伝達部と着脱可能に係合する被操作部材とを備え、上記筐体は、上記導入口が上記落下口と対向する導入位置と上記導入口が上記投下口と対向する導出位置との間で上記周壁の軸回りに回転可能で、かつ、上記計量部材が上記筐体に対して着脱可能な状態で上記計量部材の軸部を支持し、上記被操作部材は、上記計量部材の周壁にこれと一体に回転可能に設けられるとともに、上記操作力伝達部の上下方向の変位に伴って上記計量部材が上記周壁の軸回りに回転するように当該操作力伝達部に係合されており、上記筐体は、上記貯留体に対して着脱可能であり、上記貯留体は、上記貯留室の周囲を取り囲むとともに上記貯留室を上に開放する開口を有する外側壁と、当該外側壁の開口の少なくとも一部を上方から覆うように当該外側壁の上端部に係合される補強壁とを備え、上記補強壁は、上記外側壁の上端部に係合された状態で当該補強壁の外周面と上記外側壁の外周面とが面一となる形状を有する
ことを特徴とする計量米びつを提供する。
【0037】
この構成によれば、貯留体の変形を抑制することができるとともに、見栄えを良好にすることができる。
【0038】
具体的には、貯留体は筐体に対して着脱可能に連結されており、これらは別体で構成されている。また、貯留室に米を補充するために貯留体は上方に開口していることが好ましい。このような構成においては、貯留体と筐体とが一体で構成される場合に比べて貯留体の剛性が弱くなり、多量の米が投入された際等において貯留体の外側壁が変形しやすい。これに対して、この構成では、貯留体の外側壁と貯留体の上面を構成する補強壁とが別体で構成されて補強壁が外側壁に係止される。そのため、外側壁の変形を補強壁により規制することができる。しかも、この構成では、外側壁と補強壁とが、その外側面において、上下方向について略平坦に連続するように、すなわち、面一となるように構成されている。そのため、外側壁と補強壁とを別体で構成することで外側壁の変形を抑制しつつ、見栄えを良好にすることができる。
【0039】
前記構成において、上記補強壁には、上記貯留室を上に開放するための開口部と、上記開口部の周縁となる部分において上記開口部の全周にわたって下方に凹むパッキン収容溝と、が形成されており、上記貯留体は、上記補強壁の開口部を上方から覆う状態で当該補強壁に係止される蓋部と、上記パッキン収容溝内に収容されたパッキンと、を備え、上記蓋部は、上記補強壁に係止された状態で上記パッキン収容溝の底面との間で上記パッキンを押圧するパッキン押圧部を備えるのが好ましい。
【0040】
この構成によれば、上記のように、補強壁と外側壁とを別体で構成して外側壁の変形を抑制しながら、米を貯留体に上方から容易に投入することができる開口部を確保することができる。ここで、このように開口部を補強壁すなわち計量米びつの上面に設けた場合には、上方から滴下した水が貯留体の内側に進入しやすい。これに対して、この構成では、開口部の周縁にその全周にわたってパッキンが設けられて、蓋部を閉めた状態で蓋部のパッキン押圧部とパッキン収容溝の底面との間でパッキンが押圧されるようになっている。そのため、パッキン押圧部とパッキン収容溝の底面との間の隙間をパッキンで塞ぐことができ、水が貯留体の内側に進入するのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、容易に分解でき且つ米をより適切に計量しながら操作性をより高めるこ
とができる。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的な範囲を限定するものではない。
【0044】
図1は、本実施形態に係る計量米びつ1の全体構成を示した概略斜視図である。
図2は、
図1のII−II線断面図である。これら図に示すように、本実施形態に係る計量米びつ1は、略直方体状を有する。より詳細には、後述する筐体本体50のうちの操作レバー70の操作受付部78が露出するとともに後述するトレー90が挿抜される側壁51aの幅が、この側壁51aと直交する方向の寸法よりも小さく設定されており、幅の狭い空間にも配置できるようになっている。以下では、平面視における計量米びつ1の長手方向であって
図2における左右方向を前後方向、かつ、側壁51a側を前とし、平面視における計量米櫃の短手方向を左右方向とし、
図2における紙面手前側を左として説明する。
【0045】
計量米びつ1は、内側に米を貯留する貯留室11が形成された貯留体110と、米を計量して取り出すための下部体120とを備える。下部体120は貯留体110の下方に貯留体110と着脱可能に連結されている。
【0046】
(1)貯留体
図3は、貯留体110の概略分解斜視図である。
【0047】
貯留体110は、貯留体本体20と、貯留体本体20の上方の開口20aを塞ぐように貯留体本体20に取り付けられる補強板(補強壁)30と、補強板30に形成された開口部30aを開閉する蓋部40とを有する。これらは、互いに別体で形成されている。
【0048】
図3に示すように、貯留体本体20は、貯留室11の周囲を取り囲む側壁(外側壁)21、貯留室11を上に開放する開口部20aと、貯留室11の底面を構成する底壁25とを有する。
【0049】
底壁25には、これを上下に貫通して、貯留室11内の米が下方に落下するのを許容する落下口25aが形成されている。
【0050】
側壁21は、貯留室11の周囲を囲んでいる。側壁21は、それぞれ上下方向に延びて計量米びつ1の前面、後面、右面、左面をそれぞれ構成する前側壁21a、後側壁21b、右側壁21c、左側壁21dとを含む。これら各側壁21a〜21dは、板状部材であり、これらの側壁21a〜21dの上縁で囲まれた部分が上記開口20aを形成している。
【0051】
底壁25は、これら側壁21a〜21dの内側面から落下口25aに向かって下向きに傾斜している。
【0052】
計量米びつ1の前面、後面、右面、左面をそれぞれ構成する各側壁21a〜21dの外側面は、これらがつながる部分をのぞき、それぞれ略平面となっている。
【0053】
各側壁21a〜21dの上端部には、それぞれ、貯留室11の内側に向かって水平方向に突出する係止突起22が形成されている。また、各側壁21a〜21dの上端部には、貯留室11の内側に向かって突出して、貯留体本体20の剛性を高めるための複数のリブ23が形成されている。
【0054】
前側壁21aには、貯留室11内を確認するための透明パネル29(
図2参照)が嵌め込まれる開口部21eが形成されている。
【0055】
図3の破線および
図2に示すように、後側壁21bの下部の左右方向の中央部分は前方に凹んでおり、後側壁21bの左右方向の中央の下端部には、水平方向に延びる連結面21fが形成されている。
【0056】
補強板30は、貯留体本体20の開口20a、すなわち、各側壁21a〜21dの上縁で囲まれた空間を上方から覆う天板31と、天板31の下面から下方に突出する脚部32とを有する。
【0057】
補強板30は、貯留体110の剛性を高めてこれの変形を抑制するための部材である。具体的には、上記のように、貯留体本体20の側壁21a〜21dは上下方向に延びる板状を有しており、これらの上縁は開口20aを区画するように開放されている。そのため、貯留室11内に多量の米が投入されてこれら側壁21a〜21dに外周方向の力が加えられると(上記補強板30が取り付けられていない状態で)、側壁21a〜21dの上端付近が水平方向に容易に変形してしまうおそれがある。これに対して、補強板30が側壁21a〜21dの上端に係止されていれば、補強板30が各側壁21a〜21dの水平方向の変形や変位を規制する。すなわち、補強板30が取り付けられた状態では、各側壁21a〜21dの上端付近が水平方向に変形するためにはこの水平方向に延びる補強板30を変形させる必要があるため、各側壁21a〜21dの上端付近は容易には変形または変位できなくなる。従って、補強板30が貯留体本体20に取り付けれることで、貯留体110の変形は抑制される。特に、本実施形態では、補強板30に下方に突出する脚部32が設けられて、補強板30自体の剛性が高められているため、貯留体110の剛性をより一層高めることができる。
【0058】
脚部32は、天板31の外周縁よりもわずかに内側の位置において、天板31のほぼ全周にわたって設けられている。
【0059】
脚部32の下縁の複数の位置からはさらに下方に被係止部33が延びている。被係止部33には、これを水平方向に貫通する被係止孔33aが形成されている。
【0060】
補強板30は、被係止孔33aが、各側壁21a〜21dに設けられた係止突起22と係合することで貯留体本体20に係止される。
【0061】
図4は、
図2のIVで示した部分を拡大して示した図である。
図4および
図2に示すように、補強板30が貯留体本体20に係止された状態において、補強板30は、各側壁21a〜21dの上縁に上方から当接する。
【0062】
ここで、補強板30は、平面視で、各側壁21a〜21dの上縁で区画される略長方形の空間とほぼ同じ長方形状を有しており、補強板30が貯留体本体20に係止された状態において、補強板30(天板31)の外周面31aと各側壁21a〜21dの外側面21gとは上下方向について略平坦に連続する。すなわち、これらの面は面一となる。これに伴って、
図1に示すように、計量米びつ1の上部は、その外側面に段差を有しない外形となる。
【0063】
前記のように、補強板30には開口部30aが形成されている。具体的には、天板31の中央に開口部30aが形成されている。
【0064】
図2および
図4に示すように、天板31の開口部30aの周囲には、下方に凹むパッキン収容溝36が形成されている。具体的には、天板31には、開口部30aの周縁から水平方向に延びるつば部34と、つば部34の外周縁から上方に延びる立壁35とが設けられている。そして、このつば部34に下方に凹むパッキン収容溝36が形成されている。パッキン収容溝36は、つば部34の全周にわたって形成されている。このパッキン収容溝36には、リング状のパッキン300が挿入されている。
【0065】
図5は、蓋部40の概略斜視図である。なお、
図5は、補強板30に取り付けられた状態において下方となる方向から見た図である。
【0066】
蓋部40は、天板31の開口部30aを上方から覆う上面部41と、上面部41から下方(蓋部40が開口部30aを覆った状態において)に突出する脚部42と、上面部41のうち脚部42よりも外周側の部分から下方に突出するパッキン押圧部43とを有する。脚部42およびパッキン押圧部43はそれぞれ蓋部40の全周にわたって設けられている。
【0067】
脚部42の複数の位置には、外周側に突出する係止突起42aが設けられている。
図4に示すように、脚部42が補強板30の開口部30a内に挿入された状態で係止突起42aは補強板30のつば部34の内周縁に下方から当接する。そして、これにより蓋部40は補強板30に係止される。
【0068】
ここで、上面部41は、開口部30aに加えてつば部34の上方を覆うことが可能な大きさを有しており、
図2等に示すように、上面部41は、立壁35で囲まれた部分全体を上方から覆う。
【0069】
図4に示すように、パッキン押圧部43は、蓋部40が補強板30に係止された状態で天板31のパッキン収容溝36の上方に位置するように配置されており、この状態で脚部42はパッキン300を下方に押圧する。これにより、蓋部40が補強板30に係止されて開口部30aを塞いだ状態において、パッキン300は、パッキン収容溝36の底面と脚部42とに密着してこれらの隙間を塞ぐ。
【0070】
(2)下部体
図6は、下部体120の概略分解斜視図である。
【0071】
下部体120は、計量米びつ1の外側面の一部を構成する筐体121と、ドラム(計量部材)60と、操作レバー(操作部材)70と、トレー(米受け容器)90と、下部補強板59とを有する。
【0072】
<筐体>
筐体121は、筐体本体50と、ストッパ(容器引き出し規制部)310(
図9、
図15参照)と、カバー80とを備える。ここでは、筐体本体50とストッパ310とについて説明し、カバー80については後述する。
【0073】
筐体本体50は略直方体の外形を有しており、計量米びつ1の下部の前面、後面、右面、左面を構成する前側壁51a、後側壁51b、右側壁51c、左側壁51d、および、貯留体110の底壁25と対向して筐体本体50の上面を構成する上壁51eを含む。これら壁51a〜51eは互いに一体に形成されている。一方、
図6に示すように、本実施形態では、筐体本体50の底面は筐体本体50とは別体で構成されており、下部補強板59が筐体本体50の底面を構成する。下部補強板59は、不図示の係合部材によって各側壁51a〜51dの下端部に係合する。本実施形態では、下部補強板59は、筐体本体50の内側に取り付けられる。
【0074】
筐体本体50の後側壁51bには、その左右方向の中央付近に留め具58が取り付けられている。留め具58は、
図2の実線と破線とで示すように、前後方向に搖動可能に取り付けられている。
【0075】
図2の実線で示すように、留め具58が前方に搖動した状態において、留め具58の先端部58aは貯留体本体20の連結面21fと係合し、これにより、筐体本体50ひいては下部体120と貯留体110とが連結される。一方、破線で示すように留め具58が後方に搖動すると、上記係合が解除されて筐体本体50ひいては下部体120と貯留体110との連結は解除される。
【0076】
図1等に示すように、下部体120と貯留体110とが連結された状態において、筐体本体50の各側壁51a〜51dの外側面と貯留体110の各側壁21a〜21dの外側面21gとは面一となり、計量米びつ1の外側面は段差を有さず、上下方向に連続した面で構成される。
【0077】
図7は、筐体本体50の概略平面図である。
図8は、筐体本体50の上面、詳細には、上壁51eの上面の一部を示した概略斜視図である。
【0078】
筐体本体50の上面には、下方に凹み、後述するようにドラム60の下半部および操作レバー70の一部を内側に収容する第1凹部(凹部)210と、第1凹部210の前方に位置して第1凹部210と連通する第2凹部250とが形成されている。
【0079】
第1凹部210は、平面視で、左右方向に延びる略長方形状を有している。
【0080】
第1凹部210の下部の略中央には左右に延びる升収容部211が形成されている。この升収容部211は、断面略半円形の内周面を有しており、升収容部211の内周面は、升収容部211の前後方向の中央に向かって下方に湾曲している。
【0081】
升収容部211の底壁211aには、底壁211aを上下に貫通する左右方向に長い長方形状の投下口212が形成されている。下部体120と貯留体110とが連結された状態で、投下口212は落下口25aの下方に位置してこれに対向する。
【0082】
升収容部211の上縁からは外周側に向かって水平方向に横壁213が延びている。すなわち、第1凹部210の内周面には、第1凹部210の内側に向かう段部が形成されており、第1凹部210の内周面からは第1凹部210の内側に向かって突出する横壁213が設けられている。そして、この横壁213の内周縁から下方に升収容部211が形成されている。
【0083】
横壁213のうち升収容部211の左右方向の両外側の部分には、下方に凹む断面半円形のドラム軸受214が形成されている。ドラム軸受214の中心軸と升収容部211の中心軸とが一致するように設けられている。
【0084】
横壁213の前縁および後縁からは、第1凹部210の前側面および後側面の一部を構成する立壁215が上方に延びている。具体的には、横壁213の後縁からは、横壁231の軸方向の前後両端付近全体にわたって立壁215が上方に延びている。また、第1凹部210の前縁からは、その左右両端付近から立壁215が上方に延びている。
【0085】
これら立壁215には、それぞれこれを水平方向に貫通する係止孔(カバー係止部)215aが形成されている。
【0086】
これら係止孔215aは、升収容部211の中心軸と直交し且つ升収容部211の左右方向の中心を通る平面を基準として、互いに対称となる位置に設けられている。すなわち、これら係止孔215aは、升収容部211の左右方向の中心線に対して互いに対称となる位置に設けられている。係止孔215aは、升収容部211の左右方向の両縁付近に形成されている。
【0087】
より詳細には、後側の立壁215には、2つの係止孔215aが升収容部211の左右方向の中心に対して対称に配置されている。そして、これら係止孔215aと対向する係止孔215aが前側の2つの立壁215にそれぞれ形成されている。
【0088】
第2凹部250は、左右方向に並び上下方向に延びる一対の立壁部251の間に区画されている。
【0089】
各立壁部251の上端には、これを左右方向に貫通するレバー側軸孔251aがそれぞれ形成されている。このレバー側軸孔251aは、前後方向に延び、かつ、その後端において上方に開口している。
【0090】
各立壁部251は、上下方向に延びる軸受壁255を有する。これら軸受壁255は、立壁部251の上面の左右方向の外側縁から下方に延びている。より詳細には、側面視で軸受壁255は、レバー側軸孔251aの下縁よりも上方の位置まで延びている。軸受壁255の前端部分には、その下面から上方に凹む円弧上のレバー側軸受部255aが形成されている。
【0091】
左側の立壁部251の前部の上端には、上下方向に延び、かつ、上方に開口するストッパ案内孔252が形成されている。
【0092】
具体的には、ストッパ案内孔252は、左側の立壁部251(筐体本体50の底面)を上下方向に貫通する連通孔251bと、連通孔251bから右側に延びるとともに上向きに開口する摺動孔252aと、を有している。
【0093】
このストッパ案内孔252には、
図9に示す引き出しストッパ(
ストッパ、容器引き出し規制部)310が装着される。
図9に示すように
、引き出しストッパ310は、略長方形の板状部分311と板状部分311の長手方向一方端から突出する円柱状の突起部312とを有している。板状部分311の長手方向他方端には、切欠き311aが形成されている。
【0094】
この引き出しストッパ310は、
図14に示すように、突起部312が摺動孔252aに挿入されることで、突起部312が上側に位置し切欠き311aが下側に位置する姿勢
で立壁部251に装着される。そして、引き出しストッパ310は、立壁部251によって、上下方向にスライド可能に支持される。なお、
図14は、摺動孔252aに突起部312が挿入された状態で、このストッパ案内孔252周りをみた概略側面図である。
【0095】
図8に戻り、第2凹部250の底壁253には、上下方向に弾性変形可能な板状の保持用係止片(操作部材
導出側規制部)254が設けられている。具体的には、保持用係止片254は、底壁253に形成された孔253a内に設けられ、底壁253に連結された前縁と、上下方向に弾性変位可能な後部と、を有している。
【0096】
図2に示すように、保持用係止片254の後端部には、上方にわずかに膨出するとともに後方に向かって先細りとなる膨出部254aが形成されている。
【0097】
また、
図7および
図8に示すように、前側の2つの立壁215の間には、略直方体の中間壁部256が設けられているとともに、この中間壁部256の左右両側面にはそれぞれ左右方向の外側に突出する保持突起257
(操作部材導入側規制部)が設けられている。
【0098】
<操作レバー>
図10は、操作レバー70の側面図である。
図11は、
図10のXI
V−XI
V線断面図である。操作レバー70は、
図2等に示すように、その一部が、計量米びつ1の前面に露出した状態で筐体本体50に取付られる。具体的には、筐体本体50の前側壁51aの上部の左右方向の中央には、後方に凹むレバー収容室52aが形成されており、このレバー収容室52aの後面に前後方向にこれを貫通するレバー操作口52bが形成されている。そして、レバー操作口52bから前方に操作レバー70の後述する操作受付部78が突出している。以下の操作レバー70の説明では、操作レバー70が筐体本体50に取り付けられた状態での前後、左右、上下方向を単に前後、左右、上下方向として説明する。
【0099】
操作レバー70は、前後方向に延びる形状を有し、中空のブロック体からなる前部71と、この前部71の左右両側壁からそれぞれ後方に延びる左右一対の後部72とで構成されている。より詳細には、操作レバー70は、左右方向に平行に並ぶ一対の板状の側壁(延出部)73,73と、これら側壁73,73の前部を左右につなぐ前側壁74とを有する。
【0100】
操作レバー70の各側壁73,73の内側面には、前後方向に延びるとともに内側に突出する保持用当接片77,77がそれぞれ設けられている。
【0101】
操作レバー70の前部71の上下方向の中央部分は、他の部分と比較して前方に突出しており、操作力を受ける操作受付部78を構成している。この操作受付部78は、側面視でで略三角形状を有しており、前方に向かって先細り形状となっている。
【0102】
各側壁73,73の前後方向の略中央部分からは、それぞれ左右方向の外側に円柱状のレバー側支軸79,79が突出している。
【0103】
また、各側壁73,73の後端からは、それぞれ左右外側に円柱状の操作力伝達部75,75が突出している。
【0104】
このように、本実施形態では、前後方向に延びる側壁73,73の前端に操作受付部78が設けられて、後端に操作力伝達部75が設けられている。
【0105】
左側の側壁73には、その左側面から左側に突出するストッパ操作レバー76が形成されている。このストッパ操作レバー76は、側面視で略U字状を有しており、ストッパ操
作レバー76の内側には一方(
図10に示した状態で前方)に開放する溝76aが形成されている。
【0106】
図2等に示すように、操作レバー70は、その一部が第2凹部250内に挿入されて、この状態で筐体本体50により回転可能に支持される。
【0107】
具体的には、操作レバー70の各後部72が、筐体本体50の中間壁部256と前側の各立壁215との間の空間に挿入されつつ、操作レバー70が第2凹部250内に挿入される。そして、第2凹部250の各立壁部251,251に形成された上記レバー側軸孔251a,251aに各レバー側支軸79が挿入される。このとき、レバー側支軸79は、軸受壁255の下方に配置されて、軸受壁255と立壁部の左右内側の壁の上縁(レバー側軸孔251aの下縁)との間で上下に挟みこまれ、これにより支持される。また、前記のように、軸受壁255の前端部分は円弧上に凹んでおり、この部分にレバー側支軸79が配置されることで、レバー側支軸79は、これら壁によってその中心軸回りに回転可能に支持される。このようにして、レバー側支軸79は、左右方向に延びる軸回りに回転可能に立壁部251に支持される。これに伴い、操作レバー70は、レバー側支軸79の中心線であって左右に延びる軸回りに回転可能な状態で筐体本体50に支持される。
【0108】
図12は、計量米びつ1を組み立てた状態において、
図7のXII−XII線断面に対
応する部分を拡大して示した図である。
図13は、
図12に対応する図であって、操作レバー70が下方に回転操作された状態を示した図である。
【0109】
筐体本体50に支持された状態において、操作レバー70は、
図12に示す位置であって操作レバー70の前側壁74の下端が筐体本体50の前側壁51a(詳細には、レバー収容室52aの後面)に後方から当接する導入位置と、
図13に示す位置であって操作レバー70の前側壁74の上端が筐体本体50の前側壁51aに後方から当接する導出位置との間で回転する。なお、本実施形態では、導出位置にある状態で、操作レバー70には後方からレバー規制部259が当接し、これによっても操作レバー70の後方(下方)への移動が規制される。なお、レバー規制部259は、
図7、
図12等に示すように、第2凹部250の底壁253に形成された上方に突出する部分である。
【0110】
図14、
図15は、引き出しストッパ310の動作を示すための図であって、
図12、
図13に対応する図である。ただし、
図14、
図15では、この動作が明確になるように一部の図示を省略している。
【0111】
操作レバー70が筐体本体50に支持された状態において、ストッパ操作レバー76に形成された溝76a内には、引き出しストッパ310の突起部312が挿入される。そして、操作レバー70が
図14に示すように導入位置にある状態から、
図15に示すように導出位置に回転すると、ストッパ操作レバー76は溝76aの開口が前方を向く姿勢から下方を向くに姿勢に変化する。これに伴って、引き出しストッパ310の突起部312ひいては引き出しストッパ310は下方に変位する。また、操作レバー70が導出位置から導入位置に変化すると、引き出しストッパ310の突起部312ひいては引き出しストッパ310は上方に移動する。
【0112】
<トレー>
図6等に示すように、筐体本体50の前側壁51aの下部には、前後方向にこれを貫通するトレー挿入口(開口部)52cが形成されており、筐体本体50には、上壁51eの下方、より詳細には落下口25aの下方に、トレー90を収容可能な容器収容室52hが形成されている。
【0113】
トレー90は、貯留体110の落下口25aから落下し、後述する導入口61dおよび投下口212を通って下方に投下された米を受けるものであり、上方に開口する箱状を有する。トレー90は、単体で持ち運べるようになっており、トレー挿入口52cを通して前方から筐体本体50内に挿入されることで筐体本体50に装着され、この状態から前方に引き抜かれることで筐体本体50から分離する。すなわち、トレー挿入口52cは、トレー90が容器収容室52h内に配置された状態でトレー90の前方への引出を許容する。
【0114】
トレー90の前部には取っ手91が設けられており、この取っ手91を把持することで、トレー90の抜き差しが容易に行えるようになっている。
【0115】
図12等に示すように、トレー90には、引き出しストッパ310と当接する引き出し防止用壁(当接部)95が設けられている。
【0116】
引き出し防止用壁95は板状部材であり、トレー90の前面よりも後方の位置において、上下方向および左右方向に延びている(トレー90が筐体本体50に装着された状態において)。
【0117】
上記のように、操作レバー70が導入位置から導出位置に回転するのに伴って、引き出しストッパ310は下方に変位する。このとき、
図15に示すように、引き出しストッパ310の板状部分311の下端に形成された切欠き311a内に、引き出し防止用壁95の上端部が挿入される。このようにして、切欠き311a内に引き出し防止用壁95の上端部が挿入されると、トレー90を前後方向に操作した際に、引き出しストッパ310が引き出し防止用壁95に前方から当接する。従って、トレー90の前方への移動が規制される。本実施形態では、この状態において、引き出しストッパ310は引き出し防止用壁95に後方からも当接可能となっており、トレー90の後方への移動も規制される。なお、引き出しストッパ310の前後方向への移動は、筐体本体50において、前後方向に互いに離間する位置に設けられて、上下方向に延びる一対のストッパ規制部258によって規制される。具体的には、引き出しストッパ310は、前後方向についてこれらストッパ規制部258で挟まれた部分に配置されており、これらストッパ規制部258が前方または後方から当接することで、引き出しストッパ310の前後方向への移動は規制される。
【0118】
ここで、本実施形態では、
図1等に示すように、トレー90がトレー挿入口52cに差し込まれた状態において、トレー90の前端部分が計量米びつ1全体の外側面の一部を構成するように構成されている。そして、このトレー90の前端部分は、トレー90がトレー挿入口52cに差し込まれた状態において、取っ手91を除き、この前端部分の外側面と、筐体本体50の各側壁51a〜51dの外側面とが面一となるような形状とされている。
【0119】
<ドラム>
図16は、ドラム60の縦断面図である。
図17は、
図16のXVII−XVII線断面図である。以下のドラム60の説明では、ドラム60が筐体本体50に取り付けられた状態における前後、左右、上下方向を単に前後、左右、上下方向として説明する。
【0120】
ドラム60は、貯留体本体20の落下口25aから落下した米を計量してトレー90に投下するための部材である。
【0121】
ドラム60は、升部61と、ドラム支軸(軸部)62,62と、2つの被操作突起(被操作部材)63,63とを有する。
【0122】
升部61は、左右に延びる略円筒状を有しており、一定量の米を内側に充填可能な容積を有している。具体的には、升部61は、略円筒状の周壁61aと、周壁61aの左右両端をそれぞれ塞ぐ一対の円板状の側壁61b,61bとを有しており、これら壁61a,61b,61bによって米を一定量貯留可能な収容室61cが区画されている。
【0123】
升部61の周壁61aの一部は切り欠かれており、ドラム60には、米を内側に導入可能な導入口61dが形成されている。
【0124】
図17に示すように、本実施形態では、升部61の周壁61aの内周面の一部61a_1は、平坦な面とされている。
【0125】
図16に示すように、升部61の周壁61aの左右両端付近には、径方向内側に突出するアダプタ用突起61fが形成されている。アダプタ用突起61fは、升部61の周壁61aの全周にわたって形成されている。本実施形態では、升部61の周壁61aに左側端部にその左端から右側に離間した位置に、アダプタ用突起61fが形成されている。
【0126】
アダプタ用突起61fは、升部61内の容積を変更して計量する米の量を変更するためのアダプタ69を装着するための突起である。
【0127】
図18はアダプタ69の正面図である。アダプタ69は、升部61内の収容室61cの断面形状と同じ平面形状を有する板状部材である。このアダプタ69は、
図16の破線で示すようにアダプタ用突起61fと升部61の側壁61bとで区画された部分に挿入されることで、升部61内の容積を小さくする。本実施形態では、升部61の収容室61c内に軸等が設けられておらず、また、導入口61dが十分に大きく開口していることから、アダプタ69を、装着時の姿勢すなわち側壁61bと平行に延びる姿勢でアダプタ用突起61fと側壁61bとの間に対して抜き差しできるようになっている。例えば、アダプタ69は、無洗米用であって、無洗米を用いる場合に装着される。
【0128】
ドラム支軸62,62は、升部61の両側壁61b,61bからそれぞれ左右方向の外側に延びている。ドラム支軸62,62の左右方向の両端部は円板状を有しており、ドラム支軸62,62は、この両端部の中心が周壁61aの中心軸上に位置するように設けられている。
【0129】
被操作突起63,63は、升部61の周壁61aから周壁61aの径方向の外側に延びている。すなわち、被操作突起63,63は、ドラム60のうち升部61の軸方向の両端よりも左右方向の内側の位置に設けられている。被操作突起63,63は、周壁61aの軸に対して導入口61dの反対側の部分に設けられている。
【0130】
図16に示すように、2つの被操作突起63,63は、左右に離間した位置であって、升部61の周壁61aの軸と直交し且つ周壁61aの軸方向の中心を通る平面を基準として、互いに対称となる位置に設けられている。すなわち、2つの被操作突起63,63を含む被操作突起の全体が、上記平面を基準として対称となる形状を有している。
【0131】
本実施形態では、周壁61aには、導入口61dと反対側の部分に周壁61aの径方向内側に凹む凹部61eが形成されている。そして、被操作突起63,63は、この凹部61eの左右方向の両端部の底面から径方向外側に延びている。
【0132】
被操作突起63は、それぞれ、周壁61aの周方向に離間した位置において互いに平行に延びる一対の当接壁(当接板)63a,63aと、これら当接壁63a,63aをつなぐ補強壁63cとを有している。
【0133】
具体的には、右側の被操作突起63の補強壁63cは、当接壁63a,63aの右縁間にわたって周壁61aの周方向に延びている。そして、これに伴い、右側の被操作突起63には、当接壁63a,63aと補強壁63cとに囲まれて左方および周壁61aの径方向外側に開放する溝63dが形成されている。
【0134】
一方、左側の被操作突起63の補強壁63cは、当接壁63a,63aの左縁間にわたって周壁61aの周方向に延びている。そして、これに伴い、左側の被操作突起63には、当接壁63a,63aと補強壁63cとに囲まれて右方および周壁61aの径方向外側に開放する溝63dが形成されている。
【0135】
これら溝63dには、操作レバー70の操作力伝達部75が挿入される。すなわち、これら溝63dは、操作レバー70の操作力伝達部75が挿入される形状を有する。さらに、これら溝63dは、操作力伝達部75が溝63dに沿って移動できるような形状を有している。また、被操作突起63どうしの左右方向の離間距離は、操作レバー70の操作力伝達部75どうしの左右方向の離間距離とほぼ同じ寸法に設定されており、各被操作突起63にそれぞれ各操作力伝達部75が挿入できるようになっている。
【0136】
以上のように構成されたドラム60は、上方から第1凹部210内に挿入されることで筐体本体50に装着される。
【0137】
図19は、ドラム60を筐体本体50に装着した状態を示した図であり、前後方向と直交する面における断面図である。
図19に示すように、ドラム60の升部61の下半部は升収容部211内に収容され、各ドラム支軸62の下半部は、ドラム軸受214内に収容される。
【0138】
ここで、
図20を参照して、ドラム60の装着手順について詳細に説明する。ドラム60は、操作レバー70が筐体本体50に装着された状態で筐体本体50に取り付けられる。すなわち、レバー側支軸79がレバー側軸孔251aに挿入されて、操作レバー70がレバー側支軸79の中心軸回りに回転可能に筐体本体50に取り付けられた状態で、ドラム60の装着が行われる。ドラム60を取り付ける際には、
図20に示すように、操作受付部78を下方に押圧操作して、操作レバー70の後部72を後斜め上方に傾斜する姿勢とする。そして、この状態で、各操作力伝達部75をドラム60の各被操作突起63の溝63d内に、溝63dの径方向外側の開放端から挿入する。これにより、操作レバー70とドラム60とは係合する。
【0139】
操作レバー70とドラム60とを係合させた後は、操作レバー70の操作受付部78を上方に操作しながら、ドラム60を下方に移動させる。これにより、ドラム60は、操作レバー70と係合した状態で、筐体本体50に装着される。
【0140】
<カバー>
図21は、カバー80の平面図である。
図22は、
図21のXXII−XXII線断面図である。以下のカバー80の説明では、カバー80が筐体本体50に取り付けられた状態における前後、左右、上下方向を単に前後、左右、上下方向として説明する。
【0141】
カバー80は、ドラム60を上方から覆う部材である。カバー80は、ドラム60の升部61を上方から覆う升部側被覆部81と、ドラム60の各ドラム支軸62を上方からそれぞれ覆う軸側被覆部82,82とを有する。
【0142】
具体的には、升部側被覆部81は、左右方向に延びて断面略半円形状を有しており、升
部61の上半部を上方から覆う。また、軸側被覆部82,82は、升部側被覆部81の左右両壁81a,81aから左右方向の外側に突出している。軸側被覆部82,82も、略半円形状の断面を有しており、ドラム支軸62の上半部を上方から覆う。
【0143】
升部側被覆部81の上面には、左右に延びる略長方形状の開口部83が形成されている。
【0144】
カバー80の前後方向の両端部の左右方向の両端付近には、上下方向に延びる板状の係止用板84がそれぞれ設けられている。具体的には、升部側被覆部81および軸側被覆部82の前後方向の両縁からは、つば部85がそれぞれ水平方向に延びており、このつば部85から上方に係止用板84が延びている。これら係止用板84には、その上下略中央部分に、前後方向外側に突出する係止突起84aが形成されている。
【0145】
図12等に示すように、カバー80は、ドラム60の上方から第1凹部210に挿入されて、これら係止突起84aが筐体本体50の第1凹部210に形成された係止孔215a内に挿入されてこれと係合することで、ドラム60を上方から覆う状態で筐体本体50に固定される。そして、これにより、ドラム60の上方への移動が規制される。なお、このとき、係止用板84が前後方向に弾性変形することで係止突起84aは係止孔215a内に容易に挿入される。
【0146】
カバー80の開口部83は、落下口25aを内側に収容した状態で筐体本体50に固定されて、落下口25aから落下した米を升部61内に案内する。
【0147】
本実施形態では、開口83の後側の縁部分に位置する升部側被覆部81の下面(内周面)には発泡ポリエチレン320が貼り付けられている。具体的には、発泡ポリエチレン320は、カバー80のうち開口部83の後縁付近からこれよりも後ろ側の部分との間に設けられている。なお、本実施形態では、
図12等に示すように、ドラム60の周壁61aの外周面の一部であって、ドラム60の導入口61dと落下口25aとが連通する状態で下側となる部分の外周面にも発泡ポリエチレン321が張り付けられている。
【0148】
(3)動作
以上のように構成された計量米びつ1は、
図12に示すように、操作レバー70の操作受付部78が導入位置に配置された状態で、ドラム60の導入口61dと落下口25aとが、カバー80の開口部83を介して互いに連通する。これに伴って、貯留室11内の米はこれら開口61d,25a,83を通ってドラム60内に落下し、所定の量の米がドラム60内に貯留される。一方、投下口212はその全体が周壁61aにより塞がれ、投下口212を通した米の落下は規制される。
【0149】
このとき、
図12に示すように、操作レバー70の保持用当接片77は、筐体本体50の保持突起257の下方であって保持突起257が保持用当接片77に上方から当接可能な位置に配置され、この当接により、操作レバー70の導出位置側への移動は規制される。
【0150】
この状態から、操作受付部78が下方に押圧操作されると、操作レバー70は、回動する。ただし、上記のように、操作レバー70の導出位置側への移動は保持突起257と保持用当接片77との当接により規制されており、この当接を解除する力が加えられて初めて操作レバー70は回動する。具体的には、所定以上の力が加えられと、保持用当接片77は保持突起257を乗り越えて上方に移動し、操作レバー70は回動する。
【0151】
そして、操作レバー70が回動すると、
図13に示すように、操作力伝達部75が上方
に搖動し、これに伴って、操作力伝達部75に係合しているドラム60の被操作突起63が上方に移動する。具体的には、操作力伝達部75が被操作突起63の上側の当接壁63aに下方から当接することで、被操作突起63が上方に押上げられる。詳細には、このとき、操作力伝達部75は、被操作突起63の溝63d内を周壁61aの径方向外側に摺動しながら上方に移動する。
【0152】
これにより、被操作突起63およびドラム60はドラム60の周壁61aの軸回りに搖動し、周壁61aがカバー80の開口部83を塞いでいく。操作受付部78が下側の導出位置まで移動すると、周壁61aは、カバー80の開口部83および落下口25aの全体を塞ぎ、開口部83および落下口25aからドラム60内への米の落下が規制される。一方、周壁61aの導入口61dと投下口212とが連通するようになり、投下口212からドラム60内の米が落下する。落下した米は、トレー90内に貯留される。このようにして、一定量の米がトレー90内に投下される。
【0153】
ここで、操作受付部78が導出位置まで移動する途中、操作レバー70の下端
部は、保持用係止片254を下方に押圧し、保持用係止片254の膨出部254aの上端(膨出部254aの最も上方に膨出している部分)を乗り越えて後方に移動する。従って、操作受付部78が導出位置まで移動して、操作レバー70の下端
部が膨出部254aの上端よりも後方まで移動すると、保持用係止片254が弾性復帰することで膨出部254aが操作レバー70の下端
部に後方から当接するようになる。そして、これにより、操作レバー70の下端
部の前方への移動、すなわち、操作受付部78の上方への回転が規制されて、操作レバー70が導入位置側に戻るのが規制される。
【0154】
また、
図14,
図15を参照して前記説明したように、操作レバー70が導入位置から導出位置に移動すると、引き出しストッパ310は下方に移動して、引き出しストッパ310
の切欠き311a内に、引き出し防止用壁95の上端部が挿入される。そして、トレー90の前後方向の移動が規制される。
【0155】
一方、米をトレー90に投下した後等において操作受付部78が上方へ押圧操作されたときは、操作力伝達部75が下方に搖動して被操作突起63の下側の当接壁63aに上方から当接することで、被操作突起63が下方に押し下げられる。そして、これにより、周壁61aが投下口212を塞ぐ方向にドラム60は回転し、
図12に示す状態に戻る。このとき操作レバー70は、膨出部254aを下方に押圧しつつ回転する。
【0156】
また、引き出しストッパ310が上方に移動してトレー90の前後方向の移動が許容される。また、上記のように、操作レバー70が導入位置まで回動されるのに伴い、保持用当接片77が保持突起257を乗り越えてその下方に配置され、これらの当接によって操作レバー70の回動が規制される状態となる。
【0157】
(4)作用等
以上のように、本実施形態の計量米びつ1では、貯留体110と下部体120とを容易に分解することができる。さらに、ドラム60を上方に引き上げることで容易に筐体本体50から取り外すことができるとともに、ドラム60を上方から容易に筐体本体50に装着することができる。従って、ドラム60の洗浄やドラム60周りのメンテナンスを容易に行うことができる。
【0158】
また、ドラム60のドラム支軸62,62が升部61の左右両側壁61b,61bから左右外側に延びており、升部61の内側に軸部が貫通していない。そのため、升部61内に米を円滑に落下させることができる。また、升部61内により均等に米を導入することができ、米をより適切に計量することができる。
【0159】
ここで、ドラム60を回転可能に筐体本体50に支持しつつドラム60を筐体本体50に対して容易に脱着可能とするためには、筐体本体50とドラム60との連結は強固でない方が好ましい。しかしながら、このようにした場合には、ドラム60が安定して回転しにくくなる。特に、上記のように、本実施形態では、ドラム60を上方から第1凹部210に挿入するだけでドラム60を筐体本体50に装着できるようになっており、ドラム60の着脱を非常に容易に行うことができる。しかしながら、ドラム60の回転軸の上半部が支持されないため、ドラム60の回転が不安定になりやすい。
【0160】
これに対して、本実施形態では、ドラム60の周壁61aに、径方向外側に突出する被操作突起63,63が設けられて、この被操作突起63,63と操作レバー70(操作力伝達部75)とが係合するようになっている。すなわち、ドラム60の周壁61aに、操作レバー70を介して操作力が加えられるようになっている。そのため、ドラム60に、その軸方向についてより均等に力を付与することができ、ドラム60を安定して回転させることができる。特に、ドラム60の周壁61a部分は、周壁61aで囲まれた収容室61c内に米が導入されることでその重量が他の部分よりも大きくなる。従って、この重量の大きい周壁61aに直接的に操作力が加えられることで、ドラム60を安定して回転させることができる。
【0161】
また、本実施形態では、被操作突起63が、ドラム60の周壁61aの周方向に並ぶ一対の当接壁63a,63aを有し、これら当接壁63a,63aの内側に操作力伝達部75が挿入されることで被操作突起63と操作力伝達部75とが係合されている。そして、操作力伝達部75が上下方向の変位(回転)する際には、いずれの方向であっても操作力伝達部75が当接壁63aに当接してこれを押圧操作するようになっている。そのため、操作レバー70に加えられた操作力をより確実に被操作突起63およびドラム60に伝達することができ、操作性が良好になる。
【0162】
さらに、当接壁63a,63a間に形成された溝63dが、ドラム60の周壁61aの径方向外側に開放して、上記のように、この開放端から当接壁63a,63a内に容易に操作力伝達部75を挿入および当接壁63a,63aから引き抜くことができるようになっている。そのため、上記のように、操作力をドラム60により適切に付与可能としつつ、ドラム60を容易に脱着可能として利便性を高めることができる。
【0163】
また、本実施形態では、2つの被操作突起63が設けられて、これら被操作突起63が、升部61の周壁61aの軸と直交し且つ周壁61aの軸方向の中心を通る平面を基準として、互いに対称となる位置に設けられている。すなわち、これら被操作突起63が、周壁61aの軸方向の中心線に対して互いに対称となる位置に設けられている。そのため、より確実に操作力をドラム60にその軸方向について均一に付与することができる。
【0164】
また、本実施形態では、操作レバー70が、ドラム60の回転軸と平行に延びる軸回りに回転するように支持されている。そのため、簡単な構成で、操作受付部78および操作力伝達部75が上下方向に変位可能な状態で、操作レバー70を安定して支持することができる。具体的には、例えば、操作レバー70を上下方向にスライド変位させるように筐体本体50に支持することもできるが、この場合には、構造が複雑になる。また、この場合には、操作レバー70に加えられた力が、ドラム60の回転軸と平行な方向について不均一である場合には、そのまま、ドラム60に加えられる力も不均一になりやすい。これに対して、本実施形態では、操作レバー70に加えられた力がドラム60の回転軸と平行な方向について不均一であっても、両操作力伝達部75の動きは同じに維持されるので、ドラム60をその回転軸と平行な方向についてより均一に操作することができる。
【0165】
また、本実施形態では、操作レバー70の操作受付部78と操作力伝達部75とが、前後方向、すなわち、ドラム60の周壁61aの軸すなわちドラム60の回転軸と直交する方向に延びる側壁73の両端にそれぞれ設けられているとともに、前後方向についてこれら操作受付部78と操作力伝達部75との間の位置を通る軸回りに操作レバー70が回転するようになっている。
【0166】
そのため、操作受付部78に加えられた力をより適切に操作力伝達部75およびドラム60に伝えることができる。具体的には、例えば、操作レバー70と操作力伝達部75とがリンク機構等を介して接続されている場合には構造が複雑になる。また、例えば、操作受付部78と操作力伝達部75との間で操作レバー70が屈曲している場合等では、操作レバー70に加えらえた力のドラム60の軸方向についての分布が偏るおそれがある。これに対して、この実施形態では、簡単な構成で、操作受付部78に加えられた力をドラム60の軸方向についてより均一にドラム60に伝えることができる。
【0167】
また、本実施形態では、保持用係止片254、より詳細には、保持用係止片254の膨出部254aによって、操作レバー70が導出位置から導入位置側に回転するのが規制される。そのため、米をトレー90に導出する場合において、操作レバー70が導出位置に維持されるように操作受付部78を押圧し続ける必要がなく、利便性が高められる。
【0168】
特に、本実施形態では、上下方向に弾性変位する保持用係止片254を用いて操作レバー70の移動を規制しており、簡単な構成でこの規制を実現することができるとともに、操作レバー70を容易に導入位置側に操作することもできる。
【0169】
さらに、本実施形態では、操作レバー70が導出位置にある際には、引き出しストッパ310によって、トレー90の前方への引き出しが規制される。そのため、米をトレー90に導出している際に、トレー90が前方に引き出されて、米がトレー90以外の床等に散乱するのを抑制することができ、利便性が高められる。
【0170】
また、本実施形態では、第1凹部210に挿入されたドラム60の上半部が、カバー80によって覆われる。さらに、カバー80は、ドラム60を覆った状態で筐体本体50に係止される。そのため、上記のように、ドラム60の下半部のみを第1凹部210内に収容させる構成としてドラム60の着脱を容易にしつつ、ドラム60のがたつきを抑制することができる。特に、本実施形態では、カバー80を係止するための係止孔215aが、升部61を収容する升収容部211の左右方向の中心に対して対称となる位置に設けられている。そのため、カバー80によって升部61の変位をその軸方向についてより均等に規制することができ、ドラム60を安定して回転させることができる。
【0171】
また、本実施形態では、貯留体110が、互いに別体の貯留体本体20と補強板30とで構成されて、補強板30が貯留体本体20の開口20aに係合されるようになっている。そのため、貯留体110の変形を抑制することができる。
【0172】
具体的には、上記のように、本実施形態では、貯留体110と下部体120とが着脱可能に連結されており、貯留体110の剛性が確保しにくい。そのため、多量の米が貯留室11に導入されると、その重みによって貯留体110の側壁21が変形するおそれがある。これに対して、この実施形態では、貯留体本体20の側壁21の上縁で囲まれた開口20aに、補強板30が係合されることで、側壁21の変形が補強板30により規制される。そのため、側壁21ひいては貯留体110の変形を抑制することができる。
【0173】
しかも、本実施形態では、このように貯留体本体20と補強板30とを別体としつつ、これらの外周面が上下に平坦に連続するようになっており、貯留体本体20ひいては計量
米びつ1の見栄えを良好にすることができる。
【0174】
また、本実施形態では、補強板30に開口30aが形成され、この開口30aを開閉する蓋部40が設けられるとともに、蓋部40と補強板30との間にパッキン300が挟み込まれるようになっている。そのため、開口30aを通して容易に米を貯留室11内に導入することを可能としつつ、開口部30aを介して水が貯留室11内に進入するのを抑制することができる。
【0175】
(5)変形例
上記実施形態では、ドラム60が左右方向、すなわち、計量米びつ1の幅方向(短手方向)に延びるように配置された場合について説明したが、ドラム60の中心軸が計量米びつ1の長手方向に沿って延びるようにドラム60を配置してもよい。
【0176】
操作レバー70の具体的な形状およびこれの支持構造は上記に限らない。例えば、操作レバー70は上下方向当にスライド移動可能に支持されてもよい。
【0177】
上記実施形態では、升収容部211およびドラム軸受214にそれぞれドラム60の升部61の下半部およびドラム支軸62,62の下半部が挿入される場合について説明したが、升収容部211およびドラム軸受214に収容される部分はこれに限らない。
【0178】
また、筐体本体50の立壁215に形成される係止孔215aの数や配置は、上記に限らない。上記保持用係止片(操作部材規制部)254、ストッパ310は省略可能である。
【0179】
また、補強板30と、貯留体本体20とを一体に成形してもよい。