(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)成分:酢酸ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびポリビニルアセタール樹脂から選ばれる1種以上の高分子を15〜65質量%と、
(B)成分:水を25〜75質量%と、
(C)成分:溶解度パラメーター(SP値)が7.5〜11.0である有機溶剤を0.5〜10質量%と、
(D)成分:キレート剤と、
を含有し、
前記(C)成分/前記(D)成分(無水の酸型として)で表される質量比が0.5〜20である清浄化用皮膜形成剤。
請求項1から5のいずれか1項に記載の清浄化用皮膜形成剤を清浄化対象面に対して塗布し、前記清浄化対象面上に前記清浄化用皮膜形成剤により皮膜を形成し、次いで前記皮膜を清浄化対象面より剥離することにより前記清浄化対象面の清浄化処理を行うことを特徴とする清浄化処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施態様に係る清浄化用皮膜形成剤及びそれを用いた清浄化処理方法について、実施形態を示して説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
[実施形態]
本実施形態の清浄化用皮膜形成剤は、下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分を含む。
【0013】
[(A)成分]
(A)成分は、酢酸ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびポリビニルアセタール樹脂から選ばれる1種以上の高分子である。
(A)成分に用いる高分子は、皮膜形成性を有する。ここで皮膜形成性とは、剥離可能な皮膜を形成できる性質である。例えば、大気圧条件下において2cm×10cmの範囲に高分子の水分散液または水溶液を厚み0.05〜0.5mmとなるように塗布し、48時間放置したときに、皮膜が形成されるものである。このようにして形成される皮膜は、手等で剥離可能なものであることが好ましい。
【0014】
このような皮膜形成性を有する高分子としては、(メタ)アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂が好ましく、特に好ましくは酢酸ビニル樹脂である。皮膜形成性高分子にこれらを用いることで、高い清浄化処理能力が得られる。
【0015】
(A)成分の含有量は、清浄化用皮膜形成剤の全体質量あたり15〜60質量%が好ましい。15質量%以上とすることで皮膜が破けにくく、60質量%以下とすることで凝集物が生じない。(A)成分の含有量は、特に25〜60質量%が好ましい。
【0016】
(A)成分は、ガラス転移温度が0〜100℃である。(A)成分のガラス転移温度は、好ましくは0〜50℃である。(A)成分のガラス転移温度を0℃以上とすることで、破けない強靭な皮膜を形成することができる。(A)成分のガラス転移温度を50℃以下とすることで、常温において皮膜を形成できる。(A)成分のガラス転移温度は、皮膜形成及びその強度からより好ましくは5〜35℃、更に好ましくは10〜25℃である。ガラス転移温度はJIS−K−7121に規定するプラスチック転移温度測定方法により得られる値である。
【0017】
(酢酸ビニル樹脂)
酢酸ビニル樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体または酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸エステル類を除く上記エチレン性不飽和単量体との共重合体が挙げられる。本実施形態の酢酸ビニル樹脂としては、清浄化処理能力の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニルの含有量は、25〜99モル%とすると凸凹面を含む複雑な形状でも破けにくい強靭な皮膜を形成することができる。
【0018】
酢酸ビニル樹脂のゲル分率は、20〜60%が好ましい。ゲル分率がこの範囲内であると、凸凹面を含む複雑な形状でも破けにくい強靭な皮膜をつくることができる。
ゲル分率は、例えば以下のように測定されるトルエン不溶分である。酢酸ビニル樹脂の水分散液又は水溶液を基材上に塗布し、乾燥してフィルム(皮膜)を形成する。乾燥した皮膜を細かく切って試料とし、この試料(約0.250〜0.350g)の質量を1mgまで秤量する(質量A)。次に、フラスコにトルエンを100ml量り採り、前記試料を加えて完全密封する。完全密封した状態で室温において16±2時間静置させた後、前記フラスコ内の溶液をマグネチックスターラで1時間撹拌する。その後、この溶液をNo.2濾紙で濾過する。予めに、アルミ皿の質量を測定し(質量B)、No.2濾紙でろ過したろ液をアルミ皿に20ml量り採る。アルミ皿を乾燥させ、乾燥後の質量(アルミサラ及びろ液の乾燥物の合計量)を1mgまで秤量し(質量C)、トルエン不溶分(質量%)を下記式(1)により計算する。
トルエン不溶分(質量%)=100−[(質量C−質量B)×5/質量A]×100 ・・・(1)
以上の操作を3回繰り返し(つまり、測定n数は3とする)それらの平均値をその酢酸ビニル樹脂のゲル分率(質量%)とする。
【0019】
((メタ)アクリル樹脂)
(メタ)アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステルに基づく構成単位を有する重合体である。(メタ)アクリル樹脂は、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂の総称である。(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの総称である。
(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル類の単独重合体、(メタ)アクリル酸エステル類の共重合体、または(メタ)アクリル酸エステル類と(メタ)アクリル酸エステル類以外のエチレン性不飽和単量体の共重合体が挙げられる。
本実施形態の(メタ)アクリル樹脂としては、清浄化処理能力の観点から、2種以上の(メタ)アクリル酸エステル類の共重合体が好ましい。該共重合体は、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸エステル以外の他のエチレン性不飽和単量体との共重合体であってもよい。
【0020】
(メタ)アクリル酸エステル類としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、または(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシフェニルエチルが挙げられる。
【0021】
エチレン性不飽和単量体としては、少なくとも1個の重合可能なビニル基を有するものであればよい。このようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル鎖を有する不飽和単量体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ビニルピロリドン等の複素環式ビニル化合物、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、酢酸ビニルやアルカン酸ビニルに代表されるビニルエステル類、モノオレフィン類(エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等)、共役ジオレフィン類(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、α,β−不飽和モノもしくはジカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等)、アクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、アクロレインやダイアセトンアクリルアミド等のカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体、またはp−トルエンスルホン酸等のスルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体が挙げられる。
【0022】
(塩化ビニル樹脂)
塩化ビニル樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、または塩化ビニル−各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル樹脂を用いることができる。本実施形態の塩化ビニル樹脂としては、清浄化処理能力の観点からポリ塩化ビニルが好ましい。
【0023】
(ウレタン樹脂)
ウレタン樹脂はポリオール成分とポリイソシアネート化合物との反応によって得られるウレタン結合を有する樹脂である。ウレタン樹脂としては、ポリウレタン樹脂およびアクリルウレタン樹脂が挙げられる。ポリウレタン樹脂はポリオール成分としてポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールが単独または併用で用いられ、アクリルウレタン樹脂はアクリルポリオールが用いられる。本実施形態のウレタン樹脂としては、清浄化処理能力の観点からポリウレタン樹脂が好ましい。
【0024】
ポリウレタン樹脂としては、ポリエーテルポリオールを用いたエーテル型、ポリエステルポリオールを用いたポリエステル型、ポリエーテルポリオールとポリエステルポリオールを用いたエステル・エーテル型、又はポリカーボネートポリオールを用いたカーボネート型が挙げられる。本実施形態のポリウレタン樹脂としては、これらのなかでもエステル型とエステル・エーテル型が好ましく、特に好ましくはエステル・エーテル型である。
【0025】
(ポリビニルアルコール樹脂)
ポリビニルアルコール樹脂としては、けん化度65.0〜99.0モル%、重合度300〜4000のポリビニルアルコールを用いることが好ましい。特に好ましくは、けん化度85.0〜99.0モル%、重合度500〜2500のポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
【0026】
(ポリビニルアセタール樹脂)
ポリビニルアセタール樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、またはポリビニルアセトアセタール樹脂が挙げられる。ポリビニルブチラール樹脂は水酸基量20〜40モル%、アセチル基量20モル%、ブチラール化度55〜80モル%のものが好ましい。また、ポリビニルアセトアセタール樹脂はアセタール化度5〜30モル%、重合度500〜4000のものが好ましい。本実施形態のポリビニルアセタール樹脂としては、清浄化処理能力の観点からポリビニルアセトアセタール樹脂が特に好ましい。
【0027】
[(B)成分]
(B)成分は水である。本実施形態の(B)成分は蒸留水、イオン交換水、または超純水が好ましい。(B)成分の清浄化用皮膜形成剤における含有量は、清浄化用皮膜形成剤の全体質量に対して25〜80質量%が好ましい。(B)成分の含有量は25〜75質量%がさらに好ましい。
【0028】
[(C)成分]
(C)成分は、溶解度パラメーター(SP値)が7.5〜11.0である有機溶剤である。
【0029】
本発明における溶解度パラメーター(SP値)とは、ハンセン溶解度パラメータのことを指し、2成分系溶液の溶解度の目安となる指標である。
(C)成分に用いる各有機溶剤のSP値δ((cal/cm3)
1/2)を計算するための方法として、下記式(2)を用いた。
δ=((δd
2+δp
2+δh
2)/4.2)
1/2 ・・・(2)
ここで、δdはLondon分散力項、δpは分子分極項、δhは水素結合項という。
また、ハンセン溶解度パラメータ・ソフトウェア(HSPiP ver.4.1.x)、あるいは、“HANSEN SOLBILITY PARAMETERS” A User’s Handbook Second Editionに記載される値(δd、δp、δh:単位(J/cm
3)
1/2)をもとに算出する事が出来る。
また、(C)成分に有機溶剤を複数使用する場合のSP値は、下記式(3)により、各有機溶剤のSP値の加重平均として求めた。
m=δ1φ1+δ2φ2 ・・・(3)
ここでδ1、δ2は各溶剤成分のSP値であり、φ1、φ2は各溶剤成分の体積分率である。
【0030】
(C)成分に用いる有機溶剤のSP値は、7.5〜11.0である。前記SP値が7.5以上で皮膜形成高分子の凝集物が生じにくく、11.0以下で十分な造膜性が得られる。前記SP値は清浄化処理能力の観点から8.5〜10.5の範囲が好ましい。前記SP値は9.0〜10.0であると、特に低温においても良好な清浄化処理能力が得られる。
【0031】
(C)成分に用いる有機溶剤としては、清浄化処理能力の観点から下記構造式(4)で表されるグリコールエーテル系溶剤が好ましい。
RO−(AO)
n−R’ ・・・(4)
式中、Rは炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基またはアリル基であり、R’は水素原子、炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基、アセチル基から選ばれる官能基を表し、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を表し、nは平均付加モル数で0.1〜20を表す。
【0032】
前記グリコールエーテル系溶剤は、清浄化処理能力の観点から、Rが炭素数4〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、AOが炭素数2のオキシエチレン基、nが0.1〜10が好ましい。また、造膜性の観点からR’が水素原子のグリコールエーテル、R’がアセチル基のグリコールエーテルアセテートが好ましく、グリコールエーテルアセテートがより好ましい。
【0033】
前記R’が水素原子のグリコールエーテルとしては、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値=10.7)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値=10.7)、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル(SP値=10.9)、エチレングリコールモノブチルエーテル(SP値=10.2)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値=10.0)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(SP値=10.0)、エチレングリコールモノイソブチルエーテル(SP値=9.1)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(SP値=9.9)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(SP値=9.7)、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(SP値=9.3)、エチレングリコールモノアリルエーテル(SP値=10.8)、エチレングリコールモノフェニルエーテル(SP値=10.8)、エチレングリコールモノベンジルエーテル(SP値=10.9)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値=10.0)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値=9.7)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値=9.4)、プロピレングリコールモノプロピルエーテル(SP値=9.6)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(SP値=9.8)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(SP値=9.0)、またはジプロピレングリコールモノブチルエーテル(SP値=9.6)等が挙げられる。
【0034】
R’がアルキル基のジアルキルグリコールエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル(SP値=8.6)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(SP値=8.8)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(SP値=8.7)、またはジエチレングリコールジブチルエーテル(SP値=8.3)等が挙げられる。
【0035】
R’がアセチル基のグリコールエーテルアセテートとしては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値=10.0)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(SP値=9.6)、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(SP値=8.9)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(SP値=9.4)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(SP値=9.0)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値=9.4)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(SP値=9.0)、またはジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(SP値=9.2)等が挙げられる。
【0036】
(C)成分の清浄化用皮膜形成剤における含有量は、清浄化用皮膜形成剤の全体質量に0.1〜10.0質量%が好ましい。前記含有量を0.5質量%以上とすることで低温下でも良好な造膜性が得られて十分な清浄化処理能力が得られる。また、前記含有量を10.0質量%以下とすることで皮膜が破けにくく十分な清浄化処理能力が得られる。
【0037】
[(D)成分]
(D)成分はキレート剤である。(D)成分の種類は特に限定されず、公知のキレート剤のなかから適宜選択できる。具体的には、たとえば有機カルボン酸類、アミノカルボン酸類、ホスホン酸類、ホスホノカルボン酸類、又はリン酸類等が挙げられる。キレート剤としては、これらの中でもアミノカルボン酸類、又はホスホン酸類が好ましく、より好ましくはアミノカルボン酸類、特に好ましくはエチレンジアミンテトラ酢酸塩、ジヒドロキシエチルグリシンの塩である。
【0038】
前記有機カルボン酸類は、カルボキシ基を有する化合物であり、該カルボキシ基は塩を形成していてもよい。有機カルボン酸類は、官能基としてカルボキシ基のみを有するものであってもよく、カルボキシ基以外の官能基を有するものであってもよい。カルボキシキ以外の官能基を有する有機カルボン酸類としては、たとえばヒドロキシカルボン酸(塩)が挙げられる。有機カルボン酸類の具体例としては、たとえば酢酸、アジピン酸、モノクロル酢酸、シュウ酸、コハク酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、グリコール酸、ジグリコール酸、乳酸、酒石酸、カルボキシメチル酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、もしくはグルコン酸、またはそれらの塩等が挙げられる。
【0039】
アミノカルボン酸類としては、ニトリロトリ酢酸、イミノジ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミノペンタ酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酢酸、トリエチレンテトラヘキサ酢酸、エチレングリコールジエーテルジアミンテトラ酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸、シクロヘキサン−1,2−ジアミンテトラ酢酸、もしくはメチルグリシン二酢酸、またはそれらの塩等が挙げられる。
【0040】
ホスホン酸類としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸およびその誘導体、1−ヒドロキシエタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、もしくはアミノトリメチレンホスホン酸、またはそれらの塩等が挙げられる。
【0041】
ホスホノカルボン酸類としては、2−ノスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、もしくはα−メチルホスホノコハク酸、またはそれらの塩等が挙げられる。
【0042】
リン酸類としては、オルソリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸、ヘキサメタリン酸、もしくはフィチン酸等の縮合リン酸、またはそれらの塩等が挙げられる。
【0043】
塩としては、ナトリウムもしくはカリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン、または、ジエタノールアミンもしくはトリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。塩としては、中でもアルカリ金属塩が好ましく、カリウム塩がより好ましい。
これらのキレート剤はいずれか1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0044】
(D)成分は、無水の酸型として清浄化用皮膜形成剤の全体質量に対して0.1〜3.5質量%の範囲で含有しているのが好ましい。前記含有量により、清浄化処理能力がより優れたものとなる。
【0045】
[(C)成分/(D)成分(無水の酸型として)で表される質量比]
(C)成分/(D)成分(無水の酸型として)で表される質量比(以下、C/D比)は0.5〜20であり、好ましくは1.0〜12.5、より好ましくは1.5〜7.5である。C/D比が0.5以上で低温下での造膜性を確保できる。C/D比が20以下で皮膜が破けにくく、清浄化処理の操作が可能で十分な清浄化処理の効果を得ることができる。C/D比を1.5〜7.5とすることで、低温下でも特に良好な造膜性と清浄化処理能力を両立することができる。
【0046】
[(A)成分/(D)成分(無水の酸型として)で表される質量比]
(A)成分/(D)成分(無水の酸型として)で表される質量比(以下、A/D比)は10〜200が好ましい。10〜200とすることでより良好な清浄化処理能力が得られる。より好ましくは20〜160、さらに好ましくは45〜120である。
【0047】
[(E)成分]
本実施形態の清浄化用皮膜形成剤は、(E)成分を含有していてもよい。(E)成分は、(E)溶解度パラメーター(SP値)が12.5〜18.0である有機溶剤である。有機溶剤の種類としては、多価アルコールが好ましく、炭素数2〜4の2〜3価アルコールがより好ましく、炭素数2〜4の2価アルコールがさらに好ましくプロピレングリコールがより特に好ましい。
【0048】
(E)成分は、SP値を12.5〜18.0とすることが好ましい。(E)成分のSP値をこの値とすることで、皮膜に柔軟性が付与されて皮膜が割れにくくなり、清浄化用皮膜形成剤の清浄化処理能力がより向上する。(E)成分のSP値は、清浄化処理能力の観点から13.0〜17.0が好ましく、14.0〜16.0がより好ましい。
【0049】
(E)成分の含有量は、清浄化用皮膜形成剤の全体質量に対して0.1〜10質量%が好ましい。0.1〜10質量%とすることでより良好な清浄化処理能力が得られる。
【0050】
[(A)成分/((C)成分+(E)成分)]で表される質量比]
(A)成分/((C)成分+(E)成分))成分で表される質量比(以下、A/(C+E)比)は、7.0〜50.0が好ましい。A/(C+E)比を7.0以上とすることで十分な皮膜強度が得られる。A/(C+E)比を50以下とすることで低温下でも割れにくい柔軟な皮膜が得られ、良好な清浄化処理能力が得られる。A/(C+E)比は、より好ましくは8.0〜30.0、特に好ましくは9.0〜22.5である。
【0051】
[任意成分]
本発明の清浄化用皮膜形成剤には、さらに上記以外の任意成分を配合できる。例えば、可溶化剤、乳化剤、可塑剤、pH調整剤、剥離向上剤、除菌剤、抗菌剤、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、無機微粒子、紫外線吸収剤、苦味剤、色素、顔料、充填剤、または香料等が挙げられる。
【0052】
pH調製剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、もしくはアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンやトリエタノールアミン)等のアルカリ剤;塩酸もしくは硫酸等の無機酸;クエン酸、リンゴ酸もしくは酒石酸等の有機酸;または、パラトルエンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、もしくは安息香酸等の酸剤が挙げられる。
【0053】
[調製方法]
本実施形態の清浄化用皮膜形成剤の調整方法の一例としては、ビーカー等の容器に(B)成分の一部(例えば、50〜80質量%)を投入し、撹拌しつつ(A)成分を次第に投入し、攪拌することで高分子化合物の水溶液あるいは水分散液を得る。また、予め(A)成分が(B)成分に溶解あるいは分散された市販品を容器に直接投入してもよい。
次に、必要に応じてpH調整剤を適量加えてpHを調整した後、(C)成分、(D)成分、必要に応じて(E成分)、(B)成分(水)の残分、および剥離向上剤等を加えてさらに攪拌することで、清浄化用皮膜形成剤を得ることができる。
【0054】
[清浄化処理方法]
ついで、本実施形態の清浄化用皮膜形成剤を用いた清浄化処理方法について説明する。本実施形態の清浄化処理方法では、清浄化用皮膜形成剤を清浄化対象面に対して塗布し、前記清浄化用皮膜形成剤を乾燥させて皮膜を形成し、前記皮膜を清浄化対象面から剥離することにより、前記清浄化対象面の清浄化処理を行う。
ここで清浄化処理とは、清浄化対象面の物質表面に付着した汚れを取り除く処理を指す。汚れとは、清浄化対象面以外の物質を広く指す可能性があるが、主な汚れとしては埃、土埃等や、それらが水分を含んで付着した後、水分を失ったものがある。清浄化処理能力とは、汚れを取り除く性能を広く指すが、主に効率(時間あたり表面上の汚れの物質を低減できる量)、特に1回の清浄化処理操作(本実施形態では、1回皮膜を形成し、取り除く操作)によって清浄化対象面の表面からどれだけの汚れを除去できるかを指す。
【0055】
清浄化対象面としては、トイレ、浴室、台所、流し、またはリビング等様々な場所に存在する物質の表面が挙げられる。特に、これらは細かい隙間または凹凸面を有することがあり、それらの面に好適に用いることができる。清浄化対象面の材質としてはプラスチック、硝子、金属またはゴム等の種類のものが挙げられる。
【0056】
ついで、本実施形態の清浄化用皮膜形成剤を汚れが付着した清浄化対象面に対して塗布する。
清浄化用皮膜形成剤の塗布方法は、筆もしくはペン等による塗布、またはエアゾールもしくはスプレー等によって清浄化対象面に吹きつけることにより行ってもよい。
前記塗布をエアゾールまたはスプレー等により行う場合、清浄化用皮膜形成剤を吹き付け操作が行いやすいよう選択した容器に充填する。清浄化用皮膜形成剤を充填する容器の形状は円柱、角柱、または円錐等でもよく、材質としてはプラスチック等の樹脂、または缶等の金属が挙げられる。
このとき、後で皮膜を剥がす目的のために、清浄化用皮膜形成剤の塗布前の清浄化対象面、又は塗布後の流動状態の清浄化用皮膜形成剤に対して、取っ手となる紙またはプラスチック板を設置しておいてもよい。
【0057】
ついで、清浄化対象面上に清浄化用皮膜形成剤による皮膜を形成する。皮膜とは、形成された状態(後述する、流動性を有さなくなった状態)において、目安として0.05〜10mm程度の厚みを有する膜である。皮膜の形成は、清浄化用皮膜形成剤を固体(流動性を有さない状態)とすることで行うことができる。本実施形態では、皮膜の形成は清浄化用皮膜形成剤を乾燥させて行う。ここで乾燥は、水分等の溶媒を除去することである。乾燥を行う程度、すなわち清浄化用皮膜形成剤の含水率を低下させる量としては、目安として清浄化用皮膜形成剤が固体になるまで行えばよい。
乾燥する際は、自然乾燥すなわち清浄化用皮膜形成剤を放置して表面から自然に水分を蒸発させ、これを皮膜が形成されるまで行ってもよい。また、ドライヤー、扇風機、または換気扇などによる風を清浄化用皮膜形成剤に当てるといった手段を併用してもよい。清浄化用皮膜形成剤を塗布後、塗布した面に吸水性を有する粉末をふりかけて、清浄化用皮膜形成剤から水分を除去してもよい。
【0058】
前記清浄化対象面に清浄化用皮膜形成剤を塗布する段階で、清浄化対象面の表面上の汚れが、清浄化対象面から清浄化用皮膜形成剤の側に取り込まれることで、清浄化対象面から汚れが除去される。また、前記皮膜を形成する過程、例えば清浄化用皮膜形成剤を乾燥させるために放置している過程でも、清浄化対象面からの汚れの除去が行われる。
【0059】
ついで、清浄化対象面上に形成された皮膜を剥離する。皮膜を剥離する際には、本実施形態の皮膜であれば、端を指でつまんではがす等でごく容易に行うことができる。または、ヘラまたは竹串など先端が鋭利な道具を使用して、清浄化対象面の表面から皮膜をはがし取る操作を併用してもよい。または、前記取っ手となる紙またはプラスチック板を設置しておいた場合は、皮膜の形成にしたがってこの取っ手が皮膜と一体化しているので、取っ手をつまんで皮膜をはがしてもよい。皮膜が硬くはがれにくい場合は、皮膜が再び流動化しない程度まで水をふきつけ、柔らかくなった皮膜を手に取ってはがす、または道具を用いてはがしてもよい。
【実施例】
【0060】
以下、実施例を詳細に説明する。
【0061】
[(A)成分:酢酸ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、およびポリビニルアセタール樹脂から選ばれる1種以上の高分子]
A1:アクリル酸エステル共重合体のエマルション(昭和電工株式会社、製品名:ポリゾール(登録商標)AP604、固形分:40%、ガラス転移温度(Tg):8℃)。
A2:アクリル−スチレン共重合体のエマルション(BASFジャパン株式会社、製品名:YJ2720Dap、固形分:48%、ガラス転移温度(Tg):9℃)。
A3:ポリ酢酸ビニルのエマルション(日信化学工業株式会社、製品名:ビニブラン(登録商標)GV6181、固形分50%、ガラス転移温度(Tg):30℃)。
A4:エチレン-酢酸ビニル共重合体のエマルション(住化ケムテックス株式会社、製品名:SUMIKAFLEX (登録商標)S-752、固形分:50%、ガラス転移温度(Tg):15℃)。
A5:ポリ塩化ビニルのエマルション(日信化学工業株式会社、製品名:ビニブラン603EML、固形分50%、ガラス転移温度(Tg):10℃)。
A6:エチレン-塩化ビニル共重合体のエマルション(住化ケムテックス株式会社、製品名:SE1010、固形分:50%、ガラス転移温度(Tg):0℃)。
A7:ポリウレタンのエマルション(第一工業株式会社、製品名:スーパーフレックス(登録商標)150、固形分:30%、ガラス転移温度(Tg):40℃)。
A8:アクリルウレタンのエマルション(中央理化工業株式会社、製品名:リカボンドSU−100、固形分:33.5%、ガラス転移温度(Tg):0℃)。
【0062】
[(B)成分:水]
B1:イオン交換水。
【0063】
[(C)成分:溶解度パラメーター(SP値)が7.5〜11.0である有機溶剤]
C1:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(SP値=9.0)。
C2:ジエチレングリコールジブチルエーテル(SP値=8.3)。
C3:エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(SP値=8.9)。
C4:2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオールモノイソブチラート(SP値=9.0)。
C5:エチレングリコールモノブチルエーテル(SP値=10.2)。
C6:ジエチレングリコールモノメチルエーテル(SP値=10.7)。
【0064】
[(C’)成分:(C)成分の比較品]
C’1:N−メチル−2−ピロリドン(SP値=11.2)。
【0065】
[(D)成分:キレート剤]
(D)成分の含有量はキレート剤の無水の酸型としての含有量を実施例の表に示した。
D1:エチレンジアミン四酢酸2カリウム(キレスト株式会社、製品名:キレスト(登録商標)2K−SD)。
D2:エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム(キレスト株式会社、製品名:キレスト2B−SD)。
D3:ジヒドロキシエチルグリシンカリウム塩(キレスト株式会社、製品名:キレストGAを水酸化カリウムで中和(pH7)したものを用いた)。
D4: ジヒドロキシエチルグリシンナトリウム塩(キレスト株式会社、製品名:キレストGAを水酸化ナトリウムで中和(pH7)したものを用いた。
D5:クエン酸3ナトリウム(扶桑化学工業株式会社、製品名:クエン酸ナトリウム)。
【0066】
[(E)成分:溶解度パラメーター(SP値)が12.5〜18.0である有機溶剤]
E1:プロピレングリコール(SP値=14.7)。
E2:ジプロピレングリコール(SP値=12.9)。
E3:トリエチレングリコール(SP値=13.4)。
E4:エチレングリコール(SP値=16.1)。
E5:グリセリン(SP値=17.6)。
【0067】
また、pH調整剤は水酸化カリウム水溶液(固形分25%)または水酸化ナトリウム水溶液(固形分25%)を、剥離向上剤にはポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(フォスファノール(登録商標)RS610、東邦化学株式会社)を使用した。
【0068】
[実施例1〜33、比較例1〜5の調製方法]
表1〜3の組成(質量%)に従い、300mLビーカーに(B)成分(水)全投入量の8割を投入し、マグネチックスターラ(日伸理化製:SW−R800、1200rpm)で撹拌しているところへ(A)成分(高分子化合物)を5質量部/分の速度で投入し、25℃で60分間攪拌することで高分子化合物の水溶液あるいは水分散液を得た。次に、pH調整剤をpHが7.0になるまで加えた後、(C)成分(溶解度パラメーター(SP値)が7.5〜11.0である造膜助剤)、(D)成分(キレート剤)、(E)成分(溶解性パラメータ(SP値)が12.5〜18.0である有機溶剤)、(B)成分(水)の残分、および剥離向上剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸(フォスファノールRS610、東邦化学株式会社)を加えてさらに30分間攪拌することで、清浄化用皮膜形成剤を得た。
なお、表中の「バランス」は、清浄化用皮膜形成剤の全量が組成分の合計で100質量%となる量である。
【0069】
[評価方法]
(低温清浄化処理能力)
清浄化対象面として一般家庭用のアルミ製サッシレール(幅2cm×長さ5cm)を用いた。この清浄化対象面上に、黒土(株式会社マルケイ)約100mgを均等にばらまくことで土埃汚れを作成した。
次に、土埃汚れが形成された上記サッシレール上に、10cm
2の面積の範囲に厚さ0.1〜0.3mmの膜厚の皮膜が形成されるように適量の清浄化用皮膜形成剤(原液)を滴下し、0〜5℃の恒温室で24時間静置後の、土埃汚れの除去状態を下記基準で目視評価(N=10)し、平均点を評価点数とした。なお、評価方法は、皮膜剥離後のレールを上方から撮影した写真を2値化処理(Windowsアプリケーション「ペイント」でグレースケール保存)し、
図1に示すような、別途作成した標準見本と比較して採点した。3点以上を合格とした。
これらの低温清浄化処理能力を表1〜表5の評価結果に示した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
表1に示すように、実施例1に比べて成分(A)含有量を減少させた実施例2、3は清浄化処理能力が低下したが、合格の範囲内であった。(C)成分の含有量を減少させた実施例4、5及び増加させた実施例7、8では清浄化処理能力が低下したが、合格の範囲内であった。表2に示すように、(D)成分のキレート剤に実施例1と同じものを用いた実施例9に対して、異なるものを用いた実施例10、12および13では清浄化処理能力が低下したが、合格の範囲内であった。(D)成分にジヒドロキシエチルグリシン−Kを用いた実施例11では実施例1と同様の効果が得られた。C/D比を減少させた実施例14、15及び増加させた実施例16、17では清浄化処理能力が低下したが、合格の範囲内であった。表3に示すように、(E)成分を添加した実施例18〜22では清浄化処理能力は上昇した。A/(C+E)比を調整した実施例23〜26では清浄化処理能力は上昇した。表4に示すように、(A)成分に実施例1と異なるものを用いた実施例27〜33では清浄化処理能力が低下したが、合格の範囲内であった。本実施形態の範囲内である実施例1〜33は、いずれも合格の範囲内の良好な結果を示した。
【0076】
これに対して、表5に示すように、(C)成分を有さない比較例1、(D)成分を有さない比較例2、C/D比が本実施例の範囲外の比較例3および4、(C)成分に異なる成分を用いた比較例5は、いずれも低温清浄化処理能力が合格基準を満たさなかった。比較例1及び2は、低温で皮膜自体をうまく造膜することができなかった。
以上の結果より、本実施形態の清浄化用皮膜形成剤は、良好な低温での清浄化処理能力を示すことが明らかとなった。