(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理情報には、更に、アプリケーション識別子ごとに、該アプリケーション識別子に対応する通信アプリケーションを備える端末の種別が対応づけられており、ユーザ識別子ごとに、着信時に優先すべき端末の種別が設定されており、
前記選択手段は、発信元の端末から受信した発信先のユーザ識別子に基づき、該発信先のユーザ識別子に設定されている着信時に優先すべき端末の種別を前記管理情報から抽出し、発信元の端末及び抽出された端末の種別に該当する発信先の端末の両方が備える複数の通信アプリケーションのうち、1以上の通信アプリケーションを選択する、請求項1に記載の制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。
【0011】
<システム構成>
図1は、実施の形態に係る通信アプリケーション制御システムの構成例を示す図である。本通信アプリケーション制御システムは、制御装置10と、複数の端末20
1〜端末20
4とを有する。
図1には4つの端末20
1〜端末20
4が示されているが、図示の便宜上であり、端末の数は5つ以上でもよいし3つ以下でもよい。以下の説明において、任意の端末20
1〜20
4を示す場合、「端末20」と記載する。
【0012】
制御装置10は、各端末20にインストールされている通信アプリケーションを把握しており、端末20からの要求に応じて、端末20間で通話に用いられる通信アプリケーションの選択を行う装置である。以下の説明において「通信アプリケーション」を「通信アプリ」と省略して記載することがある。
【0013】
端末20は、ユーザが利用する通信端末であり、例えば、PC(Personal Computer)、携帯(スマートフォン、タブレットなど)等である。端末20には少なくとも1つ以上の通信アプリケーションがインストールされている。通信アプリケーションは、例えば、スマートフォンにプリインストールされているダイヤルアプリケーション、IPパケットによる無料通話が可能なアプリケーション、サービス提供者により割当てられた050番号を用いて通話が可能なアプリケーションなどである。
【0014】
また、各端末20にインストールされている通信アプリケーションは異なっていてもよい。また、各端末20にインストールされている通信アプリケーションの数に制約はない。また、本通信アプリケーション制御システムでは、1人のユーザが複数の端末20(例えば、PC及びスマートフォンなど)を利用することを許容する。また、端末20にインストールされる通信アプリケーションには、複数の端末20で排他的に発着信を行う機能(例えば、PC及び携帯の両方にインストール可能であるが、発着信はいずれか一方でのみ可能とする機能)を有する通信アプリケーションを含む。
【0015】
通信アプリ1サーバ30
1及び通信アプリ2サーバ30
2は、それぞれ通信アプリケーション1及び通信アプリケーション2に対応して呼処理を行うサーバである。通信アプリ1サーバ30
1及び通信アプリ2サーバ30
2は、例えば通信アプリケーションを提供する第三者(サードパーティー)が構築するサーバを想定しているが、これに限定されるのではなく、本通信アプリケーション制御システムの一部であってもよい。以下の説明において、任意の通信アプリ1サーバ30
1及び通信アプリ2サーバ30
2を示す場合、「通信アプリサーバ30」と記載する。
【0016】
<機能構成>
(制御装置)
図2は、実施の形態に係る制御装置の機能構成例を示す図である。本実施の形態に係る制御装置10は、通信部100と、ユーザ管理部101と、選択部102と、通知部103と、記憶部104とを有する。記憶部104には、端末20を利用しているユーザに関する情報と、各端末20にインストールされている通信アプリケーションに関する情報とを含むユーザ管理情報と、通信アプリケーションごとに複数の属性(特徴)の各々に関する順位づけを示す通信アプリケーション管理情報とが記憶されている。
【0017】
通信部100と、ユーザ管理部101と、選択部102と、通知部103と、記憶部104とは、1つのコンピュータを用いて実現されてもよいし、異なるコンピュータを用いて実現されていてもよいし、細かい単位でコンピュータが分散されていてもよい。すなわち、制御装置10は、1又は複数のコンピュータを用いて実現されていてもよい。また、当該1又は複数のコンピュータは、仮想化技術を利用した仮想サーバであってもよいし、クラウド上に実装された仮想サーバであってもよい。
【0018】
ここで、制御装置10の機能構成を説明する前に、ユーザ管理情報及び通信アプリ管理情報の具体例について説明する。
図3にユーザ管理情報の一例を示す。「ユーザID」は、ユーザを一意に識別するための識別子である。「通信アプリID」は、ユーザが利用している1以上の端末の各々にインストールされている通信アプリケーションを識別する識別子である。「搭載端末」は、「通信アプリID」に対応する通信アプリケーションがインストールされている端末20を示している。例えば、
図3の例では、ユーザAは端末(携帯)20
1及び端末(PC)20
2を利用しており、更に、端末(携帯)20
1には通信アプリケーション1〜3がインストールされ、端末(PC)20
2には通信アプリケーション2及び3がインストールされていることを示している。なお、「搭載端末」の括弧内(「携帯」又は「PC」)は端末20の種別を意図している。
図3の例では、端末20の種別として「携帯」又は「PC」が記載されているが、これに限定されず、他の種別が設定されてもよい。
【0019】
「電話番号/電話ID」は、通信アプリケーションの各々に割当てられる呼識別子であり、ユーザ毎及び通信アプリケーション毎に異なる。例えば、
図3の例では、ユーザAが利用する端末(携帯)20
1にインストールされている通信アプリケーション1には、内線番号の呼識別子として「11111」と、外線番号の呼識別子として「08012345678」が割当てられている。この場合、他のユーザが利用する端末20の通信アプリケーション1が「08012345678」に発呼した場合、他のユーザが利用する端末20の通信アプリケーション1とユーザAが利用する端末(携帯)20
1の通信アプリケーション1との間で通話が行われることになる。また、例えば、ユーザAが利用する端末20
1(携帯)及び端末20
2(PC)にインストールされている通信アプリケーション2には、呼識別子として「Ap2_User_a」が割当てられている。この場合、他のユーザが利用する端末20の通信アプリケーション2が「Ap2_User_a」に発呼した場合、他のユーザが利用する端末20の通信アプリケーション2とユーザAが利用する端末(携帯)20
1又は端末(PC)20
2の通信アプリケーション2との間で通話が行われることになる。端末(携帯)20
1又は端末(PC)20
2のうち、どちらの端末に着信するかについては前述した"排他的に発着信を行う機能"により決定されることを想定している。
【0020】
「起動状態(優先接続)」は、通信アプリケーションが、当該通信アプリケーションがインストールされている複数の端末20のうちいずれか1つで着信可能である場合に設定される情報である。つまり、「起動状態(優先接続)」は、当該通信アプリケーション宛に着信があった場合に、優先的に着信する端末20を示しており、前述した"排他的に発着信を行う機能"により決定される。例えば、
図3の例では、ユーザAの通信アプリケーション2の「起動状態(優先接続)」は「PC」に設定されている。この場合、他のユーザが利用する端末20の通信アプリケーション2が「Ap2_User_a」に発呼した場合、他のユーザが利用する端末20の通信アプリケーション2とユーザAが利用する端末(PC)202の通信アプリケーション2との間で通話が行われることになる。なお、「起動状態(優先接続)」の設定値は、各端末20から通知されてユーザ管理情報に格納されることを想定している。
【0021】
「内線エリアへの在圏」は、通信アプリケーションの「電話番号/電話ID」に内線番号が割当てられている場合に設定される情報である。内線番号が割当てられている通信アプリケーションがインストールされている端末20が、内線通話が可能なエリアに在圏している場合、「内線エリアへの在圏」に「在圏」が設定される。一方、当該端末20が、内線通話が可能なエリアに在圏していない場合、「内線エリアへの在圏」に「非在圏」が設定される。
【0022】
「内線グループ」は、通信アプリケーションの「電話番号/電話ID」に内線番号が割当てられている場合に設定される情報であり、その内線番号で通話が可能な内線グループを示す情報が設定される。なお、本実施の形態における内線通話は、同一の内線グループ内でのみ許可される前提である。
【0023】
「発信時優先設定」は、複数の通信アプリケーションにより提供される複数の通話方法のうち、ユーザが優先すべきと希望している属性(特徴)を示す。例えば、「コスト優先」が設定されている場合、ユーザは、複数の通話方法のうち、最も低コストである通話方法を希望していることを意味する。同様に、「音質優先」又は「セキュリティ優先」が設定されている場合、ユーザは、複数の通話方法のうち、それぞれ、最も高音質又は高セキュリティである通話方法を希望していることを意味する。
【0024】
「着信時優先設定」は、ユーザが利用している複数の端末20のうち、着信を優先させたい端末20の種別を示している。「携帯優先」に設定されている場合、ユーザは、複数の端末20のうち、端末20の種別が「携帯」である端末20での着信を希望していることを示す。「PC優先」に設定されている場合、ユーザは、複数の端末20のうち、端末20の種別が「PC」である端末20での着信を希望していることを示す。「設定無し」に設定されている場合、ユーザは、複数の端末20のうちどの端末20で着信を受けてもよいと希望していることを示す。
【0025】
図4に通信アプリケーション管理情報の一例を示す。「内外線種別」は、通信アプリケーションが内線通話及び外線通話の両方に対応している場合に設定される。
図4の例では、通信アプリケーション1は、内線通話及び外線通話の両方に対応している(つまり、内線番号及び外線番号の両方が割当てられている)ことを示している。なお、「内外線種別」は省略されてもよい。
【0026】
「利用可能端末」は、通信アプリケーションが利用可能な端末20の種別を示している。
図4の例では、通信アプリケーション1は「携帯」である端末20でのみ利用可能であり、通信アプリケーション2及び3は「携帯」及び「PC」である端末20で利用可能であることを示している。なお、「利用可能端末」は省略されてもよい。
【0027】
「特徴毎の順位」は、通信アプリケーションに関する様々な特徴(例えば、通話コスト、セキュリティ強度、音声品質など)について、通信アプリケーション間の順位を示す情報である。
図4の例では、音声品質は、通信アプリケーション1の外線通話が最も良好であることを示している。また、通話コストは、通信アプリケーション2が最も安価であることを示している。
図4の例では、通信アプリケーションに関する様々な特徴として、通話コスト、セキュリティ強度、及び、音声品質が示されているが、これに限定されず、他の特徴が設定されていてもよい。
図2に戻り説明を続ける。
【0028】
通信部100は、端末20と通信する機能を有する。また、通信部100は、端末20からの発信を受け付けると共に、発信を受け付けたことを選択部102に通知する機能を有する。
【0029】
ユーザ管理部101は、各ユーザが利用している各端末20にインストールされている通信アプリケーションに関する情報を収集し、収集した情報をユーザ管理情報に格納する機能を有する。なお、ユーザ管理部101は、当該情報の収集を、端末20に問い合わせることで行うようにしてもよいし、ユーザからの入力により収集するようにしてもよい。
【0030】
選択部102は、通信の発信元の端末20から受信した発信元及び発信先のユーザ識別子(例えば
図3に示す「ユーザID」)とユーザ管理情報とに基づき、発信元のユーザが利用する1以上の発信元の端末20及び発信先のユーザが利用する1以上の発信先の端末20の両方が備える複数の通信アプリケーションのうち、1以上の通信アプリケーションを選択すると共に、該選択された通信アプリケーションであって発信先の端末20が備える通信アプリケーションに割当てられる呼識別子(例えば
図3に示す「電話番号/電話ID」)を選択する機能を有する。
【0031】
また、選択部102は、通信の発信元の端末20から受信した発信先のユーザ識別子と、該発信元のユーザ識別子に設定される属性(例えば
図3に示す「発信時優先設定」)とに基づき、発信元のユーザが利用する1以上の発信元の端末20及び発信先のユーザが利用する1以上の発信先の端末20の両方が備える複数の通信アプリケーションのうち、発信元のユーザ識別子に設定される属性に関する通信アプリケーション間の順位(例えば
図4に示す「特徴毎の順位」)に基づいて、1以上の通信アプリケーションを選択するようにしてもよい。
【0032】
また、選択部102は、発信元の端末20から受信した発信先のユーザ識別子に基づき、該発信先のユーザ識別子に設定されている着信時に優先すべき端末20の種別(例えば
図3に示す「起動状態(優先接続)」)をユーザ管理情報から抽出し、発信元の端末20及び抽出された端末20の種別に該当する発信先の両方が備える複数の通信アプリケーションのうち、1以上の通信アプリケーションを選択するようにしてもよい。
【0033】
通知部103は、選択部102で選択された通信アプリケーションのアプリケーション識別子(例えば
図3に示す「通信アプリID」)と呼識別子(例えば
図3に示す「電話番号/電話ID」)とを、通信の発信元の端末20に通知する機能を有する。
【0034】
(端末)
図5は、実施の形態に係る端末の機能構成例を示す図である。本実施の形態に係る端末20は、通信部200と、アプリ制御部201と、アプリ状態管理部202と、1以上の通信アプリケーション203とを有する。
【0035】
通信部200と、アプリ制御部201と、アプリ状態管理部202と、1以上の通信アプリケーション203とは、1つのコンピュータを用いて実現されてもよいし、異なるコンピュータを用いて実現されていてもよいし、細かい単位でコンピュータが分散されていてもよい。
【0036】
通信部200は、制御装置10と通信する機能を有する。
【0037】
アプリ制御部201は、当該端末20にインストールされている1以上の通信アプリケーション203を制御する機能を有する。また、アプリ制御部201は、更に、送信部2011、取得部2012及び制御部2013を含む。送信部2011は、通信の発信先のユーザを識別するユーザ識別子を制御装置10に送信する。また、取得部2012は、制御装置10から、端末20自身が備える1以上の通信アプリケーション203のうち、通信に利用すべき通信アプリケーション203のアプリケーション識別子と、通信の発信先に対応する呼識別子とを取得する。また、制御部2013は、取得部2012で取得したアプリケーション識別子に対応する通信アプリケーション203を起動すると共に、取得部2012で取得した呼識別子を該通信アプリケーション203に設定することで、発信先のユーザの端末20に発呼する。
【0038】
アプリ状態管理部202は、通信アプリケーション203に関する情報を制御装置10に送信する。通信アプリケーション203に関する情報とは、例えば、
図3で説明した各項目(「ユーザID」、「電話アプリID」、「搭載端末」、「電話番号/電話ID」、「起動状態(優先接続)」、「内線エリアへの在圏」、「内線グループ」)の全部又は一部である。アプリ状態管理部202は、通信アプリケーション203に関する情報が更新された場合(例えば、「起動状態(優先接続)」が変更された場合、又は、「内線エリアへの在圏」が変更された場合など)に、変更後の通信アプリケーション203に関する情報を制御装置10に送信するようにしてもよい。
【0039】
<動作例>
(動作例(その1))
図6は、実施の形態に係る通信アプリケーション制御システムが行う動作例(その1)を示すシーケンス図である。
図6を用いて、ユーザAからユーザBに発信する際に、本通信アプリケーション制御システムが行う動作例(その1)について説明する。なお、
図6において、端末20
1はユーザAが利用する端末20であり、端末20
3は、ユーザBが利用する端末20であると仮定する。また、各ユーザは1つの端末20を利用している前提とする。また、ユーザ管理情報には、
図3に示すユーザ管理情報のうち、端末の種別が「携帯」である端末20のみが設定されていると仮定する。
【0040】
まず、制御装置10のユーザ管理部101は、端末20
1及び端末20
3から、端末20
1及び端末20
3にそれぞれインストールされている通信アプリケーション203に関する情報を収集してユーザ管理情報に格納する(S101)。なお、ステップS101の処理手順は省略されてもよい。この場合、ユーザ管理情報は予めユーザ(ユーザA及びユーザB)の入力操作などにより予め記憶部104に格納されている前提とする。
【0041】
続いて、ユーザAの指示により、端末20
1の送信部2011は、発信元ユーザID(ユーザA)及び発信先ユーザID(ユーザB)を制御装置10に送信する(S102)。続いて、制御装置10の選択部102は、ユーザAが利用する端末20
1、及び、ユーザBが利用する端末20
3の間で通信に用いることが可能な通信アプリケーション及び発信先ユーザの電話番号/電話IDを選択する(S103)。通信アプリケーション及び発信先ユーザの電話番号/電話IDの選択方法については後述する。なお、選択される通信アプリケーション及び電話番号/電話IDは、それぞれ複数であってもよい。この場合、実際に通信に用いる通信アプリケーション又は電話番号/電話IDは、後述するステップS105でユーザの選択に委ねられる。
【0042】
続いて、通知部103は、ステップS103で選択された通信アプリケーションの通信アプリID及び発信先ユーザの電話番号/電話IDを端末20
1に通知する(S104)。端末20
1の取得部2012は、制御装置10から通知された「通信アプリID」及び「電話番号/電話ID」を取得する。
【0043】
続いて、端末20
1の制御部2013は、取得部2012で取得された「通信アプリID」に対応する通信アプリケーション203を起動し、取得部2012で取得された「電話番号/電話ID」で発信を行うように通信アプリケーション203に指示する。(S105)。なお、端末20
1の制御部2013は、取得部2012で、複数の「通信アプリID」又は複数の「電話番号/電話ID」を取得した場合、ユーザに対して実際に通信に用いる通信アプリケーション203の選択又は電話番号/電話IDの選択を促すと共に、ユーザにより選択された通信アプリケーション203を起動し、ユーザにより選択された電話番号/電話IDで発信を行うように通信アプリケーション203に指示する。
【0044】
続いて、端末20
1の通信アプリケーション203は、指示された「電話番号/電話ID」で発信を行い、端末20
3の通信アプリケーション203との間で、通信アプリサーバ30を介して通話が行われる(S106)。
【0045】
以上説明した動作例によれば、ユーザが利用する端末20で利用可能な複数の通信アプリケーションのうち、通話の相手先のユーザが利用する端末20で利用可能な通信アプリケーションの中で、適切な通信アプリケーションが自動的に選択されることになり、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0046】
(動作例(その2))
図7は、実施の形態に係る通信アプリケーション制御システムが行う動作例(その2)を示すシーケンス図である。
図7を用いて、ユーザAからユーザBに発信する際に、本通信アプリケーション制御システムが行う動作例(その2)について説明する。
図7の例では、
図6と異なり、各ユーザは複数の端末20を利用している前提とする。具体的には、端末20
1及び端末20
2はユーザAが利用し、端末20
3及び端末20
4はユーザBが利用している。また、端末20
1及び端末20
3の端末の種別は「携帯」であり、端末20
2及び端末20
4の端末の種別は「PC」であるとする。特に言及しない点は
図6と同一でよい。
【0047】
まず、制御装置10のユーザ管理部101は、端末20
1、端末20
2、端末20
3、及び端末20
4にそれぞれインストールされている通信アプリケーション203に関する情報を収集してユーザ管理情報に格納する(S201)。なお、
図6と同様、ステップS201の処理手順は省略されてもよい。
【0048】
続いて、ユーザAの指示により、端末20
1又は端末20
2の送信部2011は、発信元ユーザID(ユーザA)及び発信先ユーザID(ユーザB)を制御装置10に送信する。ここで、本実施の形態では、複数の端末20を利用するユーザは、任意の種別の端末20から発信を行うことができる。すなわち、制御装置10は、携帯の端末20
1から発信を受け付けてもよいし(S202)、PCの端末20
2から発信を受け付けてもよい(S203)。また、本実施の形態では、PCの端末20から発信を受け付けた場合であっても、実際の発信は、携帯の端末20から行われるように制御されるようにしてもよい。以下、実際の発信は、携帯の端末20
1から行われるように制御される前提で説明する。
【0049】
続いて、制御装置10の選択部102は、端末20
1及び端末20
3、若しくは、端末20
1及び端末20
4の間で通信に用いることが可能な通信アプリケーション及び発信先ユーザの電話番号/電話IDを選択する(S204)。通信アプリケーション及び発信先ユーザの電話番号/電話IDの選択方法については後述する。なお、選択される通信アプリケーション及び電話番号/電話IDは、それぞれ複数であってもよい。この場合、実際に通信に用いる通信アプリケーション又は電話番号/電話IDは、後述するステップS206でユーザの選択に委ねられる。
【0050】
続いて、通知部103は、ステップS204で選択された通信アプリケーションの通信アプリID及び発信先ユーザの電話番号/電話IDを端末20
1に通知する(S205)。端末20
1の取得部2012は、制御装置10から通知された「通信アプリID」及び「電話番号/電話ID」を取得する。
【0051】
続いて、端末20
1の制御部2013は、取得部2012で取得された「通信アプリID」に対応する通信アプリケーション203を起動し、取得部2012で取得された「電話番号/電話ID」で発信を行うように通信アプリケーション203に指示する。(S206)。なお、端末20
1の制御部2013は、取得部2012で、複数の「通信アプリID」/又は複数の「電話番号/電話ID」を取得した場合、ユーザに対して実際に通信に用いる通信アプリケーション203の選択又は電話番号/電話IDの選択を促すと共に、ユーザにより選択された通信アプリケーション203を起動し、ユーザにより選択された電話番号/電話IDで発信を行うように通信アプリケーション203に指示する。
【0052】
続いて、端末20
1の通信アプリケーション203は、指示された「電話番号/電話ID」で発信を行い、端末20
3又は端末20
4の通信アプリケーション203との間で通話が行われる(S207、S208)。なお、発信された呼が接続される端末の種別(
図7では携帯の端末20
3又はPCの端末20
4)の切替えは通信アプリサーバ30で行われるため、端末20
1は特に意識する必要はない。
【0053】
以上説明した動作例によれば、ユーザが利用する端末20で利用可能な複数の通信アプリケーションのうち、通話の相手先のユーザが利用する複数の端末20で利用可能な通信アプリケーションの中で、適切な通信アプリケーションが自動的に選択されることになり、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0054】
(通信アプリケーション及び発信先ユーザの電話番号/電話IDの選択方法について)
以上説明した
図6のステップS103又は
図7のステップS204の処理手順において、選択部102が行う通信アプリケーション及び発信先ユーザの電話番号/電話IDの選択方法について具体例を説明する。なお、特に断りが無い限り、ユーザ管理情報には
図3に示す情報が格納され、通信アプリ管理情報には
図4に示す情報が格納されている前提とする。また、以下に示す各選択方法は任意に組み合わせることが可能である。
【0055】
[選択方法(その1)]
選択方法(その1)では、選択部102は、発信先のユーザIDと、発信元のユーザIDに設定されている「発信時優先設定」とに基づき、発信元の端末20及び発信先の端末20の両方が備える複数の通信アプリケーションのうち、発信元のユーザIDに設定されている「発信時優先設定」に関する通信アプリケーション間の順位(通信アプリ管理情報の「特徴毎の順位」で示される順位)に基づいて1以上の通信アプリケーションを選択する。また、選択した通信アプリケーションのうち発信先のユーザの端末20に設定されている「電話番号/電話ID」を、発信先ユーザの電話番号/電話IDとして選択する。
【0056】
例えば、ユーザAからユーザBに発信する場合であり、「発信時優先設定」が「コスト優先」に設定されており、かつ、発信元の端末20及び発信先の端末20の両方が備える通信アプリケーションが通信アプリ1〜3であるとする。この場合、通信アプリ管理情報において最も通話コストが安価な通信アプリは通信アプリ2である。従って、選択部102は、"通信アプリ2"及び"Ap2_User_b"を選択する。
【0057】
同様に、ユーザAからユーザBに発信する場合であり、「発信時優先設定」が「セキュリティ優先」に設定されており、かつ、発信元の端末20及び発信先の端末20の両方が備える通信アプリケーションが通信アプリ1〜3であるとする。この場合、通信アプリ管理情報において最もセキュリティが高い通信アプリは通信アプリ1である。従って、選択部102は、"通信アプリ1"及び"22222(内線番号)"、並びに、"通信アプリ1"及び"09034567890(外線番号)"を選択する。なお、選択部102は、更に、後述する「選択方法(その4)」及び/又は「選択方法(その5)」で説明する処理手順を組み合わせることで、いずれか一方の「電話番号/電話ID」を選択するようにしてもよい。
【0058】
同様に、ユーザAからユーザBに発信する場合であり、「発信時優先設定」が「音質優先」に設定されており、かつ、発信元の端末20及び発信先の端末20の両方が備える通信アプリケーションが通信アプリ1〜3であるとする。この場合、通信アプリ管理情報において最も音声品質が高い通信アプリは通信アプリ1であり、内外線種別は外線である。従って、選択部102は、"通信アプリ1"及び"09034567890(外線番号)"を選択する。
【0059】
[選択方法(その2)]
選択方法(その2)は、前述の
図7に示す動作例に適用可能な選択方法である。選択方法(その2)では、発信先のユーザが利用する端末20が複数存在する場合、選択部102は、発信先のユーザIDに設定されている「着信時優先設定」に基づき、発信先のユーザが利用する端末20のうち「着信時優先設定」に設定される種別の端末20と、発信元のユーザが発信に用いる端末20との間で通信に用いることが可能な1以上の通信アプリケーションを選択する。また、選択した通信アプリケーションのうち発信先のユーザの端末20に設定されている「電話番号/電話ID」を、発信先ユーザの電話番号/電話IDとして選択する。
【0060】
例えば、ユーザAからユーザBに発信する場合であり、ユーザBの「着信時優先設定」が「携帯優先」に設定されているとする。この場合、ユーザ管理情報において、ユーザBが利用する端末(携帯)20
3とユーザAが利用する端末20の両方にインストールされている通信アプリケーションは通信アプリ1及び通信アプリ3である。従って、選択部102は、"通信アプリ1"及び"22222(内線番号)"、通信アプリ1"及び"090234567890(外線番号)"、並びに、"通信アプリ3"及び"05023456789"を選択する。この場合、選択部102は、更に、「選択方法(その1)」で説明した選択方法を組み合わせることで、通信アプリケーションを1つに選択するようにしてもよい。また、"通信アプリ1"が選択された場合、更に、後述する「選択方法(その4)」及び/又は「選択方法(その5)」で説明する処理手順を組み合わせることで、いずれか一方の「電話番号/電話ID」を選択するようにしてもよい。
【0061】
また、ユーザAからユーザBに発信する場合であり、ユーザBの「着信時優先設定」が「PC優先」に設定されているとする。この場合、ユーザ管理情報において、ユーザBが利用する端末(PC)20
2とユーザAが利用する端末20の両方にインストールされている通信アプリケーションは通信アプリ2である。従って選択部102は、"通信アプリ2"及び"Ap2_User_b"を選択する。
【0062】
また、ユーザAからユーザBに発信する場合であり、ユーザBの「着信時優先設定」が「設定無し」に設定されているとする。この場合、ユーザ管理情報において、ユーザBが利用する各端末20とユーザAが利用する端末20の両方にインストールされている通信アプリケーションは通信アプリ1、通信アプリ2、及び通信アプリ3である。従って、選択部102は、
図3に示すユーザ管理情報に基づき、"通信アプリ1"及び"22222(内線番号)"、通信アプリ1"及び"090234567890(外線番号)"、"通信アプリ2"及び"Ap2_User_b"、並びに、"通信アプリ3"及び"05023456789"を選択する。この場合、選択部102は、更に、「選択方法(その1)」で説明した選択方法を組み合わせることで、通信アプリケーションを1つに選択するようにしてもよい。また、"通信アプリ1"が選択された場合、更に、後述する「選択方法(その4)」及び/又は「選択方法(その5)」で説明する処理手順を組み合わせることで、いずれか一方の「電話番号/電話ID」を選択するようにしてもよい。
【0063】
[選択方法(その3)]
選択方法(その3)は、前述の
図7に示す動作例に適用可能な選択方法である。選択方法(その3)は、選択方法(その2)で説明した選択方法に加えて、更に、発信先のユーザの通信アプリケーションにおける「起動状態(優先接続)」に基づき、発信先のユーザが利用する端末20と、発信元のユーザが発信に用いる端末20との間で通信に用いることが可能な1以上の通信アプリケーションを選択する。
【0064】
例えば、選択方法(その2)において、ユーザBからユーザAに発信する場合であり、ユーザAの「着信時優先設定」が「携帯優先」に設定されている場合、選択部102は、
図3に示すユーザ管理情報に基づき、"通信アプリ1"及び"11111(内線番号)"、通信アプリ1"及び"09012345678(外線番号)"、並びに、"通信アプリ3"及び"05012345678"を選択する。ここで、ユーザAの"通信アプリ2"の起動状態(優先接続)は「PC」であり、"通信アプリ3"の起動状態(優先接続)は「携帯」である。すなわち、"通信アプリ2"が選択されると、ユーザAのPCの端末20に着信することになる。ユーザAの「着信時優先設定」は「携帯優先」に設定されていることから、"通信アプリ2"が選択されるとユーザAの「着信時優先設定」と矛盾した通信アプリケーションが選択されてしまう。従って、選択部102は、"通信アプリ2"を選択肢の対象外とする。
【0065】
[選択方法(その4)]
選択方法(その4)は、内線番号及び外線番号の両方が設定されている通信アプリケーションが選択された場合に適用可能な選択方法である。選択方法(その4)では、選択部102は、ユーザ管理情報のうち、発信先及び発信元のユーザの通信アプリケーションにおける「内線グループ」が同一である場合に「電話番号/電話ID」として内線番号を選択し、「内線グループ」が異なる場合、「電話番号/電話ID」として外線番号を選択する。
【0066】
例えば、ユーザAからユーザBに発信する場合であり、通信アプリケーションとして"通信アプリ1"が選択されたとする。この場合、ユーザAの通信アプリ1とユーザBの通信アプリ1の内線グループは同一(グループ1)であることから、選択部102は、"通信アプリ1"及び"22222(内線番号)"を選択する。
【0067】
[選択方法(その5)]
選択方法(その5)も、内線番号及び外線番号の両方が設定されている通信アプリケーションが選択された場合に適用可能な選択方法である。選択方法(その5)は、発信先のユーザの通信アプリケーションにおける「内線エリアへの在圏」が「在圏」である場合に限り「電話番号/電話ID」として内線番号を選択し、「内線エリアへの在圏」が「非在圏」である場合、「電話番号/電話ID」として外線番号を選択する。
【0068】
例えば、ユーザAからユーザBに発信する場合であり、通信アプリケーション及び電話番号/電話IDとして"通信アプリ1"及び"22222(内線番号)"、及び、通信アプリ1"及び"09034567890(外線番号)"が選択されたとする。ここで、ユーザBの通信アプリ1の「内線エリアへの在圏」は「非在圏」である。これは、ユーザBの端末20は内線エリアに在圏していないため、内線番号による着信を受けることができないことを意味する。この場合、選択部102は、"通信アプリ1"及び"09034567890(外線番号)"を選択する。
【0069】
以上、通信アプリケーション及び発信先ユーザの電話番号/電話IDの選択方法について複数の選択方法を説明した。これにより、適切な通信アプリケーションが自動的に選択されることになり、ユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0070】
<実施形態の補足>
図6のステップS102、
図7のステップS202及びステップS203で送信される発信元ユーザID及び発信先ユーザIDは、それぞれ、電話番号又は電話IDであってもよい。電話番号又は電話IDはユーザ毎に一意であるため、選択部102は、
図6のステップS103又は
図7のステップS204で、電話番号又は電話IDから、発信元ユーザID及び発信先ユーザIDを特定することができる。
【0071】
以上、実施の形態に係る制御装置10及び端末20が有する各機能部は、これらが備えるCPU及びメモリなどのハードウェア資源を用いて、制御装置10及び端末20の各々で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。
【0072】
記憶部104は、制御装置10が備えるメモリ又は制御装置10にネットワークを介して接続される記憶装置等を用いて実現可能である。
【0073】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。実施の形態で述べたシーケンスは、矛盾の無い限り順序を入れ替えてもよい。