特許第6796487号(P6796487)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796487
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】環状ジペプチド高含有組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/18 20160101AFI20201130BHJP
   A23L 2/52 20060101ALN20201130BHJP
   A23L 2/00 20060101ALN20201130BHJP
   A61K 31/495 20060101ALN20201130BHJP
   A61P 3/10 20060101ALN20201130BHJP
   C07K 5/06 20060101ALN20201130BHJP
【FI】
   A23L33/18
   !A23L2/00 F
   !A23L2/00 T
   !A61K31/495
   !A61P3/10
   !C07K5/06
【請求項の数】5
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-528978(P2016-528978)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(86)【国際出願番号】JP2014083467
(87)【国際公開番号】WO2015194070
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2017年11月24日
【審判番号】不服2019-17754(P2019-17754/J1)
【審判請求日】2019年12月27日
(31)【優先権主張番号】特願2014-127768(P2014-127768)
(32)【優先日】2014年6月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 寿栄
(72)【発明者】
【氏名】山本 憲司
(72)【発明者】
【氏名】別府 佳紀
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 斉志
【合議体】
【審判長】 村上 騎見高
【審判官】 冨永 みどり
【審判官】 齊藤 真由美
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5456876(JP,B1)
【文献】 米国特許第4006261(US,A)
【文献】 特開2003−252896(JP,A)
【文献】 特開2011−062172(JP,A)
【文献】 特開2014−003971(JP,A)
【文献】 HOUSTON D. R. , et al.,Structure−Based Exploration of Cyclic Dipeptide Chitinase Inhibitors,J. Med. Chem.,2004年,Vol. 47,pp.5713−5720
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
JST7580/JSTPlus/JMEDPlus(JDream3)
PubMed
BIOSIS/CAPLUS/EMBASE/MEDLINE/WPIDS(STN)
C12N15/00-15/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.2×102〜1.0×106ppmである組成物であって、
前記アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩が、下記(1)〜(10)の1つ又は2つ以上の環状ジペプチドまたは塩であり、かつ各々の量範囲を満足する量で含有してなる、前記組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.40×105ppm
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm
【請求項2】
アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.2×10-1〜1.0×103mg/100mLである組成物であって、
前記アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩が、下記(1)〜(10)の1つ又は2つ以上の環状ジペプチドまたは塩であり、かつ各々の量範囲を満足する量で含有してなる、前記組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.50×102mg/100mL
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.40×102mg/100mL
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.50×102mg/100mL
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10-2〜0.90×102mg/100mL
【請求項3】
アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.20×10-2〜100重量%である組成物であって、
前記アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩が、下記(1)〜(10)の1つ又は2つ以上の環状ジペプチドまたは塩であり、かつ各々の量範囲を満足する量で含有してなる、前記組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.50×10重量%
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.40×10重量%
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.50×10重量%
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10-3〜0.90×10重量%
【請求項4】
アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドが大豆から得られたものである、請求項1〜のいずれか一項記載の組成物。
【請求項5】
アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドが茶から得られたものである、請求項1〜のいずれか一項記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド高含有組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アミノ酸が二つ結合した「ジペプチド」が機能性物質として注目されている。ジペプチドは単体アミノ酸にない物理的性質や新たな機能を付加することが可能であり、アミノ酸以上の応用範囲を有するものとして期待されている。なかでも、環状のジペプチドであるジケトピペラジンは、様々な生理活性を有することが知られており、医療・薬理分野において需要が拡大することが予想されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、2,5−ジケトピペラジン構造を有する環状ジペプチドが、抗うつ作用や学習意欲改善作用等を有することが報告されている。また、非特許文献1には、環状ジペプチドCyclo(His-Pro)が、体温を低下させたり、食欲を抑制させるなどの中枢神経系作用や、プロラクチン分泌を抑制したり、成長ホルモン分泌を促進するなどのホルモン様作用など多くの生理活性を示すことが記載され、環状ジペプチドCyclo(Leu-Gly)が記憶機能改善作用を示し、環状ジペプチドCyclo(Asp-Pro)が脂肪嗜好性抑制作用を示すとの報告がされている。非特許文献2には、抗菌作用や抗酸化作用を有する環状ジペプチドが報告されている。
【0004】
また、非特許文献3には、環状ジペプチドCyclo(Trp-Pro)に抗ガン作用、環状ジペプチドCyclo(His-Pro)、Cyclo(Gly-Pro)に抗菌作用、環状ジペプチドCyclo(His-Pro)に神経保護作用、環状ジペプチドCyclo(Gly-Pro)に記憶機能改善作用、環状ジペプチドCyclo(Tyr-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)に生物性除草剤としての作用があることが記載されている。また、環状ジペプチドの糖代謝への影響としては、酵母懸濁液をプロテアーゼ処理して得られる環状ジペプチドの一種シクロヒスチジルプロリンCyclo(His-Pro)によって耐糖性が増加し、Cyclo(His-Pro)が抗酸化活性を有することが報告されている(非特許文献4)。
【0005】
ダイエットホルモンとして知られるグルカゴン様ペプチド(GLP−1)は、30個または31個のアミノ酸からなるインクレチンであり、食事由来の脂肪、炭水化物摂取、およびたんぱく質に応答して腸内分泌L細胞から放出されるものである。このペプチドホルモンの放出は2型糖尿病の個体において低下することが見出され、2型糖尿病においてはGLP−1の放出を促進することは、糖尿病その他の関連疾患の治療のために有効であると考えられている(非特許文献5)。また、GLP−1は、正常な状態において、炭水化物摂取(グルコース摂取)に応答してインスリンの分泌を増加させ、脳の特定領域に働きかけ食欲を抑制する働きがあることも知られている(非特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2012−517998号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Peptides、16(1)、151-164(1995)
【非特許文献2】バイオサイエンスとインダストリー, 60(7), 454-457 (2002)
【非特許文献3】Chemical Reviews、112、3641-3716(2012)
【非特許文献4】J of Food Science, vol76(2) 2011
【非特許文献5】Nauckら、1993 J Clin Invest. 1993 Jan;91(1):301-7
【非特許文献6】Zanderら、2002 Lancet, 359, 824 -830 (2002)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
環状ジペプチドについては、生理活性を有するとの報告もあるが、依然として未解明の機能も多いと考えられる。
【0009】
本発明の課題は、好ましい生理作用を有する組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、環状ジペプチドの作用について鋭意検討した結果、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量がある特定量以上の高含量の組成物には、優れた糖代謝を改善する作用があることを見出した。さらに、糖代謝改善作用は特定の環状ジペプチドを一定の含量含ませることにより発揮されることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下を提供する:
1)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.2×10〜1.0×106ppmである組成物。
2)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩が、下記(1)〜(71)の1つ又は2つ以上の環状ジペプチドまたは塩であり、かつ各々の量範囲を満足する量で含有してなる、1)記載の組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.40×105ppm
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(5)シクロアルギニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm
(11)シクログルタミニルロイシン又はその塩の含有量:0.80×10〜1.30×105ppm
(12)シクロイソロイシルトレオニン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm
(13)シクロトレオニルトレオニン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm
(14)シクロメチオニルトレオニン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(15)シクロアラニルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(16)シクログリシルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(17)シクロアスパルチルセリン又はその塩の含有量:1.00×10〜1.60×105ppm
(18)シクロアルギニルアスパラギン酸又はその塩の含有量:0.90×10〜1.50×105ppm
(19)シクログリシルトリプトファン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm
(20)シクロヒスチジルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.40×105ppm
(21)シクロアスパルチルロイシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.80×105ppm
(22)シクロイソロイシルヒスチジン又はその塩の含有量:0.70×10〜1.20×105ppm
(23)シクロセリルロイシン又はその塩の含有量:0.70×10〜1.10×105ppm
(24)シクロイソロイシルアスパラギン酸又はその塩の含有量:0.70×10〜1.10×105ppm
(25)シクロセリルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(26)シクロフェニルアラニルトリプトファン又はその塩の含有量:0.07×10〜0.20×105ppm
(27)シクロアラニルロイシン又はその塩の含有量:1.40×10〜2.30×105ppm
(28)シクログルタミニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(29)シクロアルギニルバリン又はその塩の含有量:0.60×10〜1.00×105ppm
(30)シクログルタミルロイシン又はその塩の含有量:0.70×10〜1.10×105ppm
(31)シクロロイシルトリプトファン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm
(32)シクロトリプトファニルトリプトファン又はその塩の含有量:0.04×10〜0.07×105ppm
(33)シクロL−アラニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(34)シクロメチオニルアルギニン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm
(35)シクロリシルフェニルアラニン又はその塩の含有量:1.00×10〜1.60×105ppm
(36)シクロフェニルアラニルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.60×105ppm
(37)シクロトリプトファニルチロシン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.20×105ppm
(38)シクロアスパラギニルバリン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm
(39)シクログルタミニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.80×105ppm
(40)シクロアラニルセリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.80×105ppm
(41)シクロメチオニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm
(42)シクロメチオニルプロリン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm
(43)シクロアルギニルロイシン又はその塩の含有量:1.50×10〜2.30×105ppm
(44)シクロメチオニルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm
(45)シクロメチオニルアラニン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm
(46)シクロイソロイシルグルタミン酸又はその塩の含有:0.50×10〜0.90×105ppm
(47)シクロイソロイシルセリン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm
(48)シクロバリルセリン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm
(49)シクロメチオニルグリシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(50)シクロバリルトレオニン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.60×105ppm
(51)シクロバリルアルパラギン酸又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm
(52)シクログリシルプロリン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm
(53)シクロロイシルプロリン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm
(54)シクログルタミニルグリシン又はその塩の含有量:0.05×10〜0.09×105ppm
(55)シクロトリプトファニルリシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.40×105ppm
(56)シクログルタミニルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.60×105ppm
(57)シクロリシルグリシン又はその塩の含有量:1.00×10〜1.60×105ppm
(58)シクロセリルリシン又はその塩の含有量:1.60×10〜2.60×105ppm
(59)シクロバリルリシン又はその塩の含有量:0.90×10〜1.50×105ppm
(60)シクロアスパラギニルリシン又はその塩の含有量:0.60×10〜1.10×105ppm
(61)シクロヒスチジルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(62)シクロトレオニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(63)シクロアスパルチルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(64)シクロアスパラギニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm
(65)シクロアルギニルセリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(66)シクロアスパラギニルメチオニン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(67)シクログルタミニルメチオニン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.20×105ppm
(68)シクロトリプトファニルアルギニン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm
(69)シクロアスパラギニルアルギニン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(70)シクロアスパラギニルプロリン又はその塩の含有量:0.05×10〜0.09×105ppm
(71)シクロアルギニルアルギニン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm。
3)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩として下記(1)〜(10)の1つ又は2つ以上が下記の量範囲で含まれる、1)または2)記載の組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.40×105ppm。
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(5)シクロアルギニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm
4)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.2×10-2〜1.0×103mg/100mLである組成物。
5)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩が、下記(1)〜(71)の1つ又は2つ以上の環状ジペプチドまたは塩であり、かつ各々の量範囲を満足する量で含有してなる、4)記載の組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.50×102mg/100mL
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.40×102mg/100mL
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(5)シクロアルギニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.50×102mg/100mL
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10-2〜0.90×102mg/100mL
(11)シクログルタミニルロイシン又はその塩の含有量:0.80×10-2〜1.30×102mg/100mL
(12)シクロイソロイシルトレオニン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.50×102mg/100mL
(13)シクロトレオニルトレオニン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.50×102mg/100mL
(14)シクロメチオニルトレオニン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(15)シクロアラニルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(16)シクログリシルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(17)シクロアスパルチルセリン又はその塩の含有量:1.00×10-2〜1.60×102mg/100mL
(18)シクロアルギニルアスパラギン酸又はその塩の含有量:0.90×10-2〜1.50×102mg/100mL
(19)シクログリシルトリプトファン又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.30×102mg/100mL
(20)シクロヒスチジルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.40×102mg/100mL
(21)シクロアスパルチルロイシン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.80×102mg/100mL
(22)シクロイソロイシルヒスチジン又はその塩の含有量:0.70×10-2〜1.20×102mg/100mL
(23)シクロセリルロイシン又はその塩の含有量:0.70×10-2〜1.10×102mg/100mL
(24)シクロイソロイシルアスパラギン酸又はその塩の含有量:0.70〜1.10×102mg/100mL
(25)シクロセリルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(26)シクロフェニルアラニルトリプトファン又はその塩の含有量:0.07×10-2〜0.20×102mg/100mL
(27)シクロアラニルロイシン又はその塩の含有量:1.40×10-2〜2.30×102mg/100mL
(28)シクログルタミニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(29)シクロアルギニルバリン又はその塩の含有量:0.60×10-2〜1.00×102mg/100mL
(30)シクログルタミルロイシン又はその塩の含有量:0.70×10-2〜1.10×102mg/100mL
(31)シクロロイシルトリプトファン又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.30×102mg/100mL
(32)シクロトリプトファニルトリプトファン又はその塩の含有量:0.04×10-2〜0.07×102mg/100mL
(33)シクロL−アラニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(34)シクロメチオニルアルギニン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.50×102mg/100mL
(35)シクロリシルフェニルアラニン又はその塩の含有量:1.00×10-2〜1.60×102mg/100mL
(36)シクロフェニルアラニルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.60×102mg/100mL
(37)シクロトリプトファニルチロシン又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.20×102mg/100mL
(38)シクロアスパラギニルバリン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.50×102mg/100mL
(39)シクログルタミニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.50×10-2〜0.80×102mg/100mL
(40)シクロアラニルセリン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.80×102mg/100mL
(41)シクロメチオニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.30×102mg/100mL
(42)シクロメチオニルプロリン又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.30×102mg/100mL
(43)シクロアルギニルロイシン又はその塩の含有量:1.50×10-2〜2.30×102mg/100mL
(44)シクロメチオニルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.30×102mg/100mL
(45)シクロメチオニルアラニン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.50×102mg/100mL
(46)シクロイソロイシルグルタミン酸又はその塩の含有:0.50×10-2〜0.90×102mg/100mL
(47)シクロイソロイシルセリン又はその塩の含有量:0.50×10-2〜0.90×102mg/100mL
(48)シクロバリルセリン又はその塩の含有量:0.50×10-2〜0.90×102mg/100mL
(49)シクロメチオニルグリシン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(50)シクロバリルトレオニン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.60×102mg/100mL
(51)シクロバリルアルパラギン酸又はその塩の含有量:0.50×10-2〜0.90×102mg/100mL
(52)シクログリシルプロリン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.50×102mg/100mL
(53)シクロロイシルプロリン又はその塩の含有量:0.50×10-2〜0.90×102mg/100mL
(54)シクログルタミニルグリシン又はその塩の含有量:0.05×10-2〜0.09×102mg/100mL
(55)シクロトリプトファニルリシン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.40×102mg/100mL
(56)シクログルタミニルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.60×102mg/100mL
(57)シクロリシルグリシン又はその塩の含有量:1.00×10-2〜1.60×102mg/100mL
(58)シクロセリルリシン又はその塩の含有量:1.60×10-2〜2.60×102mg/100mL
(59)シクロバリルリシン又はその塩の含有量:0.90×10-2〜1.50×102mg/100mL
(60)シクロアスパラギニルリシン又はその塩の含有量:0.60×10-2〜1.10×102mg/100mL
(61)シクロヒスチジルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(62)シクロトレオニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(63)シクロアスパルチルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(64)シクロアスパラギニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.30×102mg/100mL
(65)シクロアルギニルセリン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(66)シクロアスパラギニルメチオニン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(67)シクログルタミニルメチオニン又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.20×102mg/100mL
(68)シクロトリプトファニルアルギニン又はその塩の含有量:0.10×10-2〜0.30×102mg/100mL
(69)シクロアスパラギニルアルギニン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(70)シクロアスパラギニルプロリン又はその塩の含有量:0.05×10-2〜0.09×102mg/100mL
(71)シクロアルギニルアルギニン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL。
6)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩として下記(1)〜(10)の1つ又は2つ以上が下記の量範囲で含まれる、4)または5)記載の組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10-2〜0.50×102mg/100mL
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.40×102mg/100mL
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(5)シクロアルギニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10-2〜0.50×102mg/100mL
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10-2〜0.70×102mg/100mL
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10-2〜0.90×102mg/100mL

7)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.20×10-3〜100重量%である組成物。
8)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩が、下記(1)〜(71)の1つ又は2つ以上の環状ジペプチドまたは塩であり、かつ各々の量範囲を満足する量で含有してなる、7)記載の組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.50×10重量%
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.40×10重量%
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(5)シクロアルギニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.50×10重量%
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10-3〜0.90×10重量%
(11)シクログルタミニルロイシン又はその塩の含有量:0.80×10-3〜1.30×10重量%
(12)シクロイソロイシルトレオニン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.50×10重量%
(13)シクロトレオニルトレオニン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.50×10重量%
(14)シクロメチオニルトレオニン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(15)シクロアラニルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(16)シクログリシルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(17)シクロアスパルチルセリン又はその塩の含有量:1.00×10-3〜1.60×10重量%
(18)シクロアルギニルアスパラギン酸又はその塩の含有量:0.90×10-3〜1.50×10重量%
(19)シクログリシルトリプトファン又はその塩の含有量:0.10×10-3〜0.30×10重量%
(20)シクロヒスチジルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.40×10重量%
(21)シクロアスパルチルロイシン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.80×10重量%
(22)シクロイソロイシルヒスチジン又はその塩の含有量:0.70×10-3〜1.20×10重量%
(23)シクロセリルロイシン又はその塩の含有量:0.70×10-3〜1.10×10重量%
(24)シクロイソロイシルアスパラギン酸又はその塩の含有量:0.70×10-3〜1.10×10重量%
(25)シクロセリルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(26)シクロフェニルアラニルトリプトファン又はその塩の含有量:0.07×10-3〜0.20×10重量%
(27)シクロアラニルロイシン又はその塩の含有量:1.40×10-3〜2.30×10重量%
(28)シクログルタミニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(29)シクロアルギニルバリン又はその塩の含有量:0.60×10-3〜1.00×10重量%
(30)シクログルタミルロイシン又はその塩の含有量:0.70×10-3〜1.10×10重量%
(31)シクロロイシルトリプトファン又はその塩の含有量:0.10×10-3〜0.30×10重量%
(32)シクロトリプトファニルトリプトファン又はその塩の含有量:0.04×10-3〜0.07×10重量%
(33)シクロL−アラニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(34)シクロメチオニルアルギニン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.50×10重量%
(35)シクロリシルフェニルアラニン又はその塩の含有量:1.00×10-3〜1.60×10重量%
(36)シクロフェニルアラニルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.60×10重量%
(37)シクロトリプトファニルチロシン又はその塩の含有量:0.10×10-3〜0.20×10重量%
(38)シクロアスパラギニルバリン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.50×10重量%
(39)シクログルタミニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.50×10-3〜0.80×10重量%
(40)シクロアラニルセリン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.80×10重量%
(41)シクロメチオニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.10×10-3〜0.30×10重量%
(42)シクロメチオニルプロリン又はその塩の含有量:0.10×10-3〜0.30×10重量%
(43)シクロアルギニルロイシン又はその塩の含有量:1.50×10-3〜2.30×10重量%
(44)シクロメチオニルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.10×10-30〜0.30×10重量%
(45)シクロメチオニルアラニン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.50×10重量%
(46)シクロイソロイシルグルタミン酸又はその塩の含有:0.50×10-3〜0.90×10重量%
(47)シクロイソロイシルセリン又はその塩の含有量:0.50×10-3〜0.90×10重量%
(48)シクロバリルセリン又はその塩の含有量:0.50×10-3〜0.90×10重量%
(49)シクロメチオニルグリシン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(50)シクロバリルトレオニン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.60×10重量%
(51)シクロバリルアルパラギン酸又はその塩の含有量:0.50×10-3〜0.90×10重量%
(52)シクログリシルプロリン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.50×10重量%
(53)シクロロイシルプロリン又はその塩の含有量:0.50×10-3〜0.90×10重量%
(54)シクログルタミニルグリシン又はその塩の含有量:0.05×10-3〜0.09×10重量%
(55)シクロトリプトファニルリシン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.40×10重量%
(56)シクログルタミニルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.60×10重量%
(57)シクロリシルグリシン又はその塩の含有量:1.00×10-3〜1.60×10重量%
(58)シクロセリルリシン又はその塩の含有量:1.60×10-3〜2.60×10重量%
(59)シクロバリルリシン又はその塩の含有量:0.90×10-3〜1.50×10重量%
(60)シクロアスパラギニルリシン又はその塩の含有量:0.60×10-3〜1.10×10重量%
(61)シクロヒスチジルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(62)シクロトレオニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(63)シクロアスパルチルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(64)シクロアスパラギニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.10×10-3〜0.30×10重量%
(65)シクロアルギニルセリン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(66)シクロアスパラギニルメチオニン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(67)シクログルタミニルメチオニン又はその塩の含有量:0.10×10-3〜0.20×10重量%
(68)シクロトリプトファニルアルギニン又はその塩の含有量:0.10×10-3〜0.30×10重量%
(69)シクロアスパラギニルアルギニン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(70)シクロアスパラギニルプロリン又はその塩の含有量:0.05×10-3〜0.09×10重量%
(71)シクロアルギニルアルギニン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%。
9)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩として下記(1)〜(10)の1つ又は2つ以上が下記の量範囲で含まれる、7)または8)記載の組成物:
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10-3〜0.50×10重量%
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.40×10重量%。
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(5)シクロアルギニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10-3〜0.50×10重量%
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10-3〜0.70×10重量%
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10-3〜0.90×10重量%
10)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドが大豆から得られたものである、1)〜9)いずれかに記載の組成物。
11)アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドが茶から得られたものである、1)〜9)のいずれかに記載の組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明のアミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド高含有組成物は、安全で長期間にわたって摂取することができ、優れた生理作用、例えば糖代謝改善作用を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、大豆ペプチド熱処理物投与後の血漿中活性型GLP-1量を示す。
図2図2は、大豆ペプチド熱処理物、および大豆ペプチド投与後における糖負荷試験の結果を示す。
図3図3は、茶ペプチド熱処理物投与後における糖負荷試験の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.2×10〜1.0×106ppmである組成物である。また、本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.2×10-2〜1.0×103mg/100mである組成物である。さらに本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.20×10-3〜100重量%である組成物である。
【0014】
より好ましくは、本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が2×102〜1.0×105ppmである組成物である。また、本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.2×10-1〜1.0×10mg/100ml、さらに好ましくは、0.2×10〜1.0×10mg/100mlである組成物である。さらに本発明の一態様は、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量が0.20×10-2〜10重量%である組成物である。
【0015】
ここで、前記アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドまたはその塩の総量とは、シクロトレオニルチロシン〔Cyclo(Thr-Tyr)〕、シクロバリルチロシン〔Cyclo(Val-Tyr)〕、シクログルタミニルチロシン〔Cyclo(Gln-Tyr)〕、シクロアスパラギニルイソロイシン〔Cyclo(Asn-Ile)〕、シクロアルギニルプロリン〔Cyclo(Arg-Pro)〕、シクロアスパラギニルグリシン〔Cyclo(Asn-Gly)〕、シクロメチオニルバリン〔Cyclo(Met-Val)〕、シクログルタミルシステイン〔Cyclo(Glu-Cys)〕、シクロセリルグルタミン酸〔Cyclo(Ser-Glu)〕、シクロイソロイシルリシン〔Cyclo(Ile-Lys)〕、シクログルタミニルロイシン〔Cyclo(Gln-Leu)〕、シクロイソロイシルトレオニン〔Cyclo(Ile-Thr)〕、シクロトレオニルトレオニン〔Cyclo(Thr-Thr)〕、シクロメチオニルトレオニン〔Cyclo(Met-Thr)〕、シクロアラニルシステイン〔Cyclo(Ala-Cys)〕、シクログリシルシステイン〔Cyclo(Gly-Cys)〕、シクロアスパルチルセリン〔Cyclo(Asp-Ser)〕、シクロアルギニルアスパラギン酸〔Cyclo(Arg-Asp)〕、シクログリシルトリプトファン〔Cyclo(Gly-Trp)〕、シクロヒスチジルフェニルアラニン〔Cyclo(His-Phe)〕、シクロアスパルチルロイシン〔Cyclo(Asp-Leu)〕、シクロイソロイシルヒスチジン〔Cyclo(Ile-His)〕、シクロセリルロイシン〔Cyclo(Ser-Leu)〕、シクロイソロイシルアスパラギン酸〔Cyclo(Ile-Asp)〕、シクロセリルシステイン〔Cyclo(Ser-Cys)〕、シクロフェニルアラニルトリプトファン〔Cyclo(Phe-Trp)〕、シクロアラニルロイシン〔Cyclo(Ala-Leu)〕、シクログルタミニルヒスチジン〔Cyclo(Gln-His)〕、シクロアルギニルバリン〔Cyclo(Arg-Val)〕、シクログルタミルロイシン〔Cyclo(Glu-Leu)〕、シクロロイシルトリプトファン〔Cyclo(Leu-Trp)〕、シクロトリプトファニルトリプトファン〔Cyclo(Trp-Trp)〕、シクロL−アラニルプロリン〔Cyclo(L-Ala-Pro)〕、シクロメチオニルアルギニン〔Cyclo(Met-Arg)〕、シクロリシルフェニルアラニン〔Cyclo(Lys-Phe)〕、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン〔Cyclo(Phe-Phe)〕、シクロトリプトファニルチロシン〔Cyclo(Trp-Tyr)〕、シクロアスパラギニルバリン〔Cyclo(Asn-Val)〕、シクログルタミニルイソロイシン〔Cyclo(Gln-Ile)〕、シクロアラニルセリン〔Cyclo(Ala-Ser)〕、シクロメチオニルヒスチジン〔Cyclo(Met-His)〕、シクロメチオニルプロリン〔Cyclo(Met-Pro)〕、シクロアルギニルロイシン〔Cyclo(Arg-Leu)〕、シクロメチオニルグルタミン酸〔Cyclo(Met-Glu)〕、シクロメチオニルアラニン〔Cyclo(Met-Ala)〕、シクロイソロイシルグルタミン酸〔Cyclo(Ile-Glu)〕、シクロイソロイシルセリン〔Cyclo(Ile-Ser)〕、シクロバリルセリン〔Cyclo(Val-Ser)〕、シクロメチオニルグリシン〔Cyclo(Met-Gly)〕、シクロバリルトレオニン〔Cyclo(Val-Thr)〕、シクロバリルアルパラギン酸〔Cyclo(Val-Asp)〕、シクログリシルプロリン〔Cyclo(Gly-Pro)〕、シクロロイシルプロリン〔Cyclo(Leu-Pro)〕、シクログルタミニルグリシン〔Cyclo(Gln-Gly)〕、シクロトリプトファニルリシン〔Cyclo(Trp-Lys)〕、シクログルタミニルフェニルアラニン〔Cyclo(Gln-Phe)〕、シクロリシルグリシン〔Cyclo(Lys-Gly)〕、シクロセリルリシン〔Cyclo(Ser-Lys)〕、シクロバリルリシン〔Cyclo(Val-Lys)〕、シクロアスパラギニルリシン〔Cyclo(Asn-Lys)〕、シクロヒスチジルヒスチジン〔Cyclo(His-His)〕、シクロトレオニルヒスチジン〔Cyclo(Thr-His)〕、シクロアスパルチルヒスチジン〔Cyclo(Asp-His)〕、シクロアスパラギニルヒスチジン〔Cyclo(Asn-His)〕、シクロアルギニルセリン〔Cyclo(Arg-Ser)〕、シクロアスパラギニルメチオニン〔Cyclo(Asn-Met)〕、シクログルタミニルメチオニン〔Cyclo(Gln-Met)〕、シクロトリプトファニルアルギニン〔Cyclo(Trp-Arg)〕、シクロアスパラギニルアルギニン〔Cyclo(Asn-Arg)〕、シクロアスパラギニルプロリン〔Cyclo(Asn-Pro)〕、及びシクロアルギニルアルギニン〔Cyclo(Arg-Arg)〕からなる群Aの環状ジペプチドまたはその塩の総量をいう。
【0016】
本発明のアミノ酸を構成単位とする環状ジペプチド高含有組成物は、群Aより選ばれる1つ又は2つ以上の環状ジペプチドあるいはその塩を含有するものであって、該環状ジペプチド又はその塩の含有量が特定量であることに特徴を有する。なお、本明細書において、環状ジペプチドにおけるアミノ酸の構成が同じであれば、それらの記載順序はいずれが先でも構わなく、例えば、Cyclo(Trp-Tyr)とCyclo(Tyr-Trp)は同じ環状ジペプチドのことである。
【0017】
本発明の環状ジペプチドは、構成する2つのアミノ酸をアミノ酸A、アミノ酸Bとする場合、アミノ酸Aのカルボキシ基とアミノ酸Bのアミノ基が脱水縮合し、かつ、アミノ酸Aのアミノ基とアミノ酸Bのカルボキシ基が脱水縮合した構造を有する。構成アミノ酸の少なくとも1つは、好ましくは塩基性アミノ酸であり、さらに好ましくはアルギニンであるが、これに限定されるものではない。
【0018】
本発明の環状ジペプチド高含有組成物は、前記した群Aの71個の環状ジペプチドのうち、1つ又は2つ以上の環状ジペプチドあるいはその塩を特定量含有するものであればよい。なお、本明細書において、環状ジペプチド又はその塩をまとめて、単に、環状ジペプチドと称する場合がある。
【0019】
前記特定量については、以下の通りである。尚、下記量は、下の態様1〜3においても適用される。また、下には、ppmにて表記しているが、mg/100ml、重量%で適宜換算して表記しうることは当業者には明らかである。
(1)シクロトレオニルチロシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(2)シクロバリルチロシン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm、好ましくは、0.30×102〜0.50×104ppm。
(3)シクログルタミニルチロシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.40×105ppm、好ましくは、0.20×102〜0.40×104
(4)シクロアスパラギニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104
(5)シクロアルギニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(6)シクロアスパラギニルグリシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm、好ましくは、0.20×102〜0.50×104ppm。
(7)シクロメチオニルバリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(8)シクログルタミルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(9)シクロセリルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(10)シクロイソロイシルリシン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm、好ましくは、0.50×102〜0.90×104ppm。
(11)シクログルタミニルロイシン又はその塩の含有量:0.80×10〜1.30×105ppm、好ましくは、0.80×102〜1.30×104ppm。
(12)シクロイソロイシルトレオニン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm、好ましくは、0.20×102〜0.50×104
(13)シクロトレオニルトレオニン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm、好ましくは、0.30×102〜0.50×104ppm。
(14)シクロメチオニルトレオニン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(15)シクロアラニルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(16)シクログリシルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(17)シクロアスパルチルセリン又はその塩の含有量:1.00×10〜1.60×105ppm、好ましくは、1.00×102〜1.60×104ppm。
(18)シクロアルギニルアスパラギン酸又はその塩の含有量:0.90×10〜1.50×105ppm、好ましくは、0.90×102〜1.50×104
(19)シクログリシルトリプトファン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.30×104
(20)シクロヒスチジルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.40×105ppm、好ましくは、0.20×102〜0.40×104ppm。
(21)シクロアスパルチルロイシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.80×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.80×104ppm。
(22)シクロイソロイシルヒスチジン又はその塩の含有量:0.70×10〜1.20×105ppm、好ましくは、0.70×102〜1.20×104
(23)シクロセリルロイシン又はその塩の含有量:0.70×10〜1.10×105ppm、好ましくは、0.70×102〜1.10×104ppm。
(24)シクロイソロイシルアスパラギン酸又はその塩の含有量:0.70×10〜1.10×105ppm、好ましくは、0.70×102〜1.10×104ppm。
(25)シクロセリルシステイン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(26)シクロフェニルアラニルトリプトファン又はその塩の含有量:0.07×10〜0.20×105ppm、好ましくは、0.07×102〜0.20×104ppm。
(27)シクロアラニルロイシン又はその塩の含有量:1.40×10〜2.30×105ppm、好ましくは、1.40×102〜2.30×104ppm。
(28)シクログルタミニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(29)シクロアルギニルバリン又はその塩の含有量:0.60×10〜1.00×105ppm、好ましくは、0.60×102〜1.00×104ppm。
(30)シクログルタミルロイシン又はその塩の含有量:0.70×10〜1.10×105ppm、好ましくは、0.70×102〜1.10×104ppm。
(31)シクロロイシルトリプトファン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.30×104ppm。
(32)シクロトリプトファニルトリプトファン又はその塩の含有量:0.04×10〜0.07×105ppm、好ましくは、0.04×102〜0.07×104ppm。
(33)シクロL−アラニルプロリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(34)シクロメチオニルアルギニン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm、好ましくは、0.20×102〜0.50×104ppm。
(35)シクロリシルフェニルアラニン又はその塩の含有量:1.00×10〜1.60×105ppm、好ましくは、1.00×102〜1.60×104ppm。
(36)シクロフェニルアラニルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.60×105ppm、好ましくは、0.30×102〜0.60×104ppm。
(37)シクロトリプトファニルチロシン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.20×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.20×104ppm。
(38)シクロアスパラギニルバリン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm、好ましくは、0.30×102〜0.50×104ppm。
(39)シクログルタミニルイソロイシン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.80×105ppm、好ましくは、0.50×102〜0.80×104ppm。
(40)シクロアラニルセリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.80×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.80×104ppm。
(41)シクロメチオニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.30×104ppm。
(42)シクロメチオニルプロリン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.30×104ppm。
(43)シクロアルギニルロイシン又はその塩の含有量:1.50×10〜2.30×105ppm、好ましくは、1.50×102〜2.30×104ppm。
(44)シクロメチオニルグルタミン酸又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.30×104ppm。
(45)シクロメチオニルアラニン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.50×105ppm、好ましくは、0.20×102〜0.50×104ppm。
(46)シクロイソロイシルグルタミン酸又はその塩の含有:0.50×10〜0.90×105ppm、好ましくは、0.50×102〜0.90×104ppm。
(47)シクロイソロイシルセリン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm、好ましくは、0.50×102〜0.90×104ppm。
(48)シクロバリルセリン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm、好ましくは、0.50×102〜0.90×104ppm。
(49)シクロメチオニルグリシン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(50)シクロバリルトレオニン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.60×105ppm、好ましくは、0.30×102〜0.60×104ppm。
(51)シクロバリルアルパラギン酸又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm、好ましくは、0.50×102〜0.90×104ppm。
(52)シクログリシルプロリン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.50×105ppm、好ましくは、0.30×102〜0.50×104ppm。
(53)シクロロイシルプロリン又はその塩の含有量:0.50×10〜0.90×105ppm、好ましくは、0.50×102〜0.90×104ppm。
(54)シクログルタミニルグリシン又はその塩の含有量:0.05×10〜0.09×105ppm、好ましくは、0.05×102〜0.09×104ppm。
(55)シクロトリプトファニルリシン又はその塩の含有量:0.20×10〜0.40×105ppm、好ましくは、0.20×102〜0.40×104ppm。
(56)シクログルタミニルフェニルアラニン又はその塩の含有量:0.30×10〜0.60×105ppm、好ましくは、0.30×102〜0.60×104ppm。
(57)シクロリシルグリシン又はその塩の含有量:1.00×10〜1.60×105ppm、好ましくは、1.00×102〜1.60×104ppm。
(58)シクロセリルリシン又はその塩の含有量:1.60×10〜2.60×105ppm、好ましくは、1.60×102〜2.60×104ppm。
(59)シクロバリルリシン又はその塩の含有量:0.90×10〜1.50×105ppm、好ましくは、0.90×102〜1.50×104ppm。
(60)シクロアスパラギニルリシン又はその塩の含有量:0.60×10〜1.10×105ppm、好ましくは、0.60×102〜1.10×104ppm。
(61)シクロヒスチジルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(62)シクロトレオニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(63)シクロアスパルチルヒスチジン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(64)シクロアスパラギニルヒスチジン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.30×104ppm。
(65)シクロアルギニルセリン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(66)シクロアスパラギニルメチオニン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104
(67)シクログルタミニルメチオニン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.20×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.20×104
(68)シクロトリプトファニルアルギニン又はその塩の含有量:0.10×10〜0.30×105ppm、好ましくは、0.10×102〜0.30×104
(69)シクロアスパラギニルアルギニン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
(70)シクロアスパラギニルプロリン又はその塩の含有量:0.05×10〜0.09×105ppm、好ましくは、0.05×102〜0.09×104ppm。
(71)シクロアルギニルアルギニン又はその塩の含有量:0.40×10〜0.70×105ppm、好ましくは、0.40×102〜0.70×104ppm。
【0020】
本発明の組成物は、前記した群Aの71個の環状ジペプチドのうち、1つ又は2つ以上の環状ジペプチドあるいはその塩を含有するものであればよい。中でも、GLP−1分泌促進効果の観点から、環状ジペプチドとしては、シクロトレオニルチロシン、シクロバリルチロシン、シクログルタミニルチロシン、シクロアスパラギニルイソロイシン、シクロアルギニルプロリン、シクロアスパラギニルグリシン、シクロメチオニルバリン、シクログルタミルシステイン、シクロセリルグルタミン酸、シクロイソロイシルリシン、シクログルタミニルロイシン、シクロイソロイシルトレオニン、シクロトレオニルトレオニン、シクロメチオニルトレオニン、シクロアラニルシステイン、シクログリシルシステイン、シクロアスパルチルセリン、シクロアルギニルアスパラギン酸、シクログリシルトリプトファン、シクロヒスチジルフェニルアラニン、シクロアスパルチルロイシン、シクロイソロイシルヒスチジン、シクロセリルロイシン、シクロイソロイシルアスパラギン酸、シクロセリルシステイン、シクロフェニルアラニルトリプトファン、シクロアラニルロイシン、シクログルタミニルヒスチジン、シクロアルギニルバリン、シクログルタミルロイシン、シクロロイシルトリプトファン、シクロトリプトファニルトリプトファン、シクロL−アラニルプロリン、シクロメチオニルアルギニン、シクロリシルフェニルアラニン、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン、シクロトリプトファニルチロシン、シクロアスパラギニルバリン、およびシクログルタミニルイソロイシからなる群より選ばれる1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を少なくとも含有することが好ましい(以下、これら39種の環状ジペプチド群を「群B」ともいう。)。チロシンを構成アミノ酸の一つとするシクロトレオニルチロシン、シクロバリルチロシン、シクログルタミニルチロシン、およびシクロアスパラギニルイソロイシン、シクロアルギニルプロリン、シクロアスパラギニルグリシン、シクロメチオニルバリン、シクログルタミルシステイン、シクロセリルグルタミン酸、およびシクロイソロイシルリシンからなる群より選ばれる1つ又は2つ以上の環状ジペプチド又はその塩を少なくとも含有することがより好ましい(以下、これら10種の環状ジペプチド群を「群C」ともいう。)。
【0021】
本発明の組成物は、前述の環状ジペプチド又はその塩を有効量含有するという特徴を有することにより、GLP−1の分泌を促進して糖代謝を改善することができることから、糖代謝の改善を要する疾患のために好適に使用され得る。そのような疾患としては、糖尿病および肥満症を挙げることができ、それらの予防および治療に有効である。
【0022】
本発明の組成物は、上記疾患の予防又は改善を目的とした保健機能食品や健康食品として、例えば、高血糖や肥満の予防及び/又は改善のために用いられるものである旨の表示を付して提供することが可能になり、血糖値が高めの方、太り気味の方、メタボリックシンドローム傾向の方、等にとって極めて有用である。
【0023】
本明細書において、環状ジペプチドの塩とは、前記環状ジペプチドの薬理学的に許容される任意の塩(無機塩及び有機塩を含む)をいい、例えば、前記環状ジペプチドのナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、有機酸塩(酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等)等が挙げられる。
【0024】
本発明で用いられる環状ジペプチドは、当該分野で公知の方法に従って調製することができる。例えば、化学合成方法や酵素法、微生物発酵法により製造されてもよく、直鎖ペプチドを脱水・環化反応させることにより合成されてもよく、特開2003−252896号公報やJ.Peptide Sci.、10、737-737(2004)に記載の方法に従って調製することもできる。例えば、酵素処理や熱処理によって得られる大豆ペプチド又は茶ペプチドを、さらに熱処理して得られる処理物を好適に用いることができる。即ち、本発明では、アミノ酸を構成単位とする環状ジペプチドは大豆または茶から得られたものであってもよい。
【0025】
大豆ペプチドを含有する溶液を熱処理して得られた処理物とは、具体的には、例えば、大豆ペプチドを水に20〜500g/mLの濃度で溶解させ、40〜150℃の条件で、5分〜120時間加熱して調製することができる。得られた処理物に対して、所望により、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、凍結乾燥、粉末化等の処理を行ってもよい。
【0026】
茶ペプチドを含有する溶液を熱処理して得られた処理物とは、具体的には、例えば、茶ペプチドを水に20〜500g/mLの濃度で溶解させ、40〜150℃の条件で、5分〜120時間加熱して調製することができる。得られた処理物に対して、所望により、ろ過、遠心分離、濃縮、限外ろ過、凍結乾燥、粉末化等の処理を行ってもよい。
環状ジペプチドの塩は、当該分野で公知の任意の方法により、当業者によって容易に調製され得る。
【0027】
本発明の組成物は、かかる環状ジペプチド又はその塩を特定量含有するものであるが、該組成物の用途によって、以下の3つの態様が挙げられる。なお、各態様における環状ジペプチド又はその塩の含有量は、公知の方法に従って測定することができ、例えば、LC-MS/MSに供することで測定することができる。
【0028】
<態様1>
態様1は、前記環状ジペプチド又はその塩を含有するエキス組成物である。エキス組成物とは、例えば、前記環状ジペプチド又は該環状ジペプチドの構成アミノ酸を含む材料に処理を行って調製したものをそのまま、あるいは該調製物を公知の方法に従って希釈又は濃縮、精製したものを含有する組成物のことであり、そのまま製剤化したり、医薬品、医薬部外品、又は飲食品(健康食品)等の原材料として用いることができる。
【0029】
態様1における各環状ジペプチド又はその塩の含有量は、上記記載を参照されたい。
【0030】
また、前記に挙げた各成分の含有量を満足する成分数としては、1成分以上、好ましくは3成分以上、より好ましくは7成分以上、さらに好ましくは11成分以上である。
【0031】
態様1における前記環状ジペプチド又はその塩の含有量は、各成分については前記に示す通りであるが、環状ジペプチド又はその塩の総含有量としては、好ましくは0.2×10ppm以上、より好ましくは0.2×102ppm以上、さらに好ましくは0.4×102ppm以上であり、好ましくは1.0×106ppm以下、より好ましくは1.0×105ppm以下、さらに好ましくは0.5×105ppm以下である。
【0032】
また、GLP−1分泌促進作用の高い群Bの環状ジペプチドの総含有量が、より好ましくは群Cの環状ジペプチドの総含有量が、好ましくは0.2×10ppm以上、より好ましくは0.2×102ppm以上、さらに好ましくは0.4×102ppm以上であり、好ましくは1.0×106ppm以下、より好ましくは1.0×105ppm以下、さらに好ましくは0.5×105ppm以下である。
【0033】
態様1における環状ジペプチドのうち、GLP−1分泌促進作用の高い群Bまたは群Cの環状ジペプチドが占める合計量の割合は、GLP−1分泌促進作効果の観点から、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。また、上限は特に限定されないが、可溶化性能の観点から、90重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。
【0034】
態様1の組成物は、例えば、前記環状ジペプチド又はその塩を含有する原料に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、公知の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等に製剤化することができる。これらの組成物はそのまま水等と共に服用することができる。また、容易に配合することが出来る形態(例えば、粉末形態や顆粒形態)に調製後、例えば、医薬品、医薬部外品、又は飲食品(健康食品)等の原材料として用いることができる。
【0035】
態様1の組成物の具体例としては、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤や、液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤を挙げることができる。
【0036】
<態様2>
態様2は、前記環状ジペプチド又はその塩を含有する飲料組成物である。飲料組成物とは、主に飲用用途に用いられる組成物のことである。
【0037】
また、前記に挙げた各成分の含有量を満足する成分数としては、1成分以上、好ましくは3成分以上、より好ましくは7成分以上、さらに好ましくは11成分以上である。
【0038】
態様2における前記環状ジペプチド又はその塩の含有量は、各成分については前記に示す通りであるが、環状ジペプチド又はその塩の総含有量としては、好ましくは0.2×10-2mg/100mL以上、より好ましくは0.2×10-2mg/100mL以上、さらに好ましくは0.4×10-2mg/100mL以上であり、好ましくは1.0×103mg/100mL以下、より好ましくは1.0×102mg/100mL以下、さらに好ましくは0.5×102mg/100mL以下である。
【0039】
また、GLP−1分泌促進作用の高い群Bの環状ジペプチドの総含有量が、より好ましくは群Cの環状ジペプチドの総含有量が、好ましくは0.2×10-2mg/100mL以上、より好ましくは0.2×10-2mg/100mL以上、さらに好ましくは0.4×10-2mg/100mL以上であり、好ましくは1.0×103mg/100mL以下、より好ましくは1.0×102mg/100mL以下、さらに好ましくは0.5×102mg/100mL以下である。
【0040】
態様2における環状ジペプチドのうち、GLP−1分泌促進作用の高い群Bまたは群Cの環状ジペプチドが占める合計量の割合は、GLP−1分泌促進作効果の観点から、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。また、上限は特に限定されないが、可溶化性能の観点から、90重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。
【0041】
態様2の組成物は、例えば、公知の飲料組成物を調製する際に、その原材料に前記環状ジペプチド又はその塩を所定量混合して、公知の飲料組成物の製造方法に従って調製してもよく、また、既製の公知の飲料組成物に、前記環状ジペプチド又はその塩を前記所定量となるように添加して、溶解及び/又は懸濁することで調製してもよい。なお、公知の飲料組成物が、前記環状ジペプチド又はその塩を元来含有するものであってもよく、本発明の環状ジペプチドが所定量となるのであれば、適宜配合して調製することができる。
【0042】
態様2の組成物の具体例としては、烏龍茶飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、果汁飲料、野菜ジュース、スポーツドリンク、アイソトニック飲料、エンハンスドウォーター、ミネラルウォーター、ニアウォーター、コーヒー飲料、栄養ドリンク剤、美容ドリンク剤、ノンアルコール・ビールテイスト飲料等の非アルコール飲料、ビール、ワイン、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、リキュール類等のアルコール飲料を挙げることができる。また、態様2の組成物には、酸化防止剤、香料、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、ガム、油、ビタミン、アミノ酸、果汁エキス類、野菜エキス類、pH調整剤、品質安定剤等の添加剤を単独で又は併用して配合してもよい。
【0043】
<態様3>
態様3は、前記環状ジペプチド又はその塩を含有する食品組成物である。食品組成物とは、主に食事やおやつによる摂取のために用いられる組成物のことである。
【0044】
また、前記に挙げた各成分の含有量を満足する成分数としては、1成分以上、より好ましくは3成分以上、さらに好ましくは39成分以上、特に好ましくは71成分以上である。具体的には、例えば、群Aの環状ジペプチドの含有量が前記範囲内となることが好ましく、群Bの環状ジペプチドの含有量が前記範囲内となることがより好ましく、群Cの環状ジペプチドのの含有量が前記範囲内となることがさらに好ましい。
【0045】
態様3における前記環状ジペプチド又はその塩の含有量は、各成分については前記に示す通りであるが、環状ジペプチド又はその塩の総含有量としては、好ましくは100重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。
【0046】
また、GLP−1分泌促進作用の高い群Bまたは群Cの環状ジペプチド,及びそれらの塩の態様3における総含有量が、好ましくは0.20×10-3重量%以上が好ましく、0.20×10-2重量%以上がより好ましく、0.40×10-2重量%以上であり、好ましくは100重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは60重量%以下である。
【0047】
態様3における環状ジペプチドのうち、GLP−1分泌促進阻害作用の高い群Bまたは群Cの環状ジペプチド、及びそれらの塩が占める合計量の割合は、GLP−1分泌促進効果の観点から、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上がさらに好ましい。また、上限は特に限定されないが、可溶化性能の観点から、90重量%以下が好ましく、60重量%以下がより好ましい。
【0048】
態様3の組成物は、例えば、公知の食品組成物を調製する際に、その原材料に前記環状ジペプチド又はその塩を所定量混合して、公知の食品組成物の製造方法に従って調製してもよく、また、既製の公知の食品組成物に、前記環状ジペプチド又はその塩を前記所定量となるように添加することで調製してもよい。なお、公知の食品組成物が、前記環状ジペプチド又はその塩を元来含有するものであってもよく、本発明の環状ジペプチドが所定量となるのであれば、適宜配合して調製することができる。
【0049】
態様3の組成物の具体例としては、レトルト食品、調味料(例えば、ソース、スープ、ドレッシング、マヨネーズ、クリーム)、菓子(例えば、パン、ケーキ、クッキー、ビスケット等の焼菓子、チューインガム、チョコレート、キャンデー)、デザート(例えば、ゼリー、ヨーグルト、アイスクリーム)を挙げることができる。また、飲食品の形態は特に限定されず、摂取しやすい形態であれば、固形、粉末、液体、ゲル状、スラリー状等のいずれであってもよい。レバー類、白子、エビ、イワシ、カツオ等の魚介類など、プリン体が多く含まれる食材を用いた料理、餃子、肉じゃが、豚の角煮、ハンバーグ等、ビールテイスト飲料に合う料理に配合して用いてもよい。
【0050】
本発明の組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取することができる。該摂取方法は本発明の環状ジペプチド又はその塩が循環血中に移行できるのであれば特に限定はない。なお、本明細書において、摂取とは、摂取、服用、又は飲用の全態様を含むものとして用いられる。
【0051】
本発明の組成物の摂取量は、その形態、投与方法、使用目的及び当該組成物の摂取対象である患者又は患獣の年齢、体重、症状によって適宜設定され一定ではない。例えば、本発明における本発明の環状ジペプチド又はその塩の有効ヒト摂取量としては、体重50kgのヒトで1日当たり、好ましくは0.2mg以上、より好ましくは2mg以上、さらに好ましくは20mg以上であり、好ましくは10g以下、より好ましくは5g以下、さらに好ましくは2g以下である。また、投与は、所望の投与量範囲内において、1日内において単回で、又は数回に分けて行ってもよい。投与期間も任意である。なお、ここで、本発明の環状ジペプチド又はその塩の有効ヒト摂取量とは、ヒトにおいて有効な効果を示す環状ジペプチド又はその塩の合計摂取量のことであり、環状ジペプチドの種類は特に限定されない。
【0052】
本明細書中において本発明の組成物の摂取対象とは、好ましくはヒトであるが、ウシ、ウマ、ヤギ等の家畜動物、イヌ、ネコ、ウサギ等のペット動物、又は、マウス、ラット、モルモット、サル等の実験動物であってもよい。
【実施例】
【0053】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0054】
<試薬>
環状ジペプチドは神戸天然化学で合成した。Poly-L-Lysine 96-well プレートはBD社、PBS(+)、抗生物質、Dulbecco's Modified Eagle's Medium(DMEM)、グルコース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC-Na)はナカライテスク社製、TPAはCell Signaling社製、活性型GLP-1 ELISAキットはMerck Millipore社製、Fetal bovine serum(FBS)はSigma社製、Sitagliptin phosphateはSanta Cruz Biotechnology社製、グルテストNeoスーパー、グルテストNeoセンサーは三和化学研究所社製、大豆ペプチド(ハイニュート AM)は不二製油社製、NCI-H716細胞はATCC社より譲渡されたものを用いた。
【0055】
<統計解析>
以降の試験例において、データは平均値±標準誤差で表示した。統計学的検定は、試験例1、2、3ではStudent’s t-testを用い、他の試験例ではone-way ANOVAで分散分析を行った後、Dunnet’s testを用いて多重比較検定を実施した。結果における「*」はp<0.05、「♯」はp<0.1の有意差ありとした。なお、これらの解析は全てSPSS for Windows release 17.0(SPSS社製)を用いて実施した。
【0056】
試験例1 (環状ジペプチドを用いたin vitro GLP-1分泌促進作用の検討)
環状ジペプチドの内、水溶性の高い92種を下記の実験に用いた。DMEM培地 (10% FBS、2mMグルタミン、1% 抗生物質を添加済)に懸濁させたNCI-H716細胞をPoly-L-Lysine 96-well プレートに0.5×105cells/wellで100μLずつ播種し、CO2インキュベーター(espec社製)で48時間培養した。PBS(+)で洗浄後、最終濃度として10mMの各環状ジペプチド、10μMのSitagliptin phosphate を添加したPBS(+)溶液100μLを細胞に添加した。1時間後に添加溶液を回収し、ELISAキットを用いて溶液中の活性型GLP-1量を測定した。解析は環状ジペプチドを添加していない群の活性型GLP-1量を100としたときの相対値を用いた。
【0057】
結果を表1〜5に示す。それぞれの表には、in vitroにおいて活性型GLP-1分泌促進活性の確認された環状ジペプチドと確認されなかった環状ジペプチドとが示されている。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
試験例2 (環状ジペプチドを用いたin vivo 血漿中GLP-1増加作用の検討)
環状ジペプチドの内、in vitroでGLP-1分泌促進作用が確認されたもの、脂溶性が高いものを下記の実験に用いた。使用動物は、雄性7週齢C57/BL6Jマウスを日本クレア社から購入し、1週間の馴化期間の後、実験に供した。動物は、空調設備のある飼育室(温度23.5±1.0℃、湿度55±10RH%、換気回数12〜15回/時間、照明7:00〜19:00/日)で飼育した。馴化期間中は、市販飼料(CE-2、日本クレア社製)及び水道水を自由に摂取させた。
【0064】
馴化期間後、5.5時間の絶食、2時間の絶水を行った。その後、0.5% CMC-Na水溶液に溶解、もしくは懸濁させた環状ジペプチドを10mg/kgで強制経口投与した。次いで30分後に麻酔下において腹部大静脈より採血を行い、ペパリンナトリウム1μL、10mM Sitagliptin phosphateを1μL添加後に8000rpmで10分間遠心を行い、回収した血漿中の活性型GLP-1量をELISAキットにて測定した。解析は0.5% CMC-Na水溶液投与群の活性型GLP-1量を100としたときの相対値を用いた。
【0065】
結果を表6〜15に示す。それぞれの表には、in vivoにおいて血漿中活性型GLP-1増加作用が確認された環状ジペプチドと確認されなかった環状ジペプチドとがを示されている。
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】
【表11】
【0072】
【表12】
【0073】
【表13】
【0074】
【表14】
【0075】
【表15】
【0076】
試験例3 (大豆ペプチド熱処理物を用いたin vivo血漿中GLP-1増加作用の検討)
大豆ペプチド熱処理物を下記の実験に用いた。使用動物は、雄性7週齢C57/BL6Jマウスを日本クレア社から購入し、1週間の馴化期間の後、実験に供した。動物は、空調設備のある飼育室(温度23.5±1.0℃、湿度55±10RH%、換気回数12〜15回/時間、照明7:00〜19:00/日)で飼育した。馴化期間中は、市販飼料(CE-2、日本クレア社製)及び水道水を自由に摂取させた。
【0077】
馴化期間後、5.5時間の絶食、2時間の絶水を行った。その後、蒸留水に溶解させた大豆ペプチド熱処理物を1g/kgで強制経口投与した。次いで15、30、60分後に麻酔下において腹部大静脈より採血を行い、ペパリンナトリウム1μL、10mM Sitagliptin phosphateを1μL添加後に8000rpmで10分間遠心を行い、回収した血漿中の活性型GLP-1量をELISAキットにて測定した。
【0078】
結果を図1に示す。
【0079】
試験例4 (大豆ペプチド熱処理物を用いたin vivo 糖代謝亢進作用の検討)
大豆ペプチド熱処理物、大豆ペプチドを下記の実験に用いた。使用動物は、雄性7週齢C57/BL6Jマウスを日本クレア社から購入し、1週間の馴化期間の後、実験に供した。動物は、空調設備のある飼育室(温度23.5±1.0℃、湿度55±10RH%、換気回数12〜15回/時間、照明7:00〜19:00/日)で飼育した。馴化期間中は、市販飼料(CE-2、日本クレア社製)及び水道水を自由に摂取させた。
【0080】
馴化期間後、5.5時間の絶食、2時間の絶水を行った。その後、蒸留水に溶解させた大豆ペプチド熱処理物、大豆ペプチドを1g/kgで強制経口投与した。対照群には同量の蒸留水を強制経口投与した。次いで30分後に全群に対し、1g/kgのグルコースを腹腔内投与した。投与前、および、グルコース腹腔内投与より30、60、90、120分後において尾静脈より採血を行い、グルコースNeoスーパー、グルコースNeoセンサーを用いて血糖値を測定した。
【0081】
結果を図2に示す。
【0082】
試験例5 (茶ペプチド熱処理物を用いたin vivo 糖代謝亢進作用の検討)
茶ペプチド熱処理物を下記の実験に用いた。使用動物は、雄性7週齢C57/BL6Jマウスを日本クレア社から購入し、1週間の馴化期間の後、実験に供した。動物は、空調設備のある飼育室(温度23.5±1.0℃、湿度55±10RH%、換気回数12〜15回/時間、照明7:00〜19:00/日)で飼育した。馴化期間中は、市販飼料(CE-2、日本クレア社製)及び水道水を自由に摂取させた。
【0083】
馴化期間後、5.5時間の絶食、2時間の絶水を行った。その後、蒸留水に溶解させた茶ペプチド熱処理物を1g/kgで強制経口投与した。対照群には同量の蒸留水を強制経口投与した。次いで30分後に全群に対し、1g/kgのグルコースを腹腔内投与した。投与前、および、グルコース腹腔内投与より30、60、90、120分後において尾静脈より採血を行い、グルコースNeoスーパー、グルコースNeoセンサーを用いて血糖値を測定した。
【0084】
結果を図3に示す。
【0085】
製造例
以下、本発明の環状ジペプチド又はそれらの塩を配合した組成物の具体的処方を例示する。これらの組成物は公知の方法に従って調製することができる。
【0086】
(製造例)炭酸飲料の製造
合成環状ジペプチドを用い、下記表16に示す配合割合の原料をそれぞれ水に溶解した後、リン酸を用いてpHを3.8に調整し、酸化防止剤、香料、酸味料、甘味料、カラメル色素を各々適量加えて約24時間貯蔵する。その間、炭酸ガスを適量添加し、その後、濾過・瓶詰め・殺菌(65℃以上で10分間加熱)の工程を経て、炭酸飲料を得る。
【0087】
【表16】
【0088】
(製造例)チョコレートの製造例
下記表17の配合割合の原料を用い、チョコレートを製造する。表17の原料をホバートミキサーに投入し、中速で3分間混合し、さらに、ロール掛け、コンチングを経て、チョコレート生地を得る。このチョコレート生地をテンパリング処理した後、型に流し込み、冷却し、本発明のチョコレートを得る。
【0089】
【表17】
図1
図2
図3