(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンピュータにより、第一の地図情報に基づく車両の走行履歴を表す第一の走行履歴情報を、前記第一の地図情報とは異なる第二の地図情報に適合した第二の走行履歴情報に変換する走行履歴変換方法であって、
前記第一の走行履歴情報は、前記第一の地図情報における前記車両の交差点ごとの通過の回数を示す走行履歴である第一の交差点履歴情報を含み、
前記第一の交差点履歴情報を前記第二の地図情報に適合した第二の交差点履歴情報に変換する走行履歴変換処理を前記コンピュータに実行させることで、前記第一の走行履歴情報を前記第二の走行履歴情報に変換する走行履歴変換方法。
第一の地図情報に基づく車両の走行履歴を表す第一の走行履歴情報を、前記第一の地図情報とは異なる第二の地図情報に適合した第二の走行履歴情報に変換する走行履歴変換部を備え、
前記第一の走行履歴情報は、前記第一の地図情報における前記車両の交差点ごとの通過の回数を示す走行履歴である第一の交差点履歴情報を含み、
前記走行履歴変換部は、前記第一の交差点履歴情報を前記第二の地図情報に適合した第二の交差点履歴情報に変換することで、前記第一の走行履歴情報を前記第二の走行履歴情報に変換する情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る車載端末のハードウェア構成を示す図である。
図1に示す車載端末100は、車両に搭載されて用いられる情報処理装置であり、表示装置101、操作装置102、測位センサ103、通信部104、ROM105、RAM106、補助記憶装置107、およびCPU108を備える。なお、以下では車載端末100が搭載されている車両を「自車両」と称する。
【0009】
表示装置101は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等、画像情報を表示する装置である。表示装置101は、たとえば自車両周辺の地図画面を表示し、その地図画面上で示す経路に従って自車両を目的地まで誘導する。また、後述する走行履歴非依存化処理や走行履歴適合化処理をCPU108において実行する際には、ユーザの許諾を要求するための許諾要求画面を表示装置101に表示することもできる。操作装置102は、車載端末100に対するユーザの操作を受け付ける装置であり、たとえばボタン、スイッチ、キーボード、タッチパネル等により構成される。
【0010】
測位センサ103は、自車両の位置を測位するためのセンサである。測位センサ103は、たとえばGPSセンサ等により構成される。通信部104は、インターネット等の通信回線に接続し、不図示のサーバ等との間で通信を行う。車載端末100は、通信部104を用いて、たとえばサーバから最新の地図情報や渋滞情報をダウンロードしたり、自車両の走行情報をサーバにアップロードしたりすることができる。
【0011】
ROM105は、CPU108において実行される制御プログラムなどが記憶された読み出し専用の記憶装置である。RAM106は、CPU108の処理に用いられる情報を一時的に保存する記憶装置である。RAM106は、たとえば補助記憶装置107に記憶されているアプリケーションのプログラムをCPU108において実行する際に当該プログラムをロードしたり、CPU108で実行中のプログラムが生成した情報を一時的に記憶したりするのに利用される。
【0012】
補助記憶装置107は、地図データ、音声データ、カーナビゲーションのアプリケーションプログラムなどを記憶する記憶装置であり、HDDやSSDなどにより構成される。CPU108は、プログラムを実行可能な演算処理装置であり、ROM105に記憶されている制御プログラムに基づいて、車載端末100の各部を制御する。また、補助記憶装置107からRAM106上にロードされる各種アプリケーションのプログラムを実行することで、たとえばカーナビゲーションなどの様々な機能を車載端末100において実現する。
【0013】
図2は、本発明の第一の実施形態に係る車載端末のシステム構成を示す図である。車載端末100は、その機能として、経路推定部110、走行履歴保存部111、走行履歴変換部112、および車載記憶部113を備える。走行履歴変換部112は、走行履歴非依存化部120および走行履歴適合化部121により構成されている。車載記憶部113には、地図情報122、走行履歴情報123および非依存走行履歴情報124が記憶される。なお、経路推定部110、走行履歴保存部111および走行履歴変換部112は、CPU108がROM105や補助記憶装置107に記憶されている所定のプログラムを実行することで実現される機能である。一方、車載記憶部113は、補助記憶装置107により実現される機能である。
【0014】
経路推定部110は、測位センサ103により測位された自車両の位置や、車載記憶部113に記憶されている地図情報122および走行履歴情報123に基づいて、自車両が今後走行する経路を推定する。経路推定部110による経路推定結果は、たとえば自車両の自動走行制御等に利用される。
【0015】
走行履歴保存部111は、自車両が走行した経路に基づく走行履歴情報123を車載記憶部113に記憶させる。走行履歴保存部111は、たとえば地図情報122を参照して自車両が通過した交差点や道路リンクを特定し、特定した交差点や道路リンクの通過回数を走行履歴情報123において加算することで、走行履歴情報123を更新する。なお、走行履歴情報123では、地図情報122に基づく自車両の走行履歴が交差点ごと、道路リンクごとに管理されている。
【0016】
走行履歴非依存化部120は、地図情報122に基づく自車両の走行履歴を表す走行履歴情報123を非依存走行履歴情報124に変換し、車載記憶部113に記憶させる。非依存走行履歴情報124とは、地図情報122に依存せずに自車両の走行履歴を表す走行履歴情報であり、地図の更新や車載端末100の置き換えなどによって地図情報122の内容が変更される場合に、事前に生成される。走行履歴非依存化部120は、地図情報122の内容が変更される前、すなわち内容変更前の地図情報122が車載記憶部113に記憶されているときに、非依存走行履歴情報124を生成して車載記憶部113に記憶させておく。これにより、それまでに車載端末100において蓄積された自車両の走行履歴を内容変更後の地図情報122でも引き継いで利用できるようにする。なお、走行履歴非依存化部120が行う処理の具体的な内容については後述する。
【0017】
走行履歴適合化部121は、走行履歴非依存化部120によって走行履歴情報123から変換されて車載記憶部113に記憶された非依存走行履歴情報124を、内容変更後の地図情報122に適合した情報に変換する。以下では、走行履歴適合化部121によって非依存走行履歴情報124から変換された情報を「変換後の走行履歴情報」と称する。変換後の走行履歴情報は、新たな走行履歴情報123として車載記憶部113に記憶され、経路推定部110が行う経路推定などに利用される。なお、走行履歴適合化部121が行う処理の具体的な内容については後述する。
【0018】
地図情報122は、車載端末100が提供するカーナビゲーション機能や、経路推定部110による経路推定などにおいて利用される地図データの情報であり、道路を構成する各交差点および各道路リンクの情報を格納する。走行履歴非依存化部120が走行履歴情報123を非依存走行履歴情報124に変換する際には、この地図情報122を参照して、各交差点や各道路を特定するための情報が求められる。
【0019】
走行履歴情報123は、自車両がこれまでに通過した交差点や道路リンクの履歴に関する情報であり、交差点履歴情報130および道路履歴情報131を有する。交差点履歴情報130は、地図情報122における自車両の交差点ごとの走行履歴を表している。道路履歴情報131は、地図情報122における自車両の道路リンクごとの走行履歴を表している。
【0020】
非依存走行履歴情報124は、走行履歴情報123と同様に、自車両がこれまでに通過した交差点や道路リンクの履歴に関する情報であり、非依存交差点履歴情報132および非依存道路履歴情報133を有する。非依存交差点履歴情報132は、地図情報122に依存せずに自車両の交差点ごとの走行履歴を表している。非依存道路履歴情報133は、地図情報122に依存せずに自車両の道路リンクごとの走行履歴を表している。
【0021】
図3は、走行履歴情報123の一例を示す図である。
図3(a)は、道路を構成する交差点および道路リンクの例である。
図3(b)は、走行履歴情報123のうち
図3(a)の交差点に対応する交差点履歴情報130の例である。
図3(c)は、走行履歴情報123のうち
図3(a)の各道路リンクに対応する道路履歴情報131の例である。
【0022】
図3(a)に示す道路は、リンクA、B、C、D、E、Fの各道路リンクと、リンクA、B、C、Dが接続している交差点とによって構成されている。
図3(b)に示す交差点履歴情報130には、この交差点について、自車両が当該交差点への進入時と当該交差点からの退出時にそれぞれどの道路リンクを走行したかの組み合わせの履歴が、二次元配列のテーブル形式で記録されている。すなわち、
図3(b)において行201は進入リンクを表しており、列202は退出リンクを表している。たとえば欄203は、自車両がこれまでに当該交差点を通過した際に、進入リンクがリンクD、退出リンクがリンクAであった回数が3回であることを示している。
【0023】
交差点履歴情報130では、自車両の各交差点の走行履歴として、
図3(b)のような履歴テーブルが交差点ごとに格納されている。なお、
図3(b)の例では、交差点履歴情報130を進入リンクと退出リンクの組み合わせごとの通過回数で表しているが、他の形式の走行履歴としてもよい。たとえば、進入リンクごとの各退出リンクの通過回数の割合や、当該交差点の合計通過回数を100%としたときの進入リンクと退出リンクの組み合わせごとの割合を用いて、交差点履歴情報130を表すことができる。
【0024】
図3(c)に示す道路履歴情報131には、
図3(a)のリンクA、B、C、D、E、Fについて、自車両がこれらの道路リンクをそれぞれ走行した履歴が記録されている。たとえば欄204は、自車両がこれまでにリンクAを通過した回数が43回であることを示している。
【0025】
道路履歴情報131では、自車両の各道路の走行履歴として、
図3(c)のような履歴が道路リンクごとに格納されている。なお、
図3(c)の例では、道路履歴情報131を道路リンクごとの通過回数で表しているが、他の形式の走行履歴としてもよい。たとえば、所定の地域内に存在する複数の道路リンクの合計通過回数を100%としたときの各道路リンクの通過回数の割合を用いて、道路履歴情報131を表すことができる。また、各道路リンクの走行履歴を自車両の走行方向ごとに集計してもよい。
【0026】
図4は、走行履歴非依存化部120により実行される走行履歴非依存化処理の流れを示すフローチャートである。走行履歴非依存化部120は、たとえば所定時間ごとに、
図4に示す処理フローに従って走行履歴非依存化処理を実行する。
【0027】
まずステップS10において、走行履歴非依存化部120は、走行履歴の引き継ぎを開始するか否かを判定する。走行履歴の引き継ぎを開始する場合はステップS20に処理を進め、開始しない場合は
図4の処理フローを終了する。ここでは、地図の更新や車載端末100の置き換えなど、地図情報122の内容変更が予定されている場合に、走行履歴の引き継ぎを開始すると判定する。たとえばユーザは、地図の更新や車載端末100の置き換えを行う前に、操作装置102を用いて所定の操作を行うことで、走行履歴非依存化処理の実行を車載端末100に指示する。この指示が行われると、走行履歴非依存化部120は、ステップS10において走行履歴の引き継ぎを開始すると判定する。なお、表示装置101に所定の許諾要求画面を表示し、この許諾要求画面においてユーザが許諾の意思表示を示す操作を行った場合に、ステップS10において走行履歴の引き継ぎを開始すると判定してもよい。
【0028】
ステップS20において、走行履歴非依存化部120は、車載記憶部113に記憶されている走行履歴情報123のうち交差点履歴情報130を、地図情報122に依存しない非依存交差点履歴情報132に変換する。ここでは、たとえば地図情報122を参照して、交差点履歴情報130における各交差点の位置情報や交差点情報(接続リンク数、車線数、道路種別、信号の有無等)を取得し、これらの情報を交差点ごとに交差点履歴情報130に付加することで、交差点履歴情報130を非依存交差点履歴情報132に変換する。これにより、地図情報122に依存せずに、非依存交差点履歴情報132における各交差点を地図上で識別可能な状態とする。なお、地図情報122に依存せずに各交差点を識別可能であれば、非依存交差点履歴情報132としてどのような情報を用いてもよい。
【0029】
ステップS30において、走行履歴非依存化部120は、地図情報122における各交差点の接続道路間の相対位置を表す相対位置情報を生成する。ここでは、たとえば交差点履歴情報130における各交差点について、地図情報122から交差点ごとの隣接する各接続リンク間の角度を求め、求めた各接続リンク間の角度を表す情報を相対位置情報として生成する。
【0030】
図5は、相対位置情報の一例を示す図である。
図5(a)は、道路を構成する交差点および道路リンクの例であり、
図3(a)に示したリンクA、B、C、Dおよびこれらの道路リンクが接続している交差点と同じものである。
図5(b)は、
図5(a)の道路に対応する相対位置情報の例である。
【0031】
図5(b)に示す相対位置情報は、
図5(a)の交差点における各接続リンクについて、当該接続リンクと時計回り方向に隣接する接続リンク間の角度を表している。すなわち、
図5(b)において列501は当該交差点に接続する各道路リンクを表しており、列502は、列501の道路リンクに対して時計回り方向に隣接する道路リンクまでの角度を表している。たとえば欄503は、リンクAとリンクAに対して時計回り方向に隣接するリンクBとの間の角度が95°であることを示している。
【0032】
走行履歴非依存化部120は、
図4のステップS30において、
図5(b)のような相対位置情報を交差点ごとに生成する。このとき走行履歴非依存化部120は、地図情報122に基づき周知の位置参照技術を用いて、相対位置情報を生成することができる。なお、
図5(b)の例では、交差点の相対位置情報を当該交差点において互いに隣接する接続リンク間の角度で表しているが、他の形式の相対位置情報としてもよい。
【0033】
図4の説明に戻ると、ステップS40において、走行履歴非依存化部120は、車載記憶部113に記憶されている走行履歴情報123のうち道路履歴情報131を、地図情報122に依存しない非依存道路履歴情報133に変換する。ここでは、たとえば地図情報122を参照して、道路履歴情報131における各道路リンクの位置情報や道路情報(道路形状、車線数、道路種別等)を取得し、これらの情報を道路リンクごとに道路履歴情報131に付加することで、道路履歴情報131を非依存道路履歴情報133に変換する。これにより、地図情報122に依存せずに、非依存道路履歴情報133における各道路リンクを地図上で識別可能な状態とする。なお、地図情報122に依存せずに各道路リンクを識別可能であれば、非依存道路履歴情報133としてどのような情報を用いてもよい。
【0034】
ステップS50において、走行履歴非依存化部120は、ステップS20、S30、S40でそれぞれ生成された非依存交差点履歴情報132、相対位置情報および非依存道路履歴情報133をまとめて、非依存走行履歴情報124として車載記憶部113に格納する。ステップS50を実行したら、走行履歴非依存化部120は
図4の処理フローを終了する。
【0035】
図6は、走行履歴適合化部121により実行される走行履歴適合化処理の流れを示すフローチャートである。走行履歴適合化部121は、たとえば所定時間ごとに、
図6に示す処理フローに従って走行履歴適合化処理を実行する。
【0036】
ステップS100において、走行履歴適合化部121は、車載端末100において地図情報122が更新されたか否かを判定する。地図情報122が更新されていない場合はステップS110に処理を進め、更新された場合はステップS120に処理を進める。
【0037】
ステップS110において、走行履歴適合化部121は、外部から車載端末100に非依存走行履歴情報124が入力されたか否かを判定する。たとえば、自車両において車載端末100の置き換えが行われ、置き換え前の車載端末100で生成された非依存走行履歴情報124が置き換え後の車載端末100に対して入力された場合は、ステップS120に処理を進める。この場合、入力された非依存走行履歴情報124は車載記憶部113に記憶される。一方、非依存走行履歴情報124が入力されない場合は
図6の処理フローを終了する。
【0038】
以上説明したステップS100およびS110の判定を実行することで、走行履歴適合化部121は、地図の更新や車載端末100の置き換えなどによって地図情報122の内容が変更されたか否かを判定し、地図情報122の内容が変更された場合は、ステップS120以降の処理を行うことができる。なお、ステップS100やS110において、さらにユーザの許諾の有無を判定条件に加えてもよい。たとえば、地図情報122が更新されたときや、外部から車載端末100に非依存走行履歴情報124が入力されたときに、表示装置101に所定の許諾要求画面を表示し、この許諾要求画面においてユーザが許諾の意思表示を示す操作を行った場合に、ステップS100またはS110の判定条件を満たしたと判定する。
【0039】
ステップS120において、走行履歴適合化部121は、交差点履歴変換処理を行う。交差点履歴変換処理は、車載記憶部113に記憶されている非依存走行履歴情報124のうち非依存交差点履歴情報132を、内容変更後の地図情報122に適合化させて変換するための処理である。以下では、ステップS120の交差点履歴変換処理によって非依存交差点履歴情報132から変換された情報を「変換後の交差点履歴情報」と称する。交差点履歴変換処理の具体的な内容は、後で
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
ステップS130において、走行履歴適合化部121は、道路履歴変換処理を行う。道路履歴変換処理は、車載記憶部113に記憶されている非依存走行履歴情報124のうち非依存道路履歴情報133を、内容変更後の地図情報122に適合化させて変換するための処理である。以下では、ステップS130の道路履歴変換処理によって非依存道路履歴情報133から変換された情報を「変換後の道路履歴情報」と称する。道路履歴変換処理の具体的な内容は、後で
図8、9および10のフローチャートを参照して説明する。ステップS130を実行したら、走行履歴適合化部121は
図6の処理フローを終了する。
【0041】
図7は、
図6のステップS120で実行される交差点履歴変換処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
ステップS201において、走行履歴適合化部121は、非依存交差点履歴情報132において未変換の交差点があるか否かを判定する。未変換の交差点、すなわち内容変更後の地図情報122に適合化されていない交差点が存在する場合は、処理をステップS202に進める。一方、未変換の交差点が存在しない場合、すなわち非依存交差点履歴情報132における全ての交差点を内容変更後の地図情報122に適合化済みである場合は、
図7の処理フローを終了し、交差点履歴変換処理を完了する。
【0043】
ステップS202において、走行履歴適合化部121は、非依存交差点履歴情報132において未変換の交差点のうち一つを選択し、その交差点に対応する変換候補の交差点を特定する。ここでは、非依存交差点履歴情報132に含まれる当該交差点の位置情報や交差点情報などに基づいて、走行履歴の変換対象である内容変更後の地図情報122においてどの交差点が当該交差点に対応するかを特定することで、変換候補の交差点を特定する。具体的には、位置情報が表す当該交差点の位置から所定の範囲内に存在する交差点や、交差点情報が表す当該交差点の特徴に一致または近い特徴を有する交差点を、変換候補交差点として内容変更後の地図情報122から特定する。なお、これらの条件を満たす交差点が複数ある場合は、その複数の交差点を変換候補として特定する。
【0044】
ステップS203において、走行履歴適合化部121は、ステップS202で特定した変換候補交差点の接続リンク、すなわち変換候補交差点に接続する各道路リンクを、走行履歴の変換対象である内容変更後の地図情報122において特定する。なお、ステップS202で複数の変換候補交差点を特定した場合は、そのうち最も可能性が高いものを選択してステップS203の処理を実行すればよい。
【0045】
ステップS204において、走行履歴適合化部121は、ステップS202で選択した交差点について、非依存交差点履歴情報132が表す当該交差点の走行履歴が、ステップS203で特定した変換候補交差点の走行履歴へと変換可能であるか否かを判定する。その結果、変換可能であると判定した場合はステップS209に処理を進め、そうでない場合、すなわち変換不可能であると判定した場合はステップS205に処理を進める。ここでは、たとえばステップS203で特定した変換候補交差点の各接続リンクが所定の変換条件を満たすか否かを判断する。たとえば、非依存道路履歴情報133における当該交差点の各接続リンクの位置と変換候補交差点の各接続リンクとの距離が所定の範囲内であり、かつ、当該交差点の各接続リンクの特徴と変換候補交差点の各接続リンクの特徴との差異が所定の範囲内である場合に、変換候補交差点の各接続リンクが変換条件を満たすと判断する。また、非依存走行履歴情報124に含まれる相対位置情報に基づいて、変換候補交差点の各接続リンクが変換条件を満たすか否かを判断してもよい。すなわち、互いに隣接する接続リンク間の角度を算出し、その角度と相対位置情報が表す角度との差が所定の範囲内であれば、変換候補交差点の各接続リンクが変換条件を満たすと判断する。そして、このような変換条件が満たされると判断した場合に、当該交差点の走行履歴が変換候補交差点の走行履歴に変換可能であると判定する。なお、ステップS202で変換候補交差点を一つも特定できなかった場合は、ステップS204において変換不可能であると判定すればよい。また、ステップS202で複数の変換候補交差点を特定した場合は、そのうち最も可能性が高いものについて、ステップS204の処理を実行すればよい。
【0046】
ステップS205において、走行履歴適合化部121は、ステップS204で走行履歴の変換が不可能であると判定された変換候補交差点を処理対象から除外した上で、変換候補交差点がまだ残っているか否かを判定する。その結果、変換候補交差点がまだ残っている場合、すなわち、ステップS202で特定した複数の変換候補交差点の中にステップS204の判定をまだ行っていないものが存在する場合は、ステップS203へ処理を戻す。この場合、走行履歴適合化部121は新たな変換候補交差点を選択した上で、上記ステップS203、S204の処理を実行する。一方、変換候補交差点が残っていない場合、すなわち、ステップS202で特定した複数の変換候補交差点の全てについてステップS204の判定を実施済みである場合は、走行履歴適合化部121はステップS206に処理を進める。この場合、走行履歴適合化部121は、当該交差点に接続する道路リンクの数が地図情報122の変更の前後で異なっており、そのため当該交差点については非依存交差点履歴情報132が表す走行履歴をそのままでは変換できないと判断する。そのため、変更後の地図情報122に合わせて変更後の交差点履歴情報における当該交差点の走行履歴の情報を調整するために、以下で説明するステップS206の処理と、ステップS207またはS208の処理とを実行する。
【0047】
ステップS206において、走行履歴適合化部121は、ステップS202で選択した交差点について、変換前または変換後のどちらの接続リンク数がより多いかを判断する。その結果、変換後の接続リンク数の方が多いと判断した場合、すなわち、非依存交差点履歴情報132における当該交差点の接続リンク数よりも変換候補交差点の接続リンク数が大きい場合は、ステップS207に処理を進める。一方、変換前の接続リンク数の方が多いと判断した場合、すなわち、非依存交差点履歴情報132における当該交差点の接続リンク数よりも変換候補交差点の接続リンク数が小さい場合は、ステップS208に処理を進める。なお、ステップS202で複数の変換候補交差点を特定した場合は、そのうち最も可能性が高いものについて、ステップS206の処理を実行すればよい。
【0048】
ステップS207において、走行履歴適合化部121は、ステップS202で選択した交差点について、非依存交差点履歴情報132のテーブルを拡張する。すなわち、この場合は変換後の接続リンク数の方が多いので、変更後の地図情報122において当該交差点に接続する新たな道路が追加されたと判断できる。そのため、非依存交差点履歴情報132における当該交差点の履歴テーブルに対して、その道路に対応する行および列を追加することで、変換後の交差点履歴情報における履歴テーブルを拡張する。このとき、追加した行および列の各欄には、所定の初期値(たとえば0)を格納する。なお、非依存交差点履歴情報132の履歴テーブルは、
図3(b)に例示した交差点履歴情報130の履歴テーブルと同様の二次元配列を有している。
【0049】
ステップS208において、走行履歴適合化部121は、ステップS202で選択した交差点について、非依存交差点履歴情報132のテーブルを削減する。すなわち、この場合は変換後の接続リンク数の方が少ないので、変更後の地図情報122において当該交差点に接続する道路の一部がなくなったと判断できる。そのため、非依存交差点履歴情報132における当該交差点の履歴テーブルに対して、その道路に対応する行および列を削除することで、変換後の交差点履歴情報における履歴テーブルを削減する。このとき、履歴テーブルの各欄に格納されている値が進入リンクと退出リンクの組み合わせごとの通過回数を表している場合は、削除しなかった行および列の各欄の値をそのままとすればよい。一方、履歴テーブルの各欄に格納されている値が、進入リンクごとの各退出リンクの通過回数の割合や、進入リンクと退出リンクの組み合わせごとの割合を表している場合は、行および列を削除した後でも割合の合計が100%となるように、残りの各欄の値を調整する必要がある。たとえば、進入リンクごとの各退出リンクの通過回数の割合である場合は、削除した列の各欄の値を同じ行にある他の各欄に同数ずつ分配して加算することで、削減後の履歴テーブルにおける各欄の値を調整することができる。
【0050】
ステップS207またはS208を実行することで、変更後の地図情報122に合わせて変更後の交差点履歴情報における当該交差点の走行履歴の情報を調整したら、走行履歴適合化部121はステップS209に処理を進める。
【0051】
ステップS209において、走行履歴適合化部121は、ステップS202で選択した交差点について、非依存交差点履歴情報132の変換を行う。ここでは、非依存交差点履歴情報132における当該交差点の走行履歴の情報から不要な情報、たとえば当該交差点の位置情報や交差点情報などを削除すると共に、当該交差点に対応する変換候補交差点を内容変更後の地図情報122において特定するための情報を付与することで、変換後の交差点履歴情報を生成する。ステップS209を実行したら、走行履歴適合化部121はステップS201に処理を戻す。
【0052】
交差点履歴変換処理では、以上説明したような処理を交差点ごとに繰り返し実行することで、非依存交差点履歴情報132を内容変更後の地図情報122に適合した交差点履歴情報に変換することができる。
【0053】
図8は、
図6のステップS130で実行される道路履歴変換処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
ステップS301において、走行履歴適合化部121は、非依存道路履歴情報133において未変換の道路リンクがあるか否かを判定する。未変換の道路リンク、すなわち内容変更後の地図情報122に適合化されていない道路リンクが存在する場合は、処理をステップS302に進める。一方、未変換の道路リンクが存在しない場合、すなわち非依存道路履歴情報133における全ての道路リンクを内容変更後の地図情報122に適合化済みである場合は、
図8の処理フローを終了し、道路履歴変換処理を完了する。
【0055】
ステップS302において、走行履歴適合化部121は、変換対象リンク決定処理を行う。変換対象リンク決定処理は、未変換の道路リンクに対応する変換対象リンクを内容変更後の地図情報122において決定するための処理である。変換対象リンク決定処理の具体的な内容は、後で
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
ステップS303において、走行履歴適合化部121は、成立確認処理を行う。成立確認処理は、ステップS302で決定した変換対象リンクによって変換後の道路履歴情報が成立するかを確認するための処理である。成立確認処理の具体的な内容は、後で
図10のフローチャートを参照して説明する。ステップS303を実行したら、走行履歴適合化部121はステップS301に処理を戻す。
【0057】
図9は、
図8のステップS302で実行される変換対象リンク決定処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
ステップS401において、走行履歴適合化部121は、非依存道路履歴情報133において未変換の道路リンクのうち一つを選択し、その道路リンクに対応する変換候補の道路リンクを特定する。ここでは、非依存道路履歴情報133に含まれる当該道路リンクの位置情報や道路情報などに基づいて、変換対象である内容変更後の地図情報122においてどの道路リンクが当該道路リンクに対応するかを特定することで、変換候補の道路リンクを特定する。具体的には、位置情報が表す当該道路リンクの位置から所定の範囲内に存在する道路リンクや、道路情報が表す当該道路リンクの特徴に一致または近い特徴を有する道路リンクを、変換候補の道路リンクとして内容変更後の地図情報122から特定する。なお、これらの条件を満たす道路リンクが複数ある場合は、その複数の道路リンクを変換候補として特定する。
【0059】
ステップS402において、走行履歴適合化部121は、ステップS401で選択した道路リンクに対して変換候補の道路リンクが複数特定されたか否かを判定する。複数の道路リンクが変換候補として特定されなかった場合、すなわち一つの道路リンクのみが変換候補として特定された場合はステップS403に処理を進め、複数の道路リンクが変換候補として特定された場合はステップS404に処理を進める。
【0060】
ステップS403において、走行履歴適合化部121は、ステップS401で選択した道路リンクに対して特定した一つの変換候補の道路リンクを、当該道路リンクに対応する変換対象リンクに決定する。ステップS403を実行したら、
図9の処理フローを終了し、変換対象リンク決定処理を完了する。
【0061】
ステップS404において、走行履歴適合化部121は、ステップS401で選択した道路リンクに対して特定した複数の変換候補の道路リンクを、全てスタックにプッシュする。
【0062】
ステップS405において、走行履歴適合化部121は、ステップS404で作成したスタックの最上位にある変換候補の道路リンクを、当該道路リンクに対応する仮の変換対象リンクとして仮決めする。ステップS405を実行したら、
図9の処理フローを終了し、変換対象リンク決定処理を完了する。
【0063】
図10は、
図8のステップS303で実行される成立確認処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
ステップS501において、走行履歴適合化部121は、
図9の変換対象リンク決定処理においてステップS403で決定された変換対象リンク、またはステップS405で決定された仮変換対象リンクが、非依存走行履歴情報124に含まれる相対位置情報の条件を満たすか否かを判定する。ここでは、内容変更後の地図情報122において変換対象リンクまたは仮変換対象リンクの右回り方向に隣接する道路リンクを特定し、互いに隣接するこれらの道路リンク間の角度を算出する。その結果、算出した角度と相対位置情報が表す角度との差が所定の範囲内であれば、相対位置情報の条件を満たすと判定してステップS502に処理を進め、そうでない場合は、相対位置情報の条件を満たさないと判定してステップS503に処理を進める。
【0065】
ステップS502において、走行履歴適合化部121は、
図9の変換対象リンク決定処理においてステップS401で選択した道路リンクについて、非依存道路履歴情報133の変換を行う。ここではまず、ステップS501の判定が当該道路リンクに対応する仮変換対象リンクについて行われた場合に、その仮変換対象リンクを変換対象リンクとする。なお、ステップS501の判定が当該道路リンクに対応する変換対象リンクについて行われた場合は、その変換対象リンクをそのまま用いればよい。次に、非依存道路履歴情報133における当該道路リンクの走行履歴の情報から不要な情報、たとえば当該道路リンクの位置情報や道路情報などを削除すると共に、当該道路リンクに対応する変換対象リンクを内容変更後の地図情報122において特定するための情報を付与することで、変換後の道路履歴情報を生成する。ステップS502を実行したら、走行履歴適合化部121は
図10の処理フローを終了し、成立確認処理を完了する。
【0066】
ステップS503において、走行履歴適合化部121は、ステップS501で相対位置情報の条件を満たさないと判定されたのが変換対象リンクであるか否かを判定する。変換対象リンクである場合はステップS507に処理を進め、変換対象リンクでない場合、すなわち仮変換対象リンクである場合はステップS504に処理を進める。
【0067】
ステップS504において、走行履歴適合化部121は、スタックの最上位にあり、ステップS501で相対位置情報の条件を満たさないと判定された仮変換対象リンクを、スタックからポップする。これにより、仮変換対象リンクに対する仮決めを解除して、以降の処理対象から除外する。
【0068】
ステップS505において、走行履歴適合化部121は、ステップS504で仮変換対象リンクをポップしたスタックにまだ変換候補リンクが残っているか否かを判定する。変換候補リンクが残っている場合はステップS506に処理を進め、残っていない場合、すなわちスタックにおける全ての変換候補リンクがポップされた場合は、ステップS507に処理を進める。
【0069】
ステップS506において、走行履歴適合化部121は、スタックの最上位にある変換候補リンクを、当該道路リンクに対応する新たな仮の変換対象リンクとして仮決めする。ステップS506を実行したら、走行履歴適合化部121はステップS501に処理を戻し、この仮変換対象リンクを対象にステップS501以降の処理を実行する。これにより、相対位置情報の条件を満たす変換候補リンクが特定されるまで、スタックにおける複数の変換候補リンクを順次チェックしていく。
【0070】
ステップS506において、走行履歴適合化部121は、ステップS401で選択した道路リンクを、非依存道路履歴情報133において変換対象から除外する。すなわち、この場合はスタックに変換候補リンクが残っていないため、当該道路リンクについては非依存道路履歴情報133の変換を行うことができない。したがって、当該道路リンクの走行履歴は、変換エラーとして変換後の道路履歴情報に含めないようにする。ステップS506を実行したら、
図10の処理フローを終了し、成立確認処理を完了する。
【0071】
道路履歴変換処理では、以上説明したような処理を道路リンクごとに繰り返し実行することで、非依存走行履歴情報124に含まれる相対位置情報に基づいて、非依存道路履歴情報133を内容変更後の地図情報122に適合した道路履歴情報に変換することができる。
【0072】
以上説明した本発明の第一の実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0073】
(1)情報処理装置である車載端末100は、内容変更前の地図情報122に基づく自車両の走行履歴を表す走行履歴情報123を、内容変更後の地図情報122に適合した走行履歴情報に変換する走行履歴変換部112を備える。走行履歴情報123は、内容変更前の地図情報122における自車両の交差点ごとの走行履歴を表す交差点履歴情報130と、内容変更前の地図情報122における自車両の道路ごとの走行履歴を表す道路履歴情報131とを含む。走行履歴変換部112は、交差点履歴情報130を内容変更後の地図情報122に適合した交差点履歴情報に変換し、道路履歴情報131を内容変更後の地図情報122に適合した道路履歴情報に変換することで、走行履歴情報123を変換する。このようにしたので、車両に搭載されている車載端末を別の車載端末に交換した場合や、車載端末の地図情報を更新した場合に、それまでに蓄積された走行履歴情報を引き継いで利用可能とすることができる。
【0074】
(2)走行履歴変換部112は、走行履歴非依存化部120と、走行履歴適合化部121とを含む。走行履歴非依存化部120は、交差点履歴情報130を、内容変更前の地図情報122に依存せずに自車両の交差点ごとの走行履歴を表す非依存交差点履歴情報132に変換し(ステップS20)、道路履歴情報131を、内容変更前の地図情報122に依存せずに自車両の道路ごとの走行履歴を表す非依存道路履歴情報133に変換する(ステップS40)。走行履歴適合化部121は、非依存交差点履歴情報132を変換後の交差点履歴情報に変換し(ステップS120)、非依存道路履歴情報133を変換後の道路履歴情報に変換する(ステップS130)。このようにしたので、地図の更新や車載端末100の置き換えなど、地図情報122の内容変更が行われた場合に、走行履歴変換部112において走行履歴情報123の変換を確実に行うことができる。
【0075】
(3)走行履歴非依存化部120は、内容変更前の地図情報122における交差点の各接続リンク間の相対位置を表す相対位置情報を生成する(ステップS30)。走行履歴適合化部121は、この相対位置情報に基づいて、非依存交差点履歴情報132を変換後の交差点履歴情報に変換したり(ステップS204〜S209)、非依存道路履歴情報133を変換後の道路履歴情報に変換したりする(ステップS501〜S507)。このようにしたので、走行履歴適合化部121において非依存道路履歴情報133から変換後の道路履歴情報への変換を正確に行うことができる。
【0076】
(4)交差点履歴情報130は、自車両が交差点への進入時に走行した道路に対応する進入リンクと、自車両が交差点からの退出時に走行した道路に対応する退出リンクとの組み合わせの履歴を、たとえば
図3(b)に示すような交差点ごとの履歴テーブルとして有している。走行履歴変換部112は、内容変更前の地図情報122における接続道路数と内容変更後の地図情報における接続道路数とが異なる交差点について、この履歴テーブルを拡張または削減する(ステップS207、S208)。このようにしたので、変更後の地図情報122において当該交差点に接続する新たな道路が追加された場合や、当該交差点に接続する道路の一部がなくなった場合に、それに応じて変更後の交差点履歴情報における当該交差点の走行履歴の情報を調整することができる。
【0077】
(5)車載端末100は、内容変更前の地図情報122または内容変更後の地図情報122を記憶する車載記憶部113をさらに備える。車載端末100は、内容変更前の地図情報122が車載記憶部113に記憶されているときに(ステップS10)、走行履歴非依存化部120を動作させてステップS20〜S50の処理を実行させる。また、車載記憶部113において内容変更前の地図情報122が内容変更後の地図情報122に更新されたとき(ステップS100)、または外部から非依存交差点履歴情報132および非依存道路履歴情報133が入力されたときに(ステップS110)、走行履歴適合化部121を動作させてステップS120、S130の処理を実行させる。このようにしたので、地図の更新や車載端末100の置き換えなど、地図情報122の内容変更が行われた場合に、走行履歴非依存化部120および走行履歴適合化部121をそれぞれ適切なタイミングで動作させることができる。
【0078】
(6)車載端末100は、ユーザの許諾を要求するための許諾要求画面を表示する表示装置101と、ユーザの操作を受け付ける操作装置102とを備える。車載端末100は、ステップS10、S100およびS110の少なくとも一つにおいて、走行履歴非依存化部120および走行履歴適合化部121の少なくともいずれか一方を動作させる前に、表示装置101により許諾要求画面を表示し、この許諾要求画面の表示に応じてユーザが操作装置102により所定の操作を入力したときに、走行履歴非依存化部120および走行履歴適合化部121の少なくともいずれか一方を動作させるようにしてもよい。このようにすれば、ユーザの意思を確認した上で、その意思に従って走行履歴情報123の変換を行うか否かを決定することができる。
【0079】
なお、以上説明した本発明の第一の実施形態において、車載端末100は非依存走行履歴情報124を生成せずに、走行履歴情報123を内容変更後の地図情報122に適合した走行履歴情報に直接変換してもよい。この場合、走行履歴変換部112は、走行履歴非依存化処理を実行する必要がないため、走行履歴非依存化部120を有さずに、走行履歴適合化部121に相当する機能のみを有すればよい。また、走行履歴適合化処理では、非依存走行履歴情報124の代わりに、内容変更前の地図情報122から各交差点や各道路リンクの情報を取得し、その情報に基づいて走行履歴情報123の変換を行えばよい。そのため、この場合には車載記憶部113において、内容変更前の地図情報122と内容変更後の地図情報122を両方とも記憶しておく必要がある。ただし、内容変更前の地図情報122については、走行履歴情報123の変換において必要な情報のみを残し、他の情報は削除してもよい。
【0080】
(第二の実施形態)
図11は、本発明の第二の実施形態に係る情報システムのハードウェア構成を示す図である。
図11に示す情報システムは、車載端末100aとサーバ300とが通信回線400を介して接続されることにより構成されている。車載端末100aは、
図1に示した第一の実施形態に係る車載端末100と同様に、表示装置101、操作装置102、測位センサ103、通信部104、ROM105、RAM106、補助記憶装置107、およびCPU108を備える。サーバ300は、出力部301、入力部302、補助記憶装置303、通信部304、CPU305、およびRAM306を備える。なお、サーバ300には多数の車載端末が接続可能であるが、
図11ではこれらを代表して一つの車載端末100aで示している。
【0081】
車載端末100aにおいて、通信部104は、通信回線400に接続し、サーバ300との間で通信を行う。通信回線400は、たとえばインターネットや携帯電話回線等により構成される。その他の各構成は、第一の実施形態において説明したとおりである。
【0082】
出力部301は、不図示のディスプレイ等と接続され、CPU305の処理結果等を表示するための情報を出力する。入力部302は、タッチパネル、キーボード、マウスなどと接続され、オペレータからの指示をサーバ300に入力する。補助記憶装置303は、プログラムや各種データを記憶する記憶装置であり、HDDやSSDなどにより構成される。
【0083】
通信部304は、通信回線400に接続し、車載端末100aとの間で各種データの通信を行う。CPU305は、補助記憶装置303からRAM306上にロードされるプログラムを実行する演算処理装置である。RAM306は、CPU305の処理に用いられる情報を一時的に保存する記憶装置である。RAM306は、たとえば補助記憶装置303に記憶されているプログラムをCPU305において実行する際に当該プログラムをロードしたり、CPU305で実行中のプログラムが生成した情報を一時的に記憶したりするのに利用される。
【0084】
図12は、本発明の第二の実施形態に係る情報システムのシステム構成を示す図である。車載端末100aは、その機能として、経路推定部110、走行履歴保存部111、走行履歴非依存化部120、走行履歴アップロード部125、および車載記憶部113を備える。車載記憶部113には、
図2に示した第一の実施形態に係る車載端末100と同様に、地図情報122、走行履歴情報123および非依存走行履歴情報124が記憶される。なお、第一の実施形態で説明したように、走行履歴情報123は交差点履歴情報130および道路履歴情報131を有しており、非依存走行履歴情報124は非依存交差点履歴情報132および非依存道路履歴情報133を有しているが、
図12ではこれらの図示を省略している。経路推定部110、走行履歴保存部111、走行履歴非依存化部120および走行履歴アップロード部125は、CPU108がROM105や補助記憶装置107に記憶されている所定のプログラムを実行することで実現される機能である。
【0085】
サーバ300は、その機能として、走行履歴適合化部310、走行履歴配信部311、地図種別検索部312、およびサーバ記憶部313を備える。サーバ記憶部313には、地
図DB320、非依存走行履歴DB321および車載端末地図対応DB322が記憶される。なお、走行履歴適合化部310、走行履歴配信部311および地図種別検索部312は、CPU305が補助記憶装置303に記憶されている所定のプログラムを実行することで実現される機能である。一方、サーバ記憶部313は、補助記憶装置303により実現される機能である。
【0086】
車載端末100aにおいて、経路推定部110、走行履歴保存部111、走行履歴非依存化部120および車載記憶部113の各動作は、第一の実施形態で説明した通りである。走行履歴アップロード部125は、走行履歴非依存化部120により走行履歴情報123から変換されて車載記憶部113に記憶された非依存走行履歴情報124を、通信部104を用いてサーバ300にアップロードする。
【0087】
サーバ300において、走行履歴適合化部310は、車載端末100aからアップロードされて非依存走行履歴DB321に格納された非依存走行履歴情報124を、車載端末100aに対応する変換後の走行履歴情報に変換する。なお、車載端末100aに対応する変換後の走行履歴情報とは、車載端末100aにおいて地図情報122の内容が変更された場合に、その内容変更後の地図情報122に適合した情報である。走行履歴適合化部310は、第一の実施形態で説明した車載端末100の走行履歴適合化部121と同様の手法により、非依存走行履歴情報124から車載端末100aに対応する変換後の走行履歴情報への変換を行う。
【0088】
走行履歴配信部311は、走行履歴適合化部310で生成された車載端末100aに対応する変換後の走行履歴情報を、通信部304を用いて車載端末100aに配信する。
【0089】
地図種別検索部312は、車載端末100aが搭載する車載記憶部113に記憶されている地図情報122と同じ地図情報を、地
図DB320から検索して取得する。地図種別検索部312は、車載端末地図対応DB322に格納されている地図種別情報から、車載端末100aに対応する地図種別情報を検索する。そして、検索された地図種別情報に基づいて、車載端末100aの地図情報122に一致する地図情報を地
図DB320から検索する。地図種別検索部312は、たとえば地図情報122が提供されている車載端末のIDや機種、地図情報122に収録されている地図の対象エリア、地図情報122のフォーマット、地図情報122の配信年度などの情報を、地図情報122に対応する地図種別情報として車載端末地図対応DB322から検索することができる。
【0090】
地
図DB320には、車載端末100aにおいて車載記憶部113に記憶されている地図情報122と同一の地図情報が格納されている。さらに、サーバ300に接続される車載端末100a以外の車載端末についても、各車載端末において記憶されている地図情報とそれぞれ同一のものが地
図DB320に格納されている。すなわち、地
図DB320は、サーバ300に接続される全ての車載端末に対応する様々な種類の地図情報によって構成されるデータベースである。なお、各車載端末に対応する最新バージョンの地図情報のみを地
図DB320に格納してもよいし、過去バージョンの地図情報を含めて地
図DB320に格納してもよい。
【0091】
非依存走行履歴DB321には、車載端末100aからアップロードされた非依存走行履歴情報124が格納されている。さらに、サーバ300に接続される車載端末100a以外の車載端末についても、各車載端末からアップロードされた非依存走行履歴情報が非依存走行履歴DB321に格納されている。なお、非依存走行履歴DB321における各車載端末の非依存走行履歴情報の管理は、車載端末単位で行ってもよいし、各車載端末を使用するユーザ単位、または各車載端末が搭載されている車両単位で行ってもよい。
【0092】
車載端末地図対応DB322には、車載端末100aを含む各車載端末の地図情報に対応する地図種別情報が格納されている。たとえば、地図情報が提供されている車載端末のIDや機種、地図情報に収録されている地図の対象エリア、地図情報のフォーマット、地図情報の配信年度などの情報が、地図種別情報として車載端末地図対応DB322に格納されている。なお、車載端末地図対応DB322における地図種別情報の管理は、車載端末単位で行ってもよいし、同一機種の車載端末同士をまとめて機種単位で行ってもよい。あるいは、各車載端末を使用するユーザ単位、または各車載端末が搭載されている車両単位で行ってもよい。
【0093】
図13は、本発明の第二の実施形態に係る情報システムにおいて車載端末100aからサーバ300へ非依存走行履歴情報124をアップロードする際の処理シーケンスを示す図である。この処理シーケンスは、走行履歴の引き継ぎを開始すると車載端末100aが判断することで実行される。なお、走行履歴の引き継ぎを開始するか否かの判定は、第一の実施形態で説明した
図4のステップS10と同様の手法で行うことができる。
【0094】
走行履歴の引き継ぎを開始すると判断すると、車載端末100aは、サーバ300に対して認証情報を送信する。この認証情報は、サーバ300において車載端末100aをサービス提供対象として認証するための情報であり、たとえば車載端末100aのIDである。車載端末100aから認証情報を受けたサーバ300は、ステップS601において、その認証情報を基に車載端末100aの認証を行う。なお、車載端末100aを直接認証せずに、車載端末100aが搭載されている車両や、車載端末100aを利用するユーザを認証することで、車載端末100aの認証を行ってもよい。どの認証方法を用いるかは、非依存走行履歴DB321における各車載端末の非依存走行履歴情報の管理単位に応じて区別すればよい。車載端末100aの認証が完了したら、サーバ300から車載端末100aに認証結果を返信する。
【0095】
サーバ300から正常である旨の認証結果を受けた車載端末100aは、ステップS602において、走行履歴非依存化部120にて走行履歴情報123の非依存化を行う。このとき走行履歴非依存化部120は、第一の実施形態で説明した
図4の走行履歴非依存化処理を実行することで、走行履歴情報123を地図情報122に依存しない非依存走行履歴情報124に変換する。走行履歴情報123の非依存化が完了したら、車載端末100aは走行履歴アップロード部125により、生成された非依存走行履歴情報124をサーバ300にアップロードする。
【0096】
車載端末100aから非依存走行履歴情報124をアップロードされたサーバ300は、ステップS603において、受信した非依存走行履歴情報124を非依存走行履歴DB321に格納して保存する。このときサーバ300は、ステップS601の認証結果と非依存走行履歴情報124とを互いに関連付けて、非依存走行履歴DB321に保存する。非依存走行履歴情報124を正常に保存できたら、サーバ300から車載端末100aに保存結果を通知する。
【0097】
なお、上記の例では、サーバ300において車載端末100aの認証を行った後に、車載端末100aにおいて走行履歴情報123の非依存化を行う手順を説明したが、これらの処理の順番は入れ替えることも可能である。すなわち、車載端末100aにおいて事前に走行履歴情報123の非依存化を行っておき、その後で車載端末100aからサーバ300に認証を要求してもよい。
【0098】
図14は、本発明の第二の実施形態に係る情報システムにおいて車載端末100aがサーバ300から変換後の走行履歴情報を取得する際の処理シーケンスを示す図である。この処理シーケンスは、地図情報122が更新されたと車載端末100aが判断することで実行される。なお、地図情報122が更新されたか否かの判定は、第一の実施形態で説明した
図6のステップS100と同様の手法で行うことができる。
【0099】
地図情報122が更新されたと判断すると、車載端末100aは、サーバ300に対して認証情報を送信する。車載端末100aから認証情報を受けたサーバ300は、ステップS701において、その認証情報を基に、
図13のステップS601と同様にして、車載端末100aの認証を行う。
【0100】
車載端末100aの認証が完了したら、サーバ300はステップS702において、非依存走行履歴DB321に保存されている車載端末100aの非依存走行履歴情報124を取得する。
【0101】
車載端末100aの非依存走行履歴情報124を取得したら、サーバ300はステップS703において、地図種別検索部312により、車載端末100aにおける内容変更後の地図情報122と同じ地図情報を地
図DB320から検索する。このとき地図種別検索部312は、ステップS701における車載端末100aの認証結果に基づいて、車載端末地図対応DB322に格納されている地図種別情報の中から、車載端末100aに対応する地図種別情報を検索する。そして、検索された地図種別情報に基づいて、地
図DB320に格納されている様々な種類の地図情報の中から、車載端末100aの地図情報122に一致するものを特定する。
【0102】
車載端末100aにおける内容変更後の地図情報122と同じ地図情報を検索できたら、サーバ300はステップS704において、走行履歴適合化部310にて非依存走行履歴情報124の適合化を行う。このとき走行履歴適合化部310は、ステップS702で取得した非依存走行履歴情報124に対して、ステップS703で検索した地図情報を用いて第一の実施形態で説明した
図6の走行履歴適合化処理を実行することで、非依存走行履歴情報124を内容変更後の地図情報122に適合した走行履歴情報に変換する。非依存走行履歴情報124の適合化が完了したら、サーバ300は走行履歴配信部311により、生成された変換後の走行履歴情報を車載端末100aに送信する。
【0103】
図15は、車載端末地図対応DB322に格納されている地図種別情報の一例を示す図である。車載端末地図対応DB322には、地図種別情報として、たとえば
図15のテーブルに示すような情報が格納されている。
【0104】
図15(a)のテーブルは、機種単位で管理されている地図種別情報の例である。このテーブルにおいて、列601の各欄には、各車載端末のIDが機種単位で格納される。列602の各欄には、各車載端末の機種を表す種別情報が格納される。ここには、各車載端末のモデルを一意に識別可能なモデル番号などが格納される。列603の各欄には、各機種に対応する地図情報のフォーマットを示す情報が格納される。ここには、たとえばNDS(Navigation Data Standard)やKiwiなど、地図情報の表現形式に関する情報が格納される。列604の各欄には、各機種に対応する地図情報が表すエリアの情報が格納される。ここには、たとえば日本、北米、中国、欧州など、どの国または地域の地図情報が収録されているかを示す情報が格納される。列605の各欄には、各機種に対応する地図情報の最新バージョンを示す情報が格納される。なお、車載端末の地図情報は、現地の道路形状などの変化に対応して、たとえば年に数回など所定の頻度で更新される。その結果、同じ地図フォーマットであってもバージョンが異なる地図情報では、収録されている地図の内容が異なる。そのため、車載端末の地図情報はバージョン単位で管理される。
【0105】
図15(a)のような地図種別情報を用いた場合、走行履歴適合化部310では、最新バージョンの地図情報に適合した走行履歴情報となるように、非依存走行履歴情報124の変換が行われる。したがって、この場合には車載端末100aでは、地図情報122が必ず最新バージョンへと更新されるものとする。
【0106】
図15(b)のテーブルは、端末単位で管理されている地図種別情報の例である。このテーブルにおいて、列606の各欄には、各車載端末のIDが端末単位で格納される。列607の各欄には、各車載端末の地図情報のフォーマットを示す情報が格納される。列608の各欄には、各車載端末の地図情報が表すエリアの情報が格納される。列609の各欄には、各車載端末の地図情報のバージョンを示す情報が格納される。
【0107】
図15(b)のような地図種別情報を用いた場合、走行履歴適合化部310では、最新バージョンに限らず任意のバージョンの地図情報に適合した走行履歴情報となるように、非依存走行履歴情報124の変換を行うことが可能となる。したがって、この場合には車載端末100aでは、地図情報122を任意のバージョンへと更新することができる。
【0108】
以上説明した本発明の第二の実施形態によれば、情報システムは、自車両に搭載される車載端末100aと、車載端末100aに接続されるサーバ300とを有する。車載端末100aは、内容変更前の地図情報122に基づく自車両の走行履歴を表す走行履歴情報123を記憶するための車載記憶部113と、走行履歴情報123を車載記憶部113に記憶させる走行履歴保存部111と、車載記憶部113に記憶された走行履歴情報123を、内容変更前の地図情報122に依存しない非依存走行履歴情報124に変換する走行履歴非依存化部120と、走行履歴非依存化部120により走行履歴情報123から変換された非依存走行履歴情報124をサーバ300に送信する走行履歴アップロード部125とを備える。サーバ300は、車載端末100aから送信された非依存走行履歴情報124を記憶するサーバ記憶部313と、サーバ記憶部313に記憶された非依存走行履歴情報124を、内容変更後の地図情報122に適合した走行履歴情報に変換する走行履歴適合化部310と、走行履歴適合化部310により非依存走行履歴情報124から変換された変換後の走行履歴情報を車載端末100aに配信する走行履歴配信部311とを備える。このようにしたので、第一の実施形態と同様に、車両に搭載されている車載端末を別の車載端末に交換した場合や、車載端末の地図情報を更新した場合に、それまでに蓄積された走行履歴情報を引き継いで利用可能とすることができる。
【0109】
なお、以上説明した第一および第二の各実施形態では、走行履歴情報123が交差点履歴情報130および道路履歴情報131を含み、非依存走行履歴情報124が非依存交差点履歴情報132および非依存道路履歴情報133を含む例を説明した。しかし、走行履歴情報123が道路履歴情報131を含まず、非依存走行履歴情報124が非依存道路履歴情報133を含まないようにしてもよい。すなわち、各交差点における自車両の進入リンクと退出リンクの履歴のみを走行履歴情報123として記録しておき、この走行履歴情報123を非依存走行履歴情報124に変換すると共に、こうして得られた非依存走行履歴情報124を内容変更後の地図情報122に適合化させてもよい。この場合、走行履歴非依存化部120は、
図4に示す走行履歴非依存化処理において、ステップS40の処理を省略することができる。さらにこの場合、ステップS30の処理を省略して、相対位置情報を生成しないこことしてもよい。また、走行履歴適合化部121、310は、
図6に示す走行履歴適合化処理において、ステップS130の処理を省略することができる。このようにしても、第一および第二の実施形態で説明したのと同様の作用効果を奏することができる。
【0110】
なお、以上説明した実施形態はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、上記では種々の実施形態を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。