(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カラオケ本体との通信が不可能と判断された後、前記リモコン側判断部により前記カラオケ本体との通信が可能と判断された場合、前記切替指示部は、前記第1の通信経路による無線通信に切り替える指示を行うことを特徴とする請求項1記載のカラオケ装置。
前記一のリモコン装置との通信が不可能と判断された後、前記本体側判断部により前記一のリモコン装置との通信が可能と判断された場合、前記通信指示部は、当該一のリモコン装置以外の他のリモコン装置に対し、前記第2の通信経路による無線通信を停止するよう指示することを特徴とする請求項1または2記載のカラオケ装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
後述する明細書及び図面の記載から、上記の主たる発明の他、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0014】
すなわち、前記カラオケ本体との通信が不可能と判断された後、前記リモコン側判断部により前記カラオケ本体との通信が可能と判断された場合、前記切替指示部は、前記第1の通信経路による無線通信に切り替える指示を行うカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、カラオケ本体と一のリモコン装置とが通信可能となった場合には、第1の通信経路による通信(カラオケ本体とリモコン装置との直接通信)を可能とすることができる。
【0015】
また、前記一のリモコン装置との通信が不可能と判断された後、前記本体側判断部により前記一のリモコン装置との通信が可能と判断された場合、前記通信指示部は、当該一のリモコン装置以外の他のリモコン装置に対し、前記第2の通信経路による無線通信を停止するよう指示するカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、カラオケ本体と一のリモコン装置とが通信可能となった場合には、他のリモコン装置における第2の通信経路による無線通信を停止させることができる。
【0016】
また、前記一のリモコン装置は、前記カラオケ本体との通信が可能な場合と不可能の場合とで、前記指示コマンドを入力するための表示態様を異ならせる表示変更部を有するカラオケ装置が明らかとなる。このようなカラオケ装置によれば、通信経路の種類に応じた指示コマンドの入力を可能とする。
【0017】
<実施形態>
図1〜
図9を参照して、実施形態に係るカラオケ装置1について説明する。
【0018】
==カラオケ装置==
カラオケ装置1は、カラオケ楽曲の演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケ装置1は、一のカラオケ本体10、ルータR及び複数のリモコン装置(この例では、リモコン装置RC1及びRC3の3つ)を含む。本実施形態に係るカラオケ装置1は、たとえば、ナイト店舗のカウンター付近にカラオケ本体10が設置され、各テーブルにリモコン装置がそれぞれ置かれている状態で使用される。
【0019】
カラオケ本体10は、選曲されたカラオケ楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御といった、カラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。カラオケ本体10は、ルータRと接続されている。ルータRは、カラオケ本体10と各リモコン装置とを中継する通信機器である。なお、本実施形態では、カラオケ本体10と各リモコン装置とがルータRを介して通信を行う例を示しているが、ルータRを介さずに通信を行うことも可能である。或いは、カラオケ本体10自体がルータRと同等の機能を有していてもよい。
【0020】
カラオケ本体10にはスピーカ20、表示装置30、マイク40が接続されている。スピーカ20はカラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30はカラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は利用者の音声をカラオケ本体10に入力するための構成である。
【0021】
リモコン装置RC1〜RC3は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。各リモコン装置の表示画面には各種操作の指示入力を行うためのアイコン等が表示される。利用者またはナイト店舗の従業員は、各リモコン装置を用いてカラオケ歌唱を希望する楽曲の選曲(予約)や、音量調整、或いはサーバ装置(図示無し)にアップロードされている歌唱動画をダウンロードする等の指示入力を行うことができる。これらの指示入力に基づき、リモコン装置は指示コマンドをカラオケ本体10に送信する。カラオケ本体10は、指示コマンドに基づく処理を実行する。このように、指示コマンドは、カラオケ本体10に対して何らかの処理を実行させるためのコマンドである。
【0022】
なお、本実施形態において、各リモコン装置はカラオケ本体10とペアリング(詳細は後述)された状態となっている。また、各リモコン装置は、互いにペアリング(詳細は後述)された状態となっている。
【0023】
==リモコン装置==
[ハードウェア構成]
図2はリモコン装置のハードウェア構成例を示す図である。リモコン装置RC1〜RC3のハードウェア構成は共通であるため、ここではリモコン装置RC1を例に説明を行う。リモコン装置RC1は、記憶部100、通信部101、表示部102、操作部103及び制御部104を備える。
【0024】
記憶部100は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。通信部101は、リモコン装置RC1とカラオケ本体10(ルータR)とを接続するためのインターフェースを提供する。通信部101には、第1の通信経路及び第2の通信経路(詳細は後述)が搭載されている。表示部102はカラオケ楽曲の検索画面等、各種表示を行うための構成である。操作部103は、リモコン装置RC1に対して各種入力を行うための構成である。操作部103は、リモコン装置RC1のハードウェア上に設けられるボタン等であってもよいし、表示部102に表示されるアイコンであってもよい。操作部103を介して行われた指示入力は、指示コマンドとして通信部101を介してカラオケ本体10(または他のリモコン装置)に送信される。制御部104は、リモコン装置RC1における各種の制御を行う。制御部104は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0025】
[ソフトウェア構成]
図3は本実施形態に係るリモコン装置RC1〜RC3のソフトウェア構成のうち、共通する機能を示す図である(異なるソフトウェア構成については後述する)。リモコン装置RC1〜RC3は、通信処理部104a、リモコン側ペアリング処理部104b、及びリモコン側判断部104cを備える。通信処理部104a、リモコン側ペアリング処理部104b、及びリモコン側判断部104cは、制御部104のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
【0026】
(通信処理部)
通信処理部104aは、第1の通信経路によりカラオケ本体10との無線通信を可能とし、第2の通信経路により他のリモコン装置との無線通信を可能とする。
【0027】
第1の通信経路は、たとえば、Wi−Fi(登録商標)のような無線LANの通信規格を使用する経路である。第1の通信経路は、楽曲の予約指示に基づくコマンドのような小容量のデータ通信だけでなく、サーバ装置からダウンロードした歌唱動画データのような大容量のデータ通信を可能とする。
【0028】
第2の通信経路は、たとえば、Blutooth(登録商標)のような近距離無線通信の規格を使用する経路である。第2の通信経路は、上述のコマンドのような小容量のデータ通信に特化したものであり、大容量のデータ通信には適していない。
【0029】
通信処理部104aは、カラオケ本体10と無線通信を行う場合には、第1の通信経路を介して行う。一方、通信処理部104aは、他のリモコン装置と通信する必要がある場合には、第2の通信経路を介して行う。なお、本実施形態において、通信処理部104aは、通常時、第1の通信経路による無線通信を可能とし、第2の通信経路による無線通信を停止させるよう設定を行う。
【0030】
(リモコン側ペアリング処理部)
リモコン側ペアリング処理部104bは、他のリモコン装置とペアリング処理を行う。
【0031】
ここでのペアリングとは、一のリモコン装置と他のリモコン装置とが通信可能となるように関連付けを行うことをいう。たとえば、リモコン装置RC1から送信された指示コマンドをリモコン装置RC2で受信可能となるように、リモコン装置RC1とリモコン装置RC2との関連付けを行うことである。
【0032】
ペアリングの処理に伴うリモコン装置間の通信は、第2の通信経路により行われる。従って、ペアリングの処理を行う際、通信処理部104aは、第2の通信経路による無線通信が可能となるように切り替えを行う。
【0033】
ここで、リモコン装置RC1とリモコン装置RC2とのペアリングを行う例について述べる。ナイト店舗の従業員は、リモコン装置RC1において所定のアプリケーションソフトウェアを実行し、リモコン装置とのペアリング用アイコンの選択を行う。この場合、リモコン装置RC1は、自己の装置識別情報をリモコン装置RC2に送信する。リモコン装置RC2のリモコン側ペアリング処理部104bは、受信した装置識別情報をペアリングテーブルに記憶することでリモコン装置RC1とのペアリングを行う。同様に、ナイト店舗の従業員は、リモコン装置RC2において所定のアプリケーションソフトウェアを実行し、リモコン装置とのペアリング用アイコンの選択を行う。この場合、リモコン装置RC2は、自己の装置識別情報をリモコン装置RC1に送信する。リモコン装置RC1のリモコン側ペアリング処理部104bは、受信した装置識別情報をペアリングテーブルに記憶することでリモコン装置RC2とのペアリングを行う。
【0034】
(リモコン側判断部)
リモコン側判断部104cは、カラオケ本体10との通信状態を判断する。
【0035】
具体的に、リモコン側判断部104cは、カラオケ本体10(ルータR)から送信される電波の受信強度を測定する。リモコン側判断部104cは、受信強度が0になった場合や予め設定した閾値より低くなった場合、カラオケ本体10との通信が不可能と判断する。一方、リモコン側判断部104cは、受信強度が0より大きくなった場合や予め設定した閾値以上になった場合、カラオケ本体10との通信が可能と判断する。カラオケ本体10との通信が不可能と判断した場合、リモコン側判断部104cは、その旨の信号を通信切替部104d(後述)に出力する。
【0036】
==カラオケ本体==
[ハードウェア構成]
図4に示すように、カラオケ本体10は、制御部11、通信部12、記憶部13、音響処理部14、表示処理部15、及び操作部16を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0037】
(制御部)
制御部11は、カラオケ本体10の各種処理を制御する。制御部11は、CPUおよびメモリ(いずれも図示なし)を備える。CPUは、メモリに記憶された動作プログラムを実行することにより各種の制御機能を実現する。
【0038】
(通信部)
通信部12は、ルータRを介してカラオケ本体10を各リモコン装置と接続するためのインターフェースを提供する。
【0039】
(記憶部)
記憶部13は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。記憶部13は、カラオケ楽曲を演奏するための楽曲データ、歌詞テロップデータ、及び背景画像データ等を記憶する。
【0040】
(音響処理部)
音響処理部14は、制御部11の制御に基づき、カラオケ楽曲に対する演奏の制御およびマイク40を通じて入力された歌唱音声信号の処理を行う。
【0041】
(表示処理部)
表示処理部15は、制御部11の制御に基づき、表示装置30における各種表示に関する処理を行う。
【0042】
(操作部)
操作部16は、パネルスイッチおよびリモコン受信回路などからなり、利用者によるカラオケ本体10のパネルスイッチあるいは各リモコン装置の操作に応じて選曲信号、演奏中止信号などの操作信号を制御部11に対して出力する。制御部11は、操作部16からの操作信号を検出し、対応する処理を実行する。
【0043】
[カラオケ本体のソフトウェア構成]
図5はカラオケ本体10のソフトウェア構成例を示す図である。カラオケ本体10は、本体側ペアリング処理部10a、本体側判断部10b、及び通信指示部10cを備える。本体側ペアリング処理部10a、本体側判断部10b、及び通信指示部10cは、制御部11のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
【0044】
(本体側ペアリング処理部)
本体側ペアリング処理部10aは、複数のリモコン装置それぞれとペアリング処理を行う。
【0045】
ここでのペアリングとは、カラオケ本体10とリモコン装置とが通信可能となるように関連付けを行うことをいう。たとえば、リモコン装置RC1から送信された楽曲予約の指示コマンドをカラオケ本体10で受信可能となるように、リモコン装置RC1とカラオケ本体10との関連付けを行うことである。
【0046】
リモコン装置RC1とカラオケ本体10とのペアリングを行う例について述べる。ナイト店舗の従業員は、リモコン装置RC1において所定のアプリケーションソフトウェアを実行し、カラオケ本体10とのペアリング用アイコンの選択を行う。この場合、リモコン装置RC1は、自己の装置識別情報をカラオケ本体10に送信する。本体側ペアリング処理部10aは、受信した装置識別情報をペアリングテーブルに記憶することでリモコン装置RC1とのペアリングを行う。
【0047】
(本体側判断部)
本体側判断部10bは、ペアリングされた各リモコン装置との通信状態を判断する。
【0048】
具体的に、本体側判断部10bは、複数のリモコン装置に対し、通信状態の確認信号をブロードキャストで配信する。確認信号を受信したリモコン装置は、自己の装置識別情報と関連付けて応答信号を返信する。本体側判断部10bは、ペアリングテーブルに記憶されている装置識別情報を参照し、ペアリングされたリモコン装置から応答信号が得られているかどうかを確認する。本体側判断部10bは、ペアリングされたリモコン装置のうち、応答信号が得られたリモコン装置を通信が可能であると判断し、応答信号が得られなかったリモコン装置を通信が不可能であると判断する。本体側判断部10bは、判断結果を通信指示部10cに出力する。
【0049】
以下の例において、リモコン装置RC1は、通信が不可能であると判断されたリモコン装置であり、リモコン装置RC2は、通信が可能であると判断されたリモコン装置であるとして説明を行う。この場合、リモコン装置RC1は「一のリモコン装置」に相当し、リモコン装置RC2は「他のリモコン装置」に相当する。
【0050】
(通信指示部)
通信指示部10cは、一のリモコン装置との通信が不可能と判断された場合、当該一のリモコン装置以外の他のリモコン装置に対し、第2の通信経路による無線通信を行うよう指示する。
【0051】
上述のように、カラオケ本体10とリモコン装置RC1との通信が不可能となっている場合、通信指示部10cは、カラオケ本体10とペアリングされているリモコン装置のうち、通信が不可能となっているリモコン装置RC1以外のリモコン装置RC2に対し、第2の通信経路による無線通信を行うよう指示信号を送信する。
【0052】
リモコン装置RC2の通信処理部104aは、当該指示信号に基づいて、第2の通信経路による無線通信が可能となるよう設定する。なお、この場合、通信処理部104aは、第1の通信経路による無線通信も可能となるよう維持する。すなわち、リモコン装置RC2は、第1の通信経路及び第2の通信経路いずれの通信経路によっても通信可能な状態となる。
【0053】
一方、上述のようにカラオケ本体10と通信が不可能であると判断されたリモコン装置RC1であっても、設置されるテーブルが変更された等の理由によりカラオケ本体10との通信が可能となる場合もありうる。
【0054】
このため、本体側判断部10bは、リモコン装置に対する通信状態の確認信号の配信を定期的に行う。そして、一のリモコン装置との通信が不可能と判断された後、本体側判断部10bにより一のリモコン装置との通信が可能と判断された場合、通信指示部10cは、当該一のリモコン装置以外の他のリモコン装置に対し、第2の通信経路による無線通信を停止するよう指示することも可能である。
【0055】
上記例において、リモコン装置RC1との通信が不可能と判断した後、本体側判断部10bがリモコン装置RC1から応答信号を受信したとする。この場合、リモコン装置RC1とカラオケ本体10とは直接通信が可能となっている。よって、通信指示部10cは、リモコン装置RC2に対して、第2の通信経路による無線通信を停止するよう指示信号を送信する。リモコン装置RC2の通信処理部104aは、当該指示信号に基づいて第2の通信経路での通信を停止し、第1の通信経路のみの通信に切り替える。
【0056】
==一のリモコン装置(リモコン装置RC1)==
[ソフトウェア構成]
本実施形態に係るリモコン装置RC1は、リモコン装置RC2と共通の構成の他に、切替指示部104d、通信接続部104e、及び表示変更部104fを備える。
図6はリモコン装置RC1のソフトウェア構成例を示す図である。
図6において、
図3に示したリモコン装置RC2と共通の構成については記載を省略する。切替指示部104d、通信接続部104e、及び表示変更部104fは、制御部104のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
【0057】
(切替指示部)
切替指示部104dは、カラオケ本体10との通信が不可能と判断された場合、第2の通信経路による無線通信に切り替える指示を行う。
【0058】
リモコン側判断部104cにより、カラオケ本体10との通信が不可能と判断された場合、リモコン装置RC1はカラオケ本体10と直接通信ができない。よって、利用者が楽曲の予約等を行ったとしても指示コマンドをカラオケ本体10に送信できないため、カラオケ演奏を行うことができない。
【0059】
そこで、カラオケ本体10との通信が不可能と判断された場合、切替指示部104dは、通信処理部104aに対し、第1の通信経路を停止し、第2の通信経路による無線通信に切り替えるよう指示信号を出力する。通信処理部104aは、当該指示信号に基づいて、第2の通信経路による無線通信に切り替えを行う。この場合、リモコン装置RC1は、ペアリングされている他のリモコン装置との間で第2の通信経路による通信が可能となる。
【0060】
一方、上述の通り、一旦カラオケ本体10と通信が不可能であると判断されたリモコン装置RC1であっても、その後、カラオケ本体10との通信が可能となる場合もありうる。
【0061】
このため、リモコン側判断部104cは、カラオケ本体10(ルータR)から送信される電波の受信強度を定期的に測定する。リモコン側判断部104cは、たとえば、受信強度が予め設定した閾値以上になった場合、カラオケ本体10との通信が可能と判断し、その旨の信号を切替指示部104dに出力する。切替指示部104dは、当該信号に基づいて、第1の通信経路による無線通信に切り替える(第2の通信経路による無線通信を停止させる)よう指示することも可能である。
【0062】
上記例において、カラオケ本体10との通信が不可能と判断した後、リモコン側判断部104cが閾値以上の受信強度を検出したとする。この場合、リモコン装置RC1とカラオケ本体10とは直接通信が可能となっている。よって、切替指示部104dは、第1の通信経路による無線通信に切り替えるよう指示信号を出力する。リモコン装置RC1の通信処理部104aは、当該指示信号に基づいて第2の通信経路での無線通信を停止し、第1の通信経路のみの無線通信に切り替える。なお、この切替に伴い、リモコン装置RC1とリモコン装置RC2との接続(詳細は後述)が解除される。そこで、切替指示部104dは、接続を解除した旨の信号をカラオケ本体10に送信する。
【0063】
(通信接続部)
通信接続部104eは、ペアリングされた他のリモコン装置と、第2の通信経路による無線通信が可能となるよう接続を行う。
【0064】
具体的に、通信接続部104eは、第2の通信経路による無線通信を行う他のリモコン装置をペアリングテーブルの中から検索し、当該リモコン装置と接続を行う。たとえば、通信接続部104eは、第2の通信経路を介して接続信号をブロードキャストで配信する。接続信号を受信した他のリモコン装置は、自己の装置識別情報を関連付けて応答信号を送信する。通信接続部104eは、応答信号に関連付けられた装置識別情報がペアリングテーブルに記憶されているかを確認し、記憶されている装置識別情報を送信したリモコン装置に対して接続信号を送信することで接続を完了させる。この例では、リモコン装置RC2と接続できたとする。この場合、リモコン装置RC1は指示コマンドを第2の通信経路によりリモコン装置RC2に送信することが可能となる。なお、上述の通り、リモコン装置RC1とカラオケ本体10との通信が不可能と判断された場合、それ以外のリモコン装置(この例ではリモコン装置RC2)は、第1の通信経路による無線通信に加え、第2の通信経路による無線通信も行うよう設定されている。また、応答信号を送信した他のリモコン装置が複数存在する場合、通信接続部104eは、たとえば、「応答信号を最も早く受信した」、「応答信号の強度が最も強い」という所定の条件に基づいて、一つのリモコン装置との接続を行う。
【0065】
他のリモコン装置との接続が完了した場合、接続元のリモコン装置(この例ではリモコン装置RC1)または接続先のリモコン装置(この例ではリモコン装置RC2)は、接続が完了した旨の完了信号を各装置識別情報と併せてカラオケ本体10に送信する。カラオケ本体10(通信指示部10c)は、完了信号及び装置識別情報に基づいて、接続されたリモコン装置を記憶し、それら以外のリモコン装置(たとえば、
図1の例におけるリモコン装置RC3)に対し、第2の通信経路による無線通信を停止させる信号を送信することも可能である。
【0066】
(表示変更部)
表示変更部104fは、カラオケ本体10との通信が可能な場合と不可能の場合とで、指示コマンドを入力するための表示態様を異ならせる。
【0067】
カラオケ本体10との通信が可能な場合、リモコン装置RC1は、第1の通信経路によりカラオケ本体10と直接通信ができる。この場合、上述の通り歌唱動画のような大容量のデータをカラオケ本体10から直接受信することができる。一方、カラオケ本体10との通信が不可能な場合、リモコン装置RC1は、第2の通信経路によりリモコン装置RC2を介してのみカラオケ本体10との通信が可能となる(詳細は後述)。この場合、第2の通信経路では、歌唱動画のような大容量のデータを送受信することが困難である。
【0068】
そこで、表示変更部104fは、カラオケ本体10との通信状態により、指示コマンドを入力するための画面の表示態様を異ならせることができる。
【0069】
図7A及び
図7Bは、リモコン装置RC1における表示部102の表示画面を示す。カラオケ本体10とリモコン装置RC1との通信が可能な場合、表示変更部104fは、たとえば、楽曲予約用のアイコンの他、歌唱動画のダウンロード用のアイコンを表示部102に表示させる(
図7A参照)。
【0070】
一方、カラオケ本体10とリモコン装置RC1との通信が不可能な場合、表示変更部104fは、第2の通信経路を介して実行することが不可能な処理の指示コマンドに対応するアイコン(歌唱動画のダウンロード用アイコン)の表示を消去する(
図7B参照)。なお、表示変更部104fは、
図7Bに示したように特定のアイコンを消去する代わりに、アイコンの色を変更する(たとえば、選択できないようグレー表示させる)、アイコンの形状を変える等の処理も可能である。なお、表示変更部104fの構成は必須ではない。
【0071】
==他のリモコン装置(リモコン装置RC2)==
[ソフトウェア構成]
本実施形態に係るリモコン装置RC2は、リモコン装置RC1と共通の構成の他に、転送処理部104gを備える。
図8はリモコン装置RC2のソフトウェア構成例を示す図である。
図8において、
図3に示したリモコン装置RC1と共通の構成については記載を省略する。転送処理部104gは、制御部104のCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより実現される。
【0072】
(転送処理部)
転送処理部104gは、一のリモコン装置から第2の通信経路により送信されたカラオケ本体10に対する指示コマンドを、第1の通信経路によりカラオケ本体10に転送する。
【0073】
一のリモコン装置は、カラオケ本体10と直接通信が不可能な場合、カラオケ本体10と直接通信が可能な他のリモコン装置を介して指示コマンドをカラオケ本体10に送信することができる。
【0074】
たとえば、リモコン装置RC1とリモコン装置RC2とが接続された状態において、リモコン装置RC1から第2の通信経路により楽曲の予約の指示コマンドが送信されたとする。リモコン装置RC2は、カラオケ本体10と第1の通信経路により通信可能となっている。従って、転送処理部104gは、第1の通信経路により当該指示コマンドをカラオケ本体10に転送することができる。カラオケ本体10は、転送された指示コマンドに基づいて楽曲の予約を実行する。
【0075】
==カラオケシステムにおける処理について==
次に、
図9を参照して本実施形態に係るカラオケ装置1における処理について述べる。
図9は、カラオケ装置1における処理例を示すフローチャートである。この例では、2つのリモコン装置RC1及びRC2を用いて説明を行う。また、カラオケ本体10と各リモコン装置、及びリモコン装置同士は、それぞれペアリングされているとする。
【0076】
本体側判断部10bは、ペアリングされているリモコン装置RC1及びRC2との通信状態を判断する(通信状態の判断。ステップ10)。この例において、本体側判断部10bは、リモコン装置RC1と通信が不可能と判断したとする。
【0077】
この場合、本体側判断部10bは、リモコン装置RC2に対して、第2の通信経路による無線通信を行うよう指示する(第2の通信経路による通信を指示。ステップ11)。
【0078】
リモコン装置RC2の通信処理部104aは、ステップ11の指示信号に基づいて、第2の通信経路での通信が可能となるように設定する(第2の通信経路による通信の設定。ステップ12)。
【0079】
一方、リモコン装置RC1のリモコン側判断部104cは、カラオケ本体10との通信状態を判断する。上述の通り、この例においては、カラオケ本体10とリモコン装置RC1とは通信が不可能となっている。従って、リモコン装置RC1のリモコン側判断部104cにおいても、カラオケ本体10との通信が不可能であると判断される。
【0080】
そこで、切替指示部104dは、通信処理部104aに対し、第2の通信経路による無線通信に切り替える指示を行う(第2の通信経路による通信への切替指示。ステップ13)。
【0081】
また、通信接続部104eは、ペアリングされているリモコン装置RC2と、第2の通信経路による無線通信が可能となるよう接続を行う(他のリモコン装置との接続。ステップ14)。
【0082】
その後、利用者がリモコン装置RC1を操作して、楽曲予約の指示入力を行ったとする。この場合、リモコン装置RC1は、第2の通信経路を介して楽曲予約の指示入力に応じた指示コマンドをリモコン装置RC2に送信する(指示コマンドの送信。ステップ15)。
【0083】
転送処理部104gは、ステップ15で送信された指示コマンドをカラオケ本体10に転送する(指示コマンドの転送。ステップ16)。
【0084】
このように、本実施形態に係るカラオケ本体10は、リモコン装置RC1との通信が不可能と判断された場合、リモコン装置RC1以外のリモコン装置RC2に対し、第2の通信経路による無線通信を行うよう指示する。また、本実施形態に係るリモコン装置RC1は、カラオケ本体10との通信が不可能と判断した場合、第2の通信経路による無線通信に切り替える指示を行う。更に、リモコン装置RC1は、第2の通信経路による無線通信が可能となるよう、リモコン装置RC2との接続を行う。そして、本実施形態に係るリモコン装置RC2は、リモコン装置RC1から第2の通信経路により送信されたカラオケ本体10に対する指示コマンドを、第1の通信経路によりカラオケ本体10に転送することができる。このような構成により、リモコン装置RC1は、カラオケ本体10と直接通信ができない場合であっても、リモコン装置RC2を介して、指示コマンドを送信できる。すなわち、本実施形態に係るカラオケ装置1によれば、あるリモコン装置がカラオケ本体と直接通信できない場合であっても、当該リモコン装置からカラオケ本体への指示入力を可能とする。
【0085】
また、本実施形態に係るリモコン装置RC1によれば、カラオケ本体10との通信が不可能と判断された後、改めてカラオケ本体10との通信が可能と判断された場合、第1の通信経路による無線通信に切り替える指示を行うことができる。従って、カラオケ本体10との通信状態が改善された場合には、リモコン装置RC1とカラオケ本体10との直接通信に切り替えることができる。
【0086】
また、本実施形態に係るカラオケ本体10によれば、リモコン装置RC1との通信が不可能と判断された後、改めてリモコン装置RC1との通信が可能と判断された場合、リモコン装置RC2に対し、第2の通信経路による無線通信を停止するよう指示することができる。従って、リモコン装置RC2は、リモコン装置RC1からの指示コマンドをカラオケ本体10に転送する処理が不要となる。
【0087】
更に、本実施形態に係るリモコン装置RC1によれば、カラオケ本体10との通信が可能な場合と不可能の場合とで、指示コマンドを入力するための表示態様を異ならせることができる。たとえば、カラオケ本体10との通信が不可能な場合、リモコン装置RC1は、第2の通信経路を介して実行できないような指示入力(歌唱動画の配信指示等)のアイコンを表示させない。従って、実行できない指示入力を利用者が選択することを防止できる。
【0088】
<その他>
上記実施形態では、リモコン装置RC1がカラオケ本体10と通信が不可能となった場合に、リモコン装置RC2を介して指示入力が可能となる例について述べた。
【0089】
一方、このような状況において、リモコン装置RC2もカラオケ本体10と通信が不可能となる場合もありうる。このような場合、更に別のリモコン装置を利用することで、リモコン装置RC1及びリモコン装置RC2からの指示入力をカラオケ本体10に転送することができる。この例では、リモコン装置RC3を「別のリモコン装置」として利用する例について述べる。
【0090】
本体側判断部10bは、リモコン装置RC1とリモコン装置RC2との接続がなされた後、リモコン装置RC1〜RC3に対する通信状態の確認信号の配信を定期的に行う。その結果、リモコン装置RC2との通信が不可能と判断したとする。この場合、通信指示部10cは、通信が不可能となったリモコン装置RC2を装置識別情報から特定し、それ以外のリモコン装置(この例ではリモコン装置RC3)に対し、第2の通信経路による無線通信を行うよう指示する。
【0091】
リモコン装置RC3の通信処理部104aは、当該指示信号に基づいて、第2の通信経路による無線通信が可能となるよう設定する。なお、この場合、通信処理部104aは、第1の通信経路による無線通信も可能となるよう維持する。すなわち、リモコン装置RC3は、第1の通信経路及び第2の通信経路いずれの通信経路によっても通信可能な状態となる。
【0092】
一方、カラオケ本体10との通信が不可能と判断されたリモコン装置RC2は、上記実施形態における「一のリモコン装置」と同様の処理を実行する。
【0093】
すなわち、リモコン装置RC2の切替指示部104dは、通信処理部104aに対し、第1の通信経路を停止し、第2の通信経路による無線通信に切り替えるよう指示信号を出力する。通信処理部104aは、当該指示信号に基づいて、第2の通信経路による無線通信に切り替えを行う。
【0094】
また、通信接続部104eは、第2の通信経路による無線通信を行う他のリモコン装置をペアリングテーブルの中から検索し、当該リモコン装置(この例ではリモコン装置RC3)と接続を行う。
【0095】
リモコン装置RC3との接続が完了した場合、リモコン装置RC2またはリモコン装置RC3は、接続が完了した旨の完了信号を各装置識別情報と併せてカラオケ本体10に送信する。カラオケ本体10(通信指示部10c)は、完了信号及び装置識別情報に基づいて、接続されたリモコン装置を記憶する。なお、リモコン装置RC1〜RC3以外のリモコン装置が存在する場合には、それらのリモコン装置に対し、第2の通信経路による無線通信を停止させる信号を送信することも可能である。
【0096】
ここで、リモコン装置RC3は、上記実施形態における「他のリモコン装置」と同様の処理を実行する。
【0097】
すなわち、リモコン装置RC3の転送処理部104gは、リモコン装置RC1またはRC2から第2の通信経路により送信されたカラオケ本体10に対する指示コマンドを、第1の通信経路によりカラオケ本体10に転送する。
【0098】
以上の説明から明らかなように、この例では、リモコン装置RC1及びRC2が「一のリモコン装置」に相当し、リモコン装置RC3が「一のリモコン装置と接続された他のリモコン装置」に相当する。
【0099】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。