特許第6796543号(P6796543)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 6796543-配線用遮断器 図000002
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  • 6796543-配線用遮断器 図000007
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796543
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】配線用遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/02 20060101AFI20201130BHJP
   H01H 71/02 20060101ALI20201130BHJP
   H01H 71/08 20060101ALI20201130BHJP
   H01H 73/06 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   H01H73/02 B
   H01H71/02
   H01H71/08
   H01H73/06 Z
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-87442(P2017-87442)
(22)【出願日】2017年4月26日
(65)【公開番号】特開2018-185996(P2018-185996A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2020年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】柴田 徹郎
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−306618(JP,A)
【文献】 特開2017−033714(JP,A)
【文献】 特開2007−287582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 69/00 − 69/01
H01H 71/00 − 83/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断器ハウジングの背面に複数の電源側端子、前面に複数の負荷側端子、上面に前記負荷側端子の出力をオン/オフ操作する操作ハンドルが配置されて、前記負荷側端子が縦に一列に配設されると共に、電線を挿入するだけで接続される速結端子で構成され、過電流が前記電源側端子と前記負荷側端子の間の電路に流れたら前記電路を遮断する遮断機能を備えた配線用遮断器であって、
前記遮断器ハウジング前面の個々の前記負荷側端子近傍には、絶縁抵抗測定用の測定孔が設けられており、
前記遮断器ハウジングの前面は斜め上方を向くよう傾斜形成されていると共に、前記負荷側端子の数に合わせて凹部と凸部が縦方向に周期的に配置されて階段状を成し、
前記負荷側端子の個々の電線挿入孔は前記凹部に形成され、個々の前記測定孔は前記凸部の上部に形成されて成ることを特徴とする配線用遮断器。
【請求項2】
前記測定孔は、前記負荷側端子の斜め下に配置されて成ることを特徴とする請求項1記載の配線用遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤内等に設置される配線用遮断器に関し、詳しくは遮断器ハウジングの高さ方向に端子を一列に配置して幅を狭く形成した配線用遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
電源側端子及び負荷側端子を遮断器のハウジング高さ方向に一列に配置してハウジングの幅を狭くした配線用遮断器がある。例えば、特許文献1に開示された配線用遮断器では、電源側端子にプラグイン式を採用すると共に負荷側端子に速結端子を採用して、ハウジングの幅を従来の約2分の1としている。
図6はこの従来の配線用遮断器の斜視図であり、傾斜形成された前面に負荷側端子30が縦に一列に配置され、上端に速結端子に挿入した電線の係止を解除する解除レバー31が設けられ、各負荷側端子の直下には絶縁抵抗測定用の測定孔32が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4813957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の配線用遮断器は、測定孔32が負荷側端子30と同一面に配置されているため、分電盤に組み付けた状態でも測定孔が塞がれることが無く、プローブを差し込んで絶縁抵抗を測定することができた。
しかしながら、図6に示すように測定孔32は負荷側端子30の直下に設けられているため、電線が接続された状態では測定孔32が確認し辛らかった。特に、分電盤内に組み付けた状態では、遮断器前面が上下何れかに向けられて設置されるため、確認し辛く測定作業が面倒であった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、負荷側端子に電線が挿入された状態でも測定孔を視認し易く、またプローブを挿入し易い配線用遮断器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、遮断器ハウジングの背面に複数の電源側端子、前面に複数の負荷側端子、上面に負荷側端子の出力をオン/オフ操作する操作ハンドルが配置されて、負荷側端子が縦に一列に配設されると共に、電線を挿入するだけで接続される速結端子で構成され、過電流が電源側端子と負荷側端子の間の電路に流れたら電路を遮断する遮断機能を備えた配線用遮断器であって、遮断器ハウジング前面の個々の負荷側端子近傍には、絶縁抵抗測定用の測定孔が設けられており、遮断器ハウジングの前面は斜め上方を向くよう傾斜形成されていると共に、負荷側端子の数に合わせて凹部と凸部が縦方向に周期的に配置されて階段状を成し、負荷側端子の個々の電線挿入孔は凹部に形成され、個々の測定孔は凸部の上部に形成されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、負荷側端子を凹部に配置する一方で、測定孔は凸部の上部に形成されるため、負荷側端子に電線が挿入された状態でも操作ハンドルを配置した上方向から測定孔を視認し易い。また、測定孔は凸部の上面に形成されるため、操作ハンドルを前方に向けた組み付け状態では測定孔も前方を向き、測定作業がし易い。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、測定孔は、負荷側端子の斜め下に配置されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、測定孔は負荷側端子の斜め下に配置されるため、負荷側端子に電線を接続した状態でも上方から容易に視認できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、負荷側端子を凹部に配置する一方で、測定孔は凸部の上部に形成されるため、負荷側端子に電線が挿入された状態でも操作ハンドルを配置した上方向から測定孔を視認し易い。また、測定孔は凸部の上面に形成されるため、操作ハンドルを前方に向けた組み付け状態では測定孔も前方を向き、測定作業がし易い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る配線用遮断器の一例を示す斜視図である。
図2】A部の拡大図であり、(a)は電線が挿入された状態、(b)は電線挿入前の状態を示している。
図3図1の平面図であり、(a)は電線を挿入していない状態、(b)は電線を挿入した状態を示している。
図4】配線用遮断器の側面図である。
図5】内部を透視した部分側面図である。
図6】従来の配線用遮断器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1−3は本発明に係る配線用遮断器の一例を示し、図1は斜視図、図2はA部拡大図、図3は平面図である。図示するように、配線用遮断器1は遮断器ハウジング10の背面に電源側端子2が設けられ、前面に負荷側端子3が形成されている。また遮断器ハウジング10の上面に負荷側端子3の出力をオン/オフ操作する操作ハンドル4、負荷側端子3に挿入された分岐電路を形成する電線8の抜き取りを可能とする解除レバー5が設けられ、各負荷側端子3には絶縁抵抗測定用の測定孔6が近傍に設けられている。
【0011】
尚、電源側端子2と負荷側端子3の各極は途中に開閉接点(図示せず)が設けられた内部電路で接続されており、操作ハンドル4の操作で開閉接点は開閉されて負荷側端子3の出力オン/オフ操作が成される。また、遮断器ハウジング10内には、内部電路に過電流が流れたらそれを検知する過電流検知手段、過電流が流れたら開閉接点を開操作して電路を遮断する遮断機構が組み込まれている。
【0012】
電源側端子2は、単相3線式電路の3層で配置された銅バー(図示せず)を把持して連結されるよう上下方向に3つの銅バー把持部P1,P2,P3を有して形成され、上部の銅バー把持部P1が中性極端子、中央及び下部の銅バー把持部P2,P3が電圧極端子となっている。各電源側端子2は、コ字状の端子金具を有し、分電盤内等に配設された導体バー(図示せず)を挿入するだけで接続可能なプラグイン式の端子として形成されている。
【0013】
負荷側端子3は、縦に配置されて電線8が挿入される3つの端子孔L1,L2,L3から成り、各端子孔L1,L2,L3の内部には挿入された電線8が電気的に接続される端子金具が配置されている。3つの端子孔L1,L2,L3のうち特定の2つの端子孔に電線8が挿入されて使用されるが、図1等では説明の都合上3本の電線8を負荷側端子3に接続した状態を示している。
3つの端子孔L1、L2、L3は、上下方向へ一列に配設されており、中央の端子孔L2が中性極端子孔、上部の端子孔L1及び下部の端子孔L3が電圧極端子孔となっている。
【0014】
このようにプラグイン式の電源側端子2、及び速結端子から成る負荷側端子3が縦配置されることで、遮断器ハウジング10は四角形の箱体であるが幅は略10センチメートルと薄く形成されている。また、負荷側端子3を配置した前面は、分電盤に組み付けた状態で前方から視認し易いよう斜め上方を向くよう傾斜形成されている。尚、分電盤に組み付けた状態では操作ハンドル4を設けた上面が前方に向けられる。
【0015】
そして、測定孔6は負荷側端子3のそれぞれに対して設けられ、端子孔L1,L2,L3の近傍に設けられている。具体的に、個々の端子孔L1,L2,L3の斜め下(左下)に形成され、測定孔6の列は負荷側端子3の列に隣接して平行に配設されている。
図3の平面図に示すM1は測定孔6の列の中心線を示し、M2は負荷側端子3の列(端子孔L1,L2,L3の列)の中心線を示しており、双方の列は近接した状態で平行に配設されていることを示している。
【0016】
また、遮断器ハウジング10の前面は、個々の端子孔L1,L2,L3の位置に合わせて縦方向に周期的な凹凸が設けられ、負荷側端子3の形成部は3段から成り階段状に形成されている。そして、個々の凹部D1に負荷側端子3が形成され、個々の凸部D2に測定孔6が形成されている。
負荷側端子3は、各凹部D1において遮断器ハウジング10の傾斜した前面に直交する方向に端子孔L1,L2,L3を穿設して形成され、測定孔6は各凸部D2の上面9において下方に向けて凹設されている。
【0017】
図4,5は、配線用遮断器1の側面図であり、図4は電線8の挿入角度を示し、図5は内部を透視した部分図でありプローブ20の挿入角度を示している。図4,5に示すように、負荷側端子3は遮断器ハウジング10の前面に対して直交する斜め上方から電線8が挿入されるよう端子孔L1,L2,L3が形成され、測定孔6は遮断器ハウジング10の上面に直交する鉛直方向から下に向けてプローブ20が挿入されるよう形成されている。
また、負荷側端子3を構成する端子金具は、速結端子を形成する電線接続金具11と、内部電路に一体形成された端子座金具12とから成り、図5に示すように、挿入されたプローブ20は端子座金具12の端部に接触するよう構成されている。端子座金具12は、斜め上方に向けて配設されて形成され、その端部が水平方向に折り曲げられて形成され、凹設された測定孔6の底部に配置されている。その結果、上方から挿入されたプローブ20はこの端子座金具12に先端が良好に接触する。
【0018】
尚、電線接続金具11は、挿入された電線8と電気的に接続される接続バネ11aと、電線が接続バネ11aに接続された状態で抜け止めを図る抜け止めバネ11bとから構成され、端子孔L1,L2,L3から挿入された電線8は、ネジ止め等の連結操作をすることなく電気的に接続が成される。また電線接続金具11は、端子座金具12の上部に配置され、端子座金具12に密着するように配置されている。
【0019】
このように、負荷側端子3が階段状に凹凸形成した凹部D1に配置される一方で、測定孔6は凸部D2の上部に形成されるため、操作ハンドル4を配置した上方向から測定孔6を視認し易く、負荷側端子3に電線8が挿入された状態でも測定孔6の位置を判別し易い。また、測定孔6は凸部D2の上面に形成されるため、プローブ20を上方から挿入操作でき、操作ハンドル4を配置した遮断器ハウジング10の上面を前方に向けた分電盤に組み付けた状態で測定操作がし易い。
更に、測定孔6は負荷側端子3の斜め下に配置されるため、負荷側端子3に電線8を接続した状態でも上方から容易に視認できる。
【0020】
尚、上記実施形態では、凹部D1と凸部D2を周期的に設けて階段状にしているが、凸部D2を形成することで凸部D2と凸部D2の間に必然的に凹部D1が形成されるため、積極的に凹部D1を形成しなくても良い。そして、相対的に凹んだ部位に負荷側端子3を設ければよい。
【符号の説明】
【0021】
1・・配線用遮断器、2・・電源側端子、3・・負荷側端子、4・・操作ハンドル、L1,L2,L3・・端子孔(電線挿入孔)、6・・測定孔、8・・電線、9・・上面、10・・遮断器ハウジング、D1・凹部、D2・・凸部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6