(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796587
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】原子炉の冷却システムで金属表面を除染する方法
(51)【国際特許分類】
G21F 9/28 20060101AFI20201130BHJP
C23G 1/08 20060101ALI20201130BHJP
G21F 9/06 20060101ALI20201130BHJP
G21F 9/12 20060101ALI20201130BHJP
G21F 9/30 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
G21F9/28 521D
G21F9/28 501Z
G21F9/28 525B
G21F9/28 525D
C23G1/08
G21F9/06 G
G21F9/12 512A
G21F9/30 561F
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-541697(P2017-541697)
(86)(22)【出願日】2015年2月5日
(65)【公表番号】特表2018-511037(P2018-511037A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】EP2015052372
(87)【国際公開番号】WO2016124240
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2017年12月27日
【審判番号】不服2019-12895(P2019-12895/J1)
【審判請求日】2019年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】518150493
【氏名又は名称】フラマトム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ルイス・ゼンペレ−ベルダ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ギュンター・トップフ
【合議体】
【審判長】
井上 博之
【審判官】
野村 伸雄
【審判官】
松川 直樹
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−529299(JP,A)
【文献】
特開昭55−66800(JP,A)
【文献】
特表2012−513006(JP,A)
【文献】
特開昭60−235099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/06
G21F 9/12
G21F 9/28
G21F 9/30
C23G 1/08
C23G 1/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原子炉の冷却システムにおける金属表面を除染する方法であって、
前記金属表面が、ラジオアイソトープを含む金属酸化物で被覆されており、
前記冷却システムが、少なくとも1つのリアクター・クーラント・ポンプを含む1またはそれよりも多い主ループおよび残留熱除去システムを有して成り、
前記除染方法が、複数の処理サイクルを実施することを含んで成り、該処理サイクルの各々が、
a)ラジオアイソトープを含む金属酸化物を過マンガン酸塩オキシダントの水溶液と接触させる酸化工程、
b)金属酸化物の少なくとも一部およびラジオアイソトープを溶解させるために、前記酸化工程に付された金属酸化物を、シュウ酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、ピコリン酸、グルコン酸、グリオキシル酸およびそれらの混合物から成る群から選択される有機酸の水溶液と接触させる除染工程、ならびに、
c)少なくともラジオアイソトープをイオン交換樹脂に固定化する洗浄工程
を含んで成り、
前記酸化工程が、同じまたは異なる処理サイクルの中で次々に実施される、少なくとも1つの酸性の酸化工程および少なくとも1つのアルカリ性の酸化工程を含んで成り、
前記複数の処理サイクルが、高温酸化工程を含む2つ以上の処理サイクルを含んで成り、前記過マンガン酸塩オキシダントの水溶液が、少なくとも120℃の温度に保持され、前記高温酸化工程中にて、前記少なくとも1つのリアクター・クーラント・ポンプが、主ループ内の過マンガン酸塩オキシダントの水溶液を循環および加熱するために用いられ、前記残留熱除去システムが、過マンガン酸塩オキシダントの水溶液の温度を制御するために用いられ、
少なくとも1つの酸性の酸化工程が、過マンガン酸塩オキシダントの水溶液が少なくとも120℃の温度で保持される高温酸化工程を含んで成る、
除染方法。
【請求項2】
過マンガン酸塩オキシダントがHMnO4、HMnO4/HNO3、KMnO4/HNO3、KMnO4/KOH、KMnO4/NaOHから成る群から選択される、請求項1に記載の除染方法。
【請求項3】
酸性の酸化工程において、過マンガン酸塩オキシダントの水溶液のpH値が6未満である、請求項1または2に記載の除染方法。
【請求項4】
アルカリ性の酸化工程において、過マンガン酸塩オキシダントの水溶液のpH値が少なくとも8である、請求項1または2に記載の除染方法。
【請求項5】
酸性の酸化工程における過マンガン酸塩オキシダントが、HMnO4、HMnO4/HNO3、KMnO4/HNO3または過マンガン酸塩の他の金属塩から成る群から選択される、請求項3に記載の除染方法。
【請求項6】
アルカリ性の酸化工程における過マンガン酸塩オキシダントが、KMnO4/NaOH 、KMnO4/KOHまたは過マンガン酸塩の他の金属塩および金属水酸化物である、請求項4に記載の除染方法。
【請求項7】
複数の処理サイクルが、酸性の酸化工程を含んで成る第1の処理サイクルに引き続いて、アルカリ性の酸化工程を含んで成る第2の処理サイクルを行う、またはその逆である、交互に順列した処理サイクルを含んで成る、請求項1〜6のいずれかに記載の除染方法。
【請求項8】
複数の処理サイクル全てが、過マンガン酸塩オキシダントの水溶液が少なくとも120℃の温度を保持する高温酸化工程を含んで成る、請求項1〜7のいずれかに記載の除染方法。
【請求項9】
過マンガン酸塩オキシダントの水溶液が120℃〜150℃の温度範囲に保持される、請求項1〜8のいずれかに記載の除染方法。
【請求項10】
少なくとも1つのアルカリ性の酸化工程が、過マンガン酸塩オキシダントの水溶液が少なくとも120℃の温度で保持される高温酸化工程を含んで成る、請求項1〜9のいずれかに記載の除染方法。
【請求項11】
有機酸がシュウ酸である、請求項1〜10のいずれかに記載の除染方法。
【請求項12】
高温酸化工程の間にて過マンガン酸塩オキシダントの水溶液が1barよりも高い圧力に保持される、請求項1〜10のいずれかに記載の除染方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉の冷却システムにおいて放射性核種を含む酸化物層で被覆される金属表面を除染する方法に関し、特には加圧水型原子炉の冷却システムで金属表面を除染する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子炉の多くのタイプでは、水は、発電を目的としたリアクター・コアからエネルギーを移すためのクーラントとして用いられる。例えば、加圧水型原子炉(PWR)において、水は、リアクター・コアと、1またはそれよりも多いリアクター・クーラント・ポンプ(reactor coolant pumps)および1またはそれよりも多い蒸気発電機を含む主ループ・システム(または1次ループ・システム、primary loop system)とを通るように循環される。蒸気発電機において、主クーラントからの熱が水の2次ループに伝達されるところ、該2次ループは、タービン発電機を稼働させる蒸気を形成する。沸騰水型原子炉(BWR)では、主ループにおける水は、より低い圧力下で蒸気を形成し、該蒸気は主システムからタービン発電機まで直接送られる。
【0003】
リアクター冷却システムのパイプは、通常、ステンレス鋼およびいくらかの延伸されるCoアロイによって製造される。PWRの主ループおよび蒸気発生器管の内側の主な表面は、Niアロイ(例えば、Inconel
TMまたはIncoloy
TM800)から成る。280℃よりも高い温度での原子炉の稼働条件下では、金属イオンはパイプのアロイから浸出され、また溶解され、またクーラントに輸送される。金属イオンの一部が、稼働中のリアクター・コアを通るとき、ラジオアイソトープ(または放射性同位体もしくは放射性元素、radioisotope)を形成するに至る。リアクターの稼働中では、そのような金属イオンおよびラジオアイソトープはリアクター冷却システムの内側の金属表面上に酸化物層として堆積(または沈着)する。
【0004】
構成要素またはシステムに使用されるアロイの種類に依存して、形成される酸化物層は、クロム(III)およびニッケル(II)のスピネルを含む他の金属酸化物種のみならず、二価および三価の鉄を含んだ混合酸化鉄をも含む。特に、蒸気発生器管の金属表面上に形成される酸化堆積物は、高含量のクロム(III)またはニッケル(II)成分を含むところ、かかる成分は該酸化堆積物に高い抵抗を生じせしめ、また金属表面から除去することを困難にさせる。
【0005】
リアクター稼働中に発生する放射性物質の混入に起因して、前記酸化物層の除去の必要性は時々生じる。長期の稼働期間にわたって、リアクター冷却システムの内部表面上に堆積するラジオアイソトープ(例えば、Co-60、 Co-58、 Cr-51、 Mn-54など)の量は蓄積する。このことは、リアクター冷却システムの構成要素の表面活性または線量率の増加をもたらす。該放射性物質の除去は、検査、メンテナンス、修理および解体作業を冷却システムについて実施する前に、ALARAの原則(合理的に達成可能な限り低く、As Low As Reasonably Achievable)に従って、作業員の放射線被曝量を減らすために頻繁に必要となる。
【0006】
多くの手順は、原子炉の冷却システムの金属表面から、ラジオアイソトープを含む酸化物層を除去するために説明される。商業的に成功した方法は、酸化物層をオキシダント(または酸化剤もしくは酸化性物質、oxidant)、例えば、Cr(III)をCr(VI)に変換するための過マンガン酸塩(またはパーマグネイトもしくはパーマンガネイト、permanganate)、で処理する工程、および続いて、有機酸(例えば、シュウ酸)の溶液を用いて、酸性条件下で酸化物層を溶解する工程を含んで成る。有機酸は、付加的に、先行する酸化工程からオキシダントの起こり得る過剰分を減らし、また除染溶液中で溶解するCr(VI)をCr(III)に還元する働きを有する。追加の還元剤は、オキシダントを除去するために、またCr(VI)をCr(III)に変えるために添加することができる。金属イオンおよび酸化物層に由来し、除染溶液に溶解する活性化される放射性核種(例えば、Fe(II)、Fe(III)、Ni(II)、Co(II)、Cr(III))は、その後、それらをイオン交換体に通すことで溶液から除去される。該除染工程の後に、溶液中の有機酸は、光触媒酸化によって分解され、二酸化炭素および水を形成する。
【0007】
一般的に、複数の処理サイクルは、酸化工程および酸化物層の除去、または除染工程を含んで成り、金属表面の活性の満足のいく減少を達成するために実施される。表面活性の減少および/または表面活性の減少に対応する線量の減少は、「除染因子(decontamination factor)」と称される。除染因子は、除染処理前のBq/cm
2で表す表面活性を除染処理後のBq/cm
2で表す表面活性で除算した値、または除染処理前の線量率を除染処理後の線量率で除算した値のいずれか一方によって算出される。
【0008】
更に、補助システムを含む全体的なリアクター冷却システム、または残りのシステムから分離され得る(例えば、弁によって分離され得る)リアクター冷却システムの一部分いずれか一方に、除染処理を付すことができ、または、個々の構成要素(例えば、主クーラント・ポンプ)を別個の容器に配置し、またそれらの上に形成される酸化物層の除去のために処理することができる。
【0009】
EP 2 564 394は、原子力発電所(例えば、加圧水型原子炉、PWR)の構成要素またはシステムの除染のためのプロセスを開示している。かかる方法は、幾つかの処理サイクルを含んで成り、その各々のサイクルは酸化工程を含んでおり、該酸化工程では、金属表面上に形成される酸化物層はオキシダントを含む水溶液で処理され、また各々のサイクルは後続の除染工程を含み、該除染工程において、酸化物層が有機酸の水溶液で処理される。少なくとも1つの酸化工程は酸性溶液中で実施され、また少なくとも1つの酸化工程はアルカリ性溶液中で実施される。前記公報は、酸性からアルカリ性までオキシダント溶液のpH値を変化させる(またはその逆を行ってもよい)ことが、全体的な除染因子を増加させると主張している。
【0010】
しかしながら、上述の除染処理は、線量の減少または活性の除去のための満足のいく結果を達成するためには、複数(5つより多い)の処理サイクルを実行することが依然として要求されており、結果として、かかる処理に伴う大量の放射性廃棄物が発生していた。
【発明の概要】
【0011】
それゆえに、本発明は、処理サイクルの数を減らし、また除染処理から生じる放射性廃棄物の量を最小限にする、より効果的な除染プロセスを提供することを課題とする。
【0012】
本発明によれば、前記課題は、原子炉の冷却システムにおいて金属表面を除染する方法により解決される。かかる方法では、金属表面は、ラジオアイソトープを含む金属酸化物で被覆されており、ならびに、該冷却システムは、リアクター・クーラント・ポンプを含む1またはそれよりも多い主ループおよび残留熱除去システム(residual heat removal system)を有して成り、該方法は、複数の処理サイクルを実施することを含んで成り、該処理サイクルの各々は、
a)ラジオアイソトープを含む金属酸化物を過マンガン酸塩オキシダントの水溶液と接触させる酸化工程(oxidation step)、
b)金属酸化物の少なくとも一部およびラジオアイソトープを溶解させるために、前記酸化工程に付された金属酸化物を、シュウ酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、ピコリン酸、グルコン酸、グリオキシル酸およびそれらの混合物から成る群から選択される有機酸の水溶液と接触させる除染工程(decontamination step)、ならびに、
c)少なくともラジオアイソトープをイオン交換樹脂に固定化する洗浄工程(cleaning step)
を含んで成る除染方法である。
前記酸化工程は、同じまたは異なる処理サイクルの中で次々に実施される、少なくとも1つの酸性の酸化工程(酸性条件下における酸化工程)および少なくとも1つのアルカリ性の酸化工程(アルカリ条件下における酸化工程)を含んで成り、ならびに、前記複数の処理サイクルは、高温酸化工程を含む少なくとも1つの処理サイクルを含んで成り、該高温酸化工程において、オキシダント溶液が少なくとも100℃の温度に保持され、ならびに、高温酸化工程の間、少なくとも1つのリアクター・クーラント・ポンプが主ループ内部でオキシダント溶液を循環および加熱するために用いられ、ならびに残留熱除去システムが、オキシダント溶液の温度を制御するために用いられる。
【0013】
本発明者らは、少なくとも1つの酸化工程を、少なくとも100℃の高温(好ましくは、100℃〜150℃の範囲)で実施することで、EP 2 564 394のプロセスと比べて、除染因子が顕著に増加することを見出した。従って、処理サイクルの数、全体的な処理時間を顕著に減ずることができ、最も重要なこととしては、結果として生じる放射性廃棄物を顕著に減らすことができる。それゆえ、本発明の方法は、特に完全なシステムの除染のために、高いコスト節約をもたらす。
【0014】
既存の除染プロセスの状態での酸化工程の間では、より高温での実施は、現存する外部除染設備、除染処理に要求される方法の技術的な限界に起因して適していない。
【0015】
水溶性のオキシダント溶液の100℃を超える温度を用いる高温酸化工程の方法によって、除染因子の顕著な増加の達成の結果は、予期せぬものであった。なぜならば、一般的に酸化工程は、拡散制御プロセスであり、該プロセスは、オキシダントとして上記過マンガン酸塩の群を用いる場合において酸化される表面上に、半固体の二酸化マンガン層の形成によって、よりいっそうに制限されるためである。
【0016】
高温酸化処理の増加する効果は、確立された理論モデル(例えば、アレニウスの式)で示される温度上昇から予測し得る反応速度論の単なる効果を超えるものである。化学的な除染の適用における酸化工程は、高い除染因子を達成するための決定的な工程とみなされ、拡散プロセスに強く影響される。このようなプロセスは、各々の処理サイクルの間、酸化処理の進行を制限する因子となる。温度上昇に起因する酸化物層を通るオキシダントの増加する拡散は、酸化物が酸化処理によって影響を受け、また変化する速度に影響を与えるだけでなく、各々の酸化処理によって影響を受ける酸化物層の全体的な深さに影響を与える。酸化物層中のオキシダントの増加する浸透は、要求される処理サイクルの減少をもたらし、それは適用時間の短縮をもたらすだけでなく、消費される化学物質の減少をもたらし、またそれゆえにプロセスにおいて生じる放射性廃棄物の量の減少をもたらすが、これは後述する化学的なメカニズムに基づいて説明できる。
【0017】
冷却システム表面上の酸化物層中に存在する金属は、酸化処理の間、均質に酸化および可溶化されない。クロム(III)は、可溶性のクロム酸塩(Cr(VI))に変化し、またオキシダント溶液中に溶解する。加えて、酸性条件下での酸化の間、ある量のニッケル(II)は、ニッケルの酸化状態の変化を必ずしも伴わないメカニズムによって可溶化される。
【0018】
Cr(VI)およびNi(II)の溶解は、酸化工程の間、オキシダント溶液を分析することによって明らかにできる。溶液中のクロム(VI)の量の増加は、アルカリ性および酸性の酸化工程の両方で測定でき、また溶液中のニッケルの量の増加は、放出されるクロムの量に相関し、酸性の酸化工程の間、測定できる。
【0019】
加えて、Fe(II)としての鉄の存在はまた、Fe(III)に酸化されるが、酸化工程の間、実際には可溶化されない。これはまた、オキシダント溶液の分析によって確認できる。
【0020】
酸化処理に付される金属酸化物の構造は、それゆえ選択的に溶解される。いくらかの成分は金属表面上に残存し、他の成分は該構造から離れ、またオキシダント溶液中に輸送されることで、金属酸化物構造中に空隙が残る。それゆえに金属表面上に残存する酸化物の構造は、例えるとスポンジの一種のようにみなされる。処理前に非常に高密度および緻密なスピネル酸化物構造は、より低濃度およびより多孔質になる。
【0021】
酸化物構造の変化は、鉄(II)がより嵩高い鉄(III)となる酸化状態間の遷移によってさらに影響される。
【0022】
酸化物構造中に形成されるポーラス(または孔もしくは細孔、pores)の生成や拡張は、酸化工程の間、連続的なプロセスである。それゆえ、オキシダントは酸化工程の間、残存する酸化物構造の内側に深く、より深く浸透することができ、ならびに、次々にさらなるクロムおよびニッケルが可溶化することができる。
【0023】
しかしながら、これらのポーラスがより深くなるにつれて、可溶化される種が酸化物構造の外側の液体物質に達するために時間がより長くかかり、また新たなオキシダント溶液が未処理の金属酸化物表面と接触することがより困難となる。
【0024】
加えて、過マンガン酸塩オキシダントの還元生成物は、水和したマンガン酸化物および水酸化物の形態で、処理後の酸化物表面上に蓄積される。この層はまた酸化物構造およびオキシダント溶液の間で、物質移動および新たなオキシダントの交換を制限する。
【0025】
前記要素の全ては、クロムおよびニッケルの溶解(または分解、dissolution)速度に影響を与え、また酸化工程の総括反応速度を低下させ得る。水中におけるクロム酸としてのCr(VI)の溶解性はほぼ制限されないので、クロムの濃度は反応速度に影響を与える因子から除外され得る。
【0026】
本発明者らは、酸化物構造中のポーラスを通るオキシダントの拡散が、温度を上げることによってより効果的となり、それによって、各々の処理サイクルの間、除去し得る酸化物層の厚さを増加させ、それゆえ、金属表面上の酸化物構造の完全な除去に要求されるサイクルの総数を減少させることを見出した。
【0027】
既存の除染プロセスは、通常、除染目標を達成するために外部除染設備との組合せが適用される。かかるプロセス温度は、さらにいっそう複雑な使用および設計のための高価な耐圧構造および外部除染設備の導入の必要性を排除するために、水の沸点未満に保持されている。現存する外部除染設備では、このような条件下での運用が可能なものはない。
【0028】
本発明によれば、既存の外部除染設備を除染処理に使用する場合、高温酸化工程を実施する間、冷却システムから分離することができ、該工程中のオキシダント溶液は少なくとも100℃の温度に加熱および保持され、また該酸化溶液は、プラントの内部システム(例えば、1またはそれよりも多いリアクター・クーラント・ポンプを含む主ループ・システム、残留熱除去システム、および可能であれば、例えば化学体積制御システムのような他の補助システム)のみの稼働によって循環される。少なくとも100℃またはそれよりも高いプロセス温度までオキシダント溶液を加熱することは、主ループまたは循環系中のリアクター・クーラント・ポンプの廃熱を用いることで達成し得る。温度制御は、残留熱除去システムの稼働によって、達成される。
【0029】
酸化工程を実施するための化学物質(または化学薬品)は、オキシダント溶液の温度が少なくとも100℃の目標温度に上昇する前に、外部除染設備、またはパワー・プラントの内部システム(例えば、一般的な化学物質注入システム)いずれかを用いて冷却システムに注入し得る。
【0030】
酸化処理の継続時間は、必ずしも所定の値ではなく、溶液の異なるパラメータ(例えば、金属生成物の発生、evolution of the metal output、オキシダントの濃度、pH値、伝導率、ORP他)の分析的なモニタリングに基づいて、動的に調整し得る。溶液の分析に必要なサンプルは、プラントの化学的なサンプリング・システムを通して、容易に得ることができる。
【0031】
高温酸化工程を含んで成る1つの処理サイクルだけの実施でも十分となり得るが、本発明はまた、100℃またはそれよりも高い温度での高温酸化を用いる、1より多い、または全ての処理サイクルを実施することを含んで成る。
【0032】
好ましくは、オキシダント溶液は、高温酸化工程の間、1barより高い圧力で保持される。
【0033】
本発明の実施における構成や方法は、しかしながら、それらの追加的な課題および利点と共に、添付する図面と関連付けて読むことによって、以下の具体的な態様の説明から、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明における、除染システムの模式図である。
【
図2】
図2は、本発明における、除染因子の増加を説明したグラフである。
【
図3】
図3は、高温プロセスに対して低温プロセスの除染因子を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の方法によると、ラジオアイソトープを含む酸化物層は、原子炉の冷却システムの金属表面から効率的に除去される。リアクター冷却システムは、リアクターが稼働している間、主冷却システムと接触する全てのシステムおよび構成要素を含んで成るとして解され、限定されないが、リアクター圧力容器、リアクター・クーラント・ポンプ、蒸気発電機、補助システム(例えば、残留熱除去システム、化学体積制御システム、リアクター・クーラント浄化システム)を含む主ループまたは循環系を含む。
【0036】
図1に示す態様を参照して説明すると、加圧水型原子炉のリアクター冷却システムは、リアクター圧力容器14ならびに、蒸気発電機16および18を通るように主クーラントを循環するための、少なくとも2つの主ループ10、12を有して成る。主クーラントはリアクター・クーラント・ポンプ20および22を用いることによって循環される。
【0037】
残留熱除去(RHR)システム24および26は、RHRシステム・ポンプ(図示はせず)を含み、主ループ10、12と連結している。冷却システムはさらに、化学体積制御システム(CVCS)28およびリアクター水浄化システム30を含んで成り、化学体積制御システム(CVCS)28およびリアクター水浄化システム30は、主ループ10、12と接続され、また、リアクターの発電運転の間、主クーラントと接触している。
【0038】
外部除染設備のループ32は、主ループ10、12ならびに/またはRHRシステム24および26の少なくとも1つに接続している。該除染ループ32は、好ましくは、モジュール設計であり、ならびに、UV反応器34および少なくとも1つの循環ポンプ、ヒーター、イオン交換カラム、フィルター、サンプリング・モジュール、モニタリング・システム、自動遠隔制御および化学物質注入設備(図示はせず)を有して成る。外部除染設備のループ32は、異なる位置にある冷却システムの異なる構成要素と接続することができ、その中の1つの可能性としては、
図1に示すように、2つの異なるRHRシステムに接続される。UV反応器34は化学物質の除染のUV分解のために用いられ、サンプリング・デバイスは、処理サイクルの間、プロセス制御のために使用され、また機械的濾過は除染工程の間、実施される。
【0039】
図1に模式的に示したリアクターの設計は、変更することができ、本発明に限定されるものではないことは、当業者であれば理解できる。
【0040】
本発明の方法は、全システムの除染に適しており、汚染される金属酸化物層が、リアクター稼働中の主クーラントに接触しているリアクター冷却システムの全ての表面から除去される。典型的に、全システムの除染は、RHRシステム、化学体積制御システムおよび、場合によってはある程度汚染される他のシステムのみならず、主循環系の全部分にも作用する。
【0041】
本発明の除染方法は、特に加圧水型原子炉(PWR)における冷却システムの除染に対して有益であり、好ましくは、ニッケルアロイ(例えば、Inconel
TM600、Inconel
TM690またはIncoloy
TM800)の金属表面を有する発電機のパイプを有して成るPWRである。
【0042】
リアクター冷却システム中の金属表面から、ラジオアイソトープを有する汚染された金属酸化物を除去するために、除染方法は、複数の処理サイクルの実施を含んで成り、該方法中の各々の処理サイクルは、酸化工程を含んで成り、酸化工程中で、ラジオアイソトープを含む金属酸化物は過マンガン酸塩オキシダントの水溶液と接触する。該酸化工程は、金属酸化物層中に存在する不溶性クロム(III)を、可溶性クロム(VI)に酸化させるために実施される。
【0043】
酸化工程を実施するために、除染される冷却システムの構成要素は、過マンガン酸塩オキシダントを含んで成る水溶液で満たされており、またオキシダント溶液は冷却システムを通して循環される。オキシダント溶液はリアクターCVCシステム28または外部除染設備ループ32を用いて冷却システムに導入され得る。
【0044】
好ましくは、オキシダントは、HMnO
4、HMnO
4/HNO
3、KMnO
4/HNO
3、KMnO
4/KOH、およびKMnO
4/NaOH、または過マンガン酸塩の他の金属塩および/または金属水酸化物から成る群から選択される。これらのオキシダントはクロム(III)を、クロム(VI)に酸化させ得る。
【0045】
滞留時間後に、例えば、数時間後に、オキシダント溶液は、後続の除染工程に使用し得るような方法で、交換または処理される。好ましくは、酸化工程は、クロム(VI)の濃度がもはや増加しなくなったことが測定されたときに、終了する。
【0046】
酸化工程に続いて、除染工程が実施され、該工程において、金属酸化物層は、金属酸化物の少なくとも一部およびラジオアイソトープを溶解するために、シュウ酸、ギ酸、クエン酸、酒石酸、ピコリン酸、グルコン酸、グリオキシル酸、および/またはそれらの混合物から成る群から選択される有機酸の水溶液に接触され、それによって、金属酸化物から生じるラジオアイソトープおよび金属イオンを含む除染溶液を形成する。酸化工程における溶液に依然存在するオキシダントの残渣は、有機酸の適量な余剰分によって中和される。好ましくは、有機酸はシュウ酸である。
【0047】
前記除染工程は、除染溶液中にて活性の増加が測定できなくなって直ぐに終了する。
【0048】
除染工程に続く洗浄工程では、酸化物層から浸出され、また除染溶液に溶解する金属イオンおよびラジオアイソトープは、溶液から除去され、ならびに、イオン交換樹脂に固定化される。
【0049】
好ましくは、前記洗浄工程は、イオン交換カラムに除染溶液を通している間、同時に光触媒酸化による有機酸の分解を含む。有機酸の光触媒酸化は、好ましくは、有機酸をUV照射に曝露する工程を含んで成り、それによって、有機酸は反応し、二酸化炭素および水を生成する。
【0050】
本発明の方法によれば、複数の処理サイクルは、好ましくは、酸性の酸化工程を含んで成る少なくとも一つの処理サイクル、およびアルカリ性の酸化工程を含んで成る別の処理サイクルを含んで成る。酸性の酸化工程において、オキシダント水溶液のpH値は約6未満に制御される。好ましくは約4未満であり、さらに好ましくは3もしくはそれ未満である。アルカリ性の酸化工程において、オキシダント水溶液のpH値は少なくとも8に制御され、好ましくは少なくとも10である。
【0051】
処理サイクルの順序は、特に限定されない。つまり、酸性の酸化工程を含んで成る処理サイクルは、アルカリ性の酸化工程を含んで成る処理サイクルの後に実施することができ、またはその逆を行ってもよい。さらに、各々酸性またはアルカリ性の酸化工程を用いて、酸性とアルカリ性の間の変更を伴わず、酸性またはアルカリ性の酸化工程のもう一方を使用する1またはそれよりも多い後続の処理サイクルが続く、複数の後続の処理サイクルがあってよい。
【0052】
好ましくは、酸性の酸化工程を含んで成る処理サイクルと、アルカリ性の酸化工程を含んで成る処理サイクルとの間に少なくとも1つの変更がある。酸性の酸化工程と、アルカリ性の酸化工程との間を変更することの効果は、前述のサイクルと比較して、除染因子の増加が観察されることである。
【0053】
酸性の酸化工程とアルカリ性の酸化工程との間の変更はまた、全く同一の処理サイクルの中で実施することができる。pH値の変化が単一の処理サイクルに伴って実施される場合(例えば、オキシダントを含むアルカリ性溶液のための代替する酸性溶液による、アルカリ性溶液における酸化工程の後に酸性溶液における酸化工程を実施することによって、または、アルカリ性オキシダント溶液を酸性溶液にインシチュで変換する(またはその逆を行ってもよい)ことによって)、除染因子の増加はまた、複数の酸化工程がpH値の変化を伴うことなく実施される処理サイクルと比較して、達成される。
【0054】
しかしながら、酸性溶液での酸化工程を含む処理サイクル、およびアルカリ性溶液での酸化工程を含む後続の処理サイクルを実施する(またはその逆を行ってもよい)ことが優先される。
【0055】
1またはそれよりも多い酸化工程におけるオキシダント溶液の温度は、60℃〜95℃の範囲であってよい。
【0056】
本発明の方法によれば、複数の処理サイクルの少なくとも1つは、高温酸化工程を含んで成り、その工程では、オキシダント溶液が少なくとも100℃の温度(好ましくは少なくとも120℃、さらに好ましくは120℃〜150℃の温度範囲)に加熱され、保持される。
【0057】
1つの態様として、高温酸化工程は、酸性の酸化工程であり、その工程では、過マンガン酸塩オキシダントの水溶液のpH値が、約6未満(好ましくは約4未満であり、さらに好ましくは3もしくはそれ未満)に制御される。
【0058】
他の態様として、高温酸化工程は、アルカリ性の酸化工程であり、その工程では、過マンガン酸塩オキシダントの水溶液のpH値が、少なくとも8(好ましくは少なくとも10)に制御され、または、酸性の酸化工程およびアルカリ性の酸化工程が共に高温酸化工程として実施される。
【0059】
より好ましくは、複数の処理サイクルの1よりも多くは、高温酸化工程を含んで成り、および最も好ましくは、処理サイクルの全てが高温酸化工程を含んで成る。
【0060】
高温酸化工程を実施するために、外部除染設備ループ32はクーラントシステムから分離され、ならびに、オキシダント溶液は、RHRシステム24、26のポンプの少なくとも1つ、および/または、主冷却ループ10、12中のリアクター・クーラント・ポンプ20、22を稼働させることによって、冷却システムを通して循環される。
【0061】
リアクター・クーラント・ポンプ
によって生じる廃熱は、オキシダント溶液を、少なくとも100℃またはそれよりも高い所望のプロセス温度に加熱するために用いられる。RHRシステム24、26は、所定値にオキシダント溶液のプロセス温度を制御し、保持するために稼働される。従って、高温酸化工程のプロセス温度は、安全上の問題を生じることなく、パワー・プラントのシステム設備のみの稼働によって、容易に120℃〜150℃の範囲に制御することができる。
【0062】
高温酸化工程の終了後、オキシダント溶液は冷却され、また外部除染設備ループ32は、リアクター冷却システムに(再び)接続され得る。除染工程は次いで、過剰なオキシダントを減らし、また有機酸溶液中で、酸化物層を溶解させるために開始され、上述の通り、それによって、金属表面上の金属酸化物層から生じるラジオアイソトープおよび金属イオンを含む除染溶液を形成する。代替的には、有機酸溶液は、CVCSシステム28を用いる冷却システムに供給してもよい。
【0063】
処理サイクルは、少なくともラジオアイソトープ、および好ましくは他の金属イオンを、イオン交換器(図示はせず)上に固定化することによって完了する。
【0064】
以下の実験例によって、さらに本発明を説明するものの、限定的な意味に解されるものではない。
【実施例】
【0065】
(実施例1)
本実験において、加圧水型原子炉の蒸気発電機からの汚染されたチューブの部位を使用した。各部位は、4×3.5cmの寸法、表面積14cm
2を有した2つのサンプルを供するために、長手方向に切断された。それらチューブおよびサンプルは、Inconel
TM600から成るものであった。サンプルの初期の表面活性は、2.7×10
3Bq/cm
2であった。
【0066】
前記サンプルは別個の容器に設置され、および交互となる酸性およびアルカリ性の酸化工程を含む合計10の処理サイクルに付された。酸性のオキシダント溶液は、濃度0.15g/lおよび、pH値は3未満である過マンガン酸HMnO
4の水溶液を用いた。アルカリ性のオキシダント溶液は、 過マンガン酸カリウム(potassium permanganate)の濃度0.2g/lの水溶液および、濃度0.2g/lの水酸化ナトリウム水溶液を用いた。それらのサンプルは、攪拌下で約17時間、酸化溶液中に保持された。
【0067】
各々の酸化工程の後で、前記サンプルは、脱イオン化された水中で濃度1g/lのシュウ酸溶液中に設置された。かかるサンプルは、95℃の温度で約5時間、有機酸溶液中に保持された。
【0068】
最初の7つの処理サイクルの酸化工程は、95℃の温度で実施した。高温酸化の影響を決定するために、オキシダント溶液は、溶液の沸点を超えた温度に加熱され、サンプルの一方はさらに95℃の酸化工程を含んで成る処理サイクルに付され、続いて、オートクレーブ中で、125℃の高温酸化工程を含んで成る2つの処理サイクルに付された。これに対して、他方のサンプルは、125℃での高温酸化工程を含んで成る3つの処理サイクルに付された。
【0069】
以下の表1は、酸化工程の間、異なる温度条件で実施したサンプルテストの結果を示している。
【0070】
【表1(1)】
【0071】
【表1(2)】
【0072】
高温酸化工程の効果は、8番目の処理サイクルの除染因子の比較から明らかである。かかるサイクルで高温酸化工程を用いることで、オキシダント溶液の沸点未満で実施した酸化工程と比較して、表面活性の約2倍量が除去された。
【0073】
サンプル2およびサンプル1について見出された結果を確認するために、9番目と10番目の処理サイクルは、両サンプルに対して高温酸化工程で実施された。両サンプルの除染因子の増加は明らかである。
【0074】
実験1の結果はまた、
図2にも表されている。
図2は、サンプル1および2のための各々の処理サイクル後の除染因子の増加を示している。
【0075】
(実施例2)
同様の実験を、処理サイクルの数の減少に関して、高温酸化工程を含んで成る処理サイクルの性能を示すために実施した。実施例1の2つのサンプルは、全ての処理サイクルで高温酸化工程を用いて実施することを除いては、実施例1で示したのと同一の条件で、合計3つの処理サイクルに付された。さらに、サンプル1は、アルカリ性の酸化工程を含んで成る第1の処理サイクルに付され、続いて、各々酸性の酸化工程を含んで成る2つの処理サイクルに付された。サンプル2は、アルカリ性の条件下での金属酸化物の酸化を含んで成る処理サイクルに続けて、酸性の酸化工程と、後続するアルカリ性の酸化工程を含んで成る処理サイクルとなるように、アルカリ性および酸性の酸化工程を交互に用いる処理サイクルに付された。
【0076】
実験結果を、以下の表2に示す。
【0077】
【表2(1)】
【0078】
【表2(2)】
【0079】
交互のアルカリ性および酸性の酸化条件を双方ともに用いた、実施例2のサンプル2と実施例1のサンプル2の実験結果の比較は、高温酸化の効果的な働きを示している。実施例2で用いた高温酸化は、3つの処理サイクルに付されたのみで、総合的な除染因子は5.7であった。100℃よりも低い低温酸化条件を用いた実施例1のサンプル2は、同等の結果に達するためには、約5〜6の処理サイクルが必要であった。実施例1と実施例2の結果の比較は、
図3にも表されている。
【0080】
前実験結果は、本発明に従って高温酸化工程を使用することが、全てのシステムの除染に要求される処理サイクルの数を半分にし得ることを示している。概算では、1つの処理サイクルの削除は、システム・ボリュームの1立方メートルあたり、イオン交換樹脂のほぼ2l〜38l程度の廃棄物削減をもたらすことを示している。リアクターの設計に応じて、全システム・ボリュームは、120〜800m
3の範囲となり得る。処理サイクルの数の減少が、放射性廃棄物の量の減少のみならず、低いプロセス・コストをもたらすことはすぐに明らかである。
【0081】
本発明は、表面の除染方法の態様として、本明細書で説明および図示しているものの、示される詳細によって限定的な意味に解されるものではなく、添付の特許請求の範囲から逸脱するものでない限り、種々の改善および構成の変更を加えてもよい。