【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、本発明によれば、最初に明示される方法によって達成される。当該方法は、
(1)第1の制御ユニットによって第2の制御ユニットにおける異常を検出するステップと、
(2)第1の制御ユニットが第2の制御ユニットにおける異常を検出すると、第1の制御ユニットを構成モードに切り替えるステップと、
(3)第1の制御ユニットが構成モードに入った後に、第3の制御ユニットをバス通信に組み込ませる(integrating)ステップと、
(4)第1の制御ユニットから個別のバスアドレスを第3の制御ユニットに転送するステップと、
(5)第1の制御ユニットから転送された個別のバスアドレスを第3の制御ユニットに記憶するステップと、
を含む。
【0012】
制御ユニットは、少なくとも1つのコンベヤセグメントを制御及び監視することができる電子回路であると理解すべきである。1つの制御ユニットによって複数のコンベヤセグメント、例えば、4つのコンベヤセグメントを監視及び制御することができると有利である。更に、構成モードは、1つの制御ユニットがバス通信を介して別の制御ユニットを構成することができるモードであると理解すべきである。
【0013】
本発明による方法は、制御ユニットにおける異常の検出及び交換制御ユニットの構成を可能にする。本発明の方法によれば、第2の制御ユニットにおける異常が、第1の制御ユニットによって第1のステップで検出され、それに応答して第1の制御ユニットが構成モードに切り替えられる。この異常の検出は、例えば、第2のコンベヤセグメントの制御応答パターンに基づいて、そのパターンを特定のパターンと比較することによって行うことができる。構成モードの目的は、個別のバスアドレスを未構成の第3の制御ユニットに自動的に割り当てるようにすることである。未構成の制御ユニットは、コンベヤセグメントを監視及び制御するために必要とされる、特に全ての個別のパラメータの中の少なくとも一部がまだ構成されていない制御ユニットであると理解される。構成モードへの切り替えにもかかわらず、第1の制御ユニットが第1のコンベヤセグメントを制御し続けることが好ましい。特に、構成モードは、実際の制御動作と同時に第1の制御ユニットにおいて作動させることができ、第1の制御ユニットは、搬送されている物品を停止させることができ、異常として検出された第2のコンベヤセグメントを「ビジー」として登録する、又は渋滞を緩和するために予めプログラムされた措置を実行する。これは、異常な場合に搬送プロセスを直ちに停止させ、その後のダメージを防止することを可能にする。
【0014】
制御ユニットが構成モードにある場合、制御ユニットは、ディジットシーケンス、コマンド、バスデータパケット又はトークンの形態をとることができ、バス通信に統合されている(integrated)全ての制御ユニットに受信可能な構成要求を送信できることが好ましい。バス通信は、例えばEtherCAT、Ethernet/IP若しくはProfinetbusなどの有線バス通信でもよく、WirelessHART,Wireless−IO,Wireless−Profinet,ZigBee若しくはBluetooth(登録商標)のような無線、無線ベースのバス通信、又はIEEE802.11規格に基づく通信バスであると理解されてもよい。ネットワークトポロジは、例えば、バス、リング、スター又はメッシュトポロジの形態であってもよい。制御ユニットの統合は、例えば絶縁変位コンタクト、プラグコネクタ又は容量結合を用いてバスラインへの電気結合として、又は、例えば、通信バスに統合された他の関係者にハードウェアアドレスを送信する、又はネットワークサーバーにログインすることによるネットワーク内部の統合として理解することができる。
【0015】
本発明によれば、送信された構成要求は、未構成の制御ユニットによって処理されることが好ましい。既に構成を有する制御ユニットは、その構成要求を処理しないことが好ましい。また、第1の制御ユニットによる構成要求の送信は、所定の方式で繰り返してされることが好ましい場合もある。
【0016】
第3の制御ユニットがバス通信に統合されている場合、構成モードにある第1の制御ユニットは、異常として検出された第2の制御ユニットの個別のバスアドレスを特に含む構成要求を第3の制御ユニットに送信する。第3の制御ユニットは、受信された個別のバスアドレスを記憶して採用し、その結果、第3の制御ユニットは、バス通信を介してアドレス指定されることができる。
【0017】
本発明によれば、第3の制御ユニットがバス通信に統合されるとすぐに、第1の制御ユニットによって個別のバスアドレスが自動的に割り当てられることができる。これは、ユーザによってプログラミングを実行させる必要がなく、第3の制御ユニットの個別のバスアドレスが自動的に構成されるため、特に有利である。これにより、時間が節約され、交換プロセスが簡素化され、保守要員がいなくても交換が実行可能である。
【0018】
この方法は以下のように実現されてもよい。第2の制御ユニットがバスラインを介してアクティビティ信号を送信し、第1の制御ユニットが第2の制御ユニットからアクティビティ信号を受信し、第2の制御ユニットにおける異常は、ステップ(1)において、第1の制御ユニットが第2の制御ユニットからアクティビティ信号を受信することができないことによって検出される。特に、第2の制御ユニットは、規則的に所定の間隔でアクティビティ信号を送信し、異常の制御ユニットは、先行のアクティビティ信号を受信した後に、所定の間隔内でアクティビティ信号を受信できないことによって検出される。
【0019】
アクティビティ信号は、第2の制御ユニットが第1の制御ユニットに送信する信号であると理解される。アクティビティ信号は、電気信号、数字列、コマンド、バスデータパケット又はトークンとして考えられてもよい。アクティビティ信号は、通常の動作中に制御ユニットによって送信される。アクティビティ信号は、好ましくは所定の間隔で送信される。これにより、第2の制御ユニットの正常機能を所定の間隔で検査することが可能になる。同様に、搬送装置が最初に試運転されたとき、又は搬送装置が起動されるたびに、アクティビティ信号がセルフテストの一部として送信されることが好ましい場合がある。第1の制御ユニットが第2の制御ユニットからアクティビティ信号を受信しない場合、第2の制御ユニットは、第1の制御ユニットに異常として識別される。より具体的には、第2の制御ユニットが適切に動作していることを確認するために、アクティビティ信号が第1時間間隔内に受信されるべきである。第1時間間隔がタイムアウトになると、第2の制御ユニットは異常とみなすことができる。誤検出を防止するために、アクティビティ信号がシステム的に(systematically)第2の制御ユニットによって規則的に送信される場合、アクティビティ信号の送信及び/又は受信の失敗が数回発生するまで、第2の制御ユニットにおける異常が推定されないことが好ましい。アクティビティ信号が不規則にシステム的に送信又は受信される理由は、例えば、第1又は第2の制御ユニットが制御プロセスで完全に利用されている、又はバス通信が他の制御ユニットからのデータ送信でビジー状態であるため、送信を後で実行しなければならない場合があるためである。
【0020】
別の好ましい実施形態によれば、第1の制御ユニットは、アクティビティ信号を受信しないことによって構成モードに入る。
【0021】
本実施形態によれば、制御ユニットは、セルフテストで部分異常を自動的に検出し、バス通信に統合された第1の制御ユニットに自己検出された異常を通知することができる。部分異常は、バスアドレスの紛失若しくは不完全、制御ユニットの電気的な不具合、又は不完全若しくは不整合な構成であると理解することができる。この実施形態は、第1の制御ユニットによる第2の制御ユニットの自動的なトリガ構成によって、コンベヤシステムの故障を防止できるため、特に、この実施形態は、保守要員による手動的な介入を必要としないため、有利であり得る。
【0022】
別の好ましい実施形態によれば、第1の制御ユニットにおいてアクティビティ信号が受信されない場合、第1の制御ユニットによってエラーメッセージが生成され、バス通信を介して送信される。
【0023】
エラーメッセージは、数字列、コマンド、バスデータパケット又はトークンであると理解されるべきである。このエラーメッセージは、好ましくは、バス通信に含まれている全ての制御ユニットに送信され、制御ユニットにおける異常がある場合に搬送装置全体のために予め構成された措置を実行するために利用されてもよい。例えば、搬送装置の制御ユニットは、搬送された物品が積み重ることを回避し、搬送される物品に損傷を与えることを防止するために、エラーメッセージによって駆られ、全てのコンベヤセグメントを停止させることができる。エラーメッセージは、異常を迅速に検出するように、異常の制御ユニット又はその隣接する制御ユニットの両方で音響、光、又はデジタル信号をトリガすることができる。エラーメッセージは、制御室で受信され、制御室の要員に制御ユニットにおける異常を知らせることもできる。制御室の要員は、交換制御ユニットを直ちに手配することができ、搬送装置の停止時間を短縮することができる。
【0024】
また、第3の制御ユニットは、バス通信に統合された後にプレゼンス信号を送信し、第3の制御ユニットからプレゼンス信号を受信することによって、第1の制御ユニットが構成モードに入ることが好ましい。プレゼンス信号は、ここでは、未構成の制御ユニットがバス通信に統合されるたびに送信される信号であると理解される。当該プレゼンス信号は、数字列、コマンド、バスデータパケット又はトークンであると考えられる。アクティビティ信号に加えて、プレゼンス信号は、第1の制御ユニットの構成モードを作動させることを可能にする。この実施形態は、第3の制御ユニットがバス通信に統合されると、すぐに第1の制御ユニットが第3の制御ユニットを未構成ユニットとして認識し、バスアドレスを割り当てるように、第1の制御ユニットが能動的に構成モードに入ることを可能にする。
【0025】
第2の制御ユニットが取り外された、又は第2の制御ユニットが残っている場合、第3の制御ユニットが統合されることも好ましい。本発明によれば、第3の制御ユニットが統合されることは、異常の制御ユニットがコンベヤセグメントに残っているか否か、又はそれが除去されたか否かには無関係である。これが意味するのは、特に、交換の順序が規定されていないことである。搬送装置の停止時間を最小にするために、第3の制御ユニットが第1のステップで搬送装置に統合されることが好ましい場合がある。異常の第2の制御ユニットは、その後の搬送装置の動作中に搬送装置から取り外すことができ、又は当該第2の制御ユニットを適所に残すことができる。
【0026】
また、第3の制御ユニットは、第3の制御ユニットが第1の制御ユニットから、第1の制御ユニットの第1のバスアドレスと、第3の制御ユニットに割り当てられる個別のバスアドレスとを含むメッセージを受信した場合にのみ、ステップ(5)において個別のバスアドレスを記憶する。これは、搬送装置内のいくつかの制御ユニットが同時に異常状態に陥るときに有利な場合がある。本発明によれば、いくつかの制御ユニットを構成モードに入れ、バス通信を介して構成要求を送信することができる。したがって、許可されていない構成を防止するためには、未構成の制御ユニットにおいて構成要求の数とメッセージを検査することが望ましい。
【0027】
更に好ましくは、第3の制御ユニットは、第3の制御ユニットが第4のバスアドレスを有する第4の制御ユニットを備え、且つ第3の制御ユニットが2つのメッセージを受信する場合にのみ、ステップ(5)において個別のバスアドレスを記憶する。この場合、第1のメッセージは第1の制御ユニットより送信され、当該第1のメッセージは、第3の制御ユニットに割り当てられる第1の制御ユニットの第1のバスアドレスを含み、第2のメッセージは第4の制御ユニットから送信され、当該第2のメッセージは、第4の制御ユニットの第4のバスアドレス及び第3の制御ユニットに割り当てられるバスアドレスを含む。なお、第3の制御ユニットに割り当てられる個別のバスアドレスは、両方のメッセージにおいて同一である。
【0028】
これは、搬送装置内のいくつかの制御ユニットが同時に異常状態に陥るときに有利な場合がある。本発明によれば、いくつかの制御ユニットを構成モードに入れ、バス通信を介して構成要求を送信することができる。したがって、許可されていない構成を防止するためには、未構成の制御ユニットにおいて構成要求の数とメッセージを検査することが望ましい。
【0029】
更に好ましくは、第2の制御ユニットの第2のバスアドレスは、前のバックアップステップで第1の制御ユニットに記憶されており、第1の制御ユニットの第1のバスアドレスは、好ましくは第2の制御ユニットに記憶されている。隣接する制御ユニットのバスアドレスは相互的に記憶され、第3の制御ユニットは、
(a)第2の制御ユニットの記憶された第2のバスアドレスを第3の制御ユニットに送信し、当該バスアドレスが第3の制御ユニットに受信されるステップと、
(b)第3の制御ユニットは、受信された第2の制御ユニットの第2のバスアドレスを第3の制御ユニットに記憶するステップと、
(c)第1の制御ユニットの第1のバスアドレスを第3の制御ユニットに記憶するステップと、
で第2の制御ユニットからの記憶されたバスアドレスによって構成される。
【0030】
この実施形態によれば、第2の制御ユニットに異常があるにもかかわらず、第2の制御ユニットの元のバスアドレスを復元し、第3の制御ユニットに転送することが可能である。第2の制御ユニットの元のバスアドレスが割り当てられているため、第3の制御ユニットは、バス通信を介してアドレス指定され、制御コマンドを受信することができる。
【0031】
前のバックアップステップにおいて、第2の制御ユニットの第2のバスアドレスが、少なくとも第2の制御ユニットの外部に記憶されているため、バスアドレスのバックアップコピーが生成される。当該バックアップコピーは、好ましくは、隣接する制御ユニットに記憶される。当該バックアップステップは、例えば、搬送装置の初期設置段階に、又は搬送装置を始動させるときに、又はユーザの意図的に作動させるときに、又は制御ユニットによって自動的に作動されるときに、行われてもよい。このバックアップステップは、制御ユニットにおける異常に起因した構成された制御ユニットのバスアドレスが失われることを防止する。特に好ましいのは、隣接する制御ユニットのバスアドレスが相互的に記憶され、その結果、バスアドレスの少なくとも1つのバックアップコピーが存在する。結果として生成された冗長情報は、制御ユニットが異常な場合に、異常の制御ユニットの失われたバスアドレスを復元するために利用することができる。この再構成は、バス通信を介して記憶されたバスアドレスを第3の制御ユニットに転送することによって実現される。第1の制御ユニットは、好ましくは、第1の制御ユニットがバス通信を介して第3の制御ユニットに構成要求を送信する構成モードにある。第3の制御ユニットは、好ましくは、第3の制御ユニットがバス通信を介して情報を受信し処理することができるように、基本構成を備えるべきである。バスアドレスを記憶した後に、第3の制御ユニットは、バスアドレスを利用してアドレス指定され、必要に応じて更に構成を行うことができる。コマンドは、第3の制御ユニットに送信され、そのコンベヤセグメント上で制御が実行される。この実施形態によれば、第3の制御ユニットにバスアドレスを自動的に割り当てることが可能である。これは、本実施形態がユーザの介入なしに行われ、制御ユニットの手動構成を避けるため、特に有利である。また、この自動進行は、ユーザの不注意によって生じ得るような誤った構成を防止する。このように、異常の制御ユニットを短時間に交換することができるとともに、誤った構成の発生可能性を低減することができる。
【0032】
また、好ましくは、前のバックアップステップにおいて、第2の制御ユニットの構成が第1の制御ユニットに記憶されており、且つ第1の制御ユニットの構成が第2の制御ユニットに記憶されている。特に、隣接する制御ユニットの構成が相互的に記憶され、第3の制御ユニットは、記憶された第2の制御ユニットの構成によって構成される。
【0033】
構成は、コンベヤセグメントを稼働するために必要なパラメータであると理解すべきである。これらのパラメータには、例えば、コンベヤ駆動装置の回転方向、搬送速度及び搬送モードが含まれる。
【0034】
前のバックアップステップにおいて、第2の制御ユニットの構成が、少なくとも第2の制御ユニットの外部に記憶されているため、構成のバックアップコピーが生成される。当該バックアップコピーは、好ましくは、隣接する制御ユニットに記憶される。当該バックアップステップは、例えば、搬送装置の初期設置段階に、又は搬送装置を始動させるときに、又はユーザの意図的に作動されるときに、又は制御ユニットによって自動的に作動されるときに、行われてもよい。このバックアップステップは、構成された制御ユニットの構成が失われることを防止する。特に好ましいのは、隣接する制御ユニットの構成が相互的に記憶され、その結果、構成の少なくとも1つのバックアップコピーが存在する。結果として生成された冗長情報は、第2の制御ユニットが異常な場合に、第3の制御ユニットにおいて異常の制御ユニットの失われた構成を再構成するために利用することができ、このように、第2の制御ユニットの機能的な交換を提供する。この再構成は、好ましくは、バス通信を介して記憶された構成アドレスを第3の制御ユニットに転送することによって実現されてもよい。
【0035】
第1の制御ユニットは、好ましくは、第1の制御ユニットがバス通信を介して第3の制御ユニットに構成要求を送信する構成モードにある。第3の制御ユニットは、好ましくは、第3の制御ユニットがバス通信を介して情報を受信し処理することができるように、基本構成を備えるべきである。
【0036】
この実施形態によれば、第3の制御ユニットにバスアドレスを自動的に割り当てることが可能である。これは、本実施形態がユーザの介入なしに行われ、制御ユニットの手動構成を避けるため、特に有利である。また、この自動進行は、ユーザの不注意によって生じ得るような誤った構成を防止する。このように、異常の制御ユニットを短時間に交換することができるとともに、誤った構成の発生可能性を低減することができる。
【0037】
また、好ましくは、前のバックアップステップにおいて、バスアドレス、又は更に第2の制御ユニットの構成が直ぐ隣接していないコンベヤセグメントの制御ユニット内に記憶されている。バスアドレス、又は更に直ぐ隣接していない制御ユニットの構成が第2の制御ユニットに相互的に記憶されていることが好ましい。
【0038】
搬送装置は、バス通信を介してデータを交換することができる多数の制御ユニットから構成することができる。したがって、バスアドレス、又は更に制御ユニットの構成は、離れた制御ユニットに記憶されることが好ましい場合がある。これは、すぐ隣接する制御ユニットが同時に異常に陥る場合に必ず有利である。隣接する制御ユニットの同時破壊は、例えば、加工物又は車両によって機械的に発生する、若しくは、電力供給ライン又は有線バス通信における電気パラメータの超過に起因することによって生じ得る。ある距離離れて位置する制御ユニットにバスアドレスを記憶する、又は更に構成を記憶することは、当該情報の失う可能性を低減する。
【0039】
また、バスアドレス、又は更に第2の制御ユニットの構成が、前のバックアップステップで複数の制御ユニットに記憶されており、複数の制御ユニットのバスアドレス又は構成が、第2の制御ユニットに相互的に記憶されていることが好ましい。これは、すぐ隣接する制御ユニットが同時に異常に陥る場合に必ず有利である。隣接する制御ユニットの同時破壊は、例えば、加工物又は車両によって機械的に発生したり、電力供給ライン又は有線バス通信における電気パラメータの超過に起因したり、することによって生じ得る。複数の制御ユニットにバスアドレスを記憶する、又は更に構成を記憶することは、当該情報の失う可能性を低減する。特に、この複数の制御ユニットは、互いに直接隣接せず、搬送装置に沿って互いに離れているコンベヤセグメントに割り当てられることが好ましい。これは、バックアップされたバスアドレス、又は原型の構成が空間的に分散されていることを意味し、したがって、情報の冗長性を提供し、当該情報が失われる可能性を低減する。
【0040】
好ましいのは、前のバックアップステップにおいて、第2の制御ユニットの第2のバスアドレス、又は更に第2の制御ユニットの構成が、
バックアップユニットに記憶されている、又は、
プログラム化可能なロジックコントローラに記憶されている、又は、
ウェブサーバーに保存されている。
特に、個別のバスアドレス、又は更にバス通信に統合された全ての制御ユニットの構成が、1つのユニットに集中的に記憶されることが好ましい。
【0041】
搬送装置における制御ユニットの全てのバスアドレス及び構成が1つのユニットに記憶されるため、バスアドレス及び制御ユニットの構成を中央ユニットに記憶することが有利であり得る。その結果、例えば、バスアドレス又は制御ユニットの構成を選択的に、中心部から復元することが可能である。バス通信に統合された制御ユニットのバスアドレス及び構成を自動的に記憶するように設計された専用のバックアップユニットは、例えば、そのバス通信に統合されることができる。別の変形例において、制御ユニットのバスアドレス及び構成は、プログラム化可能なロジックコントローラに記憶することができる。これは、多くの搬送装置がプログラム化可能なロジックコントローラを有し、既に搬送装置のバス通信に統合されているため、有利であり得る。多くの場合、プログラム化可能なロジックコントローラは、多数のバスアドレス、又は更に制御ユニットの構成を記憶するのに十分な記憶容量を有する。
【0042】
別の実施形態において、バスアドレス及び構成は、ウェブサーバーに保存され、したがって、様々なウェブサーバーインタフェースを介して中心部から復元できることが好ましい。ウェブサーバーによって、制御ユニットのバスアドレス及び構成に関する情報は、ネットワークアクセスを有する端末又はモバイルデバイスにおいて復元することができ、このような情報へのアクセスは、実行システム及びアプリケーションプログラムから独立して提供することができる。
【0043】
構成には、制御ユニットのフル稼働ソフトウェアが含まれることも好ましい。
【0044】
ここで、稼働ソフトウェアとは、制御ユニット内で実行され、制御ユニットの機能を実現するソフトウェアを意味するものと理解されるべきである。デバイス又はシステムに統合されている、このような稼働ソフトウェアは、さらなる開発及びバグフィックスの結果として、異なるバージョンで利用可能な場合がある。また、異なるバージョンの稼働ソフトウェアは、制御ユニットと互換性がない可能性もある。そのような場合、本発明による方法は、有利に適用することができる。これは、搬送装置において以前に使用されていた稼働ソフトウェアを用いて未構成の制御ユニットを構成することができるためである。特に、第3の制御ユニットに特定のバージョンの稼働ソフトウェアをインストールすることを省略することが可能である。このようにして、第3の制御ユニットの稼働ソフトウェアが第1の制御ユニットと互換性があることを保証することができる。これにより、代替品として利用可能に備える制御ユニットの異なる種類の数が減少し、交換品の調達及び保管、並びに異常の制御ユニットの実際の交換を簡素化することができる。
【0045】
現今では、搬送装置が満たすべき別の要求は、搬送装置の構成を可能な限り短時間で交換することができることである。
【0046】
この目的は、
(1)第1の制御ユニットによって第2の制御ユニットにおける異常を検出するステップと、
(2)第1の制御ユニットが第2の制御ユニットにおける異常を検出すると、第1の制御ユニットを構成モードに切り替えるステップと、
(3)第1の制御ユニットが構成モードに入れられた後に第3の制御ユニットをバス通信に組み込ませるステップと、
(4)第1の制御ユニットから第3の制御ユニットに、又は第3の制御ユニットから第1の制御ユニットに構成を転送するステップと、
(5)第1の制御ユニットから第3の制御ユニットに転送された構成を第3の制御ユニットに記憶する、又は第3の制御ユニットから転送された構成を第1の制御ユニットに記憶するステップと、
を含む方法によって達成される。
【0047】
本発明による方法は、未構成であり得る第3の制御ユニットに構成を提供するために、第1の制御ユニットから第3の制御ユニットに構成を転送することを可能にする。同様に、第3の制御ユニットの構成を第1の制御ユニットに提供するために、可能な予め構成された第3の制御ユニットから構成を第1の制御ユニットに転送することができる。予め設定された制御ユニットは、特にコンベヤセグメントを監視する及び制御するために必要とされる全ての個別のパラメータの中の少なくともいくつかが構成されている制御ユニットであると理解される。この場合、上記バス通信を介して一方の制御ユニットから他方の制御ユニットに構成が転送される。転送された構成は、その構成を受信した制御ユニットに記憶され、又はそこから除去されることができる。
【0048】
本発明によれば、第3の制御ユニットがバス通信に統合されるとすぐに、第1又は第3の制御ユニットによって自動的に構成を転送することができる。これは、構成又はプログラミングがユーザによって実行される必要がないため、また、第1又は第3の制御ユニットが自動的に構成されるため、特に有利である。これにより時間が節約され、異常の制御ユニットの交換が簡素化され、制御ユニットの構成の交換が簡素化され、保守要員を必要することなく、構成の転送を含む交換を実行することができる。
【0049】
本方法は、構成が制御ユニットの稼働ソフトウェアの一部を含むように開発することができる。同様に、稼働ソフトウェアが完全に交換されている、すなわち、その構成が制御ユニットのフル稼働ソフトウェアを含む場合も有利である。昨今、稼働ソフトウェアがモジュラー化されることが多く、例えば、プログラミングエラーを修正したり、稼働ソフトウェアに機能を追加したりするなど、アップデートによって改善される。これは、例えば、徹底的なテスト及び検証にもかかわらず、コンベヤシステムが実際に動作するまで、発見されなかったプログラミングエラーは、稼働ソフトウェアの一部を交換することによって修正できることを意味する。
【0050】
例えば、合流、方向転換又はエレベータが既存のコンベヤシステムに統合されている場合、コンベヤシステムの変更によって、稼働ソフトウェアの一部を交換する必要な場合もある。ソフトウェア技術を利用して特定の機能を実行する、及び要求を満たすために、搬送装置が制御される方法を変更又は拡張するソフトウェアモジュール、プログラムファイル又はパラメータデータセットは、稼働ソフトウェアに追加される。稼働ソフトウェアの一部を置き換えることによって、既に構成され、完全に機能している稼働ソフトウェアの部分には触れないとともに、新しい機能が追加される。現在、多くの制御システムは、Lunuxディストリビューションのような完全稼働システムを使用している。このような完全稼働システムは、動作システム固有のソフトウェアコンポーネントを数多く有し、アプリケーションに関連するソフトウェアコンポーネントの数が限られている。このような場合にも、稼働ソフトウェアの一部を置き換えるのは一般的な実施である。
【0051】
また、稼働ソフトウェアの一部は、搬送装置の構成パラメータを有する1つ又は複数のデータセットを意味すると理解されるべきである。また、稼働ソフトウェアの一部は、搬送装置の動作中に取得され、記憶されたデータ及び情報として理解されるべきである。例として、カウンタステータス、メンテナンス作業に関する情報、動作中に生じる警告、又はエラーメッセージなどを含む。
【0052】
また、好ましくは、構成は、構成の最新性を判定することができる一意のバージョン識別子を含む。特に、個別のファームウェアバージョン又は制御ユニットの稼働ソフトウェアのソフトウェアバージョンに割り当てられた一意のバージョン識別子を含む。
【0053】
バージョン識別子は、2つ以上の構成が互いに区別される、又は同様に確立されることを可能にする識別子であると理解されるべきである。バージョン識別子は英数字の文字列で構成されてもよく、特殊文字を含めることもできる。特に、バージョン識別子は、ソフトウェアの異なる開発状態を区別する方法として、ソフトウェア開発においてよく知られているようなバージョン番号として理解することもできる。そのようなバージョン番号は、通常、異なる部分に細分され、例えば、メインバージョン番号、リビジョン番号(revision number)又はビルド番号(build number)を含む。バージョン識別子は、一般的な日付フォーマットの1つで表される日付であってもよい。
【0054】
構成が一意のバージョン識別子を有する場合は、制御ユニットの構成が連続的な開発に当たって、その結果、操作方法及び実行可能な機能の範囲が変更されるため、有利である。異なる構成は、互いに互換性がないため、制御ユニットの誤動作に繋がる場合がある。このようなことを防ぐためには、構成の開発状態が追跡可能である必要がある。これは、バージョン識別子により可能になる。構成に一意のバージョン識別子を与えることによって、制御ソフトウェア構成のそれぞれの開発状態を一意的に識別することができ、異なる制御ユニットの構成の開発状態に比較することも可能になる。従って、ある構成と制御ユニットとの間の潜在的な非互換性、又は他の制御ユニットの構成は、初期段階で特定することができる。
【0055】
ステップ(5)は、
(5)第1の制御ユニットの構成のバージョン識別子を、第3の制御ユニットの構成のバージョン識別子と、好ましくは第1又は第3の制御ユニットにおいて比較し、
(6)第1の制御ユニットのバージョン識別子が第3の制御ユニットのバージョン識別子よりも最新である場合、第1の制御ユニットから転送された構成を記憶する、
又は
第1の制御ユニットのバージョン識別子が第3の制御ユニットのバージョン識別子よりも最新である場合、
(a)第1の制御ユニットの構成を第3の制御ユニットに転送し、
(b)転送された第1の制御ユニットの構成を第3の制御ユニットに記憶する、
ように実行されることが好ましい。
【0056】
本実施形態によれば、第3の制御ユニットの構成のバージョン識別子が第1の制御ユニットの構成よりも古い場合、バス通信に新たに統合された第3の制御ユニットには、第1の制御ユニットの構成が提供される。従って、交換制御ユニットは、第1の制御ユニットのバージョン識別子と少なくとも同じ状態のバージョン識別子を有する構成を受信する。第3の制御ユニットの構成が第1の制御ユニットの構成よりも最新である場合、第3の制御ユニットには構成が記憶されない。転送された構成は、第3の制御ユニットのメモリの特別領域に記憶されてもよく、又は第3の制御ユニットの既存の構成が上書きされてもよい。
【0057】
前述の方法において、構成のバージョン識別子は、第1又は第3の制御ユニットにおいて比較される。比較は、例えば、サーバー又はプログラム化可能なロジックコントローラによって、中央ユニットによって実行されてもよい。構成を転送及び記憶することは、異なる構成の間の非互換性を排除することができ、新たに統合された制御ユニットが常に少なくとも第1の制御ユニットの構成を受信するため、既にコンベヤシステムに統合された第1の制御ユニットとの互換性を保証することができる。また、この方法によって、未構成の、又は主に未構成の制御ユニットに構成を提供することが可能である。
【0058】
したがって、関連性のない新たに統合された制御ユニットの構成は、別の制御ユニットに既に存在している構成によって生成されることによって、制御ユニットの交換を大幅に単純化することができる。これのもう1つの利点は、既存のシステムから常に転送できるため、保守要員を配置することも、利用可能な構成を備えておくことも必要がないことである。
【0059】
ステップ(5)は、
(5)第1の制御ユニットの構成のバージョン識別子を、第3の制御ユニットの構成のバージョン識別子と、好ましくは第1又は第3の制御ユニットにおいて比較し、
(6)第1の制御ユニットのバージョン識別子が第3の制御ユニットのバージョン識別子よりも最新である場合、第1の制御ユニットから転送された構成を記憶し、
そして、
第1の制御ユニットから転送された構成を第3の制御ユニットに記憶する、そうでなければ、
(a)第3の制御ユニットの構成を第1の制御ユニットに転送し、
(b)転送された第3の制御ユニットの構成を第1の制御ユニットに記憶する、
又は、
第3の制御ユニットのバージョン識別子が第1の制御ユニットのバージョン識別子よりも最新である場合には、
第3の制御ユニットから転送された構成を第1の制御ユニットに記憶する、そうでなければ、
(a)第1の制御ユニットの構成を第3の制御ユニットに転送し、
(b)転送された第1の制御ユニットの構成を第3の制御ユニットに記憶する、
ように実行されることが好ましい。
【0060】
本実施形態によれば、第1の制御ユニットの構成のバージョン識別子を、第3の制御ユニットの構成のバージョン識別子と比較し、どの構成が最新であるかを判断することによって、より古い構成を有する制御ユニットに最新の構成を転送し、記憶することが可能である。
【0061】
最新の構成は、制御ユニットにおけるメモリの特別領域に記憶することができ、又は制御ユニットのより古い構成が上書きされることもできる。
【0062】
本実施形態によれば、第1又は第3の制御ユニットは、常に最新のバージョン識別子を有する構成に更新される。それぞれの最新の構成は、バス通信を介して転送され、より古い構成を有する制御ユニットに記憶される。このようにして、両方の制御ユニットが同一の、かつ最新の構成を有することを保証することが可能である。
【0063】
この方法によれば、複雑なプロセスにおいて、構成のバージョン識別子を手動で確立する必要がなく、さもなければ、構成の交換は、多くのステップがユーザによって実行される必要がある。そのため、この方法は、構成の交換が大幅に単純化され、有利である。特に、制御ユニットが最新の構成で動作することが保証され、これにより搬送装置の制御における非互換性及びエラーが防止される。
【0064】
ステップ(5)は、
(5)第1又は第3の制御ユニットによって第1又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態を検索し、
(6)構成方向設定が第1の状態を有する場合、
第3の制御ユニットの構成を第1の制御ユニットに転送し、転送された構成を第1の制御ユニットに記憶する、
ように実行されることが好ましい。
【0065】
構成方向設定は、構成のバージョン識別子が変更される方向(最新のもの、より古いもの)を特定する設定として理解すべきである。バージョン識別子の比較はここでは要求されない。その代わり、第3の制御ユニットが第1の制御ユニットの構成を備えているか否か、又は第1の制御ユニットが第3の制御ユニットの構成を備えているか否かが特定される。
【0066】
また、第1の制御ユニットに記憶された構成は、第1又は第3の制御ユニットからの下流分配ステップにおいて複数の制御ユニットに転送され、前記複数の制御ユニットに記憶されることが好ましい。
【0067】
分配ステップは、第1又は第3の制御ユニットから少なくとも1つの他の制御ユニットに構成を転送することを含むと理解すべきである。分配は、好ましくは、バス通信に統合されたコンベヤシステム内の全ての制御ユニットに対して行われる。
【0068】
また、転送された構成がそれぞれの制御ユニットに記憶され、好ましくは既に存在する構成を置き換えることが好ましい場合もある。第1又は第3の制御ユニットに記憶された構成のこの分布を用いて、コンベヤシステムの全体又はコンベヤシステムの一定の部分のみにおいて規格化された構成を設定することが可能である。前述したように、第1又は第3の制御ユニットに記憶されている構成は、最新のバージョン識別子又はより古いバージョン識別子を有する構成であるため、このようにして、最新の構成(アップグレード、アップデート)又はより古い構成(ダウングレード)を有するコンベヤシステム内の多数の制御ユニットを構成することが可能である。この方法は、コンベヤシステムの他の制御ユニット又は全ての制御ユニットに特定の構成を設置する必要がなくなり、その代わり、完全な自動交換を可能にする。例えば、異常の制御ユニットを交換することによって、コンベヤシステム内の全ての制御ユニットの構成の更新又は交換を同時に実行することが可能である。
【0069】
この方法によれば、一定のハードウェア機能をサポートしないが、コンベヤシステムに統合されている制御ユニットのために、コンベヤシステム内の全ての制御ユニットの構成のダウングレードを開始させ、そうすることによって、全ての制御ユニットの全ての構成が互いに互換性を有することを保証することができる。
【0070】
ステップ(6)は、
(5)第1の制御ユニットの構成のバージョン識別子を、第3の制御ユニットの構成のバージョン識別子と、好ましくは第1又は第3の制御ユニットにおいて比較し、
(6)第1又は第3の制御ユニットによって第1又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態を検索し、
(7)検出された構成方向設定の状態に応じて、最新のバージョン識別子又はより古いバージョン識別子を有する構成を判定し、
(8)最新のバージョン識別子を有する構成が第1又は第3の制御ユニットの構成ではない場合、
(a)第1又は第3の制御ユニットから、最新のバージョン識別子を第3又は第1の制御ユニットに転送し、且つ、
(b)転送された第1又は第3の制御ユニットの構成を第3又は第1の制御ユニットに記憶する、
又は、
より古いバージョンの識別子を有する構成が第1又は第3の制御ユニットの構成ではない場合、
(a)第1又は第3の制御ユニットから、より古いバージョン識別子を有する構成を第3又は第1の制御ユニットに転送し、
(b)転送された第1又は第3の制御ユニットの構成を第3又は第1の制御ユニットに記憶する、
ように実行されることも好ましい。
【0071】
本方法は、構成方向設定の識別された状態に応じて、最新のバージョン識別子を有する構成が、より古いバージョン識別子を有する構成を有する制御ユニットに転送され、保存される。又は、より古いバージョン識別子を有する構成が、それより新しいバージョン識別子を有する構成を有する制御ユニットに転送される。
【0072】
これにより、第1及び第3の制御ユニットを、第1及び第3の制御ユニットの構成のうち、最新のものに、又はより古いものに同一に設定する選択を可能にする。構成は、最新のバージョン識別子(アップグレード)を有するものに置き換えることができ、又は、それより古いバージョン識別子(ダウングレード)を有するものに置き換えることもできる。
【0073】
前の実施形態におけるステップ(6)は、
(a)第1又は第3の制御ユニットは、第1又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態を検索し、
(b)第3又は第1の制御ユニットは、光及び/又は音響信号ユニットによって、第1の制御ユニットの構成のバージョン識別子に比べ、第3の制御ユニットの構成のバージョン識別子が、最新のものであるか、若しくは古いものであるか、若しくは同一のものであるかを示し、
(c)ユーザは、第1又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態を変更し、
(d)第1又は第3の制御ユニットは、第1又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態を検索する、
ように実行されることも好ましい。
【0074】
これにより、事前に第3の制御ユニットの構成のバージョン識別子を知らないユーザに、第3の制御ユニットの構成が第1の制御ユニットの構成よりも最新のものであるか、若しくは古いものであるか、若しくは同一のものであるかが通知される。多くの場合に、制御ユニットの構成を容易に判定することができない、又は未知であるため、これは有利である。
【0075】
比較は、例えば、第3又は第1の制御ユニット上又はその内部の1つ又は複数のLED又はランプによって、視覚表示ユニットによって信号で示すことができる。結果は、好ましくは、セグメントディスプレイ又はLCディスプレイによって、記号又は平文メッセージの形態で表示される。また、圧電トランスデューサ又はスピーカなどの音響信号ユニットによって生成される一連の音によって、第3の制御ユニットの構成の最新の状態をユーザに通知することが好ましい場合もある。
【0076】
また、好ましくは、第1又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態は、
制御ユニットにおける及び/又は制御ユニット内のコンタクト、スイッチ又はセンサを操作することによって変更される、及び/又は、
バス通信を介して中央ユニットによって変更される。
【0077】
これは、構成方向設定の状態がユーザによっていつでも変更できるという点で有利である。これは、DIPスイッチ又はステッピングスイッチ(stepping switch)などのスイッチによって制御ユニットで行うことができる。この状態の変化は、リードコンタクト(Reed contact)又はホールセンサ(Hall sensor)によって、又は例えばLDR又はフォトトランジスタなどの光電センサによって行われることも可能である。特に、磁気又は光センサは、制御ユニットによって完全にカプセル化され、塵埃又は湿気などの外部の影響からセンサを保護することができる。ユーザは、例えば、スクリュードライバー、磁石若しくは電磁石、又は光源などの適切な装置を用いて、コンタクト、スイッチ又はセンサを操作することができる。
【0078】
代替的に、中央ユニットによって構成方向設定の状態を変更できれば有利な場合がある。例えば、第1又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態を制御室から変更することができる。これは、問題のある制御ユニットを物理的に探す必要がなくなる。
【0079】
本発明の別の態様によれば、最初に明示された課題は、装置、特に搬送装置によって解決される。
【0080】
この方法は搬送装置によって具現化される。当該搬送装置は、第1のバスアドレスを有する第1の制御ユニットと、第2のバスアドレスを有する少なくとも第2の制御ユニットとを備え、第1の制御ユニットは、第1のコンベヤセグメントを監視及び制御し、第2の制御ユニットは、第2のコンベヤセグメントを監視及び制御し、第1の制御ユニットと第2の制御ユニットとは、バス通信を介して相互に接続されている。この場合、
(1)第1の制御ユニットは、第2の制御ユニットにおける異常を検出するように適合され、
(2)第1の制御ユニットが第2の制御ユニットにおける異常を検出すると、第1の制御ユニットは、構成モードに切り替えるように適合され、
(3)第1の制御ユニットは、構成モードに入るように適合され、
(4)第1の制御ユニットは、第1の制御ユニットから個別のバスアドレスを第3の制御ユニットに転送するように適合され、
(5)第3の制御ユニットは、第1の制御ユニットから転送された個別のバスアドレスを記憶するように適合されている。
【0081】
また、搬送装置は、
第2の制御ユニットは、バス通信を介してアクティビティ信号を送信するように適合され、
第1の制御ユニットは、第2の制御ユニットからのアクティビティ信号を受信していないことに基づいて、第2の制御ユニットにおける異常を検出するように適合され、
第1の制御ユニットは、前のアクティビティ信号を受信した後、所定の間隔内にアクティビティ信号を受信しないことに基づいて、第2の制御ユニットにおける異常を検出するように適合される、
ように構成されてもよい。
【0082】
また、搬送装置は、
第1の制御ユニットが、アクティビティ信号を受信していないことによって構成モードに入るように適合される、
ように構成されてもよい。
【0083】
また、搬送装置は、
第1の制御ユニットは、第1の制御ユニットにおいてアクティビティ信号が受信されない場合、エラーメッセージが第1の制御ユニットによって生成され、バス通信を介して送信されるように適合される、
ように構成されてもよい。
【0084】
また、搬送装置は、
第3の制御ユニットは、バス通信に統合された後に、プレゼンス信号を送信するように適合され、
第1の制御ユニットは、第3の制御ユニットからプレゼンス信号を受信することによって、構成モードに入るように適合される、
ように構成されてもよい。
【0085】
また、搬送装置は、
第2のコンベヤセグメントは、第3の制御ユニットを統合するように適合され、
第2の制御ユニットは、第2のコンベヤセグメントから取り外される、又は、
第2の制御ユニットは、第2のコンベヤセグメント内に残される、
ように構成されてもよい。
【0086】
また、搬送装置は、
第3の制御ユニットは、第3の制御ユニットが第1の制御ユニットから、第1の制御ユニットの第1のバスアドレス及び第3の制御ユニットに割り当てられる第2のバスアドレスを含むメッセージを受信した場合にのみ、ステップ(5)において個別のバスアドレスを記憶するように適合される、
ように構成されてもよい。
【0087】
また、搬送装置は、
搬送装置が、第3のコンベヤセグメントと、第4のバスアドレスを有する第4の制御ユニットとを備え、
第3の制御ユニットは、第3の制御ユニットが2つのメッセージを受信した場合にのみ、ステップ(5)において個別のバスアドレスを記憶するように適合され、
第1のメッセージは、第1の制御ユニットから送信され、第1の制御ユニットの第1のバスアドレスと第3の制御ユニットに割り当てられる第2のバスアドレスとを含み、
第2のメッセージは、第4の制御ユニットから送信され、第4の制御ユニットの第4のバスアドレスと第3の制御ユニットに割り当てられる第2のバスアドレスとを含み、
第3の制御ユニットに割り当てられる第2のバスアドレスは、両方のメッセージにおいて同一である、
ように構成されてもよい。
【0088】
また、搬送装置は、
第1の制御ユニットは、ステップ(1)の前に実行されるバックアップステップにおいて、第2の制御ユニットの第2のバスアドレスを記憶するように適合され、好ましくは、第2の制御ユニットは、第1の制御ユニットの第1のバスアドレスを記憶するように適合され、第3の制御ユニットは、第2の制御ユニットの記憶されたバスアドレスによって構成されるように適合され、
第1の制御ユニットは、第2の制御ユニットの記憶された第2のバスアドレスを送信するように適合され、
第3の制御ユニットは、第2の制御ユニットの受信された第2のバスアドレスを記憶するように適合され、
第3の制御ユニットは、第1の制御ユニットのバスアドレスを記憶するように適合される、
ように構成されてもよい。
【0089】
また、搬送装置は、
第1の制御ユニットは、前のバックアップステップで第2の制御ユニットの構成を記憶するように適合され、
第2の制御ユニットは、前のバックアップステップで第1の制御ユニットの構成を記憶するように適合され、
第3の制御ユニットは、第2の制御ユニットの記憶された構成によって構成されるように適合される、
ように構成されてもよい。
【0090】
また、搬送装置は、
制御ユニットは、前のバックアップステップにおいて、バスアドレス、又は更に直ぐ隣接していないコンベヤセグメントの制御ユニットの構成を記憶するように適合され、
第2の制御ユニットは、バスアドレス、又は更に直ぐ隣接していない制御ユニットの構成を記憶するように適合される、
ように構成されてもよい。
【0091】
また、搬送装置は、
制御ユニットは、前のバックアップステップにおいて、バスアドレス、又は更に第2の制御ユニットコンベヤセグメントの構成を複数の制御ユニットに記憶するように適合され、
第2の制御ユニットは、バスアドレス、又は更に構成を複数の制御ユニットに記憶するように適合される、
ように構成されてもよい。
【0092】
また、搬送装置は、
バックアップユニット、又は、
プログラム化可能なロジックコントローラ、又は、
ウェブサーバーが、
前のバックアップステップにおいて、第2の制御ユニットの第2のバスアドレス、又は更に第2の制御ユニットの構成を記憶するように適合され、特に、個別のバスアドレス、又は更にバス通信に統合された全ての制御ユニットの構成を中心部に記憶するように適合される、
ように構成されてもよい。
【0093】
また、搬送装置は、構成が制御ユニットのフル稼働ソフトウェアを含むように構成されてもよい。
【0094】
本発明による運搬装置の動作方法、利点及び変形例に関しては、装置の特徴に対応する方法の特徴、及び前記説明における関連部分が参照される。
【0095】
搬送装置は、構成が制御ユニットの稼働ソフトウェアの一部を含むように構成されてもよい。
【0096】
また、搬送装置は、構成が一意のバージョン識別子を含むように構成されてもよい。当該一意のバージョン識別子を利用して、構成の開発ステータスを判定することができ、特に、構成は、個別のファームウェアバージョン又は制御ユニットの稼働ソフトウェアのソフトウェアバージョンに割り当てられる一意のバージョン識別子を含む。
【0097】
また、搬送装置は、第1及び/又は第3の制御ユニットが構成のバージョン識別子を比較するように適合されるように構成されてもよい。
【0098】
また、搬送装置は、第1及び/又は第3の制御ユニットが、第1又は第2の状態に関して、第1又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態を検索するように適合されるように構成されてもよい。
【0099】
また、搬送装置は、第1及び/又は第3の制御ユニットが、下流分配ステップにおいて、第1の制御ユニットに記憶された構成を複数の制御ユニットに転送するように適合され、前記複数の制御ユニットは、転送された構成を記憶するように適合されるように構成されてもよい。
【0100】
また、搬送装置は、第1及び/又は第3の制御ユニットが、最新のバージョン識別子を有する、又はより古いバージョン識別子を有する構成を判定するように適合されるように構成されてもよい。
【0101】
また、搬送装置は、第1及び/又は第3の制御ユニットが、
制御ユニットにおけるコンタクト、スイッチ又はセンサを操作することによって、及び/又は、
バス通信を介して中央ユニットによって、
第1及び/又は第3の制御ユニットにおける構成方向設定の状態を変更するように適合されるように構成されてもよい。
【0102】
また、搬送装置は、第1及び/又は第3の制御ユニットが、光及び/又は音響信号ユニットによって、第1の制御ユニットの構成のバージョン識別子に比べ、第3の制御ユニットの構成のバージョン識別子が最新のものであるか、若しくは古いものであるか、若しくは同一のものであるかを示すように適合されるように構成されてもよい。
【0103】
以下、添付図面を参照して好ましい実施形態を説明する。