特許第6796621号(P6796621)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6796621電線と端子の接続構造の製造方法及び電線と端子の接続構造の製造方法に使用される端子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796621
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】電線と端子の接続構造の製造方法及び電線と端子の接続構造の製造方法に使用される端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 43/048 20060101AFI20201130BHJP
   H01R 4/18 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   H01R43/048 Z
   H01R4/18 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-128696(P2018-128696)
(22)【出願日】2018年7月6日
(65)【公開番号】特開2020-9600(P2020-9600A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】鍋田 泰徳
【審査官】 高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭48−017681(JP,U)
【文献】 実開昭55−077833(JP,U)
【文献】 実公昭50−1424(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/18
H01R 43/04−43/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース板の折り返し部から該ベース板の長手方向に電線挿通孔を有する傾斜した弾性接続片を形成した端子と、絶縁被覆から露出した芯線を有する電線と、を備え、
前記傾斜した弾性接続片の電線挿通孔に前記電線の絶縁被覆から露出した芯線を挿通させて前記端子に前記電線を接続する電線と端子の接続構造の製造方法であって、
前記ベース板の折り返し部から前記傾斜した弾性接続片を山状に相対向させて傾斜するように少なくとも一対設け、
前記山状に相対向して傾斜した少なくとも一対の弾性接続片の各電線挿通孔に、前記電線の絶縁被覆から露出した芯線を挿通させた状態で、前記山状に相対向して傾斜した少なくとも一対の弾性接続片の頂上部を加圧して、前記ベース板と圧潰された前記各弾性接続片間で前記電線の絶縁被覆から露出した芯線を挟持して接続させたことを特徴とする電線と端子の接続構造の製造方法
【請求項2】
請求項1記載の電線と端子の接続構造の製造方法であって、
前記山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片の前記折り返し部と反対側に位置する傾斜した弾性接続片の頂下端側に前記折り返し部側に位置する弾性接続片と同じ角度で傾斜する第3の弾性接続片を更に折り曲げ形成して、前記山状に相対向して傾斜した少なくとも一対の弾性接続片の頂上部を加圧した際に、前記ベース板と圧潰された前記第3の弾性接続片間で前記電線の絶縁被覆から露出した芯線の先端側を挟持して接続させたことを特徴とする電線と端子の接続構造の製造方法
【請求項3】
請求項1記載の電線と端子の接続構造の製造方法であって、
前記山状に相対向して傾斜した少なくとも一対の弾性接続片の各電線挿通孔を前記ベース板の幅方向から開放されて貫通する長孔形状に形成したことを特徴とする電線と端子の接続構造の製造方法
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電線と端子の接続構造の製造方法であって、
前記ベース板の前記電線の絶縁被覆から露出した芯線と接触する箇所に凹凸形状を設けたことを特徴とする電線と端子の接続構造の製造方法
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電線と端子の接続構造の製造方法であって、
前記ベース板の折り返し部と該折り返し部側に位置する傾斜した弾性接続片との間にストレート部を設けたことを特徴とする電線と端子の接続構造の製造方法
【請求項6】
ベース板の折り返し部から該ベース板の長手方向に電線挿通孔を有する傾斜した弾性接続片を形成した端子と、絶縁被覆から露出した芯線を有する電線と、を備え、
前記傾斜した弾性接続片の電線挿通孔に前記電線の絶縁被覆から露出した芯線を挿通させて前記端子に前記電線を接続する請求項1記載の電線と端子の接続構造の製造方法に使用される端子であって、
前記ベース板の折り返し部から前記傾斜した弾性接続片を山状に相対向させて傾斜するように少なくとも一対設け、
前記山状に相対向して傾斜した少なくとも一対の弾性接続片に各電線挿通孔を設け、
前記折り返し部から離れた第2の弾性接続片の先端には、底板の上面と平行なストレート部が折り曲げ形成されていることを特徴とする電線と端子の接続構造の製造方法に使用される端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素線が極細の芯線を有する電線と端子の接続構造の製造方法及び電線と端子の接続構造の製造方法に使用される端子に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電線と端子の接続構造として、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に記載された電線と端子の接続構造1は、図11及び図12に示すように、相手端子が接続される端子接続部3と電線5が接続される電線接続部4を有する端子2と、絶縁被覆6から露出した極細の芯線7を有する電線5と、を備えている。
【0003】
そして、端子2の電線接続部4のインシュレーションバレル4aに電線5の絶縁被覆6が圧着され、端子2の電線接続部4の前後側のワイヤバレル4b,4cに電線5の極細の芯線7が圧着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−226671号公報
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、前記従来の電線と端子の接続構造1では、端子2のワイヤバレル4b,4cの先端を電線5の芯線7に突き刺すようにして加締め金型で圧着するため、芯線7の素線が極細の電線5の場合、芯線7が断線してしまう。また、端子2と電線5の接続品がクリンパやアンビル等から成る加締め金型の寸法に制限されてしまい、狭ピッチのコネクタに対応するこができない。
【0006】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、電線の芯線を断線させることなく、電線と端子を簡単かつ確実に接続することができ、かつ、狭ピッチのコネクタに対応することができる電線と端子の接続構造の製造方法及び電線と端子の接続構造の製造方法に使用される端子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ベース板の折り返し部から該ベース板の長手方向に電線挿通孔を有する傾斜した弾性接続片を形成した端子と、絶縁被覆から露出した芯線を有する電線と、を備え、前記傾斜した弾性接続片の電線挿通孔に前記電線の絶縁被覆から露出した芯線を挿通させて前記端子に前記電線を接続する電線と端子の接続構造の製造方法であって、前記ベース板の折り返し部から前記傾斜した弾性接続片を山状に相対向させて傾斜するように少なくとも一対設け、前記山状に相対向して傾斜した少なくとも一対の弾性接続片の各電線挿通孔に、前記電線の絶縁被覆から露出した芯線を挿通させた状態で、前記山状に相対向して傾斜した少なくとも一対の弾性接続片の頂上部を加圧して、前記ベース板と圧潰された前記各弾性接続片間で前記電線の絶縁被覆から露出した芯線を挟持して接続させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、山状に相対向して傾斜した少なくとも一対の弾性接続片の頂上部を加圧して、ベース板と圧潰された各弾性接続片間で電線の絶縁被覆から露出した芯線を挟持して接続させたことで、電線の芯線を断線させることなく、電線と端子を簡単かつ確実に接続することができ、かつ、狭ピッチのコネクタに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は本発明の第1実施形態の電線と端子の接続構造の接続前の端子の平面図、(b)は同接続構造の接続前の端子の側面図である。
図2】(a)は上記第1実施形態の電線と端子の接続構造の端子に電線を配置した状態を示す平面図、(b)は同接続構造の端子に電線を配置した状態を示す側面図である。
図3】(a)は上記第1実施形態の電線と端子の接続構造の端子に電線を接続した状態を示す平面図、(b)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す側面図である。
図4】(a)は本発明の第2実施形態の電線と端子の接続構造の接続前の端子の平面図、(b)は同接続構造の接続前の端子の側面図である。
図5】(a)は上記第2実施形態の電線と端子の接続構造の端子に電線を配置した状態を示す側面図、(b)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す側面図である。
図6】(a)は本発明の第3実施形態の電線と端子の接続構造の接続前の端子の平面図、(b)は同接続構造の端子に電線を配置した状態を示す側面図である。
図7】(a)は上記第3実施形態の電線と端子の接続構造の端子に電線を配置した状態を示す側面図、(b)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す側面図である。
図8】(a)は本発明の第4実施形態の電線と端子の接続構造の接続前の端子の平面図、(b)は同接続構造の接続前の端子の側面図である。
図9】(a)は上記第4実施形態の電線と端子の接続構造の端子に電線を配置した状態を示す平面図、(b)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す側面図である。
図10】(a)〜(d)は本発明の端子の電線の芯線との接続部分の変形例を示す部分平面図、(a′)〜(d′)は(a)〜(d)の断面図である。
図11】(a)は従来例の電線と端子の接続構造の接続後の状態を示す平面図、(b)は同接続構造の接続後の状態を示す側面図である。
図12】(a)は上記従来例の前側のワイヤバレルによる接続状態を示す断面図、(b)は後側のワイヤバレルによる接続状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1(a)は本発明の第1実施形態の電線と端子の接続構造の接続前の端子の平面図、図1(b)は同接続構造の接続前の端子の側面図、図2(a)は同接続構造の端子に電線を配置した状態を示す平面図、図2(b)は同接続構造の端子に電線を配置した状態を示す側面図、図3(a)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す平面図、図3(b)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す側面図である。
【0012】
図2(a),(b)及び図3(a),(b)に示すように、電線と端子の接続構造10は、導電性の底板(ベース板)21の折り返し部23から該底板21の長手方向Lに電線挿通孔28を有する傾斜した第1と第2の一対の弾性接続片(バネ片)25,26を折り曲げ形成した端子20と、絶縁被覆31から露出した素線が極細の芯線32を有する電線30と、を備え、一対の弾性接続片25,26の各電線挿通孔28に電線30の絶縁被覆31から露出した素線が極細の芯線32を挿通させ、山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26に圧力を加えて平坦面状に潰して底板21の上面21aに芯線32を接続するものである。
【0013】
図1(a),(b)及び図2(a),(b)に示すように、端子20の底板21は、金属製で矩形板状に形成してあり、その前側に図示しない相手端子が接続される端子接続部22を有している。また、底板21の基端側の折り返し部23から所定角度で傾斜した第1の弾性接続片25と第2の弾性接続片26を山状になって相対向するように折り曲げ形成してある。この一対の弾性接続片25,26の中央には、丸形の電線挿通孔28をそれぞれ形成してある。
【0014】
そして、図3(a),(b)に示すように、底板21の山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の各電線挿通孔28に、電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32を挿通させた状態で、山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の頂上部25Aを加圧して、底板21の上面21aと圧潰された(圧力を加えて平面状に潰された)各弾性接続片25′,26′間で電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32を挟持して接続するようになっている。
【0015】
尚、第2の弾性接続片26の先端には、底板21の上面21aと平行なストレート部26aを折り曲げ形成してあり、山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の頂上部25Aを加圧した際に、圧力を加えて平面状に潰された一対の弾性接続片25′,26′とストレート部26aとが平坦面状になるようになっている。
【0016】
以上第1実施形態の電線と端子の接続構造10の製造方法によれば、端子20の山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の各電線挿通孔28に、電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32を挿通させた状態で、山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の頂上部25Aを加圧して、底板21の上面21aと平坦状に圧潰された各弾性接続片25′,26′間で電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32を挟持して接続するようにしたことにより、電線30の素線が極細の芯線32を断線させることなく、端子20と電線30を簡単かつ確実に接続することができる。
【0017】
また、1枚の金属板である底板21に2つの電線挿通孔28を開け、この各電線挿通孔28が山の斜面に位置するように第1の弾性接続片25と第2の弾性接続片26を折り曲げ形成し、この各弾性接続片25,26の電線挿通孔28に電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32を挿通させて、山状に相対向して傾斜した各弾性接続片25,26を圧潰させるだけであり、従来の圧着接続のように、クリンパやアンビル等から成る加締め金型の寸法に、端子20と電線30の接続品が制限されてしまうことがないため、狭ピッチのコネクタに対応することができる。また、加圧部品の共用も可能となるため、その分低コスト化を図ることができる。
【0018】
図4(a)は本発明の第2実施形態の電線と端子の接続構造の接続前の端子の平面図、図4(b)は同接続構造の接続前の端子の側面図、図5(a)は同接続構造の端子に電線を配置した状態を示す側面図、図5(b)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す側面図である。
【0019】
この第2実施形態の電線と端子の接続構造10Aは、底板(ベース板)21の折り返し部23と該折り返し部23側に位置する傾斜した第1の弾性接続片25との間にストレート部24を設けた点が、前記第1実施形態のものとは異なる。尚、他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0020】
この第2実施形態の電線と端子の接続構造10Aの製造方法では、底板21の折り返し部23と第1の弾性接続片25との間にストレート部24を設けたことにより、山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の頂上部25Aを加圧して、底板21の上面21aと圧潰された各弾性接続片25′,26′間で電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32を挟持して接続する際に、折り返し部23側のストレート部24上と第2の弾性接続片26の先端側のストレート部26a上とに電線30の芯線32を安定した状態で接触させて接続することができ、電線30の素線が極細の芯線32を断線させることなく、底板21の上面21aに端子20と電線30を簡単かつ確実に接続することができる。
【0021】
図6(a)は本発明の第3実施形態の電線と端子の接続構造の接続前の端子の平面図、図6(b)は同接続構造の端子に電線を配置した状態を示す側面図、図7(a)は同接続構造の端子に電線を配置した状態を示す側面図、図7(b)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す側面図である。
【0022】
この第3実施形態の電線と端子の接続構造10Bは、底板(ベース板)21の山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の各電線挿通孔28′を底板21の幅方向Hから互い違い開放されて貫通する長孔形状に形成した点が、前記第1実施形態のものとは異なる。尚、他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0023】
この第3実施形態の電線と端子の接続構造10Bの製造方法では、底板21の幅方向Hから互い違い開放されて貫通する山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の各電線挿通孔28′に電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32を簡単かつ確実に挿通させることができ、電線30の素線が極細の芯線32を断線させることなく、底板21の上面21aに端子20と電線30を簡単かつ確実に接続することができる。
【0024】
図8(a)は本発明の第4実施形態の電線と端子の接続構造の接続前の端子の平面図、図8(b)は同接続構造の接続前の端子の側面図、図9(a)は同接続構造の端子に電線を配置した状態を示す平面図、図9(b)は同接続構造の端子に電線を接続した状態を示す側面図である。
【0025】
この第4実施形態の電線と端子の接続構造10Cは、底板(ベース板)21の山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の折り返し部23と反対側に位置する傾斜した第2の弾性接続片26の頂下端26B側に折り返し部23側に位置する第1の弾性接続片25と同じ角度で傾斜する第3の弾性接続片27を更に折り曲げ形成して、山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の頂上部25Aを加圧した際に、底板21と圧潰された第3の弾性接続片27′間で電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32の先端32a側を挟持して接続させた点が、前記第1実施形態のものとは異なる。尚、他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0026】
即ち、この第4実施形態の電線と端子の接続構造10Cの製造方法では、山状に相対向して傾斜した一対の弾性接続片25,26の頂上部25Aを加圧する際に、第2の弾性接続片26の頂下端26Bから折り曲げ形成された弾性接続片27も平坦状に圧潰され、この圧潰された第3の弾性接続片27′と底板21と間で電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32の先端32a側を挟持して接続するため、芯線32の先端32a側の跳ね上がりを確実に防止することができる。
【0027】
図10(a)〜(d)は本発明の端子の電線の芯線との接続部分の変形例を示す部分平面図、図10(a′)〜(d′)は図10(a)〜(d)の断面図である。
【0028】
前記第1実施形態から第4実施形態に用いられる端子20の底板21の各弾性接続片に対向する上面21aは、フラットな平面に形成されているが、図10(a)〜(d)及び図10(a′)〜(d′)に示すように、底板(ベース板)21の電線30の絶縁被覆31から露出した芯線32と接触する箇所にセレーション(凹凸形状)29を設けても良い。
【0029】
即ち、図10(a),(a′)に示すように、底板21の中央に3つの凹部29aを平行に形成したり、また、図10(b),(b′)に示すように、底板21の中央に両側まで貫通する3つの溝状凹部29bを形成したり、また、図10(c),(c′)に示すように、底板21の中央に2つの凸部29cとその間に1つの凹部29aを形成したり、さらに、図10(d),(d′)に示すように、底板21の中央に2つの凸部29cとその間に複数の丸形凹部29dを形成しても良い。
【0030】
尚、前記各実施形態において、電線挿通孔を有した弾性接続片を4つ以上折り曲げ形成しても良い。
【符号の説明】
【0031】
10,10A,10B,10C 電線と端子の接続構造
20 端子
21 底板(ベース板)
23 折り返し部
24 ストレート部
25,26 第1と第2の一対の弾性接続片
25′,26′圧潰された一対の弾性接続片
25A 頂上部
26B 頂下端
27 第3の弾性接続片
27′圧潰された第3の弾性接続片
28 電線挿通孔
30 電線
31 絶縁被覆
32 芯線
L 底板の長手方向
H 底板の幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12