特許第6796630号(P6796630)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796630
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】真空ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04C 25/02 20060101AFI20201130BHJP
【FI】
   F04C25/02 B
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-216103(P2018-216103)
(22)【出願日】2018年11月19日
(65)【公開番号】特開2019-94896(P2019-94896A)
(43)【公開日】2019年6月20日
【審査請求日】2019年3月8日
(31)【優先権主張番号】17203509.9
(32)【優先日】2017年11月24日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391043675
【氏名又は名称】プファイファー・ヴァキューム・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】フローリアーン・シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】シュテッフェン・ヘルマン
【審査官】 井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】 独国実用新案第202015004596(DE,U1)
【文献】 実開昭57−157785(JP,U)
【文献】 特開2015−102034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 25/02
F04D 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの第一の作動ポンプ部分(42)、少なくとも一つの第二の作動ポンプ部分(44)、および制御装置(40,46)を有する真空ポンプにおいて、制御装置によって、作動ポンプ部分が直列接続と並列接続の間で切り替えられることが可能であり、
制御装置が、唯一の切替バルブ(40)を有し、
切替バルブ(40)が少なくとも二つの切替状態を有し、これらのうち一方が直列接続に、そして他方が並列接続に割り当てられており、
切替バルブ(40)が、少なくとも一つの第三の切替状態を有し、この状態において、作動ポンプ部分(42、44)が真空ポンプのインレット(28)から分離されていて、
少なくとも一つの作動ポンプ部分(42、44)のための1つの駆動部が、1つの直流モーターを有し、この直流モーターが、切替バルブ(40)と電気的に直列に接続されていることを特徴とする真空ポンプ。
【請求項2】
真空ポンプが、回転排出式真空ポンプであり、又は、ロータリーベーンポンプであることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
【請求項3】
制御装置(40,46)が、予め与えられた切替圧力、および/又は予め与えることが可能である切替圧力の達成の際に切替を行うよう形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の真空ポンプ。
【請求項4】
切替圧力が、真空ポンプのインレット(28)におけるガス圧であることを特徴とする請求項3に記載の真空ポンプ。
【請求項5】
切替圧力が、1hPAより下、及び/又は0.01hPaより上であることを特徴とする請求項3または4に記載の真空ポンプ。
【請求項6】
切替が、真空ポンプの直列接続における、および並列接続における既知の吸引性能推移に応じて、それぞれ真空ポンプのインレット(28)におけるガス圧に応じて行われるよう、制御装置(40、46)が形成されていることを特徴とする請求項1から5の一項に記載の真空ポンプ。
【請求項7】
作動ポンプ部分(42、44)の並列接続でポンプ過程を開始し、そして、真空ポンプの吸引性能が並列接続において、直列接続の真空ポンプの吸引性能よりも低い、又は少なくとも基本的に同じであると、作動ポンプ部分の直列接続へと切り替えるよう制御装置(40、46)が形成されていることを特徴とする請求項1から6の一項に記載の真空ポンプ。
【請求項8】
切替バルブ(40)が、第三の切替状態において電流のない状態であることを特徴とする請求項1から7の一項に記載の真空ポンプ。
【請求項9】
制御装置が、少なくとも一つの別のバルブ(46)を有し、これが直列接続の実現のため、第一の作動ポンプ部分(42)を真空ポンプのアウトレット(30)から分離していることを特徴とする請求項1からの一項に記載の真空ポンプ。
【請求項10】
請求項1からの一項に記載の真空ポンプの運転のための方法であって、ポンプ過程の間に、作動ポンプ部分の直列接続と並列接続の間で切り替えられることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つの第一の作動ポンプ部分と、少なくとも一つの第二の作動ポンプ部分を有する真空ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術を、以下に二つの作動ポンプ部分を有するロータリーベーン真空ポンプの例に基づいて説明する。
【0003】
上述した形式の公知の真空ポンプは、作動ポンプ部分が並列に接続されているよう形成されている。これによって比較的大きな吸引性能を吸引過程の初期において実現する。作動ポンプ部分の並列接続は、しかし達成可能な最終圧力に関して、つまり真空ポンプのインレットにおける最小限の達成可能な圧力において不利である。
【0004】
特に低い最終圧力が必要とされる用途においては、先行技術においては、二つの作動ポンプ部分を直列に接続することが知られている。これによって、それ以外では構造上同じ作動ポンプ部分において、明らかにより低い最終圧力が達成されることが可能である。しかしここで高いインレット圧力における吸引性能、つまり特に吸引過程の初期における吸引性能は、並列運転に比較して著しく減少する。
【0005】
冒頭に記載した形式の並列に作動する真空ポンプは、つまり、達成可能な低い最終圧力よりも迅速な吸引が優先される用途に適している。逆に、直列に作動する真空ポンプは、迅速な吸引が比較的重要でなく、しかし特別低い最終圧力が達成可能であるべき用途に特に適している。高いインレット圧力における吸引性能と達成可能な最終圧力は、これまでのところ目的が対立している状態である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、冒頭に記載した形式の真空ポンプの性能を改善し、特に高い圧力において高い吸引性能を特に吸引過程の初期においても実現し、かつ達成可能な低い最終圧力も実現することである。つまり特に上述した目的の対立状態が解消されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の特徴を有する真空ポンプによって解決される。特に解決は、制御装置が設けられており、この制御装置によって作動ポンプ部分の直列接続と並列接続が切り替えられることが可能であることによって行われる。
【0008】
これによって、真空ポンプの運転状態に応じて、より良好な性能を発揮する運転状態、つまり直列接続、または並列接続が洗濯されることが可能である。真空ポンプは、つまり、例えば吸引過程の初期には、高い吸引性能を実現するため、作動ポンプ部分の並列接続で運転されることが可能であり、そして後に、特に直列運転における吸引性能が並列運転におけるそれを越えると、直列運転に切り替えられ、そのようにして更なる効率的な真空引きを、特別低い最終圧力まで保証する。
【0009】
発明に係る真空ポンプは、さまざまな用途ケースに柔軟に使用可能である。更に、製造側では、一方では並列接続、そして他方では直列接続である機械的に異なる複数の真空ポンプを提供することが省略されることが可能である。これによって、部品の重複が著しく減少し、よってコスト削減が可能である。制御装置のための構造的高コストは、これに対して低く保たれることが可能である。更に、より小さなポンプが並列接続で、以前はより大きなポンプが使用されたいたような複数用途に使用されることが可能であることによってコストメリットが生じる。
【0010】
ここで高い圧力、又は低い圧力が言及されている限り、これらは具体的な真空用とに関し、絶対的に理解されるべきでない。ポンプの初期状態においてインレットにおいてもアウトレットにおいても大気圧となっている簡単なケースでは、より高い圧力は、特に大気圧に近い値に関する。
【0011】
以下の記載は、例として、主に、同じポンプ原理に従い作動するちょうど二つの作動ポンプ部分を有する真空ポンプに関する。上述した例は、しかし、三つ以上の作動ポンプ部分を有するポンプに転用されることも可能であるし、異なる種類の作動ポンプ部分を有するポンプにも転用されうる。
【0012】
一つの実施形に従い、真空ポンプは、回転排出式真空ポンプ、特にロータリーベーンポンプである。特に、両方の作動ポンプ部分、又はすべての作動ポンプ部分は回転排出式の原理、又はロータリーベーン式の原理に従う。例えば、作動ポンプ部分は、共通の軸によって駆動されている。これは構造上簡単かつ、よって安価な解決策である。
【0013】
別の実施形に従い、制御装置は、予め与えられた切替ガス圧力、及び/又は予め与えることが可能である切替ガス圧力が達成される際に、切替を行うよう形成されている。これは特に、吸引性能が、各時点に対して存在する作動圧力に依存しており、よって吸引性能は正確に選択されることが可能なので、有利である。
【0014】
切替ガス圧力は、例えば真空ポンプのインレットにおいて存在するガス圧力であることが可能である。これによって、真空ポンプのインレット圧力は、多くの場合、いずれにせよ監視されるということが利用可能であるから、追加的な圧力検出装置が必要でない。
【0015】
切替ガス圧力の有利な値は、1hPaより下、及び/又は0.01hPaより上、好ましくは0.10hPaより上である。
【0016】
発展形においては、切替が、真空ポンプの直列接続における、および並列接続における既知の吸引性能推移に応じて、それぞれ真空ポンプのインレットにおけるガス圧に応じて行われるよう、制御装置が形成されている。特に、直列接続と並列接続の間の切替は、吸引性能推移の交点において行われることが可能である。
【0017】
更なる発展形においては、作動ポンプ部分の並列接続でポンプ過程を開始し、そして、真空ポンプの吸引性能が並列接続において、直列接続の真空ポンプの吸引性能よりも低い、又は少なくとも基本的に同じであると、作動ポンプ部分の直列接続へと切り替えるよう制御装置が形成されている。これによって、それぞれ有利な吸引性能が調整されることが可能である。
【0018】
別の実施形においては、制御装置は、少なくとも一つの切替バルブ、特にマグネットバルブを有する。そのような切替バルブは、簡単かつ信頼できる制御、又は切替を可能とする。例えば三方向弁、特に24Vの作動電圧のものが意図され得る。
【0019】
切替バルブが、例えば少なくとも二つの切替状態を有し、これらのうち一方に直列接続が、そして他方に並列接続が割り当てられている。
【0020】
別の実施形においては、切替バルブが、少なくとも一つの第三の切替状態を有し、この状態において、作動ポンプ部分が真空ポンプのインレットから分離されている。これによって、真空ポンプのアウトレットと作動ポンプ部分が、確実にインレットから分離されることが可能である。よって、特にインレットバルブ、又は安全バルブの機能が、切替バルブによって担わわれることが可能である。真空ポンプは、つまり特に、追加的なインレットバルブ、又は安全バルブを有さない。これによって、コスト削減が可能なだけでなく、インレットバルブにおいてしばしば発生するデメリット、つまり、インレットバルブの差圧において、低い差圧が、しばしばインレットの不十分な閉鎖に通じるというデメリットが回避されることが可能である。切替バルブは、これと反対に、任意の差圧でインレットを効率的に閉鎖する。
【0021】
高い作動安全性は、例えば、切替バルブが第三の切替状態において流れ無しであるとき、又は切替バルブが、電流のない状態において自動的に第三の切替状態を取り、および保持すするよう形成されている。これによって、電流故障の場合にプロセスガスが容器内へと逆流すること、そして特にそれによって生ずるポンプ軸の逆回転が回避される。
【0022】
切替バルブは、例えば5/3方向弁として形成されていることが可能である。これは、構造上簡単な態様を可能とする。
【0023】
別の実施形においては、少なくとも一つ、特に両方、またはすべての作動ポンプ部分のための駆動部は、1つの直流モーターを有する。この直流モーターは、切替バルブと電気的に直列に接続されている。これによって、簡単な方法で当該モーターが、切替バルブとシンクロ(同期)して制御されることが可能である。特に、ここで、切替バルブを切り替えるための電流のない状態は、安全状態、又は第三の切替状態へと通じることが可能である。
【0024】
別の実施形においては、制御装置が、少なくとも一つの別のバルブを有し、これが直列接続の実現のため、第一の作動ポンプ部分を真空ポンプのアウトレットから分離している。
【0025】
本発明の課題は、請求項15に記載の方法によっても解決され、特に、ポンプ過程の間に、作動ポンプ部分の直列接続と並列接続が切り替えられることによって解決される。
【0026】
本発明に係る方法は、例えば、ここに記載した真空ポンプの実施形の意味において発展可能であり、そして逆に、発明に係る真空ポンプは、ここに記載した方法の実施形の意味において発展可能である。
【0027】
本発明の別の実施形は、従属請求項、明細書、および図面に見て取ることができる。
【0028】
本発明を以下に単に例示的にのみ、簡略化した図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】先行技術における回転排出式真空ポンプの側面図
図2図1の真空ポンプの図1の線A−Aに沿った断面図
図3】発明に係る真空ポンプのための、それぞれ作動ポンプ部分の直列接続、および並列接続に対するインレット圧力に応じた吸引性能を記載した図
図4】二つの作動ポンプ部分の直列作動と並列作動の間の切替のための5/3方向弁の回路図
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1には、ロータリーベーン真空ポンプとして形成され、そして以下に真空ポンプ10と称される、先行技術に係る回転排出式真空ポンプが表わされている。真空ポンプ10は、作動媒体をインレット28において吸引し、そしてこれをアウトレット30に搬送する。アウトレットは、例えば大気に対して開放されている。
【0031】
図2は、図1の線A−Aに沿った真空ポンプ10の断面図を示す。その際、断面は、真空ポンプ10のローター12の回転軸に沿って平行に延びている。真空ポンプ10は、安全弁20を有する。これは、ポンプが故障した際の作動媒体の逆流を防止する。安全弁20は、圧力予制御によって予制御されている。
【0032】
真空ポンプ10は、更に、真空ポンプ10のローター12の作動のためのモーター26を有している。モーター26とローター12の間にはカップリング27が設けられている。これは、特にマグネットカップリングとして形成されていることが可能である。
【0033】
ローター12には、二つの作動ポンプ部分と、一つの制御ポンプ部分が形成されている。第一の作動ポンプ部分は、スライダー14および搬送空間15によって定義される。第二の作動ポンプ部分は、スライダー16および搬送空間17によって定義される。制御ポンプ部分内においてローターはスライダー18を有する。これは、搬送空間19を回転させ、圧力予制御のための制御フルードを搬送する。示された真空ポンプ10は、つまり第一の作動ポンプ部分内において、第二の作動ポンプ部分内において、および制御ポンプ部分内において、それぞれロータリーベーンポンプの原理に従い作動する。各ポンプ部分内には、複数のスライダー14又は18が設けられることも可能である。
【0034】
ローター12は、制御部分18、19が、収容部分24内に収容され、そして支持され、そしてその中で回転可能に支承されている。収容部分24は、外側面32でシリンダー状の基本形状を形成する。この基本形状は、ローター12の回転軸に対して円錐形に形成されている。
【0035】
図3に示されたグラフ内では、横座標は、対数目盛で本発明に係る真空ポンプのインレット圧力を示す。縦座標は、簡単なメモリでポンプの吸引性能を示す。グラフは、インレット圧力に応じた、二つの吸引性能推移を示す。つまり第一の吸引性能推移SPと、第二の吸引性能推移SRである。第一の吸引性能推移は、作動ポンプ部分が並列接続された場合の吸引性能推移を表し、第二の吸引性能推移は、作動ポンプ部分が直列接続された場合の吸引性能推移を表す。
【0036】
図3は、吸引性能が、高いインレット圧力において、つまり特に大気圧から出発する吸引過程の初期においては、直列運転においてよりも並列運転において明らかに高いということを印象的に示す。しかし並列運転においては、明らかにより高い最終圧力のみが達成される。
【0037】
ここに表わされた例においては、インレット圧力が約0.15hPAの場合に吸引性能推移が交差する。交点と推移自体は、しかし、各作動ポンプ部分の構造的な形態と、それらのお互いのサイズ比率に依存している。その際、作動ポンプ部分のサイズ差が小さいほど、吸引性能の向上は大きいことは事実である。
【0038】
交点は、有利には、真空ポンプの制御装置の、並列運転と直列運転の間の切り替えポイントとして援用されることが可能である。特に、交点に相応する切替ガス圧力が、検出され、そして制御の基礎とされる。
【0039】
吸引過程の説明のため、図3のグラフが右から左に向かって読まれる。有利な吸引過程は、特に大気圧から出発して、並列運転で開始され、そしてそこでSPに従う高い吸引性能が迅速な真空引きのために使用されるよう推移する。しかし吸引性能が、並列運転において直列運転において可能であるよりも下に落ちると、直列運転へと切り替えられ、その結果、低い圧力領域において、SRに相当するより高い吸引性能が使用され、そしてより低い最終圧力が達成されることが可能である。
【0040】
図4には、切替バルブ40が示されている。これは、5/3方向弁として形成されており、そして発明に係る真空ポンプを制御する。切替バルブ40は、切替箇所(a)、(b)および(c)を有する。これらの中で二つの作動ポンプ部分42および44は異なる方式で接続されている。切替バルブ40は、所望の切り替え状態の選択の目的で、マグネットバルブとして形成されており、その際、相応する磁石装置は、しかし詳細には表わされていない。
【0041】
更に、流体チャネルの列が表わされている。これらは、真空ポンプのインレット28を切替バルブ40および作動ポンプ部分42,44を介して真空ポンプのアウトレット30と接続する。更に切替バルブ46が設けられている。これは、選択的に遮断可能である。
【0042】
切替状態(a)においては、切替バルブ40の全ての接続部が互いに分離されている。この状態においては、結果、流体はインレット28からアウトレット30へ、およびその逆へと流れることができない。この切替状態は、特に上述した第三の切り替え状態に相応する。これは特に切替バルブ40の電流のない状態において行われることが可能である。
【0043】
切替バルブ40の切替状態(b)においては、作動ポンプ部分は並列に接続されている。その際、切替バルブ46は、開かれている。この状態においては、つまり高いインレット圧力のために高い吸引性能が実現されることが可能である。
【0044】
切替状態(c)においては、作動ポンプ部分42および44は、これと反対に直列に接続されている。このため切替バルブ46が閉じられ、このことは、横線で示されている。この切替状態は、好ましくは低いインレット圧力において選択される。特に低い最終圧力を達成することができるようにである。
【0045】
切替バルブ40は、つまり一方では性能向上のため直列運転と並列運転の間の切り替えを、そして同時に他方では、安全弁としての機能を実施する。構造的に簡単な構成であるにもかかわらず、つまり多様な、ここに記載したようねメリットが達成されることが可能である。図1および2の真空ポンプ10の発展のため、本発明が引き合いに出される場合、特に切替バルブの安全機能によって安全弁20と、安全弁20の圧力制御のための制御ポンプ部分18、19が省略されることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
10 真空ポンプ
12 ローター
14 第一の作動ポンプ部分のスライダー
15 第一の作動ポンプ部分の搬送空間
16 第二の作動ポンプ部分のスライダー
17 第二の作動ポンプ部分の搬送空間
18 制御ポンプ部分のスライダー
19 制御ポンプ部分の搬送空間
20 安全弁
24 収容部分
26 モーター
27 カップリング
28 インレット
30 アウトレット
32 外側面
40 切替バルブ
42 作動ポンプ部分
44 作動ポンプ部分
46 切替バルブ
SP 並列運転における吸引性能推移
SR 直列運転における吸引性能推移
図1
図2
図3
図4