(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制限酵素認識配列は、Pho I、PspGI、BstNI、TfiI、ApeKI、TspMI、BstBI、BstEII、BstNI、BstUI、BssKI、BstYI、TaqI、MwoI、TseI、Tsp45I、Tsp509I、TspRI、Tth111I、Nb.BsmI、Nb.BsrDI、Nt.BspQI、Nt.BstNBI制限酵素及びNick制限酵素からなる群から選択された制限酵素に対する認識配列であることを特徴とする、請求項1に記載のプライマー。
前記切断される部位に挿入される変形されたdNTPは、ホスホロチオエート化された(Phosphorothioated)dNTP、7−デアザプリン(Deazapurine)を含有したdNTP、またはDNA鋳型中の2’−O−メチルヌクレオチド(methyl nucleotide;2’−OMeN)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプライマー。
前記プライマーは、配列番号1、3、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、74、76、78、80、82、84、86、115、117、119、121、123、125、127、129、131、151、153、155、156、159、161、163、164、166、168、170、204、205、207、218、220及び222からなる群から選択された1つ以上のプライマーである、請求項1に記載のプライマー。
前記質量の分析に使用される機器は、MALDI−TOF質量分析器(MALDI−TOF MS、matrix−assisted laser desorption−ionization−time−of−flight mass spectrometer)、液体クロマトグラフィー質量分析器(Liquid Chromatography Mass Spectrometry)、または高性能液体クロマトグラフィー質量分析器(High Performance Liquid Chromatography Mass Spectrometry)であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
質量の分析に使用される切断された相補的なタグ切片の質量を保存するために、重合酵素の特性である3’末端のアデニン追加伸長機能が抑制されているDNA重合酵素を使用することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
前記方法は、前記切断された相補的なタグ切片の同定方法として、蛍光及びクエンチャー(Quencher)が標識されており、切断された相補的なタグ切片の相補的配列を有するオリゴヌクレオチドを用いて蛍光シグナルを分析することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
前記方法は、オリゴヌクレオチドと切断された相補的なタグ切片の二本鎖が一本鎖に解離される固有の解離温度を多様化して解離温度及び溶融ピークを分析し、切断された相補的なタグ切片を同定して標的配列の存在を確認することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
前記方法は、2つ以上のターゲットを検出する場合、異なる解離温度を有するようにして、溶融ピークの分析によって2種以上のターゲットを同時に分析するようにする、請求項12に記載の方法。
前記方法は、オリゴヌクレオチドから塩基配列が伸長することを防止するために、オリゴヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドをブロッキングすることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
前記方法は、オリゴヌクレオチドから塩基配列が伸長することを防止するために、オリゴヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドにSpacer C3、Phosphate、ddC、Inverted ENDを付着することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
前記方法は、オリゴヌクレオチドから塩基配列が伸長することを防止するために、オリゴヌクレオチドの3’末端のヌクレオチドにクエンチャーを付着することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
前記性媒介疾患の原因体は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、淋菌(Neisseria.gonorrhea)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)、トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginalis)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、ウレアプラズマ・パルバム(Ureaplasma parvum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、ガードネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis)、ヘルペスシンプレックスウイルス1(Herpes simplex virus 1)、ヘルペスシンプレックスウイルス2(Herpes simplex virus 2)、及びトレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)からなる群から選択されたことを特徴とする、請求項18に記載の方法。
前記胃腸管疾患の原因体は、ロタウイルスA(Rotavirus A)、アストロウイルス(Astrovirus)、アデノウイルスF40(Adenovirus F40)、アデノウイルスF41(Adenovirus F41)、ノロウイルスGI(Norovirus GI)、及びノロウイルスGII(Norovirus GII)からなる群から選択されたことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
前記呼吸器疾患の原因体は、インフルエンザA/H1N1(Influenza A/H1N1)、インフルエンザA/H3N2(Influenza A/H3N2)、インフルエンザA/H1N1/2009pdm(Influenza A/H1N1/2009pdm)、インフルエンザB(Influenza B)、パラインフルエンザ1(Parainfluenza 1)、パラインフルエンザ3(Parainfluenza 3)、呼吸器合胞体ウイルスA(Respiratory syncytial virus A)、呼吸器合胞体ウイルスB(Respiratory syncytial virus B)、ヒトメタニューモウイルス(Human metapneumovirus)、及びアデノウイルス(Adenovirus)からなる群から選択されたことを特徴とする、請求項24に記載の方法。
前記単一塩基多型性は、BDNF遺伝子の単一塩基多型性であるrs6265の突然変異型であるA/A、野生型であるG/G、または異型接合体であるA/Gの遺伝子型を分析することができる、請求項26に記載の方法。
前記性媒介疾患は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、淋菌(Neisseria.gonorrhea)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)、マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)、トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginalis)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum)、ウレアプラズマ・パルバム(Ureaplasma parvum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、ガードネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis)、ヘルペスシンプレックスウイルス1(Herpes simplex virus 1)、ヘルペスシンプレックスウイルス2(Herpes simplex virus 2)、及びトレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum)からなる群から選択された菌によって誘発されることを特徴とする、請求項29に記載の組成物。
前記胃腸管疾患は、ロタウイルスA(Rotavirus A)、アストロウイルス(Astrovirus)、アデノウイルスF40(Adenovirus F40)、アデノウイルスF41(Adenovirus F41)、ノロウイルスGI(Norovirus GI)、及びノロウイルスGII(Norovirus GII)からなる群から選択された菌によって誘発されることを特徴とする、請求項31に記載の組成物。
前記呼吸器疾患は、インフルエンザA/H1N1(Influenza A/H1N1)、インフルエンザA/H3N2(Influenza A/H3N2)、インフルエンザA/H1N1/2009pdm(Influenza A/H1N1/2009pdm)、インフルエンザB(Influenza B)、パラインフルエンザ1(Parainfluenza 1)、パラインフルエンザ3(Parainfluenza 3)、呼吸器合胞体ウイルスA(Respiratory syncytial virus A)、呼吸器合胞体ウイルスB(Respiratory syncytial virus B)、ヒトメタニューモウイルス(Human metapneumovirus)、及びアデノウイルス(Adenovirus)からなる群から選択された菌によって誘発されることを特徴とする、請求項35に記載の組成物。
前記単一塩基変異は、BDNF遺伝子の単一塩基多型性であるrs6265の突然変異型A/A、野生型G/G、または異型接合体A/Gの遺伝子型を分析することができる、請求項37に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は、単に本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0062】
実施例1.デュアルターゲットPCRでのCCTFの形成及びMALDI分析
多重標的配列の検出のためのPCR反応中に形成されたCCTFを、MALDI−TOF MSを用いて質量分析して標的特異的に検出が可能であることを証明するために、本実験を行った。本実施例1では、性媒介疾患の原因体である淋菌(Neisseria.gonorrhoeae、NG)及びマイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma.hominis、MH)のDNAを対象として行った。
【0063】
1.標的鋳型DNA及び配列特異的に作製されたプライマー
本実施例において標的とするNG及びMHの順方向プライマーはCTPOであって、発明の詳細な説明に記述された方法に基づいて作製された。順方向プライマーの5’末端は、CCTFの鋳型として使用できるように、NG及びMHのDNAと非相補的な配列で構成された任意の塩基配列であり、すぐに連続して制限酵素認識配列が位置するようにした。制限酵素認識配列の後から3’末端までは、NG及びMHのDNAの標的部位と相補的な配列で構成されているので、プライマーとしての役割を果たす。また、順方向プライマーの5’末端はそれぞれ異なる個数のヌクレオチドで構成して、生成されるCCTF毎に異なる質量値を有するようにした。これは、CCTFが形成されたときに質量で増幅物を区分できるように設計するためである。逆方向プライマーは、NG及びMHのDNAの標的部位と相補的な配列で構成されている。
【0064】
プライマー情報、及び増幅されて生成される標的配列情報は、次の通りである。
【0065】
プライマー1:5’−TGAACTAT*CCTGGTCCGACGTTTCGGTTGTGTTGAAACACCGCCCGG−3’(配列番号1)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、TGAACTAT*CCTGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0066】
プライマー2:5’−GCTCCTTATTCGGTTTGACCGG−3’(配列番号2)
【0067】
プライマー3:5’−ATCTATGATA*CCTGGTTTAGCTCCTATTGCCAACGTATTGG−3’(配列番号3)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、ATCTATGATA*CCTGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0068】
プライマー4:5’−TGTGTGGAGCATCTTGTAATCTTTGGTC−3’(配列番号4)
【0069】
増幅物1:GenBank:CP012028.1/Position(start−end):251416−251506
【0070】
5’TGAACTAT*CCTGGTCCGACGTTTCGGTTGTGTTGAAACACCGCCCGGAACCCGATATAATCCGCCCTTCAACATCAGTGAAAATCTTTTTTTTAACCGGTCAAACCGAATAAGGAGC−3’(配列番号5)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、TGAACTAT*CCTGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0071】
増幅物2:GenBank:AJ243692.1/Position(start−end):835−944
【0072】
5’ATCTATGATA*CCTGGTTTAGCTCCTATTGCCAACGTATTGGAAAAAAACTTTGGTATTGAAAAAGGATT
【0073】
TATGACAACAGTCCACTCATATACAGCAGACCAAAGATT
ACAAGATGCTCCACACA−3’(配列番号6)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、ATCTATGATA*CCTGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0074】
本発明の実施例において、*で表示された部分は、PspGI制限酵素が切断する部位をブロッキング(blocking)するために認識配列中のCにmodified dCTPが挿入されたという標識である。
【0075】
増幅物から生成されるCCTFの配列及び質量は、次の通りである。
【0076】
CCTF 1:5’−CCAGGATAGTTCA−3’/4038.6Da(配列番号7)
【0077】
CCTF 2:5’−CCAGGTATCATAGAT−3’/4351.8Da(配列番号8)
【0078】
2.PCR増幅
順方向プライマーとしてプライマー1、プライマー3を、逆方向プライマーとしてプライマー2、プライマー4を投入して、同時にPCR反応を行い、CCTFが形成されたか否かを把握した。それぞれのプライマーを3μM、PspGI(NEB、USA)2U、PCRバッファ(PCR buffer、1x)、MgSO4 3mM、dNTP 400μM、Ventポリメラーゼ(Vent Polymerase)(NEB、USA)1U、及びNG、MH鋳型DNA 100pg/ulが含まれた総反応液20μlを、次の条件でC1000 PCR(Bio−Rad、USA)を用いてPCR反応を行った。
【0079】
94℃ 10分、
94℃ 30秒、62℃ 30秒、72℃ 30秒(35サイクル)、
85℃ 2.5時間
【0080】
3.PCR反応中に切断された切片の精製及び脱塩
PCR反応中に制限酵素で処理されて切断されたDNA切片を、前記溶液から分離するために、Oasis(Waters)C18イオン交換樹脂カラム(C18 reverse phase column chromatography)を用いた。前記制限酵素で処理した溶液に0.15Mトリエチルアンモニウムアセテート(TEAA、pH7.6)70μlを入れて1分間放置する。カラムに100%アセトニトリル(ACN;Sigma、USA)と0.1M TEAA 1mlを通過させてレジン(Resin)を活性化させた後、前記制限酵素で処理した溶液と0.15M TEAAとの混合液100μl、0.1M TEAA 2ml及び3次蒸留水1mlを順に完全に通過させる。収集プレート(Collection Plate)上に前記カラムを位置させ、70%ACN 100μlを入れて通過させる。溶出液が収集プレートに集められると、前記収集プレートを120℃で60分間乾燥させる。
【0081】
4.MALDI−TOF MS分析
MALDIマトリックス(MALDI matrix)[22.8mgのクエン酸アンモニウム、148.5mgのヒドロキシピコリン酸(hydroxypicolinic acid)、1.12mlのアセトニトリル、7.8mlのH2O]4μlを、MALDI−TOF質量分析器(Biflex IV、Bruker)のアンカーチッププレート(Anchor chip plate)に予め点滴(dotting)した後、37℃で30分間乾燥させる。精製及び脱塩過程を経た収集プレートのサンプルに3次蒸留水を10μl入れて溶解させた後、乾燥されたMALDIマトリックス上に2μlを点滴し、MALDIマトリックスを再び37℃で30分間乾燥させた後、MALDI−TOF質量分析器で分析する。分析方法は、MALDI−TOF質量分析器のマニュアルに従う。
【0082】
前記反応によって生成されたCCTFを質量分析器で分析した結果は、
図2に示される通りである。
図2の結果、プライマー1とプライマー2との組み合わせでPCRを行ったときに形成されるCCTF1の質量である4083Da、及びプライマー3とプライマー4との組み合わせでPCRを行ったときに形成されるCCTF2の質量である4351Daのピークが確認できた(a)。これによって、CTPOによって形成されたCCTFを用いてPCR増幅産物を分析できることを立証し、なお、種々のプライマーが混入している反応物でも、標的配列を正確に増幅及び区分するのにCCTFを活用できることを検証した。
したがって、CCTFの標識化技法を用いてPCRを行い、PCRを行った後、MALDI−TOF MSを活用した質量分析法によって様々な長さの標識切片を識別することで、既存のPCR方式よりも精巧に標的核酸配列の検出が可能であることを証明した。
【0083】
実施例2.多重ターゲットPCRでのCCTFの形成及びCCTFの固有の解離温度のピーク分析
PCR反応中に生成されたCCTFは、固有の解離温度で蛍光シグナルを出し得るSCOと結合して固有の解離温度のピークを形成するようになり、これを、リアルタイム重合酵素連鎖反応(Real−time PCR)機器を用いてPCR過程後に直接観察が可能なようにした。PCR反応中にCCTFが形成されると同時に、反応容器内に共に投入されているSCOのCCTF相補的配列部位とハイブリダイズするようになり、二本鎖を形成するようになる。この二本鎖を一本鎖に解離させるときに示されるSCOの固有の解離温度を測定して、CCTFの種類をリアルタイム重合酵素連鎖反応機器によってPCRと同時に区分及び分析することができる。本実施例において使用したSCOは、それぞれ異なる蛍光レポーターを使用し、固有の解離温度を調節してCCTFの区分が可能なようにした。
【0084】
本実施例では、性媒介疾患の原因体12種、胃腸管疾患の原因体5種、ヒト乳頭腫ウイルス亜型9種、呼吸器疾患の原因体10種、BDNF遺伝子の単一塩基変異rs6265核酸を、リアルタイム重合酵素連鎖反応機器を用いてCCTF分析を行った。
【0085】
1.性媒介疾患の原因体の検出のための多重ターゲットPCRでのCCTFの形成及びCCTFの固有の解離温度のピーク分析
性媒介疾患の原因体であるクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis、CT)、淋菌(Neisseria.gonorrhea、NG)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis、MH)、マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium、MG)、トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginalis、TV)、ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum、UU)、ウレアプラズマ・パルバム(Ureaplasma parvum、UP)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans、CA)、ガードネレラ・バギナリス(Gardnerella vaginalis、GV)、ヘルペスシンプレックスウイルス1(Herpes simplex virus 1、HSV1)、ヘルペスシンプレックスウイルス2(Herpes simplex virus 2、HSV2)、トレポネーマ・パリダム(Treponema pallidum、TP)及び内部対照物質(Internal Control、IC)のDNAのリアルタイム重合酵素連鎖反応機器を用いたCCTF分析を行った。
【0086】
1)標的配列鋳型DNAの配列特異的に作製されたプライマー
本実施例で使用した順方向プライマーはCTPOであって、上述した実施例1と同じ原理で作製された。CTPOの5’末端は、19〜20merのヌクレオチド配列で構成されており、CCTFを形成できるように標的配列のDNAと非相補的な配列で構成される。その後に制限酵素認識配列が位置し、その後から3’末端までは、それぞれの標的部位と相補的な配列で構成されているので、プライマーとしての役割を果たす。逆方向プライマーは、それぞれの増幅しようとする標的部位と相補的な配列で構成されている。
【0087】
また、CCTFと相補的結合を形成して二本鎖の鋳型となるSCOは、3’末端の蛍光相殺分子(BHQ−1又はBHQ−2)を位置させ、蛍光レポーター分子を一定の距離を有するように位置させた。
【0088】
プライマー情報、及び増幅されて生成される標的配列情報は、次の通りである。
【0089】
プライマー5:5’−CCACTCCAGCCGGCTGACA*CCAGGACTTGGTGTGACGCTATCAGCAT−3’(配列番号9)
【0090】
プライマー6:5’−GTTTTCAAAACACGGTCGAAAACAAAGTC−3’(配列番号10)
【0091】
プライマー7:5’−CATCGCCACGAGCCGGTTAA*CCAGGTTGAAACACCGCCCGGAACCC−3’(配列番号11)
【0092】
プライマー8:5’−GCTCCTTATTCGGTTTGACCGGT−3’(配列番号12)
【0093】
プライマー9:5’−ACTCACGCTAATGGAGCGCA*CCAGGTTTAGCTCCTATTGCCAACGTATTGG−3’(配列番号13)
【0094】
プライマー10:5’−TGTGTGGAGCATCTTGTAATCTTTGGTC−3’(配列番号14)
【0095】
プライマー11:5’−GCTACCCAGCCGGCTACAAG*CCAGGCTTTATGGTGCTTATATTGGTGGCATG−3’(配列番号15)
【0096】
プライマー12:5’−CTGTATAACGTTGTGCAGCAGGTC−3’(配列番号16)
【0097】
プライマー13:5’−TGCCGCGTGATTCGATCCCA*CCAGGTATGTCCGGCACAACATGCGCT−3’(配列番号17)
【0098】
プライマー14:5’−GAGCTTACGAAGGTCGGAGTTGA−3’(配列番号18)
【0099】
プライマー15:5’−TCTCATAGCTGGGCCGCTG*CCAGGAAGTAGCATATGATGAAGCACACAACA−3’(配列番号19)
【0100】
プライマー16:5’−TAATGCAACGTGCATTTGCTTCAAC−3’(配列番号20)
【0101】
プライマー17:5’−CAGATCGTTGGCACTCTGCGA*CCAGGTTAAAGTAGCATATGATCAAGCTCATTCA−3’(配列番号21)
【0102】
プライマー18:5’−TTGTAATGATACAACGAGCATCATCATTAAT−3’(配列番号22)
【0103】
プライマー19:5’−GCTCGTATGCCGCTCCATATA*CCAGGCCAAATCTGGATCTTCCTCTGCATC−3’(配列番号23)
【0104】
プライマー20:5’−GAGCTTGAGCTGGACCCAGAG−3’(配列番号24)
【0105】
プライマー21:5’−ACGTGCCGTGCATCGTTGCA*CCAGGCAACCGGCTCCATTTTGGTGGAG−3’(配列番号25)
【0106】
プライマー22:5’−CGTCACGTCCTTCATCGGTCC−3’(配列番号26)
【0107】
プライマー23:5’−TCGCAGTCCCGTCGAGGAA*CCAGGAGGCCTGGCTATCCGGAGAAAC−3’(配列番号27)
【0108】
プライマー24:5’−CGTTGTGTTGGCCGCAGGTC−3’(配列番号28)
【0109】
プライマー25:5’−CTCATAGCTAGGCGCCTG*CCAGGGCTGCACGTGGGTCTGTTGTG−3’(配列番号29)
【0110】
プライマー26:5’−GGAAACGCAGGCCACGAAACC−3’(配列番号30)
【0111】
プライマー27:5’−GCTTCGCGTCTCAGGCCTGT*CCAGGGGGCATTACAGTTTTGCGTCATGAC−3’(配列番号31)
【0112】
プライマー28:5’−CAAGTCTGAGCACTTGCACCG−3’(配列番号32)
【0113】
プライマー29:5’−CTGTTAGCTCTGCGAGCT*CCAGGGGAGCGACACTTGTTGGTGTTGAC−3’(配列番号33)
【0114】
プライマー30:5’−TGATGAAATGAAGCCACCCGTGC−3’(配列番号34)
【0115】
SCO1:TCGGAGCCAGCGCGGCGTAAAC[T(FAM)]CCACTCCAGCCGGCTGACA[BHQ1](配列番号35)
【0116】
SCO2:TACAACAGCAGTACGGAGACGAC[T(HEX)]CATCGCCACGAGCCGGTTAA[BHQ1](配列番号36)
【0117】
SCO3:ATTTATTCTTACTCGATGTTAAA[T(HEX)]ACTCACGCTAATGGAGCGCA[BHQ1](配列番号37)
【0118】
SCO4:TATATATATATATTATTATAAA[T(CalRed610)]GCTACCCAGCCGGCTACAAG[BHQ2](配列番号38)
【0119】
SCO5:AAGAATAACTACTACAATCTACT[T(Quasar670)]TGCCGCGTGATTCGATCCCA[BHQ2](配列番号39)
【0120】
SCO6:TTATTATTATTATTATTATATA[T(CalRed610)]TCTCATAGCTGGGCCGCTG[BHQ2](配列番号40)
【0121】
SCO7:AATCTTCAATGCTTACCGTA[T(FAM)]CAGATCGTTGGCACTCTGCGA[BHQ1](配列番号41)
【0122】
SCO8:AAAATAAATAATATAATATA[T(FAM)]GCTCGTATGCCGCTCCATATA[BHQ1](配列番号42)
【0123】
SCO9:TCGGAGCCAGCGCGGCGTAACG[T(Quasar670)]ACGTGCCGTGCATCGTTGCA[BHQ2](配列番号43)
【0124】
SCO10:AAGAATAACTACTACAATCTAC[T(Quasar705)]TTCGCAGTCCCGTCGAGGAA[BHQ2](配列番号44)
【0125】
SCO11:TCGGAGCCAGCGCGGCGTAA[T(Quasar705)]CTCTCATAGCTAGGCGCCTG[BHQ2](配列番号45)
【0126】
SCO12:AAAATAAATAATATAATATAG[T(Quasar705)]CTTCGCGTCTCAGGCCTGT[BHQ2](配列番号46)
【0127】
SCO13:AAAATAAATAATATAATATA[T(Quasar670)]TCTGTTAGCTCTGCGAGCT[BHQ2](配列番号47)
【0128】
増幅物3:GenBank:X52557.1/Position(start−end):157−227
【0129】
CCACTCCAGCCGGCTGACA*CCAGGACTTGGTGTGACGCTATCAGCATGCGTATGGGTTACTATGGTGACTTTGTTTTCGACCGTGTTTTGAAAAC(配列番号48)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CCACTCCAGCCGGCTGACAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0130】
増幅物4:GenBank:X52364.1/Position(start−end):375−459
【0131】
CGCCCACCGCATCCCGCGCCCCTCCCTCAGCA*CCAGGTTGAAACACCGCCCGGAACCCGATATAATCCGCCCTTCAACATCAGTGAAAATCTTTTTTTAACCGGTCAAACCGAATAAGGAGC(配列番号49)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CGCCCACCGCATCCCGCGCCCCTCCCTCAGCAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0132】
増幅物5:GenBank:AJ243692.1/Position(start−end):835−944
【0133】
ACTCACGCTAATGGAGCGCA*CCAGGTTTAGCTCCTATTGCCAACGTATTGGAAAAAAACTTTGGTATTGAAAAAGGATTTATGACAACAGTCCACTCATATACAGCAGACCAAAGATTACAAGATGCTCCACACA(配列番号50)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、ACTCACGCTAATGGAGCGCAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0134】
増幅物6:GenBank:U09251.1/Position(start−end):3462−3687
【0135】
GCTACCCAGCCGGCTACAAG*CCAGGCTTTATGGTGCTTATATTGGTGGCATGCACCATGATCGTCCTTTTAAAAAGTCTGCGAGGATTGTTGGTGATGTAATGAGTAAATTCCACCCTCATGGTGATATGGCAATATATGACACCATGTCAAGAATGGCTCAAGACTTTTCATTAAGATACCTTTTAATTGATGGTCATGGTAATTTTGGTTCTATAGATGGTGATAGACCTGCTGCACAACGTTATACAG(配列番号51)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCTACCCAGCCGGCTACAAGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0136】
増幅物7:GenBank:XM_001582993.1/Position(start−end):705−768
【0137】
TGCCGCGTGATTCGATCCCA*CCAGGTATGTCCGGCACAACATGCGCTTATGTCCGGCACAACATGCGCTCTCCGCTTCCCAGGTCAGCTCAACTCCGACCTTCGTAAGCTC(配列番号52)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、TGCCGCGTGATTCGATCCCAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0138】
増幅物8:GenBank:AF085700.2/Position(start−end):4673−4873
【0139】
TCTCATAGCTGGGCCGCTG*CCAGGAAGTAGCATATGATGAAGCACACAACAAAATGGCGCATACTGTGTATTTCACTAATTTCTATCGTTCATCAAAACCACTATTTTTAGATGAAGAAGACCCAATTAATCCCTGTTTTCAAACTATTAGTATGGGTGGGGGTTATGTATCTGGTGAAGTGTATCGTTCTGATTTTGAAGTTGAAGCAAATGCACGTTGCATTA(配列番号53)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、TCTCATAGCTGGGCCGCTGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0140】
増幅物9:GenBank:AF085733.2/Position(start−end):4677−4886
【0141】
CAGATCGTTGGCACTCTGCGA*CCAGGTTAAAGTAGCATATGATCAAGCTCATTCAAAAATGGCACATACTGTCTATTTTACGAATTTTTATCGTTCATCTAAACCTTTATTTTTAGATGAAGAAGATCCAATCAACCCCTGTTTTCAAACAATTAGTATGGGTGGTGGATATGTTTCAGGTGAAATTTATCGTTCTGATTTTGAAATTAATGATGATGCTCGTTGTATCATTACAA(配列番号54)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CAGATCGTTGGCACTCTGCGAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0142】
増幅物10:GenBank:M90812.1/Position(start−end):1736−1811
【0143】
GCTCGTATGCCGCTCCATATA*CCAGGCCAAATCTGGATCTTCCTCTGCATCTGCTTCTGGATCATCAAGCAGCAGCACCAGCTCTGGGTCCAGCTCAAGCTC(配列番号55)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCTCGTATGCCGCTCCATATAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0144】
増幅物11:GenBank:L08167.1/Position(start−end):273−434
【0145】
ACGTGCCGTGCATCGTTGCA*CCAGGCAACCGGCTCCATTTTGGTGGAGTCGCTTGATCGTTTTGTGATCGTTTAGTGTGATGATTTATTATGTCTAGAGAGTTAAGCGATAGGCTTTTACTGGTGTATCACTGTAAGGGCGTATTGGTTGGATGCCTTGGTAGACAGGACCGATGAAGGACGTGACG(配列番号56)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、ACGTGCCGTGCATCGTTGCAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0146】
増幅物12:DQ889502.1/Position(start−end):123860−124007
【0147】
TCGCAGTCCCGTCGAGGAA*CCAGGAGGCCTGGCTATCCGGAGAAACAGCACACGACTTGGCGTTCTGTGTGTCGCGATGTCTCTGCGCGCAGTCTGGCATCTGGGGCTTTTGGGAAGCCTCGTGGGGGCTGTTCTTGCCGCCACCCATCGGGGACCTGCGGCCAACACAACG(配列番号57)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、TCGCAGTCCCGTCGAGGAAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0148】
増幅物13:GenBank:EU018100.1/Position(start−end):561−746
【0149】
CTCATAGCTAGGCGCCTG*CCAGGGCTGCACGTGGGTCTGTTGTGGGTAGAGGTGGGCGGGGAGGGCCCCGGCCCCACCGCCCCCCCCACAGGCGGCGCGTGCGGAGGGCGGCCCGTGCGTCCCCCCGGTCCCCGCGGGCCGCCCGTGGCGCTCGGTGCCCCCGGTATGGTATTCCGCCCCCAACCCCGGGTTTCGTGGCCTGCGTTTCC(配列番号58)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTCATAGCTAGGCGCCTGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0150】
増幅物14:GenBank:U57757.1/Position(start−end):910−1067
【0151】
GCTTCGCGTCTCAGGCCTGT*CCAGGGGGCATTACAGTTTTGCGTCATGACGGCTTTGAAGCTGACGACCTCATTGCAACCCTAGCAAAACGAGTTGCGGCTGAGCACTGTCATGTTGTGATTATCTCCTCAGATAAAGATGTACTTCAGCTTGTGTGTGATACGGTGCAAGTGCTCAGACTTG(配列番号59)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCTTCGCGTCTCAGGCCTGTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0152】
増幅物15:GenBank:NM_001035551.2/Position(start−end):214−369
【0153】
CTGTTAGCTCTGCGAGCT*CCAGGGGAGCGACACTTGTTGGTGTTGACAAGTTCGGTAACAAATACTACCAGAAGCTAGGCGATACTCAATACGGTATGCACAGATGGGTAGAGTATGCTTCAAAGGATCGTTACAACGCATCTCAAGTACCAGCTGAATGGCACGGGTGGCTTCATTTCATCA(配列番号60)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTGTTAGCTCTGCGAGCTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0154】
*で表示された部分は、PspGI制限酵素が切断する部位をブロッキングするために認識配列中のCにmodified dCTPが挿入されたという標識である。SCOにおける括弧は、蛍光相殺分子と蛍光レポーターが位置した塩基配列の位置を意味する。増幅物から生成されるCCTFの配列は、次の通りである。
【0155】
CCTF3:5’−CCTGGTGTCAGCCGGCTGGAGTGG−3’(配列番号61)
【0156】
CCTF4:5’−CCTGGTTAACCGGCTCGTGGCGATG−3’(配列番号62)
【0157】
CCTF5:5’−CCTGGTGCGCTCCATTAGCGTGAGT−3’(配列番号63)
【0158】
CCTF6:5’−CCTGGCTTGTAGCCGGCTGGGTAGC−3’(配列番号64)
【0159】
CCTF7:5’−CCTGGTGGGATCGAATCACGCGGCA−3’(配列番号65)
【0160】
CCTF8:5’−CCTGGCAGCGGCCCAGCTATGAGA−3’(配列番号66)
【0161】
CCTF9:5’−CCTGGTCGCAGAGTGCCAACGATCTG−3’(配列番号67)
【0162】
CCTF10:5’−CCTGGTATATGGAGCGGCATACGAGC−3’(配列番号68)
【0163】
CCTF11:5’−CCTGGTGCAACGATGCACGGCACGT−3’(配列番号69)
【0164】
CCTF12:5’−CCTGGTTCCTCGACGGGACTGCGA−3’(配列番号70)
【0165】
CCTF13:5’−CCTGGCAGGCGCCTAGCTATGAG−3’(配列番号71)
【0166】
CCTF14:5’−CCTGGACAGGCCTGAGACGCGAAGC−3’(配列番号72)
【0167】
CCTF15:5’−CCTGGAGCTCGCAGAGCTAACAG−3’(配列番号73)
【0168】
2)PCR増幅及びSCOの固有の解離温度の測定
【0169】
それぞれプライマー5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30とSCO1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13にそれぞれ0.15μM、PspGI(NEB、USA)5U、PCRバッファ(PCR buffer、1x)、MgCl2 2.5mM、dNTP 200μM、h−Taq DNA polymerase(Solgent、Korea)1.6U、及びCT、NG、MH、MG、TV、UU、UP、CA、GV、HSV1、HSV2、TP及びICのgenomic DNA 100pg/rxnのtemplate DNAを添加して総反応液20μlでCFX96リアルタイム重合酵素連鎖反応(Bio−Rad、USA)を用いて、次のPCR反応を行った。
【0171】
95℃ 30秒、63℃ 1分(50サイクル)、
【0172】
変性温度95℃で15分間1回行い、変性温度95℃で30秒、アニーリング温度63℃で1分のサイクルを50回繰り返して行った。反応後、同一機器内で反応混合物を50℃に冷却し、50℃で30秒間維持した後、50℃から95℃にゆっくり加熱することによって、固有解離温度分析曲線を得た。データの分析はBio−Rad CFX Manager 1.6を用いた。
【0173】
図3の(a)は、CT、NG、MH、MG、TV、UU、UP、CA、GV、HSV1、HSV2、TP、ICの原因菌別の多重固有解離温度測定結果であって、それぞれのSCOが有する固有の解離温度(CT:FAM 80℃、NG:HEX 76.5℃、MH:HEX 68℃、MG:CalRed610 67.5℃、TV:Quasar670 71.5℃、UU:CalRed610 77℃、UP:FAM 77℃、CA:FAM 65℃、GV:Quasar670 78.5℃、HSV1:Quasar705 73.5℃、HSV2:Quasar705 79℃、TP:Quasar705 66℃、IC:Quasar670 63.5℃)でピークが観察され(a)(b)(c)(d)(e)(f)、同じ組成において標的配列が投入されなかった場合には、CCTFを可視化するSCOのピークが観察されなかった(g)。
【0174】
したがって、CCTFの標識化技法を用いてPCRを行うと同時に、SCOの蛍光をリアルタイム重合酵素連鎖反応機器を活用して分析することによって、既存のPCR方式よりも迅速かつ簡単に標的核酸配列の検出が可能であることを証明した。
【0175】
2.胃腸管疾患の原因体の検出のための多重ターゲットPCRでのCCTFの形成及びCCTFの固有の解離温度のピーク分析
【0176】
胃腸管疾患の原因体であるロタウイルスA(Rotavirus A、RVA)、アストロウイルス(Astrovirus、AstV)、アデノウイルスF40(Adenovirus F40、AdV 40)、アデノウイルスF41(Adenovirus F41、AdV 41)、ノロウイルスGI(Norovirus GI、NoV GI)、ノロウイルスGII(Norovirus GII、NoV GII)及び外部対照物質(External control、EC)のDNAのリアルタイム重合酵素連鎖反応機器を用いたCCTF分析を行った。
【0177】
1)標的配列鋳型DNAの配列特異的に作製されたプライマー
【0178】
本実施例で使用した順方向プライマーはCTPOであって、上述した実施例1と同じ原理で作製された。CTPOの5’末端は、19〜20merのヌクレオチド配列で構成されており、CCTFを形成できるように標的配列のDNAと非相補的な配列で構成される。その後に制限酵素認識配列が位置し、その後から3’末端までは、それぞれの標的部位と相補的な配列で構成されているので、プライマーとしての役割を果たす。逆方向プライマーは、それぞれの増幅しようとする標的部位と相補的な配列で構成されている。
【0179】
また、CCTFと相補的結合を形成して二本鎖の鋳型となるSCOは、3’末端の蛍光相殺分子(BHQ−1又はBHQ−2)を位置させ、蛍光レポーター分子を一定の距離を有するように位置させた。
【0180】
プライマー情報、及び増幅されて生成される標的配列情報は、次の通りである。
【0181】
プライマー31:5’−GCAGGAGCCTCTCATCTCG*CCAGGCTCATTTATAGACARCTTCTCACTAATTC−3’(配列番号74)
【0182】
プライマー32:5’−AGTTTTTTCTGATCCAATYTGYTCTATTTC−3’(配列番号75)
【0183】
プライマー33:5’−TCAGACGGTTCGAGGCTCC*CCAGGARGATYAAGCGTGGAGTATAYATGG−3’(配列番号76)
【0184】
プライマー34:5’−TTTGCGTGCYTCTTCACACGC−3’(配列番号77)
【0185】
プライマー35:5’−AACGCGAATCGACCGGAT*CCAGGCGCGATGTGTTTGCCGATAAAAC−3’(配列番号78)
【0186】
プライマー37:5’−CATTGCGTCTGCCCCACTTG−3’(配列番号79)
【0187】
プライマー38:5’−AACGCGAATCGACCGGAT*CCAGGAAACAAGAACACCTATGCCTACATGAAC−3’(配列番号80)
【0188】
プライマー39:5’−ATGTTAACGTCCTTCCTGAAGTTCCAC−3(配列番号81)
【0189】
プライマー40:5’−TAGATCGGACTGCGAATCG*CCAGGGAGATCGCRATCTYCTGCCCGA−3(配列番号82)
【0190】
プライマー41:5’−RGCGTCCTTAGACGCCATCATC−3(配列番号83)
【0191】
プライマー42:5’−ATCTACAGCGTCGCATCACG*CCAGGCGCAATCTGGCTCCCARTTTTGTG−3(配列番号84)
【0192】
プライマー43:5’−GCGTCAYTCGACGCCATCYTCA−3(配列番号85)
【0193】
プライマー44:5’−CATAGGTCGAGGTCCTCAC*CCAGGGCAAACTCCGGCATCTACTAATAGACG−3(配列番号86)
【0194】
プライマー45:5’−AAGCGGTGATCCGCACAGTG−3(配列番号87)
【0195】
SCO14:TCGGCCGATCGTCCATAGAGTCAAGC[T(HEX)]CGCAGGAGCCTCTCATC TCG[BHQ1](配列番号88)
【0196】
SCO15:TCACGATGAGCGAGTTGAGCTACG[T(Calred610]ATCAGACGGTTCGAGGCTCC[BHQ2](配列番号89)
【0197】
SCO16:TGTTCAATATATAATGATAATATG[T(Calred610)]AACGCGAATCGACCGG AT[BHQ2](配列番号90)
【0198】
SCO17:TGTTCAATATATAATGATAATATG[T(Calred610)]AACGCGAATCGACCGG AT[BHQ2](配列番号91)
【0199】
SCO18:ACATTTATAATACAGTATTTTA[T(FAM)]TAGATCGGACTGCGAATCG[BHQ1](配列番号92)
【0200】
SCO19:AGCTCCTGCCAGTACTGCCATCCA[T(FAM)]ATCTACAGCGTCGCATCACG[BHQ1](配列番号93)
【0201】
SCO20:TAGTTATAATGAATAACTATTAT[T(HEX)]CATAGGTCGAGGTCCTCAC[BHQ1](配列番号94)
【0202】
増幅物16:GenBank:KT694942.1/Position(start−end):19−99
【0203】
GCAGGAGCCTCTCATCTCG*CCAGGCTCATTTATAGACARCTTCTCACTAATTCATATTCAGTAGATTTACATGATGAAATAGARCARATTGGATCAGAAAAAACT(配列番号95)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCAGGAGCCTCTCATCTCGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0204】
増幅物17:GenBank:AB000287.1/Position(start−end):2232−2321
【0205】
TCAGACGGTTCGAGGCTCC*CCAGGARGATYAAGCGTGGAGTATAYATGGACCTGCTTGTCTCGGGGGCAAGCCCAGGCAATGCATGGTCCCATGCGTGTGAAGARGCACGCAAA(配列番号96)
なお、前記プライマー配列中の先のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、TCAGACGGTTCGAGGCTCCは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0206】
増幅物18:GenBank:KM274923.1/Position(start−end):121−179
【0207】
AACGCGAATCGACCGGAT*CCAGGCGCGATGTGTTTGCCGATAAAACGTACCAACCGGAGCCCCAAGTGGGGCAGACGCAATG(配列番号97)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、AACGCGAATCGACCGGATは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0208】
増幅物19:GenBank:AB330122.1/Position(start−end):1407−1691
【0209】
AACGCGAATCGACCGGAT*CCAGGAAACAAGAACACCTATGCCTACATGAACGGTCGGGTGGCGGTTCCTAGCGCCCTCGATACCTACGTAAACATCGGGGCACGGTGGTCTCCAGATCCCATGGACAATGTTAACCCCTTCAATCACCACCGTAACGCCGGTCTGCGCTATCGATCCATGCTCTTGGGCAACGGGCGTTACGTACCCTTCCACATTCAAGTCCCCCAGAAGTTTTTTGCCATTAAAAATCTCCTCCTCTTACCGGGTTCCTACACCTACGAGTGGAACTTCAGGAAGGACGTTAACAT(配列番号98)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、AACGCGAATCGACCGGATは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0210】
増幅物20:GenBank:LN854564.1/Position(start−end):5325−5378
【0211】
TAGATCGGACTGCGAATCG*CCAGGGAGATCGCRATCTYCTGCCCGAATTCGTAAATGATGATGGCGTCTAAGGACGCY(配列番号99)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、TAGATCGGACTGCGAATCGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0212】
増幅物21:GenBank:KT202798.1/Position(start−end):5060−5107
【0213】
ATCTACAGCGTCGCATCACG*CCAGGCGCAATCTGGCTCCCARTTTTGTGAATGARGATGGCGTCGARTGACGC(配列番号100)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、ATCTACAGCGTCGCATCACGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0214】
増幅物22:GenBank:EF204940.1/Position(start−end):1707−1878
【0215】
CATAGGTCGAGGTCCTCAC*CCAGGGCAAACTCCGGCATCTACTAATAGACGCCGGCCATTCAAACATGAGGATTACCCATGTCGAAGACAACAAAGAAGTTCAACTCTTTATGTATTGATCTTCCTCGCGATCTTTCTCTCGAAATTTACCAATCAATTGCTTCTGTCGCTACTGGAAGCGGTGATCCGCACAGTG(配列番号101)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CATAGGTCGAGGTCCTCACは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0216】
*で表示された部分は、PspGI制限酵素が切断する部位をブロッキングするために認識配列中のCにmodified dCTPが挿入されたという標識である。SCOにおける括弧は、蛍光相殺分子と蛍光レポーターが位置した塩基配列の位置を意味する。増幅物から生成されるCCTFの配列は、次の通りである。
【0217】
CCTF16:5’−CCTGGTGTCAGCCGGCTGGAGTGG−3’(配列番号102)
【0218】
CCTF17:5’−CCTGGTTAACCGGCTCGTGGCGATG−3’(配列番号103)
【0219】
CCTF18:5’−CCTGGTGCGCTCCATTAGCGTGAGT−3’(配列番号104)
【0220】
CCTF19:5’−CCTGGCTTGTAGCCGGCTGGGTAGC−3’(配列番号105)
【0221】
CCTF20:5’−CCTGGTGGGATCGAATCACGCGGCA−3’(配列番号106)
【0222】
CCTF21:5’−CCTGGCAGCGGCCCAGCTATGAGA−3’(配列番号107)
【0223】
CCTF22:5’−CCTGGTCGCAGAGTGCCAACGATCTG−3’(配列番号108)
【0224】
CCTF23:5’−CCTGGTATATGGAGCGGCATACGAGC−3’(配列番号109)
【0225】
CCTF24:5’−CCTGGTGCAACGATGCACGGCACGT−3’(配列番号110)
【0226】
CCTF25:5’−CCTGGTTCCTCGACGGGACTGCGA−3’(配列番号111)
【0227】
CCTF26:5’−CCTGGCAGGCGCCTAGCTATGAG−3’(配列番号112)
【0228】
CCTF27:5’−CCTGGACAGGCCTGAGACGCGAAGC−3’(配列番号113)
【0229】
CCTF28:5’−CCTGGAGCTCGCAGAGCTAACAG−3’(配列番号114)
【0230】
2)PCR増幅及びSCOの固有の解離温度の測定
それぞれプライマー31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45とSCO14、15、16、17、18、19、20にそれぞれ0.15μM、PspGI(NEB、USA)1U、PCRバッファ(PCR buffer、1x)、MgCl2 2.5mM、dNTP 200μM、DTT 0.1mM、RNase Inhibitor 1U、SuperiorScript III(Enzynomics、Korea)1U、及びRVA、AstV、AdV40、AdV41、NoV GI、NoV GII及びEC(MS2 phage)のgenomic RNA 1×10^4pg/rxnの核酸を添加して総反応液20μlでCFX96リアルタイム重合酵素連鎖反応(Bio−Rad、USA)を用いて、次のPCR反応を行った。
【0231】
55℃ 20分、95℃ 10分
95℃ 30秒、63℃ 1分(50サイクル)、
逆転写反応温度55℃で20分間1回、及び変性温度95℃で10分間1回行い、変性温度95℃で30秒、アニーリング温度63℃で1分のサイクルを50回繰り返して行った。反応後、同一機器内で反応混合物を50℃に冷却し、50℃で30秒間維持した後、50℃から95℃にゆっくり加熱することによって、固有解離温度分析曲線を得た。データの分析はBio−Rad CFX Manager 1.6を用いた。
【0232】
図4は、RVA、AstV、AdV40、AdV41、NoV GI、NoV GIIの原因菌別の多重固有解離温度測定結果であって、それぞれのSCOが有する固有の解離温度(RVA:HEX 78℃、AstV:CalRed610 78℃、AdV40:CalRed610 67℃、AdV41:CalRed610 67℃、NoV GI:FAM 68℃、NoV GII:FAM 84℃、EC:HEX 69℃)でピークが観察され(a)(b)(c)(d)、同じ組成において標的配列が投入されなかった場合には、CCTFを可視化するSCOのピークが観察されないことを確認した(e)。
【0233】
したがって、CCTFの標識化技法を用いてPCRを行うと同時に、SCOの蛍光をリアルタイム重合酵素連鎖反応機器を活用して分析することによって、既存のPCR方式よりも迅速かつ簡単に標的核酸配列の検出が可能であることを証明した。
【0234】
3.ヒト乳頭腫ウイルスの検出のための多重ターゲットPCRでのCCTFの形成及びCCTFの固有の解離温度のピーク分析
ヒト乳頭腫ウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の亜型である16型、18型、33型、35型、51型、53型、59型、68a型、82型及び内部対照物質(Internal Control、IC)のDNAを用いて、リアルタイム重合酵素連鎖反応機器を用いたCCTF分析を行った。
【0235】
1)標的配列鋳型DNAの配列特異的に作製されたプライマー
本実施例で使用した順方向プライマーはCTPOであって、上述した実施例1と同じ原理で作製された。CTPOの5’末端は、19〜20merのヌクレオチド配列で構成されており、CCTFを形成できるように標的配列のDNAと非相補的な配列で構成される。その後に制限酵素認識配列が位置し、その後から3’末端までは、それぞれの標的部位と相補的な配列で構成されているので、プライマーとしての役割を果たす。逆方向プライマーは、それぞれの増幅しようとする標的部位と相補的な配列で構成されている。
【0236】
また、CCTFと相補的結合を形成して二本鎖の鋳型となるSCOは、3’末端の蛍光相殺分子(BHQ−1又はBHQ−2)を位置させ、蛍光レポーター分子を一定の距離を有するように位置させた。
【0237】
プライマー情報、及び増幅されて生成される標的配列情報は、次の通りである。
【0238】
プライマー46:5’−CTCTGATAGCGACTGCTCGCA*CCAGGATAATATAAGGGGTCGGTGGACCGG−3’(配列番号115)
【0239】
プライマー47:5’−CTCCATGCATGATTACAGCTGGGTT−3’(配列番号116)
【0240】
プライマー48:5’−ATCGGTCTCCTGAAAGCTGCG*CCAGGCAGAAGGTACAGACGGGGAGGGC−3’(配列番号117)
【0241】
プライマー49:5’−CACCTCCAGCCGCTCCCCTAAT−3’(配列番号118)
【0242】
プライマー50:5’−CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGCAACGATAACCGACCACCACAAGCA−3’(配列番号119)
【0243】
プライマー51:5’−CGGGGTCTGCACAGAACAGCTTT−3’(配列番号120)
【0244】
プライマー52:5’−CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGAGGACCCAGCTGAACGACCTTACAA−3’(配列番号121)
【0245】
プライマー53:5’−CTGTCCACCGTCCACCGATGTTATG−3’(配列番号122)
【0246】
プライマー54:5’−CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGGCTGGCAACGTACACGACAACG−3’(配列番号123)
【0247】
プライマー55:5’−GCTGTACAACGCGAAGGGTGTC−3’(配列番号124)
【0248】
プライマー56:5’−CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGTCCACCTATGCACCGAAACCTCCAA−3’(配列番号125)
【0249】
プライマー57:5’−TGCAGTGACGAGTCCCCGTGTAGTA−3’(配列番号126)
【0250】
プライマー58:5’−CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGGACTGTACACCGTATGCAGCGTG−3’(配列番号127)
【0251】
プライマー59:5’−GCGTATCAGCAGCTCATGTAA−3’(配列番号128)
【0252】
プライマー60:5’−CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGACAAACTCGACGTCGTCTCGGAA−3’(配列番号129)
【0253】
プライマー61:5’−CAGGTCACCACAACAAAGGCTCCGT−3’(配列番号130)
【0254】
プライマー62:5’−ATCAGGACGCAGCCGGTTCT*CCAGGCCAAGGACAGGTACGGCTGTCATC−3’(配列番号131)
【0255】
プライマー63:5’−GGTGCCCTTGAGGTTGTCCAGGTG−3’(配列番号132)
【0256】
SCO21:GAGACGTTTAAGTCCGCGACCGCTC[T(HEX)]CTGATAGCGACTGCTCGCA[BHQ1](配列番号133)
【0257】
SCO22:CAGGCGACGTCCATATGGTGCGCTA[T(FAM)]CGGTCTCCTGAAAGCTGCG[BHQ1](配列番号134)
【0258】
SCO23:CCCTTAGGTAACGTCTGGC[T(Qusar670)]GGCGTAGAGCACTTACGCT[BHQ2](配列番号135)
【0259】
SCO24:AAACTTTAATTATTGTATA[T(FAM)]CAGGACGCAGCCGGTTCT[BHQ1](配列番号136)
【0260】
増幅物23:GenBank:LC193821.1/Position(start−end):480−571
【0261】
CTCTGATAGCGACTGCTCGCA*CCAGGATAATATAAGGGGTCGGTGGACCGGTCGATGTATGTCTTGTTGCAGATCATCAAGAACACGTAGAGAAACCCAGCTGTAATCATGCATGGAG(配列番号137)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTCTGATAGCGACTGCTCGCAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0262】
増幅物24:GenBank:KC470209.1/Position(start−end):538−747
【0263】
ATCGGTCTCCTGAAAGCTGCG*CCAGGCACGACAGGAACGACTCCAACGACGCAGAGAAACACAAGTATAATATTAAGTATGCATGGACCTAAGGCAACATTGCAAGACATTGTATTGCATTTAGAGCCCCAAAATGAAATTCCGGTTGACCTTCTATGTCACGAGCAATTAAGCGACTCAGAGGAAGAAAACGATGAAATAGATGGAGTTAATCATCAACATTTACCAGCCCGACG(配列番号138)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、ATCGGTCTCCTGAAAGCTGCGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0264】
増幅物25:GenBank:KU298894.1/Position(start−end):535−860
【0265】
CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGACGCCATGAGAGGACACAAGCCAACGTTAAAGGAATATGTTTTAGATTTATATCCTGAACCAACTGACCTATACTGCTATGAGCAATTAAGTGACAGCTCAGATGAGGATGAAGGCTTGGACCGGCCAGATGGACAAGCACAACCAGCCACAGCTGATTACTACATTGTAACCTGTTGTCACACTTGTAACACCACAGTTCGTTTATGTGTCAACAGTACAGCAAGTGACCTACGAACCATACAGCAACTACTTATGGGCACAGTGAATATTGTGTGCCCTACCTGTGCACAACAATAAACATCATCTACAATGGCCGATCCTGAA(配列番号139)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTGGCGTAGAGCACTTACGCTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0266】
増幅物26:GenBank:M74117.1/Position(start−end):117−509
【0267】
CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGAGGACCCAGCTGAACGACCTTACAAACTGCATGATTTGTGCAACGAGGTAGAAGAAAGCATCCATGAAATTTGTTTGAATTGTGTATACTGCAAACAAGAATTACAGCGGAGTGAGGTATATGACTTTGCATGCTATGATTTGTGTATAGTATATAGAGAAGGCCAGCCATATGGAGTATGCATGAAATGTTTAAAATTTTATTCAAAAATAAGTGAATATAGATGGTATAGATATAGTGTGTATGGAGAAACGTTAGAAAAACAATGCAACAAACAGTTATGTCATTTATTAATTAGGTGTATTACATGTCAAAAACCGCTGTGTCCAGTTGAAAAGCAAAGACATTTAGAAGAAAAAAAACGATTCCATAACATCGGTGGACGGTGGACAG(配列番号140)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTGGCGTAGAGCACTTACGCTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0268】
増幅物27:GenBank:KU298905.1/Position(start−end):512−812
【0269】
CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGGCTGGCAACGTACACGACAACGTAACGAAACCCAAGTGTAATAAAGCCATGCGTGGTAATGTACCACAATTAAAAGATGTAGTATTGCATTTAACACCACAGACTGAAATTGACTTGCAATGCTACGAGCAATTTGACAGCTCAGAGGAGGAGGATGAAGTAGATAATATGCGTGACCAGCTACCAGAAAGACGGGCTGGACAGGCTACGTGTTACAGAATTGAAGCTCCGTGTTGCAGGTGTTCAAGTGTAGTACAACTGGCAGTGGAAAGCAGTGGAGACACCCTTCGCGTTGTACAGC(配列番号141)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTGGCGTAGAGCACTTACGCTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0270】
増幅物28:GenBank:KU298906.1/Position(start−end):3374−3558
【0271】
CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGTCCACCTATGCACCGAAACCTCCAAGACCTCCGCATTGTCCGTGGGTGCCAAAGACACACACCTACAACCACCACAGAAACGACGACGACCAGACGTCACAGACTCCAGAAACACCAAGTACCCCAACAACCTTTTGCGGGGACAACAATCCGTGGACAGTACTACACGGGGACTCGTCACTGCA(配列番号142)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTGGCGTAGAGCACTTACGCTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0272】
増幅物29:GenBank:KU298922.1/Position(start−end):226−366
【0273】
CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGGTTAAGACCGAAAACGGTGCATATAAAGGTAGTTAGAAAGAAAAGGGCAACGGCATGGCACGCTTTGAGGATCCTACACAACGACCATACAAACTGCCTGACTTGAGCACAACATTGAATATTCCTCTGCATGATATTCGC(配列番号143)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTGGCGTAGAGCACTTACGCTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0274】
増幅物30:GenBank:KC470271.1/Position(start−end):3389−3541
【0275】
CTGGCGTAGAGCACTTACGCT*CCAGGATGGCGCTATTTCACAACCCTGAGGAACGGCCATACAAATTGCCAGACCTGTGCAGGACATTGGACACTACATTGCATGACGTTACAATAGAGTGTGTCTATTGCAGAAGGCAACTACAACGGACAGAGGTATATGAATTTGCCTTTAGTGAC(配列番号144)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTGGCGTAGAGCACTTACGCTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0276】
増幅物31:GenBank:EF450778.1/Position(start−end):431−681
【0277】
GCTCATATGCGGCGCCATTTA*CCAGGGCAGGTTGCTATCAAGGTTACAAGACAGGTTTAAGGAGACCAATAGAAACTGGGCATGTGGAGACAGAGAAGACTCTTGGGTTTCTGATAGGCACTGACTCTCTCTGCCTATTGGTCTATTTTCCCACCCTTAGGCTGCTGGTGGTCTACCCTTGGACCCAGAGGTTCTTTGAGTCCTTTGGGGATCTGTCCACTCCTGATGCTGTTATGGGCAACCCTAAGGTGAAGGCTCATGGCAAGAAAGTGCTCGG(配列番号145)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCTCATATGCGGCGCCATTTAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0278】
*で表示された部分は、PspGI制限酵素が切断する部位をブロッキングするために認識配列中のCにmodified dCTPが挿入されたという標識である。SCOにおける括弧は、蛍光相殺分子と蛍光レポーターが位置した塩基配列の位置を意味する。増幅物から生成されるCCTFの配列は、次の通りである。
【0279】
CCTF29:5’−TGCGAGCAGTCGCTATCAGAG−3’(配列番号146)
【0280】
CCTF30:5’−CGCAGCTTTCAGGAGACCGAT−3’(配列番号147)
【0281】
CCTF31:5’−AGCGTAAGTGCTCTACGCCAG−3’(配列番号148)
【0282】
CCTF32:5’−AGAACCGGCTGCGTCCTGAT−3’(配列番号149)
【0283】
2)PCR増幅及びSCOの固有の解離温度の測定
それぞれプライマー46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63とSCO21、22、23、24にそれぞれ0.15μM、PspGI(NEB、USA)5U、PCRバッファ(PCR buffer、1x)、MgCl2 2.5mM、dNTP 200μM、h−Taq DNA polymerase(Solgent、Korea)1.6U、及びHPV16型、18型、33型、35型、51型、53型、59型、68a型、82型及びICのgenomic DNA 100pg/rxnのtemplate DNAを添加して総反応液20μlでCFX96リアルタイム重合酵素連鎖反応(Bio−Rad、USA)を用いて、次のPCR反応を行った。
【0284】
95℃ 15分、
95℃ 30秒、63℃ 1分(50サイクル)、
変性温度95℃で15分間1回行い、変性温度95℃で30秒、アニーリング温度63℃で1分のサイクルを50回繰り返して行った。反応後、同一機器内で反応混合物を50℃に冷却し、50℃で30秒間維持した後、50℃から95℃にゆっくり加熱することによって、固有解離温度分析曲線を得た。データの分析はBio−Rad CFX Manager 1.6を用いた。
【0285】
図5は、16型、18型、33型、35型、51型、53型、59型、68a型、82型、ICのターゲット別の多重固有解離温度測定結果であって、それぞれのSCOが有する固有の解離温度(16型:HEX 76.5℃、18型:FAM 78℃、33型:Quasar670 71℃、35型:Quasar670 71℃、51型:Quasar670 71℃、53型:Quasar670 71℃、59型:Quasar670 71℃、68型a:Quasar670 71℃、82型:Quasar670 71℃、IC:Quasar670 67.5℃)でピークが観察され(a)(b)(c)(d)、同じ組成において標的配列が投入されなかった場合には、CCTFを可視化するSCOのピークが観察されないことを確認した(e)。
【0286】
したがって、CCTFの標識化技法を用いてPCRを行うと同時に、SCOの蛍光をリアルタイム重合酵素連鎖反応機器を活用して分析することによって、既存のPCR方式よりも迅速かつ簡単に標的核酸配列の検出が可能であることを証明した。
【0287】
4.呼吸器疾患の原因体の検出のための多重ターゲットPCRでのCCTFの形成及びCCTFの固有の解離温度のピーク分析
呼吸器疾患の原因体であるインフルエンザA/H1N1(Influenza A/H1N1、Flu A/H1N1)、インフルエンザA/H3N2(Influenza A/H3N2、Flu A/H3N2)、インフルエンザA/H1N1/2009pdm(Influenza A/H1N1/2009pdm、Flu A/H1N1/2009pdm)、インフルエンザB(Influenza B、Flu B)、パラインフルエンザ1(Parainfluenza 1、PIV1)、パラインフルエンザ3(Parainfluenza 3、PIV3)、呼吸器合胞体ウイルスA(Respiratory syncytial virus A、RSV A)、呼吸器合胞体ウイルスB(Respiratory syncytial virus B、RSV B)、ヒトメタニューモウイルス(Human metapneumovirus、MPV)、アデノウイルス(Adenovirus、AdV)及び外部対照物質(Extraction Control、EC)の核酸のリアルタイム重合酵素連鎖反応機器を用いたCCTF分析を行った。
【0288】
1)標的配列鋳型DNAの配列特異的に作製されたプライマー
【0289】
本実施例で使用した順方向プライマーはCTPOであって、上述した実施例1と同じ原理で作製された。CTPOの5’末端は、19〜20merのヌクレオチド配列で構成されており、CCTFを形成できるように標的配列のDNAと非相補的な配列で構成される。その後に制限酵素認識配列が位置し、その後から3’末端までは、それぞれの標的部位と相補的な配列で構成されているので、プライマーとしての役割を果たす。逆方向プライマーは、それぞれの増幅しようとする標的部位と相補的な配列で構成されている。
【0290】
また、CCTFと相補的結合を形成して二本鎖の鋳型となるSCOは、3’末端の蛍光相殺分子(BHQ−1又はBHQ−2)を位置させ、蛍光レポーター分子を一定の距離を有するように位置させた。
【0291】
プライマー情報、及び増幅されて生成される標的配列情報は、次の通りである。
【0292】
プライマー64:5’−TTGCTATGGCTGACGGGGAAGAATGG−3’(配列番号150)
【0293】
プライマー65:5’−GCCCCGTTGAGAGCACGAAT*CCAGGGGGGTGAATCTTCTGCTTAATGTGAAGACA C−3’(配列番号151)
【0294】
プライマー66:5’−GGGCACCATGCAGTACCAAACGGAAC−3’(配列番号152)
【0295】
プライマー67:5’−CCGTGGCGCGAACTTATCGA*CCAGGATCACACTGAGGGTCTCCCAATAGAGC−3’(配列番号153)
【0296】
プライマー68:5’−TCAAAGACTAAGTGGTGCCATGGATGAAC−3’(配列番号154)
【0297】
プライマー69:5’−AAGTGACCTGCCATTGCGCG*CCAGGTATGTCTACAGCAGAGGGACCCAGC−3’(配列番号155)
【0298】
プライマー70:5’−GGCTTAGAGCACCGCGTCATT*CCAGGTGTCGCTACTGGAAGCGGTGATC−3’(配列番号156)
【0299】
プライマー71:5’−GCGATAGCTAAGGTACGACGGGTC−3’(配列番号157)
【0300】
プライマー72:5’−GTAGATTCGATCCATGCTCCTCTACTACC−3’(配列番号158)
【0301】
プライマー73:5’−CGTCTTACATGCGCAAGCGG*CCAGGTGATATTGAGTTCGGTAATGCAAGATCTGC−3’(配列番号159)
【0302】
プライマー74:5’−CCATAGAGATGGCAATAGATGAAGAGC−3’(配列番号160)
【0303】
プライマー75:5’−AGGCGTTCCGCTTCAACGAG*CCAGGTTGTCAGATTCTGTAGCTTGCTCAGTC−3’(配列番号161)
【0304】
プライマー76:5’−GGTGGTGATCCCAACTTGTTATATCGAAG−3’(配列番号162)
【0305】
プライマー77:5’−TCCGTCTGCGAAGATCTGAGC*CCAGGTTCAATCTATCRTCTGACAGATCTTGAAGT−3’(配列番号163)
【0306】
プライマー78:5’−GTGTCACGACGCGCGAATCT*CCAGGAGATCGTGACCAGTATAATAGCTCAACAC−3’(配列番号164)
【0307】
プライマー79:5’−TTTCAGACAATGCAGGGATAACACCAGC−3’(配列番号165)
【0308】
プライマー80:5’−CCCAGAACGATTTGCGGCGT*CCAGGCTTGGTCCTCTCTTAGGAGGCAAGC−3’(配列番号166)
【0309】
プライマー81:5’−AGGATGCTTCGGAGTACCTGAG−3’(配列番号167)
【0310】
プライマー82:5’−TGCATTGCCGTCGCAGAGAC*CCAGGCAACGGGCACGAAGCGCATC−3’(配列番号168)
【0311】
プライマー83:GCCCTAATGATAAGACAGGCAGTTGTGG(配列番号169)
【0312】
プライマー84:5’−ATGCGCTTGGATTGCCGATG*CCAGGAGCCCTGTTAGTTCTGGATGCTGAACA−3’(配列番号170)
【0313】
SCO33:CTTATAGATTATA[T(FAM)]TGCCCCGTTGAGAGCACGAAT[BHQ1](配列番号171)
【0314】
SCO34:CTAAGTAAGCCTATATCGAAT[T(FAM)]CCGTGGCGCGAACTTATCGA[BHQ1](配列番号172)
【0315】
SCO35:CGTACTGCACTCGCCTACGAC[T(Cal Fluor Red 610)]AAGTGACCTGCCATTGCGCG[BHQ2](配列番号173)
【0316】
SCO36:CTTATAAGTTACA[T(Cal Fluor Red 610)]GGCTTAGAGCACCGCGTCATT[BHQ2](配列番号174)
【0317】
SCO37:CTAATTGTAATAC[T(Quasar 670)]CGTCTTACATGCGCAAGCGG[BHQ2](配列番号175)
【0318】
SCO38:CTAATCGTATGAGATCTATGA[T(Quasar 670)]AGGCGTTCCGCTTCAACGAG[BHQ2](配列番号176)
【0319】
SCO39:TCATAGACATTTA[T(Cal Fluor Gold 540)]TCCGTCTGCGAAGATCTGAGC[BHQ1](配列番号177)
【0320】
SCO40:TACGAATCTGACCTAGTAAGA[T(Cal Fluor Gold 540)]GTGTCACGACGCGCGAATCT[BHQ1](配列番号178)
【0321】
SCO41:TGCCACTAACAGGCCGCTAGA[T(Cal Fluor Gold 540)]CCCAGAACGATTTGCGGCGT[BHQ1](配列番号179)
【0322】
SCO42:TCGAGCGTGCGCCAGATCCA[T(Quasar 670)] TGCATTGCCGTCGCAGAGAC[BHQ2](配列番号180)
【0323】
SCO43:TCGACTGTGCCTGCGTCCGTA[T(FAM)]ATGCGCTTGGATTGCCGATG[BHQ1](配列番号181)
【0324】
増幅物32:GenBank:KU558787.1/Position(start−end):428−621
【0325】
TTGCTATGGCTGACGGGGAAGAATGGTTTGTACCCAAACCTGAGCATGTCCTATGTAAACAACAAAGAGAAAGAAGTCCTTGTGCTATGGGGTGTTCATCACCCACCTAACATAGGGAACCAAAGGGCCCTCTACCATACAGAAAATGCTTATGTCTCTGTAGTGTCTTCACATTATAGCAGAAGATTCACCCC*CCTGGATTCGTGCTCTCAACGGGGC(配列番号182)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、ATTCGTGCTCTCAACGGGGCは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0326】
増幅物33:GenBank:CY221934.1/Position(start−end):111−296
【0327】
GGGCACCATGCAGTACCAAACGGAACGATAGTGAAAACAATCACAAATGACCAAATTGAAGTTACTAATGCTACTGAGTTGGTTCAGAATTCCTCAATAGGTGAAATATGCGACAGTCCTCATCAGATCCTTGATGGAGAGAACTGCACACTAATAGATGCTCTATTGGGAGACCCTCAGTGTGAT*CCTGGTCGATAAGTTCGCGCCACGG(配列番号183)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、TCGATAAGTTCGCGCCACGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0328】
増幅物34:GenBank:CY221750.1/Position(start−end):1291−1501
【0329】
TCAAAGACTAAGTGGTGCCATGGATGAACTCCACAACGAAATACTCGAGCTGGATGAAAAAGTGGATGACCTCAGAGCTGACACTATAAGCTCACAAATAGAACTTGCAGTCTTGCTTTCCAACGAAGGAATAATAAACAGTGAAGATGAGCATCTATTGGCACTTGAGAGAAAACTAAAGAAAATGCTGGGTCCCTCTGCTGTAGACATA*CCTGGCGCGCAATGGCAGGTCACTT(配列番号184)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、CGCGCAATGGCAGGTCACTTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0330】
増幅物35:GenBank:JF719743.1/Position(start−end):1816−1950
【0331】
GGCTTAGAGCACCGCGTCATT*CCAGGTGTCGCTACTGGAAGCGGTGATCCGCACAGTGACGACTTTACAGCAATTGCTTACTTAAGGGACGAATTGCTCGCAAAGCATCCGACCTTAGGTTCTGGTAATGACGAGGCGACCCGTCGTACCTTAGCTATCGC(配列番号185)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GGCTTAGAGCACCGCGTCATTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0332】
増幅物36:GenBank:KX639498.1z/Position(start−end):4035−4253
【0333】
GTAGATTCGATCCATGCTCCTCTACTACCATGGTCCAGCCGACTGAGACAAGGGATGATATATAATGCCAATAAAGTAGCTCTGGCACCCCAATGTCTCCCAGTCGACAAAGATATCAGATTCAGAGTTGTATTTGTCAACGGAACATCACTGGGTACAATCACAATTGCCAAGGTCCCAAAAACTCTTGCAGATCTTGCATTACCGAACTCAATATCA*CCTGGCCGCTTGCGCATGTAAGACG(配列番号186)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、CCGCTTGCGCATGTAAGACGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0334】
増幅物37:GenBank:KY369876.1/Position(start−end):1310−1463
【0335】
CCATAGAGATGGCAATAGATGAAGAGCCAGAACAATTCGAACATAGAGCAGACCAAGAACAAGATGGGGAACCTCAATCATCTATAATCCAATATGCTTGGGCAGAAGGAAACAGAAGCGATGACCGGACTGAGCAAGCTACAGAATCTGACAA*CCTGGCTCGTTGAAGCGGAACGCCT(配列番号187)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTCGTTGAAGCGGAACGCCTは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0336】
増幅物38:GenBank:KX894800.1/Position(start−end):11378−11529
【0337】
GGTGGTGATCCCAACTTGTTATATCGAAGTTTCTATAGAAGAACTCCTGATTTCCTCACAGAGGCTATAGTTCACTCTGTGTTCATACTTAGTTATTATACAAACCATGATTTAAAGGATAAACTTCAAGATCTGTCAGAYGATAGATTGAA*CCTGGGCTCAGATCTTCGCAGACGGA(配列番号188)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCTCAGATCTTCGCAGACGGAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0338】
増幅物39:GenBank:KY249683.1/Position(start−end):11465−11577
【0339】
GGTGGTGATCCTAATTTGTTATATCGAAGCTTTTATAGGAGAACTCCAGACTTCCTTACAGAAGCTATAGTACATTCAGTGTTCGTGTTGAGCTATTATACTGGTCACGATCT*CCTGGAGATTCGCGCGTCGTGACAC(配列番号189)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、AGATTCGCGCGTCGTGACACは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0340】
増幅物40:GenBank:KJ627391.1/Position(start−end):3631−3933
【0341】
TTTCAGACAATGCAGGGATAACACCAGCAATATCATTGGACCTAATGACTGATGCTGAACTGGCCAGAGCTGTATCATACATGCCAACATCTGCAGGGCAGATAAAGCTGATGTTGGAGAACCGCGCAATGGTAAGGAGAAAAGGATTTGGAATCCTAATAGGGGTCTACGGAAGCTCTGTGATTTACATGGTTCAATTGCCGATCTTTGGTGTCATAGATACACCTTGTTGGATAATCAAGGCAGCTCCCTCTTGCTCAGAAAAAAACGGGAATTATGCTTGCCTCCTAAGAGAGGACCAAG*CCTGGACGCCGCAAATCGTTCTGGG(配列番号190)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、ACGCCGCAAATCGTTCTGGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0342】
増幅物41:GenBank:KT963081.1/Position(start−end):18437−18598
【0343】
AGGATGCTTCGGAGTACCTGAGTCCGGGTCTGGTGCAGTTCGCCCGTGCAACAGACACCTACTTCAGTATGGGGAACAAGTTTAGAAACCCCACAGTGGCGCCCACCCACGATGTGACCACCGACCGTAGCCAGCGACTGATGCTGCGCTTCGTGCCCGTTG*CCTGGGTCTCTGCGACGGCAATGCA(配列番号191)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、GTCTCTGCGACGGCAATGCAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0344】
増幅物42:GenBank:CY221624.1/Position(start−end):988−1252
【0345】
GCCCTAATGATAAGACAGGCAGTTGTGGTCCAGTATCGTCTAATGGAGCAAATGGAGTAAAAGGATTTTCATTCAAATACGGCAATGGTGTTTGGATAGGGAGAACTAAAAGCATTAGTTCAAGAAAAGGTTTTGAGATGATTTGGGATCCGAATGGATGGACTGGGACTGACAATAAATTCTCAATAAAGCAAGATATCGTAGGAATAAATGAGTGGTCAGGGTATAGCGGGAGTTTTGTTCAGCATCCAGAACTAACAGGGCT*CCTGGCATCGGCAATCCAAGCGCAT(配列番号192)
なお、前記プライマー配列中のCCTGGは、制限酵素認識配列を意味し、CATCGGCAATCCAAGCGCATは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0346】
*で表示された部分は、PspGI制限酵素が切断する部位をブロッキングするために認識配列中のCにmodified dCTPが挿入されたという標識である。SCOにおける括弧は、蛍光相殺分子と蛍光レポーターが位置した塩基配列の位置を意味する。増幅物から生成されるCCTFの配列は、次の通りである。
【0347】
CCTF33:5’−ATTCGTGCTCTCAACGGGGC−3’(配列番号193)
【0348】
CCTF34:5’−TCGATAAGTTCGCGCCACGG−3’(配列番号194)
【0349】
CCTF35:5’−CGCGCAATGGCAGGTCACTT−3’(配列番号195)
【0350】
CCTF36:5’−AATGACGCGGTGCTCTAAGCC−3’(配列番号196)
【0351】
CCTF37:5’−CCGCTTGCGCATGTAAGACG−3’(配列番号197)
【0352】
CCTF38:5’−CTCGTTGAAGCGGAACGCCT−3’(配列番号198)
【0353】
CCTF39:5’−GCTCAGATCTTCGCAGACGGA−3’(配列番号199)
【0354】
CCTF40:5’−AGATTCGCGCGTCGTGACAC−3’(配列番号200)
【0355】
CCTF41:5’−ACGCCGCAAATCGTTCTGGG−3’(配列番号201)
【0356】
CCTF42:5’−GTCTCTGCGACGGCAATGCA−3’(配列番号202)
【0357】
CCTF43:5’−CATCGGCAATCCAAGCGCAT−3’(配列番号203)
【0358】
2)PCR増幅及びSCOの固有の解離温度の測定
それぞれプライマー64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84とSCO33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43にそれぞれ0.15μM、PspGI(NEB、USA)1U、PCRバッファ(PCR buffer、1x)、MgCl2 2.5mM、dNTP 200μM、DTT 0.1mM、RNase Inhibitor 1U、SuperiorScript III(Enzynomics、Korea)1U、及びFlu A/H1N1、Flu A/H3N2、Flu A/H1N1/2009pdm、Flu B、PIV1、PIV3、RSV A、RSV B、hMPV、ADV及びMS2 phageのgenomic RNA 1×10^4copies/rxnのtemplate核酸を添加して総反応液20μlでCFX96リアルタイム重合酵素連鎖反応(Bio−Rad、USA)を用いて、次のPCR反応を行った。
【0359】
55℃ 20分、95℃ 10分
95℃ 30秒、63℃ 1分(50サイクル)、
逆転写反応温度55℃で20分間1回、及び変性温度95℃で10分間1回行い、変性温度95℃で30秒、アニーリング温度63℃で1分のサイクルを50回繰り返して行った。反応後、同一機器内で反応混合物を50℃に冷却し、50℃で30秒間維持した後、50℃から95℃にゆっくり加熱することによって、固有解離温度分析曲線を得た。データの分析はBio−Rad CFX Manager 1.6を用いた。
【0360】
図6は、Flu A/H1N1、Flu A/H3N2、Flu A/H1N1/2009pdm、Flu B、PIV1、PIV3、RSV A、RSV B、hMPV、ADV、EC(Ms2 phage)の原因菌別の多重固有解離温度測定結果であって、それぞれのSCOが有する固有の解離温度(Flu A/H1N1:67.5℃、Flu A/H3N2:76.5℃、Flu A/H1N1/2009pdm:86.5℃、Flu B:83.5℃、PIV1:66℃、PIV3:74℃、RSV A:63.5℃、RSV B:72℃、hMPV:86℃、ADV:85℃)でピークが観察され(a)(b)(c)(d)(e)、同じ組成において標的配列が投入されなかった場合には、CCTFを可視化するSCOのピークが観察されないことを確認した(f)。
【0361】
したがって、CCTFの標識化技法を用いてPCRを行うと同時に、SCOの蛍光をリアルタイム重合酵素連鎖反応機器を活用して分析することによって、既存のPCR方式よりも迅速かつ簡単に標的核酸配列の検出が可能であることを証明した。
【0362】
5.BDNF遺伝子の単一塩基変異の遺伝子型の分析のための多重ターゲットPCRでのCCTFの形成及びCCTFの固有の解離温度のピーク分析
【0363】
BDNF遺伝子の単一塩基変異であるrs6265の遺伝子型を分析するために、リアルタイム重合酵素連鎖反応機器を用いたCCTF分析を行った。
【0364】
1)標的配列鋳型DNAの配列特異的に作製されたプライマー
本実施例で使用した順方向プライマーはCTPOであって、上述した実施例1と同じ原理で作製された。CTPOの5’末端は、19〜20merのヌクレオチド配列で構成されており、CCTFを形成できるように標的配列のDNAと非相補的な配列で構成される。その後に制限酵素認識配列が位置し、その後から3’末端までは、それぞれの標的部位と相補的な配列で構成されているので、プライマーとしての役割を果たす。逆方向プライマーは、それぞれの増幅しようとする標的部位と相補的な配列で構成されている。
【0365】
また、CCTFと相補的結合を形成して二本鎖の鋳型となるSCOは、3’末端の蛍光相殺分子(BHQ−1又はBHQ−2)を位置させ、蛍光レポーター分子を一定の距離を有するように位置させた。
【0366】
プライマー情報、及び増幅されて生成される標的配列情報は、次の通りである。
【0367】
プライマー85:5’−ACGAGGCCTGTCCGCTTACTAG*CCAGGCTGGTCCTCATCCAACAGCTCTTCTATCGC−3’(配列番号204)
【0368】
プライマー86:5’−CCGGGTACGCTAAGTCCGCTAT*CCAGGTTCTGGTCCTCATCCAACAGCTCTTCTATCGT−3’(配列番号205)
【0369】
プライマー87:5’−GACCCATGGGACTCTGGAGAGCGTGAA−3’(配列番号206)
【0370】
プライマー88:5’−GCTCATATGCGGCGCCATTTA*CCAGGGCAGGTTGCTATCAAGGTTACAAGACAG−3’(配列番号207)
【0371】
プライマー89:5’−CCGAGCACTTTCTTGCCATGAGCC−3’(配列番号208)
【0372】
SCO44:GTAGCACGCTTCGAATGGC[T(HEX)]ATACGAGGCCTGTCCGCTTACTAG[BHQ1](配列番号209)
【0373】
SCO45:GATACGGAGGTCCGAAGGCAG[T(FAM)]GTTGGTTACCCTAACGCGCCGGA[BHQ1](配列番号210)
【0374】
SCO46:ATTAGTTTAACTATTATATT[T(FAM)]TATGCTCATATGCGGCGCCATTTA[BHQ1](配列番号211)
【0375】
増幅物43:GenBank:NT_009237.19/Position(start−end):27598340−27598451
【0376】
ACGAGGCCTGTCCGCTTACTAG*CCAGGCTGGTCCTCATCCAACAGCTCTTCTATCACGTGTTCGAAAGTGTCAGCCAATGATGTCAAGCCTCTTGAACCTGCCTTGGGCCCATTCACGCTCTCCAGAGTCCCATGGGTC(配列番号212)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、ACGAGGCCTGTCCGCTTACTAGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0377】
増幅物44:GenBank:NT_009237.19/Position(start−end):27598338−27598451
【0378】
CCGGGTACGCTAAGTCCGCTAT*CCAGGTTCTGGTCCTCATCCAACAGCTCTTCTATCACGTGTTCGAAAGTGTCAGCCAATGATGTCAAGCCTCTTGAACCTGCCTTGGGCCCATTCACGCTCTCCAGAGTCCCATGGGTC(配列番号213)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CCGGGTACGCTAAGTCCGCTATは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0379】
増幅物45:GenBank:EF450778.1/Position(start−end):431−681
【0380】
GCTCATATGCGGCGCCATTTA*CCAGGGCAGGTTGCTATCAAGGTTACAAGACAGGTTTAAGGAGACCAATAGAAACTGGGCATGTGGAGACAGAGAAGACTCTTGGGTTTCTGATAGGCACTGACTCTCTCTGCCTATTGGTCTATTTTCCCACCCTTAGGCTGCTGGTGGTCTACCCTTGGACCCAGAGGTTCTTTGAGTCCTTTGGGGATCTGTCCACTCCTGATGCTGTTATGGGCAACCCTAAGGTGAAGGCTCATGGCAAGAAAGTGCTCGG(配列番号214)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCTCATATGCGGCGCCATTTAは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0381】
*で表示された部分は、PspGI制限酵素が切断する部位をブロッキングするために認識配列中のCにmodified dCTPが挿入されたという標識である。SCOにおける括弧は、蛍光相殺分子と蛍光レポーターが位置した塩基配列の位置を意味する。増幅物から生成されるCCTFの配列は、次の通りである。
【0382】
CCTF44:5’−CTAGTAAGCGGACAGGCCTCGT−3’(配列番号215)
【0383】
CCTF45:5’−ATAGCGGACTTAGCGTACCCGG−3’(配列番号216)
【0384】
CCTF46:5’−TAAATGGCGCCGCATATGAG−3’(配列番号217)
【0385】
2)PCR増幅及びSCOの固有の解離温度の測定
それぞれプライマー85、86、87、88、89とSCO44、45、46にそれぞれ0.15μM、PspGI(NEB、USA)5U、PCRバッファ(PCR buffer、1x)、MgCl2 2.5mM、dNTP 200μM、h−Taq DNA polymerase(Solgent、Korea)1.6U、及びFlu A/H1N1、Flu A/H3N2、Flu A/H1N1/2009pdm、Flu B、PIV1、PIV3、RSV A、RSV B、hMPV、ADV及びMS2 phageのgenomic RNA 1×10^4copies/rxnのtemplate核酸を添加して総反応液20μlでCFX96リアルタイム重合酵素連鎖反応(Bio−Rad、USA)を用いて、次のPCR反応を行った。
【0386】
95℃ 15分、
95℃ 30秒、65℃ 1分(50サイクル)、
変性温度95℃で15分間1回行い、変性温度95℃で30秒、アニーリング温度65℃で1分のサイクルを50回繰り返して行った。反応後、同一機器内で反応混合物を50℃に冷却し、50℃で30秒間維持した後、50℃から95℃にゆっくり加熱することによって、固有解離温度分析曲線を得た。データの分析はBio−Rad CFX Manager 1.6を用いた。
【0387】
図7の(a)は、rs6265の突然変異型A/A、野生型G/G、及び異型接合体A/Gの遺伝子型と内部対照物質(IC)の多重固有解離温度測定結果であって、それぞれのSCOが有する固有の解離温度(A/A:76.5℃、A/G:76.5℃と75℃、G/G:75℃、IC:66℃)でピークが観察され(a)(b)(c)(d)、同じ組成において標的配列が投入されなかった場合には、CCTFを可視化するSCOのピークが観察されないことを確認した(e)。
【0388】
したがって、CCTFの標識化技法を用いてPCRを行うと同時に、SCOの蛍光をリアルタイム重合酵素連鎖反応機器を活用して分析することによって、既存のPCR方式よりも迅速かつ簡単に標的核酸配列の検出が可能であることを証明した。
【0389】
実施例3.多重ターゲットPCRでのCCTFの形成及びCCTFのCtグラフの分析
SCOを活用してリアルタイム重合酵素連鎖反応機器によりCCTFの生成有無を確認できることを実施例2で証明している。前記の方法において使用されるSCOは、PCR増幅過程中の標的配列が生成される反応中に同時に形成されて、リアルタイム蛍光分析が可能であるので、生成されるCCTFの同定が可能である。これに基づいて、本実施例では、多重標的配列を有するPCRの場合、CCTFの形成をSCOで分析するとき、標準曲線の形成が可能であることを証明しようとした。
【0390】
本実施例を行うために、性媒介感染症(STI)の原因菌である淋菌(Neisseria.gonorrhea、NG)、マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma.hominis、MH)、ウレアプラズマ・パルバム(Ureaplasma.parvum、UP)を選別した。
【0391】
1.標的鋳型DNAの特異的プライマーの作製
本実施例で使用した順方向プライマーはCPTOであって、前記の発明の詳細な説明に記述された方法に基づいて作製された。順方向プライマーの5’末端は、19mer又は21merのヌクレオチド配列で構成され、CCTFを形成できるように各原因菌別のDNAと非相補的な配列で構成される。その後に制限酵素認識配列が位置するようになる。制限酵素認識配列の後から3’末端までは、各原因菌別のDNAのターゲット部位と相補的な配列で構成されているので、プライマーとしての役割を果たす。逆方向プライマーは、各原因菌別のDNAのターゲット部位と相補的な配列で構成されている。
【0392】
また、CCTFと二量体を形成するSCOは、二重標識を有するようにデザインし、各原因菌別にそれぞれデザインした。SCOは、3’末端のクエンチャー(BHQ1又はBHQ2)分子及びレポーター(各FAM、HEX、CAL Fluor Red 610)分子を一定の距離を有するようにしてデザインし、配列は、分析しようとするCCTFの配列と相補的である。
【0393】
プライマー情報、及び増幅されて生成される標的配列情報は、次の通りである。
【0394】
プライマー90:5’−CTCATCGCCACGAGCCGGTTAA*CCAGGTTGAAACACCGCCCGGAACCC−3’(配列番号218)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTCATCGCCACGAGCCGGTTAA*CCAGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0395】
プライマー91:5’−GCTCCTTATTCGGTTTGACCGGT−3’(配列番号219)
【0396】
プライマー92:5’−GCTCGCAGGTACGGCACCATTCA*CCAGGCAGAAGGTATGATAACAACGGTAGAGC−3’(配列番号220)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCTCGCAGGTACGGCACCATTCA*CCAGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0397】
プライマー93:5’−CCCCTTTGCACCGTTGAGGGG−3’(配列番号221)
【0398】
プライマー94:5’−AGTCGATTATGTCTGAGGCCGCG*CCAGGTTAAAGTAGCATATGATCAAGCTCATTCA−3’(配列番号222)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、AGTCGATTATGTCTGAGGCCGCG*CCAGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0399】
プライマー95:5’−GATCCTGACATATAATCATTATCTCCTTTTATAAA−3’(配列番号223)
【0400】
SCO47:TC[T(HEX)[CATCGCCACGAGCCGGTTAA[BHQ](配列番号224)
【0401】
SCO48:TG[T(CAL Fluor Red 610)]CGCAGGTACGGCACCATTCA[BHQ2](配列番号225)
【0402】
SCO49:TAG[T(FAM)]CGATTATGTCTGAGGCCGCG[BHQ](配列番号226)
【0403】
増幅物46:GenBank:X52364.1/Position(start−end):375−459
【0404】
CTCATCGCCACGAGCCGGTTAA*CCAGGTTGAAACACCGCCCGGAACCCGATATAATCCGCCCTTCAACATCAGTGAAAATCTTTTTTTAACCGGTCAAACCGAATAAGGAGC(配列番号227)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、CTCATCGCCACGAGCCGGTTAA*CCAGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0405】
増幅物47:GenBank:M31431.1/Position(start−end):1455−1535
【0406】
GCTCGCAGGTACGGCACCATTCA*CCAGGCAGAAGGTATGATAACAACGGTAGAGCTTTATATGATATTAACTTAGCAAAAATGGAAAACCCCTCAACGGTGCAAAGGGG(配列番号228)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、GCTCGCAGGTACGGCACCATTCA*CCAGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0407】
増幅物48:GenBank:AF085733.2/Position(start−end):416−502
【0408】
AGTCGATTATGTCTGAGGCCGCG*CCAGGGTTTCTGTACACGATCCAATT[T/c]ACAAATAACATTTACAATTCGTAAAATTTTTTTATAAAAGGAGATAATGATTATATGTCAGGATC(配列番号229)
なお、前記プライマー配列中のCCAGGは、制限酵素認識配列を意味し、AGTCGATTATGTCTGAGGCCGCG*CCAGGは、これにより生成されるCCTFの相補的な配列である。
【0409】
*で表示された部分は、PspGI制限酵素が切断する部位をブロッキングするために認識配列中のCにmodified dCTPが挿入されたという標識である。SCOにおける括弧は、蛍光相殺分子と蛍光レポーターが位置した塩基配列の位置を意味する。プライマー及びSCO中のNGに該当するプライマーは、実施例2で使用したものと同一である。増幅物から生成されるCCTFの配列は、次の通りである。
【0410】
CCTF47:5’−CCTGGTTAACCGGCTCGTGGCGATGAG−3’(配列番号230)
【0411】
CCTF48:5’−CCTGGTGAATGGTGCCGTACCTGCGAGC−3’(配列番号231)
【0412】
CCTF49:5’−CCTGGCGCGGCCTCAGACATAATCGACT−3’(配列番号232)
【0413】
2.PCR増幅及びSCOの固有の解離温度の測定
前記のプライマーの設計で言及したそれぞれの標的配列の特異的な順方向プライマー3種及び逆方向プライマー3種、SCO3種を、それぞれ0.15uMになるように投入し、PspGI(NEB、USA)2U、PCRバッファ(PCR buffer、1x)、MgCl2 2.5mM、dNTP 200μM、h−Taq DNA polymerase(Solgent、Korea)1.6U、及び各原因菌別の既存の定量方法で証明された100pg/μlのgenomic DNAを10倍ずつ希釈した鋳型DNAが含まれた総反応液20μlを、次の条件でCFX96リアルタイム重合酵素連鎖反応(Bio−Rad Inc.,USA)機器を用いて行った。
【0414】
95℃ 15分、
95℃ 30秒、63℃ 1分(50サイクル)、
変性温度95℃で15分間1回行い、変性温度95℃で30秒、アニーリング温度63℃で1分のサイクルを50回繰り返して行った。また、アニーリング段階で蛍光シグナルを収集し、データの分析は、Bio−Rad CFX Manager 1.6を用いた。Ct(Cycle threshold)は、知られた数字のDNA濃度の対数増幅器で始め、菌株に対する標準曲線を作成した。
【0415】
図8の(a)に示されたように、予想していたSCOの蛍光増幅曲線を、鋳型の濃度に応じてそれぞれ異なるグラフとして観察することができた。また、鋳型DNAを投入しない場合、いかなるピークも観察されなかった(b)。各原因菌別のgenomic DNAを100pgの濃度から10倍ずつ希釈したNG(実線)、MG(点線)、UP(円形)の多重リアルタイム重合連鎖反応の実験条件で現れたSCOの蛍光増幅曲線(fluorescent amplification curves)及び標準曲線(standard curve)を示した結果であって、グラフ(a)は、3つの標的配列が濃度別に同時に存在する場合に描かれる蛍光増幅曲線を示し、グラフ(b)は、3つの標的配列が全て含まれない場合に描かれる陰性結果である。グラフ(a)中のNGに該当するグラフを単一の蛍光増幅曲線で示して標準曲線を示すと、(c)及び(d)で示すことができ、MGに該当するグラフは(e)及び(f)で示すことができ、UPに該当する曲線は(g)及び(h)で示すことができる。
【0416】
標準曲線の線形回帰分析において回帰係数(Regression coefficient)(r2)は、それぞれ、NG0.9982、MG0.999、UP0.9992と示された。Regression plotの傾きは、NG−3.85、MG−3.89、UP−3.66であった。それぞれの増幅効率(E=10[−1/slope]−1)は、それぞれNG81.8%、MG80.7%、UP87.6%と示され、80〜120%の間の適正範囲内に羅列されることが確認できた。
【0417】
本実施例により、各原因菌別の互いに異なるCCTFをリアルタイム重合酵素連鎖反応機器で読み取るに当たって、SCOのリアルタイム蛍光の程度を測定することによって、生成されるCCTFの相対量を把握し、これを用いて標識形成方法でCt値を確認することによって、標的配列の同定が可能であることを証明した。