(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記遠心送風機を収容し、前記反射筒と略同軸に開口する排気口を有し、前記遠心送風機が吐出した空気を前記排気口まで案内する排気流路を画定する排気流路形成部材と、
前記反射筒の前記遠心送風機と反対側に配置され、前記反射筒と略同軸に開口する給気口を有する給気流路形成部材と、
前記反射筒のさらに外側に間隔を空けて配置され、その両端が前記排気流路形成部材及び前記給気流路形成部材により封止される外装部材と、
をさらに備え、
前記排気流路は、前記遠心送風機から吐出された空気が内壁に衝突するよう形成される、請求項1に記載の空気清浄機。
前記保持具は、前記光源の前記遠心送風機側に配置され、前記保持具と共に前記光源を前記反射筒から引き抜くことを可能にする掻き出し部を有する、請求項5に記載の空気清浄機。
【背景技術】
【0002】
酸化チタン等の光触媒を用いて有機物を分解することにより脱臭効果及び殺菌効果を得る空気清浄機が実用化されている。このような空気清浄機では、光触媒を担持する触媒部材と、触媒部材に光触媒を活性化させる光を発する光源と、周囲の空気を吸い込んで光触媒に接触させる気流生成手段と、を備える。
【0003】
光触媒を利用する空気清浄機では、光触媒に効果的に光を照射して光触媒を十分に活性化させることと、光触媒に効率よく空気を接触させることと、が求められる。例えば特許文献1には、「空気吸入口と空気放出口に連通する円筒状容器と、前記空気吸入口から容器外の空気を円筒状容器内に取り入れ空気放出口より排出するシロッコファンと、前記円筒状容器内の空気流通路内の中心線上にこの容器側面に向かって紫外線を照射する紫外線ランプと、光触媒を担持した担持体とを備え、前記担持体を前記円筒状容器の内側面に沿って配置したことを特徴とする光触媒空気浄化装置」が開示されている。
【0004】
特許文献1に開示される光触媒空気浄化装置(空気清浄機)は、円筒状容器の中心線上に配置した棒状の紫外線ランプにより、円筒状容器の内側面に沿って配置した担持体に担持される光触媒に効果的に紫外線を照射することができるものとされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される空気清浄機では、円筒状容器の一端の内部に、外径が円筒状容器の内径と略等しいシロッコファンが配設されている。シロッコファンは、遠心送風機の一種であり、回転軸の周りに円筒状に並んで配設される複数の羽根を有するインペラを備える。シロッコファンは、インペラの回転に伴う遠心力によって羽根の内側(回転軸側)の空気羽根の外側に押し出し、インペラの外側に押し出された空気を周方向に案内して接線方向に放出する。このため、シロッコファンは、中央部の回転軸近傍から、空気を吸い込むが、外周部分からは空気を吸い込むことができない。このため、特許文献1に開示される空気清浄機では、円筒状容器の中心付近の空気の流速が大きくなり、径方向外側、つまり光触媒の担持体の近傍における空気の流速が小さくなる。したがって、特許文献1に開示される空気清浄機では、空気と光触媒との接触効率を高くすることができず、換気回数、つまり風量を大きくする必要ある。しかしながら、風量を大きくすると、動作音が大きくなるといった不都合が生じる。
【0007】
本発明は、効率よく空気を光触媒に接触させられる空気清浄機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る空気清浄機は、光源と、筒状に形成されるメッシュ状の担持体及び前記担持体の表面に担持される光触媒を有し、前記光源の外側に間隔を空けて配置される触媒部材と、前記触媒部材のさらに外側に間隔を空けて配置され、前記光源から発せられて前記触媒部材を通過した光を反射する反射筒と、前記反射筒と略同軸に回転するインペラ、及び前記反射筒の一端に接続される吸込口が形成されたハウジングを有する遠心送風機と、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る空気清浄機は、前記遠心送風機を収容し、前記反射筒と略同軸に開口する排気口を有し、前記遠心送風機が吐出した空気を前記排気口まで案内する排気流路を画定する排気流路形成部材と、前記反射筒の前記遠心送風機と反対側に配置され、前記反射筒と略同軸に開口する給気口を有する給気流路形成部材と、前記反射筒のさらに外側に間隔を空けて配置され、その両端が前記排気流路形成部材及び前記給気流路形成部材により封止される外装部材と、をさらに備えてもよい。
【0010】
本発明の一態様に係る空気清浄機において、前記担持体を多重に巻回して形成されていてもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る空気清浄機は、前記反射筒に引き出し可能に挿入され、前記触媒部材を保持する保持具をさらに備えてもよい。
【0012】
本発明の一態様に係る空気清浄機において、前記光源は、前記遠心送風機側の端部が不動に配設される複数の弾性部材によって把持され、反対側の端部が前記保持具に嵌合してもよい。
【0013】
本発明の一態様に係る空気清浄機において、前記保持具は、前記光源の前記遠心送風機側に配置され、前記保持具と共に前記光源を前記反射筒から引き抜くことを可能にする掻き出し部を有してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様に係る空気清浄機によれば、効率よく空気を光触媒に接触させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気清浄機1の斜視図である。
図2は、空気清浄機1の分解斜視図である。
図3は、空気清浄機1の軸方向断面図である。
図4は、空気清浄機1の軸直角断面図である。空気清浄機1は、光源10と、触媒部材20と、反射筒30と、保持具40と、ベース部材50と、遠心送風機60と、排気流路形成部材70と、給気流路形成部材80と、外装部材90と、を備える。
【0017】
光源10は、一方向(以下軸方向)に延びる棒状に形成されることが好ましい。この光源10は、軸方向に直交する全ての方向に略均等に光を発することが好ましい。光源10は、後述する触媒部材20の光触媒を活性化させる光、例えば紫外光を発する。つまり、光源10は、典型的には棒状の紫外線ランプ又は紫外線発光ダイオード照明装置である。
【0018】
触媒部材20は、筒状に形成されるメッシュ状の担持体及び担持体の表面に担持される光触媒を有する。触媒部材20は、全体としても、光が通過する多数の開口を有するメッシュ状の筒状体である。この触媒部材20は、後で詳しく説明するように、光源の外側に間隔を空けて配置される。なお、「メッシュ状」とは、多数の開口が平面的に形成されたシート状を意味し、線状の材料を縦横に組み合わせて形成される形状に限られない。触媒部材20の開口率(光が通過する面積の割合)としては、例えば15%以上55%以下とすることができ、20%以上50%以下がより好ましい。これにより、光源10から発せられて触媒部材20を透過した光が後述する反射筒によって反射されて触媒部材20の外面側に照射されるので、触媒部材20の光触媒作用が活性化されて有機物等を分解する効果が向上する。
【0019】
具体例として、担持体としては、金属箔をエッチングしてランダムな微細開口を形成したシート、ワイヤーメッシュ、樹脂成形メッシュ、パンチングメタル等を用いることができるが、光触媒を担持する能力、機械的特性及び経済性に優れるエキスパンドメタルが特に好適に用いられる。担持体をチタンにより形成し、その表面を酸化処理すれば、担持体と光触媒との密着性を向上することができる。また、担持体をアルミニウムによって形成すれば、比較的安価で加工性に優れた触媒部材20を得ることができる。
【0020】
担持体は、多重(本実施形態では2重)に巻回して筒状に形成されることが好ましい。開口率が大きい担持体を多重に巻回することにより、触媒部材20の光透過率を適切な範囲内にすることができると共に、空気の光触媒への接触面積を大きくすることができる。触媒部材20は、先に多重に巻回された担持体の表面に光触媒を担持させてもよいが、長尺帯状の担持体の表面に光触媒を担持させた後、担持体を適切な長さに切断して巻回することで、比較的容易に所望形状の触媒部材20を得ることができる。具体例としては、担持体の表面に光触媒を担持した開口率45%以上55%の帯状の材料を2重に巻回することで、適切な開口率を有し、活性化した光触媒に効率よく空気を接触させられる触媒部材20を形成することができる。
【0021】
光触媒としては、特に限定されないが、現時点で優れた光触媒作用を有する材料として知られるアナターゼ型酸化チタンを用いることができる。空気との接触面積を大きくするために、光触媒は、担持体の表面を覆う粒子状体又は粉状体であることが好ましい。このような光触媒は、焼結により担持体の表面に固定されてもよい。具体的には、担持体に光触媒の粒子を分散したスラリーを塗布したものを焼成することによって、担持体の表面に光触媒を固定した触媒部材20を得ることができる。
【0022】
光源10と触媒部材20との隙間は、空気の主たる流路となる。光源10と触媒部材20との間隔の下限としては、空気の流量を確保するために10mmが好ましく15mmがより好ましい。一方、光源10と触媒部材20との間隔の上限としては、空気を光触媒に効率よく接触させるために50mmが好ましく30mmがより好ましい。
【0023】
触媒部材20の厚みの下限としては、機械的な強度を担保するために0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、触媒部材20の厚みの上限としては、触媒部材20に沿って流れる空気と光触媒とを効率的に接触させるために3mmが好ましく2mmがより好ましい。
【0024】
触媒部材20の軸方向の長さを大きくするほど、空気と光触媒との接触が増大するので有機物等の分解効果は増大するが、空気中の有機物濃度は下流側に向かって減少するので体積効率は減少する。触媒部材20の軸方向の長さの下限としては、空気と光触媒との接触を確保するために、触媒部材20の内径の5倍が好ましく、8倍がより好ましい。一方、触媒部材20の軸方向の長さの上限としては、空気清浄機1を小型化するために、触媒部材20の内径の20倍が好ましく、15倍がより好ましい。
【0025】
反射筒30は、概略筒状に形成され、触媒部材20のさらに外側に間隔を空けて配置される。反射筒30は、光源10から発せられて触媒部材20を通過した光を反射する。これにより、触媒部材20の外側の光触媒を活性化することができ、有機物等を分解する効果を向上することができる。
【0026】
なお、「光を反射する」とは、光触媒の吸収率が最大となる波長における反射率が50%以上であることを意味するものとする。反射筒30の内面の光反射率としては、光触媒の吸収率が最大となる波長において、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。光触媒の活性化の観点からは、反射筒30の光反射率は大きい程よいが、製造コスト及び汚れ等による能力のばらつきを考慮すると必ずしも鏡面加工等を行うことが好ましいとは限らない。つまり、反射筒30は、アルミニウム板やステンレス板等の通常の金属材料を加工して形成することができ、そのような材料を前提として最適設計を行うことで、汚れ等による能力低下が小さい空気清浄機1が得られる。また、反射筒30の内面の反射は、正反射に限られず拡散反射を含んでもよい。
【0027】
反射筒30は、後述する保持具40を受け入れて支持する受入構造を有することが好ましい。本実施形態において、反射筒30は、周方向対称位置に設けられ、それぞれ軸方向に延びる一対の保持溝31を有する。反射筒30は、
図5に詳しく示すように、略対象に形成される一対の反射部材32と、一対の反射部材32の間に挟み込まれる一対のスペーサ33とを有する。
【0028】
反射部材32は、金属板を折り曲げて形成され、光源10から発せられた光を反射するハーフパイプ状の反射面を形成する円筒部34と、円筒部34の側縁から屈曲して延び、保持溝31の側壁を形成する一対の保持溝形成部35と、一方の保持溝形成部35から延び、ベース部材50に固定される固定部36とをそれぞれ有する。
【0029】
保持溝形成部35は、図示するように保持具40の形状に合わせて屈曲していてもよい。本実施形態の保持溝形成部35は、保持溝31の開口部の幅を大きくして保持具40を組み立てるために用いられるねじを受け入れることができるよう、段差を形成するように屈曲して延びる。スペーサ33は、保持溝31奥部の幅を画定する板状の部材である。
【0030】
触媒部材20と反射筒30との間隔の下限としては、触媒部材20の開口を通過して反射筒30で反射した光を触媒部材20の開口以外の部分に照射するために、触媒部材20の厚みの1倍が好ましく、1.5倍がより好ましい。一方、触媒部材20と反射筒30との間隔の上限としては、触媒部材20の面積(径)を大きくするために、10mmが好ましく5mmがより好ましい。つまり、触媒部材20と反射筒30との距離が近すぎる場合、正反射した反射光が触媒部材20の開口を通過し、触媒部材20の外側の光触媒に当たらないおそれがある。逆に、触媒部材20と反射筒30との距離が遠すぎる場合、後述する遠心送風機60に対応して定められる反射筒30の内径に対して触媒部材20の径を小さくする必要があるため、触媒部材20の有効面積が小さくなる。
【0031】
保持具40は、触媒部材20を保持し、反射筒30の中に軸方向に引き出し可能に挿入される。保持具40は、
図6に詳しく示すように、触媒部材20の外周に巻き付けられるよう配置される複数の帯状部41と、複数の帯状部41を連結するよう軸方向に延びる、反射筒30の保持溝31に嵌合する一対の接続部42とを有する構成とすることができる。この構成により、触媒部材20を取り出して容易にクリーニングすることができる。
【0032】
また、保持具40は、光源10の遠心送風機60と反対側の端部を保持する環状の保持部43と、光源10の遠心送風機60側に配置され、保持具40と共に光源10を反射筒30から引き抜くことを可能にする掻き出し部44とを有することができる。これにより、光源10も容易に取り出して交換やクリーニングすることができる。なお、光源10の遠心送風機60の端部は、後述するベース部材50によって保持することができる。
【0033】
ベース部材50は、反射筒30、遠心送風機60、排気流路形成部材70及び給気流路形成部材80を固定する。具体的には、ベース部材50は、反射筒30と遠心送風機60との間に介設される板状の垂直部51と、垂直部51から軸方向に延び、反射筒30が固定される延在部52とを有する工程とすることができる。
【0034】
垂直部51は、空気流路としての反射筒30と遠心送風機60とを接続する。このために、垂直部51には、空気が通過するため開口53が形成されている。これにより、遠心送風機60は、反射筒30の内側を通過した空気だけを吸い込む。開口53の内縁の形状は、反射筒30の円筒部34の端面に略合致するよう形成される。
【0035】
垂直部51には、光源10の遠心送風機60側の端部を把持する複数の弾性部材54が不動に配設されてもよい。このために、垂直部51は、開口53を横断し、弾性部材54が取り付けられる例えば帯状の横断部55を有してもよい。つまり、開口53は、横断部55を残すよう複数に分割して形成されてもよい。複数の弾性部材54は、保持具40の掻き出し部44と緩衝しないよう配設される。
【0036】
弾性部材54は、遠心送風機60と反対側に延び、弾性力により互いに接近し合うよう形成され、先端部が外側に屈曲して先端の間隔が光源10の端部の外径よりも大きくなっている。これにより、複数の弾性部材54の間に光源10を軸方向に差し込むことで、光源10の一端を弾性部材54に保持させることができる。つまり、光源10は、先に反射筒30の内側に触媒部材20を保持する保持具40を保持させた状態で、保持具40の保持部43に挿入し、先端が弾性部材54に把持され、他端が保持部43に嵌合する状態となるまで押し込むことで、空気清浄機1内の適切な位置に装着することができる。
【0037】
遠心送風機60は、反射筒30と略同軸に回転するインペラ61、及び反射筒30の一端に接続される吸込口62が形成されたハウジング63を有する。遠心送風機60は、軸方向に空気を吸い込んで、インペラ61により径方向外側に空気を移動させ、インペラの接線方向に空気を吐出する。具体的には、遠心送風機60としては、プレートファン(ラジアル送風機/径向き送風機)、シロッコファン(多翼送風機/前向き送風機)、ターボファン(後向き送風機)等を挙げることができ、中でもシロッコファンが特に好適に用いられる。なお、「略同軸」とは、厳密な軸の一致を要求せず、インペラ61の回転中心線が反射筒30の内部空間を貫通すればよい。
【0038】
遠心送風機60の吸込口62に反射筒30の一端をベース部材50の垂直部51を介して接続することで、吸込口62に流路を接続するための構成を有しない市販の遠心送風機60を使用することができるので、空気清浄機1のコストを低減することができる。
【0039】
遠心送風機60は、吸込口62に実質的に直接接続され、軸方向に延びる反射筒30を吸込流路として空気を吸引する。このため、反射筒30から遠心送風機60に直線的に空気が流れ込むので、反射筒30の内部に触媒部材20に沿う空気の流れを形成し、空気と光触媒との接触を促進することができる。
【0040】
より詳しくは、触媒部材20に沿って空気を流すことにより、空気の粘性や触媒部材20の凹凸(メッシュ形状)に起因して、触媒部材20のメッシュの中に入り込む微細な流れが形成される。このように、触媒部材20に沿って空気を流すことで、空気が触媒部材20の開口の内側の光触媒にも接触するため、触媒部材20を通過させるよう空気を流すよりもより小さい動力で効果的に空気を光触媒に接触させられる。また、反射筒30と略等しい径の吸込口62を有し、インペラ61の外径が反射筒30の内径よりも大きい遠心送風機を用いることで、遠心送風機60の能力に余裕ができる。このため、遠心送風機60の動作音を小さくすることができる。
【0041】
図7乃至9に、空気が触媒部材20を通過するようにした場合と、空気が触媒部材20に沿って流れるようにした場合とで、アセトアルデヒド、酢酸、及びトリメチルアミンの濃度の変化を比較した実験データを例示する。この実験において、空気が流れる経路以外の、光量(反射光を含む)、風量等の諸条件は等しくなるように調整した。
【0042】
これらの結果が示すように、触媒部材20に沿って空気を流すことで、各種の臭気成分をより効率よく分解することができることが確認できた。
【0043】
排気流路形成部材70は、遠心送風機60を収容し、遠心送風機60の反射筒30と反対側に反射筒30と略同軸に開口する排気口71を有する。遠心送風機60が吐出した空気を排気口71まで案内する排気流路を画定する。排気流路形成部材70は、遠心送風機60から吐出された空気が内壁に衝突し、動圧が静圧に変換されるような流路を形成することが好ましい。これにより、排気口71の全面から略均等に空気を排気することができる。また、排気口71から遠心送風機60を直視できない配置となるため、遠心送風機60の動作音が外部に伝わりにくい。
【0044】
具体的には、排気流路形成部材70は、遠心送風機60を収容し、遠心送風機60が吐出した空気の動圧を静圧に変換する内側部72と、内側部72から流出する空気を排気口71に導く外側部73とを有する構成とすることができる。
【0045】
給気流路形成部材80は、反射筒30の遠心送風機60と反対側に配置され、反射筒30と略同軸に開口する給気口81を有する。給気流路形成部材80は、反射筒30に隣接するようベース部材50に取り付けられる内側部82と、内側部82の反射筒30側軸方向視で外周部を封止する封止板83と、内側部82の反射筒30と反対側に接続され、給気口81が形成される外側部84とを有する構成とすることができる。
【0046】
内側部82は、軸方向視で、中央部に保持具40及び保持具40に保持される光源10及び触媒部材20を着脱するために形成される着脱開口85と、外周部に給気口81から吸い込んだ空気を通過させる流路開口86と、を有することが好ましい。内側部82は流路開口86を通過した空気を反射筒30に案内する流路を形成する。
【0047】
給気流路形成部材80は、流路開口86を通過した空気を空気清浄機1の使用時に着脱開口85を封止する光源カバー87をさらに有する。光源カバー87は、ノブ付きねじ、蝶ねじ等により内側部82に着脱可能に装着されることが好ましい。また、光源カバー87を装着しなければ光源10を発光することができないようにインターロックを構成することで、ユーザが誤って光源10から発せられる光を直視することを防止できる。
【0048】
外側部84は、給気口81を通過した空気を流路開口86に案内する流路を画定する。また、給気流路形成部材80は、流路開口86に配設されるフィルター88を有することが好ましい。
【0049】
本実施形態の空気清浄機1は、排気流路形成部材70及び給気流路形成部材80からそれぞれ延出する一対の脚部材74,89を有する。この脚部材74,89は、空気清浄機1を床面に載置するために使用できると共に、空気清浄機1を壁面に取り付けるためのブラケットとしても使用できる。
【0050】
外装部材90は、反射筒30のさらに外側に間隔を空けて配置され、その両端が排気流路形成部材70及び給気流路形成部材80により封止される筒状に形成される。反射筒30と外装部材90との間の空間には、光源10及び遠心送風機60に電力を供給するための動力回路及び制御装置(不図示)が収容される。つまり、空気清浄機1では、軸方向視において、遠心送風機60を使用するために必要な排気流路形成部材70に合わせて給気流路形成部材80及び外装部材90の軸方向視での大きさを設計し、反射筒30ひいては遠心送風機60の吸込口62と排気流路形成部材70との大きさの違いにより形成される空間に電気部品を収容することで、空気清浄機1の意匠性を向上することができる。
【0051】
以上のように、本実施形態に係る空気清浄機1は、反射筒30の一端を遠心送風機60の吸込口62に接続し、触媒部材20に沿って空気を流すことにより、効率よく空気を光触媒に接触させて有機物を分解することができる。また、空気清浄機1は、触媒部材20に沿って空気を流すことにより空気の流路抵抗が小さいので、遠心送風機60の駆動音が小さく、消費電力も小さい。
【0052】
以上、本発明の一実施形態に係る空気清浄機1について説明したが、本発明に係る空気清浄機の構成及びその効果は、上述したものに限定されない。例として、本発明に係る空気清浄機の給気口及び排気口は、光源と同軸に設けられなくてもよく、例えば径方向に空気を給排気するよう形成されてもよい。
【解決手段】本発明の一態様に係る空気清浄機は、光源と、筒状に形成されるメッシュ状の担持体及び前記担持体の表面に担持される光触媒を有し、前記光源の外側に間隔を空けて配置される触媒部材と、前記触媒部材のさらに外側に間隔を空けて配置され、前記光源から発せられて前記触媒部材を通過した光を反射する反射筒と、前記反射筒と略同軸に回転するインペラ、及び前記反射筒の一端に接続される吸込口が形成されたハウジングを有する遠心送風機と、を備える。