【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、独立請求項の主題によって解決される。さらなる実施形態は、従属請求項に組み込まれている。以下に記載する本発明の態様は、システム及び方法にも適用されることに留意される。
【0008】
一態様では、添付の請求項1に規定されるような移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置の位置決めデータを決定する装置が提供される。
【0009】
別の態様では、添付の請求項5で規定されるような移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置の位置決めデータを決定するためのシステムが提供される。
【0010】
別の態様では、添付の請求項9で規定される移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置の位置決めデータを決定する方法が提供される。
【0011】
別の態様では、添付の請求項14で規定されるコンピュータプログラム要素が提供され、別の態様では、添付の請求項15で規定されるコンピュータ可読媒体が提供される。
【0012】
本発明によれば、移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置の位置決めデータを決定する装置が、処理ユニットと、状態検出器とを有し、前記状態検出器は、移動式患者支持ユニット及び移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置のジオミトリデータ及びタイプデータを収集し、前記ジオミトリデータ及び前記タイプデータを含む状態信号を送信するように構成され、前記処理ユニットは、状態信号及び患者の関心領域位置に関するデータを受信するように構成され、前記状態信号及び前記関心領域位置に基づいて、前記処理ユニットは、移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置の位置決め及び位置合わせデータを決定し、前記X線画像取得装置に画像取得プロトコルを提供するように構成される。
【0013】
本装置は、X線画像取得装置の構成要素及び/又は移動式支持ユニットの構成要素の位置決めデータを自動的に決定してもよい。これは、装置がそれらのコンポーネントの角度方向と空間位置とに関する情報を取得することを意味する。その情報は、装置の状態検出器によって取得できる。
【0014】
状態検出器は、コンポーネントの調整可能性だけでなく幾何学的寸法に関する情報を提供する各コンポーネントのタイプを取得してもよい。例えば、移動式患者支持ユニットのコンポーネントの特定のタイプの長さが異なる場合、その可変性の拡張はタイプ情報により提供される。
【0015】
ジオミトリとタイプについて取得したデータは、コンポーネントの正確な距離と正しい角度を決定するために装置によって使用される。さらに、この装置は、取得したジオミトリデータ及び取得したタイプデータに基づいて、X線画像取得装置の画像取得プロトコルを提供する。画像取得プロトコルは、X線管から放出されるX線放射線の強度の値を提供してもよい。装置は、画像取得プロトコルを、取得したジオミトリ及びタイプデータに調整するために、画像取得プロトコルの1つ又は複数のパラメータ設定を修正できる。追加又は代替として、装置は、主要なプロトコル特性が異なる少なくとも2つの画像取得プロトコルから画像取得プロトコルを選択してもよい。これらの少なくとも2つの画像取得プロトコルは、装置の記憶ユニットに保存されてもよい。
【0016】
したがって、この装置は、移動式患者支持ユニット上の移動式X線画像取得装置でX線画像を取得するための正確な距離を決定する簡単な方法を提供する。これにより、移動式患者支持ユニット上の移動式X線画像取得装置の操作が簡単になる。
【0017】
本発明をさらに説明する前に、いくつかの用語の簡単な説明を提供する。
【0018】
用語タイプデータは、移動式患者支持ユニットのタイプ、移動式患者支持ユニットのコンポーネントのタイプ、X線画像取得装置のタイプ、及び/又はX線画像取得装置のコンポーネントのタイプであってもよい。
【0019】
用語ジオミトリデータは、移動式患者支持ユニットの構成要素及び/又は移動式支持ユニットに関連するX線画像取得装置の構成要素の位置及び位置合わせデータを含むことができる。
【0020】
用語関心領域位置は、移動式患者支持ユニットに関連して、X線画像取得装置によってイメージングされるべき領域の位置を決定することであってもよい。
【0021】
一例では、状態検出器は、接触スイッチ、位置検出素子、異なる長さを備える異なるコンポーネントの識別用のRF-IDタグ、又は角度検出用センサ、距離コントローラ、加速度計、又はコンポーネントの傾斜角などを測定するためジャイロセンサを有する。
【0022】
一例によれば、装置はさらにインターフェースを有し、前記インターフェースは、位置決め及び位置合わせデータをオペレータに提供し、及び/又はオペレータから患者の関心領域位置に関するデータを受信するように構成される。
【0023】
インターフェースは、可視及び/又は可聴形式で位置決め及び位置合わせデータに関する情報を提供する。したがって、インターフェースは、モニタ及び/又はボックスを備えてもよい。さらに、インターフェースは、可視、可聴、及び/又はジェスチャ形式でオペレータからデータを受信してもよい。したがって、インターフェースは、装置の簡素化と取り扱い、及び移動式患者支持ユニット上の移動X線画像取得装置の操作を向上させる。
【0024】
さらなる例によれば、処理ユニットは、コンパレータをさらに有し、前記コンパレータは、ジオミトリデータを位置決め及び位置合わせデータと比較し、ジオミトリデータが位置決め及び位置合わせデータと一致するかの情報を含む結果信号を提供するように構成される。
【0025】
したがって、コンパレータは、オペレータがX線画像取得装置と移動式患者支持ユニットのコンポーネントを正しく調整したかをチェックする。コンポーネントの位置決め後、ジオミトリデータが位置決め及び位置合わせデータと一致しない場合、コンパレータは警告信号を提供する場合がある。コンパレータは、ジオミトリデータが位置決め及び位置合わせデータと一致することを示す別の信号を提供する場合もある。これにより、装置の取り扱いと単純性、及び移動式X線画像取得装置と移動式患者支持ユニットのコンポーネントの位置合わせがさらに改善される。
【0026】
別の例では、処理ユニットは最適化モジュールを有し、前記最適化モジュールは、状態信号及び関心領域位置に基づいて、最適化される位置決め及び位置合わせデータ及び最適な画像取得プロトコルを決定するように構成され、処理ユニットは、最適な画像取得プロトコルに基づいて画像取得プロトコルを提供するように構成される。
【0027】
最適化モジュールは、画質を考慮して位置合わせと位置合わせのデータを最適化する。これにより、X線取得プロセスの結果の品質が向上するので、画像取得プロセスの繰り返しを回避できる。
【0028】
一例では、移動式患者支持ユニットは、X線画像取得システムのコンポーネントを移動式患者支持ユニットに取り付けるための接続要素を含む。
【0029】
本発明によれば、移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置の位置決めデータを決定するシステムは、移動式患者支持ユニット、X線画像取得システム、及び上記の説明による装置を有し、移動式患者支持ユニットは、支持ユニットを有し、前記支持ユニットは、前記X線画像取得システムの少なくとも一つの構成要素を前記移動式患者支持ユニットに取り付け、状態検出器は、支持ユニット及び移動式患者支持ユニットのタイプ及びジオミトリを検出するように構成され、位置及び位置合わせはジオミトリデータを規定する。
【0030】
支持ユニットは、X線画像取得システムに柔軟な位置決めシステムを提供する。位置決めは、X線画像取得システムの構成要素の距離と角度を含むことができる。さらに、X線画像取得システムは、支持ユニットによって正確に位置決めされ得る。
【0031】
一例では、移動式患者支持ユニットは、例えば、椅子、位置決め支持体、車椅子、特別な移動式ベッド、又はテーブルなどである。移動式患者支持ユニットは、患者の身体部位のための固定具、例えば、患者の腕のための固定具を有する。
【0032】
一例では、移動式患者支持ユニットは動きセンサを有し、動きセンサは、移動式患者支持ユニット上の患者の運動を決定し、動き信号を提供するように構成され、処理ユニットは、動き信号を受信するように構成され、さらに動き信号に基づいてX線画像を取得するための時点を決定するように構成される。
【0033】
動きセンサを用いて、画像取得プロセスで患者の動きを監視し、考慮することができる。したがって、患者の動きが既定の最小値を下回るときに画像が取得されるため、画像のぼやけは回避される。
【0034】
別の例では、支持ユニットは少なくとも2つの支持装置を有し、X線画像取得装置は、X線検出器及びX線管を含み、少なくとも2つの支持装置の少なくとも1つがX線管に取り付けられ、残りの支持装置の少なくとも1つがX線検出器に取り付けられる。
【0035】
さらなる例では、少なくとも2つの支持装置はジョイントコネクタ及び/又は回転軸受要素を有し、回転軸受要素は、移動式患者支持ユニットに接続され、少なくとも2つの支持装置のうちの少なくとも1つは、移動式患者支持ユニットに移動可能に取り付けられ、又は各々の支持装置はX線管とX線検出器のための固定マウントを提供する。
【0036】
一例では、X線画像取得装置は、X線管、X線検出器、X線発生器、画像データ取得ユニット、及び画像データ処理ユニットを備えてもよい。
【0037】
一例では、移動式患者支持ユニットは、患者の身体部分、例えば、患者の腕を保持するための固定具を有する。さらに、移動式患者支持ユニットは、支持装置を備えてもよく、支持装置は、支持装置の長さを変更するための入れ子要素を備える。
【0038】
一例において、ジョイントコネクタは、3つの異なる回転軸の周りの回転運動を可能にするジョイントを含む。
【0039】
一例では、回転軸受要素は、移動式患者支持ユニットの周りの支持装置の回転運動を提供し得る。
【0040】
一例では、さらなる支持装置のさらなるジョイントコネクタは、X線画像取得装置のさらなる要素に接続するように構成される。
【0041】
一例では、処理ユニットはさらに、移動式患者支持ユニットの構成要素の位置を監視するように構成される。さらに、処理ユニットは、同様に支持ユニットの構成要素に関するデータに基づいて、オペレータが、画像取得プロトコルに従って、提案される位置にマッチするように、オペレータのガイダンスのためのデータを提供してもよい。移動式患者支持ユニットは、所定の目的に応じて適切にセットアップされるか、又は取得が適切に行われる前に何を変更する必要があるかを報告することができる。
【0042】
一例では、撮像位置は最適な撮像位置である。撮像位置とは、X線管とX線検出器が移動式患者支持ユニット内の患者からX線画像を取得できる位置である。
【0043】
一例では、画像タスクに応じて、X線管とX線検出器の正しい相対位置を見つけるために、焦点を合わせた可視画像を展開することができる。 X線検出器の距離と中心点は、鮮明な可視画像が得られる距離を見つけることによって、つまり距離を変更することによって焦点を合わせることによって見つけられることができる。これにより、X線画像取得装置の操作がさらに簡単になる。
【0044】
さらなる例では、X線管とX線検出器の相対位置は、光学誘導により支援され得る。すなわち、イメージングタスクに応じて、X線管は光学誘導、例えば正方形のグリッドとフレームを投影し、与えられた距離でのX線検出器のサイズに対応する。このようにして、オペレータは、光グリッドがX線検出器に完全に投影されるとき、X線検出器を見つけて固定することができる。これにより、X線画像取得装置の位置合わせプロセスがさらに簡素化される。
【0045】
一例では、移動式患者支持ユニットは、撮像されるべき患者の腕、脚、頭などの位置決め要素を含む。
【0046】
一例では、支持装置は脚要素を備えてもよく、脚要素は足要素及び頭部要素を備え、頭部要素はジョイントコネクタに取り付けられ、足要素は、足要素が地面に接触するとき、脚要素を運ぶように構成される。
【0047】
一例では、回転軸受は移動式患者支持ユニットに取り付けられ、ジョイントコネクタは、X線管又はX線検出器に取り付けられ、処理ユニットは、位置状態信号を受信するように構成され、処理ユニットは、移動式患者支持ユニットに対してジョイントコネクタ及び/又は回転ベアリング要素の位置状態を監視するように構成される。
【0048】
さらに、本発明によれば、移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置のための位置決めデータを決定する方法であって、前記方法は、a)移動式患者支持ユニット及び状態検出器で移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置のジオミトリデータ及びタイプデータを収集するステップと、b)患者の関心領域位置に関するデータを取得するステップと、c)関心領域位置データ、ジオミトリデータ、及びタイプデータに基づいて、移動式患者支持ユニット上のX線画像取得装置のための位置決め及び位置合わせデータを決定するステップと、d)関心領域位置データ、ジオミトリデータ、及びタイプデータに基づいて画像取得プロトコルを提供するステップとを有し、ステップb)及びc)は、同時に又は任意の順序で実行されることができる、方法が提供される。
【0049】
一例では、この方法は、e)位置決め及び位置合わせデータをインターフェースによりオペレータに提供するステップを更に有する。
【0050】
別の例では、この方法は、f)ジオミトリデータをコンパレータで位置決め及び位置合わせデータと比較するステップと、 g)ジオミトリデータが位置決め及び位置合わせデータと一致するかのデータを含む結果信号を提供するステップとを更に有する。
【0051】
さらに、例では、ステップc)は、c1)状態信号に基づいて、最適化される位置決め及び位置合わせデータと最適な画像取得プロトコルを決定するステップと、 c2)最適な画像取得プロトコルに基づいて画像取得プロトコルを決定するステップとのサブステップを有する。
【0052】
さらなる例では、この方法は、h)移動式患者支持ユニット上の患者の動きを決定するステップと、 i)患者のX線画像を取得するための時点を決定するステップとを更に有する。
【0053】
例では、方法は自動的に実行される。
【0054】
さらに、本発明によれば、処理装置によって実行されるとき、上述の装置を制御するためのコンピュータプログラム要素が上述の方法ステップを実行するように構成される。
【0055】
また、本発明によれば、コンピュータ可読媒体は、上述のプログラム要素を記憶している。
【0056】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、説明される。
【0057】
本発明の例示的な実施形態を、以下の図面を参照して以下に説明する。