特許第6796735号(P6796735)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6796735熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796735
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/107 20140101AFI20201130BHJP
   C09D 11/08 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   C09D11/107
   C09D11/08
【請求項の数】4
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2020-34999(P2020-34999)
(22)【出願日】2020年3月2日
(65)【公開番号】特開2020-147746(P2020-147746A)
(43)【公開日】2020年9月17日
【審査請求日】2020年3月2日
(31)【優先権主張番号】特願2019-40087(P2019-40087)
(32)【優先日】2019年3月6日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000219912
【氏名又は名称】東京インキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川邉 和也
(72)【発明者】
【氏名】中舘 郁也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 光宏
【審査官】 宮地 慧
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6443814(JP,B2)
【文献】 特開2003−012983(JP,A)
【文献】 特開平02−173075(JP,A)
【文献】 FILE REGISTRY ON STN, RN 66028-15-7, Entered STN: 16 Nov 1984
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D
B41M
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソブチルメタクリレートと、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを含むアクリルモノマー成分より合成することによりなるアクリル樹脂と、
繊維系樹脂とを含有し、
前記アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、A/B=100/0〜100/250であり、
前記アクリル樹脂100%中に、前記イソブチルメタクリレートが5〜80質量%であり、前記リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが0.01〜2質量%であることを特徴とする低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物。
【請求項2】
さらに、前記アクリル樹脂100%中に、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルが0.1〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物
【請求項3】
さらに、顔料を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物
【請求項4】
前記顔料が、無機顔料および有機顔料のなかから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、惣菜容器や弁当容器などの食品用トレーは、ポリスチレンフィルムに意匠性の絵柄などを印刷し、該印刷フィルムを発泡したポリスチレンシートや耐衝撃性に優れたポリスチレンシートとを熱圧着でラミネート(以降、熱ラミネートという)して作られる。このときの印刷インキ組成物としては、アクリル樹脂やスチレン−アクリル共重合樹脂を主成分とするものが知られている。
【0003】
特許文献1には、アクリル樹脂と、セルロース・アセテート・ブチレート(CAB)樹脂および/またはセルロース・アセテート・プロピオネート(CAP)樹脂を含むバインダー樹脂と、顔料と、溶剤とを含有する熱ラミネート用スチレンフィルム用印刷インキ組成物であって、前記アクリル樹脂が、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸ブチルを含むアクリルモノマーより合成されてなり、アルコール系およびエステル系の有機溶剤に溶解あるいは分散され、かつ、CAB樹脂が、数平均分子量6万以下であり、さらに、CAP樹脂が、数平均分子量6万以下である熱ラミネート用スチレンフィルム用印刷インキ組成物が提案され、インキの保存安定性を維持しつつも、耐ブロッキング性の良好なインキを提供するものである。
【0004】
しかし、特許文献1は、インキの保存性についての評価では、実施例および比較例共に、アクリル樹脂とCABやCAPを含めば、良好の結果となっていることから、使用するアクリル樹脂がどのようなものでもインキ保存性に影響ないと考えられるが、より低い温度での熱ラミネートを行なう際に、使用するアクリル樹脂が、低温でも十分なラミネート強度を有することについて、まったく検討されていない。
【0005】
唯一、インキの保存性が劣る評価のものは、アクリル樹脂とニトロセルロース樹脂との併用(比較例6)であるが、該ニトロセルロース樹脂は、セルロースの水酸基を硝酸でニトロ化することにより、得られる。平均重合度は35〜480程度であり、ニトロ基への置換度により、バイオマス度が変化するが約50質量%がバイオマス由来の樹脂である。
【0006】
上記セルロース系の樹脂は、バイオマス材料として有効であることから、環境面で優れた樹脂と言えるので、使用量として増やした方が、より環境に有利であるといえる。前記した通り、特許文献1は、使用するアクリル樹脂とニトロセルロース樹脂を併用すると、インキ保存性が劣ることが明らかであり、当該樹脂を併用することについて、検討されていないこともさることながら、低温でも十分なラミネート強度を有することについても、まったく検討されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許5853832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、インキ組成物を印刷したフィルムの低温での熱ラミネート強度および成形適性が良好となる熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、イソブチルメタクリレートを含むアクリルモノマーより合成することによりなるアクリル樹脂を含有する熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物とすることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1)イソブチルメタクリレートと、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとを含むアクリルモノマー成分より合成することによりなるアクリル樹脂と、
繊維系樹脂とを含有し、
前記アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、A/B=100/0〜100/250であり、
前記アクリル樹脂100%中に、前記イソブチルメタクリレートが5〜80質量%であり、前記リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが0.01〜2質量%であることを特徴とする低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物、
(2)さらに、前記アクリル樹脂100%中に、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルが0.1〜5質量%であることを特徴とする(1)に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物
(3)さらに、顔料を含有することを特徴とする(1)または(2)に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物
(4)前記顔料が、無機顔料および有機顔料のなかから選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする(3)に記載の低温熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物
に関するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、インキ組成物を印刷したフィルムの低温での熱ラミネート強度および成形適性が良好となる熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、実施の形態が可能である。
【0013】
以下の説明において、(メタ)アクリルないし(メタ)アクリレートはそれぞれアクリルおよびメタクリル、アクリレートおよびメタクリレートを意味する。
【0014】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物(以下、単に「インキ組成物」または「インキ」ともいう。)は、イソブチルメタクリレートを含むアクリルモノマーより合成することによりなるアクリル樹脂を含有することが好ましい。
【0015】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物に使用されるアクリル樹脂は、アクリルモノマー成分として、イソブチルメタクリレートより常法により合成することによりなるものであることが好ましい。イソブチルメタクリレートを含むアクリルモノマー成分とするアクリル樹脂を使用することで、インキ組成物を印刷したフィルムの低温での良好な熱ラミネート強度および成形適性が良好となる。
【0016】
前記アクリル樹脂100%中に、前記イソブチルメタクリレートを1〜100質量%であることが好ましく、2〜95質量%であることがより好ましく、5〜80質量%であることがさらに好ましい。1質量%より少ないと、低温でのラミネート適性が出ないおそれがある。
【0017】
前記アクリル樹脂には、その他の(メタ)アクリル酸エステルを含有してもよい。例えば、炭化水素鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、なかでも、炭化水素鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル、リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルがより好ましい。
【0018】
前記炭化水素鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、クミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なかでも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0019】
前記リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記一般式(1)〜(3)で表わされる化合物が挙げられる。
CH=CRCOO(RO)P=O(OR (1)
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす、Rは炭素数が1〜4のアルキレン基を表わす、Rは炭素数が1〜8のアルキレン基を表わす、nは1〜8の整数を表わす)
[CH=CRCOO(RO)P=O(OR3−m (2)
(式中、R、Rは式1と同様、Rは水素原子または炭素数が1〜4のアルキル基を表わす、nは1または2の整数を表わす、mは2または3の整数を表わす)
CH=CRCOO(RO)P=O(O−Ph)(OH)2−m (3)
(式中、R、Rは式1と同様、Phはベンゼン環を表わす、nは1または2の整数を表わす、mは1または2の整数を表わす)
【0020】
前記アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジイソプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジイソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、1−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、1−(t−ブチルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート、2−(t−ブチルアミノ)エチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、なかでも、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
【0021】
前記カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、p−カルボキシベンジルアクリレート、エチレンオキサイド変性(付加モル数:2〜18)フタル酸アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピルアクリレート、コハク酸モノヒドロキシエチルアクリレート、アクリル酸β−カルボキシエチル、アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルなどが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸がより好ましい。
【0022】
前記アクリル樹脂100%中に、前記その他の(メタ)アクリル酸エステルを、0〜99質量%であることが好ましく、5〜98質量%であることがより好ましく、20〜95質量%であることがさらに好ましい。99質量%より多いと、低温でのラミネート適性が出ないおそれがある。
【0023】
前記その他の(メタ)アクリル酸エステルのなかでも、前記アクリル樹脂100%中に、前記リン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを0.01〜2質量%であることが好ましく、0.02〜1質量%であることがより好ましく、0.03〜0.5質量%であることがさらに好ましい。0.01質量%より少ないと、顔料を分散させることが困難となるおそれがあり、沈降しやすくなり、2質量%を超えると、顔料を分散させることはできるが、凝集が起きやすく、インキ粘度が変化(増粘)する(インキ安定性が劣る)おそれや発色に変化が出る(発色性が劣る)おそれがある。
【0024】
前記その他の(メタ)アクリル酸エステルのなかでも、前記アクリル樹脂100%中に、前記アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜3質量%であることがより好ましく、0.5〜2質量%であることがさらに好ましい。0.1質量%より少ないと、顔料を分散させることが困難となるおそれがあり、5質量%を超えると、顔料を分散させることはできるが、凝集が起きやすく、インキ粘度が変化する(インキ安定性が劣る)おそれや発色に変化が出る(発色性が劣る)おそれがある。
【0025】
前記アクリル樹脂の重量平均分子量は、2万〜20万が好ましく、3万〜11万がより好ましい。アクリル樹脂の重量平均分子量が、2万未満になると、熱ラミネートの際にポリスチレンフィルムとの凝集力が低下傾向を示し、成形加工時にブリスターが発生しやすくなるため好ましくなく、一方、重量平均分子量が、20万を超えると樹脂粘度が高くなってしまう。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算分子量として評価できる。
【0026】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物に使用される繊維系樹脂は、セルロースアセテートブチレート(以下、CABともいう。)、セルロースアセテートプロピオネート(以下、CAPともいう)、およびニトロセルロース樹脂のなかから選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0027】
前記セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートは、セルロースと適当な有機酸および/または酸無水物との反応により得られる。前記CABは、セルロースを酢酸および酪酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般にはアセチル化は2〜29.5質量%、ブチリル化は17〜53質量%、水酸基は0.8〜4.8質量%であり、バイオマス度は約50質量%である。前記CAPは、セルロースを酢酸およびプロピオン酸でトリエステル化した後、加水分解して得られる。一般にはアセチル化は0.6〜2.5質量%、プロピオニル化は42.5〜46質量%、水酸基は1.8〜5質量%であり、バイオマス度は約50質量%である。
前記ニトロセルロース樹脂は、セルロースの水酸基を硝酸でニトロ化することにより、得られる。平均重合度は35〜480程度であり、ニトロ基への置換度により、バイオマス度が変化するが約50質量%がバイオマス由来である。
【0028】
前記アクリル樹脂の固形分重量(A)と、前記繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、A/B=100/0〜100/250であることが好ましく、100/5〜100/200であることがより好ましく、100/10〜100/100であることがさらに好ましい。前記アクリル樹脂を使用することで、低温での熱ラミネート強度が向上するため、繊維系樹脂の固形分重量を増加させても、熱ラミネート強度が低下しにくくなる。しかし、繊繊維系樹脂の固形分重量(B)の割合が、250より多いと、熱ラミネート強度が劣ってくる。前記CAB、CAPの数平均分子量は、6万以下であるものが好ましく、1万〜3万のものがより好ましい。数平均分子量が低いほど樹脂粘度は低下するが、所望の耐ブロッキング性が低下することはない。数平均分子量が6万を超えると樹脂粘度が高くなり、印刷時にインキの転移が阻害され、意匠性の悪い印刷物となってしまう。特に、繊維系樹脂中に、ニトロセルロース樹脂を含有することにより、顔料分散性、耐ブロッキング性を向上させることができる。
【0029】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物には、前記アクリル樹脂、繊維系樹脂の他に、必要に応じて適宜、他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、ポリウレタンウレア樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩素化オレフィン樹脂、アルキッド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ロジン系樹脂(ロジン、硬化ロジン、重合ロジン、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂など)、ケトン樹脂、ポリブチラール樹脂、環化ゴム系樹脂、塩化ゴム系樹脂、石油樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ乳酸樹脂などが挙げられる。
【0030】
前記アクリル樹脂と、前記繊維系樹脂と、他の樹脂の合計の樹脂含有量は、固形分換算でインキ組成物中に、3〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることがさらに好ましい。樹脂の含有量が、3質量%よりも少ないとインキ組成物の製膜性に劣り、50質量%より大きいと、インキ組成物の流動性が悪く、インキ組成物の製造適性が劣る。他の樹脂を併用する場合、インキ組成物中の樹脂固形分全体のうち、30質量%以下であることが好ましい。特に、ニトロセルロース樹脂を併用する場合、インキ組成物中の樹脂固形分全体のうち、10質量%以下であることが好ましい。10質量%より大きいとスチレンフィルムへの接着性やラミネート強度が低下する。
【0031】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物は、顔料を含んでもよい。前記顔料としては、無機顔料および/または有機顔料であることが好ましい。
前記無機顔料としては、二酸化チタン、酸化鉄、硫酸バリウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、シリカ、アルミニウムペースト、パール顔料、カーボンブラック、真鍮、マイカなどが挙げられる。カーボンブラックは、無機顔料に区分されることもあるが、本発明では除く。なかでも、二酸化チタン、酸化鉄、アルミニウムペーストのなかから選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
前記有機顔料としては、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフラロン顔料、ジオキサジン系顔料、ピロロピロール系顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。また、カーボンブラックも好ましい。なかでも、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、カーボンブラックのなかから選ばれる少なくとも1つであること好ましい。特に、有機顔料である場合、使用される前記アクリル樹脂は、アクリルモノマー成分として、さらに、アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル含むことが好ましい。これら顔料は、インキ組成物の濃度、着色力、隠蔽力に応じ、適宜添加量が決められるが、インキ組成物中に0.1〜50質量%含有することが好ましい。
【0032】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物に使用される溶剤としては、通常グラビアインキに使用される溶剤を使用することができ、前記アクリル樹脂を該溶媒中に溶解または分散させるものが好ましい。グラビアインキに使用される溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチルなどのエステル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコール系溶剤およびこれらのエステル化物が挙げられ、エステル化物としては主にアセテート化したものが選ばれ、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらは、単独もしくは2種以上混合して使用することができる。
インキ組成物中に溶剤は30〜95質量%の範囲内であることが好ましい。30質量%より少ないと固形分が多くなり、流動性がなくなる。95質量%より多いと粘度が低くなり、有機顔料が沈降しやすくなる。また、バイオマス由来の溶剤としてエタノールなども使用できる。なかでも印刷作業環境を考慮して、芳香族炭化水素系溶剤を含まないことが好ましい。
【0033】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物には、必要に応じて、耐摩擦強化剤、ブロッキング防止剤、顔料分散剤、静電防止剤、滑剤、架橋剤、消泡剤、乾燥調整剤、可塑剤、粘着付与剤、密着向上剤、レベリング剤、酸化防止剤などを添加することができる。なかでもバイオマス由来の添加剤であればなおよい。
【0034】
顔料分散剤としては、通常グラビアインキに使用されるポリエステル系顔料分散剤が使用できる。市販品としては、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB824、アジスパーPB881(味の素ファインテクノ(株)製)、ソルスパース24000、ソルスパース56000(日本ルーブリゾール(株)製)などが挙げられる。なかでも、塩基性基含有ポリエステル系高分子分散剤が好ましく使用できる。顔料分散剤の含有量は、インキ組成物中の全顔料100質量部に対して、通常1〜200質量部の範囲内であることが好ましく、1〜60質量部であることがより好ましい。顔料分散剤の含有量が、1質量部より少ないと、インク組成物が沈降したり、著しい増粘がみられたりする(顔料分散性が低下する)おそれがある。200質量部を超えて含有させることもできるが、さらなる顔料分散向上に効果が出ないおそれがある。
【0035】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物は、アクリル樹脂と、繊維系樹脂と、顔料と、各種添加剤を、溶剤の存在下で、均一に混合、分散する公知の方法で製造できる。顔料を分散させる際は、凝集している顔料を0.01〜1μm程度の平均粒径になるまで微粒子化して、分散体を得ることによって製造できる。
【0036】
前記混合、分散には、各種撹拌機または分散機が使用でき、ディスパー、ボールミル、サンドミル、アトライター、ビーズミル、ロールミル、ペブルミル、ペイントシェーカー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、パールミル、超音波ホモジナイザー、湿式ジェットミル、ニーダー、ホモミキサーなどが挙げられる。ビーズミルを使用する際の製造方式は特に制限されないが、パス方式でも循環式でもよく、パス方式は複数回分散体を通す複数パス方式でもよい。
分散体における有機顔料の平均粒径は、ビーズミルのビーズ分離機構、ビーズ種、ビーズ粒径、ビーズ充填率、撹拌羽の形状および枚数、回転速度、分散体の粘度、吐出量、プレミックス時間などによって適宜調整できる。
インキ組成物中の粗大粒子や気泡は、公知のろ過機や遠心分離機などにより取り除くことができる。
【0037】
インキ組成物の粘度は、10〜1,000mPa・s/25℃の範囲内であることが好ましい。10mPa・sより小さいと、粘度が低すぎて、顔料が沈降しやすい傾向になり、1,000mPa・sより大きいと、流動性が悪く、インキ製造時に支障が出たり、容器への充填が困難となる。この場合、ブルックフィールド型粘度計やコーンプレート型粘度計などの市販の粘度計を用いて測定することができる。
インキ組成物中の固形分としては、2〜80質量%の範囲内であることが好ましい。2質量%より低いと、印刷時の塗布量が十分でなく、80質量%を超えると、流動性が悪く、インキ化が困難となる。
インキ組成物は、印刷条件に適した粘度や濃度にまで、希釈溶剤で適宜希釈して印刷に供される。
【0038】
前記希釈溶剤は、インキ組成物の粘度や濃度を調整でき、アルコール系が特に好ましい。市販品としては、AC301溶剤(含トルエン系)、AC372溶剤(ノントルエン系)(以上、いずれも東京インキ(株)製)などが挙げられる。
なかでも、印刷作業環境を考慮すると、ノントルエン系の希釈溶剤が好ましい。また、バイオマス由来の有機溶剤などを使用することが好ましい。
【0039】
前記インキ組成物が印刷に供される際の粘度は、ザーンカップNo.3((株)離合社製)にて、25℃において13〜25秒の範囲内であることが好ましい。13秒より小さいと、泳ぎやすく、25秒より大きいと印刷時の転移性が悪くなる。
【0040】
印刷時に、必要に応じて、インキ組成物に、硬化剤を添加することもできる。例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート(スタビオPDI)などの脂肪族ジイソシアネートおよびこれらのトリメチロールプロパン三量体、イソシアヌレート体、ビュレット体、アロファネート体などの変性体などのポリイソシアネート系硬化剤が挙げられる。これらは、単独または2種類以上混合して使用することができる。
なかでもバイオマス由来としては、ペンタン−1,5−ジイソシアネートおよびこれらの変性体が好ましい。
【0041】
本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物を、スチレンフィルム上に塗工して印刷層を形成し、該印刷層上にラミネート層とを有する積層体であることが好ましい。
【0042】
前記スチレンフィルムは、熱ラミネートに適用できるものであればよく、延伸ポリスチレン(OPS)フィルム、無延伸ポリスチレン(CPS)フィルムがより好ましい。スチレンフィルムの厚さは、印刷適性、巻き取り適性などに支障のない範囲内であれば、特に制限はないが、5〜100μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。また、未処理のものも選択できるが、印刷面に印刷層やラミネート層の密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などを施すか、あらかじめ施されたものが選択できる。
【0043】
前記印刷層は、品質および生産性の高さからグラビア印刷法により塗工されて形成されることが好ましい。特に多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷法により作成されることがより好ましい。前記印刷層は、レーザー版と呼ばれる腐食版またはダイヤモンドの針によって掘られる彫刻版を使用して、グラビア印刷機によって、印刷される。印刷速度は通常30〜350m/分の範囲内である。
【0044】
前記ラミネート層は、前記印刷層上に有することが好ましい。前記ラミネート層は、例えば、加熱ロールの熱圧着(ラミネータ)による熱ラミネート、樹脂を含む接着剤(接着フィルム)を介するドライラミネート、ノンソルベントラミネート、ウェットラミネート、または樹脂の溶融による押出ラミネート、あるいは接着剤などを介して貼り合せたりすることにより印刷層上に樹脂を塗布する。特に、熱ラミネート、押出ラミネートがより好ましい。また、樹脂を二層以上重ねて押出ラミネートしてもよい。この場合、用いる樹脂は同種であっても、別の樹脂であってもよい。
【0045】
前記熱ラミネートに用いる樹脂は、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンあるいはポリエステル樹脂が好ましく、なかでも汎用性の観点から、汎用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、発泡スチレンペーパー(PSP)などが好ましい。熱ラミネートで積層する具体例としては、HIPSシートやPSPを前記スチレンフィルムと積層する際に、スチレンフィルム側を加熱ロールで加熱し、この加熱ロールとHIPSシート、PSP側に配置したニップロールとでHIPSシート、PSPやスチレンフィルムとを加圧して両者を熱接着する。本発明では、熱ラミネートで積層する際に低温とされる温度としては、一般的な熱ラミネート温度より低い温度、概ね130℃以下で熱ラミネートをしても、十分なラミネート強度を有する温度とする。
【0046】
前記押出ラミネートに用いる樹脂は、ポリスチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン系樹脂のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。また、基材と同種の樹脂でもよいし、異種の樹脂でもよい。押出ラミネートで積層する具体例としては、スチレンフィルムの印刷層面に必要に応じてアンカーコート剤を塗布し、加熱溶融された樹脂膜(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)を、前記樹脂からなるフィルムとスチレンフィルムの印刷層面の間に薄膜状に押し出して圧着、積層する。
【0047】
ラミネート層の厚みとしては、100μm〜5mmであることが好ましく、剛直な容器や深絞り成形してなる容器やトレイに成形加工するためには、200μm以上であることがより好ましく、300μm以上であることがさらに好ましい。また軽量性や断熱性の観点から5mm程度の発泡熱可塑性樹脂シートが好ましく、特に発泡ポリプロピレン(EPP)、発泡ポリエチレン(EPE)、発泡ポリスチレン(EPS)が好ましい。
【0048】
前記作成した積層体は、包装用、食品保存用、農業用、土木用、漁業用、自動車内外装用、船舶用、日用品用、建材内外装用、住設機器用、医療・医療機器用、医薬用、家電品用、家具類用、文具類・事務用品用、販売促進用、商業用、電機電子産業用などに使用できる。
【0049】
本発明の積層体を用いて作成される形態としては、ロケット、三角パック、ゲーブルトップ、ブリック、シボリ、カップ、トレイ、ボトル、ブリック、コンテナ、ボックス、ケース、番重、カバー、蓋材、キャップ、ラベル、インモールドカップなど包装用途に用いられる周知の形態のいずれでもよい。
【0050】
シールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シールなどの公知の方法で行うことができる。
【実施例】
【0051】
以下に実施例および比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部は質量部を、%は質量%を表す。
【0052】
<実施例1>
アクリル樹脂溶液1 62部、酢酸エチル 9.5部、酢酸n−プロピル 9.5部、イソプロピルアルコール 19部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、インキNo.1を100部得た。同様に、表1〜表3および表12の配合に従い、実施例2〜44、比較例1〜2、比較例10〜11のインキNo.2〜44、No.206〜207、No.215〜216を作製した。
【0053】
<実施例45>
フタロシアニン系顔料(C.I.Pigment Blue15:4)10部、顔料分散剤(アジスパーPB824、味の素ファインテクノ(株)製) 1部、アクリル樹脂溶液1 40部、CAPニス1 12部、酢酸エチル 9.2部、酢酸n−プロピル 9.2部、イソプロピルアルコール 18.6部を混合撹拌した後、ペイントシェーカーにて、分散させて、インキNo.45を100部得た。同様に、表3〜表12の配合に従い、実施例46〜205、比較例3〜9、比較例12〜18のインキNo.46〜205、No.208〜213、No.217〜223を作製した。
【0054】
使用した材料は以下のものとした。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、ポリスチレン換算分子量として評価した。
アクリル樹脂溶液1:樹脂100質量%中、100質量%含有するイソブチルメタクリレートの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液2:樹脂100質量%中、1質量%含有するイソブチルメタクリレートと34質量%含有するメチルメタクリレートと65質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液3:樹脂100質量%中、80質量%含有するイソブチルメタクリレートと15質量%含有するメチルメタクリレートと5質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液4:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと1質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと17質量%含有するメチルメタクリレートと32質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液5:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと1質量%含有するアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと21質量%含有するメチルメタクリレートと27.96質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液6:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと2質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと1質量%含有するアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと21質量%含有するメチルメタクリレートと26質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液7:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと0.1質量%含有するアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと21質量%含有するメチルメタクリレートと28.86質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液8:樹脂100質量%中、50質量%含有するイソブチルメタクリレートと0.04質量%含有するリン酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルと5質量%含有するアミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと21質量%含有するメチルメタクリレートと23.96質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、イソプロピルアルコール/酢酸エチル=1/1混合溶剤、固形分40%、重量平均分子量60,000
アクリル樹脂溶液9:樹脂100質量%中、35質量%含有するメチルメタクリレートと65質量%含有するブチルメタクリレートとの常法による合成によりなる樹脂、固形分40%、重量平均分子量50,000
CAPニス1:下記の配合にて作成
CAPニス2:下記の配合にて作成
CAB二ス1:下記の配合にて作成
CAB二ス2:下記の配合にて作成
フタロシアニン系顔料:Pigment Blue 15:4
モノアゾ系顔料:Pigment Red 48:3
ジスアゾ系顔料:Pigment Yellow 14
二酸化チタン:Pigment White 7
弁柄(酸化鉄):Pigment Red 101
アルミニウムペースト:Pigment Metal 1(固形分50%)
カーボンブラック:Pigment Black 7
顔料分散剤:アジスパーPB824(味の素ファインテクノ(株)製)
【0055】
CAPニス1
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートプロピオネートCAP−504−0.2(数平均分子量15,000、プロピオニル含有率40〜45%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CAPニス1を作成した。CAPニス1の樹脂固形分は15%、バイオマス度は54.4〜59.4%であった。
【0056】
CAPニス2
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートプロピオネートCAP−482−0.5(数平均分子量25,000、プロピオニル含有率43〜47%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CAPニス2を作成した。CAPニス2の樹脂固形分は15%、バイオマス度は50.5〜54.5%であった。
【0057】
CABニス1
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートブチレートCAB−381−0.5(数平均分子量30,000、ブチリル含有率36〜40%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CABニス1を作成した。CABニス1の樹脂固形分は15%、バイオマス度は46.5〜50.5%であった。
【0058】
CABニス2
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール42.5部、酢酸エチル21.25部、酢酸n−プロピル21.25部を仕込み、撹拌しながらセルロースアセテートブチレートCAB−553−0.4(数平均分子量20,000、ブチリル含有率44〜50%、イーストマンケミカル社製)を15部添加して、CABニス2を作成した。CABニス2の樹脂固形分は15%、バイオマス度は48〜54%であった。
【0059】
ニトロセルロース樹脂ワニス
撹拌機のついた丸底フラスコに、イソプロピルアルコール36部、酢酸エチル21.3部、酢酸n−プロピル21.3部を仕込み、撹拌しながら硝化綿 RS1/16(TNC社製)を21.4部添加して、ニトロセルロース樹脂ワニスを作成した。ニトロセルロース樹脂ワニスの樹脂固形分は15%、バイオマス度は47.7%であった。
【0060】
各インキについて、熱ラミネート強度、成形適性を評価し、表13〜表16にそれぞれ示した。
【0061】
[印刷物の作製]
4色グラビア印刷機(富士機械工業(株)製)の1〜4色印刷各ユニットに、セラミックドクター((株)東京製作所製)、クロム硬度1050Hv/スタイラス130度の彫刻ヘリオ版((株)東和プロセス製)、ファニッシャーロールを取り付け、インキを希釈溶剤AC372(東京インキ(株)製)にて、ザーンカップNo.3で粘度15秒に調整した後、第1ユニットのインキパンにインキを投入した。全てのユニットにおいて、ドクター圧2kgf/cm、乾燥温度50℃、印圧2kg/cm、印刷速度150m/分にて、厚み20μmのスチレン(OPS)フィルム(GM、旭化成(株)製)に印刷して、印刷物を8,000m得た。また、印刷中は粘度コントローラー((株)メイセイ製)にて、一定に保った。その後、転移性、耐ブロッキング性について評価した。
【0062】
<熱ラミネート強度>
該印刷物の印刷層面と発泡ポリスチレンシート(高発泡PSシート)とを合わせ、該印刷物のフィルム面に厚さ12μmのポリエステルフィルムを置き、ラミネータを用いて、温度120℃、速度5m/minの条件で熱圧着でラミネートを行い、その後ポリエステルフィルムを取り去り、積層体を形成した。積層体のスチレンフィルム面に粘着テープを貼り付け、25mmの幅に切り、引張試験機(RTE−1210(株)オリエンテック製)により、剥離速度300mm/min、剥離角度90°の条件で熱ラミネート強度を測定した。当該剥離強度試験において、スチレンフィルムが切れるものが良好と判断した。剥離強度試験について、○:スチレンフィルムが切れる、×:それ以外、の2段階で評価した。
【0063】
剥離強度試験においては、最も接着強度の弱い箇所から剥離し、インキ/高発泡PSシート間での剥離の場合は、インキの高発泡PSシートに対する熱ラミネート強度が弱いという目安となる。また、スチレンフィルムへの密着と熱ラミネート強度がいずれも強い場合、剥離界面は「層」で剥離せず、スチレンフィルムと高発泡PSシートの両方にインキが引っ張られて、引きちぎられ、凝集破壊と呼ばれる現象が起こる。さらに、最も好ましい剥離は、上記と同様に両方にインキが引っ張られるが、凝集破壊ではなく、スチレンフィルムが切れる状態であると考えられる。
【0064】
成形適性は、次の試験により、評価した。
【0065】
<ブリスター試験>
前記<熱ラミネート強度>と同様の方法にて、積層体を形成した。形成した成形前の積層体を、恒温機に入れ、90℃、60分間でプレヒートを行い、ブリスターの発生状況を目視にて観察した。ブリスターが発生しないものが、良好であると判断した。○:ブリスターが発生しない、×:発生する、の2段階で評価した。なお、ブリスターとは、印刷膜面が部分的に剥離してふくれ、水ぶくれのようになる現象をいう。
【0066】
<容器成形時のインキ割れ>
前記<熱ラミネート強度>と同様の方法にて、積層体を形成した。真空成形機(小型真空成形機フォーミングシリーズ300X型、成光産業(株)製)を用いて1辺100mm幅の正方形状の容器を作成した。作成した容器の外観を目視にて観察した。インキ割れが発生しないものが良好と判断した。○:インキ割れが発生しない、×:インキ割れが発生する、の2段階で評価した。なお、インキ割れとは、容器などを成形する際に、容器の底の角部や丼形状容器の曲面など伸びが大きい部分で、印刷層のインキ膜がひび割れのようになる現象をいう。
【0067】
<成形容器のラミネート強度>
前記<容器成形時のインキ割れ>と同様の方法にて、容器を形成した。形成した容器のスチレンフィルム面に粘着テープを貼り付け、25mmの幅に切り、引張試験機(RTE−1210(株)オリエンテック製)により、剥離速度300mm/min、剥離角度90°の条件で熱ラミネート強度を測定した。当該剥離強度試験において、スチレンフィルムが切れるものが良好と判断した。剥離強度試験について、○:スチレンフィルムが切れる、×:それ以外、の2段階で評価した。



























【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
【表11】





















【0079】
【表12】
【0080】
【表13】
【0081】
【表14】
【0082】
【表15】
【0083】
【表16】
【0084】
表13〜表16の結果より、実施例1〜205の本発明の熱ラミネート用スチレンフィルム用グラビア印刷インキ組成物は、インキ組成物を印刷したフィルムの低温での熱ラミネート強度および成形適性が良好であった。イソブチルメタクリレートを含まないアクリルモノマーより合成することによりなるアクリル樹脂を使用したインキ組成物を使用した比較例1〜9は、低温でのフィルムの熱ラミネート強度や成形適性が劣る。また、アクリル樹脂の固形分重量100に対して、繊維系樹脂の固形分重量が、250を超える比較例10〜18についても、低温でのフィルムの熱ラミネート強度や成形適性が劣る。