特許第6796738号(P6796738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6796738
(24)【登録日】2020年11月18日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】冷却塔システム
(51)【国際特許分類】
   F28G 1/16 20060101AFI20201130BHJP
   F28F 25/02 20060101ALI20201130BHJP
【FI】
   F28G1/16 Z
   F28F25/02
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2020-97871(P2020-97871)
(22)【出願日】2020年6月4日
【審査請求日】2020年6月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】末吉 克也
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−097964(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3129588(JP,U)
【文献】 特開平05−118789(JP,A)
【文献】 特開2002−147993(JP,A)
【文献】 特開平04−330126(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28C 1/00
F28F 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却塔の冷却水を下部水槽へ直接流す下部水槽配管と、
冷却水内の異物を取り除く除去装置と前記下部水槽とを接続する除去配管と、
を備え、
前記下部水槽配管は、前記除去配管が前記下部水槽に設置されている位置の回りに周回している周回部を有し、
前記周回部には、冷却水を放出する複数の放出口を有し、
前記複数の放出口の各々は、放出口が位置している前記周回部の管の伸びる方向の一方向に対して、0°<θ<90°の範囲で角度θ傾いて放出口から冷却水を放出し、
前記放出口は、管の伸びる方向に対して垂直方向の外周上に並ぶ3つの孔からなり、
前記3つの孔は、重力方向に開いた第1の孔と、当該第1の孔を挟んで前記周回部が周回する内側に向く第2の孔および外側に向く第3の孔とからなる
ことを特徴とする冷却塔システム。
【請求項2】
前記第1の孔と前記第2の孔との間隔および当該第1の孔と前記第3の孔との間隔が、略等間隔である請求項に記載の冷却塔システム。
【請求項3】
前記放出口が冷却水を噴射する噴射ノズルを備える請求項1または2に記載の冷却塔システム。
【請求項4】
バルブは自動弁で予め定められた規則に基づいて、自動的に散水制御することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の冷却塔システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却塔システムに関する。
【背景技術】
【0002】
工場や空調設備などで循環使用される水の冷却を目的として野外に冷却塔が設置されている。この冷却塔の内部では、水を充填材に注ぎかけ、冷却塔の外部から取り込んだ空気と水とを直接接触させてこれらの温度差を利用した熱伝達、いわゆる顕熱による冷却と、水自体の蒸発、いわゆる潜熱による冷却とを利用して水の温度を所定範囲まで低下させている。充填材は、例えば硬質塩化ビニール製であり複雑な3次元構造をしており、水を膜状に分散させ気液接触面積を大きくすることができる。水温が低下した冷却水は、冷却塔の下部水槽に落下し、この下部水槽に設けられた落し込み水槽から循環配管を介して熱交換器へ送水される。
このような冷却塔では、外部から大気を取り込むことにより外部から大気中の有機物や固形物等が入り込む。また、前述のとおり、冷却塔では冷却水の蒸発が生じることから、冷却水が濃縮され、水中の溶存物質が析出しやすくなる。冷却塔内の充填材等で析出したスケールが充填材から剥がれ落ちると冷却塔の下部水槽に固形物として堆積する。
特許文献1では、冷却水処理装置において、冷却水系内で発生する沈殿物であるスラッジを、手間をかけることなく効率的に回収し、冷却水系以外へ排出する技術が記載されている。特許文献1に記載の発明では、下部水槽内に低流速部が設けられている。そして、低流速部で滞留しているスラッジは、ポンプによって、ろ過器に送られ、スラッジがろ別される。ろ過器を通過したろ過水は下部水槽へ返送される。
特許文献2では、冷却塔内の下部水槽にスラッジが堆積することを抑制するろ過システムが記載されている。下部水槽に貯留される循環冷却水をろ過するシステムがあり、ろ過された処理水を下部水槽に返送する。返送用の配管は下部水槽の内壁に沿って周回するように設置さている。そして、周回するように設置された返送配管には、内周側に向かって処理水を放出する放出口が所定の間隔で複数設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−246203号公報
【特許文献2】特開2012−97964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
文献1、2に記載の冷却塔システムでは、下部水槽の縁などに沈殿物が留まり堆積しやすい部分が生じやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の冷却塔システムは、冷却塔の冷却水を下部水槽へ直接流す下部水槽配管と、冷却水内の異物を取り除く除去装置と前記下部水槽とを接続する除去配管と、を備え、前記下部水槽配管は、前記除去配管が前記下部水槽に設置されている位置の回りに周回している周回部を有し、前記周回部には、冷却水を放出する複数の放出口を有し、前記複数の放出口の各々は、放出口が位置している前記周回部の管の伸びる方向の一方向に対して、0°<θ<90°の範囲で角度θ傾いて放出口から冷却水を放出し、前記放出口は、管の伸びる方向に対して垂直方向の外周上に並ぶ3つの孔からなり、前記3つの孔は、重力方向に開いた第1の孔と、当該第1の孔を挟んで前記周回部が周回する内側に向く第2の孔および外側に向く第3の孔とからなることで沈殿物を抑制する。
上記冷却塔システムは、前記第1の孔と前記第2の孔との間隔および当該第1の孔と前記第3の孔との間隔が、略等間隔であっても良い。
上記冷却塔システムは、前記放出口が冷却水を噴射する噴射ノズルを備えても良い。
上記冷却塔システムは、バルブは自動弁で予め定められた規則に基づいて、自動的に散水制御しても良い。
【発明の効果】
【0006】
本願の発明によると、堆積物の溜まりやすい部分が生じるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例1に係る冷却塔システムの概略図である。
図2】実施例1に係る冷却塔システムを上から見た図である。
図3】周回配管を横から見た図であり、放出口から冷却水が放出されている図である。
図4】周回配管の断面図であり、放出口から冷却水が放出されている図である。
図5】実施例2に係る冷却塔の下部水槽を横から見た図である。
図6】実施例2に係る冷却塔の下部水槽を上から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を用いて本実施形態における冷却塔システム1の全体の構成例を説明する。
冷却塔システム1は、循環システムと冷却システムとからなる。冷却システムで冷却された冷却水を循環システムによって熱交換器30へ流す。熱交換器30は、例えば、冷凍システムにおいて冷媒を冷やす凝縮器である。熱交換器30で温められた冷却水を循環システムによって冷却システムへ流す。そして、冷却システムで冷やされた冷却水を循環システムが熱交換器30へ流し、冷却水を循環させるシステムである。
【0009】
冷却システムは、充填材52と、ファン51とを備え、ファン51が空気の流れを作り、充填材52に散水された冷却水を外気に接触させることで冷却水の一部を気化させ、冷却水を冷却するシステムである。
【0010】
循環システムは、下部水槽11と除去装置24とブロー配管25とポンプ23と散水配管21と冷却水配管22とバルブ41−45を備える。下部水槽11は、冷却塔の下部にあり冷却水を集める槽である。下部水槽11の中央付近に落し込み水槽12があり、落し込み水槽12から冷却水配管22が接続されている。中央付近とは、例えば、ある矩形の中央付近は、矩形の中心から矩形までの長さに対して中心から1/3以内の領域をいい、下部水槽11の中央付近とは、下部水槽11の水平断面における中心から内壁までの距離に対し、中心から1/3以内の領域をいう。冷却水配管22はポンプ23と除去装置24を繋ぎ、熱交換器30と接続されている。ただし、除去装置24は、冷却水が通水できる箇所であればよく、特定の箇所に限定するものではない。除去装置24は、冷却水中の異物を除去できれば良く、ろ過装置であったりセパレータであったりする。ろ過装置は、例えば、膜ろ過装置、ろ材充填ろ過器等を挙げることができる。膜ろ過装置に用いるろ過膜に特に制限はないが、ろ材充填ろ過器は、例えば、砂、アンスラサイト等を好適に用いることができる。なお、サイクロン式のセパレータのようにメンテナンスの必要性が少ないものが好ましい。落し込み水槽12から除去装置24へと接続する冷却水配管22が、除去配管の一例である。除去装置24からブロー配管25が接続されており、除去装置24で分離された冷却水内の異物がブロー配管25を通じて外へ排出される。熱交換器30で熱交換された冷却水は冷却水配管22を通って冷却システムへ流れる。冷却水配管22は、ポンプ23から熱交換器30へ行く途中で分岐している。分岐した冷却水配管22は熱交換器30を通った管と合流し冷却システムへ流れる。合流した冷却水配管22は冷却塔内部を通り、冷却塔内部で散水配管21と分岐している。散水配管21は下部水槽11へ直接冷却水を散水する。なお、本実施例では、冷却水配管22と散水配管21は冷却塔内部で分岐しているが、冷却塔の外部で分岐しても良い。
散水配管21が、下部水槽配管の一例である。
【0011】
散水配管21の形状を説明する。
図2は冷却塔を上から見た図であり、散水配管21は、冷却水配管22と接続されており、冷却水配管22から分岐するとバルブ44がある。バルブ44を通過した散水配管21は下部水槽11の縁につきあたり分岐している。分岐した散水配管21は、下部水槽11の縁と充填材52に沿って周回している。散水配管21の周回している部分を以下、周回配管26と呼ぶ、周回配管26は散水配管21の一部であり、周回配管26は周回部の一例である。
【0012】
周回配管26は、落し込み水槽12を中心として周回している。周回配管26には、冷却水を下部水槽11へ流すための放出口27が複数開いている。本実施例では、下部水槽の冷却水は図2のように時計回りに渦状の流れを形成している。
図3は周回配管26を横から見た図である。放出口27は、周回配管26の管の伸びる方向の一方向に対して、0°<θ<90°の範囲で角度θ傾いて孔が開けられている。周回配管26の側面にある放出口も周回配管26の管の伸びる方向の一方向に対して、角度θで傾いている。周回配管26は例えば、ポリ塩化ビニール製のパイプであり、パイプに周回配管26の管の伸びる方向に対して、角度θ傾けて孔を設けることにより、周回配管26の管の伸びる方向に対して傾いた放出口を開けることができる。このように、管の伸びる方向に対して傾いた孔を開けることができれば、周回配管26は金属製でも良いし、その他の素材でも良い。放出口27から放出される冷却水は、放出口の傾きに沿って周回配管26の管の伸びる方向の一方向に対して角度θの方向に放出される。
図4図3に記載のA―A´断面であり、周回配管26内の菅の伸びる方向に垂直な断面図である。放出口27の位置としては本実施例では図4のように周回配管26の外周側、すなわち下部水槽の縁側へ水が流れるように周回配管26に放出口27cが開いている。また、周回配管26の重力方向に放出口27bと、周回配管26の内周側に放出口27aが開いている。放出口27は、周回配管26の管の伸びる方向の一方向に沿って所定の間隔で配置されている。所定の間隔は、一定の間隔でも良いし、間隔の長さが異なっていても良い。放出口27の位置、角度は下部水槽11の形状などにより、適宜決められる。
【0013】
<実施例1の冷却塔の仕様>
冷却能力 200RT相当 (860kW、739,500kcal/h)
入口温度 37℃
出口温度 32℃
外気湿球温度 27℃
電源 3相400V 50Hz
電動機出力 5.5kW×1台 ※冷却塔のファン
冷却水量 147.9m3/h
【0014】
次に、冷却塔システム1の動作を説明する。
まず、熱交換器30が稼働しており、熱交換器30へ冷却水を流す必要がある場合を説明する。ポンプ23を稼働させると、落し込み水槽12内の冷却水はポンプ23に吸い込まれ、除去装置24を通って吐き出される。落し込み水槽12は、下部水槽11の底面から下方に窪んだ状態で設けられている。
【0015】
熱交換器30へ冷却水を流す場合は、バルブ42、43を開放し、バルブ41を閉鎖させ、冷却水を熱交換器30へ流す。熱交換器30を通った冷却水は、解放されたバルブ45を通り、充填材52の上部から散水される。充填材52に散水された冷却水は、冷却システムで冷やされ、下部水槽11へ落ち、循環する。バルブ41−45は手動バルブでも自動バルブでも良い。
【0016】
この際バルブ44を閉鎖していると冷却水は散水配管21を通らず、全て充填材52の上部へ流れることになる。
バルブ44を開放すると散水配管21に冷却水が流れ周回配管26の放出口27から冷却水が放出される。
【0017】
本実施例では、放出口27は周回配管26の管の伸びる方向の一方向に対して0度から90度の角度で傾けられているため、放出口27から放出された冷却水は、下部水槽内の冷却水に対して、渦状の流れをつくることになる。それによって、下部水槽中のスラッジは冷却水の流れに乗って渦の中央すなわち周回配管26の中央付近に集められる。周回配管26の中央付近に除去装置24へ接続されている配管を設置することで渦に乗って集められたスラッジを除去装置24へ送り出し、除去装置24によってスラッジが回収される。
常時、冷却水の一部を分岐して散水しても良いし、分岐箇所に自動弁を設けてタイマー等で定期的に散水しても良い。
また、熱交換器30を稼働させる必要がないときに、バルブ42とバルブ43を閉鎖させ、バルブ41を開放する。さらに、充填材52の上部へつながる冷却水配管22のバルブ45を閉鎖させ、散水配管21へのバルブ44を開放することで熱交換器30へ冷却水を流さずに下部水槽11へ冷却水を直接流すことができる。
本実施例では、渦状の水流を作ることで固形物が堆積しやすい充填材52の下部に定期的に水の流れを作り出すことによって堆積物の発生を抑制する。
【0018】
実施例2として、熱交換器30へ冷却水を搬送するポンプ23とは別に除去装置24へ冷却水を搬送するポンプ28を有する実施例を図5図6を用いて、説明する。
図5は、実施例2の下部水槽11を冷却塔の横から見た図となっており、落し込み水槽12にはポンプ23へ接続される配管が設置されており、ポンプ23から出た冷却水は記載を省略した熱交換器へ送られる。また、落し込み水槽12の下中央にポンプ28につながる配管が設置されている。ポンプ28へ接続される配管は落し込み水槽12につながるブロー配管等から分岐しても良い。ポンプ28から出る配管は除去装置24へつながっている。除去装置24から出た配管は冷却塔の下部水槽11へ延び、周回配管26を作っている。
図6は、実施例2の冷却塔を上部から見た図であり、周回配管26が落し込み水槽12を取り囲み設置されている。本実施例の矩形の下部水槽11は、短手方向に2150mm長手方向に3200mmの大きさとなっている。実施例2の落し込み水槽12は図6の下部水槽11の中央付近にあり、落し込み水槽12の中央付近にポンプ28を通って除去装置24へつながる配管が設置されている。除去装置24から出る配管は周回配管26へつながっている。
周回配管26は、周回配管26の長手方向に1950mmで周回配管26の短手方向に1600mmとなっている。周回配管26は、周回配管26の放出口27から放出される冷却水が作る下部水槽11内の渦の中心の位置が除去装置24へつながる配管付近となるように周回していれば良い。このように、下部水槽11内の渦の中心の位置が除去装置24へつながる配管付近となれば、周回配管26の配置は図6のような矩形状でなくてもよく、円形であったり、その他の形状であっても良い。本実施例では図6のように、周回配管26は、周回配管26の短手方向が下部水槽11の長手方向に沿うように設置されており、矩形に配置された周回配管26の中央付近に除去装置24へつながる配管がある。
放出口27から放出される冷却水は周回配管26の周回配管26内の水が流れる方向から略45度の角度をもって放出されている。周回配管26は、重力方向に放出口27bが開いており、重力方向から略45度の位置に放出口27a、27cがそれぞれ位置している。放出口27aと放出口27bの間の距離と放出口27bと放出口27cの間の距離とはほぼ等しく、略等間隔で3つの孔がならんでいる。この3つ孔からなる放出口27が周回配管26の配管が伸びる方向に215mmの間隔で並んでいる。
【0019】
<実施例2のポンプ28の仕様と放出口27の仕様>
ポンプ28の吐出流量 21m3/h
放出口27の孔径 5mmφ
放出口27から放出される冷却水の流速 3m/s
【0020】
次に、実施例2の動作を記載する。
図5は実施例2の冷却塔システムを表す図である。実施例2の冷却塔システムはポンプ28によって、落し込み水槽12の中央付近に接続されている配管から冷却水を引き込み、除去装置24に冷却水を送り、ろ過された冷却水が下部水槽11に返却される。実施例2の冷却塔システムでは、放出口27から流れる冷却水により、下部水槽11全体に渦状の流れが生じ、周回配管26の中心部に渦の中心がある。冷却水中のスラッジは冷却水の流れに乗って渦の中心に流されてくる。渦の中心に流されてくるスラッジをポンプ28が吸い込み除去装置24へ送ることでスラッジが回収される。
【0021】
以上のように、実施例を挙げ、本発明を詳細に説明したが、本発明は実施例に限定されるものではない。
例えば、本実施例では、周回配管26に角度を付けて孔を開けることで周回配管26の管の伸びる方向の一方向に対して0°<θ<90°の角度で冷却水が下部水槽11に放出されているが、周回配管26に冷却水を噴射するノズルを取り付け周回配管26の管の伸びる方向の一方向に対して0°≦θ<90°の角度でノズルを傾けても良い。傾けたノズルから冷却水を放出することで下部水槽内の水に流れを生じさせ渦状の流れを作ることができる。この場合、ノズルが放出口の一例となる。
また、ブロー配管25から異物と共に排出される冷却水や充填材52で気化される冷却水によって減少した冷却水を補充するための配管を周回配管26に接続し、補充する冷却水を周回配管26の放出口27から放出しても良い。
周回配管26にポンプを設け、下部水槽内の冷却水を周回配管に引き込み、引き込んだ冷却水を放出口27から放出しても良い。
【符号の説明】
【0022】
1…冷却塔システム、11…下部水槽、12…落し込み水槽、21…散水配管、22…冷却水配管、23…ポンプ、24…除去装置、25…ブロー配管、26…周回配管、27…放出口、28…ポンプ、30…熱交換器、41〜45…バルブ、51…ファン、52…充填材
【要約】
【課題】冷却塔の下部水槽に沈殿物が留まり堆積しやすい部分が生じるのを抑制する。
【解決手段】冷却塔の冷却水を下部水槽へ直接流す下部水槽配管と、冷却水内の異物を取り除く除去装置と前記下部水槽とを接続する除去配管と、を備え、前記下部水槽配管は、前記除去配管が前記下部水槽に設置されている位置の回りに周回している周回部を有し、前記周回部には、冷却水を放出する複数の放出口を有し、前記複数の放出口の各々は、放出口が位置している前記周回部の管の伸びる方向の一方向に対して、0°<θ<90°の範囲で角度θ傾いて放出口から冷却水を放出することを特徴とする冷却塔システムである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6