【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年7月27日に大阪機械記者クラブ室にて「TOLSO+カラーオーダーメイドサービス発表会」において発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記対話部は、前記シミュレーション部によって算出された色合いをもつ前記照明空間の表示における一部の上に、選択の対象となる前記複数の種類の照明空間の表示を重ねる重畳表示の制御をし、前記複数の種類の照明空間から一つの照明空間を選択する指示を取得した場合には、選択された前記照明空間について前記シミュレーション部によって得られる色合いを反映した前記重畳表示の制御をする
請求項2記載の照明空間シミュレーション装置。
前記複数の照明光には、光源からの光を天井及び壁を含む構造物に当てて得られる反射光による間接照明における照明光、及び、光源の光によって直接、照明空間を照らす主照明における照明光が含まれる
請求項10記載の照明空間シミュレーション装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置及び照明空間シミュレーション方法について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0015】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0016】
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置を含むシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、照明空間シミュレーション装置1は、インターネット4による通信が可能なLAN2とルータ3とを経てインターネット4を介して端末装置5及び6に接続される。
【0017】
照明空間シミュレーション装置1は、本開示に係る照明空間シミュレーション装置の一例であり、照明空間となる二次元又は三次元の画像データの色情報を変更するシミュレーションを行うパーソナルコンピュータである。ここで、照明空間とは、照明装置が発する照明光によって照らされる空間のことである。照明空間シミュレーション装置1は、照明光の色によって照明空間に存在する壁や構造物などの色合いの見え方の変化をシミュレーションする。
【0018】
また、照明空間シミュレーション装置1は、端末装置5及び6を利用するユーザから照明空間又は色情報等のシミュレーション条件の指示を取得し、当該指示に従って照明空間のシミュレーションを行うWebサーバである。ここで、色情報とは、所定の色温度及び所定の色偏差を示す情報である。つまり、照明空間シミュレーション装置1は、所定の色温度及び所定の色偏差を有する光色の照明光を発する照明装置によって、照明空間全体が照らされたときの当該照明空間の色合いをシミュレーションする点に特徴を有する。
【0019】
ルータ3は、LAN2とインターネット4とを相互接続するゲートウェイとして機能する。
【0020】
端末装置5及び6は、照明空間シミュレーション装置1に各種指示を与える、或いはデータの送受信を行うWebクライアントとしてのコンピュータである。本実施の形態では、端末装置5及び6は、それぞれ、照明空間シミュレーション装置1を利用するユーザが使用するパーソナルコンピュータである。ユーザは、端末装置5又は6を操作して、インターネット4を介して照明空間シミュレーション装置1を利用する。
【0021】
次に、照明空間シミュレーション装置1の具体的な構成について説明する。
【0022】
図2は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1の特徴的な機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、照明空間シミュレーション装置1は、入力部10と、記憶部14と、表示部16と、通信部17と、制御部11と、を備える。
【0023】
入力部10は、ユーザの指示を取得するデバイスである。つまり、照明空間シミュレーション装置1は、インターネット4を介さずに入力部10から直接シミュレーション条件等の指示を取得してもよい。入力部10は、ユーザからの指示を取得できればよく、限定されないが、例えば、キーボード又はタッチパネルである。
【0024】
記憶部14は、制御部11(具体的には、後述するシミュレーション部13)がシミュレーションを行う際に必要とする照明空間情報15等を記憶するメモリである。記憶部14は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等で構成される。
【0025】
照明空間情報15は、シミュレーション部13がシミュレーションを行う際に利用するデータである。照明空間情報15は、例えば、カフェ又はホテル等の空間を示す照明空間を特定するデータである。照明空間を特定するデータには、二次元で表示される画像データだけではなく、三次元空間を示すデータも含まれる。照明空間を特定するデータは、例えば、CG(Computer Graphics)で処理されたデータである。
【0026】
表示部16は、制御部11(具体的には、後述する対話部12)から受け取った情報等を画像として映し出すディスプレイである。
【0027】
通信部17は、照明空間シミュレーション装置1とインターネット4に接続されるLAN2(
図1参照)とを接続させる通信インターフェースである。
【0028】
制御部11は、ユーザによって指示された条件に従ってシミュレーションを行い、当該シミュレーション結果に応じた画像を生成して出力する制御を行う処理部である。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と記憶部14に格納された制御プログラムとによって実現される。制御部11は、機能としては対話部12とシミュレーション部13とで構成される。
【0029】
対話部12は、GUI(Graphical User Interface)であり、照明光及び照明空間の少なくとも一つを特定する指示をユーザから取得する処理部である。また、対話部12は、ユーザから取得した指示がシミュレーションを行う指示であった場合に、シミュレーション部13に当該指示に応じたシミュレーションを行わせる。また、対話部12は、シミュレーション部13が行ったシミュレーション結果を取得し、当該シミュレーション結果に応じた画像を生成して表示させる制御をする。具体的には、対話部12は、当該画像をユーザが使用する端末装置5、6、又は照明空間シミュレーション装置1の表示部16に表示させる制御をする。
【0030】
シミュレーション部13は、対話部12が取得したユーザからのシミュレーション条件に従ってシミュレーションを行う処理部である。
【0031】
なお、対話部12及びシミュレーション部13は、例えば、CPUと記憶部14に格納された制御プログラムとによって実現される。対話部12及びシミュレーション部13は、一体として構成されてもよいし、別体として構成されてもよく、限定されない。
【0032】
また、ユーザは端末装置5、6又は照明空間シミュレーション装置1を操作することで、ユーザが望む照明空間におけるシミュレーション結果を画像で確認することができるが、ユーザが操作する装置は、上述したように、限定されない。以降の説明においては、ユーザは、端末装置5を操作して、インターネット4を介して照明空間シミュレーション装置1を利用するものとして説明する。つまり、対話部12は、ユーザが操作する端末装置5からインターネット4を介してユーザからの指示を取得し、当該指示に応じた画像を生成して、端末装置5に表示させる制御を行うものとする。
【0033】
次に、対話部12及びシミュレーション部13の詳細について説明する。
【0034】
対話部12は、照明光及び照明空間の少なくとも一つを特定する指示をユーザから取得する。照明光を特定する指示とは、照明光の色温度及び色偏差を特定する指示である。
【0035】
ここで、色温度とは、表現しようとする光色を、所定の温度の黒体(外部から入射する光等を、あらゆる波長にわたって完全に吸収し、放出する物体)から放射される光色と対応させた数値である。色温度が高いほど光色は青みを帯び、色温度が低いほど光色は赤みを帯びる。色温度の単位は、K(ケルビン)で表現される。また、色偏差(Duv)とは、CIE(国際照明委員会)が定める色度図における黒体軌跡上の色温度を示す色度からのずれを表したものである。Duvがプラス側にずれると、色度図では黒体軌跡の下側にずれ、光色は紫みを帯びる。また、Duvがマイナス側にずれると、色度図では黒体軌跡の上側にずれ、光色は緑みを帯びる。つまり、同じ色温度(相関色温度)でも、色偏差が異なると光色は異なる。言い換えると、色温度及び色偏差を用いて照明光の色を表現することで、黒体軌跡上にはない色(色度)を表現することができる。シミュレーション部13は、ユーザが指示した色温度及び色偏差の光色を発する照明光で照らされた照明空間のシミュレーションが可能である。こうすることで、ユーザは、所望の色の照明光が照らされた照明空間の色合いを確認できる。
【0036】
また、照明光を特定する指示には、照明光の調光及び調色に関する指示も含まれてもよい。例えば、対話部12は、ユーザから照明光の明るさの指示を取得する。シミュレーション部13は、当該指示に応じた照明空間全体の明るさをシミュレーションする。
【0037】
また、照明光を特定する指示には、複数の照明光を特定する指示も含まれてもよい。例えば、照明空間に複数の照明装置が設置される場合に、照明装置ごとに当該照明装置が発する照明光の色温度及び色偏差の指示をユーザから取得する。
【0038】
また、複数の照明光には、光源(照明装置)からの光を天井及び壁を含む構造物に当てて得られる反射光による間接照明における照明光、及び、光源の光によって直接照明空間を照らす主照明における照明光が含まれる。つまり、シミュレーション部13は、照明空間の天井及び壁等の光反射率等の特性を変えてシミュレーションを行う。さらには、シミュレーション部13は、照明空間内に配置された間接照明又は主照明を発する照明装置ごとに照明光の色温度及び色偏差(調色)、照明光の光強度(調光)、照明光が出射さえる方向(配光)等の指示をユーザから取得してシミュレーションを行う。
【0039】
また、対話部12は、シミュレーション部13によって算出された色合いをもつ照明空間を表示する制御をする。具体的には、対話部12はユーザが利用する端末装置5にシミュレーション部13によって算出された色合いをもつ照明空間を表示させる制御をする。
【0040】
また、対話部12は、シミュレーション部13によって算出された色合いをもつ照明空間の表示における一部の上に、選択の対象となる複数の種類の照明空間の表示を重ねる重畳表示の制御をする。また、対話部12は、複数の種類の照明空間から一つの照明空間を選択する指示をユーザから取得した場合には、選択された照明空間についてシミュレーション部13によって得られる色合いを反映した重畳表示の制御をする。
【0041】
また、対話部12は、照明光の色温度及び色偏差について、2組の指示をユーザから取得した場合に、シミュレーション部13によって算出された色合いをもつ照明空間について、仕切り線を用いて分離される2つの空間を表示する2分割表示の制御をする。具体的には、上記2つの空間について、一方を上記2組のうちの一方の色温度及び色偏差の照明光に対応して得られた色合いで表示し、かつ、他方を2組のうちの他方の色温度及び色偏差の照明光に対応して得られた色合いで表示する2分割表示の制御をする。また、対話部12は、上記仕切り線の位置を移動させる指示をユーザから取得した場合には、取得した指示に従って当該仕切り線の位置を移動させながら、2分割表示の制御をする。
【0042】
また、対話部12は、さらに、ズームに関する指示をユーザから取得した場合には、取得した指示に従って照明空間をズームして表示する制御をする。例えば、ユーザは、端末装置5に表示された照明空間における所定の範囲を指示する。対話部12は、ユーザから上記所定の範囲を取得し、照明空間が表示されている画像に当該範囲の拡大画像を重畳表示させる制御する。
【0043】
また、対話部12は、照明空間に存在する物品の色の指示をユーザから取得する。例えば、照明空間に当該物品の一例である自動車が表示されている場合に、自動車の色をユーザは指示する。対話部12は、当該指示を取得する。シミュレーション部13は、当該指示に応じて上記自動車の色を変更し、その後に当該自動車に照明光が照射された場合の色合いをシミュレーションする。
【0044】
また、対話部12は、照明空間における視点の位置を特定する指示をユーザから取得する。上述したように、照明空間を特定するデータは、二次元で表示される画像データだけではなく、三次元空間を示すデータでもよい。例えば、対話部12は、端末装置5に三次元の照明空間を表示させる制御をする。ユーザは、端末装置5で当該照明空間を確認し、当該照明空間における位置(視点)及び方向(視野範囲)を指示する。対話部12は、当該位置及び方向の指示を取得し、当該位置から当該方向を見た場合における照明空間の画像を生成する。
【0045】
シミュレーション部13は、対話部12で取得したユーザからの指示に従って、照明空間の色合いのシミュレーションを行う。具体的には、シミュレーション部13は、対話部12によって取得されたユーザが指示する色温度及び色偏差の照明光で、ユーザが指示する照明空間全体が一様に照らされた場合の照明空間の色合いをシミュレーションによって算出する。
【0046】
なお、ユーザから取得する指示は、照明光及び照明空間の少なくとも一つが特定されればよい。例えば、対話部12が取得したユーザからの指示が、照明光の色温度及び色偏差が特定し、且つ、照明空間が特定しなかったとする。この場合、シミュレーション部13は、記憶部14に記憶された照明空間情報15の一例である照明空間を示す複数の情報の中から、一つを任意に選択して当該指示の照明光の色温度及び色偏差でシミュレーションを行うこととしてもよい。シミュレーション部13が任意に照明空間を選択する方法は、特に限定されないが、記憶部14に予め定められた選択方法に従えばよい。例えば、ユーザが指示した色温度及び色偏差に応じて照明空間が選択されてもよい。また、例えば、対話部12が取得したユーザからの指示が、照明空間を特定し、且つ、照明光の色温度及び色偏差を特定しなかったとする。この場合、対話部12は、記憶部14に予め定められた色温度及び色偏差を取得する。シミュレーション部13は、対話部12が取得した色温度及び色偏差の照明光を用いて、ユーザが指示した照明空間でシミュレーションを行うこととしてもよい。
【0047】
ここで、シミュレーション部13が行うシミュレーションの方法の一具体例について説明する。まず、二次元又は三次元の、1画素ごとの色が特定された照明空間であるCGを予め作成して記憶部14に記憶させておく。次に、ユーザの指示に従って当該照明空間に所定の色温度及び所定の色偏差の光色を有する照明光が照らされた場合の色合いの照明空間を作成する。
【0048】
例えば、対話部12が、ユーザから色温度が4000Kであり、且つ、色偏差がDuv+3である光色を示す指示を取得したとする。シミュレーション部13は、色温度が4000Kであり、且つ、色偏差がDuv+3である光色の照明光が照明空間全体に一様に照射されたとして、当該照明空間の色合いを算出する。具体的には、シミュレーション部13は、照明空間の1画素ごとの色を、当該照明光の光色に応じて変更する。こうすることで、シミュレーション部13は、色温度が4000Kであり、且つ、色偏差がDuv+3である照明光が照明空間全体に一様に照射された場合の照明空間の色合いを決定する。
【0049】
なお、三次元の照明空間を示すCGにおいては、壁又は天井などの構造物及び自動車等の物品の外表面のみが照明光が照らされる部分として色度が設定されていればよい。
【0050】
また、シミュレーション部13は、所定の光色の照明光が照明空間全体に一様に照射されたとして、当該照明空間の色合いを算出するとしたが、これに限らない。例えば、照明空間に照明光を発する照明装置が配置されているとする。その場合に、当該照明装置が発する照明光の光強度(光量)及び配光を予め設定しておく。また、壁又は天井などの構造物の光反射率も予め設定しておく。対話部12がユーザから照明光の色温度及び色偏差の指示を受け取った場合に、シミュレーション部13は、当該照明装置が発する照明光の光色を指示された色温度及び色偏差でシミュレーションする。こうすることで、当該照明装置が発する照明光が照らされた照明空間全体の色合いをユーザは確認できる。
【0051】
また、シミュレーション部13は、対話部12が取得した指示に従って、複数の種類の照明空間から選択された一つの照明空間についてシミュレーションを行う。例えば、照明空間は、記憶部14に記憶された照明空間情報15でもよいし、ユーザから取得した照明空間でもよい。
【0052】
また、シミュレーション部13は、上述したように、光源からの光を天井及び壁を含む構造物に当てて得られる反射光による間接照明における照明光、及び、光源の光によって直接照明空間を照らす主照明における照明光によるシミュレーションを行う。つまり、シミュレーション部13は、照明空間の天井及び壁等に予め設定された光反射率等を反映してシミュレーションを行う。さらには、対話部12が間接照明又は主照明を発する照明装置ごとに照明光の色温度及び色偏差の指示をユーザから取得した場合には、シミュレーション部13は、照明装置ごとに当該指示に応じた条件でシミュレーションを行う。
【0053】
次に、対話部12及びシミュレーション部13の動作の基本的な流れについて説明する。
【0054】
図3は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1による照明空間シミュレーションの基本的な動作の手順を示すフローチャートである。
【0055】
まず、対話部12は、ユーザから照明光及び照明空間の少なくとも一つを特定する指示を取得するための画像を生成し、当該画像を表示させる制御をする(S10)。例えば、対話部12は、ユーザに照明空間を選択させるために、照明空間を示す複数の画像を生成し、ユーザが利用する端末装置5に当該複数の画像を表示させる制御をする。また、対話部12は、照明空間の色合いを示す色温度及び色偏差をユーザに指示させるための画像を生成し、端末装置5に表示させる。
【0056】
次に、対話部12はユーザからの指示を取得する(S11)。例えば、ステップS10において生成された照明空間を示す複数の画像から、ユーザは照明空間を示す画像を1つ選択する。また、ユーザは、ステップS10において生成された照明空間の色合いを示す色温度及び色偏差をユーザに指示させるための画像から、色温度及び色偏差を1組選択する。対話部12は、ユーザに選択された照明空間並びに色温度及び色偏差の指示を取得する。
【0057】
次に、シミュレーション部13は、対話部12にてシミュレーションを行う指示をユーザから取得した場合(S12において「シミュレーション」)、当該指示に従ってシミュレーションを行う(S13)。例えば、シミュレーション部13は、ユーザが選択した照明空間に、ユーザが選択した色温度及び色偏差を有する照明光が照射された場合の照明空間の色合いのシミュレーションを行う。対話部12は、シミュレーション部13が行ったシミュレーションの結果を示す画像(照明空間画像)を生成し、当該画像を表示させる制御をする。具体的には、対話部12は、当該画像をユーザが操作する端末装置5に表示させる制御をする(S10)。
【0058】
また、対話部12で取得したユーザからの指示がシミュレーションを行う必要がある指示ではなかった場合(S12において「その他」)、対話部12は当該指示応じた処理を実行する(S14)。例えば、対話部12がズームに関する指示をユーザから取得した場合には、取得した指示に従って照明空間をズームして表示する制御をする。具体的には、対話部12は、ユーザから取得した指示に含まれるズームさせる範囲の指示に従って当該範囲を拡大した画像を生成して、端末装置5に表示させる制御をする。
【0059】
上述したように、対話部12がユーザからの指示を取得する(S11)。次に、対話部12が当該指示の指示内容を判断する(S12)。次に、対話部12又はシミュレーション部13は判断された指示内容に応じた処理を行う(S13又はS14)。次に、対話部12は、ステップS13又はステップS14で行われた処理に応じた画像を生成して、表示させる制御をする(S10)。このように、対話部12及びシミュレーション部13は、上述したステップS10〜ステップS14の動作を繰り返す。照明空間シミュレーション装置1の利用を終了する指示をユーザから取得した場合(S12において「終了」)、対話部12は動作を終了する。
【0060】
次に、
図4〜
図13を用いて対話部12がユーザの操作する端末装置5に表示させる照明空間画像の一具体例について説明する。対話部12は、上述したように、ユーザからの指示に応じた画像を生成し、当該画像を表示させる制御をする。
【0061】
図4は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する、ユーザに照明空間を選択させる画像の一具体例を示す図である。照明空間シミュレーション装置1は、ユーザから照明空間シミュレーション装置1を利用する指示を取得した場合に、まず
図4に示す照明空間選択画像211を生成して、照明空間選択画像211を表示させる制御をする。
【0062】
図4に示すように、照明空間選択画像211には、照明空間を示す複数の画像(照明空間212〜216)が含まれる。対話部12は、記憶部14から記憶部14に記憶された照明空間情報15の一例である照明空間212〜216を示すデータを取得し、照明空間212〜216を含む照明空間選択画像211を生成する。なお、照明空間選択画像211には、色温度及び色偏差をユーザに選択させるための画像が表示されていないが、対話部12は、色温度及び色偏差をユーザに選択させるための画像を生成して表示させる制御をしてもよい。
図4は、対話部12が予め定められた色温度及び色偏差を有する照明光によって照明空間212〜216全体が一様に照射された場合の照明空間212〜216を示す画像である。ユーザは、端末装置5に表示された照明空間選択画像211が含む照明空間212〜216から1つの照明空間を選択する。対話部12は当該選択をユーザからの指示として取得する。
【0063】
図5は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する照明空間画像の一具体例を示す図である。具体的には、
図5は、
図4においてユーザが照明空間212を選択した場合に、対話部12が生成する画像である。
【0064】
シミュレーション部13は、
図4に示す照明空間212〜216からユーザが指示した照明空間において、予め定められた色温度及び色偏差を有する照明光によって照射された場合の照明空間の色合いのシミュレーションを行う。対話部12は、当該シミュレーションの結果を示す照明空間画像100を含む表示画像400を生成して端末装置5に表示させる制御をする。
【0065】
図5に示すように、対話部12が生成した画像である表示画像400は、照明空間画像100と、シミュレーション条件選択部200とから構成される。
【0066】
照明空間画像100は、ユーザが選択した照明空間に、所定の色温度及び所定の色偏差を有する照明光が照らされた場合の照明空間の色合いを示す画像である。対話部12がユーザから所定の色温度及び所定の色偏差の指示を取得している場合には、所定の色温度及び所定の色偏差は、当該指示の色温度及び色偏差である。対話部12がユーザから所定の色温度及び所定の色偏差の指示を取得していない場合には、所定の色温度及び所定の色偏差は予め定められた色温度及び色偏差である。本実施の形態においては、一例として、ユーザが照明空間212を選択した場合に、対話部12は、色温度が4000Kであり、且つ、色偏差がDuv+3である照明光によって照らされた照明空間212が照明空間画像100として生成する。
【0067】
なお、照明空間シミュレーション装置1は、所定の色温度及び所定の色偏差を有する照明光が照明空間に照射された場合の当該照明空間の色合いを示すデータを照明空間情報15として予め記憶部14に保持していてもよい。その場合、シミュレーション部13は、ユーザからの指示に応じて記憶部14から当該指示に応じたデータ(照明空間情報15)を取得してもよい。その場合、対話部12は、当該データ(照明空間情報15)に応じた画像(照明空間画像100)を生成し、端末装置5に当該画像を表示させる制御をすればよい。
【0068】
シミュレーション条件選択部200は、シミュレーション部13が行うシミュレーションの条件をユーザが変更したい場合に選択する画像である。シミュレーション条件選択部200は、照明空間選択部210と、内装材選択部220と、光色選択部230と、表示モード選択部240と、比較画像選択部250と、画像保存選択部260と、照明サンプル発注選択部270とで構成される。
【0069】
照明空間選択部210は、ユーザが照明空間を変更したい場合に選択する画像である。
【0070】
内装材選択部220は、照明空間に表示された空間の壁W又は天井C等の構造物320の質感をユーザが変更したい場合に選択する画像である。ここで、質感とは、壁W又は天井C等を構成する材料の形状、光吸収率又は光反射率等の特性のことである。例えば、構造物320の材料がコンクリートと木材とでは、照明光を照射した際に当該照明光の光反射率が異なる。そのため、構造物320の質感を変更することで、照明空間全体に照明光を照射した場合に、照明空間全体の色合いは変化する。また、構造物320の質感だけではなく、物品Aの色合いを変化できてもよい。
【0071】
光色選択部230は、照明空間に照射される照明光の色温度及び色偏差をユーザが変更したい場合に選択する画像である。また、光色選択部230は、間接照明310及び主照明300の光色を変更した照明空間のシミュレーションを行いたい場合にユーザが選択する画像である。
【0072】
表示モード選択部240は、照明空間画像100の表示方法をユーザが変更したい場合に選択する画像である。例えば、
図5に示す照明空間画像100の右半分と左半分とで照射される照明光の色温度及び色偏差を変更したい場合に、ユーザは表示モード選択部240を選択する。
【0073】
比較画像選択部250は、ユーザが表示画像400にシミュレーション結果を示す照明空間画像100を複数表示させたい場合に選択する画像である。例えば、ユーザが照明光の色温度及び色偏差の条件について、異なる2つの照明光の条件で同一の照明空間に照明光が照射された場合におけるシミュレーション結果を同時に表示画像400に表示させたい場合に、ユーザは表示モード選択部240を選択する。
【0074】
画像保存選択部260は、シミュレーション部13が行ったシミュレーションの条件をユーザが保存したい場合に選択する画像である。
【0075】
照明サンプル発注選択部270は、ユーザが指示した色温度及び色偏差の光色を有する照明光を発する照明装置を注文したい場合に選択する画像である。
【0076】
なお、照明空間選択部210、内装材選択部220、光色選択部230、表示モード選択部240及び比較画像選択部250には、現在ユーザが選択しているシミュレーション条件が表示される。これにより、ユーザは、現在選択しているシミュレーション条件を簡便に確認できる。
【0077】
次に、ユーザが
図5に示すシミュレーション条件選択部200に表示された各選択部を選択した場合に端末装置5に表示される画像の一具体例について説明する。つまり、
図6〜
図13は、対話部12がユーザからの指示に応じて生成する画像の具体例である。
【0078】
図6は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する照明空間画像に重畳表示された照明空間選択画像の一具体例を示す図である。具体的には、
図6は、ユーザが照明空間選択部210を選択した場合に対話部12が生成する画像である。
【0079】
図6に示すように、ユーザが照明空間選択部210を選択した場合には、表示画像401には、照明空間選択画像211が照明空間画像100上に重畳表示される。例えば、ユーザが照明空間212を選択した場合、端末装置5には照明空間画像100として照明空間212が表示される。また、例えばユーザが照明空間213を選択した場合、端末装置5には照明空間画像100として照明空間213が表示される。これにより、ユーザは、シミュレーションの結果を示す照明空間画像100の一部を確認しながら、シミュレーションの条件を変更できる。
【0080】
図7は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する内装材選択画像の一具体例を示す図である。具体的には、
図7は、ユーザが内装材選択部220を選択した場合に対話部12が生成する画像である。
【0081】
図7に示すように、表示画像402には、内装材選択画像221が照明空間画像100上に重畳表示される。内装材選択画像221には、複数の内装材222〜225を示す画像が含まれる。例えば、ユーザが内装材222を選択した場合、照明空間画像100の壁W又は天井C等の構造物320の質感が内装材222に変更されて照明空間画像100として表示される。これにより、ユーザは、所望の条件に近い照明空間におけるシミュレーションの結果を確認できる。
【0082】
なお、ユーザの選択によって変更させる内装材は、照明空間画像100に表示される全ての構造物に対する指示でもよいし、一部の構造物に対する指示でもよく、限定されない。例えば、ユーザは天井Cを指示して、天井Cの内装材のみを変更した照明空間画像100が端末装置5に表示されてもよい。
【0083】
また、内装材選択画像221として選択される構造物320には、物品Aが含まれてもよい。例えば、
図7においては物品Aの一例である自動車の表面の質感が変更できてもよい。また、内装材選択画像221には、物品Aの色を変更するための画像が含まれてもよい。例えば、
図7において、ユーザは物品Aの一例である自動車を選択する。次に、対話部12は、当該自動車の色をユーザに選択させる画像を生成して、端末装置5に表示させる制御を行う(不図示)。ユーザは、端末装置5に表示された当該画像から色を選択する。シミュレーション部13は、当該ユーザに選択された色を自動車に反映して照明空間のシミュレーションを行う。対話部12は、当該シミュレーションの結果に応じた照明空間画像を生成して、端末装置5に表示させる制御をする。これにより、ユーザは、所望の条件に近い照明空間におけるシミュレーションの結果を確認できる。
【0084】
図8は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する光色選択画像の一具体例を示す図である。具体的には、
図8は、ユーザが光色選択部230を選択した場合に対話部12が生成する画像である。
【0085】
図8に示すように、表示画像403には光色選択画像231が照明空間画像100上に重畳表示される。光色選択画像231には、一例として、色温度が7条件(2000K〜4000K)且つ色偏差が5条件(Duv−5〜Duv+5)のトータル35条件の光色が表示されている。例えば、ユーザは、色温度が4000K、且つ、色偏差がDuv+3というシミュレーションの条件を選択する。対話部12は、当該選択をシミュレーションの条件の指示として取得する。シミュレーション部13は、ユーザに選択された当該色温度及び当該色偏差の照明光が照明空間全体に一様に照射された場合の照明空間のシミュレーションを行う。対話部12は、当該シミュレーションの結果を示す照明空間画像100を生成し、端末装置5に表示させる制御をする。
【0086】
また、ユーザが光色選択部230を選択した場合に、比較表示選択部232が表示されてもよい。ユーザが、比較表示選択部232を選択した場合については後述する。
【0087】
なお、照明光は、照明空間画像内に表示される照明装置(光源)から選択されてもよい。言い換えると、当該照明装置が発する照明光の光色が変更できてもよい。つまり、シミュレーション部13は、間接照明及び主照明300が照らされた照明空間の色合いのシミュレーションを行う。
【0088】
例えば、
図8において、ユーザは照明装置315を選択する。次に、対話部12は、照明装置(光源)315が発する主照明300の光色をユーザに選択させる画像を生成して、端末装置5に表示させる制御を行う(不図示)。ユーザは、端末装置5に表示された当該画像から光色を選択する。シミュレーション部13は、当該ユーザに選択された光色に応じた照明空間のシミュレーションを行う。対話部12は、当該シミュレーションの結果に応じた照明空間画像を生成して、端末装置5に表示させる制御をする。これにより、ユーザは、照明空間を照らす照明光の照明方法(主照明300又は間接照明310)による照明空間の見え方の違いも確認することができる。
【0089】
なお、対話部12は、間接照明310又は主照明300を発する照明装置ごとに照明光の色温度及び色偏差(調色)、照明光の強度(調光)、照明光の向き(配光)などの指示をユーザから取得してもよい。その場合、シミュレーション部13が当該指示に従ってシミュレーションを行うこととしてもよい。
【0090】
図9は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する2分割表示された照明空間画像の一具体例を示す図である。具体的には、
図9は、ユーザが比較表示選択部232又は表示モード選択部240を選択した場合に対話部12が生成する画像である。
【0091】
図9に示すように、表示画像404には、ユーザが比較表示選択部232又は表示モード選択部240を選択した場合、光色選択画像231とは別に光色選択画像231aが照明空間画像100a上に重畳表示される。また、照明空間画像100aには、仕切り線235と操作部236とが新たに生成される。
図9に示す照明空間画像100aは、仕切り線235の左右で、第一照明空間画像110と第二照明空間画像120とに分離されて表示される。
【0092】
第一照明空間画像110は、光色選択画像231でユーザが選択した色温度及び色偏差の照明光が照射された照明空間のシミュレーションの結果を示す画像である。第二照明空間画像120は、光色選択画像231aでユーザが選択した色温度及び色偏差の照明光が照射された照明空間のシミュレーション結果を示す画像である。つまり、第一照明空間画像110及び第二照明空間画像120は、同一の照明空間を示す照明空間画像において仕切り線235を境に異なる色温度及び色偏差の照明光が照射された場合の照明空間のシミュレーションの結果を示す画像である。また、ユーザは、操作部236を左右に操作することで、仕切り線235の位置を変更することができる。こうすることで、ユーザは、照明空間画像100aとして一つの大きな照明空間画像を表示したまま、第一照明空間画像110と第二照明空間画像120とが表示される表示範囲を変更できる。
【0093】
なお、
図9においては、仕切り線235は
図9の縦方向に照明空間画像100aを分けているが、限定されない。仕切り線235は、照明空間画像100aを横方向に分けてもよいし、斜め方向に分けてもよい。また、仕切り線235は、照明空間画像100aに複数設けられてもよい。
【0094】
また、第一照明空間画像110と第二照明空間画像120とは、1つの照明空間画像を完全に分割して表示しなくてもよい。具体的には、第一照明空間画像110と第二照明空間画像とに用いられる
図4に示す照明空間212〜216は異なっていてもよい。
【0095】
また、複数のシミュレーション条件を示す照明空間画像を表示する方法は、上述した仕切り線235を用いた画像の分割方法には限定されない。次に、複数のシミュレーション条件を示す画像の別の表示方法について説明する。
【0096】
図10は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する2つの照明空間画像の比較表示の一具体例を示す図である。具体的には、
図10は、ユーザが表示モード選択部240を選択した場合に対話部12が生成する画像である。
【0097】
図10に示すように、表示画像405には、ユーザが表示モード選択部240を選択した場合、第一照明空間画像110a及び第二照明空間画像120aが表示される。具体的には、第一照明空間画像110a及び第二照明空間画像120aは、同一の照明空間を異なる色温度及び色偏差の照明光で照射した場合の照明空間のシミュレーションの結果を示す画像である。ユーザは、比較画像選択部250を選択することで、第一照明空間画像110a又は第二照明空間画像120aに照射される照明光の色温度及び色偏差又は照明空間を変更する。これにより、ユーザは、複数のシミュレーション条件を比較して確認しやすい。
【0098】
なお、
図10においては、第一照明空間画像110aと第二照明空間画像120aとは、図の左右横並びに表示されているが、限定されない。第一照明空間画像110aと第二照明空間画像120aとは、図の上下縦並びに表示されてもよい。また、
図10においては、比較する画像は、第一照明空間画像110aと第二照明空間画像120aとの二つであるが、限定されない。比較する画像は、同時に3つ以上が表示されてもよい。
【0099】
また、
図9に示す光色選択画像231aに比較画像選択部を設けて、ユーザが当該比較画像選択部を選択することにより、複数のシミュレーション条件を示す画像の表示方法が変更されてもよい。
【0100】
図11は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する画像保存選択画像の一具体例を示す図である。具体的には、
図11は、ユーザが画像保存選択部260を選択した場合に対話部12が生成する画像である。
【0101】
図11に示すように、表示画像406には、ユーザが画像保存選択部260を選択した場合、画像保存選択画像261が照明空間画像100a(
図11においては、第二照明空間画像120)上に重畳表示される。画像保存選択画像261には、現在表示されている照明空間画像(第一照明空間画像110及び第二照明空間画像120)のシミュレーションの条件が表示される。例えば、第一照明空間画像110及び第二照明空間画像120のように2つの画像が表示されている場合、画像保存選択画像261には、第一照明空間画像110及び第二照明空間画像120のシミュレーションの条件が表示される。ユーザは、画像保存選択画像261に表示された保存したいシミュレーションの条件を選択する。対話部12は、ユーザに選択されたシミュレーションの条件を記憶部14に記憶させる。ユーザは、例えば、後日改めて記憶させたシミュレーションの条件でシミュレーションされた照明空間画像を確認したい場合に、画像保存選択部260を選択する。対話部12は、画像保存選択画像261に、現在表示されている照明空間画像のシミュレーションの条件とは別に、記憶部14に記憶された照明空間画像のシミュレーションの条件が表示された画像を生成し、端末装置5に当該画像を表示させる制御をする。ユーザが画像保存選択画像261に表示されている、記憶部14に記憶させた照明空間画像のシミュレーションの条件を示す画像(不図示)を選択した場合に、対話部12は当該シミュレーションの条件を示す照明空間画像を表示させる制御をする。これにより、ユーザは一度設定したシミュレーション条件を再度設定することなく、簡便に当該シミュレーション条件の結果を示す画像を確認できる。
【0102】
なお、対話部12は、記憶部14には、シミュレーションの条件のみを記憶させてもよいし、当該シミュレーションの条件の結果を示す照明空間画像を示すデータを記憶させてもよく、限定されない。
【0103】
また、現在表示されている、又は、上述したようにユーザが画像保存選択部260を選択して保存した照明空間画像及びシミュレーション条件を、現在ユーザが操作している端末装置以外の端末装置にユーザが送信指示をできるようにしてもよい。例えば、シミュレーション条件選択部200にデータ転送部(不図示)を設ける。ユーザは、当該データ転送部を選択し、送信したい端末装置のアドレス(例えば、メールアドレスなど)を指定する。こうすることで、照明空間シミュレーション装置が、ユーザが指示したアドレスへ、現在表示されている、又は、保存された照明空間画像及びシミュレーション条件を送信してもよい。
【0104】
また、照明空間シミュレーション装置1は、さらに、照明空間画像100の一部を拡大して表示させるズーム機能を有する。具体的には、対話部12は、ユーザに指示された照明空間画像100の一部を拡大したズーム画像を生成して端末装置5に表示させる制御をする。
【0105】
図12は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成するズーム画像の一具体例を示す図である。
図12において、シミュレーション条件選択部200aは、さらに、ズーム選択部280を有する。
【0106】
ユーザは、照明空間画像の一部を拡大して表示するズーム機能を利用したい場合には、ズーム選択部280を選択する。対話部12は、ユーザがズーム選択部280を選択した場合、ズーム画像130とズーム範囲281を示す画像を照明空間画像100上に重畳表示させる。ズーム画像130は、ズーム範囲281に対応した画像である。ユーザは、ズーム範囲281を操作して、照明空間画像100上のズーム範囲281の位置及び範囲を指示する。対話部12は、指示された照明空間画像100上のズーム範囲281の位置及び範囲に応じてズーム画像130を生成する。これにより、ユーザは、照明空間画像100の一部を拡大したズーム画像130を確認できる。
【0107】
なお、
図12においては、照明空間シミュレーション装置1は、ズーム画像130を照明空間画像100に重畳表示させたが、これに限らない。照明空間シミュレーション装置1は、ズーム画像130を照明空間画像100と置き換えて表示してもよい。言い換えると、照明空間画像100が、照明空間画像100の一部を拡大して表示された画像でもよい。
【0108】
ここで、照明空間シミュレーション装置1で利用される照明空間を示すデータは、二次元画像を示すデータだけではなく、三次元空間を示すデータも含まれる。三次元空間を示す画像においては、ユーザは様々な角度から照明空間を確認することができる。対話部12は、ユーザから三次元空間内の視点及び視線方向が指示された場合に、指示された視点から視線方向を見た場合の画像である視点位置画像を生成して表示させる制御をする視点変更機能を有する。
【0109】
図13は、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1が生成する視点位置画像の一具体例を示す図である。
図13において、表示画像408に表示されるシミュレーション条件選択部200bは、さらに、視点変更選択部290を有する。
【0110】
ユーザは、視点変更機能を利用したい場合には、視点変更選択部290を選択する。対話部12は、視点Vと、視野範囲Lと、視点変更画像291とを示す画像を照明空間画像100上に重畳表示させる。視点変更画像291は、視野範囲Lに対応した範囲の画像である。ユーザは、視点Vと視野範囲Lとを操作して、照明空間画像100上の視野範囲Lの位置及び範囲を指示する。対話部12は、当該指示された照明空間画像100上の視点Vと視野範囲Lとの位置及び範囲に応じて視点変更画像291を生成する。これにより、ユーザは、照明空間を違う角度から見た場合の画像である視点変更画像291を確認できる。
【0111】
(まとめ)
以上、上述したように、本実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置1は、照明光によって照らされる空間である照明空間の色合いをシミュレーションする装置である。照明空間シミュレーション装置1は、照明光及び照明空間の少なくとも一つを特定する指示を取得する対話部12と、対話部12によって取得された指示に従って照明光による照明空間の色合いをシミュレーションするシミュレーション部13とを備える。対話部12は、照明光の色温度及び色偏差の指示を取得する。シミュレーション部13は、対話部12によって取得された色温度及び色偏差の照明光が照らされた場合の照明空間の色合いをシミュレーションによって算出する。対話部12は、さらに、シミュレーション部13によって算出された色合いをもつ照明空間を表示する制御をする。
【0112】
これにより、照明空間シミュレーション装置1は、ユーザが操作する照明空間シミュレーション装置1の表示部16又は端末装置5、6に、当該シミュレーションの結果を示す照明空間画像を表示させる。ユーザは、当該照明空間画像を確認することで、シミュレーションに利用された色温度及び色偏差の照明光を発する照明装置を実際に使用することなく、当該照明光が照射された照明空間の色合いを確認できる。そのため、ユーザは、照明空間画像を確認するだけで、所望の色温度及び色偏差の照明光を発する照明装置を選択できる。つまり、照明空間シミュレーション装置1は、簡便にユーザの嗜好に適した照明装置を提案できる。
【0113】
また、照明空間シミュレーション装置1は、さらに、複数の種類の照明空間を特定する照明空間情報15を記憶する記憶部14を備えてもよい。対話部12は、記憶部14に記憶された照明空間情報15が示す複数の種類の照明空間を表示する制御をし、複数の種類の照明空間から一つの照明空間を選択する指示を取得してもよい。シミュレーション部13は、対話部12が取得した指示に従って、複数の種類の照明空間から選択された一つの照明空間についてシミュレーションを行ってもよい。
【0114】
これにより、ユーザは、複数の種類の照明空間から所望の照明空間による色温度及び色偏差を有する照明光が照射された場合の照明空間のシミュレーション結果を確認できる。そのため、ユーザは、ユーザの所望の条件に近い状態の照明空間のシミュレーションの結果を確認できる。
【0115】
また、対話部12は、シミュレーション部13によって算出された色合いをもつ照明空間の表示における一部の上に、選択の対象となる複数の種類の照明空間の表示を重ねる重畳表示の制御をしてもよい。また、対話部12は、複数の種類の照明空間から一つの照明空間を選択する指示を取得した場合には、選択された照明空間についてシミュレーション部13によって得られる色合いを反映した重畳表示の制御をしてもよい。
【0116】
これにより、ユーザは、当該シミュレーションの結果を示す照明空間画像の一部を確認しながら、シミュレーションの条件を変更できる。そのため、ユーザは、所望のシミュレーションの条件を選択しやすい。
【0117】
また、対話部12は、照明光の色温度及び色偏差について、2組の指示を取得してもよい。この場合、シミュレーション部13は、対話部12によって取得された当該2組の色温度及び色偏差の照明光のそれぞれについて、同一の照明空間に対して色合いをシミュレーションによって算出してもよい。また、対話部12は、シミュレーション部13によって算出された色合いをもつ照明空間について、仕切り線235を用いて分離してもよい。また、対話部12は、分離される2つの空間の一方を2組のうちの一方の色温度及び色偏差の照明光に対応して得られた色合いで表示し、かつ、2つの空間の他方を2組のうちの他方の色温度及び色偏差の照明光に対応して得られた色合いで表示してもよい。つまり、対話部12は、仕切り線235を用いた分割表示の制御をしてもよい。
【0118】
これにより、ユーザは、2組の色温度及び色偏差の照明光のそれぞれについて、同一の照明空間に対して色合いの異なるシミュレーションの結果を示す照明空間画像を同時に確認できる。そのため、ユーザは、複数のシミュレーションの結果を比較しやすい。
【0119】
また、対話部12は、仕切り線235の位置を移動させる指示を取得した場合には、取得した指示に従って仕切り線235の位置を移動させながら、2分割表示の制御をしてもよい。
【0120】
これにより、ユーザは、複数のシミュレーション条件が表示された照明空間画像の所望の位置における照明空間画像のシミュレーションの結果を確認できる。そのため、ユーザは、複数のシミュレーションの結果を比較しやすい。
【0121】
また、仕切り線235を用いて分離される2つの空間は、照明空間を2分割して得られる2つの空間うちの一方及び他方でもよい。つまり、仕切り線235により2分割されて表示される照明空間画像は、1つの照明空間画像でもよい。
【0122】
これにより、ユーザは、1つの照明空間に関して異なる光色の照明光が照射された場合の照明空間のシミュレーションの結果を比較しやすい。
【0123】
また、対話部12は、さらに、ズームに関する指示を取得した場合には、取得した指示に従って照明空間をズームして表示する制御をしてもよい。
【0124】
これにより、ユーザは、照明空間画像の一部を拡大したズーム画像130を確認できる。そのため、ユーザは、照明空間画像の詳細を確認しやすい。
【0125】
また、対話部12は、照明空間に存在する物品Aの色の指示を取得し、シミュレーション部13は、対話部12によって取得された物品Aの色の指示を反映してシミュレーションを行ってもよい。つまり、ユーザは、照明空間画像に表示された物品A、例えば、自動車などの配色を変更できる。
【0126】
これにより、ユーザは、ユーザの所望の条件に近い照明空間におけるシミュレーションの結果を確認できる。
【0127】
また、対話部12は、照明光の調光及び調色に関する指示を取得し、シミュレーション部13は、対話部12によって取得された指示が示す調光及び調色の照明光が照らされた場合の照明空間の色合いをシミュレーションによって算出する。
【0128】
これにより、ユーザは、より詳細に色温度及び色偏差を変更できる。また、ユーザは、照明光の光強度(光量)を変更できるので、照明空間全体の明るさも調整できる。そのため、ユーザは、ユーザの嗜好に適した詳細なシミュレーションの結果を確認できる。
【0129】
また、対話部12は、複数の照明光を特定する指示を取得し、シミュレーション部13は、対話部によって取得された指示が示す複数の照明光が照らされた場合の照明空間の色合いをシミュレーションによって算出してもよい。
【0130】
これにより、ユーザが、照明空間を複数の照明光で照射したい場合に、そのシミュレーションの結果を確認できる。そのため、ユーザは、ユーザの嗜好に適した詳細なシミュレーション結果を確認できる。
【0131】
また、複数の照明光には、光源からの光を天井C及び壁Wを含む構造物320に当てて得られる反射光による間接照明310における照明光、及び、光源の光によって直接、照明空間を照らす主照明300における照明光が含まれてもよい。
【0132】
これにより、ユーザは、照明空間の内装の違いによる照明空間の違いも確認することができる。また、ユーザは、間接照明310及び主照明300を発する照明装置(光源)ごとに、その照明光の光色、光強度、配光等の詳細を設定できる。そのため、ユーザは、ユーザの嗜好に適した詳細なシミュレーションの結果を確認できる。
【0133】
また、対話部12は、さらに、照明空間における視点Vの位置を特定する指示を取得してもよい。シミュレーション部13は、対話部12によって取得された指示が示す視点Vの位置から見た場合の照明空間の色合いをシミュレーションによって算出してもよい。
【0134】
これにより、ユーザは、照明空間画像として表示されている画像とは異なる角度から照明空間を見た場合の画像である視点変更画像291を確認できる。そのため、ユーザは、シミュレーションの結果の詳細を確認しやすい。
【0135】
また、実施の形態に係る照明空間シミュレーション方法は、照明空間シミュレーション装置1を構成する処理部をステップとする照明空間シミュレーション方法として実現されてもよい。つまり、照明空間シミュレーション方法は、照明光及び照明空間の少なくとも一つを特定する指示を取得する対話ステップと、当該対話ステップで取得された指示に従って照明光による照明空間の色合いをシミュレーションするシミュレーションステップとを含む。また、対話ステップでは、照明光の色温度及び色偏差の指示を取得する。また、シミュレーションステップでは、対話ステップで取得された色温度及び色偏差の照明光が照らされた場合の照明空間の色合いをシミュレーションによって算出する。さらに、対話ステップでは、シミュレーションステップで算出された色合いをもつ照明空間を表示する制御をする。
【0136】
これにより、照明空間シミュレーション方法は、簡便にユーザの嗜好に適した照明装置を提案できる。
【0137】
また、実施の形態に係る照明空間シミュレーション方法は、上述したステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現されてもよい。また、当該プログラムは、当該プログラムを記録したコンピュータによって読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体として実現されてもよい。また、本開示は、そのプログラムを示す情報、データ又は信号として実現されてもよい。そして、それらプログラム、情報、データ及び信号は、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【0138】
これにより、照明空間シミュレーション方法は、簡便にユーザの嗜好に適した照明装置を提案できるプログラムとしてコンピュータが実行できる。
【0139】
以上、実施の形態に係る照明空間シミュレーション装置及び照明空間シミュレーション方法について説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0140】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。