(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
また、「略**」との記載は、「略同一」を例に挙げて説明すると、全く同一はもとより、実質的に同一と認められるものを含む意図である。また、「**近傍」との記載においても同様である。
【0012】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態に係る実装基台、発光装置、移動体用照明装置及び移動体について説明する。
【0014】
[構成]
まず、本実施の形態に係る実装基台200、実装基台200に発光部50を実装した発光装置11、12、実装基台200を用いたヘッドライト103及び実装基台200を用いた移動体の構成について
図1〜
図9を用いて説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る移動体を示す斜視図である。
図2の(a)は、本実施の形態に係る移動体のヘッドライト103を示す部分拡大斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る移動体のヘッドライト103を示す断面図である。
図4は、本実施の形態に係るハイビーム用の発光装置11を示す斜視図である。
図5は、本実施の形態に係る実装基台200に実装した発光部50を示す斜視図である。
図6の(a)は、本実施の形態に係るハイビーム用の実装基台200及び実装した発光部50を示す斜視図である。
図6の(b)は、本実施の形態に係るハイビーム用の実装基台200及び実装した発光部50を示す正面図である。
図6の(c)は、本実施の形態に係るハイビーム用の実装基台200及び実装した発光部50を示す側面図である。
図7及び
図9は、本実施の形態に係る実装基台200及び実装した発光部50を示す部分拡大断面図である。
図8の(a)は、実施の形態に係る発光部50の前面側を見た斜視図である。
図8の(b)は、実施の形態に係る発光部50の後面側を見た斜視図である。
【0016】
なお、
図3は、
図2の(a)のA−A線における断面である。また、
図6の実装基台200では、配線部220、ネジ穴291、連結部270等の図示を省略している。また、
図10の実装基台300においても、実装基台200のような、配線部220、ネジ穴291、連結部270等の図示を省略している。さらに、
図7は、
図5のB−B線における断面図であり、より具体的には、発光部50においては、
図8の(a)で示すD−D線における断面図である。
図9は、
図5のC−C線における断面図である。
【0017】
図1では、移動体におけるヘッドライト103側を前方向、その反対側を後方向と規定し、右側のヘッドライト103を右方向、その反対側を左方向と規定し、車両100の車輪102を下方向、その反対側を上方向と規定し、前後、左右及び上下の各方向を表示する。そして、
図1に示す各方向は、全て
図2以降に示す各方向に対応させて表示する。なお、
図1では、上下方向、左右方向及び前後方向は、使用態様によって変化するため、これには限定されない。以降の図においても、同様である。
【0018】
図1に示すように、車両100(移動体の一例)は、車体101と、4つの車輪102と、実装基台200を用いたヘッドライト103(移動体用照明装置の一例)を備える。移動体は、例えば、車両、電車、航空機、船舶等である。
【0019】
車体101には、4つの車輪102と、複数のヘッドライト103とが設けられる。本実施の形態で設けられる2台のヘッドライト103は、車体101の前方側で、車両100の進行方向の対象物を照らすように設けられる。進行方向の一例は、例えば、前方向である。対象物は、道路、壁、人等である。
【0020】
一方のヘッドライト103は、他方のヘッドライト103と左右対称に設けられている。
図2の(a)及び
図3に示すように、一方のヘッドライト103は、ハウジング110と、前面レンズ112と、リフレクタ113と、2台のハイビーム用の発光装置11と、ロービーム用の発光装置12とを有する。ここでは、主にハイビーム用の発光装置11について説明する。
【0021】
ハウジング110は、前面を開放した椀状に形成されており、ハウジング110の前面開放端にシール部材を介して前面レンズ112が結合される。前面レンズ112は、ヘッドライト103が発する光が透光し、外部に出射する光を配光制御するレンズである。ハウジング110の後端には、挿入口110aが設けられており、挿入口110aに実装された発光装置11が挿入されている。なお、発光装置12においても同様に、挿入口110aに挿入されている。
【0022】
リフレクタ113は、進行方向に照射されるように、発光装置11、12が発した光を配光制御する反射鏡である。リフレクタ113は、ハウジング110に支持されており、発光部50の光軸(光源52の光軸)を上下方向で調整することができてもよい。リフレクタ113の後端には、挿入口113aが設けられており、挿入口113aに実装された発光装置11、12が挿入されている。
【0023】
ハウジング110及び前面レンズ112間には、左右方向に横長な収容室110bが形成されており、収容室110bにハイビーム用の発光装置11、及びロービーム用の発光装置12が配置される。
【0024】
図4に示すように、ハイビーム用の発光装置11は、実装基台200と、複数の発光部50と、複数の鏡筒30と、複数の第1透光部41と、複数の第2透光部42と、放熱フィン60とを備える。ここでは、各々の発光装置11のうち、1つの発光装置11について説明し、同様の構成の説明を省略する。また、発光装置11に含まれる構成において複数存在する場合も、1つの構成について説明し、同様の構成の説明を省略する。
【0025】
実装基台200は、実装した複数の発光部50の光軸が所望の方向を向くように、ハウジング110に設けられる。実装基台200には、段状の段部201が形成される。
【0026】
図5に示すように、実装基台200は、前方向に形成された複数の段部201により、階段状に形成される。実装基台200は、主面250の並び方向(本実施の形態では左右方向)に長尺であり、湾曲している。実装基台200は、本実施の形態では、進行方向に向かうにつれて、昇り階段状に設けられるが、実装基台200の配置についてはこれに制限されない。
【0027】
実装基台200は、略左方向から略右方向に向かい、かつ前方向から後方向に向かって伸びる長尺の基台であり、複数の段部201が形成された階段状をなしている。複数の段部201は、並び方向に配列している。本実施の形態では、実装基台200は、湾曲しているが、直線状であってもよい。また、
図6の(a)に示すように、本実施の形態では、9つの段部201が形成されているが、段部201の数は特に限定されず、段部201は1つでもよい。
【0028】
各々の段部201は、車両100の進行方向に面する複数の主面250と、主面250と略直交する段部側面259とを有する。各々の段部201は、主面250と段部側面259とが交互に繰り返すことで形成される。
【0029】
本実施の形態では、主面250は、
図6の(b)に示すように、主面250と正面視した場合に、方形な平面状をなし、各々の形状が異なっている。なお、本実施の形態では、主面250の形状は、方形状をなしているが、この形状に限定されず、円形でもよく、多角形でもよく、これらを組み合わせた形状でもよく、他の形状でもよい。
【0030】
各々の主面250は、進行方向と略直交する平面に対して略平行でもよく、進行方向と略直交する平面に対して交差する平面でもよい。
図6の(c)に示すように、実装基台200において、各々の主面250は、進行方向に向かうにつれて、進行方向と略直交する平面に対して次第に平行に近づくように設けられる。本実施の形態では、複数の主面250における、最前(最も進行方向側)の主面250は、進行方向と略直交する平面に対して略平行に設けられる。つまり、実装基台200において、主面250を正面視した場合(前方向から後方向に向かって主面250を見た場合)に、進行方向に向かうにつれて、主面250が進行方向と略直交する平面と平行に近づく。この場合、実装基台200に発光部50を実装すると、主面250を正面視した場合に、複数の発光部50の光軸は、進行方向に向かうにつれて、進行方向と平行に近づくように設けられる。なお、本実施の形態では、複数の主面250における、最前の主面250を基準に、進行方向と略直交する平面に対して略平行としたが、この基準は、他の主面250であってもよい。
【0031】
図5に示すように、各々の主面250には、各々の鏡筒30を支持する凹状の凹部260が設けられる。本実施の形態では、凹部260は、正面視で円弧状をなし、発光部50の一部の周囲を囲むように、離散的に形成された2つの凹構造である。本実施の形態において、2つの凹部260で挟まれた部分には、ブリッジ262が形成される。なお、凹部260は、本実施の形態では有底の凹状構造であるが、貫通した孔でもよい。
【0032】
本実施の形態において、凹部260は、凹部260の開口から底部に向かうにつれて、開口を次第に狭める傾斜面261を有する。言い換えれば、凹部260は、凹部260の開口から進行方向と反対方向に向かうにつれて、開口が次第に狭まる。本実施の形態では、傾斜面261は、後述する第1平面251側における凹部260の側面に形成されるが、後述する第2平面252側における凹部260の側面に形成されてもよい。なお、凹部260の代わりに、凸状をなした凸部が、主面250から先端に向かうにつれて次第に外径が狭まる傾斜面でもよい。
【0033】
各々の主面250は、第1平面251と、第2平面252とを有する。
【0034】
第1平面251は、発光部50の光源52が実装され、一部を除いて凹部260に囲まれる面であり、光源52を配置する給電面220aを有する配線部220が延設される。第2平面252は、主面250において、第1平面251及び凹部260以外の面であり、第1平面251と面一である。
【0035】
配線部220は、光源52に電力を印加する配線であり、主面250と段部側面259とを這うように設けられる。配線部220は、第2平面252から第1平面251を通過し、さらに第2平面252まで延設する。具体的には、配線部220は、凹部260における外周上側の第2平面252から、上方のブリッジ262の前面(第2平面252の一部)、第1平面251、下方のブリッジ262の前面(第2平面252の一部)、凹部260における外周下側の第2平面252の順に延設される。つまり、第1平面251と第2平面252とは面一であることから、配線部220も略直線状に形成される。
【0036】
各々の側面は、鉛直方向と略平行な平面でもよく、鉛直方向と交差する平面でもよい。具体的には、実装基台200において、各々の側面は、進行方向に向かうにつれて、鉛直方向と平行に近づくように設けられてもよい。本実施の形態では、各々の側面における、最前(最も進行方向側)の側面は、鉛直方向と略平行に設けられる。
【0037】
実装基台200には、ネジを挿通させる複数のネジ穴291が形成される。また、実装基台200は、少なくとも一端側(端部側の一例)に、隣接する他の実装基台200と連結可能な連結部270が設けられる。連結部270は、例えば、ネジ等の連結部材を挿通する孔であってもよく、公知の連結構造でもよく、他の実装基台200と連結可能であればその手段は問わない。本実施の形態では、実装基台200は、ロービーム用の実装基台300、及び2台のハイビーム用の実装基台200を用いているが、各々が連結部270により連結されていてもよい。また、ロービーム用の実装基台300及びハイビーム用の実装基台200は、各々が複数設けられていてもよい。
【0038】
実装基台200の背面(後側の面)には、並び方向と略直交する方向に切り欠かれた放熱フィン60が設けられる。つまり、放熱フィン60は、鉛直方向(本実施の形態では並び方向と略直交する方向)に延びる平板状をなしている。なお、放熱フィン60は、実装基台200と一体的に形成された部材であってもよいが、異なる部材を連結していてもよい。また、放熱フィン60は、さらに、並び方向にも切り欠かれていてもよい。
【0039】
図4に示すように、実装基台200の背面には、段部201に対応する位置にリブ202が設けられる。実装基台200の背面は、リブ202により略平面に構成される。本実施の形態では、実装基台200の背面は、略平面となるようなリブ202が設けられているが、段部201と対応するような段状構造が形成されていてもよく、湾曲していてもよい。なお、段部201と対応するような段状構造のコーナにリブ202が形成されているが、必須の構成要件ではない。このコーナは、例えばリブ202が設けられていない場合、主面250の裏面と、段部側面259の裏面とで構成される角部である。
【0040】
実装基台200の材料は、特に限定されないが、例えば、金属、セラミック、樹脂等でもよい。セラミック基台の材料としては、例えば、酸化アルミニウム又は窒化アルミニウムなどが採用される。また、金属基台の材料としては、例えば、表面に絶縁膜の絶縁層が形成された、アルミニウム合金、鉄合金又は銅合金が採用される。樹脂基台としては、例えば、ガラスエポキシなどが採用される。
【0041】
図7に示すように、本実施の形態では、実装基台200は、作製された窒化アルミニウム基台に、絶縁性の絶縁層232を表面に形成し、メッキ法などでマトリクス状に配線部220(配線部の一例)のパターンを形成した基台を用いる。配線部220上には、発光部50を電気的に接続するための給電面220a(金属パッド)が形成される。多数の光源52をひとつにパッケージ化にする場合、フリップチップ接続で直列接続又は並列接続が出来るように適宜配線パターンを設計する。
【0042】
実装基台200は、金属層231と、主面250を形成し、金属層231に積層された絶縁層232とを有する。金属層231は、例えば、窒化アルミニウム等の材料で構成されている。絶縁層232の主面250には、配線部220が形成され、光源52を配置する領域に設けられる。この領域には、主面250から金属層231まで連通する熱引き口233が形成される。言い換えれば、絶縁層232には、光源52と金属層231とを接合する半田59が設けられる熱引き口233が形成される。メッキ薄膜層231bには、無電解ニッケルを用いているが、他の金属を用いてもよい。また、熱引き口233は、給電面220aよりも略水平方向(上方向)に配置される。メッキ薄膜層231は、銅メッキであってもよく、ニッケルメッキに銅メッキを積層してもよく、ニッケル及び銅の合金メッキであってもよい。
【0043】
各々の発光部50は、各々の段部201の主面250に一対一で設けられる。本実施の形態では、光源52は、正面視で0.8mm角の方形状をなしている。また、本実施の形態では、光源52は、車両100の進行方向に白色光を発するように、主面250の略中央近傍に設けられる。
【0044】
発光部50は、反射樹脂51と、光源52と、蛍光体53と、透明樹脂54と、金属基台70とを有する。本実施の形態では、反射樹脂51、光源52、蛍光体53、透明樹脂54、金属基台70等により、LEDパッケージを構成する。
【0045】
反射樹脂51は、酸化チタンなどの光反射性の材料を添加した、白色のシリコーン樹脂などである。反射樹脂51は、光源52及び蛍光体53の周囲を囲むように形成され、光源52及び蛍光体53を収容するような凹状の収容部51aを有する。収容部51aには、底部に光源52と蛍光体53とが順番に積層されるように設けられる。なお、蛍光体53は、反射樹脂51の前面と面一となっているが、蛍光体53が反射樹脂51より突出していてもよい。
【0046】
なお、発光部50の製造工程において、反射樹脂51をせき止めるために実装基台200上に発光部50を囲むダムが形成されていてもよい。
【0047】
光源52は、直接フェイスダウンで接続するフリップチップ実装されたLED素子であり、本実施の形態では、青色光を発する青色光源である。
図6に示すように、各々の発光部50は、進行方向に向かうにつれて、発光部50の光軸と進行方向との角度(鋭角の角度)が小さくなるように、実装基台200に設けられる。
【0048】
図7に示すように、光源52は、LED半導体層52bが配置された側を、金属基台70の前面に対向させた状態で配置される。光源52の実装面には、例えば、アノード電極52c(p電極バンプ)と、カソード電極52d(n電極バンプ)とがアレイ状に配列された状態で形成される。本実施の形態では、光源52は、発光層52aと、LED層52bと、アノード電極52cと、カソード電極52dとを有する。
【0049】
発光層52aは、例えば、InGaN等の窒化物半導体で構成され、一例として、p型層、活性層及びn型層が順に積層されている。発光層52aには、その後面にアノード電極52cが形成されている。発光層52aの前面には、LED層52bが積層されている。
【0050】
LED層52bは、例えば、N-GaN等で構成されたn型層の前面に積層されるサファイア等の絶縁層等で構成されている。LED層52bの絶縁層は、その前面が凹凸状に形成され、出射する光を配光制御する。LED層52bには、その後面にカソード電極52dが形成されている。
【0051】
光源52の実装面側では、アノード電極52cが形成された面に対し、カソード電極52dが形成された面が窪んで形成されている。つまり、光源52の実装面側(後面側)は、段差を有する構成である。
【0052】
金属基台70は、略直方体状をなした、金属製の基台であり、光源52を積層したサブマウント層である。金属基台70は、例えば、窒化アルミニウム等で構成される。金属基台70の前面側には、カソードパターン71と、アノードパターン72とが配列された状態で形成される。
【0053】
カソードパターン71には光源52のカソード電極52dが対向するように配置され、アノードパターン72には光源52のアノード電極52cが対向するように配置される。カソードパターン71とカソード電極52dとはAuバンプ91を介して接続され、アノードパターン72とアノード電極52cとはAuバンプ92を介して接続される。
【0054】
図8の(a)及び
図8の(b)に示すように、金属基台70の後面側には、カソード電極73と、アノード電極74、2つの放熱電極75とがアレイ状に配列された状態で形成される。カソード電極73とアノード電極74とは隣接するように直列に並べられ、放熱電極75はノンコネクションであり互いに隣接するように直列に並べられる。本実施の形態では、金属基台70の後面には、1つのカソード電極73と、1つのアノード電極74と、2つの放熱電極75とが形成されているが、これに限定されず、放熱電極75は1つでもよく、3つ以上でもよい。
【0055】
金属基台70には、カソードパターン71とカソード電極73とを接続するスルーホール79が形成されている。具体的には、スルーホール79は、金属基台70に形成された貫通孔に導電材料を充填させた構造であり、カソードパターン71とカソード電極73とを電気的に接続する。
【0056】
このような構成の発光部50は、
図7に示すように、発光部50のカソード電極73で電力を供給するための配線部220の給電面220aと半田58を介して電気的に接続している。給電面220aは、発光部50の光軸方向とは反対側で、発光部50に給電を行う電極面であり、後述する光源52のカソード電極73と電気的に接続する。給電面220aは、主面250の略中心を通過する水平方向に配置されている。
【0057】
発光部50は、発光部50の実装面に設けられる放熱電極75が、主面250から金属層231のメッキ薄膜層231bまで連通する熱引き口233と対応するように、実装基台200の配線部220(光源52を配置する領域)に設けられる。発光部50の放熱電極75と、熱引き口233の底部のメッキ薄膜層231bとは、半田59(接合部材の一例)により接続されている。つまり、熱引き口233が発光部50と金属層231のメッキ薄膜層231bとを半田59で接合する連通路であり、光源52に生じる熱は、放熱電極75及び半田59を伝導して金属層231のメッキ薄膜層231bに伝導する。
【0058】
蛍光体53は、正面視で0.8mm角の方形状をなしている。蛍光体53は、収容部51aに収容され、光源52の前面に配置される。光源52と蛍光体53との中心線が略一致するように配置される。蛍光体53と光源52との間には、透明樹脂54で充填されている。蛍光体53は、発光部50から出射された光の一部を波長変換する波長変換部材を含む板状の部材である。波長変換部材の材料としては、特に限定されないが、例えば、YAG(Y
3Al
5O
12)系蛍光体、CASN(CaAlSiN
3)系蛍光体、又はSiAlON系蛍光体などの公知の材料が採用される。蛍光体53は、波長変換部材を樹脂、セラミック又はガラスなどの材料に分散して形成される。蛍光体53の後面は、透明樹脂54を介し、光源52の光出射面である前面と接着される。なお中心線とは、光源52及び蛍光体53の正面視で、それぞれの中心を通過する線である。
【0059】
なお、本実施の形態では、黄色の蛍光特性を示すSiAlON系蛍光体を用い、青色光源が蛍光体53を透過する青色光と、青色光がこのSiAlON系蛍光体により変化した黄色光により、疑似的な白色光を出射させる。なお、青色光を発する青色光源、赤色光を発する赤色光源、緑色光を発する緑色光源を組み合わせることで白色光を実現してもよい。また、他の公知の方法により、白色光を実現してもよい。青色光は目視で青色と見える光であり、白色光は目視で白色と見える光である。
【0060】
透明樹脂54は、光源52と蛍光体53とを接着させる接着材である。
【0061】
ここでは、特に言及がなければ、
図3及び
図4に示す、各々の鏡筒30、各々の第1透光部41及び各々の第2透光部42のうち、1つの鏡筒30、1つの第1透光部41及び1つの第2透光部42について説明する。他の鏡筒30、他の第1透光部41及び他の第2透光部42においても同様の構成である。
【0062】
図3及び
図4に示すように、鏡筒30は、黒色をなした箱状の筐体であり、内部で光を反射する。鏡筒30は、内部に第1透光部41を収容している。鏡筒30には、発光部50が発する光を通過させるために、前後で開く前側開口と、後側開口とが形成される。また、本実施の形態では、鏡筒30は、後側開口を囲むように、その後端面から後方に向かって突出する係合凸部31を有する。なお、実装基台200の凹部260が、凸状の凸部であれば、鏡筒30は、後側開口を囲むように、その後端面から後方に向かって凹む凹部を有する。
【0063】
図9に示すように、係合凸部31は、主面250の凹部260と対応する形状である。鏡筒30は、係合凸部31を凹部260に挿入し、係合することで、実装基台200に位置決めされる。そして、鏡筒30は、ネジ穴291を挿通するボルト等の固定部材により、実装基台200に固定される。
【0064】
図3及び
図4に示すように、第1透光部41は、レンズ機能を有し、発光部50の光源52が発する光を進行方向に光を導くように、各々の鏡筒30に一対一で収容され、前後方向に長尺な略直方体状の透光性の部材である。第1透光部41は、複数の係合部を有し、鏡筒30と係合して内部に位置決めされる。第1透光部41は、主に、発光部50が発する光が入射する第1入射面41aと、透光した光が出射する第1出射面41bとを有する。
【0065】
第1入射面41aは、発光部50の周囲を覆うように形成された略半球状の凹部であり、第1透光部41の後端面に形成される。第1入射面41aは、鏡筒30の係合凸部31近傍に配置される。第1入射面41aは、発光部50の側方側に向かう光も入射させるように、発光部50の側方を囲むように配置されていてもよい。
【0066】
第1出射面41bは、第1透光部41の前方端面であり、第1透光部41を透光した光が出射する面である。第1出射面41bは、第2透光部42と対面している。
【0067】
第2透光部42は、レンズ機能を有し、前側開口を覆うように、各々の鏡筒30に一対一で設けられる。第2透光部42は、左右方向に長尺な略直方体状の透光性の部材であり、鏡筒30の前側(第1透光部41よりも進行方向側)に設けられる。第2透光部42は、主に、第1透光部41の第1出射面41bから出射された光が入射する第2入射面42aと、透光した光が出射する第2出射面42bとを有する。
【0068】
第2入射面42aは、鏡筒30の前側開口を覆う平面であり、第2透光部42の後端面に形成される。第2入射面42aは、鏡筒30の前側開口近傍に配置される。
【0069】
第2出射面42bは、第2透光部42の前方端面であり、第2透光部42を透光する光が出射する面である。第2出射面42bは、略球状に丸められている。
【0070】
図3及び
図7に示すように、このような実装基台200では、光源52が駆動する(光を発する)ことで、光源52に熱が発生する。この熱は、光源52のアノード電極52c及びAuバンプ91を介して金属基台70に伝導されたり、光源52のカソード電極52d及びAuバンプ92を介して金属基台70に伝導されたりする。金属基台70に伝導された熱は、金属基台70の放熱電極75から半田59を伝導し、メッキ薄膜層231bを介して金属層231に放熱される。
【0071】
また、このような実装基台200では、光源52が発光した光は、蛍光体53を介して発光部50から出射し、第1透光部41の第1入射面41aに入射する。第1入射面41aに入射した光は、第1透光部41を透光し、第1透光部41の第1出射面41bから出射する。第1出射面41bから出射した光は、第2透光部42の第2入射面42aに入射し、第2透光部42を透光して第2出射面42bから出射する。
【0072】
実装基台200を用いたヘッドライト103及び実装基台200を用いた車両100では、進行方向に光を出射させる。
【0073】
このように構成される実装基台200の鏡筒30は、本実施の形態では、前後方向の長さが87.69mmであり、左右方向の長さが36mmであり、上下方向の長さが20mmである。また、本実施の形態の第1透光部41は、前後方向の長さが49.15mmであり、左右方向の長さが35mmであり、上下方向の長さが16mmである。さらに、本実施の形態の第2透光部42は、前後方向の長さが18.611mmであり、左右方向の長さが36mmであり、上下方向の長さが20mmである。また、第2透光部42を鏡筒30に設けられた場合では、前後方向の長さが99.79mmである。
【0074】
ロービーム用の発光装置12について、
図10の(a)、
図10の(b)及び
図11を用いて説明する。
図10の(a)は、本実施の形態に係るロービーム用の実装基台300及び実装した発光部80を示す斜視図である。
図10の(b)は、本実施の形態に係るロービーム用の実装基台300及び実装した発光部80を示す側面図である。
図11は、実施の形態に係る実装基台300及び実装した発光部80を示す部分拡大断面図である。
【0075】
ロービーム用の発光装置12も、ハイビーム用の発光装置11と同様の構成であるが、
図10の(a)及び
図10の(b)に示すように、本実施の形態では、ロービーム用の発光装置12に用いられる実装基台300の形状が、実装基台200と異なっている。実装基台200では凹部260が形成されているが、実装基台300では、凸部360が形成されている点でも、実装基台200と異なっている。なお、ロービーム用の発光装置12も、ハイビーム用の発光装置11も同一形状の実装基台であってもよい。
【0076】
ヘッドライト103において、ロービーム用の発光装置12は、ハイビーム用の発光装置11の右側に設けられる。ロービーム用の発光装置12も、ハイビーム用の発光装置11と同様に、複数の鏡筒330、複数の第1透光部41、複数の第2透光部42、複数の発光部50、放熱フィン60等を備える。
【0077】
実装基台300には、段状の段部301が形成される。段部301は、
図1の車両100の進行方向に面した主面350と、主面350と略直交する段部側面359とを有する。
図10の(b)に示すように、主面350は、螺旋状の一部を構成するように配置される。本実施の形態では、実装基台300には、6つの段部301により階段状に形成され、7つの主面350が設けられる。実装基台300には、凸部360が形成され、凹部260とは主面250と面対称の構成である。
【0078】
具体的には、凸部360は、正面視で円弧状をなし、発光部80の一部の周囲を囲むように、離散的に形成された2つの凸構造である。本実施の形態では、2つの凸部360は、左右対称に形成されている。2つの凸部360の間には、切り欠き362が形成される。凸部360は、その外周面(発光部80に対して外側の面)で、主面250から先端に向かうにつれて次第に外径が狭まる傾斜面361を有する。つまり、傾斜面231は、テーパ状をなしている。
【0079】
実装基台300の主面350には、第1平面351と第2平面352とが形成される。第1平面351は、2つの凸部360で囲まれる。第1平面351は、この切り欠き362を含む第2平面352と面一である。第1平面351には、光源80が実装される。
【0080】
図3に示すように、ハイビーム用の発光装置11の鏡筒30では係合凸部31であることに対し、
図11に示すように、ロービーム用の発光装置12の鏡筒330では、その後端面から前方に向かって凹む係合凹部331である点で相違する。他の構成においては鏡筒30と同様である。係合凹部331は、凸部360と対応する形状である。鏡筒330は、係合凹部331に凸部360を挿入し、係合することで、実装基台300に位置決めされる。そして、鏡筒330は、ネジ穴を挿通するボルト等の固定部材により、実装基台300に固定される。なお、係合凹部331は、貫通した孔でもよく、有底の凹状構造でもよい。
【0081】
図1に示すように、他方のヘッドライト103は、一方のヘッドライト103と同様の構成である。また、ロービーム用の
発光装置12においても、ハイビーム用の
発光装置11と同様の構成である。
【0082】
次に、このように構成された実装基台200の製造工程の一例を、
図12を用いて説明する。
図12は、実施の形態に係る実装基台200の製造工程を示す説明図である。なお、実装基台200は階段状に形成されているが、
図12では、実装基台200の一部の段部を示し、他の段部201を省略している。
【0083】
まず、実装基台200の金属層231の土台となる、実装基台200と同等の形状をなしたアルミニウム製の部材(金属層231)を準備する。
【0084】
次に、樹脂及び錯体を準備し、樹脂と、金属、酸素及び窒素の金属化合物である錯体とを混練しペレットを作成する。そして、金属層231に相当する部材を金型のキャビティ内に配置し、ペレットを射出させ、金属層231に相当する部材がペレットで覆われる樹脂塗装工程を行う。こうして、金属層231と絶縁層232とが積層された部材を得る。
【0085】
次に、熱引き口233を作成するために、レーザを絶縁層232に照射し、樹脂塗装工程で得た部材から、一部の金属層231を露出させる樹脂剥離工程を行う。熱引き口233は、発光部50を配置する領域における配線部220の給電面220aの近傍で形成される。つまり、熱引き口233は、有底の穴であり、絶縁層232から金属層231が露出する。なお、熱引き口233は、2つの放熱電極75に対応するように、2つの孔が形成されていてもよいが、1つの孔が形成されていてもよい。また、3つ以上の放熱電極75がある場合でも同様である。なお、本実施の形態では、一例として、レーザにより熱引き口233を形成しているが、これに限定されず、例えば、マスク等で熱引き口233を形成してもよい。なお、触媒により絶縁層232を形成することで、熱引き口233を形成してもよい。
【0086】
次に、配線部220を配置する場所にレーザを照射し、回路を形成するためのレーザパターニング工程を行う。このレーザパターニング工程では、絶縁層232に含まれる錯体から金属核が露出する。
【0087】
次に、樹脂剥離工程を経て得た部材において、熱引き口233の底部に無電解ニッケルを積層する下地メッキ工程を行う。こうして、熱引き口233の底部にだけ、ニッケルとニッケルに積層された銅のメッキ薄膜層231bが形成される。
【0088】
次に、レーザパターニング工程をした部材のパターニングされた部位に、無電解銅メッキ、電気銅メッキ、電気ニッケルメッキ、電気金メッキの順で積層された回路を形成する回路形成工程を行う。また、パターニングされた部位で行った回路形成工程と同時に、下地メッキ工程で形成されたメッキ薄膜層231bに、電気銅メッキ、電気ニッケルメッキ、電気金メッキの順で積層された回路を形成する回路形成工程を行う。こうして、実装基台200を得る。ここでは、絶縁層232に含まれる錯体を用いた方法で記載したが、触媒を用いて回路をメッキで形成する等の手法には限らない。例えば、マスクパターニングにより絶縁層232に回路を形成する等の公知の方法を用いて回路を形成してもよい。
【0089】
次に、熱引き口233及び配線部220の給電面220aに半田59を塗布し、発光部50を載置する。そして、部品搭載工程で得た部材を、加熱炉により加熱する加熱工程を経て、光源52が実装基台200に実装される。なお、実装基台300においても同様の製造工程である。ここでは、熱引き口233に行う下地メッキ工程は、熱引き口233のみに下地メッキを形成する方法で記載したが、金属層231の全面に下地メッキを形成しても、光源80で生じる熱を放熱することができる効果が得られることは言うまでもいない。
【0090】
なお、実装基台200の製造工程の一例を、説明したが、これらの工程の方法に限定されず、他の公知の方法を用いて実装基台200を製造してもよい。
【0091】
[作用効果]
次に、本実施の形態における実装基台200の作用効果について説明する。
【0092】
上述したように、本実施の形態に係る実装基台200は、車両100に用いられ、発光部50が実装される。また、金属層231と、金属層231に積層された絶縁層232とを備える。また、絶縁層232には、車両100の進行方向に面した主面250と、発光部50と金属層231とを接合する半田58が設けられる熱引き口233とが形成される。そして、複数の主面250を配列するように、段部201が形成される。
【0093】
従来のように、n電極バンプ及びp電極バンプを有する光源52を通常の基台に実装した場合、n電極バンプ及びp電極バンプから放熱が行われるが、n電極バンプ及びp電極バンプと金属層231との間には絶縁層232が形成されているため、光源52の熱が放熱され難い。しかし、この構成によれば、絶縁層232には、金属基台70と金属層231とを接合する半田59が設けられた熱引き口233が形成される。このため、光源52で生じた熱は、光源52、Auバンプ91、92、金属基台70、半田59、メッキ薄膜層231b及び金属層231に伝導して放熱される。
【0094】
また、従来の基台では、光出力が大きい光源52では、光源52に生じる熱を放熱させるために、基台のネジ止めを行う等の制約が生じ、基台を自由に配置し難いが、この実装基台200では、従来の基台に比べ、放熱性が高いため、ネジ止め等の制約が生じ難い。このため、この実装基台200では、従来の基台に比べ、実装基台200を配置する自由度が高く、移動体に対応した形状に設計することができる。
【0095】
したがって、この実装基台200では、移動体のデザインの自由度を保ち、かつ、光源52の熱を効率よく放熱することができる。
【0096】
特に、放熱性の低い基台では、光源52が発する光出力が大きい部分に採用し難いが、この実装基台200は、例えば従来のフレキシブル基板に比べ、放熱性が高いため、光出力が高いヘッドライト103にも採用することができる。
【0097】
また、この実装基台200では、従来のフレキシブル基板に比べ、重量を5分の1にしても、同等の放熱効果を得ることができた。このため、この実装基台200を移動体等に採用すれば、移動体の重量を低減することができる。
【0098】
さらに、この実装基台200では、従来のフレキシブル基板のように、フレキシブル基板に光源を実装してリフローした後に、接着材の塗布等の工程を行うこともないため、製造工程を削減することができる。このため、この実装基台200を移動体等に採用すれば、製造コストの低廉化を実現することができる。
【0099】
また、この実装基台200では、熱引き口233のメッキ薄膜層231bと、レーザパターニング工程でパターニングされた部位に、電解銅メッキ、電解ニッケルメッキ、電解金メッキの順で積層されたメッキを形成する。このため、金属層231と絶縁層232との間にニッケルメッキが形成された基台に比べ、製造コストの低廉化を実現することができる。
【0100】
また、本実施の形態に係るヘッドライト103は、実装基台200を複数備える。また、本実施の形態に係る移動体は、実装基台200を備える。
【0101】
これらの構成においても、同様の作用効果を奏する。
【0102】
また、本実施の形態に係る実装基台200は、さらに、発光部50の光軸方向とは反対側で、発光部50の光源52に給電を行う給電面220aが形成された配線部220を有する。そして、給電面220aは、熱引き口233よりも略鉛直方向に配置される。
【0103】
この構成によれば、給電面220aが熱引き口233の下方に設けられるため、熱引き口233のザグリにより、発光部50の配置が左右方向にズレたとしても、発光部50の配置が上下方向にズレた場合に比べ、発光部50の光軸のズレが許容される。
【0104】
また、本実施の形態に係る実装基台200は、主面250を正面視した場合に、進行方向に向かうにつれて、主面250が進行方向と略直交する平面と平行に近づく。
【0105】
この構成によれば、発光部50を実装基台200に実装した際に、発光部50は、その光軸が進行方向から左右方向に広がるように配置される。このため、この実装基台200を用いれば、ヘッドライト103が広がりをもって配光され易い。
【0106】
また、本実施の形態に係る実装基台200、300は、さらに、発光部50、80の周囲に形成され、凹部260、又は凸部360が設けられる。また、主面250、350は、発光部50、80が実装され、一部を除いて凹部260又は凸部360で囲まれる第1平面251、351と、第1平面251、351以外の第2平面252、352とを有する。さらに、第1平面251、351と第2平面252、352とは、面一である。そして、配線部220は、第1平面251、351及び第2平面252、352に形成される。
【0107】
この構成によれば、第1平面251と第2平面252とは面一であるため、配線部220を第2平面252から第1平面251に延設する際に、凹部260を介することなく、第2平面252を有するブリッジ262を介して第1平面251に形成することができる。このため、凹部260に配線部220を設ける場合に比べ、断線し難い。
【0108】
また、この構成によれば、第1平面351と第2平面352とは面一であるため、配線部220を第2平面352から第1平面351に延設する際に、凸部360を介することなく、第2平面352を有する切り欠き362を介して第1平面351に形成することができる。このため、凸部360に配線部220を設ける場合に比べ、断線し難い。
【0109】
また、本実施の形態に係るハイビーム用の発光装置11に用いられる実装基台200において、凹部260に係合する鏡筒30であって、凹部260は、開口から底部側に向かうにつれて、開口を次第に狭める傾斜面261を有する。
【0110】
この構成によれば、実装基台200に、第1透光部41及び第2透光部42を含んだ鏡筒30を固定する際に、位置決めを行い易い。このため、この鏡筒30は、精度よく実装基台200に固定されるため、第1透光部41及び第2透光部42を透過する発光部50の光軸が所望の方向からズレ難い。
【0111】
また、本実施の形態に係るロービーム用の発光装置12に用いられる実装基台300において、凸部360は、主面350から先端側に向かうにつれて次第に外径が狭まる傾斜面361を有する。
【0112】
この構成によれば、実装基台300に、第1透光部41及び第2透光部42を含んだ鏡筒330を固定する際に、位置決めを行い易い。このため、この鏡筒330は、精度よく実装基台300に固定されるため、第1透光部41及び第2透光部42を透過する発光部80の光軸が所望の方向からズレ難い。
【0113】
また、本実施の形態に係る実装基台200は、主面250を正面視した場合に、進行方向に向かうにつれて、発光部50の光軸が進行方向と平行に近づく。
【0114】
この構成によれば、車両100のヘッドライト103から発せられる光は、進行方向から左右方向に広がりをもって配光することができる。
【0115】
また、本実施の形態に係る実装基台200において、段部201とは反対側の背面には、段部201に対応する位置にリブ202が設けられる。
【0116】
この構成によれば、リブ202が実装基台200の背面における段状構造のコーナに形成されているため、実装基台200の強度を確保することができる。
【0117】
また、本実施の形態に係る実装基台200において、実装基台200の段部201とは反対側の背面には、略鉛直方向に延びる放熱フィン60が設けられる。
【0118】
この構成によれば、放熱フィン60は、並び方向と略直交する方向に延びているため、実装基台200の背面で上方向に向かう自然対流が通過し易い。このため、実装基台200の背面には、実装基台200の背面で熱が対流し難い。その結果、並び方向と略平行する方向に延びる放熱フィン60に比べ、放熱フィン60は、実装基台200の背面で放熱し易い。
【0119】
また、本実施の形態に係る実装基台200は、複数の主面250が並ぶ並び方向に長尺であり、かつ、湾曲している。
【0120】
この構成によれば、多岐にわたる移動体の形状に合わせることができる。このため、この実装基台200では、設計の自由度を高めることができる。
【0121】
また、本実施の形態に係る実装基台200は、隣接する他の当該実装基台200と連結可能な連結部270を有する。
【0122】
この構成によれば、実装基台200を複数接続することで、移動体の構造に合わせて立体的に配置することができる。このため、この実装基台200は、より設計の自由度を高めることができる。
【0123】
また、本実施の形態に係る実装基台200において、連結部270は、当該実装基台200の端部側に設けられる。
【0124】
この構成によれば、他の隣接する実装基台200と接続を行い易い。
【0125】
また、本実施の形態に係る発光装置11、12は、実装基台200と、光を発する発光部50と、光を反射する鏡筒30と、発光部50が発する光を略進行方向に導くように、鏡筒30に設けられた透光性の第1透光部41とを備える。
【0126】
この構成によれば、光が第1透光部41及び鏡筒30により、略進行方向に導かれる。このため、車両100の進行方向に対し、指向性の高い光がヘッドライト103から出射する。
【0127】
また、本実施の形態に係る発光装置11、12は、さらに、鏡筒30に設けられ、第1透光部41よりも進行方向側で、光を集光する透光性の第2透光部42を備える。
【0128】
この構成によれば、例えば、第1透光部41の第1出射面41bから出射した光を集光し、第2透光部42の第2出射面42b出射させるため、車両100の進行方向に対し、より指向性の高い光がヘッドライト103から出射する。
【0129】
なお、ロービーム用の発光装置12、発光装置12に用いられる実装基台300においても同様の作用効果を奏するため、特に明記している場合を除き、その説明を省略する。
【0130】
(その他変形例等)
以上、本発明について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0131】
例えば、上記実施の形態において、各々の主面は、進行方向と略直交する平面に対し、略平行と交差とがランダムとなるように、実装基台に設けられていてもよい。また、各々の側面は、鉛直方向に略平行と、鉛直方向に交差とがランダムとなるように、実装基台に設けられていてもよい。
【0132】
また、上記実施の形態において、
図2の(b)は、変形例における移動体のヘッドライトを示す部分拡大斜視図である。
図2の(c)は、変形例における移動体のヘッドライトを示す部分拡大斜視図である。
【0133】
図2の(b)で示すように、ヘッドライト103は、複数のハイビーム用の発光装置411と、複数のロービーム用の発光装置412とを備える。実装基台を用いて、
図2の(b)のような、発光装置412をマトリクス状に配列することができる。また、
図2の(c)でも、ハイビーム用の発光装置511と、複数のロービーム用の発光装置512とを備える。実装基台を用いれば、
図2の(c)のように、発光装置412を配列することができる。なお、実装基台の形状は、移動体に配置する形状に合わせて任意に変更することができ、これらの形状に限定されない。
【0134】
また、
図13の(a)は、実施の形態に係る実装基台500に実装した発光部50を示す斜視図である。
図13の(b)は、実施の形態に係る実装基台500及び実装した発光部50を示す部分拡大断面図である。
図13の(b)は、
図13の(a)のE−E線における断面図である。
【0135】
実施の形態の実装基台200の凹部260は有底の凹部であるが、
図13の(a)及び
図13の(b)に示すような貫通孔560(凹部の一例)であってもよい。複数の貫通孔560が発光部50の周囲に配置されている。具体的には、各々の貫通孔560は、主面250から実装基台500の背面まで貫通している。なお、各々の貫通孔560は、正面視で円形状をなしているが、楕円形状、方形状等の形状であってもよい。
図9のような傾斜面261は、貫通孔560に形成されていなくてもよく、必須の構成要件ではない。
【0136】
この場合、鏡筒530の複数の係合凸部531は、複数の貫通孔560と対応するように形成されている。各々の係合凸部531は、貫通孔560の形状と対応する柱状の凸部である。つまり、係合凸部531は、正面視で、貫通孔560の形状と対応する、円形状、楕円形状、方形状等の形状であってもよい。また、対となる貫通孔560のうち、一方の貫通孔560の形状を円形状としつつ他方の貫通孔560の形状を楕円形状とし、鏡筒530の係合凸部531の形状を円形状としてもよい。このような場合、鏡筒530を実装基台500に対して容易に位置決めすることが可能となり、また、貫通孔560及び、係合凸部531を製造し易いため、製造コストが高騰化し難い。
【0137】
また、上記実施の形態において、給電面は、熱引き口よりも略水平方向に配置されていてもよい。つまり、給電面は、熱引き口の左側又は右側に設けられていてもよい。
【0138】
以上、本発明の一つまたは複数の態様について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。