(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
まず、
図1〜
図3を用いて、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の構成の一例について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の正面図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の前面扉を開いたときの内部を示す正面図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置の外部構成を示す図である。
【0017】
図1に示すように、飲料供給装置100は、開閉可能な前面扉1にタッチパネル2を備える。タッチパネル2は、飲料供給装置100の利用者に対して飲料の選択肢を表示するとともに、利用者による飲料の選択操作を受け付ける操作受付部である。
【0018】
具体的には、タッチパネル2は、希釈水および/または炭酸水により希釈されて主飲料を構成するメインシロップの選択肢、および、主飲料にフレーバとして添加されるトッピングシロップの選択肢を表示し、メインシロップ、および、トッピングシロップを選択する操作を利用者から受け付ける処理などを行う。
【0019】
また、
図1に示すように、タッチパネル2の下方には、物理ボタン3a〜3cが備えられている。物理ボタン3a〜3cは、利用者から飲料の吐出を指示する操作を受け付ける。また、物理ボタン3a〜3cの下方には、それぞれ、利用者が容器(グラス、カップ等)を載置する容器置き場4a〜4cが備えられている。
【0020】
物理ボタン3aは、容器置き場4aに対応しており、かつ、
図2に示す希釈水ノズル5aおよびシロップノズル50に対応している。また、物理ボタン3bは、容器置き場4bに対応しており、かつ、
図2に示すノズル5bに対応している。また、物理ボタン3cは容器置き場4cに対応しており、かつ、
図2に示す希釈水ノズル5c、シロップノズル51、および炭酸水ノズル52に対応している。
【0021】
利用者は、タッチパネル2において飲料の選択操作を行った後、容器置き場4a〜4cのいずれかに容器を置き、物理ボタン3a〜3cのいずれかを押下する。
【0022】
例えば、物理ボタン3aが押下された場合、
図2に示すバックインボックス(以下、BIBという)6内のシロップがBIB用チューブポンプ26を介してシロップノズル50から吐出され、吐出流となる。このシロップの吐出流は、希釈水ノズル5aから吐出される希釈水の吐出流と衝突して混合される。これにより、飲料が製造される。このようにして製造された飲料は、容器置き場4aに置かれた容器に供給される。
【0023】
また、例えば、物理ボタン3bが押下された場合、ノズル5bにおいて、シロップと、希釈水および/または炭酸水とが混合され、飲料が製造される。このようにして製造された飲料は、ノズル5bから吐出され、容器置き場4bに置かれた容器に供給される。
【0024】
また、例えば、物理ボタン3cが押下された場合、
図2に示すBIB7内のシロップがBIB用チューブポンプ27を介してシロップノズル51から吐出され、吐出流となる。このシロップの吐出流は、希釈水ノズル5cから吐出される希釈水の吐出流および/または炭酸水ノズル52から吐出される炭酸水の吐出流と衝突して混合される。これにより、飲料が製造される。このようにして製造された飲料は、容器置き場4cに置かれた容器に供給される。
【0025】
なお、上述した各飲料は、物理ボタン3a〜3cが押下されている間、容器に供給される。
【0026】
また、上述した炭酸水ノズル52は、BIB6側に備えられてもよく、BIB6側およびBIB7側の両方に備えられてもよい。
【0027】
また、上述したBIB6、7は、冷蔵エリアに備えられる。このBIB6、7には、冷蔵保存が必要なシロップが蓄えられる。また、冷蔵保存の必要のないシロップは、後に
図3を用いて説明するシロップタンク10に格納される。
【0028】
ここで、本実施の形態でいうシロップとは、糖分を含む濃縮液だけでなく、糖分を含まない濃縮液(例えば、緑茶、紅茶などの原液)も含むものとする。
【0029】
また、上述したノズル5bは、希釈水および/または炭酸水と、メインシロップとを所定の割合で混合して主飲料を製造するとともに、希釈しない状態のトッピングシロップを主飲料に混合して飲料(以下、フレーバ添加飲料という)を製造する混合部である。ノズル5bで製造されたフレーバ添加飲料は、容器置き場4bに載置された容器にノズル5bから吐出される。
【0030】
このように、メインシロップとトッピングシロップとの2種類を混同することにより、利用者に提供する飲料の味の選択肢を大幅に増やすことができる。
【0031】
ここで、メインシロップおよびトッピングシロップは、次に説明する
図3に示されたシロップタンク10に格納されている。なお、ノズル5bは、上記フレーバ添加飲料を吐出する以外にも、水のみ、または、炭酸水のみの吐出も行う。
【0032】
また、
図3に示すように、飲料供給装置100には、浄化フィルタ8、炭酸ガスボンベ9、複数のシロップタンク10が備えられる。
【0033】
浄化フィルタ8は、ブレードチューブ11から供給される水道水を浄化し、浄化した水を、ブレードチューブ12を介して飲料供給装置100内部に供給する。浄化された水は、希釈水または加圧水として用いられたり、または、飲料水として供給されたりする。ブレードチューブ12は、例えば、飲料供給装置100の内部に設けられたカーボネータ(図示略)、希釈水ノズル5a、5c、ノズル5bに接続される。
【0034】
炭酸ガスボンベ9は、炭酸ガスを蓄えている。この炭酸ガスは、ガスレギュレータ13に設定された所定の圧力(例えば、0.6MPa)で、ブレードチューブ14を介してカーボネータに供給される。また、この炭酸ガスは、ガスレギュレータ13に設定された所定の圧力(例えば、0.2MPa)で、ブレードチューブ15を介して各シロップタンク10に供給される。
【0035】
複数のシロップタンク10は、それぞれ異なるシロップを蓄えている。これらのシロップは、上述したとおり、メインシロップまたはトッピングシロップとして用いられるものである。これらのシロップは、炭酸ガスボンベ9から供給されるガスの圧力により押し出され、ブレードチューブ16を介してノズル5bに供給される。
【0036】
次に、
図4を用いて、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の制御部20とその周辺の構成について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る飲料供給装置100の機能ブロック図である。
【0037】
飲料供給装置100は、
図1で説明したタッチパネル2、物理ボタン3a〜3cに加えて、制御部20、記憶部21、水電磁弁23、炭酸水電磁弁24、シロップ電磁弁25、BIB用チューブポンプ26、27を備える。
【0038】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)などの制御デバイスである。制御部20は、飲料供給装置100に備えられた各機能部を制御する。記憶部21は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリデバイスである。記憶部21は、後に説明するテーブル28、希釈比率データ29、制御データ30、全体容量データ31、賞味期限データ32、容器容量データ33などを記憶する。
【0039】
制御部20は、記憶部21から読み出したデータに基づいて、タッチパネル2の制御、および、飲料の供給の制御を行う。タッチパネル2の制御については、
図7、
図8を用いて後に詳細に説明する。ここではまず、飲料の供給制御について説明する。
【0040】
制御部20は、タッチパネル2において利用者により飲料を選択する操作が行われると、選択された飲料に関するデータを記憶部21から読み出し、読み出したデータに基づいて飲料を製造する。このデータは、例えば、希釈比率データ29、制御データ30である。
【0041】
希釈比率データ29は、希釈水および/または炭酸水と、メインシロップおよび/またはトッピングシロップとの希釈比率を示すデータである。
【0042】
この希釈比率データ29の一例を
図5に示す。
図5に示すように、この希釈比率データ29には、飲料の種類に対応付けて、その飲料を製造する際の希釈比率が登録されている。
図5において、r1〜r8は、所定の数値である。また、
図5において、ブランドはアルファベットで示している。
【0043】
例えば、この希釈比率データ29では、ブランドAの飲料の希釈比率として、希釈水r1:メインシロップr2が登録されている。よって、利用者によりブランドAの飲料が選択された場合、上記希釈比率に基づいて希釈水とメインシロップ(ブランドAのシロップ)とが混合された飲料が製造されることになる。
【0044】
また、例えば、この希釈比率データ29では、ブランドAのレモン風味飲料の希釈比率として、希釈水r3:メインシロップr4:トッピングシロップr5が登録されている。よって、利用者によりブランドAのレモン風味飲料が選択された場合、上記希釈比率に基づいて希釈水とメインシロップ(ブランドAのシロップ)とトッピングシロップ(レモン風味のシロップ)とが混合された飲料が製造されることになる。
【0045】
また、例えば、この希釈比率データ29では、ブランドAのピーチ風味飲料の希釈比率として、希釈水r6:メインシロップr7:トッピングシロップr8が登録されている。よって、利用者によりブランドAのピーチ風味飲料が選択された場合、上記希釈比率に基づいて希釈水とメインシロップ(ブランドAのシロップ)とトッピングシロップ(ピーチ風味のシロップ)とが混合された飲料が製造されることになる。
【0046】
このように、希釈比率データ29には、飲料供給装置100が製造、供給可能な飲料毎に、希釈比率が予め設定されている。
【0047】
制御データ30は、上記希釈比率に応じて各電磁弁(水電磁弁23、炭酸水電磁弁24、シロップ電磁弁25)の開閉を制御するための設定データ、BIB用チューブポンプ26、27の駆動を制御するための設定データなどである。
【0048】
なお、以下では、各電磁弁の開閉により水、炭酸水、メインシロップ、および、トッピングシロップの供給制御を行う場合について説明するが、ポンプ等による供給制御が行われてもよい。
【0049】
また、制御部20は、タッチパネル2において利用者により飲料を選択する操作が行われた場合、テーブル28を記憶部21から読み出す。テーブル28は、利用者により選択された飲料に対応する物理ボタン3a〜3cを示す情報である。
【0050】
このテーブル28の一例を
図6に示す。
図6に示すように、このテーブル28には、飲料のブランドに対応付けて、そのブランドの飲料を吐出するノズルに対応する物理ボタン3a〜3cの情報が登録されている。なお、
図6では、ブランドをアルファベットで示している。
【0051】
例えば、このテーブル28では、ブランドDと物理ボタン3aとが対応付けられている。よって、利用者によりブランドDの飲料が選択され、物理ボタン3aが押下された場合、上述したように製造されたブランドDの飲料が、物理ボタン3aに対応する容器置き場4aに置かれた容器に供給されることになる。
【0052】
また、テーブル28では、ブランドGと物理ボタン3cとが対応付けられている。よって、利用者によりブランドGの飲料が選択され、物理ボタン3cが押下された場合、上述したように製造されたブランドGの飲料が、物理ボタン3cに対応する容器置き場4cに置かれた容器に供給されることになる。
【0053】
さらに、テーブル28では、ブランドA〜C、E、F、H〜J、水、炭酸水と物理ボタン3bとが対応付けられている。よって、利用者によりブランドA〜C、E、F、H〜J、水、炭酸水のいずれかの飲料が選択され、物理ボタン3bが押下された場合、上述したように製造された飲料(例えば、フレーバ添加飲料、水、炭酸水)が、物理ボタン3bに対応する容器置き場4bに置かれた容器に供給されることになる。なお、水、炭酸水はブランドではないが、本実施の形態では便宜上、水、炭酸水をブランドの一種として扱う。
【0054】
また制御部20は、物理ボタン3a〜3cのいずれかが押下されたことを検知した場合、電磁弁23〜25の開閉、BIB用チューブポンプ26、27の駆動の少なくとも1つを制御して、水、炭酸水、メインシロップ、または、トッピングシロップを、押下された物理ボタン3a〜3cに対応するノズル(希釈水ノズル5a、5c、ノズル5b、シロップノズル50、51)に供給する。
【0055】
例えば、利用者によりブランドA〜C、E、F、H〜Jのいずれかの飲料が選択され、物理ボタン3bが押下された場合、制御部20は、選択されたブランドのシロップ(メインシロップ)を蓄えているシロップタンク10とノズル5bとの間に設けられたシロップ電磁弁25を開状態にさせるとともに、水電磁弁23および/または炭酸水電磁弁24を開状態にさせる。なお、制御部20は、水電磁弁23および炭酸水電磁弁24を開状態にさせる場合、水電磁弁23と炭酸水電磁弁24とを交互に開状態にさせるが、それらを同時に開状態にさせてもよい。
【0056】
これにより、シロップと、水および/または炭酸水とがノズル5bにおいて混合され、その結果得られた飲料が、ノズル5bから吐出される。
【0057】
なお、利用者によりフレーバ添加飲料が選択された場合、制御部20は、メインシロップを蓄えているシロップタンク10とノズル5bとの間に設けられたシロップ電磁弁25に加え、利用者により選択されたフレーバ(例えば、オレンジ、グレープなどのフルーツ風味)のトッピングシロップを蓄えているシロップタンク10とノズル5bとの間に設けられたシロップ電磁弁25を開状態にさせる。
【0058】
これにより、メインシロップに加え、トッピングシロップもノズル5bに供給することができ、これらと水および/または炭酸水とを混合することにより、フレーバ添加飲料を製造することができる。
【0059】
また、利用者により水が選択され、物理ボタン3bが押下された場合、制御部20は、浄化フィルタ8とノズル5bとの間に設けられた水電磁弁23を開状態にさせる。これにより、ノズル5bから水が吐出される。
【0060】
さらに、利用者により炭酸水が選択され、ノズル5bに対応する物理ボタン3bが押下された場合、制御部20は、カーボネータとノズル5bとの間に設けられた炭酸水電磁弁24を開状態にさせる。これにより、ノズル5bから炭酸水が吐出される。
【0061】
同様に、利用者によりブランドDの飲料が選択され、物理ボタン3aが押下された場合、制御部20は、選択されたブランドDのシロップを蓄えているBIB6とシロップノズル50との間に設けられたBIB用チューブポンプ26を所定の条件で駆動させる。これとともに、制御部20は、水電磁弁23を開状態にさせ、希釈水ノズル5aから希釈水を吐出させる。
【0062】
これにより、ブランドDのシロップと希釈水とが混合された飲料が、容器置き場4aに置かれた容器に供給される。
【0063】
また、利用者によりブランドGの飲料が選択され、物理ボタン3cが押下された場合、制御部20は、選択されたブランドGのシロップを蓄えているBIB7とシロップノズル51との間に設けられたBIB用チューブポンプ27を所定の条件で駆動させる。これとともに、制御部20は、水電磁弁23および/または炭酸水電磁弁24を開状態にさせ、希釈水および/または炭酸水を希釈水ノズル5cおよび/または炭酸水ノズル52から吐出させる。
【0064】
これにより、ブランドGのシロップと水および/または炭酸水とが混合された飲料が、容器置き場4cに置かれた容器に供給される。
【0065】
以上、制御部20により実行される飲料の供給制御の一例について説明した。
【0066】
次に、
図7、
図8を用いて、制御部20により実行されるタッチパネル2の画面表示の制御例について説明する。ここでは、各シロップの状態を示すシロップ状態画面をタッチパネル2に表示させる制御例について説明する。
図7は、本制御例を示すフローチャートである。
図8は、タッチパネル2におけるシロップ状態画面の表示例を示す図である。
【0067】
まず、制御部20は、飲料の供給を実行する毎に、現在残量を算出する(ステップS1)。現在残量とは、現在シロップタンク内またはBIB内に残っているシロップの量である。
【0068】
ここで、現在残量の算出の具体例について説明する。例えば、ブランドAの飲料の製造、供給が実行された場合、制御部20は、その飲料の製造に使用されたブランドAのシロップの量、すなわち、ノズル5bから吐出されるブランドAのシロップの吐出量を検出する。
【0069】
例えば、制御部20は、図示しないシロップ流量計のパルスをカウントすることで、ブランドAのシロップの流量(吐出量)を検出する。シロップ流量計は、例えば、シロップ電磁弁25とノズル5bとの間に配置され、シロップが単位量通過する毎にパルスを発生する。
【0070】
なお、本実施形態では、上述したように各電磁弁の開閉によりシロップ(メインシロップ、トッピングシロップ)の供給制御を行う場合について説明するが、ポンプ等による供給制御が行われる場合、制御部20は、図示しない水流量計または炭酸水流量計のパルスをカウントし、そのパルスに基づいてシロップモータの回転数を制御し、ポンプから送出されるシロップの流量を制御する。
【0071】
この制御のときに、制御部20は、ブランドAのシロップの流量(吐出量)を検出してもよい。水流量計は、水電磁弁23とノズル5bとの間に配置され、水が単位量通過する毎にパルスを発生する。また、炭酸水流量計は、炭酸水電磁弁24とノズル5bとの間に配置され、炭酸水が単位量通過する毎にパルスを発生する。
【0072】
次に、制御部20は、記憶部21から全体容量データ31を読み出す。全体容量データ31は、シロップタンク10またはBIB6、7の全体容量(換言すれば、シロップタンク10またはBIB6、7に格納されているシロップが満タンのときの量)を示すデータである。全体容量は、例えば、飲料メーカや店舗等の飲料供給装置100の管理者により予め設定される。ここでは例として、制御部20は、記憶部21から、ブランドAのシロップを格納しているシロップタンク10の全体容量データ31を読み出す。
【0073】
次に、制御部20は、読み出した全体容量データ31の全体容量から、検出したシロップの吐出量を減算することで、現在残量を算出する。そして、制御部20は、算出した現在残量を示す現在残量データを記憶部21に記憶させる。ここでは例として、制御部20は、ブランドAのシロップを格納しているシロップタンク10における残量を算出し、その残量を示す現在残量データを記憶部21に格納する。
【0074】
また、制御部20は、全体容量に対する現在残量の割合である残量割合を算出し、その残量割合を示す残量割合データを記憶部21に記憶させる。ここでは例として、制御部20は、ブランドAのシロップを格納しているシロップタンク10の全体容量に対するブランドAのシロップの現在残量の割合を算出し、その割合を示す残量割合データを記憶部21に格納する。
【0075】
以上、現在残量の算出の具体例について説明した。以下、
図7のフローチャートの説明に戻る。
【0076】
ステップS1の処理の後、制御部20は、シロップ状態画面の表示指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS2)。例えば、飲料供給装置100の管理者は、タッチパネル2等において、シロップ状態画面の表示指示の操作を行うことができる。制御部20は、タッチパネル2において上記操作が行われると、シロップ状態画面の表示指示を受け付けたと判定する。
【0077】
ステップS2における判定の結果、シロップ状態画面の表示指示を受け付けていない場合(ステップS2:NO)、ステップS1の処理が再度実行される。
【0078】
一方、ステップS2における判定の結果、シロップ状態画面の表示指示を受け付けた場合(ステップS2:YES)、制御部20は、記憶部21から、上述したシロップ毎の残量割合データを読み出す。
【0079】
次に、制御部20は、シロップ状態画面をタッチパネル2に表示させ、そのシロップ状態画面において、読み出した各残量割合データに基づいて、ブランド毎にシロップの残量割合を表示させる(ステップS3)。
【0080】
ここで、ステップS3におけるシロップ状態画面の表示例について
図8を用いて説明する。
図8に示すように、シロップ状態画面の左側領域には、例えば、ブランド名情報41、残量割合情報42、43が表示される。
【0081】
ブランド名情報41は、飲料のブランドの名称を示している。
図8の例では、ブランド名情報41として、ブランドA〜Gが表示されている。
【0082】
残量割合情報42、43は、ブランド名情報41が示すブランドの飲料に使用されるシロップの残量割合を示している。残量割合情報42は、シロップの残量割合をバーで示しており、残量割合情報43は、シロップの残量割合を数値で示している。なお、
図8の例では、残量割合情報42、43の両方を表示するとしたが、いずれか一方であってもよい。
【0083】
このようなシロップ状態画面の表示により、飲料供給装置100の管理者は、ブランド毎にシロップの残量割合を容易に把握することができる。
【0084】
なお、
図8では、シロップ状態画面の右側領域に、全体容量情報44、賞味期限情報45、現在残量情報46、推定残販売数情報47が示されているが、これらの情報については後述する。
【0085】
以上、ステップS3におけるシロップ状態画面の表示例について説明した。以下、
図7のフローチャートの説明に戻る。
【0086】
ステップS3の処理の後、制御部20は、シロップ状態画面におけるブランドの選択指示を受け付ける(ステップS4)。例えば、飲料供給装置100の管理者は、タッチパネル2等において、ブランドA〜Gのいずれかを選択する操作を行うことができる。
【0087】
次に、制御部20は、現在残量データ、希釈比率データ29、全体容量データ31、賞味期限データ32、容器容量データ33を記憶部21から取得する(ステップS5)。例えば、ステップS4においてブランドAが選択された場合、上記各データは以下の通りである。
【0088】
現在残量データは、上記ステップS1で算出されたブランドAのシロップの現在残量を示すデータである。
【0089】
希釈比率データ29は、ブランドAの飲料の希釈比率データ29である。ここでの希釈比率データ29は、希釈水および/または炭酸水とメインシロップのみ(すなわち、トッピングシロップは含まない)との希釈比率を示すデータ(例えば、
図5に示す一番上の希釈比率データ29)である。
【0090】
全体容量データ31は、ブランドAのシロップを格納するシロップタンク10の全体容量を示すデータである。
【0091】
賞味期限データ32は、ブランドAのシロップの賞味期限を示すデータである。この賞味期限は、例えば、飲料供給装置100の管理者により予め設定される。
【0092】
容器容量データ33は、飲料が供給される容器の容量を示すデータであり、飲料の容器1杯当たりの供給量を示すデータである。この容器の容量は、例えば、飲料供給装置100の管理者により予め設定される。
【0093】
本実施形態のように、利用者が物理ボタン3a〜3cを押下した間だけ飲料を容器に供給する場合、1回の販売で供給する飲料の容量が分からない。そこで、1回の飲料供給で利用者に供給する飲料供給量の平均値(例えば180mlとし、使用する容器に応じて設定を変更できる。)を容器容量データ33に設定する。
【0094】
また、Sサイズ(100ml)、Mサイズ(200ml)、Lサイズ(300ml)のようにポーション販売形式をとる場合には、利用者が使用する容器に応じて容器容量データ33を決めればよい。なお、容器容量は、ステップS4において選択されたブランドに関わらず一定である。
【0095】
次に、制御部20は、希釈比率データ29と容器容量データ33に基づいて、容器1杯あたりのシロップ吐出量を算出する(ステップS6)。例えば、希釈比率が
図5に示す希釈水r1:メインシロップr2であり、容器容量がv1である場合、容器1杯あたりのシロップ吐出量v2は、以下の式で算出される。
v2=v1×r2/(r1+r2)
【0096】
次に、制御部20は、現在残量データと容器1杯あたりのシロップ吐出量に基づいて、推定残販売数を算出する(ステップS7)。推定残販売数は、仮に現在残量のシロップを全て用いて飲料(希釈水および/または炭酸水とメインシロップを混合した飲料)を製造した場合、あとどの位の販売が見込めるかを容器数(杯数)で示す値である。例えば、現在残量がv3であり、容器1杯あたりのシロップ吐出量v2である場合、推定残販売数Eは、以下の式で算出される。
E=v3/v2
【0097】
次に、制御部20は、表示中のシロップ状態画面において、推定残販売数を表示させる(ステップS8)。また、このとき、制御部20は、全体容量データ31、賞味期限データ32、現在残量データに基づいて、各種情報を表示させてもよい。
【0098】
ここで、ステップS8におけるシロップ状態画面の表示例について
図8を用いて説明する。ここでは例として、ステップS4においてブランドAが選択された場合について説明する。
【0099】
図8に示すように、シロップ状態画面の右側領域には、例えば、選択されたブランドAのシロップの詳細情報として、全体容量情報44、賞味期限情報45、現在残量情報46、推定残販売数情報47が表示される。
【0100】
なお、シロップ状態画面の左側領域には、上述したとおり、ブランド名情報41、残量割合情報42、43が表示されている。ここで、例えば、ブランドAを選択中であることが認識できるように、ブランドAの情報41〜43を他のブランドの情報41〜43と異なる態様(例えば、表示の色を変える、各情報に所定の装飾を施す等)で表示してもよい。
【0101】
全体容量情報44は、ブランドAのシロップを格納するシロップタンク10の全体容量を示している。
図8の例では、全体容量の単位はL(リットル)としている。
【0102】
賞味期限情報45は、ブランドAのシロップの賞味期限を示している。
図8の例では、賞味期限は、年、月、日で表している。
【0103】
現在残量情報46は、ブランドAのシロップの現在残量を示している。
図8の例では、現在残量の単位はL(リットル)としている。
【0104】
推定残販売数情報47は、ブランドAの飲料の推定残販売数を示している。
図8の例では、推定残販売数の単位は容器数(杯)としている。
【0105】
以上、ステップS8におけるシロップ状態画面の表示例について説明した。
【0106】
以上のように、本実施の形態によれば、容器容量とシロップの希釈比率に基づいて容器1杯あたりのシロップ吐出量を算出し、その容器1杯あたりのシロップ吐出量とシロップの現在残量に基づいて推定残販売数を算出し、表示することにより、各シロップの適切な補充時期(シロップタンクまたはBIBの適切な交換時期)を飲料供給装置100の管理者に把握させることができる。
【0107】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。
【0108】
例えば、上記シロップ状態画面において、所定のブランドが選択された場合、そのブランドの飲料(希釈水および/または炭酸水とメインシロップを混合した飲料)が売り切れるまでの日数(以下、売り切れ日数という)を算出し、その売り切れ日数をシロップ状態画面に表示するようにしてもよい。
【0109】
この具体例について以下に説明する。まず、制御部20は、飲料毎に、所定期間(例えば、1週間)あたりの実販売数を記録し、単位期間(例えば、1日)あたりの平均販売数を算出する。そして、制御部20は、上述した推定残販売数を平均販売数で割ることで、シロップ状態画面で選択されたブランドの飲料の売り切れまでの期間(例えば、日数)を算出し、売り切れまでの期間をシロップ状態画面に表示する。
【0110】
なお、上記では、売り切れまでの期間の算出に平均販売数を用いたが、記録された実販売数そのものを用いてもよいし、または、予め定められた単位期間あたりの予測販売数を用いてもよい。
【0111】
これにより、飲料供給装置100の管理者は、各シロップの適切な補充時期(シロップタンクまたはBIBの適切な交換時期)をより容易に把握することができる。
【0112】
さらに、制御部20は、現在の日にちに売り切れまでの期間を加算することで売り切れ予定日を算出し、その売り切れ予定日が、シロップ状態画面で選択されたブランドの飲料の製造に用いられるシロップの賞味期限を超える場合、シロップ状態画面において警告情報(例えば、賞味期限が過ぎてもシロップが売り切れない旨のメッセージ)の表示を行うようにしてもよい。
【0113】
2014年10月31日出願の特願2014−223632の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。