【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインであって、該DNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6、SEQ ID No.8、SEQ ID No. 11、SEQ ID No.14、SEQ ID No. 17、SEQ ID No.20、SEQ ID No. 23、SEQ ID No.26、SEQ ID No. 29、SEQ ID No.32、SEQ ID No. 35、SEQ ID No.38およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれるアミノ酸配列を含むDNA結合ドメインに関する。
【0017】
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 6は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 4に結合する。
【0018】
本発明の別の実施形態において、SEQ ID No.8は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 5に結合する。
【0019】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No. 11は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 10に結合する。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.14は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 13に結合する。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No. 17は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 16に結合する。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.20は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 19に結合する。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No. 23は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 22に結合する。
【0024】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.26は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 25に結合する。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No. 29は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 28に結合する。
【0026】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.32は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 31に結合する。
【0027】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.35は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 34に結合する。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態において、SEQ ID No.38は、Fut8遺伝子配列のSEQ ID No. 37に結合する。
【0029】
また本発明は、上記のDNA結合ドメインをコードするポリヌクレオチドであって、該ポリヌクレオチドは、SEQ ID No. 7、SEQ ID No. 9、SEQ ID No. 12、SEQ ID No. 15、SEQ ID No. 18、SEQ ID No. 21、SEQ ID No. 24、SEQ ID No. 27、SEQ ID No. 30、SEQ ID No. 33、SEQ ID No. 36、SEQ ID No. 39およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれるヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドに関する。
【0030】
また本発明は、上記のDNA結合ドメインおよびヌクレアーゼを含む、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質に関する。
【0031】
本発明の一実施形態において、ヌクレアーゼはFok1エンドヌクレアーゼである。
【0032】
また本発明は、上記のポリヌクレオチドを含むベクターに関する。
【0033】
また本発明は、上記のベクターを含む細胞に関する。
【0034】
本発明の一実施形態において、上記の細胞は哺乳類細胞である。
【0035】
また本発明は、フコシル化活性を持たない細胞を取得する方法であって、該方法は:
a)転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ構築物を取得するステップ;および、
b)ステップa)の構築物を細胞に遺伝子導入し、フコシル化活性を持たない細胞を取得するステップ
を含む方法に関する。
【0036】
また本発明は、
非フコシル化タンパク質を取得する方法であって、該方法は:
a)転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ構築物を取得するステップ;
b)ステップa)の構築物を細胞に遺伝子導入し、フコシル化活性を持たない細胞を取得するステップ;および、
c)ステップb)の細胞により発現された非フコシル化タンパク質を取得するステップ
を含む方法に関する。
【0037】
本発明の一実施形態において、非フコシル化タンパク質は、非フコシル化抗体である。
【0038】
本発明の別の実施形態において、非フコシル化抗体は、非フコシル化モノクローナル抗体である。
【0039】
本発明のさらに別の実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼは、上記のヌクレアーゼタンパク質であり;このヌクレアーゼタンパク質は、Fut8遺伝子配列を切断する。
【0040】
本発明のさらに別の実施形態において、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素をコードするFut8遺伝子配列は、エクソン9で切断される。
【0041】
本発明のさらに別の実施形態において、フコシルトランスフェラーゼ酵素は、Arg-365、Arg-366、Asp-368、Lys-369、Glu-373、Tyr-382、Asp-409、Asp-410、Asp-453、Ser-469およびこれらの組み合わせから成る群より選ばれるアミノ酸位置で突然変異する。
【0042】
本発明のさらに別の実施形態において、細胞は哺乳類細胞である。
【0043】
本発明のさらに別の実施形態において、細胞はチャイニーズハムスター卵巣細胞である。
【0044】
本発明のさらに別の実施形態において、細胞は内在性の非フコシル化タンパク質を産生する。
【0045】
本発明のさらに別の実施形態において、前記方法は、さらに、タンパク質をコードする遺伝子を細胞に導入し、その非フコシル化タンパク質を取得するステップを含む。
【0046】
また本発明は、上記の方法により取得された非フコシル化タンパク質に関する。
【0047】
本発明の一実施形態において、タンパク質は非フコシル化抗体である。
【0048】
また本発明は、上記の非フコシル化タンパク質を、任意に薬学的に許容される賦形剤とともに含有する組成物に関する。
【0049】
本発明の一実施形態において、非フコシル化タンパク質は、非フコシル化抗体である。
【0050】
本発明は、細胞のフコシル化機構の破壊または不活性化により、非フコシル化タンパク質を取得する方法に関する。
【0051】
一実施形態において、非フコシル化タンパク質は、非フコシル化抗体である。
【0052】
好ましいが限定するものではない実施形態において、非フコシル化抗体は、非フコシル化モノクローナル抗体である。
【0053】
本発明において、「非フコシル化(non-fucosylated)抗体」および「非フコシル化(afucosylated)抗体」の用語は、交互に用いられ、同一の意味と範囲を有する。
【0054】
本発明は、具体的には、細胞のFUT8遺伝子の破壊または不活性化に関する。FUT8遺伝子は、酵素α-1,6-フコシルトランスフェラーゼをコードする。
【0055】
本発明の一実施形態において、細胞はタンパク質を自然に産生する細胞である。
【0056】
本発明の一実施形態において、細胞は抗体を自然に産生する細胞である。
【0057】
本発明の一実施形態において、細胞は一定のタンパク質を自然には産生しない細胞であり、タンパク質をコードする遺伝子が細胞に導入される。
【0058】
本発明の一実施形態において、細胞は抗体を自然には産生しない細胞であり、抗体をコードする遺伝子が細胞に導入される。
【0059】
本発明の一実施形態において、細胞は抗体を自然に産生する細胞であり、抗体をコードする遺伝子が細胞に導入される。
【0060】
一実施形態において、細胞は真核細胞である。
【0061】
一実施形態において、細胞は哺乳類細胞である。
【0062】
限定するものではない実施形態において、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣細胞である。
【0063】
限定するものではない実施形態において、細胞は、チャイニーズハムスター卵巣K1(CHOK1)細胞である。
【0064】
一実施形態において、CHOK1細胞は抗体産生細胞である。
【0065】
一実施形態において、本発明の方法により産生された抗体は、治療用抗体である。
【0066】
別の実施形態において、CHOK1細胞は抗体産生細胞ではなく、抗体をコードする遺伝子が細胞に導入される。
【0067】
本発明の一実施形態において、細胞株は、COS、CHO-S、CHO-K1、CHO-DG44、CHO-DUXB11、CHO-DUKX、CHOK1SV、VERO、MDCK, W138、V79、B14AF28-G3、BHK、HaK、NS0、SP2/0-Ag14、HeLa、HEK293-F、HEK293-H、HEK293 -T、YB23HL、P2.G11.16Ag.20、perC6、抗体を産生するハイブリドーマ細胞、胚性幹細胞、ナマルバ(Namalwa)細胞、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera fugiperda、Sf)からの昆虫細胞株、ピキア、サッカロミセスおよびシゾサッカロミセスから成る群より選ばれる。
【0068】
一実施形態において、細胞は、「フコースノックアウト」細胞もしくは「FKO」細胞、または「フコースノックアウト」プラットフォームもしくは「FKO」プラットフォームと称される。
【0069】
一実施形態において、細胞は、組み換え細胞と称される。
【0070】
一実施形態において、TALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質または酵素は、細胞のフコシル化経路を破壊または不活性化するために使用される。
【0071】
一実施形態において、TALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質または酵素は、細胞のフコシル化経路の1個以上の遺伝子を破壊または不活性化するために使用される。
【0072】
一実施形態において、TALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質または酵素は、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子(Fut8遺伝子)、GDP-マンノース4, 6-デヒドラターゼ遺伝子(GMD遺伝子)、GDP-ケト-6-デオキシマンノース3,5-エピメラーゼ4-レダクターゼ遺伝子(FX遺伝子)、GDP-β-L-フコースピロホスホリラーゼ遺伝子(GEPP遺伝子)およびフコースキナーゼ遺伝子から成る群より選ばれる遺伝子を、破壊もしくは不活性化または変異導入するために使用される。
【0073】
一実施形態において、本発明は、本発明のTALENタンパク質による、Fut8遺伝子およびGMD遺伝子の組み合わせの破壊に関する。
【0074】
フコシル化の新生経路において、GDP-フコースは、酵素GDP-マンノース4, 6-デヒドラターゼ(GMD)により触媒される、GDP-マンノースのGDP-4-ケト-6-デオキシマンノースへの変換を介して合成される。次に、このGDP-フコースはゴルジ体内に輸送され、酵素α-1,6-フコシルトランスフェラーゼによるタンパク質フコシル化の基質として使用される。この酵素は、GDP-フコースからフコース部分を、N-グリカン鎖のN-アセチルグルコサミンに転移する。
【0075】
一実施形態において、TALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質または酵素は、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素をコードするFut8遺伝子を破壊することに使用される。
【0076】
本発明の一実施形態において、フコシルトランスフェラーゼ酵素の活性部位が、TALENタンパク質の標的となる。
【0077】
具体的な実施形態において、Fut8の遺伝子配列のエクソン9が、TALENタンパク質の標的となる。
【0078】
TALENタンパク質は、DNA結合ドメインおよびヌクレアーゼドメインで作られている。DNA結合ドメインはさらに2つの部分を有する。二重鎖切断(DSB)標的に残された配列を特定するTALドメインはTAL-Lと呼ばれ、DSB標的に残された配列を特定するTALドメインはTAL-Rと呼ばれる。TAL-LドメインおよびTAL-Rドメインの両方とも、ヌクレアーゼドメインを有する融合タンパク質として発現される。
【0079】
転写アクチベーター様エフェクター(TALE)として知られるタンパク質ファミリーは、植物病原菌ザントモナス(Xanthomonas)から同定された。このタンパク質ファミリーは、エフェクター特異的DNA配列に結合して、転写を活性化する(Boch、2009;Moscou、2009)。ザントモナスに天然に存在するTALエフェクターは、宿主DNAの特異的配列に結合し、感染した植物の遺伝子発現を変化させる。
【0080】
天然のTALエフェクタータンパク質は、2つのドメイン、すなわちエフェクタードメインとDNA結合ドメインを有する。DNA結合ドメインの構造は、このドメインが、ゲノムの任意のDNA配列に特異的に結合するように操作することができる。これらのDNA結合タンパク質ドメインは、ヌクレアーゼのような、カスタマイズしたエフェクタードメインに結合させることができ、キメラTALEN(転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼ)タンパク質が作製される。
【0081】
TALE/TALENのDNA配列特異性を与えるDNA結合ドメインは、可変数のアミノ酸リピートから成る。各リピートは33〜35アミノ酸を含み、単一のDNA塩基対を認識する。DNA認識は、各リピート中のポジション12および13の、Repeat-Variable Di-Residues(RVD)と呼ばれる2個の高頻度可変性アミノ酸残基によって生じ、これらは特異的DNA配列の認識に重大な意味を持つ。TALエフェクター中のリピートのRVDは、変化させて、特異的な標的のDNA配列を認識するTALタンパク質を作成することができる。RVDは、NI = A、HD = C、NG = T、NN = GまたはAのように、単純な暗号に固有である(Boch、2009;Moscou、2009)。N、I、H、DおよびGは、一文字アミノ酸コードである。
【0082】
DNA結合ドメインのリピートはTALE発現ベクターの中で構築され、ヌクレアーゼFokIエンドヌクレアーゼ触媒ドメインと共発現させて、TALEヌクレアーゼ(TALEN)が作成される。このようなTALENは、細胞中で発現されると、配列特異的に結合し、二重鎖切断が引き起こされる。この二重鎖切断は、非相同末端結合(Non Homologous End Joining、NHEJ)により修復される。このような細胞プロセスの中で、変異、すなわち、遺伝子配列中での欠失および/または挿入のいずれかは、非機能性タンパク質産生物を与える。
【0083】
本発明の実施形態において、DNA結合ドメインは、DNA認識ドメインとも呼ばれる。
【0084】
本発明の一実施形態において、前記TALENタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、該ポリヌクレオチドおよびタンパク質を含む細胞としても提供される。
【0085】
具体的実施形態にいて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインをコードするヌクレオチドが提供される。
【0086】
別の実施形態において、TALENタンパク質のエフェクタードメインまたはヌクレアーゼドメインをコードするヌクレオチドが提供される。
【0087】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6のアミノ酸配列を含む。
【0088】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6のアミノ酸配列から成る。
【0089】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 8のアミノ酸配列を含む。
【0090】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 8のアミノ酸配列から成る。
【0091】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 6およびSEQ ID No.8から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0092】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 7の核酸配列を含む。
【0093】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 7の核酸配列から成る。
【0094】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.9の核酸配列を含む。
【0095】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.9の核酸配列から成る。
【0096】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 7およびSEQ ID No.9から選ばれる核酸配列を含む。
【0097】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 11のアミノ酸配列を含む。
【0098】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 11のアミノ酸配列から成る。
【0099】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 14のアミノ酸配列を含む。
【0100】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 14のアミノ酸配列から成る。
【0101】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 11およびSEQ ID No.14から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0102】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 12の核酸配列を含む。
【0103】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 12の核酸配列から成る。
【0104】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.15の核酸配列を含む。
【0105】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.15の核酸配列から成る。
【0106】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 12およびSEQ ID No.15から選ばれる核酸配列を含む。
【0107】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 17のアミノ酸配列を含む。
【0108】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 17のアミノ酸配列から成る。
【0109】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 20のアミノ酸配列を含む。
【0110】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 20のアミノ酸配列から成る。
【0111】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 17およびSEQ ID No.20から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0112】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 18の核酸配列を含む。
【0113】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 18の核酸配列から成る。
【0114】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.21の核酸配列を含む。
【0115】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.21の核酸配列から成る。
【0116】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 18およびSEQ ID No.21から選ばれる核酸配列を含む。
【0117】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 23のアミノ酸配列を含む。
【0118】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 23のアミノ酸配列から成る。
【0119】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 26のアミノ酸配列を含む。
【0120】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 26のアミノ酸配列から成る。
【0121】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 23およびSEQ ID No.26から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0122】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 24の核酸配列を含む。
【0123】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 24の核酸配列から成る。
【0124】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.27の核酸配列を含む。
【0125】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.27の核酸配列から成る。
【0126】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 24およびSEQ ID No.27から選ばれる核酸配列を含む。
【0127】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 29のアミノ酸配列を含む。
【0128】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 29のアミノ酸配列から成る。
【0129】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 32のアミノ酸配列を含む。
【0130】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 32のアミノ酸位置から成る。
【0131】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 29およびSEQ ID No.32から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0132】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 30の核酸配列を含む。
【0133】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 30の核酸配列から成る。
【0134】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.33の核酸配列を含む。
【0135】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.33の核酸配列から成る。
【0136】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 30およびSEQ ID No.33から選ばれる核酸配列を含む。
【0137】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 35のアミノ酸配列を含む。
【0138】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 35のアミノ酸配列から成る。
【0139】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 38のアミノ酸配列を含む。
【0140】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 38のアミノ酸配列から成る。
【0141】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 35およびSEQ ID No.38から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0142】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 36の核酸配列を含む。
【0143】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 36の核酸配列から成る。
【0144】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.39の核酸配列を含む。
【0145】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No.39の核酸配列から成る。
【0146】
本発明の一実施形態において、転写アクチベーター様エフェクターヌクレアーゼタンパク質のDNA結合ドメインは、SEQ ID No. 36およびSEQ ID No.39から選ばれる核酸配列を含む。
【0147】
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 6は、SEQ ID No.8と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
【0148】
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 11は、SEQ ID No.14と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
【0149】
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 17は、SEQ ID No.20と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
【0150】
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 23は、SEQ ID No.26と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
【0151】
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 29は、SEQ ID No. 32と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
【0152】
本発明の一実施形態において、SEQ ID No. 35は、SEQ ID No. 38と組み合わせて、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとして機能する。
【0153】
本発明の一実施形態において、DNA結合ドメインの各ユニットは、ヌクレアーゼとともに、左TALENヌクレオチド配列を有する構築物として調製される。
【0154】
本発明の一実施形態において、DNA結合ドメインの各ユニットは、ヌクレアーゼとともに、右TALENヌクレオチド配列を有する構築物として調製される。
【0155】
以下の表は、本発明のTALENタンパク質1〜6に関する核酸配列、アミノ酸配列およびFut8遺伝子上の結合部位を与える。
【0156】
【表1】
【0157】
本発明の一実施形態において、TALENタンパク質のヌクレアーゼ成分は、FUT8遺伝子において標的部位を有する任意のヌクレアーゼである。
【0158】
本発明の一実施形態において、ヌクレアーゼは、ホーミング・エンドヌクレアーゼである。
【0159】
別の実施形態において、ヌクレアーゼはメガヌクレアーゼである。ホーミング・エンドヌクレアーゼおよびメガヌクレアーゼの特異性は、非天然標的部位に結合するように設計することができることも知られている。さらに、例となる実施形態において、ホーミング・エンドヌクレアーゼには、I-Scel、I-CeuI、PI-PspI、PI-Sce、I-ScelY、I-CsmI、I-PanI、I-SceII、I-PpoI、I-SceIII、I-CreI、I-TevI、I-TevIIおよびI-TevIIIが含まれる。これらの認識配列は周知である。
【0160】
一実施形態において、上記のヌクレアーゼの1種類以上の組み合わせは、TALENタンパク質のDNA結合ドメインとともに使用される。
【0161】
一実施形態において、遺伝子導入は、TALENタンパク質を細胞に導入するために用いられる。リポフェクション手順は、例となる実施形態として与えられるが、同様に、当業者に周知の任意の遺伝子導入法が本発明の方法に適用される。
【0162】
別の実施形態において、本発明は、任意の宿主細胞において、組み換えタンパク質を生産する方法を提供する。ここで、宿主細胞は内在性のFUT8遺伝子を発現しており、TALEN技術を介して標的にされ、本明細書で記述されているように、内在性のFUT8遺伝子が破壊される。得られる細胞株はFUT8遺伝子発現がなく、さらに、対象とする遺伝子の発現に用いられる。
【0163】
本発明において、280種類未満の細胞株を選別することにより、19種類のFUT8ノックアウトクローン細胞株が作成された。比較すると、先行技術で報告されているように、約120,000種のクローン細胞株からわずかに3種類のFUT8 -/- 細胞株が選択されたのみである。
【0164】
この手順の特異性、安全性および簡便性は、TALENにより提供されるいくつかの利点であり、本発明の方法は、先行秘術の方法より優れている。TALEN介在性遺伝子破壊は、「1つのリピート1つの塩基」コードという独特の利点を提供し、カスタマイズされたTALEリピートアレイが、使用者により定義され、任意の複雑性を持つ標的配列を認識できるようにする。TALEN構築物は、ゲノム編集効率に関してZFNよりさらに有効であり、また著しく低毒性であり、その結果、特定の遺伝子座に対する変異体クローンを作成する上で、効率をより高くする。本発明において、FUT8ゲノム遺伝子座は、TALENによる配列特異的欠失の標的にされる。
【0165】
本明細書に記述される方法論は、CHOK1 FUT8ノックアウト細胞株(280種類未満のクローン細胞集団から選抜された19種類のCHOK1ノックアウト細胞株)を作成する上で、6.5%を超える成功率となる効率を達成した。本方法論によるこの予期せぬ成果および本発明の特異的TALEN構築物は、FUT8ノックアウト細胞株開発を大幅に改善する。また本発明は、CHOK1 FUT8のDNA配列において、非常に特異的な遺伝子位置を標的とする一組のTALEN構築物のみを使用する。驚くべきことに、TALEN構築物は、標的となったアミノ酸を破壊するだけではなく、フレームシフト突然変異および初期の停止コドンを導入する長期の欠失を引き起こすという結果をもたらす。その結果、本発明は、標的遺伝子座でのDNA改変が最小限であり、また標的となったFUT8遺伝子座でのゲノムレベルでの改変が大きいCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株を実現した。フコースノックアウト表現型について選抜したのが少数のクローン集団であることを考慮すると、このような多くのCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株の作成は、予期せぬことである。この驚くべき成果により、多数のCHOK1 FUT8ノックアウト細胞株を選抜し、モノクローナル抗体の発現に関して優良なクローン株を確立することができる。
【0166】
一実施形態において、対象とする遺伝子は、対象とするタンパク質をコードするDNA配列を含む発現ベクターを用いて、得られた細胞株に導入される。その結果、組み換えタンパク質が産生される。
【0167】
別の実施形態において、対象である発現されたタンパク質には、モノクローナル抗体を含む抗体が含まれる。
【0168】
実施形態において、FUT8遺伝子の不活性化は、高いレベルで組み換えタンパク質を産生する細胞株をもたらす。
【0169】
ある実施形態において、FUT8遺伝子の不活性化は、FUT8遺伝子が不活性化されない細胞で産生されるタンパク質と比較すると、タンパク質の1つ以上の活性(機能)を増大させる細胞株を与える。
【0170】
一実施形態において、細胞により産生される非フコシル化タンパク質は、非フコシル化抗体である。
【0171】
限定するものではない実施形態において、非フコシル化タンパク質は、非フコシル化IgG1抗体であり、好ましくは、非フコシル化IgG1モノクローナル抗体である。
【0172】
一実施形態において、非フコシル化抗体は、対応するフコシル化抗体より高いエフェクター機能を示す。
【0173】
一実施形態において、非フコシル化抗体は、対応するフコシル化抗体より、より効果的な治療特性を示す。
【0174】
一実施形態において、非フコシル化抗体は、対応するフコシル化抗体より、より強い抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を示す。
【0175】
本発明において、開示されるタンパク質の方法、調製および用途は、別段の指示がない限り、分子生物学、生化学、計算化学、細胞培養、組み換えDNA技術、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および関連分野における従来技術を使用する。これらの技術、それらの原理および必要なものは文献で説明されており、当業者には周知である。核酸配列およびアミノ酸配列の同一性の決定技術は、当業者に周知である。
【0176】
破壊されたフコシル化機構を持つ細胞は、抗体を産生する細胞、またはフコシル化の破壊前後に抗体をコードする遺伝子が導入された細胞である。
【0177】
タンパク質、ポリペプチドまたは核酸の「機能性断片」とは、配列は全長のタンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一ではないが、全長のタンパク質、ポリペプチドまたは核酸と同一の機能を保持したタンパク質、ポリペプチドまたは核酸である。
【0178】
本明細書で使用される「抗体」の用語は、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体調製物を含み、また、以下も含む:すなわち、キメラ抗体分子、F(ab’)2およびF(ab)断片、Fv分子、単鎖Fv分子(ScFv)、二量体および三量体抗体断片、ミニボディー、ヒト化モノクローナル抗体分子、ヒト抗体、抗体のFc領域を含む融合タンパク質、およびこれらの分子から生じる任意の機能性断片であって、誘導体分子は、親抗体分子の免疫学的機能性を保持している。
【0179】
本発明における「モノクローナル抗体」の用語は、均質な抗体集団を有する抗体組成物を言う。抗体は、抗体の種類もしくは起源または作成方法に限定されない。この用語は、すべての免疫グロブリンおよびFab、F(ab')2、Fvもしくはその他の断片、ならびにキメラおよびヒト化均質抗体集団を包含し、これらは、親モノクローナル抗体分子の免疫学的結合特性を示す。
【0180】
本発明のクローン/細胞は、TAL R4 #003、TAL R4 #013などの用語で呼ばれるが、これらは内部の呼称単位であって、細胞のなんらかの具体的な特性を意味するものではないことに留意すべきである。
【0181】
一実施形態において、非フコシル化抗体を、任意に薬学的に許容される担体もしくは添加剤または賦形剤とともに含有する組成物が提供される。薬学的に許容される担体もしくは添加剤または賦形剤は、投与される組成物および組成物の投与に用いられる具体的な方法によって決定され、これらは当業者に周知である。
【0182】
本発明において提供されるすべての配列は、特に明記しない限り、5’から3’方向に読まれる。
【0183】
賦形剤は、タンパク質の安定化の達成や生物製剤の他の品質の改良に重要である。種々の賦形剤が、タンパク質を安定化するため、抗菌剤として作用するため、剤形の製造を補助するため、薬物送達を調節する、または目的とするため、また、注射にあたって痛みを最小化するために組成物に添加される。
【0184】
賦形剤は、その作用様式に基づき、大まかに5つのカテゴリーに分割することができる。
1)タンパク質安定化剤:この賦形剤は、タンパク質の未変性高次構造を安定化する。例として、ポリオール、糖、アミノ酸、アミンおよび塩析塩が含まれる。ショ糖とトレハロースは最も頻繁に使用される糖であり、大型のポリオールは小型のポリオールより優れた安定化剤である。
2)高分子化合物とタンパク質:ポリエチレングリコール(PEG)などの親水性高分子化合物、多糖および不活性タンパク質が、タンパク質を非特異的に安定化するため、またタンパク質会合を促進するために使用される。例として、デキストラン、ヒドロキシルエチルデンプン(HETA)、PEG-4000およびゼラチンが含まれる。
3)界面活性剤:非イオン性界面活性剤は、タンパク質を安定化するため、凝集を抑制するため、またタンパク質の再折りたたみを支援するために広く利用される。ポリソルベート80およびポリソルベート20(それぞれツイーン80およびツイーン20としても知られる。)がmAb治療において一般に使用される。他の例には、ブリッジ35、トリトンX-100、プルロニックF127およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が含まれる。
4)アミノ酸:この賦形剤は、さまざまな機序によりタンパク質を安定化する。例として、ヒスチジン、アルギニンおよびグリシンが含まれる。製剤の賦形剤として使用される他のアミノ酸には、メチオニン、プロリン、リジン、グルタミン酸およびアルギニン混合物が含まれる。
5)防腐剤:この化合物は、微生物増殖を防止するために製剤中に含有される。例として、ベンジルアルコール、m-クレゾールおよびフェノールが含まれる。
【0185】
本発明で使用される生物由来物質は、インド国外から得た。
【0186】
本発明の最も重要な側面のひとつは、Fut8遺伝子によりコードされるα酵素-1,6-フコシルトランスフェラーゼの活性部位を標的化していることである。この活性部位は、Fut8遺伝子のmRNA上のエクソン9に対応している。この標的化は、無作為選択ではなく、本発明において、この遺伝子または酵素の高度に特異的な部位を決定するための実験により、切断された酵素又は部分的に機能する酵素により引き起こされるフコシル化が避けられるということを確実にする破壊に到達した結果である。
【0187】
このようにして、酵素の活性部位に相当する領域を標的にすることは、Fut8遺伝子の完全な破壊を確実にし、Fut8遺伝子及酵素活性の部分的な破壊に終わる可能性のある、Fut8遺伝子上の正確な位置を標的にすることができない技術またはFut8遺伝子上の他の位置を標的にする技術と比較して、効果的な結果をもたらす。部分的に機能するフコシル化機構を伴う細胞は、非フコシル化タンパク質と比較して低い治療的機能を示す、部分的にフコシル化されたタンパク質を産生する。本発明の方法により作成された細胞は、完全に、または100%非フコシル化されたタンパク質を産生し、これには100%非フコシル化抗体が含まれる。
【0188】
本発明は、FUT8コドン配列の活性部位の重大な意味を持つアミノ酸位置で、TALENにより突然変異を導入する。ヒトFUT8遺伝子におけるArg365およびArg366は、α-1,6-フコシルトランスフェラーゼの触媒機能において重要な役割を果たしていることが報告されている(Takahashi、2000)。少数の他の重要なアミノ酸が、種を超えてFUT8遺伝子に保存されていることも報告されている。
【0189】
本発明の
図24は、ラット、ヒト、マウス、ウシおよびチャイニーズハムスターのFut8アミノ酸配列の、3種類の重要なモチーフに広がるアミノ酸位置300〜500について、配列比較を示す。アミノ酸365、366、368、369および373が四角枠で示されており、矢印は、本研究における標的である。他の重要なアミノ酸382、409、410、453および469は、アスタリスクで示される。影付き四角枠のアミノ酸は、共通配列で整列していない残基を示す。
【0190】
本発明において、CHOK1ゲノムデータベースからのFUT8アミノ酸配列が分析され、これらの重要なアミノ酸は、CHOK1細胞株に由来するFUT8遺伝子においても保存されていることが確認された。配列特異的TALENが設計され、これらのアミノ酸モチーフを標的にして、ゲノム改変が導入される。
【0191】
これらの重要なアミノ酸の突然変異は、FUT8遺伝子の機能性の完全な破壊を与えると述べられている。TALEN技術を用いる遺伝子標的化は、フコースノックアウト細胞株プラットフォームを作成する新たな手法である。TALEN遺伝子導入細胞は、FUT8遺伝子機能性アッセイにより選抜される。選抜されたクローンは、突然変異に関するゲノムFUT8遺伝子座の塩基配列決定により確認される。次に、変異体フコースノックアウトCHOK1細胞株は、非フコシル化治療的モノクローナル抗体または抗体部分を含む、非フコシル化治療的タンパク質の発現に用いられる。
【0192】
CHOK1細胞ゲノムにおける完全なFut8遺伝子座は、公開されているゲノムデータベースから分析される。1822872 bp(塩基対)から成るNW_003613860は、Pubmedから得られる。このデータからの完全なFut8遺伝子座(NW_003613860.1)は、570171〜731804塩基の領域に対応する。これは、全部で161634塩基対に相当する。Fut8遺伝子の翻訳領域またはmRNAに対するPubmed受入番号は、XM_003501735.1である。
【0193】
標的配列は、FUT8遺伝子産物であるα-1,6-フコシルトランスフェラーゼ酵素の発現に関与するFUT8遺伝子を包含する。この酵素は、α-1,6結合を経る、GDP-フコースからN-アセチルグルコサミンへのフコース部分の転移を触媒する。
【0194】
Spidey配列比較ツール((http://www.ncbi.nlm.nih.gov/spidey/spideyweb.cgi)は、mRNA配列をゲノムDNA配列と整列させることにより、Fut8ゲノムDNA中のエクソンを同定するために使用される。以下の表2に示されるように、全部で11個の境界域を伴うエクソンが同定された。ゲノムDNA配列とmRNA配列との間には100%の同一性が認められた。11個のエクソンのすべてを示すFUT8遺伝子の組織体は、本発明の
図1に示される。
【0195】
【表2】
【0196】
触媒ドメインにおける非常に重要なアミノ酸残基の部位特異的突然変異誘発の研究によって、FUT8酵素の機能性が確認された。蛍光に基づく解析により測定すると、365および366の位置にある2つのアルギニン残基は、Asp-368、Lys-369およびGlu-373と共に、FUT8触媒活性の低下を示した。
【0197】
本発明のSEQ ID No.1は、TALEN 標的に関して、CHO(チャイニーズハムスターまたはモンゴルキヌゲネズミ(Cricetulus griseus))のFut8遺伝子におけるゲノムDNA配列のエクソン9を示す。Arg 365、Arg 366、Asp 368、Lys 369およびGlu 373に対応するヌクレオチド配列は、エクソン9の配列において、下記の太字および下線で示される。
【0198】
AGTCCATGTC
AGACGCACT
GACAAAGTGGGAACA
GAAGCAGCCTTCCATCCCATTGAGGAATACATGGTACACGTTGAAGAACATTTTCAGCTTCTCGAACGCAGAATGAAAGTGGATAAAAAAAGAGTGTATCTGGCCACTGATGACCCTTCTTTGTTAAAGGAGGCAAAGACAAA
【0199】
上記の配列において、
AGAは、位置365のアルギニンをコードする。
CGCは、位置366のアルギニンをコードする。
GACは、位置368のアスパラギン酸をコードする。
AAAは、位置369のリジンをコードする。
GAAは、位置373のグルタミン酸をコードする。
【0200】
ゲノム位置におけるアミノ酸コドン配列を特異的に標的にしたTALENが設計され、合成され、また、発現ベクター、例えばpcDNA3.1でクローン化された。TALEN構築物は一過性にCHOK1細胞に遺伝子導入され;細胞は、単一コロニー生成のために96ウェルプレートに蒔かれる。次に、各クローンは、蛍光に基づくレンズマメ(Lens Culinaris)アグルチニン検定法(LCA)用いて、FUT8遺伝子発現が選別される。FUT8遺伝子破壊が陽性のクローンは、FUT8 遺伝子の変異対立遺伝子について、酵素試験と動態解析を用いてさらに検査される。最後に、TALENを介して実行された突然変異について、FUT8遺伝子座でのゲノム配列が分析される。これらの突然変異は欠失または挿入を伴い、その結果、FUT8コドン配列のフレームシフト突然変異が導入され、配列は破壊され、また酵素は非機能性となる。
【0201】
上記のプロセスから導かれるフコースノックアウトCHOK1細胞株は、治療目的、バイオマーカー開発、診断および予後の用途のためのタンパク質、モノクローナル抗体、ペプチド、融合タンパク質を発現する細胞株プラットフォームとして使用される。