(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6796775
(24)【登録日】2020年11月19日
(45)【発行日】2020年12月9日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20201130BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20201130BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20201130BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20201130BHJP
【FI】
F21S8/04 130
F21V23/04 500
F21V3/00 330
F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-100245(P2019-100245)
(22)【出願日】2019年5月29日
(62)【分割の表示】特願2018-129235(P2018-129235)の分割
【原出願日】2014年10月9日
(65)【公開番号】特開2019-140124(P2019-140124A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2019年6月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】北川 拓也
(72)【発明者】
【氏名】古川 高司
(72)【発明者】
【氏名】神田 隆司
(72)【発明者】
【氏名】仁保 勝義
(72)【発明者】
【氏名】坂地 和洋
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
特許第5552563(JP,B2)
【文献】
特開2011−192475(JP,A)
【文献】
特開2012−146666(JP,A)
【文献】
特開平07−122104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00 − 19/00
F21V 23/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の回路基板に設けられた電源部および発光部と、
前記電源部を覆う電源領域カバーとを備え、
前記電源部にはリモートコントロール用の受信部が設けられており、
前記電源領域カバーは、前記受信部が設けられた箇所では透明化して、かつ、前記受信部が設けられた箇所以外では非透明化し、
前記電源部および前記発光部は、器具本体における造営材とは反対側に設けられており、
前記電源領域カバーは、乳白色のグローブで覆われている、
照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具であって、
さらに、前記発光部を覆う透光性カバーを備え、
前記電源領域カバーと前記透光性カバーとが一体成形されている、
照明器具。
【請求項3】
前記電源領域カバーにおける透明化された箇所は、前記グローブで覆われている、
請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記電源領域カバーの全体が、前記グローブで覆われている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記発光部は、前記電源部を囲っている、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、器具本体に電源部および発光部が設けられ、電源部および発光部が電源領域カバーおよび透光性カバーでそれぞれ覆われる照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具のなかには、天井に金属製の器具本体が取り付けられ、器具本体の裏面側(すなわち、天井側)に電源部として電源部回路基板が設けられ、器具本体の表面側(すなわち、床側)に発光部としてLED回路基板が設けられたものが知られている(特許文献1)。LED回路基板のLEDチップが透光性カバーで覆われている。また、器具本体の裏面側の電源部にはリモートコントロール用の受光素子(受信部)が実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−146666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、照明器具の外部から点灯制御を行うリモートコントロールは通常赤外線方式が採用されている。よって、金属製の器具本体の裏面側に実装された受信部にリモートコントロールの信号を到達させるためには、器具本体に開口を形成し、開口を赤外光透過性有する別部材で塞ぐ必要があった。
【0005】
しかし、受信部は開口から奥まった位置にあり、また、開口自体の大きさも限定せざるを得ないため、リモートコントロールの感度を確保し難くなることが考えられる。
【0006】
これを解消するために、リモートコントロールを高出力にしたり、粒数を増やしたり、電池容量を上げることが考えられるが、これらの対策はコストアップにつながる。また、受信部をLED回路基板側に実装することも考えられるが、受信部が発光部による均一発光の阻害要因になったり、配線が煩雑になる虞がある。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、リモートコントロールの感度を高めることができる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明器具は、同一の回路基板に設けられた電源部および発光部と、前記電源部を覆う電源領域カバーとを備え、前記電源部にはリモートコントロール用の受信部が設けられており、前記電源領域カバーは、前記受信部が設けられた箇所では透明化して、かつ、前記受信部が設けられた箇所以外では非透明化し、前記電源部および前記発光部は、器具本体における造営材とは反対側に設けられており、前記電源領域カバーは、乳白色のグローブで覆われている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、リモートコントロールの感度を高めることができる照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具を下方から見た状態を示す分解斜視図
【
図2】
図1の照明器具を組み付けた状態を示す断面図
【
図4】本発明に係る第2実施形態の照明器具を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る照明器具について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1に示すように、照明器具10は、造営材としての天井11に取り付けられる器具本体14と、器具本体14の中央部に設けられた器具取付部14Aを迂回するように器具本体14に支持される回路基板16とを備えている。
【0013】
天井11には天井側取付部材12が取り付けられている。器具取付部14Aの内部には照明器具側取付部材15が取り付いて収納される。天井側取付部材12に照明器具側取付部材15が取り付けられることにより、照明器具10が天井11に固定される。
【0014】
天井11に器具本体14が取り付けられた状態では、天井11および器具本体14間に介在するクッション13(
図2、
図3も参照)によりぐらつき等は生じない。
【0015】
さらに、照明器具10は、回路基板16の電源領域17や発光領域18を覆うカバー部材20と、器具本体14に取り付けられるグローブ25とを備えている。
【0016】
グローブ25は、乳白色の投光性部材であり、器具本体14のグローブ取付部材26に係合突起25A(6個のうちの3個を使用)で下方から着脱自在に取り付けられる。この状態において、器具本体14、回路基板16、電源領域カバー19や透光性カバー23がグローブ25で覆われる。
【0017】
器具本体14は、平面視において円板状に形成され、中央に器具取付部14Aが形成されている。器具本体14は、中央部に設けられた照明器具側取付部材15が収納される器具取付部14Aの周囲に、回路基板16側へ膨出する接触面21が環状に形成されている。
【0018】
なお、第1実施形態では、平面視において円板状の器具本体14を造営材としての天井11に直接取り付ける例について説明するが、これに限定するものではなく、平面視において角形状の器具本体を用いる場合に適用可能である。また、天井側取付部材12に係合部材を係合させるとともに、この係合部材を介して電線により器具本体14を吊り下げる場合に適用可能である。また、チェーンやワイヤ等を用いて天井11から器具本体14を吊り下げる場合にも適用可能である。
【0019】
天井側取付部材12は、天井11の裏側において電線と結線されている。照明器具側取付部材15は、コネクタ付の配線(図示せず)が器具本体14の下方に引き出されている。
【0020】
従って、天井側取付部材12に照明器具側取付部材15を接続し、照明器具側取付部材15の配線のコネクタを回路基板16に設けられたコネクタ28(
図2参照)にコネクタ接続することにより、天井11の裏側において電線と回路基板16とが電気的に接続される。
【0021】
なお、天井側取付部材12および照明器具側取付部材15は、
図2、
図3において省略している。
【0022】
図1に示すように、回路基板16は、器具本体14の中央部に対応する中空部29が開口され、略ドーナツ形状に形成されている。この回路基板16は、器具本体14側が裏面16A、器具本体14とは反対側が表面16Bとなっている。
【0023】
表面16Bに電源領域17および発光領域18が設けられている。裏面16Aには、発光領域18に対応する発光領域裏面16Cが形成されている。
【0024】
回路基板16の表面16Bには、器具本体14の器具取付部14A側に電源領域17が設けられ、器具本体14の器具取付部14Aに対して遠い領域(電源領域17の外側)に発光領域18が設けられている。
【0025】
電源領域17および発光領域18を同一の回路基板16に設けることにより、部品点数を減らすことができる。さらに、電源領域17および発光領域18を回路パターンで接続できるので、電源領域17および発光領域18をハーネスで接続する必要がなく、部品点数を削減できる。
【0026】
電源領域17が器具取付部14A側に形成され、発光領域18が器具本体14の器具取付部14Aから離れて形成されることにより、電源領域17および発光領域18が互いに上下方向において重なり合わないように配置されている。
【0027】
電源領域17に電源部33としての電子部品34が多数実装されている。電子部品34としては、コネクタ28やリモートコントロール用の受信素子(受信部、図示せず)が含まれる。
【0028】
電源領域17に各電子部品34が実装されることにより、各電子部品34のリード突起35が回路基板16の裏面16A側に突出されている。
【0029】
また、発光領域18に発光部36としての多数のLEDチップ37が実装されている。電源部33が回路パターン38で各LEDチップ37に接続され、電源部33から供給される電力により各LEDチップ37が発光する。
【0030】
また、回路基板16の裏面16Aのうち、発光領域裏面16Cに器具本体14の接触面21が接触されている。よって、接触面21は、発光領域裏面16Cのうち、各LEDチップ37を接続する発光部36の回路パターンに対応する部位に接触されている。
【0031】
これにより、回路基板16の熱を接触面21に効率よく放熱させることができる。
【0032】
回路基板16の電源領域17や発光領域18が樹脂製のカバー部材20で覆われている。カバー部材20は、回路基板16の電源領域17を覆う電源領域カバー19と、回路基板16の発光領域18を覆う透光性カバー23とを備えている。
【0033】
すなわち、電源領域カバー19および透光性カバー23が一体成形されている。
【0034】
透光性カバー23は、回路基板16の表面16Bに接触する外鍔部51および内鍔部52と、外鍔部51および内鍔部52に支持されるドーム部53とを有する。
【0035】
ドーム部53は、外鍔部51および内鍔部52に支持されて各LEDチップ37に対して一括して非接触で覆うようにドーム状に形成されている。
【0036】
外鍔部51および内鍔部52は、回路基板16の表面16Bに接触されている。
【0037】
電源領域カバー19は、透光性カバー23の内鍔部52から下方に向けて傾斜状に張り出されて側壁を形成する傾斜面44と、傾斜面44の下端部を閉塞するカバー底部45とを有する。
【0038】
カバー底部45および器具本体14間にはカラー47が配置されている。カラー47は器具取付部14Aの外側に配置され、円筒状に形成されている。
【0039】
ここで、透光性カバー23および電源領域カバー19、すなわち、カバー部材20は、樹脂材で透明、梨地、乳白色に形成されている。さらに、カバー部材20が透明以外の梨地や乳白色に形成された場合には、受信素子に相当する箇所が透明化されている。
【0040】
このように、回路基板16の表面16Bに電源領域17および発光領域18を設け、電源領域17にリモートコントロール用の受信素子(受信部)を設けた。また、電源部33および発光部36を樹脂製のカバー部材20で覆うようにした。さらに、カバー部材20を透明、梨地、乳白色に形成し、梨地、乳白色に形成する場合には、受信素子(受信部)に相当する箇所を透明化するようにした。
【0041】
これにより、リモートコントロールの信号を受信素子(受信部)に到達させ易くなり、リモートコントロールの感度を高めることができる。
【0042】
また、透光性カバー23および電源領域カバー19をカバー部材20に一体成形することにより部品点数や組付工程を減らすことができる。これにより、照明器具10のコストを抑え、さらに、生産性を高めることができる。
【0043】
以上説明したように、第1実施形態の照明器具10は、造営材である天井11に支持される器具本体14を備える。また、照明器具10は、器具本体14における天井11とは反対側に設けられた電源部33および発光部36と、電源部33を覆う電源領域カバー19と、発光部36を覆う透光性カバー23と、を備える。電源領域カバー19および透光性カバー23が一体成形されている。
【0044】
また、好ましくは、第1実施形態の照明器具10は、電源部33および発光部36は、器具本体14における天井11とは反対側に設けられた同一の回路基板16に設けられている。
【0045】
次に、第2実施形態を
図4に基づいて説明する。
【0046】
なお、第2実施形態において第1実施形態の照明器具10と同一類似部材については同じ符号を付して説明を省略する。
【0047】
(第2実施形態)
図4に示すように、第2実施形態の照明器具60は、電源部61および発光部62がそれぞれ個別の回路基板63および回路基板64に実装されたもので、その他の構成は第1実施形態の照明器具10と略同様である。
【0048】
すなわち、回路基板63が器具取付部14Aに対して近い領域に環状に形成され、回路基板64が器具取付部14Aに対して遠い領域(すなわち、回路基板63)に環状に形成されている。回路基板63および回路基板64が平坦に配置されている。
【0049】
回路基板63のうち器具本体14とは反対側の表面63Bに電源部61としての電子部品66が実装されている。また、回路基板64のうち器具本体14とは反対側の表面64Bに発光部62としてのLEDチップ37が設けられている。さらに、回路基板63および回路基板64がハーネスで接続されている。
【0050】
電源部61および発光部62がカバー部材20で覆われている。カバー部材20は、透光性カバー23および電源領域カバー19が一体成形されたものである。
【0051】
第2実施形態の照明器具60によれば、第1実施形態の照明器具10と同様に、リモートコントロールの信号を受信素子(受信部)に到達させ易くなり、リモートコントロールの感度を高めることができる。
【0052】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものではなく適宜変更、改良等が可能である。
【0053】
例えば、前記第1実施形態および第2実施形態で使用した照明器具、造営材、器具本体、電源領域カバー、透光性カバー、電源部および発光部等の形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
10、60 照明器具
11 天井
14 器具本体
19 電源領域カバー
23 透光性カバー
33、61 電源部
36、62 発光部