(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力部は、前記測距部によって計測された距離が、前記距離閾値記憶部によって記憶される距離閾値よりも小さい場合には、当該距離が大きい程、輝度、輝度の揺らぎ量、又は波長の揺らぎ量が増加するように前記発光を行い、前記測距部によって計測された距離が、前記距離閾値記憶部によって記憶される距離閾値よりも小さくない場合には、当該距離が大きい程、音量、音量の揺らぎ量、又は音程の揺らぎ量が増加するように前記発音を行う
請求項1に記載の通知装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態の一態様に係る通知装置は、空気の状態に係る計測値を取得する取得部と、人物までの距離を計測する測距部と、前記取得部によって取得される計測値の第1閾値を記憶する閾値記憶部と、前記取得部によって計測値が取得された場合において、当該計測値が、前記閾値記憶部によって記憶される第1閾値を超える場合に、当該計測値が当該第1閾値を超える旨を示す出力を行う出力部とを備え、前記出力部は、前記出力において、前記測距部によって計測された距離に応じて出力態様を変化させることを特徴とする。
【0012】
上記通知装置は、その周囲にいる人物までの距離に応じた出力態様で、その人物へ通知を行う。
【0013】
このため、上記通知装置によると、通知を受ける人物がその通知を煩わしく感じてしまう可能性を、従来よりも低減し得る。
【0014】
また、さらに、前記測距部によって計測される距離の距離閾値を記憶する距離閾値記憶部を備え、前記出力部は、前記測距部によって計測された距離が、前記距離閾値記憶部によって記憶される距離閾値よりも小さい場合には、発光による前記出力を行い、前記測距部によって計測された距離が、前記距離閾値記憶部によって記憶される距離閾値よりも小さくない場合には、発音による前記出力を行うとしてもよい。
【0015】
これにより、通知を受けるべき人物が、距離閾値より離れた場所にいる場合であっても、その人物が発光を見落としてしまうことによってその通知を認知できなくなってしまう可能性を低減し得る。
【0016】
また、前記出力部は、前記測距部によって計測された距離が、前記距離閾値記憶部によって記憶される距離閾値よりも小さい場合には、当該距離が大きい程、輝度、輝度の揺らぎ量、又は波長の揺らぎ量が増加するように前記発光を行い、前記測距部によって計測された距離が、前記距離閾値記憶部によって記憶される距離閾値よりも小さくない場合には、当該距離が大きい程、音量、音量の揺らぎ量、又は音程の揺らぎ量が増加するように前記発音を行うとしてもよい。
【0017】
これにより、この通知装置は、その周囲にいる人物までの距離がより大きい程、刺激量をより大きくして通知を行うことができるようになる。
【0018】
また、前記閾値記憶部は、さらに、前記第1閾値よりも大きな第2閾値を記憶し、前記出力部は、前記取得部によって取得された計測値が、(1)前記第1閾値よりも大きくて、かつ、前記第2閾値よりも小さい場合に、前記出力を行い、さらに、(2)前記取得部によって取得された計測値が、前記第2閾値よりも大きい場合に、前記第1閾値よりも大きくて、かつ、前記第2閾値よりも小さい場合に行う前記出力とは異なる態様の出力を行うとしてもよい。
【0019】
これにより、通知を受ける人物は、その通知を受けたときに、(1)計測値が第1閾値より大きくて第2閾値よりも小さい場合と、(2)計測値が、第2閾値よりも大きい場合とを、比較的容易に区別することができるようになる。
【0020】
また、さらに、ユーザによる操作を受け付ける受付部を備え、前記受付部は、前記第1閾値を更新する旨の操作を受け付けた場合に、当該操作に応じて、前記閾値記憶部に記憶される前記第1閾値を更新し、前記第2閾値を更新する旨の操作を受け付けた場合に、当該操作に応じて、前記閾値記憶部に記憶される前記第2閾値を更新するとしてもよい。
【0021】
これにより、この通知装置を利用するユーザは、第1閾値と第2閾値とを、比較的容易に更新することができるようになる。
【0022】
また、さらに、空気の状態に係る計測値を出力するセンサを備え、前記取得部は、前記取得を、前記センサから出力された計測値を取得することで行うとしてもよい。
【0023】
これにより、この通知装置は、外部装置において計測値を出力してもらわずとも、自装置において計測値を取得することができるようになる。
【0024】
また、前記取得部は、外部装置と無線通信する通信部を含み、当該外部装置から送信された、空気の状態に係る計測値を、当該通信部で受信することで、前記取得を行うとしてもよい。
【0025】
これにより、この通知装置は、自装置において計測値を出力せずとも、外部装置から送信された計測値を取得することができるようになる。
【0026】
また、前記空気の状態に係る計測値は、空気中に含まれる微粒子の量を計測することで得られる値であるとしてもよい。
【0027】
これにより、この通知装置は、空気中に含まれる微粒子の濃度についての通知を行うことができるようになる。
【0028】
また、前記空気の状態に係る計測値は、空気中に含まれる所定の気体の量を計測することで得られる値であるとしてもよい。
【0029】
これにより、この通知装置は、空気中に含まれる所定の気体の量についての通知を行うことができるようになる。
【0030】
また、前記空気の状態に係る計測値は、空気の温度を計測することで得られる値であるとしてもよい。
【0031】
これにより、この通知装置は、空気の温度についての通知を行うことができるようになる。
【0032】
実施の形態の一態様に係る照明器具は、上記通知装置を含むことを特徴とする。
【0033】
上記照明器具は、その周囲にいる人物までの距離に応じた出力態様で、その人物へ通知を行う。
【0034】
このため、上記照明器具によると、通知を受ける人物がその通知を煩わしく感じてしまう可能性を、従来よりも低減し得る。
【0035】
以下、本発明の一態様に係る通知装置の具体例について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明における好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、工程、並びに、工程の順序等は、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明における最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0036】
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0037】
(実施の形態)
ここでは、本発明の一態様として、空気中に含まれる微粒子の濃度の計測値を取得し、取得した微粒子の濃度の計測値が所定値を超える場合に、その旨の通知を行う通知装置について説明する。
【0038】
この通知装置は、その周囲にいる人物までの距離を計測する。そして、通知を行う場合には、計測した人物までの距離に応じた出力態様で、その通知を行う。
【0039】
以下、この通知装置の詳細について、図面を参照しながら説明する。
【0040】
[1−1.構成]
図1は、実施の形態における通知装置1の構成を示すブロック図である。
【0041】
同図に示されるように、通知装置1は、取得部11と、測距部12と、閾値記憶部13と、出力部14と、距離閾値記憶部15と、センサ16と、受付部17とを含んで構成される。
【0042】
センサ16は、空気の状態に係る計測値を出力する。ここでは、このセンサ16は、空気中の微粒子であるPM2.5の濃度を計測して出力する空気質センサであるとして説明する。
【0043】
取得部11は、空気の状態に係る計測値を取得する。より具体的には、取得部11は、センサ16から出力された計測値であるPM2.5の濃度を取得する。
【0044】
一例として、取得部11は、通知装置1を構成するメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを、通知装置1を構成するマイクロプロセッサ(図示せず)が実行することで実現される。
【0045】
測距部12は、人物までの距離を計測する。より具体的には、測距部12は、周囲にいる人物までの距離を計測する測距モジュール(例えば、赤外線を用いて距離を計測する赤外線測距モジュール)を含み、その測距モジュールを用いて、人物までの距離を計測する。
【0046】
なお、測距部12は、人物までの距離の計測を試みた場合において、人物までの距離を計測できなかったときには、測距可能な範囲に人物が存在しないと判定し、測距結果として、測距可能な最大値(例えば10m)を出力する。
【0047】
一例として、測距部12は、上記測距モジュールを含み、通知装置1を構成するメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを、通知装置1を構成するマイクロプロセッサ(図示せず)が実行して、その測距モジュールを制御することで実現される。
【0048】
図2は、測距部12が、通知装置1の周囲にいる人物までの距離xを計測する様子を模式的に示す斜視図である。
【0049】
閾値記憶部13は、取得部11によって取得される計測値の第1閾値を記憶する。また、閾値記憶部13は、第1閾値よりも大きな第2閾値を記憶する。
【0050】
一例として、閾値記憶部13は、通知装置1を構成するメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを、通知装置1を構成するマイクロプロセッサ(図示せず)が実行することで実現される。
【0051】
ここでは、例えば、第1閾値として35μg/cm
3(PM2.5の濃度)が記憶され、第2閾値として、70μg/cm
3(PM2.5の濃度)が記憶されているとして説明する。
【0052】
距離閾値記憶部15は、測距部12によって計測される距離の距離閾値を記憶する。一例として、距離閾値記憶部15は、通知装置1を構成するメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを、通知装置1を構成するマイクロプロセッサ(図示せず)が実行することで実現される。
【0053】
ここは、例えば、距離閾値として、5m(人物までの距離)が記憶されているとして説明する。
【0054】
受付部17は、ユーザによる操作を受け付ける。そして、受付部17は、第1閾値を更新する旨の操作を受け付けた場合に、当該操作に応じて、閾値記憶部13に記憶される第1閾値を更新する。また、受付部17は、第2閾値を更新する旨の操作を受け付けた場合に、当該操作に応じて、閾値記憶部13に記憶される第2閾値を更新する。さらに、受付部17は、距離閾値を更新する旨の操作を受け付けた場合に、当該操作に応じて、距離閾値記憶部15に記憶される距離閾値を更新する。
【0055】
一例として、受付部17は、タッチパネルを含み、通知装置1を構成するメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを、通知装置1を構成するマイクロプロセッサ(図示せず)が実行して、そのタッチパネルを制御することで実現される。
【0056】
出力部14は、取得部11によって計測値が取得された場合において、その計測値が、閾値記憶部13によって記憶される第1閾値を超える場合に、その計測値がその第1閾値を超える旨を示す出力を行う。
【0057】
図3は、出力部14の構成を示すブロック図である。
【0058】
同図に示されるように、出力部14は、制御部21と、LED(Light Emitting Diode)22と、スピーカ23とを含んで構成される。
【0059】
制御部21は、取得部11と、測距部12と、閾値記憶部13と、距離閾値記憶部15とに接続され、LED22と、スピーカ23とを制御する。
【0060】
制御部21は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値記憶部15によって記憶される距離閾値よりも小さい場合には、LED22を制御して、出力部14に、発光による出力を行わせる。より具体的には、測距部12によって計測された距離が、距離閾値記憶部15によって記憶される距離閾値よりも小さい場合には、その距離が大きい程、輝度、輝度の揺らぎ量、又は波長の揺らぎ量が増加するようにLED22の発光を制御する。
【0061】
距離が大きい程輝度が増加するとは、距離の増加に応じて、直線的(一次関数的)に輝度を増加させる、又は距離の増加に応じて、階段状(ステップ関数的)に輝度を増加させることをいう。初期状態(取得部11によって取得された計測値が、第1閾値よりも大きくなる直前のLED22の点灯状態)においてLED22が点灯していない場合には、輝度0を基準輝度として、予め定められた色の光(例えば、白色光)を用いて上記制御を行う。ここで、基準輝度とは、測距部12によって計測された距離が0である場合においてLED22を点灯させるときの輝度のことをいう。また、初期状態においてLED22が点灯している場合には、その点灯状態における輝度を基準輝度として、その点灯状態における光を用いて上記制御を行う。
【0062】
距離が大きい程輝度の揺らぎ量が増加するとは、距離の増加に応じて、直線的に輝度の揺らぎ量を増加させる、又は距離の増加に応じて、階段状に輝度の揺らぎ量を増加させることをいう。初期状態においてLED22が点灯していない場合には、予め、輝度と色とが定められた光(例えば、白色色)を基準光として用いて上記制御を行う。ここで、基準光とは、測距部12によって計測された距離が0である場合においてLED22を点灯させるときの光のことをいう。また、初期状態においてLED22が点灯している場合には、その点灯状態における輝度と色との光を基準光として用いて上記制御を行う。
【0063】
距離が大きい程波長の揺らぎ量が増加するとは、距離の増加に応じて、直線的に波長の揺らぎ量を増加させる、又は距離の増加に応じて、階段状に波長の揺らぎ量を増加させることをいう。初期状態においてLED22が点灯していない場合には、予め、輝度と色とが定められた光(例えば、緑色の単色光)を基準光として用いて上記制御を行う。また、初期状態においてLED22が点灯している場合には、その点灯状態における輝度と色との光を基準光として用いて上記制御を行う。
【0064】
図4は、測距部12によって計測された距離と、LED22の発光における輝度、輝度の揺らぎ量、又は波長の揺らぎ量(以下、これらの量のことを「刺激量」とも呼ぶ。)との関係を示す図である。ここでは、例えば、距離閾値である5mよりも小さい距離の場合に、刺激量P1は、距離に対して傾きaで比例し、距離閾値である5mより大きい距離の場合に、刺激量P1は0となっている。
【0065】
また、制御部21は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値記憶部15によって記憶される距離閾値よりも小さくない場合には、スピーカ23を制御して、出力部14に、発音による出力を行わせる。より具体的には、測距部12によって計測された距離が、距離閾値記憶部15によって記憶される距離閾値よりも小さくない場合には、その距離が大きい程、音量、音量の揺らぎ量、又は音程の揺らぎ量が増加するようにスピーカ23の発音を制御する。
【0066】
距離が大きい程音量が増加するとは、距離の増加に応じて、直線的に音量を増加させる、又は距離の増加に応じて、階段状に音量を増加させることをいう。初期状態においてスピーカ23が発音していない場合には、音量0を基準音量として、予め定められた音を用いて上記制御を行う。ここで、基準音量とは、測距部12によって計測された距離が0である場合においてスピーカ23を発音させるときの音量のことをいう。また、初期状態においてスピーカ23が発音している場合には、その発音状態における音量を基準音量として、その発音状態における音を用いて上記制御を行う。
【0067】
距離が大きい程音量の揺らぎ量が増加するとは、距離の増加に応じて、直線的に音量の揺らぎ量を増加させる、又は距離の増加に応じて、階段状に音量の揺らぎ量を増加させることをいう。初期状態においてスピーカ23が発音していない場合には、予め、音量と音程とが定められた音を基準音として用いて上記制御を行う。ここで、基準音とは、測距部12によって計測された距離が0である場合においてスピーカ23を発音させるときの音のことをいう。また、初期状態においてスピーカ23が発音している場合には、その発音状態における音量と音程との音を基準音として用いて上記制御を行う。
【0068】
距離が大きい程音程の揺らぎ量が増加するとは、距離の増加に応じて、直線的に音程の揺らぎ量を増加させる、又は距離の増加に応じて、階段状に音程の揺らぎ量を増加させることをいう。初期状態においてスピーカ23が発音していない場合には、予め、音量と音程とが定められた音を基準音として用いて上記制御を行う。また、初期状態においてスピーカ23が発音している場合には、その発音状態における音量と音程との音を基準音として用いて上記制御を行う。
【0069】
図5は、測距部12によって計測された距離と、スピーカ23の発音における音量、音量の揺らぎ量、又は音程の揺らぎ量(以下、これらの量のことも「刺激量」とも呼ぶ。)との関係を示す図である。ここでは、例えば、距離閾値である5mよりも小さい距離の場合に、刺激量P2は0となり、距離閾値である5mより大きい距離の場合に、刺激量P2は、距離に対して傾きaで比例している。
【0070】
さらに、制御部21は、スピーカ23とLED22とを制御して、出力部14に、取得部11によって取得された計測値が、第2閾値よりも小さい場合と大きい場合とで、互いに異なる態様で、発光又は発音を行わせる。すなわち、出力部14は、取得部11によって取得された計測値が、第1閾値よりも大きくて、かつ、第2閾値よりも小さい場合に、上述した態様の出力を行う。その一方で、出力部14は、取得部11によって取得された計測値が、第2閾値よりも大きい場合に、上述した態様とは異なる態様の出力を行う。ここでは、この異なる態様の出力が、例えば、LED22を用いて、その最大の輝度で所定の白色光を発光すると共に、スピーカ23を用いて、その最大の音量で所定の音を発音する態様の出力であるとして説明する。
【0071】
一例として、制御部21は、通知装置1を構成するメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを、通知装置1を構成するマイクロプロセッサ(図示せず)が実行することで実現される。
【0072】
上記構成の通知装置1が行う動作について、以下、図面を参照しながら説明する。
【0073】
[1−2.動作]
通知装置1は、その特徴的な動作として、第1通知処理を行う。
【0074】
この第1通知処理は、空気中に含まれる微粒子の濃度の計測値を取得し、取得した微粒子の濃度の計測値が所定の閾値を超える場合に、その旨の通知を行う処理である。
【0075】
図6は、第1通知処理のフローチャートである。
【0076】
この第1通知処理は、通知装置1のユーザによってなされる、第1通知処理を開始する旨の所定の操作が、受付部17によって受け付けられることによって開始される。
【0077】
第1通知処理が開始されると、センサ16は、空気中のPM2.5の濃度(空気質)を計測して出力する(ステップS10)。以後、センサ16は、所定時間(例えば、1分)経過する毎に、空気中のPM2.5の濃度を計測して出力する。
【0078】
PM2.5の濃度が計測されると、取得部11は、センサ16から出力された計測値であるPM2.5の濃度を取得する(ステップS20)。
【0079】
計測値であるPM2.5の濃度が取得されると、出力部14は、取得されたPM2.5の濃度が、閾値記憶部によって記憶される第1閾値である35μg/cm
3より大きいか否かを判定する(ステップS30)。
【0080】
ステップS30の処理において肯定的に判定された場合に(ステップS30:Yes)、出力部14は、取得されたPM2.5の濃度が、閾値記憶部によって記憶される第2閾値である70μg/cm
3より大きいか否かを調べる(ステップS40)。
【0081】
ステップS40の処理において否定的に判定された場合に(ステップS40:No)、測距部12は、周囲にいる人物までの距離を計測する(ステップS50)。
【0082】
人物までの距離が計測されると、出力部14は、計測された距離が、距離閾値記憶部15によって記憶される距離閾値である5mより小さいか否かを調べる(ステップS60)。
【0083】
ステップS60の処理において肯定的に判定された場合に(ステップS60:Yes)、出力部14は、LED22を用いて、計測された距離に応じて発光する(ステップS70)。すなわち、出力部14は、計測された距離に応じて、計測された距離が大きい程、輝度、輝度の揺らぎ量、又は波長の揺らぎ量が増加するように発光する。
【0084】
ステップS60の処理において肯定的に判定されなかった場合に(ステップS60:No)、出力部14は、スピーカ23を用いて、計測された距離に応じて発音する(ステップS80)。すなわち、出力部14は、計測された距離に応じて、計測された距離が大きい程、音量、音量の揺らぎ量、又は音程の揺らぎ量が増加するように発音する。
【0085】
ステップS40の処理おいて肯定的に判定された場合に(ステップS40:Yes)、出力部14は、LED22とスピーカ23とを用いて、最大の輝度で所定の白色光を発光し、最大の音量で所定の音を発音する(ステップS90)。
【0086】
ステップS30の処理おいて否定的に判定された場合と(ステップS30:No)、ステップS70の処理が終了した場合と、ステップS80の処理が終了した場合と、ステップS90の処理が終了した場合に、ステップS100の処理へ進む。すなわち、取得部11は、前回、センサ16から計測値が出力されてから所定時間経過したか否かを判定する(ステップS100)。
【0087】
所定時間が経過すると(ステップS100:Noの処理を繰り返した後にステップS100:Yesの処理を行う)、通知装置1は、ステップS10の処理に進み、ステップS10以降の処理を繰り返す。
【0088】
[1−3.効果等]
上記通知装置1は、計測された計測値が第1閾値を超える場合に、周囲にいる人物までの距離に応じた出力態様で、その人物への通知を行う。このため、この通知装置1によると、通知を受ける人物がその通知を煩わしく感じてしまう可能性を、従来よりも低減し得る。
【0089】
また、この通知装置1は、周囲にいる人物までの距離が距離閾値よりも大きくなると、距離閾値よりも小さい場合に行う発光による通知に替えて、発音による通知を行うようになる。このため、通知を受けるべき人物が、距離閾値より離れた場所にいる場合であっても、その人物が発光を見落としてしまうことによってその通知が認知されなくなってしまう可能性を低減し得る。
【0090】
特に、通知装置1が部屋に設置されている場合において、通知を受けるべき人物がその部屋の外にいるとき(すなわち、距離閾値より離れた場所にいるとき)には、発音による通知は、発光による通知よりも有効である。
【0091】
(変形例)
ここでは、本発明の一態様として、実施の形態における通知装置1から、その構成の一部が変更された、変形例における通知装置について説明する。
【0092】
実施の形態における通知装置1は、空気の状態に係る計測値を計測するセンサ16を内蔵する構成の例であった。これに対して、変形例における通知装置は、空気の状態に係る計測値を計測するセンサを内蔵しない構成の例となっている。
【0093】
以下、この通知装置の詳細について、実施の形態における通知装置1との相違点を中心に、図面を参照しながら説明する。
【0094】
[2−1.構成]
図7は、変形例における通知装置2の構成、及び通知装置2の外部装置であるセンサ装置3の構成を示すブロック図である。
【0095】
同図に示されるように、通知装置2は、実施の形態における通知装置1から、センサ16が削除され、取得部11が取得部111となるように変更されている。そして、センサ装置3は、その削除されたセンサ16と通信部113とを含んで構成される。
【0096】
通信部113は、センサ16に有線接続され、通知装置2の取得部111(後述)に含まれる通信部112(後述)と無線通信する。
【0097】
一例として、通信部113は、無線通信器を含み、センサ装置3を構成するメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを、センサ装置3を構成するマイクロプロセッサ(図示せず)が実行して、その無線通信器を制御することで実現される。
【0098】
取得部111は、通信部112を含んで構成される。
【0099】
通信部112は、通信部113と無線通信する。一例として、通信部112は、無線通信器を含み、通知装置2を構成するメモリ(図示せず)に記憶されるプログラムを、通知装置2を構成するマイクロプロセッサ(図示せず)が実行して、その無線通信器を制御することで実現される。
【0100】
そして、取得部111は、センサ装置3の通信部113から送信された、空気の状態に係る計測値を、通信部112で受信することで、空気の状態に係る計測値の取得を行う。
【0101】
上記構成の通知装置2が行う動作について、以下、図面を参照しながら説明する。
【0102】
[2−2.動作]
通知装置2は、その特徴的な動作として、センサ装置3と共同で、実施の形態における第1通知処理からその一部の処理が変更された第2通知処理を行う。
【0103】
図8は、第2通知処理のフローチャートである。
【0104】
同図に示されるように、第2通知処理は、実施の形態における第1通知処理から、ステップS10〜ステップS20の処理が削除され、替わりに、ステップS210〜ステップS240の処理が追加された処理となっている。従って、ここでは、ステップS210〜ステップS240の処理を中心に説明する。
【0105】
この第2通知処理は、通知装置2のユーザによってなされる、第2通知処理を開始する旨の所定の操作が受付部17によって受け付けられることによって開始される。
【0106】
第2通知処理が開始されると、取得部111は、無線通信を利用して、通信部113に対して、第2通知処理が開始された旨を示す開始信号を送信する(ステップS210)。
【0107】
開始信号が送信されると、通信部113は、その開始信号を受信する。そして、通信部113に接続されるセンサ16は、空気中のPM2.5の濃度を計測して出力する(ステップS220)。以後、センサ16は、所定時間(例えば、1分)経過する毎に、空気中のPM2.5の濃度を計測して出力する。
【0108】
PM2.5の濃度が出力されると、通信部113は、無線通信を利用して、取得部111に対して、その出力された計測値を送信する(ステップS230)。
【0109】
計測値が送信されると、取得部111は、送信された計測値を受信することで、センサ16によって計測された計測値であるPM2.5の濃度を取得する(ステップS240)。
【0110】
ステップS240の処理が終了すると、通知装置2は、ステップS30の処理に進み、ステップS30以降の処理を実行する。そして、ステップS100の処理において、所定時間経過すると(ステップS100:Yes)、センサ装置3は、ステップS220の処理に進み、ステップS220以降の処理を繰り返す。
【0111】
[2−3.効果等]
上記通知装置2は、無線通信を利用して、物理的に離れた場所に配置されたセンサ装置3によって計測された計測値を取得する。このため、この通知装置2によると、計測値を計測する必要がある場所とは異なる場所に通知装置2を配置しながらも、その計測する必要がある場所において計測された計測値に基づく通知を行うことができるようになる。
【0112】
図9は、通知装置2とセンサ装置3とが実際に使用される状況の一例を模式的に示す斜視図である。
【0113】
同図において、通知装置2は、部屋の中心付近に備えられた机の上に配置され、センサ装置3は、部屋の出窓付近に配置されている。このように、通知装置2を、その部屋を利用する人物がよくいる場所の近傍にある机の上に配置しつつ、センサ装置3を、PM2.5の濃度を監視する必要がある出窓付近に配置する等といった運用が可能となる。
【0114】
また、通知装置2とセンサ装置3とのそれぞれが、互いに異なる機器に内蔵される構成の例も考えられる。
【0115】
図10は、通知装置2を内蔵する照明器具4の構造、及びセンサ装置3を内蔵する空気清浄器5の構造を示すブロック図である。
【0116】
例えば、このような構成にすることで、通知装置2のLED22を、照明器具4の発光体と兼用して利用し、センサ装置3のセンサ16を、空気清浄器5の空気質センサと兼用して利用することが可能となる。
【0117】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態及び変形例について説明した。しかしながら本開示における技術は、これらに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用可能である。
【0118】
(1)実施の形態において、センサ16は、空気中の微粒子であるPM2.5の濃度を計測するとして説明した。しかしながら、センサ16は、空気に係る計測値を計測することができれば、必ずしも、空気中の微粒子であるPM2.5の濃度を計測する例に限られない。例えば、センサ16は、空気中の花粉の濃度を計測するとしても構わないし、空気中の所定の気体(例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、都市ガス等)の濃度を計測するとしても構わないし、空気の温度を計測するとしても構わないし、空気の湿度を計測するとしても構わない。
【0119】
(2)実施の形態において、測距部12は、赤外線モジュールを含み、その赤外線モジュールを用いて人物までの距離を計測するとして説明した。しかしながら、測距部12は、人物までの距離を計測することができれば、必ずしも、赤外線モジュールを用いて人物までの距離を計測する例に限られない。例えば、測距部12は、カメラと画像認識装置とを含み、そのカメラで撮像した画像をその画像認識装置が画像認識処理することで、人物までの距離を計測するとしても構わない。さらには、例えば、対象とする人物が所有するビーコンから所定の送信電力強度で送信されるビーコン波の受信電力強度を計測することで、その人物までの距離を計測するとしても構わない。
【0120】
(3)実施の形態において、出力部14は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値よりも小さい場合には、その距離が大きい程、輝度、輝度の揺らぎ量、又は波長の揺らぎ量が増加するように発光を制御するとして説明した。しかしながら、出力部14は、測距部12によって計測された距離がより大きい程、通知対象となる人物への刺激量がより大きくなるように発光を制御すれば、必ずしも、実施の形態に記載された通りに発光を制御する必要はない。例えば、出力部14は、測距部12によって計測された距離が大きい程、点滅する点滅速度が速くなるように発光を制御するとしても構わない。
【0121】
また、実施の形態において、出力部14は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値よりも小さくない場合には、その距離が大きい程、音量、音量の揺らぎ量、又は音程の揺らぎ量が増加するように発音を制御するとして説明した。しかしながら、出力部14は、測距部12によって計測された距離がより大きい程、通知対象となる人物への刺激量がより大きくなるように発音を制御すれば、必ずしも、実施の形態に記載された通りに発音を制御する必要はない。例えば、出力部14は、測距部12によって計測された距離が大きい程、所定の音楽のリズムが速くなるように発音を制御するとしても構わない。
【0122】
(4)実施の形態において、出力部14は、測距部12によって計測された距離が大きい程、刺激量がより大きくなるように、発光の制御、及び発音の制御を行うとして説明した。しかしながら、出力部14は、上記実施の形態に記載された通りの発行の制御、及び発音の制御を行う構成の例に限られない。一例として、出力部14は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値よりも小さい場合には、その距離に関係なく一定の刺激量となるように発光の制御を行う。そして、出力部14は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値よりも小さくない場合には、その距離が大きい程、刺激量がより大きくなるように発音の制御を行うという構成の例が考えられる。また、他の一例として、出力部14は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値よりも小さい場合には、その距離が大きい程、刺激量がより大きくなるように発光の制御を行う。そして、出力部14は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値よりも小さくない場合には、その距離に関係なく一定の刺激量となるように発音の制御を行うという構成の例も考えられる。さらには、他の一例として、出力部14は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値よりも小さい場合には、その距離に関係なく一定の刺激量となるように発光の制御を行う。そして、出力部14は、測距部12によって計測された距離が、距離閾値よりも小さくない場合には、その距離に関係なく一定の刺激量となるように発音の制御を行うという構成の例も考えらえる。