(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、シールド工法によりトンネルなどを築造する際、シールド掘削機が掘削する現場の施工環境(土質、水圧などの地山の状態)は、現場の位置により刻々変化する。そのため、施工環境の変化に対応させて、シールド掘削機の掘削における進行速度及び進行方向などの操作を、オペレータが行なう必要がある。
すなわち、施工環境の異なる現場の各々に対応して、オペレータがシールド掘削機の操作を適切に行なわなければ、掘削されたトンネルの設計に対する精度や安全性が低下する。
【0003】
また、オペレータは、様々な現場においてトンネルの施工を行なうことで、施工環境の変化に対応したシールド掘削機の操作の経験を養い、熟練度を向上させている。
熟練したオペレータは、掘削中の現場におけるシールド掘進機の操作を行なう際、現在の現場の施工環境に対応した操作を、過去の似たような施工環境における操作の知識を応用して行なっている。しかし、施工した現場の数の少ないオペレータの場合、経験したことのない施工環境においては、乏しい経験と基礎的な操作知識では、その施工環境おける適切なシールド掘削機の操作を行なうことができない。
【0004】
このため、オペレータの各々のシールド掘削機の操作の熟練度によって、掘削されるトンネルの設計に対する精度や安全性がばらついてしまう。また、熟練度の高いオペレータは減少の傾向にある。
この問題を解決するため、掘削の際におけるシールド掘削機のカッターの回転状態及び推進ジャッキの推進状態を示す計測データにより、シールド掘削機を自動運転させる構成がある(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したシールド掘削機は、計測データの各々がそれぞれに対して予め設定された設定値を超えたか否かにより、掘削の制御が行なわれている。
このため、オペレータによる操作の均一化はされるが、計測データに対応して行なったシールド掘削機の操作の、その現場の施工環境との関連性は不明である。すなわち、引用文献1のように計測データを取得して、この計測データに対応した制御を行なうことのみでは、オペレータの熟練度を向上させることはできない。
【0007】
また、測定した計測データと設定値とを比較することで制御が行なわれるため、熟練したオペレータの経験に基づいた操作と異なり、時々刻々と変化する現場の施工環境に対応した制御が適切に行なわれているとは限らず、掘削されたトンネルの設計に対する精度や安全性が向上するとは言えない。このため、熟練したオペレータのシールド掘削機の操作における経験を、全てのオペレータに対して提供する場合とは異なり、シールド掘削機の操作を熟練したオペレータのレベルで均一化することができない。
【0008】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、熟練したオペレータのシールド掘削機の操作を、対応する施工環境の監視データとの関係に基づいてモデル化することにより、操作支援や操作の均一化を図ることを可能とするシールド掘削機操作分析システム、シールド掘削機操作分析方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のシールド掘削機操作分析システムは、シールド掘削機に対する操作に関し、シールド掘削機の掘削状況を監視する監視項目データの各々と当該監視項目データそれぞれに対応した操作の
熟練したオペレータの操作
値との対応関係を分析するシールド掘削機操作分析システムであって、前記操作
値の変化を検出する操作データ変化検出部と、前記操作
値の変化が発生したタイミングである操作
値変化タイミング
において前記監視項目データを抽出する監視項目データ検出部と、
前記操作値の変化量と、当該操作値の前記操作値変化タイミングで抽出した前記監視項目データの各々の変化量との相関を求めることにより、前記監視項目データ検出部の各々から、前記操作
値と関連性のある監視項目データを抽出するデータ関連性分析部とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明のシールド掘削機操作分析システムは、所定の時間毎に前記監視項目データを取得する監視項目データ入力部と、前記所定の時間毎に前記操作
値を取得する操作データ入力部と、前記所定の時間毎に前記監視項目データと前記操作
値とが記憶されたデータテーブル記憶部とをさらに備え、操作データ変化検出部が、前記データテーブル記憶部において、前記操作
値の変化を検出し、前記監視項目データ検出部が、前記データテーブル記憶部において、前記操作
値変化タイミングの前後の監視項目データを抽出することを特徴とする。
【0011】
本発明のシールド掘削機操作分析システムは、前記操作
値が変化した前記操作
値変化タイミングから、当該操作
値変化タイミングより前に前記監視項目データが変化したタイミングである監視項目データ変化タイミングまでの
時間を求める操作タイミング抽出部と、前記操作
値と、当該操作
値との関連性のある前記監視項目データとの組合わせを蓄積するデータ関連性記憶部とをさらに備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のシールド掘削機操作分析方法は、シールド掘削機に対する操作に関し、シールド掘削機の掘削状況を監視する監視項目データの各々と当該監視項目データそれぞれに対応した
熟練したオペレータの操作の操作
値との対応関係を分析するシールド掘削機操作分析方法であって、操作データ変化検出部が、前記操作
値の変化を検出する操作データ変化検出過程と、監視項目データ検出部が、前記操作
値の変化が発生したタイミングである操作
値変化タイミング
において前記監視項目データを抽出する監視項目データ検出過程と、データ関連性分析部が、
前記操作値の変化量と、当該操作値の前記操作値変化タイミングで抽出した前記監視項目データの各々の変化量との相関を求めることにより、前記監視項目データ検出部の各々から、前記操作
値と関連性のある監視項目データを抽出するデータ関連性分析過程とを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明のプログラムは、シールド掘削機の操作において、シールド掘削機の掘削状況を監視する監視項目データの各々と当該監視項目データそれぞれに対応した
熟練したオペレータの操作の操作
値との対応関係を分析するシールド掘削機操作分析システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムであり、前記コンピュータを、前記操作
値の変化を検出する操作データ変化検出手段、前記操作
値の変化が発生したタイミングである操作
値変化タイミング
において前記監視項目データを抽出する監視項目データ検出手段、
前記操作値の変化量と、当該操作値の前記操作値変化タイミングで抽出した前記監視項目データの各々の変化量との相関を求めることにより、前記監視項目データ検出
手段の各々から、前記操作
値と関連性のある監視項目データを抽出するデータ関連性分析手段として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、熟練したオペレータの操作データを、施工環境を示す計測データと対応させて蓄積することにより熟練したオペレータの操作モデル構築のためのデータベースが形成できる。このデータベースによる操作モデルは、経験の少ないオペレータの支援や、操作の均一化等に活用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明によるシールド掘削機操作分析システムの実施形態について、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態のシールド掘削機操作分析システムの操作分析を行なう対象のシールド掘削機を説明する図である。
図1(a)は、本実施形態のシールド掘削機操作分析システムの操作分析を行なう対象のシールド掘削機の概念図を示している。
掘削機構50は、円筒形のスキンプレート2の矢印D1方向後部でエレクタ(図示略)によりセグメントを組み立てることにより、一次覆工Sを施工しつつ、シールド掘削機20を掘進させるための機構である。掘削機構50においては、切羽23を備えた環状且つ面板型のカッター10の矢印D1方向後方に作泥土室7が設けられている。作泥土室7には作泥土材注入管8から作泥土材9が注入され、図示しない練混ぜ翼によって強力に練混ぜることによって掘削された土砂を泥土に変換し、泥土圧を土圧・水圧とバランスさせることにより切羽23を安定させ、掘削を行う。ここで、掘削機構50の作泥土室7に堆積した掘削残土は、スクリューコンベア60に導入され、コンベア62及び63を介して、掘削しているトンネルの外部に排土される。架台Mは、スクリューコンベア60、コンベア62及び63各々を支持している。また、図示していないが、掘削機構50は、推進ジャッキ(後述)が設けられており、この推進ジャッキにより掘削方向及び推進速度の操作が行なわれる。
【0017】
本実施形態においては、推進ジャッキの油圧操作により、スキンプレート2の推進方向及び推進速度を決定する操作を行い、また、スクリューコンベア60のスクリューの回転速度(後述するスクリュー速度)を決定する操作を行なうことにより、泥土圧が決まる。後述するシールド掘削機操作分析システムは、これらの操作データ及び監視項目データ(後述)の各々を取得し、操作データと監視項目データとの関連性を分析する。
【0018】
本実施形態においては、推進ジャッキの油圧操作により、スキンプレート2の推進方向及び推進速度を決定する操作を行ない、また、スクリューコンベア60のスクリューの回転速度(スクリュー回転速度)を決定する操作することにより、泥土圧が決まる操作データを取得するものとする。また、本実施形態において、監視項目データとしては、掘削している施工環境及びシールド掘削機の稼働状態を監視するデータとして、例えば、カッタートルク、カッター速度、推進圧力、推進速度、推進速度指示書逸脱値、制御土圧、切羽土圧平均値指示書範囲外ダミー、アジテータトルク、スクリュー速度、1次スクリュー圧力、2次スクリュー圧力、NO.1コピーストローク、NO.1コピーストローク指示値差、NO.1コピー位置、NO.1コピー位置指示書逸脱値、ピッチング、ピッチング指示値差、ローリング、ローリング指示値差、上下中折れ角度、上下中折れ角度指示値差、左右中折れ角度、左右中折れ角度指示値差、S/M前胴方位、S/M前胴方位指示値差、S/M後胴方位、S/M後胴方位指示値差、計画路線水平偏差(管理点)、計画路線垂直偏差(管理点)、方位(管理点)、方位指示値差(管理点)、計画路線方位(管理点)、ピッチ(管理点)、計画路線ピッチ(管理点)などがある。
【0019】
図1(b)は、掘削機構50を推進させる推進ジャッキを説明する概念図を示している。
図1(b)に示すように、いずれの位置の推進ジャッキを駆動するかにより、スキンプレート2の面を推進させる力点を設定する。
図1(b)においては、22個の推進ジャッキが示されているが、この数は限定されない。各推進ジャッキのジャッキ圧の配分を行なうことにより、x軸における推進ジャッキ力点位置Fxと、y軸における推進ジャッキ力点位置Fyとが設定され、マークPが力点の位置となる。スキンプレート2の面の力点に対応した位置に、推進する圧力がかかることで、掘削機構50が推進する方向が設定される。この方向の設定(操作)は、推進ジャッキのいずれを駆動するかを示す推進ジャッキパターンにより行なわれる。そして、ジャッキ圧を上げるために単位時間あたりに供給する油の量(油量)により、推進速度が設定される。
【0020】
図2は、本実施形態によるシールド掘削機操作分析システムの構成例を示す図である。
図2において、シールド掘削機操作分析システムは、監視項目データ入力部11、操作データ入力部12、操作データ検出部13、操作タイミング抽出部14、監視項目データ検出部15、データ関連解析部16、データテーブル記憶部17及びデータ関連性記憶部18の各々を備えている。
【0021】
監視項目データ入力部11は、図示しない計時手段(タイマーなど)からの所定の周期の時間(例えば、1秒間)の経過を示す計時信号が供給されたタイミングにおいて、上述した監視項目の各々のデータを計測値として、各部位に備えられた検出手段(センサ及び測定器など)それぞれから、上記監視項目データを取得する。また、監視項目データ入力部11は、データテーブル記憶部17における監視項目データテーブルに対して、取得を行なった時間とともに監視項目データを順次、時系列に書き込んで記憶させる。
【0022】
操作データ入力部12は、監視項目データ入力部11と同様に、上記計時手段から上記計時信号が供給されたタイミングにおいて、上述した操作の操作値の各々を計測値として取得する。また、操作データ入力部12は、データテーブル記憶部17における操作データテーブルに対して、取得を行なった時間とともに操作データを順次、時系列に書き込んで記憶させる。
この操作データ入力部12は、例えば、シールド掘削機の操作を行なう操作盤におけるタッチパネルに対して入力される、操作の種類毎の操作値を操作データとして取得する。タッチパネルの操作データは、操作盤からコンピュータに対してデジタルデータとして出力される。このため、操作データ入力部12は、直接にデジタルデータとして操作データを得ることができるため、ダイヤル式のアナログデータをデジタルデータに変換する必要がなくなり、A/D(Analog/Digital)変換器などを設けないために装置が簡易化できるとともに、変換する時間分だけ操作データを取得する処理の時間を短縮することができる。
【0023】
図3は、
図2のデータテーブル記憶部17におけるデータテーブルの構成例を示す図である。
図3(a)は、監視項目データが記憶される監視項目データテーブルの一例である。タイムスタンプとして、時間とこの時間に取得された監視項目データ(監視項目データ#pから監視項目データ#a)の各々とが対応付けて、書き込まれて記憶されている。これらの監視項目データは、例えば、すでに示したカッタートルクから計画路線ピッチ(管理点)の全てあるいは一部を含むデータである。
【0024】
図3(b)は、操作データが記憶される操作データテーブルの一例である。
図3(a)と同様に、タイムスタンプとして、時間とこの時間に取得された操作データ(操作データ#1、#2、#3、…)の各々とが対応付けて、書き込まれて記憶されている。これらの操作データは、例えば、すでに示した推進ジャッキの駆動パターン、駆動パターンで駆動させる推進ジャッキに供給する単位時間あたりに供給する油量、スクリューコンベアのスクリューの回転速度の全てあるいは含むデータである。
【0025】
図2に戻り、操作データ検出部13は、データテーブル記憶部17の操作データテーブルを時系列に順次検索し、操作値が変化した操作データを検出する。
操作タイミング抽出部14は、操作データ検出部13が検出した操作データの操作が開始されたタイミングである操作開始時間、操作を停止した時間、すなわち操作値の維持を開始した操作停止時間を読み取る。ここで、操作タイミング抽出部14は、操作停止時間から操作開始時間を減算し、操作データを変化させた操作時間幅を求める。また、操作タイミング抽出部14は、操作を行なう前の操作データの操作値から操作停止時間における操作データの操作値を減算し、上記操作時間幅において変化した操作値の数値である変化操作値を求める。
【0026】
監視項目データ検出部15は、操作タイミング抽出部14が検出した操作開始時間より前の所定の時間幅における監視項目データの各々の数値を変化前監視項目データ群として、データテーブル記憶部17の監視項目データテーブルから抽出する。
また、監視項目データ検出部15は、操作タイミング抽出部14が検出した操作開始時間から、上記所定の時間幅における監視項目データの各々の数値を変化後監視項目データ群として、データテーブル記憶部17の監視項目データテーブルから抽出する。
【0027】
データ関連性解析部16は、操作データ及び監視項目データの間の関連性を、操作データの各々の変化操作値と変化前監視項目データ群と変化後監視項目データ群とに基づいて行なう。例えば、データ関連性解析部16は、変化前監視項目データ群の平均値から、変化後監視項目データ群の平均値を減算し、監視項目データ差分値を求める。
そして、データ関連性解析部16は、分析対象とした種類の操作データの変化操作値と、各監視項目データの監視項目データ差分値との相関係数を算出する。ここで、データ関連性解析部16は、分析対象の操作データとの相関係数が予め設定された閾値以上となった監視項目データを、操作データと関連性のある監視項目データとして抽出する。
【0028】
データ関連性解析部16は、上述した相関係数を求める処理を、全ての種類の操作データの各々について行なう。そして、データ関連性解析部16は、操作データと関連性のある監視項目データとの組合わせを、データ関連性記憶部18のデータ関連性テーブルに対して書き込んで記憶する。
本実施形態においては、操作データと監視項目データとの関連性を示す度合いとして、相関係数を用いて説明したが、関連性が抽出できるものであれば、重回帰分析などの多変量解析や、データから反復的に学習し、関連性を抽出する機械学習など、どのような手法を用いてもよい。機械学習を用いることにより、関連性を抽出するのみでなく規則性も併せて抽出することができる。
【0029】
ここで、機械学習は、監視項目データを説明変数とし、操作データを被説明変数としたモデルを作成する。すなわち、入力される説明変数と出力される被説明変数との間のモデルを機械学習により作成し、このモデルを用いることにより、説明変数の組合わせに対応して、関連性の高い被説明変数が得られるようにする。このモデルを用いることにより、説明変数である監視項目データの変化に対応して、被説明変数である操作データのいずれを操作する必要があるかが明確に得られる。ここで、モデルを作成する機械学習の技法としては、決定木学習、ニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、サポートベクタマシンなどの一般的に用いられている技法のいずれを用いても良い。
【0030】
また、すでに述べた相関係数を用いることにより、被説明変数に対して関連性の高い説明変数のみを用いたモデルを作成することができる。また、被説明変数として監視項目データが変化した際、監視項目データの変化の数値を説明変数に加え、また操作データの操作する数値を被説明変数に加えて、変化の数値の大きさにより、どの程度の数値として操作データを与えるかの規則性もモデルとして抽出する構成としても良い。規則性を抽出することにより、関連した操作データを操作する際、監視項目データの数値の変化に対応して操作することができるため、機械学習を用いることにより、シールド掘削機の操作をオペレータの経験によらず均一化することができる。
【0031】
図4は、データ関連性記憶部18におけるデータ関連性テーブルの構成例を示す図である。
図4において、データ関連性テーブルは、操作データの種類を表す操作データ種類と、操作データを操作した時間を示すタイムスタンプと、操作データが変化した値を示す変化操作値と、操作データに関連すると判定された監視項目データ種類とが対応付けてレコードとして記載されている。ここで、監視項目データ種類には、監視項目データの種類の名称と、監視項目データ差分値とが示されている。
【0032】
ユーザがこのデータ関連性テーブルを参照することにより、操作データが操作された際、その操作データに関連する監視項目データの各々が判り、その操作データが操作されたタイムスタンプも確認できる。また、監視項目データ差分値と変化操作値とにより、監視項目データの数値を操作するために、操作データをどの程度に調整したのかが判る。
さらに、操作データが操作されたタイムスタンプが確認できるため、データテーブル記憶部17における監視項目データテーブルにおいて、各操作データが操作された際、関連性がある監視項目データがどのように変化していたかを確認することができる。すなわち、各監視項目データがどのように変化すると、オペレータがその変化した監視項目データの組合わせに対応して、1個あるいは複数の操作データを操作するかの原因と結果との関係が明確化されることになる。
【0033】
上述したように、本実施形態によれば、監視項目データの各々の変化に対応して、各オペレータが操作するそれぞれの操作データが判り、オペレータ毎のシールド掘削機の操作の経験を、見える化してデータベース(データテーブル記憶部)として蓄積することが可能となる。
また、本実施形態によれば、熟練したオペレータの経験的なノウハウあるいは感覚的な処理などの暗黙知を、全てのオペレータに対して共通に提供できる形式知や組織知とすることができる。これにより、経験の少ないオペレータが操作する際に、熟練したオペレータの操作を反映させることができるので、シールド掘削機の操作を熟練したオペレータのレベルで均一化することが可能となる。
【0034】
図5は、本実施形態によるシールド掘削機操作分析システムの操作データ及び監視項目データの各々の関連性を分析する動作を示すフローチャートである。この
図5において、
図5(a)は、操作データ及び監視項目データの各々を取得する動作のフローチャートを示している。また、
図5(b)は、操作データ及び監視項目データの各々の関連度を分析する動作のフローチャートを示している。
【0035】
図5(a)のデータ取得について説明する。
ステップS11: 図示しない計時手段は、時間を計時し、予め設定された所定の周期の時間が経過したか否かの判定を行なう。そして、計時手段は、所定の周期の時間が経過した場合、処理をステップS12へ進める。また、計時手段は、監視項目データ入力部11及び操作データ入力部12の各々に対して、所定の周期の時間が経過したことを示す計時信号を出力刷る。一方、計時手段は、所定の周期の時間が経過していない場合、ステップS11の処理を繰り返す。
【0036】
ステップS12: 監視項目データ入力部11は、計時手段から計時信号が供給されると、測定対象の各部位に備えられた検出手段から、それぞれの検出手段に対応する監視項目データの測定値を取得する。
【0037】
ステップS13: 監視項目データ入力部11は、監視項目データの測定値を計時信号の示す時間(時刻)と組み合わせて、データテーブル記憶部17の監視項目データテーブルに対して書き込んで記憶させる。
【0038】
ステップS13: 操作データ入力部12は、計時手段から計時信号が供給されると、各種類の操作に対応する操作データの操作値の各々を、表示パネルにおける操作データの設定手段から取得する。
【0039】
ステップS14: 操作データ入力部12は、操作データの操作値を計時信号の示す時間と組み合わせてサンプリングする。
ステップS15: 操作データ入力部12は、サンプリングによって得られた操作値をデータテーブル記憶部17の操作データテーブルに対して書き込んで記憶させる。
上述した処理を、トンネルの掘削が開始されてから終了するまで、あるいは分析したい区間における掘削範囲において継続して行う。
【0040】
次に
図5(a)のデータ分析の動作について説明する。
ステップS21: 操作データ検出部13は、データテーブル記憶部17の操作データテーブルを、タイムスタンプの示す時刻の順に時系列に参照し、操作データの変化を検出する。
ステップS22: 操作データ検出部13は、そのタイムスタンプの時刻で操作データの操作値が変化した場合、処理をステップS23へ進め、一方、操作データの操作値が変化していない場合、処理をステップS21へ戻す。
【0041】
ステップS23: 操作データ検出部13は、操作データの変化が開始された、すなわち操作データを変更する指示の入力が開始された操作開始時間の時刻を検出する。そして、操作タイミング抽出部14は、操作データ検出部13が検出した操作データの操作が開始されたタイミングである操作開始時間、操作を停止した操作停止時間を、データ関連性テーブルから読み取る。また、操作タイミング抽出部14は、操作時間幅を求め、この操作時間幅において変化した操作値の数値である変化操作値を求める。そして、操作タイミング抽出部14は、操作データの種類と、この操作データの操作開始時間の時刻を示すタイムスタンプと、変化操作値とを、データ関連性記憶部18のデータ関連性テーブルに書き込んで記憶させる。
【0042】
ステップS24: 操作データ検出部13は、データテーブル記憶部17の操作データテーブルを時間順に参照する処理が終了したか否かの判定を行なう。
このとき、操作データ検出部13は、操作データテーブルの全ての操作データを参照する処理が終了した場合、終了したことを監視項目データ検出部15に通知するとともに、処理をステップS25へ進める。一方、操作データ検出部13は、操作データテーブルの全ての操作データを参照する処理が終了していない場合、処理をステップS21へ進める。
【0043】
ステップS25: 監視項目データ検出部15は、操作データの種類毎に、検出された操作開始時間より前の所定の時間幅における監視項目データの各々の数値を変化前監視項目データ群として、また、操作開始時間から、上記所定の時間幅における監視項目データの各々の数値を変化後監視項目データ群として、データテーブル記憶部17の監視項目データテーブルから抽出する。
【0044】
ステップS26: データ関連性解析部16は、操作データ及び監視項目データの間の関連性を、操作データの各々の変化操作値と変化前監視項目データ群と変化後監視項目データ群とに基づいて行なう。そして、データ関連性解析部16は、分析対象の操作データとの関連性を示す度合いが予め設定された閾値以上となった監視項目データを、操作データと関連性のある監視項目データとして抽出する。
【0045】
ステップS27: データ関連性解析部16は、操作データと、この操作データに対して関連性があると判定された監視項目データの各々との組合わせを、データ関連性記憶部18のデータ関連性テーブルに対して書き込んで記憶する。
【0046】
なお、本発明における
図1のシールド掘削機操作分析システムの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、操作データと監視項目データとの関連性を示すデータベースの作成処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWW(World Wide Web)システムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM(Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0047】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。