【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2018.7.27 「知」の集積と活用の場 産学官連携協議会 平成30年度第1回ポスターセッションにて自社ポスターの公開 2018.9.6 自社ウェブサイトに掲載 https://www.eco−pork.com/ 2018.10.3 「GAP JAPAN 2018持続可能性(サステナビリティ)と認証を考える」にて自社パンフレットの公開 2018.10.26 「知」の集積と活用の場 産学官連携協議会 平成30年度第2回ポスターセッションにて自社パンフレットの公開 2018.10.26 「知」の集積と活用の場 産学官連携協議会 平成30年度第2回ポスターセッションにて自社ポスターの公開 2018.11.15、16 「TechCrunch Tokyo 2018」にて自社パンフレットの公開 2018.11.15 「TechCrunch Tokyo 2018」にてプレゼンテーションの実施 2018.11.16 「TechCrunch Tokyo 2018」にてプレゼンテーションの実施 2018.11.20,21 「アグリビジネス創出フェア2018」にて自社ポスターの公開 2018.11.20,21 「アグリビジネス創出フェア2018」にて自社パンフレットの公開 2018.11.22 「農業現場における新技術の実装に向けたマッチングミーティング」〜農業者と技術提案者との直接対話によるニーズと技術のマッチング〜(第3回:畜産)にて自社パンフレットの公開 2018.11.22 「農業現場における新技術の実装に向けたマッチングミーティング」〜農業者と技術提案者との直接対話によるニーズと技術のマッチング〜(第3回:畜産)にてポスターの公開 2018.11.22 「DMM.make AKIBA 4周年記念パーティーTHANKS&RECONNECT」にて自社パンフレットの公開 2018.11.22 「DMM.make AKIBA 4周年記念パーティーTHANKS&RECONNECT」にてプレゼンテーションの実施 2018.12.15 株式会社アニマル・メディア社 月刊「ピッグジャーナル」12月号にて広告の掲載 2018.12.18 「Infinity Ventures Summit 2018 Winter Kanazawa」にてプレゼンテーションの実施
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2019.1.1 株式会社緑書房 月刊「養豚界」養豚の現場が分かる・見える2019年1月号にて掲載 2019.3.8 「平成30度農林水産省 高度先端型技術実装促進事業シンポジウム」にてプレゼンテーションの実施 2019.3.15 株式会社アニマル・メディア社 月刊「ピッグジャーナル」3月号にて広告の掲載 2019.3.28 「Morning Pitch第275回水産/畜産特集」にてプレゼンテーションの実施 2019.4.12 株式会社Eco−Porkの承諾の元、伊藤忠飼料株式会社のウェブサイトにて伊藤忠飼料株式会社との事業提携に関したプレリリースを掲載 https://www.itochu−f.co.jp/news/article.php?id=23 2019.4.13 みやざき養豚生産者協議会(MPC)にて自社チラシの公開 2019.4.15 Oath Japan株式会社が運営するTechCrunchウェブサイトにて掲載 https://jp.techcrunch.com/2019/04/15/eco−pork−poker/ 2019.4.17,18 「養豚国際フォーラム2019」にて自社パンフレットの公開 2019.4.17,18 「養豚国際フォーラム2019」にて自社タペストリーの公開 2019.4.17,18 「養豚国際フォーラム2019」にてプレゼンテーションの実施 2019.5.10 「リアルテックファンドShake Up」にてプレゼンテーションの実施 2019.5.28 「住友商事スタートアップマッチアップセッション」にてプレゼンテーションの実施
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記履歴情報は、個々の家畜の個体識別子と、交配情報、分娩情報、離乳情報、給餌情報、投薬情報、場所情報のうち少なくとも1つの情報が紐づけられる情報である請求項1から4のいずれか一項に記載の畜産情報管理システム。
前記履歴情報は、複数の家畜群の群識別子と、群編成日、場所情報、性別情報、投薬情報のうち少なくとも1つの情報が紐づけられる情報である請求項1から5のいずれか一項に記載の畜産情報管理システム。
前記イベント選択部で選択されたイベントを、所定の期間に実施したことを登録された複数の家畜に対して家畜群として群識別子を付与する識別子付与部を更に備える請求項1から9のいずれか一項に記載の畜産情報管理システム。
識別子付与部は、前記イベント選択部で選択されたイベントを、更に所定の場所で実施したことを登録された複数の家畜に対して家畜群として群識別子を付与する請求項1から10のいずれか一項に記載の畜産情報管理システム。
前記登録情報は、雄家畜情報、精液情報、餌情報、薬品情報、ホルモン情報、ワクチン情報の少なくとも1つを含む情報である請求項12に記載の畜産情報管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されている技術は、飼育プランに応じて入力候補となる履歴登録情報を提示する技術であり、膨大な数の家畜を選択する負荷を低減することや、複数のイベントから実施すべきイベントを誤選択してしまう可能性を低減するには不十分であるという課題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、家畜に紐づけられた履歴情報に応じて、ユーザが実施を希望するイベントに対応する家畜を抽出し、又、ユーザがイベントの実施を希望する家畜を選択する事で実施可能なイベントを抽出することにより、膨大な数の家畜を選択する負荷の低減や、複数のイベントの誤選択の可能性を低減することができるように処理を行う畜産情報管理システム、畜産情報管理サーバ、畜産情報管理方法、及び畜産情報管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するために、本発明に係る畜産情報管理システムは、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理システムであって、ユーザが操作を行う入力部と、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を記憶する家畜情報記憶部と、前記入力部により、家畜に対して実施を希望するイベントを選択するイベント選択部と、前記履歴情報を用いて、前記イベント選択部で選択されたイベントを実施可能な家畜又は家畜群を抽出する家畜抽出部と、前記入力部により、前記家畜抽出部で抽出された家畜又は家畜群からイベントを実施する家畜又は家畜群を選択する家畜選択部と、を備える。
【0008】
また上記した目的を達成するために、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理システムであって、ユーザが操作を行う入力部と、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を記憶する家畜情報記憶部と、前記入力部により、家畜又は家畜群を選択する家畜選択部と、前記履歴情報を用いて、前記家畜選択部で選択された家畜又は家畜群に実施可能なイベントを抽出するイベント抽出部と、前記入力部により、前記イベント抽出部で抽出されたイベントから前記家畜に対して実施するイベントを選択するイベント選択部と、を備える。
【0009】
また、ユーザに表示を行う表示部を更に備え、前記表示部は、イベントをアイコンとして表示してもよい。
【0010】
また、前記イベントは、交配、分娩、給餌、投薬、移動のうち少なくとも1つの行為を含んでもよい。
【0011】
また、前記履歴情報は、個々の家畜の個体識別子と、交配情報、分娩情報、離乳情報、給餌情報、投薬情報、場所情報のうち少なくとも1つの情報が紐づけられる情報であってもよい。
【0012】
また、前記履歴情報は、複数の家畜群の群識別子と、群編成日、場所情報、性別情報、投薬情報のうち少なくとも1つの情報が紐づけられる情報であってもよい。
【0013】
また、前記場所情報は、農場情報、畜舎情報、畜舎内の部屋情報の少なくとも1つを含んでもよい。
【0014】
また、前記家畜は繁殖用家畜であって、前記家畜情報記憶部は、前記履歴情報に交配情報、分娩情報又は離乳情報の少なくとも1つの情報を含み、交配情報、分娩情報又は離乳情報から所定条件を満たす繁殖用家畜を、前記イベントである交配の対象候補として抽出する家畜抽出部を備えてもよい。
【0015】
また、前記入力部は、前記交配の対象候補として抽出された繁殖用家畜の履歴情報に、交配に用いる雄家畜又は精液に関する情報を入力可能としてもよい。
【0016】
また、前記イベント選択部で選択されたイベントを、所定の期間に実施したことを登録された複数の家畜に対して家畜群として群識別子を付与する識別子付与部を更に備えてもよい。
【0017】
また、識別子付与部は、前記イベント選択部で選択されたイベントを、更に所定の場所で実施したことを登録された複数の家畜に対して家畜群として群識別子を付与してもよい。
【0018】
また、前記家畜情報記憶部は、イベントの実施の為に用いる情報を登録情報として記憶し、前記家畜選択部で選択された家畜又は家畜群の履歴情報を用いて前記イベントに対応する登録情報を抽出する登録情報抽出部を更に備えてもよい。
【0019】
また、前記登録情報は、雄家畜情報、精液情報、餌情報、薬品情報、ホルモン情報、ワクチン情報の少なくとも1つを含む情報であってもよい。
【0020】
また、前記家畜は豚であってもよい。
【0021】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る畜産情報管理サーバは、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理サーバであって、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を記憶する家畜情報記憶部と、ユーザの指示により家畜に対して実施を希望するイベントを選択するイベント選択部と、前記履歴情報を用いて、前記イベント選択部で選択されたイベントを実施可能な家畜又は家畜群を抽出する家畜抽出部と、ユーザの指示により前記家畜抽出部で抽出された家畜又は家畜群からイベントを実施する家畜又は家畜群を選択する家畜選択部と、を備える。
【0022】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る畜産情報管理サーバは、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理サーバであって、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を記憶する家畜情報記憶部と、ユーザの指示により家畜又は家畜群を選択する家畜選択部と、前記履歴情報を用いて、前記家畜選択部で選択された家畜又は家畜群に実施可能なイベントを抽出するイベント抽出部と、ユーザの指示により前記イベント抽出部で抽出されたイベントから前記家畜に対して実施するイベントを選択するイベント選択部と、を備える。
【0023】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る畜産情報管理方法は、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理方法であって、イベント選択部が、ユーザの指示により家畜に対して実施を希望するイベントを選択するイベント選択ステップと、家畜抽出部が、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を用いて、前記イベント選択ステップで選択されたイベントを実施可能な家畜又は家畜群を抽出する家畜抽出ステップと、家畜選択部が、ユーザの指示により前記家畜抽出部で抽出された家畜又は家畜群からイベントを実施する家畜又は家畜群を選択する家畜選択ステップと、を備える。
【0024】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る畜産情報管理方法は、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理方法であって、家畜選択部が、ユーザの指示により家畜又は家畜群を選択する家畜選択ステップと、イベント抽出部が、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を用いて、前記家畜選択ステップで選択された家畜又は家畜群に実施可能なイベントを抽出するイベント抽出ステップと、イベント選択部が、ユーザの指示により前記イベント抽出ステップで抽出されたイベントから前記家畜に対して実施するイベントを選択するイベント選択ステップと、を備える。
【0025】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る畜産情報管理プログラムは、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理プログラムであって、ユーザの指示により家畜に対して実施を希望するイベントを選択するイベント選択ステップと、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を用いて、前記イベント選択ステップで選択されたイベントを実施可能な家畜又は家畜群を抽出する家畜抽出ステップと、ユーザの指示により前記家畜抽出部で抽出された家畜又は家畜群からイベントを実施する家畜又は家畜群を選択する家畜選択ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0026】
また、上記した目的を達成するために、本発明に係る畜産情報管理プログラムは、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理プログラムであって、ユーザの指示により家畜又は家畜群を選択する家畜選択ステップと、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を用いて、前記家畜選択ステップで選択された家畜又は家畜群に実施可能なイベントを抽出するイベント抽出ステップと、ユーザの指示により前記イベント抽出ステップで抽出されたイベントから前記家畜に対して実施するイベントを選択するイベント選択ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0027】
上記手段を用いる本発明によれば、家畜に紐づけられた履歴情報に応じて、ユーザが実施を希望するイベントに対応する家畜を抽出し、又、ユーザがイベントの実施を希望する家畜を選択する事で実施可能なイベントを抽出することにより、膨大な数の家畜を選択する負荷の低減や、複数のイベントから実施すべきイベントの誤選択する可能性を低減することができる
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0030】
なお、以下で説明する本発明の実施形態は、家畜として主に豚を例として説明を行う。豚は畜産において、1つの農場で飼育する数が数千から数万頭単位となる場合があり、膨大な数の家畜の管理負荷が大きく、又、豚に実施するイベント等が誤って実施される可能性があるものである。
【0031】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。第1の実施形態はユーザが、家畜に対して実施を希望するイベントを選択し、選択したイベントを実施可能な家畜が抽出されるシステムである。これにより、イベントの実施に当たってシステムが抽出した対象となる家畜からイベントを実施する家畜を選択する事ができ、イベントを実施可能な豚の誤選択する可能性を低減することができる。
<構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る畜産情報管理サーバ101を含む畜産情報管理システム1を示すシステム構成図である。
図1で示すように、本発明の第1の実施形態に係る畜産情報管理システム1は、畜産情報管理サーバ101と、ユーザが使用する端末装置201とが、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。説明の簡略化のため、
図1では1つのユーザを想定して端末装置201のみを示しているが、畜産情報管理サーバ101はネットワークNWを介して複数のユーザの端末装置と接続可能である。
【0032】
畜産情報管理システム1は、主に畜産業者が、家畜情報の管理を支援するためのシステムである。畜産情報管理システムの運営業者は、当該システムを用いて畜産業者に家畜情報の管理を支援するサービスを提供する。運営者は、複数の畜産業者に対してサービスを提供することができる。畜産情報管理サーバ101は、畜産情報管理システム1の運営者が管理を行い、畜産業者が端末装置201を使用するものである。なお、畜産情報管理サーバ101は、畜産業者自身が管理を行っても構わない。
【0033】
豚は、主に繁殖用豚(繁殖用家畜)と、非繁殖用豚(非繁殖用家畜)に分けられる。繁殖用豚は、子豚を産むために飼育される豚である。非繁殖用豚は、成長後、出荷するために飼育される豚である。繁殖用豚は、母豚と雄豚があり、個々の豚にそれぞれ個体識別子(個体ID)が付与され管理される。非繁殖用豚は、複数の豚に対して群識別子が付与され管理される。群識別子は、複数の豚をグループとしてまとめたグループ識別子(グループID)と、複数のグループをロットとしてまとめたロット識別子(ロット番号)が付与されて管理される。
【0034】
本実施形態においてイベントとは、家畜に対して実施する行為であり、例えば、交配(本交配、人工授精)、分娩、給餌、投薬、移動等の行為を示すものである。イベントは、これらの行為に限られるものではなく、ホルモン処置、妊娠鑑定、再発情判定、流産判定、哺乳開始・里子、哺乳中死亡判定、ワクチン投与、離乳、死亡判定、出荷・廃用選別等を含んでも構わない。なお、本実施形態において交配とは、いわゆる種付を含むものとして記載する。
【0035】
以下、各イベントについて説明する。本交配は、母豚に対して雄豚で交配を実施するイベントである。人工授精は、母豚に対して精液で交配を実施するイベントである。分娩は、母豚が正常に出産する場合のイベントである。給餌は、個体豚又は群(グループ又はグループの集合であるロット)に対して、給餌を実施するイベントである。投薬は、対象の個体豚又は群(グループ又はグループの集合であるロット)に対して、薬品を投与するイベントである。移動は、対対象の個体豚又は群(グループ又はグループの集合であるロット)に対して、畜舎(豚舎・部屋・豚房を含む)の移動を行うイベントである。ホルモン処置は、母豚に対して発情を促すためホルモンを投与するイベントである。妊娠鑑定は、母豚に対して交配を行った後、機械を用いて妊娠しているかどうかを判定するイベントである。再発情判定は、母豚が交配に失敗し、再発情行動が行われていることを判定するイベントである。流産判定は、母豚が妊娠していたが、出産できずに流産したことを判定するイベントである。ワクチン投与は、対象の個体豚又は群(グループ又はグループの集合であるロット)に対して、ワクチンを投与するイベントである。哺乳開始・里子は、分娩後に母豚が里子に対して、哺乳を開始するイベントである。哺乳中死亡判定は、母豚が哺乳期間中に、哺乳子豚が死亡したことを判定するイベントである。離乳は、母豚が哺乳期間を終えて、子豚を離乳舎へ移動するイベントである。死亡判定は、対象の個体豚又は群(グループ又はグループの集合であるロット)に対して、死亡したことを判定するイベントである。出荷・廃用選別は、対象の個体豚又は群(グループ又はグループの集合であるロット)に対して、出荷または廃棄を行うイベントである。
【0036】
なお、上記イベントは、繁殖用豚に対して実施する繁殖イベントと、繁殖用豚及び非繁殖用豚に共通して実施する共通イベントに分類することができる。
【0037】
図1に示すように、本実施形態に係る畜産情報管理システム1は、インターネット、VPN(Virtual Private Network)等のネットワークNWを介して、ユーザが使用する端末装置である端末装置201と、畜産情報管理サーバ101とが接続されて構成されている。なお、説明の簡略化のため
図1では1人のユーザを想定して端末装置201のみを示しているが、畜産情報管理サーバ101はネットワークNWを介して2以上の端末装置、2人以上のユーザと接続可能である。また、一台の端末装置を複数のユーザが使用しても構わない。
【0038】
畜産情報管理サーバ101は、イベント選択部111、家畜抽出部113、家畜選択部114、登録情報抽出部115、識別子付与部116、家畜情報記憶部121を備える。畜産情報管理サーバ101は、例えば、サーバ装置(サーバ用コンピュータ)等である。
【0039】
イベント選択部111は、家畜に実施を希望するイベントを、ユーザからの指示により選択する機能を有する。具体的には、端末装置201の表示部212に表示されるアイコンを、ユーザが入力部211から選択する事で、実施を希望するイベントを選択する。
【0040】
家畜抽出部113は、後述する家畜情報記憶部121に記憶されている家畜又は家畜群に紐づく履歴情報を用いて、イベント選択部111で選択されたイベントを実施可能な家畜又は家畜群を抽出する機能を有する。具体的には、例えば、イベント選択部111において本交配のイベントが選択されている場合、履歴情報から、本交配可能な豚又は豚のグループを抽出する。より具体的には、家畜抽出部113は、最新のイベントが離乳の履歴情報を有する母豚又は母豚のグループを、本交配イベントが可能であるものとして抽出し、リストとして表示部212に表示することができる。
【0041】
家畜選択部114は、家畜抽出部113で抽出された家畜又は家畜群からイベントを実施する家畜又は家畜群を、ユーザからの指示により選択する機能を有する。具体的には、例えば、表示部212に表示される母豚又は母豚のグループのリストから、本交配を実施する母豚又は母豚のグループをユーザが入力部211から選択することができる。
【0042】
登録情報抽出部115は、家畜選択部114で選択された家畜又は家畜群の履歴情報を用いて、イベント選択部111で選択されたイベントに対応する家畜情報記憶部121に記憶されているイベントの実施の為に用いる登録情報を抽出する機能を有する。具体的には、例えば、家畜選択部114で選択された家畜又は家畜群の履歴情報の中の場所情報を用いて、イベント選択部111で選択された本交配イベントのための母豚の場所に近い場所にいる雄豚の情報(登録情報)を抽出する機能を有する。
【0043】
識別子付与部116は、イベント選択部111で選択されたイベントを、所定の期間に実施したことを登録された複数の家畜に対して家畜グループとして群識別子(グループ識別子)を付与する機能を有する。また、識別子付与部116は、イベント選択部111で選択されたイベントを、更に所定の場所で実施したことを登録された複数の家畜に対して家畜グループとしてグループ識別子を付与することができる。具体的には、識別子付与部116は、例えば2019年5月30日に離乳イベントが選択された複数の豚に対して、「20190530離乳グループ」のようなグループ識別子を付与し、複数の豚とグループ識別子を紐づけて家畜情報記憶部121に記憶する。また、さらにイベントを選択する際に同じ豚舎の情報を有する豚に対してグループ識別子を付与することもできる。
【0044】
家畜情報記憶部121は、畜産に係る家畜情報を履歴情報として記憶する記憶装置である。家畜情報は、豚の場合、主に農場基本情報、繁殖豚情報、非繁殖豚情報がある。家畜情報記憶部121は、
図1では畜産情報管理サーバ101と一体に記載しているが、畜産情報管理サーバ101と物理的に独立した記憶装置であっても構わない。
【0045】
農場基本情報は、畜産業者の事業全体に関わる情報であり、農場、豚舎、部屋、豚房等の情報や、農場で取り扱う豚の品種情報、廃用理由、飼料の種類(餌情報)、薬品情報、ホルモン情報、ワクチン情報、出荷先の情報が含まれる。
【0046】
繁殖豚情報は、母豚台帳、母豚廃用台帳、交配記憶台帳、分娩記憶台帳、哺乳記憶台帳、注意母豚一覧等の母豚に関する情報や、雄豚・精液台帳、雄豚・精液廃用台帳の雄豚及び精液に関する情報含まれる。
【0047】
母豚台帳は、ユーザの農場で母豚として登録された豚の一覧表であり、各母豚の基本的な個別情報が紐づけられている。例えば、当該母豚の基本的な個別情報には、母豚番号(個体識別子)、産次、前回イベントタイプ、最新イベント日付、農場名、豚舎名、部屋名、豚房名、品種、導入日、購買先、親豚情報、生年月日、導入時日齢、導入時体重、等の情報が含まれる。
【0048】
母豚廃用台帳は、廃用した母豚の一覧表であり、廃用した母豚の廃用に関する個別情報が紐づけられている。例えば、当該廃用した母豚の個別情報には、死・廃用日、廃用選別日、母豚番号(個体識別子)、産次、前回離乳日、廃用理由、出荷実施、等の情報が含まれる。
【0049】
交配記録台帳は、母豚の交配状況、妊娠鑑定の結果等を示した一覧表であり、交配対象の母豚の交配や妊娠に関する個別情報(交配情報)が紐づけられている。例えば、当該交配対象の母豚の個別情報には、交配日、再発情予定日、分娩予定日、母豚番号(個体識別子)、産次、妊娠鑑定日、妊娠鑑定結果、投与ホルモン情報、前回離乳日、離乳後交配日数、再発情日、流産日、等の情報が含まれる。
【0050】
分娩記録台帳は、分娩した母豚の一覧表であり、分娩した母豚の分娩に関する個別情報(分娩情報)が紐づけられている。例えば、当該分娩した母豚の個別情報には、分娩日、母豚番号(個体識別子)、産次、雄豚・精液番号、総産子数、死産原因(白子、黒子、ミイラ子、その他、等)に応じた死産数、生存産子数、生時体重(平均)、産後死因(圧死、奇形、虚弱、淘汰、その他、等)に応じた子豚の産後死数、哺乳開始頭数、等の情報が含まれる。
【0051】
哺乳記憶台帳は、離乳した母豚の一覧表であり、離乳した母豚の哺乳に関する個別情報が紐づけられている。例えば、当該離乳した母豚の個別情報には、離乳日、母豚番号(個体識別子)、産次、里子前哺乳開始頭数、哺乳開始総体重、里子増減数、里子後哺乳開始頭数、哺乳事故(圧死、下痢、餓死、衰弱、皮膚病、関節炎、噛み、股開き、未熟、淘汰、その他)に応じた子豚の死亡数、哺乳事故率、離乳頭数、離乳時総体重、哺乳日数、継続哺乳日数、哺乳継続フラグ、等の情報が含まれる。
【0052】
注意母豚一覧は、離乳済みの母豚の中で発情再起予定日数を超過している母豚(以下、注意母豚という)の一覧表であり、当該注意母豚の個別情報が紐づけられている。例えば、当該注意母豚の個別情報には、母豚番号(個体識別子)、産次、前回離乳日、超過日数、等の情報が含まれる。
【0053】
雄豚・精液台帳は、農場内で飼養している雄豚及び外部導入した精液の一覧表であり、雄豚及び精液の個別情報が紐づけられている。例えば、当該雄豚及び精液の個別情報には、雄豚・精液番号(個体識別子)、種別、品種、導入日、購買先、生年月日、導入時日齢、導入時体重、血統書番号、等の情報が含まれる。
【0054】
雄豚・精液廃用台帳は、廃用した雄豚及び精液の一覧表であり、廃用した雄豚及び精液の個別情報が紐づけられている。例えば、当該廃用した雄豚及び精液の個別情報には、種別、死・廃用日、廃用選別日、雄豚・精液番号(個体識別子)、廃用理由、出荷実施状況、等の情報が含まれる。
【0055】
グループ情報は、母豚のグループに関する情報として、交配グループ台帳、離乳グループ台帳等の情報を含む。
【0056】
交配グループ台帳は、交配した母豚のグループの一覧表であり、交配した母豚のグループの個別情報が紐づけられている。例えば、交配した母豚のグループの個別情報には、農場名、交配グループ名(グループ識別子)、交配開始日、交配終了日、等の情報が含まれる。
【0057】
離乳グループ台帳は、離乳した母豚のグループの一覧表であり、離乳した母豚のグループの個別情報が紐づけられている。例えば、離乳した母豚のグループの個別情報には、農場、離乳グループ名(グループ識別子)、授乳開始日、授乳終了日、離乳子豚合計、離乳子豚平均重量、導入時平均日齢、等の情報が含まれる。
【0058】
非繁殖豚情報は、複数の離乳子豚にまとめて付与される離乳子豚ロット台帳、複数の離乳子豚ロットをまとめた肥育豚ロット台帳と、育成豚ロット台帳、出荷豚ロット台帳の情報を含む。
【0059】
離乳子豚ロット台帳は、離乳した子豚の一覧表であり、複数の子豚のグループをまとめて離乳子豚の群情報が紐づけられている。例えば離乳子豚の群情報には、離乳子豚ロット名(群識別子)、農場名、豚舎名、部屋名、豚房名、離乳日(ロット編成日、群編成日)、現在の飼養頭数、外部導入、離乳グループ名(グループ識別子)の情報を含む。
【0060】
肥育豚ロット台帳は、肥育豚の一覧表であり、複数の肥育豚をまとめて肥育豚の群情報が紐づけられている。例えば肥育豚の群情報には、肥育豚ロット名(群識別子)、農場名、豚舎名、部屋名、豚房名、肥育開始日(ロット編成日、群編成日)、現在の飼養頭数、外部導入の情報を含む。
【0061】
育成豚ロット台帳は、育成豚の一覧表であり、複数の育成豚をまとめて育成豚の群情報が紐づけられている。例えば育成豚の群情報には、育成豚ロット名(群識別子)、ロット編成日(群編成日)、農場、豚舎、部屋、選別時平均日齢、選別時平均体重、性別、候補豚頭数、投薬された薬品や最終投薬日(投薬情報)、休薬期間(日)の情報を含む。
【0062】
出荷豚ロット台帳は、出荷対象となる出荷豚の一覧表であり、複数の出荷豚をまとめて出荷豚の群情報が紐づけられている。出荷豚種類、農場、出荷豚ロット名(群識別子)、ロット編成日(群編成日)、出荷先、出荷頭数、出荷時総体重(kg)、出荷時平均日齢、混入頭数、特定病気等を疑う症状、出荷可能日、最終投与薬品、最終投薬日、コメントの情報を含む。
【0063】
なお、家畜情報記憶部121は、雄豚情報(雄家畜情報)、精液情報、餌情報、薬品情報、ホルモン情報、ワクチン情報を、イベントの実施に必要な情報である登録情報としても記憶している。また、家畜情報記憶部121は、個々の豚、グループ、ロットの豚に対する給餌の履歴を給餌情報として記憶しても構わない。
【0064】
端末装置201は、例えばPCや、スマートフォン、タブレットPC、及び携帯電話のような装置である。端末装置201は、端末にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェアによって畜産情報管理サーバ101にアクセスしてもよい。また、畜産情報管理サーバ101が提供する動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して畜産情報管理サーバ101にアクセスしてもよい。
【0065】
入力部211は、例えば、キーボードや、マウス、タッチパッド等のユーザが操作することにより情報の入力や選択が可能な装置である。また、スマートフォンやタブレット、PCにおける液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示部212と一体であるタッチパネルでもよい。入力部211は、音声入力装置であっても構わない。
【0066】
表示部212は、情報等をユーザに表示するディスプレイ装置等である。端末装置201と独立したディスプレイ装置であっても構わないし、スマートフォンやタブレットにおける液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置であっても構わない。
【0067】
なお端末装置201は、畜産情報管理サーバ101とネットワークを介さず、一体として構成されていても構わない。
【0068】
<端末装置画面>
次に、本発明の第1の実施形態に係る端末装置201の表示部212に表示される表示画面213について、
図2から
図5を参照しながら説明する。なお以下では、ユーザが繁殖用豚である母豚に対して本交配のイベントの実施を行う場合を例として説明する。
【0069】
図2は、共通イベント選択のためのアイコンを表示する表示画面である。共通イベントは、繁殖用豚と非繁殖用豚に対して実施するイベントを表示している。ユーザは、入力部211から希望する共通イベントのアイコンを選択する事で、共通イベントの登録に処理を進めることができる。
【0070】
図3は、繁殖イベント選択のためのアイコンを表示する表示画面である。繁殖イベントは、繁殖用豚に対して実施するイベントをアイコンで表示している。ユーザは、入力部211から希望する繁殖イベントのアイコンを選択する事で、繁殖イベントの登録に処理を進めることができる。なお、
図2の共通イベントと
図3の繁殖イベントは、メニュー画面により切り替えることができる。
【0071】
図4は、母豚検索のための表示画面である。具体的には、
図3の繁殖イベントのアイコンから、本交配のイベントを選択した場合に表示される画面である。
図4では、交配グループ、離乳グループ、母豚のいる場所(農場、豚舎、部屋)のいずれか、又は全てを入力し、検索ボタンを押すことで、条件に合致する母豚が検索され、表示画面の下部に母豚リストが表示される。母豚リストは、母豚毎に、母豚番号、産次、農場、豚舎、部屋が表示され、ユーザは、交配を希望する母豚を、表示画面左のチェックボックスで選択することができる。
【0072】
図5は、交配イベントの情報を登録する表示画面である。
図5では、母豚およびイベントタイプは、
図4で選択された母豚と
図3で選択されたイベントが予め表示される。そして、ユーザは、イベントの実施日、雄豚・精液の情報、交配タイミングの情報を入力することができる。「続けて登録する」のボタンを押すことで、
図4で選択した母豚に対して順次情報の入力を行うことができる。また「全て登録する」のボタンを押すことで、
図4で選択した母豚に対して、
図5の画面で入力した情報を全て適用することもできる。
【0073】
以上の、ユーザは、
図2から
図5に表示される画面の遷移に従って、イベントの登録を行うことができる。
【0074】
<処理の流れ>
次に、本発明の第1の実施形態に係る畜産情報管理システム1の動作について、
図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、イベントを本交配である場合を例として説明する。
【0075】
ステップS101において、イベント選択部111は、端末装置201の入力部211からの指示により、イベントの選択を行う。具体的には、表示部212に表示されているイベントのアイコンから、ユーザが入力部211で本交配イベントを選択することで、本交配イベントの選択情報を生成する。
【0076】
ステップS102において、家畜抽出部113は、ステップS101で選択され、生成されたイベントの選択情報と、家畜情報記憶部121に記憶されている履歴情報とを用いて、当該イベントを実施可能な家畜を抽出する。具体的には、家畜抽出部113は、本交配イベントの選択情報により、本交配の対象となる母豚を、履歴情報を用いて抽出する。母豚の抽出は、履歴情報である分娩情報、離乳情報を用いて行い、例えば、離乳情報の中の前回の離乳イベントが行われた日から20日経過した豚で、かつ、分娩情報の中の分娩回数は7回以下の母豚を、本交配の対象候補として抽出する。
【0077】
ステップS103において、家畜抽出部113は、ステップS102で抽出したイベントを実施可能な家畜を表示部212に表示する。具体的には、家畜抽出部113は、抽出された本交配の対象候補である母豚のリストを表示部212に表示する。
【0078】
ステップS104において、家畜選択部114は、入力部211からの指示により、ステップS103で表示した家畜の中からイベントを実施する家畜を選択する。具体的には、表示部212に表示されている本交配の対象候補である母豚のリストから、ユーザが入力部211で本交配の実施を希望する母豚を選択することで、本交配の対象母豚の選択情報を生成する。
【0079】
ステップS105において、登録情報抽出部115は、ステップS104で選択された家畜に対して、ステップS101で選択されたイベントの実施に当たって必要となる登録情報を抽出する。具体的には、ステップS104で選択された本交配の対象母豚に対して、本交配を行うための雄豚の登録情報を抽出する。より具体的には選択された本交配の対象母豚の場所情報に応じて、その母豚の存在場所に近い農場の雄豚を登録情報として抽出する。
【0080】
ステップS106において、登録情報抽出部115は、ステップS105で抽出された登録情報を表示部212で表示し、ユーザが抽出された登録情報から希望する登録情報を選択する。具体的には、ステップS105で選択された複数の雄豚情報を、表示部212で例えばプルダウンメニューで複数表示し、ユーザは入力部211複数の雄豚情報から希望する雄豚を選択することができる。
【0081】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る畜産情報管理システム1では、ユーザが豚に対して実施を希望するイベントを選択し、個々の豚に紐付く履歴情報を用いてイベントを実施可能な豚を抽出し、ユーザが抽出された豚からイベントを実施する豚を選択することで、膨大な数の豚の中からユーザが希望するイベントの対象となる豚のみを表示し、効率的にイベントに関する情報の登録を行うことができる。これにより、膨大な数の豚の管理負荷を低減することができる。またユーザはイベントをアイコンで選択する事により直観的な操作を行うことができる。
【0082】
なお、以上の説明では個々の豚を抽出しているが、個々の豚に変えて群としての豚(グループ、ロット)を抽出し、ユーザが家畜群を選択することもできる。例えば2019年5月30日に離乳イベントが選択された複数の豚に対して、「20190530離乳グループ」のようなグループ識別子を付与されている場合、次回本交配イベントを選択する際にユーザが当該グループ識別子を選択する事で、複数の母豚を選択する手間を省くことができる。
【0083】
また家畜抽出部113は、家畜情報記憶部121に記憶されている注意母豚一覧の情報を用いて、離乳済みの母豚の中で発情再起予定日数を超過している母豚を抽出し、ユーザに対して警告の表示を行ってもかまわない。
【0084】
また、以上では繁殖用豚に対する本交配のイベントを例として説明したが、イベントはこれに限られるものではない。例えば、共通イベントとしての投薬イベントをユーザが希望する場合、履歴情報から投薬対象となる豚、豚のグループ、豚のロットを抽出しても構わない。
【0085】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態はユーザが、まず家畜を選択することにより、選択した家畜に対して実施可能なイベントが抽出されるシステムである。これにより、選択した家畜に対して誤ったイベントの実施可能性を低減することができる。第2の実施形態における畜産情報管理システム2は、第1の実施形態における畜産情報管理システム1と基本構成はほぼ同じである。そのため、同一の構成、機能の説明については省略し、異なる構成、機能について説明する。
【0086】
<構成>
第2の実施形態に係る畜産情報管理サーバ101は、イベント選択部111、イベント抽出部112、家畜選択部114、登録情報抽出部115、識別子付与部116、家畜情報記憶部121を備える。なお、第1の実施形態で説明した家畜抽出部113を備えていても構わない。
【0087】
イベント選択部111は、家畜に実施を希望するイベントを、ユーザからの指示により選択する機能を有する。具体的には、端末装置201の表示部212に表示されるアイコンを、ユーザが入力部211から選択する事で、実施を希望するイベントを選択する。
【0088】
イベント抽出部112は、家畜情報記憶部121に記憶されている家畜又は家畜群に紐づく履歴情報を用いて、家畜選択部114で選択された家畜又は家畜群に対して実施可能なイベントを抽出する機能を有する。具体的には、例えば、家畜選択部114において、最新のイベントが離乳の履歴情報を有する母豚又は母豚のグループを選択している場合、それらの母豚又は母豚のグループは、人工授精イベント、本交配イベント等が実施可能であるものとしてそれらのイベントを抽出し、アイコンとして表示部212に表示することができる。
【0089】
家畜選択部114は、イベントの実施を希望する家畜又は家畜群を、ユーザからの指示により選択する機能を有する。具体的には、端末装置201の表示部212に表示される検索画面から所定条件を入力することで、家畜情報記憶部121に記憶されている家畜又は家畜群に紐づく履歴情報を用いて、家畜又は家畜群を検索し、選択することができる。
【0090】
<端末装置画面>
次に、本発明の第2の実施形態に係る端末装置201の表示部212に表示される表示画面213について、
図8から
図10を参照しながら説明する。なお以下では、ユーザが繁殖用豚である母豚に対して本交配のイベントの実施を行う場合を例として説明する。
【0091】
図8は、母豚検索のための表示画面である。当該画面は母豚台帳の管理画面(不図示)から選択する事ができる。
図8では、母豚のいる場所(農場、豚舎、部屋)、最新イベント種別、自家産/外部購入した母豚、対象母豚(死・廃用を除くものか/全ての豚)、品種、購買先、産次いずれか、又は全てを入力し、検索ボタンを押すことで、条件に合致する母豚が検索され、表示画面の下部に母豚リストが表示される。母豚リストは、母豚毎に、母豚番号、農場、豚舎、部屋、産次、前回イベント、最新イベント日付、自家産フラグ、品種、生年月日等の情報が表示され、ユーザは交配を希望する母豚を、母豚番号をクリックする事により選択することができる。
【0092】
図9は、
図8で選択された母豚に実施することができるイベントのアイコンを表示する表示画面である。
図8では、離乳が終わった状態又は妊娠履歴の母豚が選択されたものとして、実施可能なイベントのアイコンは、人工授精 、本交配、哺乳開始、ホルモン処置の繁殖イベントが表示されている。ユーザは、入力部211から希望する繁殖イベントのアイコンを選択する事で、繁殖イベントの登録に処理を進めることができる。
【0093】
図10は、繁殖イベントの情報を登録する表示画面である。
図10では、母豚およびイベントタイプは、
図8で選択された母豚と
図9で選択されたイベントが予め表示される。そして、ユーザは、イベントの実施日、雄豚・精液の情報、交配タイミングの情報を入力することができる。「登録」のボタンを押すことで、
図9で選択した母豚の情報に対して入力を行うことができる。
【0094】
以上の、ユーザは、
図8から
図10に表示される画面の遷移に従って、イベントの登録を行うことができる。
【0095】
<処理の流れ>
本発明の第2の実施形態に係る畜産情報管理システム2の動作について、
図11に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下では、イベントを本交配である場合を例として説明する。
【0096】
ステップS201において、家畜選択部114は、端末装置201の入力部211からの指示により、家畜の検索を行う。具体的には、入力部211から入力されるユーザが希望する条件に基づいて、家畜情報記憶部121に記憶されている母豚の情報の検索を行う。
【0097】
ステップS202において、家畜選択部114は、ステップS201で検索を行った家畜の検索結果を表示部212に表示する。具体的には、ステップS201で検索された母豚の情報を表示部212に表示する。
【0098】
ステップS203において、家畜選択部114は、入力部211からの指示により、ステップS203で表示した家畜の中からイベントを実施する家畜を選択する。具体的には、表示部212に表示されている母豚のリストから、ユーザが入力部211で希望する母豚を選択する。
【0099】
ステップS204において、イベント抽出部112は、ステップS203で選択された家畜と、当該家畜について家畜情報記憶部121に記憶されている履歴情報とを用いて、当該家畜に対して実施可能なイベントを抽出する。具体的には、イベント抽出部112は、ステップS203でユーザが選択した母豚の履歴情報から、例えば、離乳情報の中の前回の離乳イベントが行われた日から20日経過した豚で、かつ、分娩情報の中の分娩回数は7回以下の母豚が選択されている場合、すなわち、次の交配(本交配や人工授精)等を行える母豚であるため、イベントとして交配、人工授精、哺乳開始、ホルモン処置を実施できるものと判別し、これらのイベントを抽出する。抽出されたイベントは、表示部212にアイコンとして表示される。
【0100】
ステップS205において、イベント選択部111は、端末装置201の入力部211からの指示により、ステップS204で抽出されたイベントから実施するイベントの選択を行う。具体的には、表示部212に表示されているイベントのアイコンから、ユーザが入力部211で本交配イベントを選択することで、本交配イベントの選択情報を生成する。
【0101】
ステップS206において、登録情報抽出部115は、ステップS203で選択された家畜に対して、ステップS205で選択されたイベントの実施に当たって必要となる登録情報を抽出する。具体的には、ステップS203で選択された本交配の対象母豚に対して、本交配を行うための雄豚の登録情報を繁殖豚情報記憶部123から抽出する。より具体的には選択された本交配の対象母豚の場所情報に応じて、その母豚の存在場所に近い農場の雄豚を登録情報として抽出する。
【0102】
ステップS207において、登録情報抽出部115は、ステップS206で抽出された登録情報を表示部212で表示し、ユーザが抽出された登録情報から希望する登録情報を選択する。具体的には、ステップS206で選択された複数の雄豚情報を、表示部212で例えばプルダウンメニューで複数表示し、ユーザは入力部211複数の雄豚情報から希望する雄豚を選択することができる。
【0103】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る畜産情報管理システム2では、ユーザが豚を選択し、個々の豚に紐付く履歴情報を用いて選択した豚に対して実施可能なイベントを抽出し、ユーザが抽出されたイベントから選択した豚に対して実施するイベントを選択することで、効率的にイベントに関する情報の登録を行うことができる。これにより、選択した豚に対して実施できないイベントを誤選択する可能性を低減することができる。なお、以上の説明では個々の豚を選択しているが、個々の豚に変えて群としての豚(グループ、ロット)を選択し、ユーザが群についてまとめてイベント情報の登録を行うこともできる。
【0104】
また、以上では繁殖用豚に対する本交配のイベントを例として説明したが、イベントはこれに限られるものではない。例えば、ユーザが投薬対象となる豚、豚のグループ、豚のロットが選択されている場合、履歴情報から共通イベントとしての投薬イベントを抽出しても構わない。
【0105】
また、第2の実施形態で説明した畜産情報管理システム2と、第1の実施形態で説明した畜産情報管理システム1は別々のシステムではなく、1つのシステムとして機能しても構わない。
【0106】
(プログラム)
図12は、コンピュータ801の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ801は、CPU802、主記憶装置803、補助記憶装置804、インタフェース805を備える。
【0107】
ここで、実施形態に係る畜産情報管理サーバ101を構成する各機能を実現するためのプログラムの詳細について説明する。
【0108】
畜産情報管理サーバ101は、コンピュータ801に実装される。そして、畜産情報管理サーバ101の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置804に記憶されている。CPU802は、プログラムを補助記憶装置804から読み出して主記憶装置803に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU802は、プログラムに従って、上記した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置803に確保する。
【0109】
当該プログラムは、具体的には、コンピュータ801において、複数の家畜の情報を管理する畜産情報管理プログラムであって、ユーザの指示により家畜に対して実施を希望するイベントを選択するイベント選択ステップと、個々の家畜又は家畜群に紐付く履歴情報を用いて、前記イベント選択ステップで選択されたイベントを実施可能な家畜又は家畜群を抽出する家畜抽出ステップと、ユーザの指示により前記家畜抽出部で抽出された家畜又は家畜群からイベントを実施する家畜又は家畜群を選択する家畜選択ステップと、を実現するプログラムである。
【0110】
なお、補助記憶装置804は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース805を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークNWを介してコンピュータ801に配信される場合、配信を受けたコンピュータ801が当該プログラムを主記憶装置803に展開し、上記処理を実行してもよい。
【0111】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置804に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)
であってもよい。
【0112】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。また、実施形態の説明では家畜として豚を例として説明したが、牛や鳥のように他の家畜に畜産情報管理システムを適用しても構わない。